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特許異議申立

2024-700454

自動道路スイーパ、および上記道路スイーパの道路洗浄方法

審判番号
2024-700454
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-564906
登録番号
7381022
請求日
2024年05月14日
審決日
2025年03月28日
公報発行日
2025年06月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】デュレボ インターナショナル エス.ピー.エー.
  • 【権利者代理人】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
  • 【異議申立人】杉浦 健文
審判長/審判官
  • 審判長 有家 秀郎
  • 審判官 油原 博
  • 審判官 土屋 真理子
分類
P1651.113-YAA(E01H) / P1651.121-YAA(E01H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条、特許法第29条、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7381022号発明「自動道路スイーパ、および上記道路スイーパの道路洗浄方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7381022号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-10〕について訂正することを認める。 特許第7381022号の請求項2~7、9及び10に係る特許を維持する。 特許第7381022号の請求項1及び8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7381022号(以下「本件特許」という。)の請求項1~10に係る特許についての出願は、2019年12月12日を国際出願日とする外国語特許出願(パリ条約による優先権主張 2019年1月25日 イタリア)であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和 5年11月 7日 特許権の設定登録 同月15日 特許掲載公報の発行 令和 6年 5月14日 特許異議申立人 杉浦健文(以下「申立人」という。)による請求項1~10に対する特許異議の申立て 同年 9月26日 取消理由通知 同年12月25日 意見書及び訂正請求書の提出(特許権者) 令和 7年 2月28日 意見書の提出(申立人) 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和6年12月25日提出の訂正請求書による訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)の趣旨は、特許第7381022号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1~10について訂正することを求めるものであって、その内容は、以下のとおりである(下線は訂正箇所を示す)。 (1)訂正事項1 請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、請求項1に記載の自動道路スイーパ。」と記載されているのを 「自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備え、 前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、自動道路スイーパ。」と訂正する。 (訂正後の請求項2を直接的または間接的に引用する訂正後の請求項3~5についても同様に訂正する) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1または2に記載の自動道路スイーパ。」と記載されているのを「請求項2に記載の自動道路スイーパ。」と訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「前記路面上の前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を動作させる段階と を備える、方法。」と記載されているのを、 「前記路面をスキャンして、前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階と、 前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階と を備える、方法。」と訂正する。 (訂正後の請求項6を直接的または間接的に引用する訂正後の請求項7、9、及び10についても同様に訂正する) (5)訂正事項5 請求項8を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項9に「請求項8に記載の方法。」と記載されているのを「請求項6または7に記載の方法。」と訂正する。 (7)訂正の請求単位について 訂正前の請求項1~5について、請求項2~5は、それぞれ、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項1~5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 訂正前の請求項6~10について、請求項7~10は、それぞれ、請求項6を直接又は間接的に引用するものであり、訂正事項4によって記載が訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項6~10に対応する訂正後の請求項6~10は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1 訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項1は、請求項を削除するものであるから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面(以下、本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」といい、特許請求の範囲、図面とあわせて「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する特許法126条5項および6項に適合するものである。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項2に「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、請求項1に記載の自動道路スイーパ。」と記載されていたのを、請求項1を引用しない独立形式に改め、 「自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備え、 前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、自動道路スイーパ。」と訂正するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き4号に規定する「請求項間の引用関係の解消(他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。)を目的とするものである。 そして、訂正事項2は、請求項間の引用関係の解消を目的とするものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する特許法126条5項および6項に適合するものである。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1または2を引用していたものを、訂正事項1によって請求項1が削除され、訂正事項2によって、請求項1を引用していた請求項2が、請求項1の記載を引用しないものとなったことに伴い、請求項3が引用する請求項から請求項1を削除し、請求項2のみとするものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項3に係る訂正は、上述のとおり請求項3が引用する請求項から請求項1を削除するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する特許法126条5項および6項に適合するものである。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項6の方法において、 (ア)「前記路面上の前記ごみの位置を特定する段階」において、ごみの位置の特定を「路面をスキャンして」特定するものに限定し、 (イ)「選択された前記複数の洗浄部材を動作させる段階」において、選択された前記複数の洗浄部材の動作を、「選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる」ものに特定して限定し、 (ウ)さらに、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」することを特定するとともに、「前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階」を備えることを特定して限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 (ア)ごみの位置を「路面をスキャンして」特定することについて、本件明細書の段落【0053】に「・・・選択手段4は、好ましくは、路面10のスキャンに適している。」と記載され、段落【0055】に「選択手段4は、ごみ11をスイーパ1の移動中に洗浄エリア3aがカバーする洗浄部材3のみを選択して動作させるべく、ごみ11の位置を特定する。」と記載されている。よって、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (イ)「選択された前記複数の洗浄部材を動作させる段階」を「選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階」とすることについて、訂正前の請求項1には、「前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段」と記載され、段落【0055】に「選択手段4は、ごみ11をスイーパ1の移動中に洗浄エリア3aがカバーする洗浄部材3のみを選択して動作させるべく、ごみ11の位置を特定する。」と記載されており、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (ウ)「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し」、「前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階を備える」ことについて、訂正前の請求項8には、「前記複数の洗浄部材は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階を備える」と記載され、訂正前の請求項2には、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、」と記載され、本件明細書の段落【0044】には、「洗浄部材3の各々は、・・・複数の洗浄ヘッド30を含み得る。」と記載されており、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (エ)以上のとおりであるから、訂正事項4に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項4に係る訂正は、上記アにおいて検討したように特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 エ 訂正事項4に関する判断のまとめ 訂正事項4に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する特許法126条5項および6項に適合するものである。 (5)訂正事項5 訂正事項5は、請求項8を削除するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項5は、請求項を削除するものであるから、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条5項及び6項に適合するものである。 (6)訂正事項6 訂正事項6は、訂正事項4において、訂正前の請求項8の内容が実質的に請求項6に組み入れられて記載され、訂正事項5により訂正前の請求項8が削除されたことに伴い、訂正前の請求項9において請求項6または7を引用する請求項8が引用されていたものを、訂正後の請求項9において請求項6または7を引用することとしたものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 そして、訂正事項6は、請求項を削除したことに伴う引用請求項の変更であって、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではなく、特許法120条の5第9項で準用する特許法126条5項および6項に適合するものである。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号、3号及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-10〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は認められるから、本件訂正請求による訂正後の請求項1~10に係る発明(以下、各々を「本件発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~10に記載された、次の事項により特定されるとおりのものである。 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備え、 前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、自動道路スイーパ。 【請求項3】 前記選択手段は、前記路面の少なくとも1つのフレームを記録するのに適した光学的手段であり、前記選択手段は、前記搬送手段により与えられる移動方向と一体的に向けられている、請求項2に記載の自動道路スイーパ。 【請求項4】 前記光学的手段は、前記路面の3次元画像の再構築に適した複数のビデオカメラを有する、請求項3に記載の自動道路スイーパ。 【請求項5】 前記選択手段は、前記光学的手段からの前記フレームを格納すべく、かつ、少なくとも1つの選択される洗浄部材を選択して動作させるべく前記光学的手段および前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されているプロセッサを有する、請求項3または4に記載の自動道路スイーパ。 【請求項6】 スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法であって、 前記路面をスキャンして、前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階と、 前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階と を備える、方法。 【請求項7】 前記洗浄エリアが前記ごみをもはやカバーしなくなった場合、前記複数の洗浄部材をオフにするさらなる段階を備える、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 前記スイーパは、前記路面の少なくとも1つのフレームを記録するのに適した光学的手段を有する選択手段と、前記光学的手段および前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記選択する段階は、前記複数の洗浄部材から洗浄部材を選択すべく前記少なくとも1つのプロセッサにより前記少なくとも1つのフレームを処理することを含む、請求項6または7に記載の方法。 【請求項10】 前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の異なる特定のごみを表す比較画像のデータベースを有し、前記識別する段階において、前記少なくとも1つのプロセッサは、識別された前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択すべく、前記少なくとも1つのフレームを前記比較画像と比較する、請求項9に記載の方法。 第4 特許異議申立理由及び取消理由通知に記載した取消理由の概要 1 特許異議申立理由について 申立人が特許異議申立書において訂正前の本件特許の請求項1~10に対して主張する特許異議申立理由の概要及び提出した証拠は以下のとおりである。 (1)特許異議申立理由の概要 ア 新規性(特許法29条1項3号) 本件特許の請求項1~6、8及び9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証、甲第2号証または甲第3号証に記載された発明である。 イ 進歩性(特許法29条2項) 本件特許の請求項1~6、8及び9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証、甲第2号証または甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、本件特許の請求項1~10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)証拠 申立人が提出した証拠は、以下のとおり。 ア 甲第1号証 中国実用新案第204662320号明細書 イ 甲第2号証 台湾実用新案第565730号明細書 ウ 甲第3号証 中国特許出願公開第107881958号明細書 エ 甲第4号証 中国特許出願公開第107713913号明細書 オ 甲第5号証 広辞苑第七版 「排他」の欄、2312頁、岩波書店 2 取消理由通知に記載した取消理由の概要 (1)新規性(特許法29条1項3号) ア 本件特許の請求項1及び6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明である。 イ 本件特許の請求項1、3、5、6、8及び9に係る発明は、甲第2号証に記載された発明である。 ウ 本件特許の請求項1、3、5及び6に係る発明は、甲第3号証に記載された発明である。 (2)進歩性(特許法29条2項) ア(ア)本件特許の請求項1及び6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (イ)本件特許の請求項7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ(ア)本件特許の請求項1、3、5、6、8及び9に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (イ)本件特許の請求項4、7及び10に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ(ア)本件特許の請求項1、3、5及び6は、甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (イ)本件特許の請求項4及び7に係る発明は、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 証拠の記載 1 甲第1号証 中国実用新案第204662320号明細書 (1)甲第1号証の記載 甲第1号証には、以下の記載がある。 なお、日本語抄訳は、申立人の提出した抄訳を参考に当審において作成した。下線も当審において付与した(以下、同様)。 ア 「 [図:0001423494000001.jpg] [0001] 本実用新案は、清掃車の技術分野に関し、特にブラシ掃除システムおよび清掃車に関する。」 イ 「 [図:0001423494000002.jpg] [0020] この実用新案で説明されているブラシ掃除システムの作業工程は以下のとおりである: [0021] 前記地面情報感知装置は、地面情報を収集し、前記対地情報感知装置と電気的に接続された処理制御装置に地面情報を送信し、前記処理制御装置は、前記地面情報感知装置から送信された地面情報に基づいて、地面上にごみ及び/又は障害物が存在するか否かを判断し、地面上にごみ及び/又は障害物が存在する場合、地面上のごみを掃引し、及び/又は地面上の障害物を回避するように前記ブラシヘッド装置を制御することを特徴とする。 [0022] 以上の作業工程から分かるように、実用新案が提供するブラシ掃除システムは、ブラシ掃除作業を自動的に行うことができるので、ブラシ掃除作業は清掃車の運転作業から分離され、運転者は清掃車の運転作業のみを行う責任を負うことができ、事故の発生を効果的に防止することができる。」 ウ 「 [図:0001423494000003.jpg] [0032] 図1を参照すると、実用新案の一実施形態によって提供されるブラシ掃除システムのアーキテクチャ図が示されており、図1に示すように、前記ブラシ掃除システムは、以下を含む。地面情報感知装置1;地面情報感知装置1は、地面上の道路状況、地面上の物体の大きさなどの地面情報を収集することができる:同時に、地面情報を収集した後、地面情報感知装置1は、リアルタイムで対応する処理装置に伝送して処理することができる。 [0033] 前記ブラシ掃除システムは、前記地面情報感知装置1に電気的に接続された処理制御装置2をさらに備える:処理制御装置2は、地面情報感知装置1に接続され、地面情報感知装置1によって収集された地面情報をリアルタイムで受信及び分析し、前方又は左右に障害物又はごみがあるかどうかを判断し、障害物又はごみの距離、大きさ及び/又は覆う範囲などの情報を計算し、障害物を回避し又はごみを掃除するように関連装置を制御する制御指令を生成し、関連装置が障害物を回避したり、ごみを掃除したりするようにする。 [0034] 前記ブラシ掃除システムは、前記処理制御装置2に電気的に接続される掃除ブラシヘッド装置3をさらに備え、掃除ブラシヘッド装置3は、処理制御装置2に電気的に接続され、処理制御装置2から送信される制御コマンドを受信可能であり、この制御コマンドは、障害物回避コマンド及び/又はごみ掃き出しコマンドからなり、掃除ブラシヘッド装置3は、制御コマンドを受信すると、障害物回避及び/又はごみ掃き出しの動作を実行する。」 エ 「 [図:0001423494000004.jpg] [0035] 地上情報の正確な認識と収集を確実にするために、地面情報感知装置1は、図1に示すように、三次元計測センサ11、赤外線センサ12および/または音響距離センサ13から構成される。 [0036] ここで、三次元測定センサ11は、地面情報感知装置1の基本部分として、地盤の三次元画像を正確に収集することができ、処理制御装置2が地面の状態情報を正確に判断できるようにする。同時に、地面情報感知装置1は、赤外線センサ12および/または音響波距離センサ13も合み、赤外線センサ12は、処理制御装置2が物体の地面に対する接触状態および物体の大きさを判断できるように、物体の温度状態および地面の温度状態を測定することができ、音響波距離センサ13は、処理制御装置2が、掃除ブラシヘッド装置3を制御できるように、車両と様々な物体との間の距離情報を収集することができる。また、音響波距離センサ13は、清掃車と様々な対象物との間の距離情報を収集することができる。もちろん、地面情報感知装置1は、他の種類のセンサーを含むこともできる。」 オ 「 [図:0001423494000005.jpg] [図:0001423494000006.jpg] [0037] 前記処理制御装置2は、前記地面情報感知装置1によって収集された対地情報を受信した後、対応する処理を行うだけでなく、制御動作を行う必要があるため、図1に示すように、前記処理制御装置2は、前記地面情報感知装置1に電気的に接続されたごみ及び障害物認識モジュール21を含んで構成することができ、前記ごみ及び障害物認識モジュール21は、前記地面情報感知装置1によって送信された対地情報を受信した後、前記地面情報感知装置1によって送信された地面情報に基づいて、スイーパの周囲にごみ及び/又は障害物が存在するか否かを判断する。 [0038] 前記処理制御装置2は、前記ごみ及び障害物認識モジュール21に電気的に接続された位置及び形状計算モジュール22をさらに備え、ごみ及び/又は障害物がごみ及び/又は障害物認識モジュール21によって認識された後、位置及び形状計算モジュール22は、ごみ及び/又は障害物の位置及びその形状を決定し、さらに、ごみ及び/又は障害物の位置及び形状に基づいて、ごみ及び/又は障害物からの距離、及びごみ及び/又は障害物のカバー範囲を計算する。 [0039] 前記処理制御装置2は、前記位置及び位置及び形状計算モジュール22に電気的に接続された掃除ブラシヘッド装置制御モジュール23を更に備え、前記掃除ブラシヘッド装置制御モジュール23は、前記掃除ブラシヘッド装置3に電気的に接続され、前記位置及び形状計算モジュール22がごみ及び/又は障害物の位置及びその形状を計算した後、ごみ及び/又は障害物の位置及びその形状及び大きさに基づいて制御コマンドを生成し、制御コマンドにより、掃除ブラシヘッド装置3を制御して、障害物を回避し、及び/又は、ごみを清掃する。」 カ 「 [図:0001423494000007.jpg] [0040] 図2は、実用新案の例示的な実施形態に示される掃除ブラシヘッド装置の構造図であり、図2に示されるように、掃除ブラシヘッド装置3が障害物を回避し、及び/又はごみを掃き掃除できるようにするために、前記掃除ブラシヘッド装置3は、前記処理制御装置2にそれぞれ電気的に接続された水平伸縮機構31及び掃除ブラシヘッド機構32をさらに備えていてもよく、前記水平伸縮機構31は、以下のものを含む:シリンダ、このシリンダは、シリンダ本体とピストンロッドを含む;前記ピストンロッドは、前記掃除ブラシヘッド機構に接続され、前記シリンダ本体の前記ブラシヘッド機構から離れた端部は、回転機構33を介して清掃車の車体4に接続される; [0041] 水平伸縮機構31は、掃除ブラシヘッドと障害物との距離、またはごみとの距離を制御することができ、回転機構33によって清掃車の車体4に連結され、水平方向に操向し、これにより、掃除ブラシヘッド機構32を操舵制御して、障害物をより良く回避し、またはごみをより良く掃くことができる。ここで、水平伸縮機構31とはシリンダであってもよく、回動機構33は回転軸であってもよい。 [0042] 図3は本実用新案が提供した掃除ブラシヘッド装置の構造説明図であり、図4は本実用新案が提供した掃除ブラシヘッド機構の構造説明図であり、掃除の目的に達するため、図3と図4とからわかるように、前記掃除ブラシヘッド機構32は以下を含む:前記水平伸縮装置31のシリンダのピストンロッドと互いに接続している掃除ブラシヘッド支持機構321;前記掃除ブラシヘッド支持機構321の上部底面に配置された油圧式伸縮機構322;前記油圧式伸縮機構322の上端に固定されたプッシュ装置323;前記プッシュ装置323の下部底面の周囲に配置されたブラシ毛324;前記ブラシ毛324は、前記掃除ブラシヘッド支持機構321を包囲して覆い、前記掃除ブラシヘッド支持機構321の縁部に接触している。 [0043] 掃除ブラシヘッド支持機構321は水平伸縮機構31のピストンロッドに連結され、水平伸縮機構31は水平方向にのみ移動するため、支持面としての掃除ブラシヘッド支持機構321の位置は上下方向に固定される;同時に、ブラシ毛324はプッシュ装置323の下部底面の周囲に配置され、掃除ブラシヘッド支持機構321の端部に当接し、プッシュ装置323は上下伸縮機構322の上端に設けられているため、油圧伸縮機構322を上方に伸張させると、ブラシ毛324と油圧支持機構322の端部とのなす角度が大きくなり、ブラシ毛324が上方にしまっておかれ、ブラシ毛324のごみに対する被覆面積が小さくなる;油圧伸縮機構322を下方に短縮させると、ブラシ毛324と油圧支持機構321とのなす角度が小さくなり、ブラシ毛324が下方に開き、ブラシ毛324のカバー領域が大きくなる。」 キ 「 [図:0001423494000008.jpg] [0044] また、掃除ブラシヘッド装置3の掃引効果を高めるとともに掃引範囲を拡大し、同時に障害物を回避するために、図3に示すように、前記掃除ブラシヘッド装置3を複数設けることができ、該複数の掃除ブラシヘッド装置3は可動連絡部材(図示せず)で連結する。 [0045] 掃除ブラシヘッド装置3が複数である場合には、異なる掃除ブラシヘッド装置3の水平伸縮機構31の伸縮と、掃除ブラシヘッド機構32のブラシ毛324のカバー範囲を個別に制御することにより、複数の掃除ブラシヘッド装置3の非同期処理の機能を実現することができ、例えば、清掃車の車体4の前方左側50cmにごみが存在し、前方右側20cmにごみが存在する場合には、左右2つの掃除ブラシヘッド装置3を設けることができ、左側の掃き掃除用ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側50cmのごみを掃き掃除するように制御し、右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方20cmのごみを掃き掃除するように制御し、清掃車の車体4の前方左側に障害物があり、右側にごみがある場合、左側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側の障害物を避けるように制御すると同時に、右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方右側20cmのごみを掃き掃除するように制御することができる。同時に、複数の掃除ブラシヘッド装置3の水平方向への操舵機能を制御するために、複数の掃除ブラシヘッド装置3は、可動連結部材によって連結された後、回動機構33によって清掃車の車体4に連結されてもよい。ここで、可動連結部材は、ヒンジであってもよい。」 (2)甲第1号証に記載された発明 上記(1)より、甲第1号証には、以下の2の発明(以下「甲1発明」、「甲1方法発明」という。)が記載されていると認められる。 ア 甲1発明 ブラシ掃除システムがブラシ掃除作業を自動的に行う清掃車であって、(上記(1)イ) ブラシ掃除システムは、 地面上の道路状況、地面上の物体の大きさなどの地面情報を収集し、地面情報を収集した後、リアルタイムで対応する処理装置に伝送して処理する地面情報感知装置1、 地面情報感知装置1に接続され、地面情報感知装置1によって収集された地面情報をリアルタイムで受信及び分析し、前方又は左右にごみがあるかどうかを判断し、ごみの距離、大きさ及び/又は覆う範囲などの情報を計算し、障害物を回避し又はごみを掃除するように関連装置を制御する制御指令を生成し、関連装置が障害物を回避したり、ごみを掃除したりするようにする処理制御装置2、 処理制御装置2に電気的に接続され、処理制御装置2から送信される制御コマンドを受信可能であり、制御コマンドを受信すると、ごみ掃き出しの動作を実行する掃除ブラシヘッド装置3を含み、(上記(1)ウ) 前記処理制御装置2は、ごみ及び障害物認識モジュール21を含んで構成することができ、前記ごみ及び障害物認識モジュール21は、前記地面情報感知装置1によって送信された地面情報に基づいて、スイーパの周囲にごみが存在するか否かを判断し、 前記処理制御装置2は、前記ごみ及び障害物認識モジュール21に電気的に接続された位置及び形状計算モジュール22をさらに備え、位置及び形状計算モジュール22は、ごみの位置及びその形状を決定し、ごみの位置及び形状に基づいて、ごみからの距離、及びごみのカバー範囲を計算し、 前記処理制御装置2は、掃除ブラシヘッド装置制御モジュール23を更に備え、前記掃除ブラシヘッド装置制御モジュール23は、ごみの位置及びその形状及び大きさに基づいて制御コマンドを生成し、制御コマンドにより、掃除ブラシヘッド装置3を制御して、ごみを清掃するものであり(上記(1)オ)、 前記掃除ブラシヘッド装置3は、水平伸縮機構31及び掃除ブラシヘッド機構32を備え、前記水平伸縮機構31は、シリンダ本体とピストンロッドを含むシリンダであり、前記ピストンロッドは、前記掃除ブラシヘッド機構に接続され、前記シリンダ本体の前記ブラシヘッド機構から離れた端部は、回転機構33を介して清掃車の車体4に接続されるものであり、水平伸縮機構31は、掃除ブラシヘッドとごみとの距離を制御することができ、回転機構33によって清掃車の車体4に連結され、(上記(1)カ) 掃除ブラシヘッド装置3が複数である場合には、異なる掃除ブラシヘッド装置3の水平伸縮機構31の伸縮と、掃除ブラシヘッド機構32のブラシ毛324のカバー範囲を個別に制御することにより、複数の掃除ブラシヘッド装置3の非同期処理の機能を実現することができ、例えば、清掃車の車体4の前方左側50cmにごみが存在し、前方右側20cmにごみが存在する場合には、左右2つの掃除ブラシヘッド装置3を設けることができ、左側の掃き掃除用ブランヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側50cmのごみを掃き掃除するように制御し、右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方20cmのごみを掃き掃除するように制御する、(上記(1)キ) 清掃車。 イ 甲1方法発明 甲1発明の清掃車によって地面上のごみを掃除する方法。 2 甲第2号証 台湾実用新案第565730号明細書 (1)甲第2号証の記載 甲第2号証には、以下の記載がある。 ア 「 [図:0001423494000009.jpg] 本発明は、インテリジェントな道路清掃装置、特に、道路を自動的に清掃して安全性を向上させ、人件費を削減し、ごみを自動的に識別して様々な方法で清掃して清掃効果を向上させるインテリジェントな道路清掃装置を提供する。」(明細書1頁3~6行) イ 「 [図:0001423494000010.jpg] 実施形態 上述の目的および効果を達成するために本発明が採用する技術的手段および構造について、以下に本発明の好ましい実施形態に関して詳細に説明し、理解を容易にする。 第1図から第3図は、本発明の好ましい実施形態の三次元概略図、平面概略図、および底面概略図である。これらの図から、本発明が車体1と、少なくとも1つの変位ユニット2と、少なくとも1つのごみ画像認識装置31と、少なくとも1つの把持ユニット41と、少なくとも1つの第1のごみ収集部ユニット51と、少なくとも1つの吸引ユニット42と、少なくとも1つの第2のごみ収集部ユニット52と、少なくとも1つのブラシユニット6と、少なくとも1つの制御装置71と、少なくとも1つの測位ナビゲーション装置72と、少なくとも1つの充電装置8と、少なくとも1つの計時装置73と、少なくとも1つのIoT装置74と、及び少なくとも1つの地形障害物検知装置32を含むことがわかる。」 (明細書3頁下から10行~最下行) ウ 「 [図:0001423494000011.jpg] 変位ユニット2は、車体1を変位可能に車体1上に配置されており、車体1の下側に位置する複数の車輪体21と、車体1に接続された少なくとも1つのサスペンションとを含む。各車輪本体21、サスペンションシステム25、各車輪本体21に接続された少なくとも1つのステアリング機構22、各車輪本体21に接続された少なくとも1つの伝達コンポーネント23、および伝達コンポーネント23に接続された少なくとも1つの変位モータ24、および各車輪本体21は、車体1の前側に設けられた複数の前輪211と、車体1の後側に設けられた複数の後輪212とを構成している。本実施形態では、各後輪212の容積は、各前輪211の容積よりも大きくし、各後輪212には重心を支える効果があるものとする。」(明細書4頁1~7行) エ 「 [図:0001423494000012.jpg] ごみ画像認識装置31は、車体1側方且つ変位ユニット2側方に配置され、ごみの種類を識別するために使用される。本実施形態では、ごみ画像認識装置31はカメラを含む。把持ユニット41は車体本体1上でごみ画像認識装置31の側方に配置され、ごみを選択的に拾い上げるために使用される。本実施形態では、把持ユニット41は三方伸縮グリッパである。第1のごみ収集部ユニット51は、キャリア本体1上に設けられ、把持ユニット41の側方に位置し、クランプ部材41に捕捉されたごみを収集する。第1のごみ収集部ユニット51は、少なくとも1つの第1収集部511と、少なくとも1つの第1収集部511の側方に配置された第1ごみ量感知装置512と、少なくとも1つの第1収集部511の対応位置を選択的に閉鎖するための開閉装置513と、を含む。」 (明細書4頁8~15行) オ 「 [図:0001423494000013.jpg] 吸引ユニット42は、車体1上に設けられ、ごみ画像認識装置31の側に位置し、車体1の下側に形成された少なくとも1つの吸引口421と、少なくとも1つの吸引口421と第2のごみ収集部ユニット52とを連通する吸引路422と、少なくとも1つの吸引路422上に設けられた空気圧コンポーネント423とを備え、第2のごみ収集部ユニット52は車体1上に設けられ、吸引ユニット42の側方に配置され、吸引ユニット42によって吸い上げられたごみ及び砂塵を収集するように接続され、第2のごみ収集部ユニット52は、少なくとも1つの第2収集部521と、少なくとも1つの第2収集部521の側方に配置された第2ごみ量検知装置522と、を備える。」(明細書4頁16~23行) カ 「 [図:0001423494000014.jpg] ブラシユニット6は、車体1上に設けられ、吸引ユニット42の側方に位置し、ブラシユニット6は、少なくとも1つの回転モータ61と、少なくとも1つの回転モータ61上に設けられて駆動されるローラブラシ62とを含む。本実施形態では、ブラシユニット6は、後輪212の前側、車体1の両側の前輪211と後輪212との間に、それぞれ配置され、吸引ユニット42に向かって回転する。」(明細書4頁24~27行) キ 「 [図:0001423494000015.jpg] [図:0001423494000016.jpg] 制御装置71は、車体1に設けられ、変位ユニット2、ごみ画像認識装置31、把持ユニット41、第1のごみ収集部ユニット51、吸引ユニット42、第2のごみ収集部ユニット52に接続されている。この実施形態では、制御装置71は、例えば、集積回路(IC)、中央処理装置(CPU)、またはプログラマブルロジックコントローラー(PLC)を含んで構成される。 測位ナビゲーション装置72は、制御装置71の側に設けられ、その情報に接続され、現在位置を検出し、所定の移動ルートを提供するために使用される。測位ナビゲーション装置72は、少なくとも1つの測位要素721と、少なくとも1つの測位要素721の情報に接続されるナビゲーション要素722と、少なくとも1つのナビゲーション要素722の情報に接続される記憶要素723と、を備え、計時装置73は、制御装置71側に設置され、その情報に接続され、IoT装置74は、制御装置71側に設置されその情報に接続される。」(明細書4頁28行~5頁10行) ク 「 [図:0001423494000017.jpg] 同時に、ごみ画像認識装置31は、周囲にあるごみの種類を識別し、制御装置71に送り返し、大型ごみと認識された場合、図6に示すように、制御装置71は、把持ユニット41を介して大型ごみをクランプし、第1のごみ収集部ユニット51の開閉装置513を開いて、第1収集部511にごみを処理し、その後、開閉装置513を閉じる。これにより、外観がより美しくなるだけでなく、臭気の飛散や第1収集部511からの偶発的な脱落も防止される。 小さなごみであると識別された場合、図7に示すように、吸引ユニット42の空気圧コンポーネント423は、吸引口421から吸引路422を通って第2のごみ収集部ユニット52の第2収集部521に小さなごみを吸引し、収集して保管する。」(明細書6頁10~17行) ケ 第一図、第五図 [図:0001423494000018.jpg] [図:0001423494000019.jpg] コ 上記イの記載を踏まえると、上記ケの第一図からは、把持ユニット41と吸引ユニット42とは、車体1の異なる部分に位置する固定箇所に配置されていることが看取される。 サ 上記イの記載を踏まえると、上記ケの第一図及び第五図からは、ごみ画像認識装置31は、車体1の前方に向けられていることが看取される。 (2)甲第2号証に記載された発明 上記(1)より、甲第2号証には、以下の2の発明(以下「甲2発明」、「甲2方法発明」という。)が記載されていると認められる。 ア 甲2発明 道路を自動的に清掃して安全性を向上させ、ごみを自動的に識別して様々な方法で清掃して清掃効果を向上させる道路清掃装置であって、(上記ア) 車体1と、変位ユニット2と、ごみ画像認識装置31と、把持ユニット41と、第1のごみ収集部ユニット51と、吸引ユニット42と、第2のごみ収集部ユニット52と、ブラシユニット6と、制御装置71と、地形障害物検知装置32を含み、(上記イ) 変位ユニット2は、車体1の下側に位置する複数の車輪体21を含み、(上記ウ) ごみ画像認識装置31は、ごみの種類を識別するために使用され、カメラを含み、車体1の前方に向けられており、把持ユニット41は車体1上でごみ画像認識装置31の側方に配置され、ごみを選択的に拾い上げるために使用され、三方伸縮グリッパであり、(上記エ、サ) 吸引ユニット42は、車体1上に設けられ、車体1の下側に形成された少なくとも1つの吸引口421と、吸引口421と第2のごみ収集部ユニット52とを連通する吸引路422と、空気圧コンポーネント423とを備え、第2のごみ収集部ユニット52は吸引ユニット42によって吸い上げられたごみ及び砂塵を収集するように接続され、(上記オ) 把持ユニット41と吸引ユニット42とは、車体1の異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、(上記コ) ブラシユニット6は、車体1上に設けられ、吸引ユニット42の側方に位置し、後輪212の前側、車体1の両側の前輪211と後輪212との間に、それぞれ配置され、吸引ユニット42に向かって回転し、(上記カ) 制御装置71は、車体1に設けられ、変位ユニット2、ごみ画像認識装置31、把持ユニット41、第1のごみ収集部ユニット51、吸引ユニット42、第2のごみ収集部ユニット52に接続され、集積回路(IC)、中央処理装置(CPU)、またはプログラマブルロジックコントローラー(PLC)を含んで構成され、(上記キ) ごみ画像認識装置31は、ごみの種類を識別し、制御装置71に送り返し、大型ごみと認識された場合、制御装置71は、把持ユニット41を介して大型ごみをクランプし、第1のごみ収集部ユニット51の第1収集部511にごみを処理し、小さなごみであると識別された場合、吸引ユニット42は、第2のごみ収集部ユニット52の第2収集部521に小さなごみを吸引し、収集して保管する(上記ク) 道路清掃装置。 イ 甲2方法発明 甲2発明の道路清掃装置によって道路を自動的に清掃する方法。 3 甲第3号証 中国特許出願公開第107881958号明細書 (1)甲第3号証の記載 甲第3号証には、以下の記載がある。 ア 「 [図:0001423494000020.jpg] [0001] 本発明は、清掃作業分野に関し、特に清掃車両の作業制御方法、システムおよび清掃車両に関する。」 イ 「 [図:0001423494000021.jpg] [図:0001423494000022.jpg] [0035] 上記目的を達成するために、本発明は、清掃作業部と、清掃画像取得部と、画像処理部と、モード照合部とを備える清掃作業制御システムを提供し、前記清掃画像取得部は、清掃車両の近傍の環境清掃情報を反映した清掃画像を取得するために使用され、前記画像処理部は、前記清掃画像取得部と信号接続され、前記清掃画像を処理して清掃すべきごみの量を特徴付けるパラメータを推定し、前記モード照合部は、前記画像処理部および前記清掃作業部にそれぞれ信号接続され、前記パラメータに応じて対応する清掃作業モードをマッチングし、前記清掃作業部を制御して、前記清掃作業モードに従って清掃作業を実行することが可能である。」 ウ 「 [図:0001423494000023.jpg] [0039] さらに、前記清掃作業部は、高圧水路洗浄装置、ブラシ掃除装置及び吸盤装置から構成され、前記モード照合部は、前記清掃作業モードに応じて、前記高圧水路洗浄装置、前記ブラシ掃除装置及び/又は前記吸盤装置を制御して清掃作業を行うことができる。 [0040] さらに、前記高圧水路洗浄装置は、高圧水ポンプと高圧水ポンプ制御装置とを備え、前記高圧水ポンプ制御装置は、適合した清掃作業モードに応じて前記高圧水ポンプのモータ回転数を制御可能である。 [0041] さらに、前記ブラシ掃除装置は、掃除ディスクと掃除ディスクモータコントローラとからなり、前記掃除ディスクモータコントローラは、適合した清掃作業モードに応じて前記掃除ディスクのモータ回転数を制御することができる。 [0042] さらに、前記吸盤装置は、ブロワとブロワコントローラとから構成され、前記ブロワコントローラは、適合した清掃作業モードに応じて前記ブロワのモータ回転数を制御可能である。」 エ 「 [図:0001423494000024.jpg] [0076] 本実施形態のステップ200において、撮像システムは、清掃車両の周囲の環境清掃情報を反映した清掃画像を撮像してもよい。撮像システムは、清掃車両に設けられてもよいし、清掃車両以外の車両又は施設に設けられてもよい。撮像システムは、カメラによって複数の清掃画像を取得してもよいし、連続な環境清掃ビデオを取得し、環境清掃ビデオの適応の動画フレームを環境清掃画像として切り取るようにしてもよい。 [0077] 清掃画像は、清掃車両の周囲の環境清掃状況を反映することができ、例えば、清掃車両の前方の2辺の清掃画像を収集することにより、前方の環境清掃状況に応じて清掃作業モードを適時に調整することができる。車両前方の環境清掃状況をより総合的に把握できるようにするためには、前記清掃車両の前方2側面のそれぞれの前記清掃画像が、前記清掃車両の中心線に対して左右対称であり、画像幅が前記清掃車両の運転幅の半分以上であり、画像長さが前記清掃車両の車速に対して予め設定された割合であることが好ましい。具体的には、前記車載路走査撮像装置は、前記清掃車両の前部における前記車体の左右側面の位置に搭載することができる。これにより、清掃車両の前方の左右のそれぞれの清掃画像に、清掃車両の前方の実際の環境清掃情報を全体として反映させることができる。別の実施形態では、清掃車両の前部の片側または両側または後部の清掃画像も撮像することができる。」 オ 「 [図:0001423494000025.jpg] ・・・ [図:0001423494000026.jpg] [0095]・・・本発明の清掃作業制御システムの複数の実施形態を提供する。図4に、本発明の清掃作業制御システムの一実施形態の概略構造図を示す。本実施形態において清掃作業制御システムは、清掃作業部10と、清掃画像取得部20と、画像処理部30と、モード照合部40とから構成され、清掃作業部10は、清掃作業の種類に応じて清掃車両に搭載される構成とすることができ、例えば、清掃作業部10は、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成される。これら清掃作業部10の更なる構成や機能については後述する。 [0096] 清掃画像取得部20は、清掃車両の周囲の環境清掃情報を反映した清掃画像を取得するために用いられる。ところで、清掃画像取得部は、前記清掃車両の前部の左右両側の清掃画像を撮像可能な車載路面撮像装置から構成することができる。車載路面撮像装置は、好ましくは、前記清掃車両の前部の運転台シャーシの左側及び右側の位置に取り付けられる。別の実施形態では、清掃車両の両側又は後部に搭載することもできる。 ・・・ [0098] 画像処理部30は、前記清掃画像取得部に信号的に接続され、前記清掃画像を処理して、清掃されるごみの量を特徴付けるパラメータを推定することができる。画像処理部30は、汎用の又は専用の画像処理プロセッサのハードウェア要素で構成されてもよく、画像処理効果を向上させるために、ノイズ低減機能を有する画像処理プロセッサを選択することもできる。また、画像処理部30が推定するパラメータは、画像全体に占める処理対象のごみの画素占有率であってもよい。従って、画像処理部30は、具体的には、画素抽出モジュールと画素割合算出モジュールとから構成することができる。そのうち、画素抽出モジュールは、前記清掃画像の総画素値と、従来の環境色と一致する前記清掃画像における環境画素値とを抽出するために使用される。前記画素割合計算モジュールは、清掃するごみの量を特徴付けるために、前記総画素値及び前記環境画素値に基づいて、清掃するごみに対応する画素割合を計算するために使用される。」 カ 「 [図:0001423494000027.jpg] [0100] 前記モード照合部40は、前記画像処理部30及び前記清掃作業部10にそれぞれ信号接続され、前記パラメータに応じて対応する清掃作業モードを照合し、当該清掃作業モードに従って清掃作業を行うように前記清掃作業部を制御することができる。高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置のような既述の清掃作業部10に対して、モード照合部40は、前記清掃作業モードに従って清掃作業を実行するように、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御することができる。これは、前記高圧水路洗浄装置、前記清掃ブラシ装置又は前記吸盤装置を単独で使用すること、又は前記高圧水路洗浄装置、前記清掃ブラシ装置又は前記吸盤装置のいずれか2つ又は全てを組み合わせて使用することを含む。」 キ 「 [図:0001423494000028.jpg] [0105] 車載路面撮像装置が清掃車両の前方の路面の左右の清掃画像を撮像する既述の状況に対応して、清掃作業モードは、清掃車両の前記前方側の両側で同時に清掃作業を行う完全清掃作業モードと、清掃車両の前記前方側の片側だけで清掃作業を行う片側清掃作業モードとをさらに含んでいてもよい。・・・」 ク 「 [図:0001423494000029.jpg] [0106]上述した清掃作業制御システムの実施形態は、複数の清掃作業モードに対応した清掃車両など、清掃作業を行うために必要な各種の作業装置や作業車両に適用可能である。したがって、本発明は、上述した清掃作業制御システムの実施形態のいずれかを備える清掃車両も提供する。なお、上述した清掃作業制御システムおよび清掃車両の実施形態における構成要素の構造および機能的役割については、上述した清掃作業制御方法の実施形態の説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。」 ケ 「 [図:0001423494000030.jpg] [0110] 画素占有率=(総画素-路面画素)/総画素×100% [0111] 清掃するごみの量を特徴付ける画素占有率を計算した後、画素占有率を異なる清掃作業モードに対応する閾値範囲と比較することで、現在の衛生状況に合致する清掃作業モードを決定できる。」 コ 「 [図:0001423494000031.jpg] [0112]比較の結果、画素占有率が第1の閾値(例えば、10%)未満であれば、掃き掃除モードとすることができ、このとき、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御して路面掃き掃除を実施することができ、画素占有率が第1の閾値未満でなく、第2の閾値(例えば、30%)未満であれば、洗浄掃き掃除モードの弱洗浄掃き掃除サブモードとすることができ、このとき、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御してライト掃き掃除を実施することができる。・・・」 サ 「 [図:0001423494000032.jpg] [0113]また、上記の比較に加えて、2つの画像の対応する画素比率を別々に算出する場合には、左右の画像の対応する画素比率の差を算出し、その差が設定された閾値(例えば、10%)に達した場合に、左右のモードを選択するか否かを促す画面を介して運転者に問うことができる。このとき、ドライバーは必要に応じて、左側の掃引/洗浄、右側掃引/洗浄、または両側掃引/洗浄を別々に選択することができる。」 (2)甲第3号証に記載された発明 上記(1)より、甲第3号証には、以下の2の発明(以下「甲3発明」、「甲3方法発明」という。)が記載されていると認められる。 ア 甲3発明 清掃作業制御システムを備える清掃車両であって([0106]) 清掃作業制御システムは、清掃作業部10と、清掃画像取得部20と、画像処理部30と、モード照合部40とから構成され、清掃作業部10は、清掃作業の種類に応じて清掃車両に搭載され、例えば、清掃作業部10は、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され、([0095]) 清掃画像取得部20は、前記清掃車両の前部の左右両側の清掃画像を撮像可能な車載路面撮像装置から構成することができ、([0096]) カメラによって複数の清掃画像を取得してもよいし、連続な環境清掃ビデオを取得し、環境清掃ビデオの適応の動画フレームを環境清掃画像として切り取るようにしてもよく、([0076]) 画像処理部30は、汎用の又は専用の画像処理プロセッサのハードウェア要素で構成されてもよく、前記清掃画像取得部に信号的に接続され、前記清掃画像を処理して、清掃されるごみの量を特徴付けるパラメータを推定することができ、画像処理部30が推定するパラメータは、画像全体に占める処理対象のごみの画素占有率であり、([0098]) 前記モード照合部40は、前記画像処理部30及び前記清掃作業部10にそれぞれ信号接続され、前記清掃作業モードに従って清掃作業を実行するように、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御することができ、これは、前記高圧水路洗浄装置、前記清掃ブラシ装置又は前記吸盤装置を単独で使用すること、又は前記高圧水路洗浄装置、前記清掃ブラシ装置又は前記吸盤装置のいずれか2つ又は全てを組み合わせて使用することを合み、([0100]) 車載路面撮像装置が清掃車両の前方の路面の左右の清掃画像を撮像する既述の状況に対応して、清掃作業モードは、清掃車両の前記前方側の両側で同時に清掃作業を行う完全清掃作業モードと、清掃車両の前記前方側の片側だけで清掃作業を行う片側清掃作業モードとをさらに含んでいてもよく、([0105]) 画素占有率を異なる清掃作業モードに対応する閾値範囲と比較することで、現在の衛生状況に合致する清掃作業モードを決定でき、([0111]) 比較の結果、画素占有率が第1の閾値(例えば、10%)未満であれば、掃き掃除モードとし、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御して路面掃き掃除を実施することができ、画素占有率が第1の閾値未満でなく、第2の閾値(例えば、30%)未満であれば、弱洗浄掃き掃除サブモードとし、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御してライト掃き掃除を実施することができる、([0112]) 清掃車両。 イ 甲3方法発明 甲3発明の清掃車両により路面の清掃作業を行う方法。 4 甲第4号証 中国特許出願公開第107713913号明細書 (1)甲第4号証の記載 甲第4号証には、以下の記載がある。 ア「 [図:0001423494000033.jpg] (57)要約 本発明は、ロボットによるペットの排泄物の識別および処理方法に関する。清掃中、ロボットは、SIFTアルゴリズムに基づき、前方路面の画像を撮像することで、現在の撮像画像における物体形状の特徴点を抽出し、その特徴点と予め記憶された基準画像の基準特徴点とを比較し、その比較結果に応じて、物体がペットの排泄物であるか否かを決定する。形状の特徴を比較する検出方法により、地面上の物体がペットの排泄物であるかどうかを正確に検出できる。また、ペットの排泄物であると決定した後、ペットの排泄物に急速凍結剤を噴射して便を固め、ロボットが固めた排泄物を直接吸引するので、既存のロボットが湿った粘着性のある排泄物を吸引する際に広い面積が汚染されることを回避できて利便性が高まり、ロボットによるペットの排泄物の処理を保証し、同時にロボットの実用性を向上して、ペットを養う家庭の衛生的に掃除したいという要求を満たす。」 第6 当審の判断 取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立理由はいずれも甲第1号証、甲第2号証または甲第3号証を主たる引用文献とした新規性欠如及び進歩性欠如であるので、以下、これらの理由について判断する。 1 甲第1号証を主たる引用文献とした場合 (1)本件発明2 ア 対比 本件発明2と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「処理制御装置2」が「ごみの位置及びその形状及び大きさに基づいて制御コマンドを生成し、制御コマンドにより、掃除ブラシヘッド装置3を制御して、ごみを清掃する」「清掃車」は、本件発明2の「自動道路スイーパ」に相当する。 (イ)甲1発明の「清掃車」が「搬送手段」を備えることは自明であるから、甲1発明は、本件発明2の「ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段」に相当する構成を備える。 (ウ)甲1発明の「左右2つ」「設けることができ」る「掃除ブラシヘッド装置3」であって、「水平伸縮機構31及び掃除ブラシヘッド機構32を備え」、「水平伸縮機構31」の「シリンダ本体」は「回転機構33を介して清掃車の車体4に接続され」る「掃除ブラシヘッド装置3」は、「例えば、清掃車の車体4の前方左側50cmにごみが存在し、前方右側20cmにごみが存在する場合」には、「左側の掃き掃除用ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側50cmのごみを掃き掃除するように制御し、右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方20cmのごみを掃き掃除するように制御する」ことができるものであるから、本件発明2の「前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材」に相当する。 (エ)甲1発明の「処理制御装置2」は、「地面上の道路状況、地面上の物体の大きさなどの地面情報を収集し、地面情報を収集した後、リアルタイムで対応する処理装置に伝送して処理する地面情報感知装置1」に「接続され、地面情報感知装置1によって収集された地面情報をリアルタイムで受信及び分析し、前方又は左右にごみがあるかどうかを判断し、ごみの距離、大きさ及び/又は覆う範囲などの情報を計算し」、その「前記掃除ブラシヘッド装置制御モジュール23」によって、「ごみの位置及びその形状及び大きさに基づいて制御コマンドを生成し、制御コマンドにより、掃除ブラシヘッド装置3を制御して、ごみを清掃する」ものであるから、本件発明2の「前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段」に相当する。 (オ)上記(ア)~(エ)から、本件発明2と甲1発明とは、 「自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備える、自動道路スイーパ。」の点で一致し、以下の相違点1において相違する。 (相違点1) 本件発明2は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」のに対し、甲1発明の「左右2つ」「設けることができ」る「掃除ブラシヘッド装置3」(本件発明2の「複数の洗浄部材」に相当)は、いずれも、「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッド」を有するものではなく、「処理制御装置2」(本件発明2の「選択手段」に相当)は、「ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものではない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点1は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲第1号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について a 下記2(1)において詳述するように、甲第2号証には、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは記載も示唆もされていない。 b 下記3(1)において詳述するように、甲第3号証は、「前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有」するものであるが、複数の洗浄ヘッドは「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」ものではなく、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは記載も示唆もされていない。 c 甲第4号証(上記第5の4)は、本件発明10の構成に関し、判定に際して2つの画像の対比を用いることは技術常識であることを示すために申立人が提出した文献であって、相違点1に係る本件発明2の構成は、甲第4号証に記載ないし示唆されたものではない。 d 以上検討したように、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは、申立人が提出した甲第1号証~甲第4号証のいずれにも記載されておらず、技術常識でもないから、甲1発明において、相違点1に係る本件発明2の構成とすることは、甲第2号証~甲第4号証を考慮しても、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 小括 本件発明2は、甲第1号証に記載された発明ではない。 本件発明2は、甲1発明に基づいて、または、甲1発明に甲2発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明3~5 本件発明3~5は、本件発明2の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明3~5と甲1発明とはいずれも、少なくとも相違点1において相違する。 そして、相違点1については、上記(1)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明3~5は、甲第1号証に記載された発明ではない。 また、本件発明3~5は、甲1発明に基づいて、または、甲1発明に甲2発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明6 ア 対比 本件発明6と甲1方法発明とを対比する。 (ア)上記(1)ア(ア)及び(ウ)の対比を踏まえると、甲1方法発明の「清掃車」は、本件発明6の「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパ」に相当する。 (イ)甲1方法発明は、「地面情報感知装置1」が「地面上の道路状況、地面上の物体の大きさなどの地面情報地面情報」を「収集」するとともに「リアルタイムで対応する処理装置に伝送して処理」し、「地面情報感知装置1に接続され」た「処理制御装置2」が「地面情報感知装置1によって収集された地面情報をリアルタイムで受信及び分析」して「ごみの位置」を「決定」するものであるから、本件発明6の「前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定する段階」に相当する構成を備える。 (ウ)甲1方法発明において「処理制御装置2」が「清掃車の車体4の「前方左側50cm」ないし「前方右側20cm」に「ごみが存在する」ことを判断し、「左側の掃き掃除用ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側50cmのごみを掃き掃除するように制御し、右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方20cmのごみを掃き掃除するように制御する」にあたり、車体4の「前方左側50cm」ないし「前方右側20cm」のごみの清掃を行う掃除ブラシヘッド装置として「左側」ないし「右側」の装置を選択していることは明らかであり、甲1方法発明は、本件発明6の「特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階」を備える。 (エ)上記(ウ)の制御によって「左側の掃き掃除用ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方左側50cmのごみを掃き掃除する」こと及び「右側の掃除ブラシヘッド装置で清掃車の車体4の前方20cmのごみを掃き掃除する」ことは、本件発明6の「選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階」に相当する。 (オ)上記(ア)ないし(エ)の対比を踏まえると、甲1方法発明の「清掃車」が「掃除用ブラシヘッド装置」で「地面上」の「ごみ」を掃き掃除することは、本件発明6の「スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法」に相当する。 (カ)上記(ア)~(オ)から、本件発明6と甲1方法発明とは、 「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法であって、 前記路面をスキャンして、前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階と を備える、方法。」の点で一致し、以下の相違点1’において相違する。 (相違点1’) 本件発明6は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階とを備える」のに対し、甲1方法発明の「左右2つ」「設けることができ」る「掃除ブラシヘッド装置3」(本件発明6の「複数の洗浄部材」に相当)は、いずれも、「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッド」を有するものではなく、「方法」は、「ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階とを備える」ものではない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点1’は、実質的な相違点であるから、本件発明6は、甲第1号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について 上記相違点1’は、本件発明2における相違点1と同様の相違点であり、上記(1)イ(イ)において検討したのと同様の理由により、甲1方法発明に基づいて、または、甲1方法発明に甲2発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて、相違点1’に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 ウ 小括 本件発明6は、甲第1号証に記載された発明ではない。 本件発明6は、甲1方法発明に基づいて、または、甲1方法発明に甲2発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明7、9及び10 本件発明7、9及び10は、いずれも、本件発明6の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明7、9及び10と甲1方法発明とはいずれも、少なくとも相違点1’において相違する。 そして、相違点1’については、上記(3)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明7、9及び10は、甲第1号証に記載された発明ではない。 また、本件発明7、9及び10は、甲1方法発明に基づいて、または、甲1方法発明に甲2発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 甲第2号証を主たる引用文献とした場合 (1)本件発明2 ア 対比 本件発明2と甲2発明とを対比する。 (ア)甲2発明の「車体1」と、「変位ユニット2」とを含む、「ごみを自動的に識別し」て「清掃」する「道路清掃装置」は、本件発明2の「自動道路スイーパ」に相当する。 (イ)甲2発明の「変位ユニット2」は、本件発明2の「ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段」に相当する。 (ウ)甲2発明の、「ごみを選択的に拾い上げるために使用され」る「把持ユニット41」が、ごみを拾い上げ可能なエリアを備えることは自明であり、また、「後輪212の前側、車体1の両側の前輪211と後輪212との間に、それぞれ配置され、吸引ユニット42に向かって回転」する「ブラシユニット6」に囲われたエリアが「吸引ユニット42」が備える「車体1の下側に形成された」「吸引口421」からごみを吸引可能なエリアであるといえる。そうすると、甲2発明の「車体1の異なる部分に位置する固定箇所に配置され」た「把持ユニット41」と「ブラシユニット6」及び「吸引ユニット42」は、本件発明2の「前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材」に相当する。 (エ)甲2発明の「ごみ画像認識装置31」及び「制御装置71」は、「ごみ画像認識装置31」が「ごみの種類を識別するために使用され、カメラを含」むものであり、「制御装置71」が「ごみ画像認識装置31」、「把持ユニット41」、「吸引ユニット42」に「接続され」、「ごみ画像認識装置31」から送られた「ごみの種類」によって、「大型ごみ」と認識された場合、「把持ユニット41を介して大型ごみをクランプし、第1のごみ収集部ユニット51の第1収集部511にごみを処理し」、「小さなごみ」と認識された場合、「吸引ユニット42」によって「第2のごみ収集部ユニット52の第2収集部521に小さなごみを吸引し、収集して保管する」ものであるから、本件発明2の「前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段」に相当する。 (オ)上記(エ)の対比を踏まえると、本件発明2の「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことと、甲2発明の「ごみ画像認識装置31」が「ごみの種類を識別する」ることとは、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別」する点で共通する。 (カ)上記(ア)~(オ)から、本件発明2と甲2発明とは、 「自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備え、 前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別する、自動道路スイーパ。」の点で一致し、以下の相違点2で相違する。 (相違点2) 本件発明2は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものであるのに対し、甲2発明は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」するものではなく、「前記選択手段」は「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものではない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点2は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲第2号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について a 下記ウ(イ)において詳述するが、甲第2号証に「少なくとも1つの把持ユニット41」及び「少なくとも1つの吸引ユニット42」との記載があることを考慮しても、甲2発明において、「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを有する「洗浄部材」を「複数」含むのとし、「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを一つの単位である「洗浄部材」とした上で、「選択部材」が「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものとして、相違点2に係る本件発明2の「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 b 相違点2に係る本件発明2の構成は、甲第1号証に記載ないし示唆されたものではない。すなわち、甲第1号証は、掃除ブラシヘッド装置3(本件発明2の「洗浄部材」に相当)として、左側の掃き掃除用ブランヘッド装置及び右側の掃除ブラシヘッド装置のように複数とできるものであるが、ヘッドはブラシのみであって、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」するものではなく、当然、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものでもない。 c 下記3(1)において詳述するように、甲第3号証は、「前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有」するものであるが、複数の洗浄ヘッドは「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」ものではなく、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは記載も示唆もされていない。 d 甲第4号証(上記第5の4)は、本件発明10の構成に関し、判定に際して2つの画像の対比を用いることは技術常識であることを示すために申立人が提出した文献であって、相違点2に係る本件発明2の構成は、甲第4号証に記載ないし示唆されたものではない。 e 以上検討したように、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは、申立人が提出した甲第1号証~甲第4号証のいずれにも記載されておらず、技術常識でもないから、甲2発明において、相違点2に係る本件発明2の構成とすることは、甲第1号証、甲第3号証及び甲第4号証を考慮しても、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 申立人の主張 (ア) a 申立人は、令和7年2月28日提出の意見書(以下、単に「意見書」という。)において、本件明細書段落0043及び0045を根拠に、「洗浄ヘッド」には、ブラシ等の部材に加えて、真空発生装置等の機器も含まれる旨主張し、本件特許の図1を根拠に、「複数の洗浄ヘッド」は、各々が同じエリアをカバーしない(重複することはあっても、完全には一致しない洗浄エリアを有する)ものを含むものである旨主張している。そして 、申立人は、これらを根拠に、甲第2号証に記載の発明の「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とは、本件発明2の「洗浄ヘッド」に相当する旨主張し、甲第2号証は、特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有することを開示しているといえるから、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」は甲第2号証に記載されている旨主張する(意見書3(1))。 b 上記主張について検討する。本件発明2の「洗浄ヘッド」に真空発生装置等の機器も含まれることは、申立人の主張のとおりであり、甲2発明の「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とは、それぞれ単独でみれば、本件発明2の「特定のごみに対応する洗浄ヘッド」と共通するものであるとはいえる。しかし、本件発明2は、「前記複数の洗浄部材の各々」が「特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有する」ものであるところ、甲2発明は「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とが「洗浄部材」という一つの単位に含まれた上でその「洗浄部材」を複数有することを開示しているものではないから、甲2発明に係る「道路洗浄装置」は「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものではない。 (イ) a 申立人は、また、甲第2号証の、明細書の3頁下から10行~最下行に「少なくとも1つの把持ユニット41」と「少なくとも1つの吸引ユニット42」とを備えることが記載されていることから、甲第2号証に記載の発明が、第1の把持ユニット41と、第1のブラシユニット6と、第1の吸引ユニット42とを備える第1の洗浄部材であって、洗浄エリアは、第1の把持ユニット41と、第1のブラシユニット6と、第1の吸引ユニット42とでカバーされるエリアを含み、また、第2の把持ユニット41と、第2のブラシユニット6と、第2の吸引ユニット42とを備える第2の洗浄部材であって、洗浄エリアは、第2の把持ユニット41と、第2のブラシユニット6と、第2の吸引ユニット42とでカバーされるエリアを含み、ごみの種類に応じて把持ユニット41と、第2の吸引ユニット42とが排他的に動作するものを含む場合があると解される旨主張する(意見書3(2))。 b 上記主張について検討する。甲第2号証の「少なくとも1つの把持ユニット41」及び「少なくとも1つの吸引ユニット42」との記載は、「第1図から第3図は、本発明の好ましい実施形態の三次元概略図、平面概略図、および底面概略図である。これらの図から、本発明が車体1と、少なくとも1つの変位ユニット2と、少なくとも1つのごみ画像認識装置31と、少なくとも1つの把持ユニット41と、少なくとも1つの第1のごみ収集部ユニット51と、少なくとも1つの吸引ユニット42と、少なくとも1つの第2のごみ収集部ユニット52と、少なくとも1つのブラシユニット6と、少なくとも1つの制御装置71と、少なくとも1つの測位ナビゲーション装置72と、少なくとも1つの充電装置8と、少なくとも1つの計時装置73と、少なくとも1つのIoT装置74と、及び少なくとも1つの地形障害物検知装置32を含むことがわかる。」との記載(第5の2(1)イ)の一部である。 そして、当該記載によると、第1図から第3図に示される道路清掃装置において「把持ユニット41」及び「吸引ユニット42」を含むそれぞれの部分は、少なくとも1つ含まれるものであり、複数含まれ得るとはいえる。しかし、甲2発明の「ごみを自動的に識別して様々な方法で清掃して清掃効果を向上させる道路清掃装置」において、「把持ユニット41」は「大型ごみ」を拾い上げるために使用される「三方伸縮グリッパ」であって、複数設ける蓋然性が高いものではない。また、仮に「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを複数含むものとしたとしても、その「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」が「洗浄部材」という一つの単位とされることが認識できるものではない。 また、本件発明2は、「前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段」が「前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した」ものであって、「前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させる」ものであるところ、甲第2号証に、「少なくとも1つの把持ユニット41」と「少なくとも1つの吸引ユニット42」との記載があることのみから、「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを「洗浄部材」という単位として認識して複数含むものとした上で、さらに「選択部材」が「前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させる」ものとし、その洗浄ヘッドについて、「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものとすることが記載されているとはいえない。 そうすると、甲第2号証に「少なくとも1つの把持ユニット41」及び「少なくとも1つの吸引ユニット42」との記載があることを考慮しても、「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを有する「洗浄部材」を「複数」含むのとし、「把持ユニット41」と「吸引ユニット42」とを一つの単位である「洗浄部材」とした上で、「選択部材」が洗浄ヘッドについて、「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものとすることが、甲第2号証に記載された事項であるとはいえず、相違点2に係る本件発明2の「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 (ウ)申立人の主張についてのまとめ 以上のとおりであるから、意見書における申立人の主張を検討しても、上記イにおける判断の結論は左右されない。 エ 小括 本件発明2は、甲第2号証に記載された発明ではない。 本件発明2は、甲2発明に基づいて、または、甲2発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明3~5 本件発明3~5は、本件発明2の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明3~5と甲2発明とはいずれも、少なくとも相違点2において相違する。 そして、相違点2については、上記(1)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明3~5は、甲第2号証に記載された発明ではない。 また、本件発明3~5は、甲2発明に基づいて、または、甲2発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明6 ア 対比 本件発明6と甲2方法発明とを対比する。 (ア)上記(1)ア(ア)及び(ウ)の対比を踏まえると、甲2方法発明の「車体1」と、「変位ユニット2」とを含む、「道路を自動的に清掃」する「道路清掃装置」は、本件発明6の「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパ」に相当する。 (イ)甲2方法発明の「ごみの種類を識別するために使用され、カメラを含」む「ごみ画像認識装置31」が「ごみの種類を識別」し、「制御装置71」が「ごみ画像認識装置31」、「把持ユニット41」、「吸引ユニット42」に「接続」され、「ごみ画像認識装置31」より「送り返」されたごみの種類により「大型ごみ」を「把持ユニット41」に、「小さなごみ」を「吸引ユニット42」に処理させるものであるところ、「把持ユニット41」または「吸引ユニット42」に処理を実行させるにあたってごみの位置をスキャンして特定することは自明であるから、甲2方法発明は、本件発明6の「前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定する段階」に相当する構成を備える。 (ウ)甲2方法発明において「把持ユニット41」または「吸引ユニット42」に処理を実行させるにあたり、ごみの位置を特定し、特定されたごみの位置に基づいて制御することは自明であり、甲2方法発明は、本件発明6の「特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階」を備えるといえる。 (エ)甲2方法発明において、上記(ウ)の制御によって選択された「把持ユニット41」及び「吸引ユニット42」により「道路」を「清掃」する段階は、本件発明6の「選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階」に相当する。 (オ)上記(ア)ないし(エ)の対比を踏まえると、甲2方法発明の「道路清掃装置」が「把持ユニット41」及び「吸引ユニット42」により「道路」を「清掃」する方法は、本件発明6の「スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法」に相当する。 (カ)上記(1)ア(オ)の対比を踏まえると、甲2方法発明は、本件発明6の「ごみのタイプを識別する」に相当する構成を備える。 (キ)上記(ア)~(カ)から、本件発明6と甲2方法発明とは、 「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法であって、 前記路面をスキャンして、前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階と を備え、 前記方法は、前記ごみのタイプを識別する、方法。」の点で一致し、以下の相違点2’において相違する。 (相違点2’) 本件発明6は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階とを備える」ものであるのに対し、甲2方法発明は、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」するものではなく、「前記方法」は、「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階とを備える」ものではない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点2’は、実質的な相違点であるから、本件発明6は、甲第2号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について 上記相違点2’は、本件発明2における相違点2と同様の相違点であり、上記(1)イ(イ)において検討したのと同様の理由により、甲2方法発明に基づいて、または、甲2方法発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて、相違点2’に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 ウ 小括 本件発明6は、甲第2号証に記載された発明ではない。 本件発明6は、甲2方法発明に基づいて、または、甲2方法発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明7、9及び10 本件発明7、9及び10は、いずれも、本件発明6の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明7、9及び10と甲2方法発明とはいずれも、少なくとも相違点2’において相違する。 そして、相違点2’については、上記(3)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明7、9及び10は、甲第2号証に記載された発明ではない。 また、本件発明7、9及び10は、甲2方法発明に基づいて、または、甲2方法発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 甲第3号証を主たる引用文献とした場合 (1)本件発明2 ア 対比 本件発明2と甲3発明とを対比する。 (ア)甲3発明の「清掃作業制御システムを備える清掃車両」は、本件発明2の「自動道路スイーパ」に相当する。 (イ)甲3発明の「清掃車両」が「路面」を「進むことを可能にするのに適した搬送手段」を備えることは自明であるから、甲3発明は、本件発明2の「ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段」に相当する構成を備える。 (ウ)甲3発明は、「清掃車両の前方の路面の左右の清掃画像」に対応して、「清掃車両の前記前方側の片側だけで清掃作業を行う片側清掃作業モード」により「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」る「清掃作業部10」を制御するものであるから、「清掃作業部10」が清掃車両の左及び右に設けられていることは明らかであり、左及び右に設けられた「清掃作業部10」は、本件発明2の「前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材」に相当する。 (エ)甲3発明の「清掃画像取得部20」、「画像処理部30」及び「モード照合部40」は、「モード照合部40」が「前記清掃作業部10」に接続され、「清掃車両の前方の路面の左右の清掃画像」に対応して、「清掃車両の前記前方側の片側だけで清掃作業を行う片側清掃作業モード」により「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」る「清掃作業部10」を制御するものであるから、本件発明2の「前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段」に相当する。 (オ)上記(ウ)の対比を踏まえると、本件発明2が「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」することと、甲3発明において、左及び右に設けられた「清掃作業部10」が「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」ることとは、「前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有」する点で共通する。 (カ)上記(ア)~(オ)から、本件発明2と甲3発明とは、 「自動道路スイーパであって、 ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、 前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と を備え、 前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段 をさらに備え、 前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有する、 自動道路スイーパ。」の点で一致し、以下の相違点3において相違する。 (相違点3) 本件発明2は、「前記複数の洗浄部材の各々」が「有する」「複数の洗浄ヘッド」は、「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」複数の洗浄ヘッドであり、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」のに対し、甲3発明は、画像処理部30(本件発明2の「選択手段」の一部に相当)が推定するパラメータは、「ごみの量を特徴付けるパラメータ」としての「画像全体に占める処理対象のごみの画素占有率」であって、「ごみのタイプ」を識別するものではなく、そのため、「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものではなく、「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置」も「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」ものとして選択されない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点3は、実質的な相違点であるから、本件発明2は、甲第3号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について a 上記1(1)において検討したように、甲第1号証には、「前記複数の洗浄部材の各々」は、「複数の洗浄ヘッドを有」することが記載ないし示唆されておらず、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことについても、当然、記載も示唆もされていない。 b 上記2(1)において検討したように、甲第2号証には、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」することは記載されておらず、当然、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは記載も示唆もされていない。 c 甲第4号証(上記第5の4)は、本件発明10の構成に関し、判定に際して2つの画像の対比を用いることは技術常識であることを示すために申立人が提出した文献であって、相違点3に係る本件発明2の構成は、甲第4号証に記載ないし示唆されたものではない。 d 以上検討したように、「前記複数の洗浄部材の各々」が「有する」「複数の洗浄ヘッド」を、「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」ものとし、「前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことは、申立人が提出した甲第1号証~甲第4号証のいずれにも記載されておらず、技術常識でもないから、甲3発明において、相違点3に係る本件発明2の構成とすることは、甲第1号証、甲第2号証 及び甲第4号証を考慮しても、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 申立人の主張 (ア)申立人は、意見書において、以下の主張をする。 甲第3号証に記載の発明において、ごみの量が第2の閾値未満の場合、高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置が作動し、ごみの量によっては、高圧水路洗浄装置は作動せず、清掃ブラシ装置及び吸盤装置が作動するとの記載があること、本件明細書の段落0043、0045によれば、甲第3号証に記載の発明の「高圧水路洗浄装置」及び「清掃ブラシ装置」は本件発明2の「洗浄ヘッド」に相当すること、「タイプ」は、広辞苑(第七版)によれば、「型、類型、典型」を意味し、種類に限らず、サイズおよび量を含むと解されることから、甲第3号証は、特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有することを開示しているといえ、「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ことが記載されている(意見書3(3))。 (イ)主張の検討 a しかし、甲3発明において画像処理部30(本件発明2の「選択手段」の一部に相当)の認識する「ごみの量を特徴付けるパラメータ」としての「画像全体に占める処理対象のごみの画素占有率」は、路面上のごみの量という路面の状況を推定するパラメータであって、ごみのタイプを識別するものではない。 b そして、「タイプ」を、字義通り「型、類型、典型」と解釈すると、本件発明2の「ごみのタイプ」とは、ごみを類型化した際の典型を意味するといえ、本件発明2の「特定のごみ」とは、ごみを類型化した場合のある典型に属するごみを意味すると理解できる。そうすると、「タイプ」を字義通り解釈すると、「ごみの量」は「ごみのタイプ」とは異なる概念であるといえる。 c 上記bの解釈は、広辞苑(第七版)の一般の意味の解釈と整合する。また、この解釈は、本件明細書(段落【0017】)において、「本発明の別の重要な目的は、道路上のごみのタイプおよび密度に従って選択的な方式で洗浄手段を動作させることができる道路スイーパを作り出すことである。」と記載され、「ごみ」の「タイプ」を「密度」とは区別して用いていることとも整合する。 d 申立人は、「タイプ」は、広辞苑(第七版)によれば、「型、類型、典型」を意味し、種類に限らず、サイズおよび量を含むと解される旨主張するが、「タイプ」が「型、類型、典型」を意味すると、サイズおよび量を含むと解釈される理由については何ら述べていない。よって、上記bの字義通りの解釈を覆すに足る根拠を、申立人の主張から見いだすことはできない。 (ウ)申立人の主張についてのまとめ 以上のとおりであるから、意見書における申立人の主張を検討しても、上記イにおける判断の結論は左右されない。 エ 小括 本件発明2は、甲第3号証に記載された発明ではない。 本件発明2は、甲3発明に基づいて、または、甲3発明に甲1発明、甲2発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明3~5 本件発明3~5は、本件発明2の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明3~5と甲3発明とはいずれも、少なくとも相違点3において相違する。 そして、相違点3については、上記(1)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明3~5は、甲第3号証に記載された発明ではない。 また、本件発明3~5は、甲3発明に基づいて、または、甲3発明に甲1発明、甲2発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5)本件発明6 ア 対比 本件発明6と甲3方法発明とを対比する。 (ア)上記(1)ア(ア)及び(ウ)の対比を踏まえると、甲3方法発明の「清掃車両」は、本件発明6の「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパ」に相当する。 (イ)甲3方法発明は「撮像」された「清掃車両の前方の路面の左右の清掃画像」に対応して、「清掃車両の前記前方側の片側だけで清掃作業を行う片側清掃作業モード」を実行するものであるから、実行に先立って清掃画像からごみの位置が特定されていることは明らかであり、甲3方法発明は、本件発明6の「前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定する段階」に相当する構成を備える。 (ウ)甲3方法発明において「片側清掃作業モード」の実行に先立って「左側」又は「右側」のいずれかの「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」る「清掃作業部10」を選択していることは明らかであり、甲3方法発明は、本件発明6の「特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階」を備える。 (エ)甲3方法発明において、上記(ウ)の制御によって選択された「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置及び吸盤装置を制御すること」により「清掃作業を実行する」段階は、本件発明6の「選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階」に相当する。 (オ)上記(ア)ないし(エ)の対比を踏まえると、甲3方法発明の「清掃車両」が「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」る「清掃作業部10」を制御して「清掃作業を実行する」方法は、本件発明6の「スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法」に相当する。 (カ)上記(ウ)の対比を踏まえると、本件発明6が「前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有」することと、甲3方法発明において、左及び右に設けられた「清掃作業部10」が「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置から構成され」ることとは、「前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有」する点で共通する。 (キ)上記(ア)~(カ)から、本件発明6と甲3方法発明とは、 「スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法であって、 前記路面をスキャンして、前記ごみの位置を特定する段階と、 特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、 選択された前記複数の洗浄部材を排他的に動作させる段階と を備え、 前記複数の洗浄部材の各々は、複数の洗浄ヘッドを有する、方法。」の点で一致し、以下の相違点3’で相違する。 (相違点3’) 本件発明6は、「前記複数の洗浄部材の各々」が「有する」「複数の洗浄ヘッド」は、「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」複数の洗浄ヘッドであり、「前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階とをそなえる」のに対し、甲3方法発明は、画像処理部30が推定するパラメータは、「ごみの量を特徴付けるパラメータ」としての「画像全体に占める処理対象のごみの画素占有率」であって、「ごみのタイプ」を識別するものではなく、そのため、「前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する」ものではなく、「高圧水路洗浄装置、清掃ブラシ装置、吸盤装置」も「前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した」ものとして選択されない点。 イ 判断 (ア)新規性について 上記相違点3’は、実質的な相違点であるから、本件発明6は、甲第3号証に記載された発明ではない。 (イ)進歩性について 上記相違点3’は、本件発明2における相違点3と同様の相違点であり、上記(1)イ(イ)において検討したのと同様の理由により、甲3方法発明に基づいて、または、甲3方法発明に甲1発明、甲2発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて、相違点3’に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 ウ 小括 本件発明6は、甲第3号証に記載された発明ではない。 本件発明6は、甲3方法発明に基づいて、または、甲3方法発明に甲1発明、甲2発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明7、9及び10 本件発明7、9及び10は、いずれも、本件発明6の構成を全て有し、さらに構成を限定したものであるから、本件発明7、9及び10と甲3方法発明とはいずれも、少なくとも相違点3’において相違する。 そして、相違点3’については、上記(3)イにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明7、9及び10は、甲第3号証に記載された発明ではない。 また、本件発明7、9及び10は、甲3方法発明に基づいて、または、甲3方法発明に甲1発明、甲3発明、甲第4号証に記載の事項を組みあわせて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 むすび 以上のとおり、本件発明2~7、9及び10に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。 また、他に本件発明2~7、9及び10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 請求項1及び8に対する本件特許異議の申立ては、申立ての対象となる請求項が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700454

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