特許訂正審判
2024-390033
フォトクロミック及びエレクトロクロミック化合物
- 審判番号
- 2024-390033
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-510416
- 登録番号
- 7454321
- 請求日
- 2024年04月25日
- 審決日
- 2024年07月09日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ グラスゴー
- 【請求人代理人】池田 成人
- 【請求人代理人】酒巻 順一郎
- 【請求人代理人】野田 雅一
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 典之
- 審判官 野田 定文
- 審判官 関 美祝
- 分類
- P141 .851-Y (C07D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7454321号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7454321号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~18〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7454321号(以下「本件特許」という。)は、2019年(令和元年)8月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年8月30日 英国(GB))を国際出願日とする特願2021-510416号の請求項1~23に係る発明について、令和6年3月13日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、同年4月25日に本件訂正審判の請求がされ、同年5月31日に手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、
「特許第7454321号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~18について訂正することを認める、との審決を求める。」
というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、令和6年5月31日提出の手続補正書(方式)により補正された本件審判請求書の記載及び同審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲の記載からみて、以下の訂正事項1~18のとおりである(下線は訂正による記載の変更箇所を示し、「・・・」は摘記の省略を示す。)。
なお、訂正前の請求項1~18について、請求項2~18は、それぞれ請求項1の記載を直接的又は間接的に引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~18に対応する訂正後の請求項1~18に係る本件訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項について請求されたものである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「2つの電極を備え、ナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含む溶液、又はナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含むゲルが電極間空間に配置されている、電気化学デバイスであって、
前記ナフタレンジイミド化合物が式1のナフタレンジイミド化合物又はその塩若しくは溶媒和物である電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「2つの電極を備え、ナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含む溶液、又はナフタレンジイミド化合物と溶媒とを含むゲルが電極間空間に配置されている、エレクトロクロミックデバイスであって、
前記ナフタレンジイミド化合物が式1のナフタレンジイミド化合物又はその塩若しくは溶媒和物であるエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~18も同様に訂正する。)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に、
「前記ナフタレンジイミド化合物が式1aの化合物又はその塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記ナフタレンジイミド化合物が式1aの化合物又はその塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項2の記載を直接的又は間接的に引用する請求項3~18も同様に訂正する。)。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に、
「n1a及びn1bのそれぞれが1である、請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「n1a及びn1bのそれぞれが1である、請求項1又は2に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~10、12~18も同様に訂正する。)。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に、
「T1a及びT1bのそれぞれが-OHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「T1a及びT1bのそれぞれが-OHである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項5~10、12~18も同様に訂正する。)。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に、
「-A1a-及び-A1b-のそれぞれが-C(O)-である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「-A1a-及び-A1b-のそれぞれが-C(O)-である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~10、12~18も同様に訂正する。)。
6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に、
「R1aとR1bとが同じである、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「R1aとR1bとが同じである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7~10、12~18も同様に訂正する。)。
7 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に、
「R1a及びR1bが水素である、請求項6に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「R1a及びR1bが水素である、請求項6に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項7の記載を直接的又は間接的に引用する請求項8~10、12~18も同様に訂正する。)。
8 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に、
「R2aがR2bと同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「R2aがR2bと同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9、10、12~18も同様に訂正する。)。
9 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に、
「R2a及びR2bがベンジルである、請求項8に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「R2a及びR2bがベンジルである、請求項8に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項9の記載を直接的又は間接的に引用する請求項10、12~18も同様に訂正する。)。
10 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10に、
「式1aの化合物が式1aaの化合物・・・である、請求項2~9のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「式1aの化合物が式1aaの化合物・・・である、請求項2~9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項10の記載を直接的又は間接的に引用する請求項12~18も同様に訂正する。)。
11 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項11に、
「式1aの化合物が・・・から選択される、請求項2に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「式1aの化合物が・・・から選択される、請求項2に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項11の記載を直接的又は間接的に引用する請求項12~18も同様に訂正する。)。
12 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項12に、
「前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項12の記載を直接的に引用する請求項13も同様に訂正する。)。
13 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項13に、
「前記溶液中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項12に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記溶液中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項12に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する。
14 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項14に、
「前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記溶媒が、水とグリセロールとの混合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項14の記載を直接的又は間接的に引用する請求項15~18も同様に訂正する。)。
15 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項15に、
「前記ゲル中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項14に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記ゲル中の前記ナフタレンジイミド化合物の濃度が、少なくとも0.4mg/mLである、請求項14に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項15の記載を直接的又は間接的に引用する請求項16~18も同様に訂正する。)。
16 訂正事項16
特許請求の範囲の請求項16に、
「前記ゲルのpHが2~4である、請求項14又は15に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記ゲルのpHが2~4である、請求項14又は15に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項16の記載を直接的又は間接的に引用する請求項17、18も同様に訂正する。)。
17 訂正事項17
特許請求の範囲の請求項17に、
「前記ゲルが酸性化剤をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記ゲルが酸性化剤をさらに含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する(請求項17の記載を直接的に引用する請求項18も同様に訂正する。)。
18 訂正事項18
特許請求の範囲の請求項18に、
「前記酸性化剤がグルコノ-δ-ラクトン(GdL)である、請求項17に記載の電気化学デバイス。」
と記載されているのを、
「前記酸性化剤がグルコノ-δ-ラクトン(GdL)である、請求項17に記載のエレクトロクロミックデバイス。」
に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的について
訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の請求項1において、「電気化学デバイス」を、その下位概念である「エレクトロクロミックデバイス」に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(2) 新規事項の追加、特許請求の範囲の実質拡張又は変更、独立特許要件について
訂正事項1による訂正は、上記(1)のとおり、対象となるデバイスを限定するものであるところ、本件特許の願書に添付した明細書の【0030】には、「エレクトロクロミックデバイスは典型的には、少なくとも2つの電極と電解質層とを備える。色変化は、エレクトロクロミック種が、脱色状態(透明な外観を生じさせる)から有色状態になることに起因する。」と記載され、【0033】には、「本発明は、2つの電極と本発明の溶液又はゲルとを備える電気化学デバイスを提供する。」と記載されており、「2つの電極」を有する「電気化学デバイス」のひとつの態様として、色変化を伴う「エレクトロクロミックデバイス」が記載されているといえる。
したがって、訂正事項1による訂正は、本件特許の願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、かつ、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
そして、訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、本件訂正後の請求項1について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2~18について
訂正事項2~18による訂正は、いずれも、訂正事項1による訂正と同様に、「電気化学デバイス」を、その下位概念である「エレクトロクロミックデバイス」に限定するものである。
そうすると、上記1での説示したのと同様の理由により、訂正事項2~18による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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