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特許異議申立

2024-700123

電磁鋼板およびその製造方法

審判番号
2024-700123
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-531297
登録番号
7329049
請求日
2024年02月13日
審決日
2024年12月19日
公報発行日
2025年05月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ポスコ カンパニー リミテッド
  • 【権利者代理人】弁理士法人共生国際特許事務所
  • 【異議申立人】前田 洋志
審判長/審判官
  • 審判長 粟野 正明
  • 審判官 井上 猛
  • 審判官 相澤 啓祐
分類
P1651.537-YAA(C22C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7329049号発明「電磁鋼板およびその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7329049号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~2〕、〔3~9〕について訂正することを認める。 特許第7329049号の請求項1~9に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7329049号(請求項の数9。以下、「本件特許」という。)は、2019年(令和1年)11月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理:2018年11月30日(KR)韓国)を国際出願日とする特許出願(特願2021-531297号)に係るものであって、令和5年8月8日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は、令和5年8月17日である。)。 その後、令和6年2月13日に、本件特許の請求項1~9に係る特許に対して、特許異議申立人である前田洋志(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。 本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は、以下のとおりである。 令和6年 2月13日提出 特許異議申立書 4月26日付け 取消理由通知書 7月31日提出 意見書、訂正請求書 9月26日提出 手続補正書(方式) 10月 4日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知) 11月 6日提出 意見書(申立人) 第2 訂正の請求について 1 請求の趣旨及び請求の理由(訂正の内容) 令和6年9月26日提出の手続補正書(方式)により補正された同年7月31日提出の訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の請求は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を上記訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~2、3~9について訂正することを求めるものであり、その内容は、以下のとおりである。下線は、訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「粗度が0.01~0.5nmであり」と記載されているのを、「算術平均粗度(Ra)が0.01~0.5μmであり」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に「熱延板の粗度を制御する」、「粗度が0.01~0.5nmであり」と記載されているのを、それぞれ、「熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する」、「算術平均粗度(Ra)が0.01~0.5μmであり」に訂正する(請求項3の記載を直接又は間接的に引用する請求項4~9も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5に「前記熱延板の粗度を制御する段階で、粗度を0.1~2.0nmに制御する」と記載されているのを、「前記熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する段階で、算術平均粗度(Ra)を0.1~2.0μmに制御する」に訂正する(請求項5の記載を直接又は間接的に引用する請求項6~9も同様に訂正する。)。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「熱延板の粗度を制御する」と記載されているのを、「熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する」に訂正する(請求項6の記載を直接又は間接的に引用する請求項7~9も同様に訂正する。)。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項8に「熱延板の粗度を制御する」と記載されているのを、「熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する」に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する。)。 (6)訂正事項6 明細書の【0004】、【0008】及び【0010】にそれぞれ「粗度」と記載されているのを、全て「算術平均粗度(Ra)」に訂正する。 (7)訂正事項7 明細書の【0005】に「粗度」と記載されているのを、全て「算術平均粗度(Ra)」に訂正するとともに、明細書の【0005】に「0.1~2.0nmに制御する」、「0.01~0.5nmであり」と記載されているのを、それぞれ、「0.1~2.0μmに制御する」、「0.01~0.5μmであり」に訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の【0011】に「粗度」と記載されているのを、全て「算術平均粗度(Ra)」に訂正するとともに、明細書の【0011】に「0.1~2.0nmに制御する」、「1.0~1.5nmに制御する」と記載されているのを、それぞれ、「0.1~2.0μmに制御する」、「1.0~1.5μmに制御する」に訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の【0017】に「粗度」と記載されているのを、全て「算術平均粗度(Ra)」に訂正するとともに、明細書の【0017】に「0.01~0.5nmである。」と記載されているのを、「0.01~0.5μmである。」に訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の【0018】に「表面粗度を約1.5nmに制御した。」、「スケール層は約50nm厚さであり、粗度が約0.1nmであるのが確認された。」と記載されているのを、それぞれ、「表面算術平均粗度(Ra)を約1.5μmに制御した。」、「スケール層は約50nm厚さである。」に訂正する。 (11)一群の請求項について 訂正前の請求項1~2について、請求項2は、請求項1を引用するものであり、上記の訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~2は、一群の請求項である。そして、本件訂正は、その一群の請求項ごとに請求がされたものである。 訂正前の請求項3~9について、請求項4~9は、請求項3を直接又は間接的に引用するものであり、上記の訂正事項2によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項3~9は、一群の請求項である。そして、本件訂正は、その一群の請求項ごとに請求がされたものである。 また、上記の訂正事項6~10に係る訂正は、願書に添付した明細書を訂正するものであるが、いずれも一群の請求項である訂正前の請求項1~2、3~9に関係する訂正である。そして、本件訂正は、明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全てについて行われている。 2 訂正の適否についての当審の判断 (1)訂正事項1について ア 「算術平均粗度(Ra)」について (ア)訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1における「スケール層」について、その「粗度」を「算術平均粗度(Ra)」とする訂正を含むものである。 (イ)上記(ア)の訂正は、訂正前の請求項1における「粗度」(すなわち、表面粗さ)が各種のもののうちのいずれを意味するのか不明である旨の取消理由1(明確性要件)に対して、当該「粗度」が「算術平均粗度(Ra)」を意味するものであることを明瞭にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 (ウ)a 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「訂正前明細書等」という。)には、上記(ア)の「粗度」が「算術平均粗度(Ra)」を意味するものであることは明記されていない。 しかしながら、本件特許の出願時の技術常識に照らして、上記(ア)の「粗度」が規格で規定されている各種の表面粗さのうちのいずれかであることは明らかであるところ、訂正前明細書等においては、電磁鋼板基材におけるスケール層を断面で観察している(【0017】、図1、図6(【0007】))ことから、上記(ア)の「粗度」が、規格で規定されている各種の表面粗さのうち、線粗さ(輪郭曲線方式による表面性状、ISO 4287-1997に基づくJIS B 0601-2001)のいずれかであることが理解できる。 ここで、本件特許の出願時においては、電磁鋼板の技術分野では、表面粗さとして算術平均粗さRaを用いることが通常である(このことは、特許権者が提出した証拠方法(後記第4の3(2)の乙1~3を参照)のほか、当審における職権調査の結果(本件特許の出願前の10年間に発行された、電磁鋼板の技術分野における公開特許公報等(表面粗さの言及があるもの)のうち、少なくとも90%以上で算術平均粗さRaが用いられている。)からも裏付けられる。)。 以上によれば、上記(ア)の訂正は、訂正前の請求項1における「粗度」を、訂正前明細書等の記載及び本件特許の出願時の技術常識から明らかな線粗さのうち、本件特許の出願時において電磁鋼板の技術分野で通常用いられていた算術平均粗さRa、すなわち、「算術平均粗度(Ra)」とするものといえる。そうすると、上記(ア)の訂正は、訂正前明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものといえるから、訂正前明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 b この点、申立人は、(a)特許・実用新案審査基準を示しながら、上記(ア)の訂正は、訂正前明細書等に明示的に記載された事項にするものではなく、複数の記載から自明な事項と理解する場合にも該当しないこと、(b)電磁鋼板の技術分野における「粗度」として「算術平均粗度(Ra)」以外の指標を使用した例(後記第4の2の参考資料1~7を参照)があること、を指摘し、上記(ア)の訂正は、新規事項を追加するものであると主張する。 しかしながら、上記(a)の指摘については、ある訂正が新規事項の追加に該当するかどうかは、申立人が指摘するような、訂正前明細書等に明示的に記載された事項にするものかどうか、複数の記載から自明な事項と理解する場合に該当するかどうか、のみで判断されるものではなく、上記aのとおり、訂正前明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものかどうかで判断されるものである。よって、申立人の上記(a)の指摘は、前提を欠くものであり、採用できない。 また、上記(b)の指摘については、参考資料2~7は、その公知日が2006~1993年であって、本件特許の出願時(2019年)の13~26年も前であり、また、その前提となる規格(JIS B 0601-1994、JIS B 0601-1982)も本件特許の出願時の規格(JIS B 0601-2001)とは異なっていることからみて、本件特許の出願時における電磁鋼板の技術分野の状況を示すものとはいえず、また、参考資料1が存在すること自体は、上記aで述べた「本件特許の出願時においては、電磁鋼板の技術分野では、表面粗さとして算術平均粗さRaを用いることが通常である」ことを否定するものではない。よって、申立人の上記(b)の指摘は、採用できない。 (エ)上記(ア)の訂正は、上記(イ)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、上記(ウ)のとおり、訂正前明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 粗度の単位「μm」について (ア)訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1における「スケール層」の「粗度」について、「0.01~0.5nm」を「0.01~0.5μm」とする訂正を含むものである。 (イ)上記(ア)の訂正については、原子1個の大きさは最も小さいものでも0.1nm程度であることから、「粗度」を例えば「0.01nm」程度とすることは事実上不可能であること、また、「粗度」は「μm」程度であることが通常である(後記第4の2の参考資料1~7を参照)ことを踏まえると、訂正前の「0.01~0.5nm」との記載が誤りで訂正後の「0.01~0.5μm」との記載が正しいことが、訂正前明細書等の記載又はその技術の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)の技術常識から明らかで、当業者であればそのことに気づいて訂正後の趣旨に理解するのが当然であるといえるから、上記(ア)の訂正は、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 (ウ)本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「出願当初明細書等」という。)における「0.01~0.5nm」についても、上記(イ)で述べたのと同様の理由により、「0.01~0.5nm」との記載が誤りで、訂正後の「0.01~0.5μm」との記載が正しいことが、出願当初明細書等の記載又は当業者の技術常識から明らかであるから、上記(ア)の訂正は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (エ)上記(ア)の訂正は、上記(イ)のとおり、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであり、また、上記(ウ)のとおり、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2~5について ア 訂正事項2~5に係る訂正は、いずれも、「粗度」を「算術平均粗度(Ra)」とする訂正を含むものである。 これらの訂正は、いずれも、上記(1)アで述べたのと同様の理由により、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するとともに、訂正前明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2、3に係る訂正は、いずれも、「nm」を「μm」とする訂正を含むものである。 これらの訂正は、いずれも、上記(1)イで述べたのと同様の理由により、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに該当するとともに、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項6~10について 訂正事項6~10に係る訂正は、上記の各訂正事項による訂正に合わせて、願書に添付した明細書の記載を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして、これらの訂正は、訂正前明細書等又は出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4)独立特許要件について 本件においては、訂正前の全ての請求項1~9について特許異議の申立てがされているので、特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。 3 まとめ 上記2のとおり、各訂正事項に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書2号又は3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同条9項において準用する同法126条5項及び6項に適合するものであるから、結論のとおり、本件訂正を認める。 第3 本件発明 前記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~9に係る発明は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」等という。また、本件訂正後の明細書を「本件明細書」という。)。 【請求項1】 電磁鋼板基材、および 前記電磁鋼板基材の表面から内部方向に存在するスケール層を含み、 スケール層の厚さは1~100nmであり、 前記電磁鋼板基材は重量%で、C:0.1%以下、Si:6.0%以下、P:0.5%以下、S:0.005%以下、Mn:1.0%以下、Al:2.0%以下、N:0.005%以下、Ti:0.005%以下、Cr:0.5%以下を含み、残部がFeおよび不可避的な不純物からなり、 前記スケール層は、算術平均粗度(Ra)が0.01~0.5μmであり、 前記スケール層上に位置する絶縁コーティング層をさらに含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板。 【請求項2】 前記スケール層は、Si:5~80重量%、O:5~80重量%を含み、残部がFeおよび不可避的な不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。 【請求項3】 スラブを熱間圧延して熱延板を製造する段階、 前記熱延板に形成されたスケール中の一部を除去し、10nm厚さ以上のスケール層を残留させる段階、 前記スケール層が残留する熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する段階、 冷間圧延して冷延板を製造する段階、および、 冷延板を焼鈍する段階を含み、 スケール層の厚さが1~100nmであり、 前記スケール層は、算術平均粗度(Ra)が0.01~0.5μmであり、 前記スケール層上に位置する絶縁コーティング層をさらに含むことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。 【請求項4】 前記スケール層を残留させる段階で、ブラスト方法を用いて粒子の投入量を鋼板面積当り20g/m3~1000g/m3で、粒子の速度は0.1km/s~200km/sで処理することを特徴とする請求項3に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 【請求項5】 前記熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する段階で、算術平均粗度(Ra)を0.1~2.0μmに制御することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 【請求項6】 前記熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する段階は、熱延板をゴムでコーティングされたブレードの間に通過させる段階を含むことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の電磁鋼板の無方向性製造方法。 【請求項7】 前記ゴムの弾性度は7~45Mpaであることを特徴とする請求項6に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 【請求項8】 前記熱延板の算術平均粗度(Ra)を制御する段階以後、酸洗する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3~請求項7のいずれか一項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 【請求項9】 前記酸洗する段階は、15重量%以下の酸溶液に20~70秒間浸漬する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 第4 特許異議の申立ての理由及び取消理由の概要 1 特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由 本件特許の請求項1~9に係る特許は、下記(1)のとおり、特許法113条4号に該当する(証拠方法は下記(2)を参照。以下、甲第1号証等を単に「甲1」等という。)。 (1)申立理由1(明確性要件) 本件訂正前の請求項1~9に係る発明については、特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に適合するものではないから、本件特許の請求項1~9に係る特許は、同法113条4号に該当する。 (2)証拠方法 ・甲1 「技術資料 表面粗さ ●JIS B 0601(1994)・JIS B 0031(1994)より抜粋」、719頁、[online]、株式会社岩田製作所、[令和6年2月6日検索]、インターネット<https://www.iwata-fa.jp/html/technicaldata/2022_tec_other_20.pdf> ・甲2 本件出願の審査段階における令和4年5月19日付けの拒絶理由通知書 ・甲3 本件出願の審査段階における令和4年8月24日提出の意見書 ・甲4 特願平5-77086号の公開特許公報(特開平6-286133号公報) ・甲5 甲4に係る出願の審査段階における平成11年6月21日提出の手続補正書 ・甲6 甲4に係る出願の審査段階における平成12年6月7日付けの拒絶理由通知書 ・甲7 甲4に係る出願の審査段階における平成12年8月4日提出の手続補正書 ・甲8 甲4に係る出願の審査段階における平成12年8月25日付けの補正の却下の決定 ・甲9 特願平8-91849号の公開特許公報(特開平9-256060号公報) ・甲10 甲9に係る出願の審査段階における平成18年1月31日付けの拒絶理由通知書 ・甲11 特願2004-250046号の公開特許公報(特開2005-76124号公報) ・甲12 甲11に係る出願の審査段階における平成18年12月27日付けの拒絶理由通知書 ・甲13 特願2004-236952号の公開特許公報(特開2006-28635号公報) ・甲14 甲13に係る出願の審査段階における平成18年10月30日付けの拒絶理由通知書 ・甲15 特願2005-237308号の公開特許公報(特開2007-50104号公報) ・甲16 甲15に係る出願の審査段階における平成22年12月24日付けの拒絶理由通知書 ・甲17 特願2014-58334号の公開特許公報(特開2015-183203号公報) ・甲18 甲17に係る出願の審査段階における平成28年9月5日付けの拒絶理由通知書 ・甲19 甲17に係る出願の審査段階における平成28年10月18日提出の手続補正書 ・甲20 特願2016-187021号の公開特許公報(特開2017-61749号公報) ・甲21 甲20に係る出願の審査段階における平成29年10月5日付けの拒絶理由通知書 ・甲22 甲20に係る出願の審査段階における平成30年4月16日提出の手続補正書 ・甲23 特願2018-501310号の公表特許公報(特表2018-522378号公報) ・甲24 甲23に係る出願の審査段階における平成31年1月17日付けの拒絶理由通知書 ・甲25 甲23に係る出願の審査段階における平成31年4月11日提出の手続補正書 2 令和6年11月6日提出の意見書(申立人)とともに提出された証拠方法 ・参考資料1 特開2016-3371号公報 ・参考資料2 特開2006-70296号公報 ・参考資料3 特開2001-323350号公報 ・参考資料4 特開2001-271146号公報 ・参考資料5 特開平6-336660号公報 ・参考資料6 特開平6-188114号公報 ・参考資料7 特開平5-299227号公報 3 取消理由通知書に記載した取消理由 (1)取消理由1(明確性要件) 上記1の申立理由1(明確性要件)と同旨 (2)なお、特許権者は、上記(1)の取消理由1(明確性要件)に対して、令和6年7月31日提出の意見書とともに、以下の証拠方法を提出した(以下、乙第1号証等を単に「乙1」等という。)。 ・乙1 特許第3482833号公報 ・乙2 特許第4019608号公報 ・乙3 韓国公開特許第10-2014-0060719号公報 第5 当審の判断 以下に述べるように、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 1 取消理由1(明確性要件)、申立理由1(明確性要件) 取消理由通知書では、本件訂正前の請求項1~9における「粗度」が各種のもののうちのいずれを意味するのか不明である旨、指摘した。 これに対して、前記第2のとおり、本件訂正により、請求項1~9において「粗度」が「算術平均粗度(Ra)」に特定された結果、その意味は明確なものとなったから、取消理由1(明確性要件)、申立理由1(明確性要件)は解消した。 したがって、取消理由1(明確性要件)、申立理由1(明確性要件)によっては、本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 第6 むすび 以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700123

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