特許異議申立
2024-700119
凍結乾燥された緑茶飲料固化物
- 審判番号
- 2024-700119
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-066163
- 登録番号
- 7344242
- 請求日
- 2024年02月13日
- 審決日
- 2024年05月02日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ザ コカ・コーラ カンパニー
- 【権利者代理人】弁理士法人平和国際特許事務所
- 【異議申立人】金成 久美子
- 審判長/審判官
- 審判長 磯貝 香苗
- 審判官 加藤 友也
- 審判官 天野 宏樹
- 分類
- P1651.121-Y (A23F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7344242号発明「凍結乾燥された緑茶飲料固化物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7344242号の請求項1ないし11に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7344242号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし11に係る特許についての出願は、令和3年4月8日に出願されたものであって、令和5年9月5日にその特許権の設定登録(請求項の数11)がされ、同年同月13日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和6年2月13日に特許異議申立人 金成 久美子(以下、「特許異議申立人」という。)から特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし11)がされ、同年同月22日付けで手続補正指令(方式)が通知され、同年3月6日に特許異議申立人から手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし11に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
水又はお湯と混合して緑茶飲料を調製するための凍結乾燥された緑茶飲料固化物であって、
前記緑茶飲料固化物が、デキストリンと、茶原料の不溶性微粒子とを含み、
前記緑茶飲料固化物中の前記茶原料の不溶性微粒子の含有量が0質量%より多く30質量%以下であり、
前記緑茶飲料固化物中の糖類の含有量が8.5質量%以下であり、
前記緑茶飲料固化物の体積が4~50cm3である、前記緑茶飲料固化物。
【請求項2】
前記茶原料の不溶性微粒子が、茶の葉及び茎の少なくとも一方の微粉砕物である、請求項1に記載の緑茶飲料固化物。
【請求項3】
前記茶原料の不溶性微粒子の積算体積90%の粒子径が200μm以下である、請求項1又は2に記載の緑茶飲料固化物。
【請求項4】
前記緑茶飲料固化物が、所定の量の水又はお湯に対する一回用量分ごとに一体化されたものである、請求項1~3のいずれかに記載の緑茶飲料固化物。
【請求項5】
前記緑茶飲料固化物中の前記デキストリンの含有量が0.5~40質量%である、請求項1~4のいずれかに記載の緑茶飲料固化物。
【請求項6】
前記デキストリンのデキストロース当量が2~30である、請求項1~5のいずれかに記載の緑茶飲料固化物。
【請求項7】
前記緑茶飲料固化物の密度が0.13g/cm3より大きく0.40g/cm3より小さい、請求項1~6のいずれかに記載の緑茶飲料固化物。
【請求項8】
前記緑茶飲料固化物が、耐湿性の包装材料により包装されたものである、請求項1~7のいずれかに記載の緑茶飲料固化物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の緑茶飲料固化物を水又はお湯に混合してなる緑茶飲料。
【請求項10】
緑茶飲料固化物の製造方法であって、
緑茶飲料抽出液を準備し、
前記緑茶飲料抽出液中にデキストリンと茶原料の不溶性微粒子とを混合し、
得られた混合液を凍結乾燥することを含み、
但し、製造方法全体を通して糖類を添加しない、前記製造方法であって、
前記緑茶飲料固化物中の前記茶原料の不溶性微粒子の含有量が0質量%より多く30質量%以下であり、
前記緑茶飲料固化物の体積が4~50cm3である、前記製造方法。
【請求項11】
前記茶原料の不溶性微粒子が、茶の葉及び茎の少なくとも一方の微粉砕物である、請求項10に記載の緑茶飲料固化物の製造方法。」
第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要等
令和6年3月6日に特許異議申立人が提出した手続補正書(方式)により補正された同年2月13日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要及び証拠方法は次のとおりである。
1 申立理由(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許発明1ないし11は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし11に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 証拠方法
甲第1号証:特開平6-178650号公報
甲第2号証の1:京都新聞webページ、2021年7月12日(掲載日)、2023年7月6日(出力日)、株式会社京都新聞社
甲第2号証の2:バイヤーズキッチン(https://buyers-kitchen.com/bkselection/94894)、2024年2月2日(出力日)
甲第3号証:特開2003-52316号公報
甲第4号証:特開昭61-15651号公報
甲第5号証:三晶株式会社webページ(https://sansho.co.jp/product/dextrin/)、2024年2月2日(出力日)
証拠の表記は、特許異議申立書の記載におおむね従った。以下、順に「甲1」のようにいう。
第4 申立理由(甲1に基づく進歩性)についての当審の判断
1 甲1に記載された事項等
(1)甲1に記載された事項
甲1には、「抗酸化性即席粉末茶の製造方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。下線は当審で付したものである。
・「【0009】又従来の即席緑茶や即席粉末茶は茶葉から抽出したエキス分が、主であることから溶解色が悪く、冷水での溶解性が良くなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は保健成分を多く含み、抗酸化物が豊富で、溶解色が良く、香りや呈味や溶解性に優れ、冷水にも簡単に溶けて、しかも安価で手軽に飲用できる即席粉末茶を得たものである。」
・「【0017】
【実施例1】緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕し、100メッシュ通過粒度の微粉砕品11kgを得た。次に緑茶葉77kgにお湯800l を加え、70℃、15分間抽出を行ない濾過をし、ブリックス20まで濃縮を行ない、濃縮液62kgを得た。緑茶葉微粉砕品と濃縮液にデキストリン60kgを加え、撹拌型混合機にて混合して、固形分58重量%のペースト品をベルト式真空乾燥機にて、プレート温度(第一ゾーン140℃、第二ゾーン130℃、第三ゾーン115℃)、乾燥時間20分、品温40℃の条件で粉末化し、76kgのポーラスで抗酸化性に富んだ即席粉末茶が得られた。」
・「【0019】
【比較例2】実施例1と同様に処理し得た緑茶葉微粉砕品11kgと濃縮液62kgにデキストリン60kgを加え混合し、固形分58重量%のペースト品を真空凍結乾燥機にて、棚温度40℃、乾燥時間26時間、真空度0.1トール以下の条件で粉末化し、76kgの即席粉末茶が得られた。」
・「【0021】
【比較例4】実施例1と同様に処理し得た緑茶葉微粉砕品1.0kgと濃縮液6.0kgにデキストリン45kgを加え撹拌型混合機にて混合し、固形分86重量%のペースト品を得ようとしたが、混合できなかった。」
・「【0026】
【表3】
[図:0001410265000001.jpg]
」
・「【0027】(溶解性テスト条件)
熱水の場合
試料0.5g を計り容器に入れ80℃のお湯100mlを加え溶解性を評価。
【0028】冷水の場合
試料0.5g を計り容器に入れ15℃の冷水100mlを加え溶解性を評価。
【0029】
【表4】
[図:0001410265000002.jpg]
」
(2)甲1に記載された発明
甲1に記載された事項を比較例2に関して整理すると、甲1には次の発明(以下、順に「甲1発明」及び「甲1製法発明」という。)が記載されていると認める。
<甲1発明>
「緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕して得た、100メッシュ通過粒度の微粉砕品11kgと、緑茶葉77kgにお湯800l を加え、70℃、15分間抽出を行ない濾過をし、ブリックス20まで濃縮を行なって得た濃縮液62kgに、デキストリン60kgを加え混合し、固形分58重量%のペースト品を真空凍結乾燥機にて、棚温度40℃、乾燥時間26時間、真空度0.1トール以下の条件で粉末化して得られた官能テスト結果がやや好ましいと評価され、熱水及び冷水への溶解性が普通と評価される76kgの即席粉末茶。」
<甲1製法発明>
「緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕して得た、100メッシュ通過粒度の微粉砕品11kgと、緑茶葉77kgにお湯800l を加え、70℃、15分間抽出を行ない濾過をし、ブリックス20まで濃縮を行なって得た濃縮液62kgに、デキストリン60kgを加え混合し、固形分58重量%のペースト品を真空凍結乾燥機にて、棚温度40℃、乾燥時間26時間、真空度0.1トール以下の条件で粉末化して、官能テスト結果がやや好ましいと評価され、熱水及び冷水への溶解性が普通と評価される76kgの即席粉末茶を得る方法。」
2 本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と甲1発明を対比する。
甲1発明における「緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕して得た、100メッシュ通過粒度の微粉砕品11kg」は本件特許発明1における「茶原料の不溶性微粒子」に相当する。
甲1発明における「緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕して得た、100メッシュ通過粒度の微粉砕品」は「11kg」であり、「即席粉末茶」は「76kg」であるから、「緑茶葉12kgを気流式粉砕機にて品温45℃、8000rpm の条件で粉砕して得た、100メッシュ通過粒度の微粉砕品」の含有量は約14.5%(=11÷76×100)と計算され、本件特許発明1における「前記緑茶飲料固化物中の前記茶原料の不溶性微粒子の含有量が0質量%より多く30質量%以下である」という発明特定事項の条件を満たす。
甲1発明における「即席粉末茶」は、「官能テスト結果がやや好ましいと評価され、熱水及び冷水への溶解性が普通と評価される」ものであり、「水又はお湯と混合して緑茶飲料」にすることができるといえるから、本件特許発明1における「緑茶飲料固化物」と、「緑茶飲料の固体」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「水又はお湯と混合して緑茶飲料を調製するための凍結乾燥された緑茶飲料の固体であって、
前記緑茶飲料固化物が、デキストリンと、茶原料の不溶性微粒子とを含み、
前記緑茶飲料固化物中の前記茶原料の不溶性微粒子の含有量が0質量%より多く30質量%以下である、前記緑茶飲料の固体。」
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点1-1>
本件特許発明1においては「前記緑茶飲料固化物中の糖類の含有量が8.5質量%以下である」と特定されているのに対し、甲1発明においてはそのようには特定されていない点。
なお、特許異議申立人は、甲1には、比較例2として糖類を配合することは記載されておらず、製造するにあたり糖類を配合しないものであるから、甲1発明において、糖類の含有量は8.5質量%以下であるといえるとして、この点を相違点としていない(特許異議申立書第13ページ)が、製造する際に糖類を配合していないからといって、「糖類の含有量が8.5質量%以下」になるとは限らない(本件特許の発明の詳細な説明に記載された試験例1は、製造する際に糖類を配合していないにもかかわらず、糖類の含有量が8.6質量%となっている。)ので、この点は相違点である。
<相違点1-2>
「緑茶飲料の固体」に関して、本件特許発明1においては「体積が4~50cm3である」「緑茶飲料固化物」と特定されているのに対し、甲1発明においては「粉末化して得られた」「即席粉末茶」と特定されているものの、「体積が4~50cm3である」「緑茶飲料固化物」とは特定されていない点。
(2)判断
事案に鑑み相違点1-2について検討する。
甲1には、「粉末化して得られた」「即席粉末茶」を「固化物」にした上で、その体積をどの程度にするかに関する記載はなく、当然、「固化物」の「体積」を「4~50cm3」とする動機付けとなる記載はない。
また、他の証拠にも、甲1発明において、「粉末化して得られた」「即席粉末茶」を「固化物」にした上で、その「体積」を「4~50cm3」とする動機付けとなる記載はない。
したがって、甲1発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点1-2に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明1の奏する「携帯に適し、水又はお湯と混合して香味のすぐれた無糖の緑茶飲料を簡便に調製できる、新規な緑茶飲料固化物を提供することができる。」(本件特許の発明の詳細な説明の【0008】)という効果は、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項からみて、本件特許発明1の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。
(3)特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、「甲2の1には、「フリーズドライの抹茶「コロコロ抹茶」を発売した。約1センチ角のキューブ状」(1頁)との記載がある。また、甲3には、お茶を主食材としたミニブロック食品において、「ミニブロックの寸法としては2×2×2cmから4×4×4cm、好ましくは、3×3×3cm以下がよく、またミニブロックの体積としては、8cm3~64cm3、好ましくは27cm3以下がよ」(【0015】)いことが記載され、また、ミニブロック食品を製造するにあたり、「3×3×3cm以下のサイズであるトレーに充填する。充填後凍結し、凍結乾燥により目的のミニブロックを取得する」 (【0032】)ものであり、凍結乾燥において体積27cm3以下のサイズにするものである。これら記載からすると、即席粉末茶をブロック状にし、その体積を4~50cm3にすることは当業者が通常行うことであるといえる。よって、構成要件1E「前記緑茶飲料固化物の体積が4~50cm3である」は、甲1発明、甲2の1及び甲3に記載する事項から当業者が容易に想到できるものである。」(特許異議申立書第13及び14ページ。なお、摘記に際し、改行及び空白行は省略した。)旨主張する。
そこで、該主張について検討する。
仮に、甲2の1及び甲3に、特許異議申立人が主張する事項が記載されているとしても、甲1に記載された事項からみて、甲1発明は、「溶解性」を良くするために「粉末化」することを前提とするものであるから、甲1発明において、「粉末化」した「即席粉末茶」をブロック状、すなわち固化物にし、その体積を4~50cm3にすることは、溶解性が悪くなる恐れがあることから、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
したがって、「構成要件1E「前記緑茶飲料固化物の体積が4~50cm3である」は、甲1発明、甲2の1及び甲3に記載する事項から当業者が容易に想到できるものである。」とはいえず、特許異議申立人の上記主張は採用できない。
(4)まとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は甲1発明、すなわち甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本件特許発明2ないし8について
本件特許発明2ないし8は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本件特許発明9について
本件特許発明9は本件特許発明1ないし8を水又はお湯に混合してなる緑茶飲料の発明であるから、本件特許発明1ないし8が甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない以上、本件特許発明9も甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本件特許発明10について
(1)対比
本件特許発明10と甲1製法発明を対比する。
両者の間には、本件特許発明1と甲1発明の間と同様の相当関係が成り立つ。
また、甲1に記載された事項からみて、甲1製法発明は、製造方法全体を通して糖類を添加しないものといえ、本件特許発明10における「但し、製造方法全体を通して糖類を添加しない」という発明特定事項を満たす。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「緑茶飲料の固体の製造方法であって、
緑茶飲料抽出液を準備し、
前記緑茶飲料抽出液中にデキストリンと茶原料の不溶性微粒子とを混合し、
得られた混合液を凍結乾燥することを含み、
但し、製造方法全体を通して糖類を添加しない、前記製造方法であって、
前記緑茶飲料の固体中の前記茶原料の不溶性微粒子の含有量が0質量%より多く30質量%以下である、前記製造方法。」
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点10>
「緑茶飲料の固体」に関して、本件特許発明10においては「体積が4~50cm3である」「緑茶飲料固化物」と特定されているのに対し、甲1製法発明においては「粉末化して」「得る」「即席粉末茶」と特定されているものの、「体積が4~50cm3である」「緑茶飲料固化物」とは特定されていない点。
(2)判断
相違点10について検討する。
相違点10は相違点1-2と実質的に同じであるから、相違点1-2と同様に判断される。すなわち、甲1製法発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点10に係る本件特許発明10の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明10の奏する「携帯に適し、水又はお湯と混合して香味のすぐれた無糖の緑茶飲料を簡便に調製できる、新規な緑茶飲料固化物を提供することができる。」という効果は、甲1製法発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項からみて、本件特許発明10の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。
(3)まとめ
したがって、本件特許発明10は甲1製法発明、すなわち甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
6 本件特許発明11について
本件特許発明11は、請求項10の記載を引用して特定するものであり、本件特許発明10の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明10と同様に甲1に記載された発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
7 むすび
したがって、本件特許発明1ないし11は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1ないし11に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものではなく、同法第113条第2号に該当しないので、申立理由によっては取り消すことはできない。
第5 結語
以上のとおり、本件特許の請求項1ないし11に係る特許は、特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700119