商標取消審判
2024-300537
ラメゾンブルー、メゾンブルー、メゾン
- 審判番号
- 2024-300537
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2002-075510
- 登録番号
- 4679015
- 請求日
- 2024年08月02日
- 審決日
- 2025年03月27日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エッジパス ブランズ エルエルシー
- 【請求人代理人】名古屋国際弁理士法人
- 【被請求人】株式会社 パーソンズデザインスタジオ
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Y (Y25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4679015号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4679015号商標(以下「本件商標」という。)は、「LA MAISON BLEU」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年8月21日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同15年6月6日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和6年8月22日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年8月22日~令和6年8月21日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書、令和6年10月2日付け(令和6年10月3日差出)の審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年12月5日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」、「乙第1号証」を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
以下に述べるとおり、被請求人は、本件商標が要証期間に日本国内において、その指定商品について使用されたことを証明していない。
(1)被請求人の主張及び乙各号証について
被請求人は、本件商標を、通常使用権者が「婦人服」について、要証期間内に使用していると主張する。
ア 乙第1号証
本号証に係る、商標権者と株式会社カイタックファミリー(以下「カイタックファミリー社」という。)との間で締結された商標ライセンス契約書で定義されている商標は、「la farfa la maison bleu」の文字を横書きにしてなる商標及び別掲1の商標である。
イ 乙第2号証
本号証に係る、商標権者発行の2021年5月28日付けカイタックファミリー社への「INVOICE ご請求書(写し)」には、ライセンスの対象商標として「la farfa la maison bleu」と同書同大で一行書きにまとまりよく記載されている。
ウ 乙第3号証
本号証に係る販売報告書には、ブランド名「la farfa maison」と記載され、品名「lafarfa」と記載されているのみで、本件商標はもちろん、本件商標を小文字で表した「la maison bleu」の記載すらない。
つまり、本号証は、本件商標が要証期間にその指定商品について使用されていたことを証明する資料ではないとされるのが相当である。
エ 乙第4号証
本号証に係るデザイン確認書には、別掲2及び別掲3の各商標が掲載されている。
オ 乙第5号証
本号証に係る通販雑誌の誌面確認書には、別掲2の商標及びその下の「雑誌「la farfa」とのコラボコレクション」の記載があるが、本件商標の記載はない。
また、「バックスリットルームウエア」の商品説明欄には、別掲3のものと思しき商標及びその下の「左胸ポケットに「la farfa」のロゴつき」の記載がある。
さらに、「1 ルームウエア(ラ・ファーファ メイソン)」の記載案に対して「→0ない、ラ・ファーファ ラ メゾン ブルーに変更します」との書き込みがある。
一方、本件商標(又は小文字で表した「la maison bleu」)について何ら言及はない。
カ 乙第6号証
本号証に係る画面スクリーンショットに、「ルームウエア(ラ・ファーファ ラ メゾン ブルー)」の記載があるものの、本件商標(又は小文字で表した「la maison bleu」)の記載はない。
一方、別掲3の商標の表示の下に、「左胸ポケットに「la farfa」のロゴ刺しゅう入り」の記載があるが、本件商標(又は小文字で表した「la maison bleu」)について何ら言及はない。
キ 乙第7号証
本号証に係る購入商品写真には、ネームタグ(別掲4)、下げ札(審決注:別掲2の商標と外観が同じ。)、及び左胸ポケットにおける別掲3の商標が表示されているのみである。
また、お買上明細書中の商品名には、「ルームウエア(ラ・ファーファ ラ メゾン」との中途半端な記載があるのみで、本件商標(又は小文字で表した「la maison bleu」)について何ら言及はない。
(2)被請求人の主張に係る本件商標の使用事実の不存在について
ア 乙各号証に掲載の商標は本件商標と社会通念上同一のものではないことについて
被請求人は、答弁書において、乙各号証に掲載の商標をもって、本件商標を使用していると主張する。
そこで、乙各号証に掲載の商標と本件商標は、商標法50条1項で定める「社会通念上同一」であるか否かについて検討する。
商標法50条1項の規定における「登録商標と社会通念上同一と認められる商標」の判断について、知的財産高等裁判所判決平成24年(行ケ)第10382号で言及されている判断指針によれば、乙各号証(乙3を除く)に掲載の使用商標が、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、及び外観において同視される図形からなる商標いずれにも該当せず、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標ということはできないとされるのが相当であることは、以下に示すとおりである。
(ア)乙第3号証を除く乙各号証に掲載の使用商標
乙第1号証の契約書や乙第2号証のINVOICE中の商標は、「la farfa la maison bleu」と同書同大でまとまりよく一行書きにされたものである。
乙第1号証及び乙第4号証ないし乙第7号証に表れている別掲1ないし別掲4の各商標(審決注:別掲4の商標は、ネームタグに表示されている別件3と同様の商標。以下同じ。)はいずれも、他者の登録商標「la farfa」が上段に大書され、目を惹く構成で、上段の「la farfa」と下段の「la maison bleu」が構成上まとまりよく一連一体に表されている。
以上の商標はいずれも、本件商標又は小文字で表した「la maison bleu」の文字が単独でかつ独立して商標として使用されていないとされるのが相当である。
(イ)「la farfa la maison bleu」
「la farfa la maison bleu」は、同書同大に一行書きされ、全体が外観上まとまりよく表され、全体で一つの造語と認識されるとされるのが自然で、本件商標とは別異のものであって、上記判断指針に該当せず、社会通念上同一とは認められないとされるのが相当である。
このことは、審判平11-31508号(甲2)、取消2018-300846号(甲3)の各審決からも明らかである。
以上から、「la farfa la maison bleu」は本件商標を構成中に含むものの、各文字全てがまとまりよく配されており、その全体が外観において一体性を有しているものというべきであり、本件商標とは別異のものであって、社会通念上同一の使用とは認められないとされるのが相当である。
(ウ)別掲1ないし別掲4の各商標
いずれも上段の顕著に大書された「la farfa」が目を惹き、上段と下段が構成上一連一体にまとまりよく表されており、このような構成の商標に接する取引者、需要者は、視覚上「la farfa」の文字に注目し、取引に当たるとされるのが自然であるとしても、視覚上印象が薄い下段のみが殊更に切り離して着目され、取引に資されるとはいい難いとされるのが相当である。
とするならば、当該各商標はいずれも本件商標とは別異のものであって、上記判断指針に該当せず、社会通念上同一とは認められないとされるのが相当である。
このことは、不服2019-16771号(甲4)、審判平11-31220号(甲5)及び取消2017-300700号(甲6)の各審決からも明らかである。
以上から、別掲1ないし別掲4の各商標はいずれも本件商標とは別異のものであり、社会通念上同一とは認められないとされるのが相当である。
(3)まとめ
被請求人が提出した乙各号証において使用されている「la farfa la maison bleu」及び別掲1ないし別掲4の各商標はいずれも、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではないとされるのが相当である。
したがって、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標の指定商品について本件商標の使用をしていたことは証明されていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標の許諾及び商品の販売について
商標権者は、要証期間を含む2021年4月1日ないし2023年3月31日の間、本件商標の指定商品について、カイタックファミリー社に通常使用権を許諾し、商標ライセンス契約を締結しており、当該契約によりカイタックファミリー社は、日本国内流通向けに本件商標の婦人服の製造・販売を行っている。
上記契約は、本件商標と登録第5631703号商標(「la farfa ラ・ファーファ」)とのダブルライセンスとなる。
証明書類として当該各商標に関する「商標ライセンス契約書」写し(乙1)を提出する。
上記契約の実行の証拠として、商標使用に関するロイヤルティ請求書写し(乙2)を提出する。
また、本件商標を付した商品販売の証拠として、カイタックファミリー社から商標権者に対する販売報告書の写し(乙3)を提出する。
(2)商品の販売先について
カイタックファミリー社は、本件商標を付した婦人服を、通販の会社(以下「S社」という。)に販売した。
事前デザイン確認書(個別品番Y3220W)(乙4)及びS社のカタログに掲載に関する雑誌面の原稿確認書の写し(乙5)を提出する。
なお、S社での上記婦人服の扱いは現在まで継続されており、ネット販売における当該婦人服及び要証期間内に投稿された購入者の口コミが掲載された販売画面スクリーンショットの写し(乙6)を提出する。
また、2024年9月18日にS社より購入した、本件商標を付した商品写真(乙7)を提出する。
ロゴの字体には筆記体及び小文字を使用しているが、本件商標と社会通念上同一である。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証
乙第1号証は、「商標ライセンス契約書」であり、2葉目(第1ページ)において、その表題の記載、その下に、「株式会社パーソンズデザインスタジオ(以下、「ライセンサー」という)と株式会社カイタックファミリー(以下、「ライセンシー」という)とは、本日、以下のとおり商標ライセンス契約(以下、「本契約」という)を締結する。」の記載、その下に、「第一 定義規定」の記載があり、その下の「第1条(定義規定)」の条項についての記載中に、「本契約において下記の語句が使用される場合、各語句は下記に定める意義を有するものとする。」の記載、その下の箇条書中、「1.本件商標等」の項に、「別紙A商標目録記載の「la farfa la maison bleu」という商標」の記載、「2.本商標権」の項に、「別紙B商標権目録に記載する商標権」の記載、「3.本許諾地域」の項に、「日本国内」の記載、「4.本件商品」の項に、「別紙C商品目録記載の商品/本商標権の指定商品であって、本件商標等を付したもの」の記載、「5.契約期間」の項に、「2021年4月1日から2023年3月末日まで」の記載がある。
また、本号証の3葉目(第2ページ)において、「第二 本件商標等の使用許諾」の記載があり、その下の「第2条(商標等の使用許諾)」の条項についての記載中に、「ライセンサーはライセンシーに対し、本許諾地域内において、本件商品を製造・販売するために、本件商標等の通常使用権を許諾(以下、「本件商標等使用許諾」という)する。」の記載があり、4葉目(第3ページ)において、中ほどに、「第四 本件商標等」の記載があり、その下の「第6条(本件商標について)」の条項についての記載中に、「ライセンサーはライセンシーに対し、別紙A商標目録記載の商標は許諾地域内において別紙B商標権目録記載のとおり登録されており、本許諾地域内における本件商標等の使用は第三者のいかなる権利も侵害しないものであることを保証する。」の記載があり、12葉目(第11ページ)において、下部に、「2021年4月1日」の記載並びに「ライセンサー」及び「ライセンシー」の住所、名称、代表者の氏名の記載、押印がある。
さらに、本号証の13葉目(第12ページ)において、「(別紙A)」に対応する内容として、「商標目録」の記載、その下に「la farfa la maison bleu」の記載があり、かつその下に別掲1に示す商標が提示され、「(別紙B)」に対応する内容として、「商標権目録」の記載があり、かつその下に「登録番号」等が見出しとして設けられた表が提示され、当該表中、「登録番号」欄の記載として、「第5631703号」及び「第4679015号」の各記載、「商標」欄の記載として、「la farfa」及び「ラ・ファーファ」の各文字を2段に書してなる商標、並びに「LA MAISON BLEU」の文字を横書きしてなる商標(本件商標)の各記載がある。
イ 乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が、カイタックファミリー社からの商標権者に対する販売報告書と主張するものであり、上部中央に、「”la farfa maison”商品販売管理表」の記載、その右に、「2022/4/20/株式会社カイタックファミリー」の記載があり、その下に提示されている、1行目に「ブランド名」、「品番」等の各見出しが設けられた表中、「品番」欄に「Y3220W」の記載がある行において、「ブランド名」の欄に「la farfa maison」の記載、「品名」欄に「lafarfa上下セット」の記載がある。
また、上記表における「4月」ないし「3月」の12個の各見出しは、「4月」の上の「2021」の記載、「1月」の上の「2022」の記載から、2021年4月ないし2022年3月の各月を指していることが理解できるところ、各月の欄はそれぞれ、「数量」欄及び「販売金額」欄に2分割されており、上述の「品番」欄に「Y3220W」の記載がある行において、2021年12月の「数量」欄及び「販売金額」欄並びに2022年2月の「数量」欄及び「販売金額」欄に、それぞれに0より大きい数字の記載がある。なお、その余の月の記載は空欄若しくは0又はマイナスの数字である。
ウ 乙第4号証
乙第4号証は、被請求人が、ライセンシーが婦人服をS社に販売したことに関する「デザイン確認書」と主張するものであり、左上に、「’22S/S」の記載、その右に「STYLE No.」の記載、その右に、「Y3220W」の記載があり、その右に、別掲2の商標及び別掲4のネームタグが提示され、その左下の「14.ベージュ」の記載の下に、上半身(正面、背面)及び下半身のセットで構成された被服の図面が提示され、その右下に、「*刺繍」の記載があり、その下に、別掲3の商標が表示され、その右下に「CAITAC FAMILY,INC.」の記載がある。
エ 乙第5号証
乙第5号証は、被請求人が、S社の「通販雑誌誌面確認書」と主張するものであり、乙第5号証-1において、右上に、「ご連絡誠にありがとうございます。進行の程、宜しくお願い申しあげます。」、「2021.8.2」及び「(株)パーソンズデザインスタジオ」の各文字が手書きで記入されている。
また、乙第5号証-2において、上部に、S社の社名を伴った「紙面」の文字及び「Y3220W」の文字がそれぞれ手書きで記入され、その下に、被服の写真が複数枚提示され、下部に、「2021.10.22」の各文字が手書きで記入されており、そして、上記複数枚の写真のうちの1枚は、人が着用していない状態の被服の全体写真であり、その右上に、外縁が円形の、当該被服の左胸ポケットの部分拡大写真が提示されており、全体写真からは、当該被服が上半身及び下半身のセットで構成され、かつデザイン及び配色が乙第4号証に提示された図面の被服と一致していることが見て取れ、部分拡大写真からは、左胸ポケットに、少なくとも別掲3の商標の構成中の「la farfa」の文字が、文字色を除いて当該商標と同様に表示されていることが見て取れる。
さらに、上記全体写真の上に、別掲2に示す商標が提示されており、その右に、「ラクしながらこなれ見え!/バックスリットルームウェア」の記載、その左下に、「雑誌「la farfa」とのコラボコレクション」の記載があり、上記部分拡大写真の下に、「左胸ポケットに「la farfa」のロゴつき」の記載がある。
オ 乙第6号証
乙第6号証は、被請求人が、S社のネット販売画面のスクリーンショットと主張するものであり、乙第6号証-1において、その中央部分の画像が別掲5に示すとおりのものである外縁が円形の写真が提示されており、当該写真が乙第5号証における上記エの部分拡大写真とサイズの大小を除いておおむね同一であることが見て取れ、また、当該写真から、ベージュ色の被服のポケットに、文字色を除いて別掲3と同様の商標が黒色で表示されていることが見て取れる。
また、上記写真の右に、「ルームウエア(ラ・ファーファ ラ メゾン ブルー)」の記載、その下に、価格の記載、その下に、「2022年1月販売価格:」の記載、その右に、取消し線を伴った価格の記載、その下に、「カラー・サイズを選択しカートに入れる」の記載がある。
さらに、乙第6号証-2において、乙第5号証-2における複数枚の写真のうちの1つと部分的に(人の肩から上がカットされている点等を除いて)一致する、人が着用している状態の被服の写真が提示され、その右に、「ルームウエア(ラ・ファーファ ラ メゾン ブルー)口コミ」の記載、その下に、「商品購入ページへ」の記載があり、乙第6号証-3及び乙第6号証-4において、投稿日が「2023-10-31」等の、購入者による投稿内容と思われる複数のコメントが提示されている。
カ 乙第7号証
乙第7号証は、被請求人が、2024年9月18日にS社より購入した商品の写真と主張するものであり、乙第7号証-1ないし乙第7号証-4のそれぞれに提示された写真について、以下の事実が認められる。
(ア)乙第7号証の2の写真から、デザイン及び配色が乙第4号証に提示された図面の被服と一致する被服に、別掲2の商標が表示されたラベルが取り付けられ、また、当該被服の左胸ポケットに、別掲5の写真と同様に、文字色を除いて別掲3と同様の商標が黒色で表示されていることが見て取れる。
(イ)乙第7号証-1には、襟部分を拡大した被服の写真が提示されており、当該被服の襟にネームタグ(別掲4)が取り付けられ、さらに当該ネームタグに別掲2の商標と外観が同じ下げ札がプラスチックひもで取り付けられていることが見て取れ、また、当該被服の左胸ポケットに、別掲5の写真と同様に、文字色を除いて別掲3と同様の商標が黒色で表示されていることが見て取れる。
さらに、当該被服の上に紙が置かれており、その紙面において、左上にS社の社名を伴った「お買上明細書」の記載、その右下に、「受付日 2024年09月18日」の記載、その下に提示された表中、「商品名」の欄に「ルームウエア(ラ・ファーファ ラ メゾン」の記載がある。
(ウ)乙第7号証-4には、襟部分を上記(イ)の乙第7号証-1よりもさらに拡大した被服の写真が提示されており、当該被服の襟に取り付けられたネームタグのほか、上記(イ)の下げ札の裏面が見て取れ、その面に、「NO.」に対応して「Y3220W」の記載、「発売元」に対応してカイタックファミリー社の社名の記載のほか、帯状の円輪郭内に「PERSON’S DESIGN STUDIO APPROVED」の表示がある。
(2)上記(1)アないしカによれば、次の事実を認めることができる。
ア 商標権者は、2021年4月1日に、契約期間を同日から2023年3月末日までとして、カイタックファミリー社に対して、「商標ライセンス契約書」の「別紙A商標目録」に記載の商標、すなわち、「la farfa la maison bleu」の文字を横書きにしてなる商標及び別掲1の商標の通常使用権を許諾する旨の契約を締結した(乙1)。
当該契約の対象とされた商標権は、「商標ライセンス契約書」の「別紙B」のとおりであり、商標登録第4679015号(本件商標)及び商標登録第5631703号(以下「別件商標」という。)である(乙1)。
そうすると、カイタックファミリー社は、2021年4月1日以降、契約期間の末日が2023年3月末日とされた契約により、別紙Bのとおり登録された商標権を組み合わせた商標について商標権者から許諾を受けていたものと認められる。
イ 「“la farfa maison”商品販売管理表」(以下「販売管理表」という。)によれば、カイタックファミリー社は、2021年12月及び2022年2月に、品番が「Y3220W」、「ブランド名」が「la farfa maison」の「lafarfa上下セット」を販売した(乙3)。
ウ 販売管理表には、品番が「Y3220W」の「lafarfa上下セット」とはどのような商品であるのかについては記載されておらず、その販売先についても記載されていないものの、「デザイン確認書」とされる乙第4号証において、「Y3220W」の記載及びカイタックファミリー社の欧文字表記と解される「CAITAC FAMILY,INC.」の記載があること、S社の「通販雑誌誌面確認書」とされる乙第5号証-2において、手書きの「Y3220W」の記載があり、かつデザイン及び配色が乙第4号証に提示された図面と一致する被服の全体写真、及び左胸ポケットに少なくとも別掲3の商標の構成中の「la farfa」の文字が当該商標と同じ書体で表示されていることが見て取れる部分拡大写真が存在すること、S社のネット販売画面のスクリーンショットとされる乙第6号証-1において、上記部分拡大写真とサイズの大小を除いておおむね同一の写真が存在し、かつ、上記イのカイタックファミリー社による販売時期の後、近接した時期である「2022年1月販売価格:」の記載があること、同じく乙第6号証-2において、乙第5号証-2と部分的に一致する被服の写真が存在すること、S社より購入した商品の写真とされる乙第7号証-4において、別掲2の商標と外観が同じ下げ札(乙7-1)の裏面に「Y3220W」及びカイタックファミリー社の社名の記載があること等の各事実を総合考慮すると、品番が「Y3220W」の「lafarfa上下セット」は、商品「ルームウエア」(乙5-2、乙6、乙7-1。以下「使用商品」という。)であり、日本国内のS社が、インターネット上の販売サイトにおいて使用商品を販売するに先立ってカイタックファミリー社から販売管理表が示すとおりに使用商品を仕入れた、すなわち、カイタックファミリー社による使用商品の販売先は日本国内のS社であるとみて差し支えない。
エ また、このことから、カイタックファミリー社が2021年12月及び2022年2月にS社に使用商品を販売した際、使用商品の左胸ポケットには、別掲5のとおり、書体を筆記体とした比較的大きなサイズの黒色の「la farfa」の文字をアーチ状に配置し、その下に間隔を置いて、書体を「maison」について太字ゴシック体、その余について筆記体とした、いずれも比較的小さなサイズの黒色の「la maison bleu」の文字を直線状に配置した構成の商標(当該商標を本件商標の使用に係る商標と認定し、以下、これを「本件使用商標」という。)が表示されていたものと推認できる。
オ 上記アないしエによれば、カイタックファミリー社は、本件商標と別件商標とを組み合わせた商標について商標権者から許諾を受ける旨の契約の下、2021年12月及び2022年2月に、本件使用商標が表示された使用商品を、日本国内のS社に販売したことが認められる。
2 判断
上記1(2)オの行為について、次のとおり判断できる。
(1)本件使用商標について
本件使用商標の構成中、「la maison bleu」の文字は、「la farfa」よりも小さなサイズであるが、アーチ状に配置された「la farfa」の下に間隔を置いて、直線状に配置されている。
また、「la farfa」は、乙第5号証-2に記載のように雑誌の名称としても使用されているところ、使用商品は、雑誌「la farfa」とのコラボコレクションである(上記1(1)エの認定事実)。
そうすると、本件使用商標は、「la maison bleu」と「la farfa」とが分離して看取することもできる構成態様からなるものであること、雑誌とのコラボレーション企画として「la maison bleu」という商品が位置づけられていると理解できること、また、本件商標と別件商標とが別個の商標権として存在し両商標について通常使用権の許諾契約が締結されていること、さらに、本件使用商標の構成各文字(語)に照らして、その全体として一体的な観念が生ずるといえる事実も見いだせないことから、これら事実を総合的に判断すれば、本件使用商標は、その構成中に「la farfa」の文字部分が表示されているとしてもなお、「la maison bleu」が、「la farfa」と独立に自他商品識別機能を発揮し得る部分として認識されるものといえる。
そして、本件商標は、「LA MAISON BLEU」の文字を標準文字で表してなるものであるのに対し、本件使用商標中の「la maison bleu」の文字は、ゴシック体及び筆記体で表したものであるところ、両者はつづりを同じくするものであるから、独立した個別の表示として理解、認識されると認められる上記「la maison bleu」の文字と本件商標とは、社会通念上同一の商標であると認められる。
(2)使用者について
カイタックファミリー社は、本件商標と別件商標とを組み合わせた商標について商標権者から許諾を受けて本件使用商標を使用したものであるが、このことは実質的に、本件商標の通常使用権者としての使用行為といえる。
(3)使用商品について
商品「ルームウエア」は、本件商標の指定商品中「被服」に該当する商品といえる。
(4)使用時期及び使用行為について
本件使用商標の使用時期は、2021年12月及び2022年2月であって、いずれも要証期間であり、本件使用商標が表示された商品「ルームウエア」を販売する行為は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付したものを譲渡し又は引き渡す行為に該当する。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、本件商標の通常商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる使用商品に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる標章を付して譲渡する、商標法第2条第3項第2号に該当する行為を行ったことが認められる。
3 請求人の主張について
請求人は、使用商標は、「la farfa la maison bleu」と一行書きにされたものや別掲に示すような構成からなるものであって、構成上まとまりよく一連一体に表されていることなどから、「LA MAISON BLEU」又は「la maison bleu」の文字が単独でかつ独立して使用されていないなどと述べ、乙各号証において使用されている商標はいずれも本件商標と社会通念上同一とは認められない旨主張している。
しかしながら、一つの商品に複数の商標が表示されたり、また、当該複数の商標が大小異なる大きさで表示されることは通常見られることであるところ、本件において提出された証拠を総合すると、上記2(1)のとおり、「la maison bleu」が、「la farfa」と独立に自他商品識別機能を発揮し得る部分として認識されるものといえ、独立した個別の表示として理解、認識されると認められる上記「la maison bleu」の文字と本件商標とは、社会通念上同一の商標であるというのが相当である。
また、請求人は、販売報告書(乙3)にはブランド名「la farfa maison」、品名「lafarfa」と記載されているだけで、本件商標の構成文字(小文字表記を含む。)の記載はないため、当該証拠は本件商標の使用を証明する資料ではないとも述べるが、報告書等の書面の作成に当たり、便宜上省略して記載することはあり得ることと考えられ、本件商標の構成文字の全てが記載されていなかったとしても不自然なことではなく、当該証拠に基づく認定事実は上記1のとおりである。
なお、請求人は、審決例(甲2~甲6)を挙げて、使用商標はいずれも、本件商標が単独かつ独立して使用されていない旨主張するが、それらの事例は、商標の具体的構成や商標の使用に係る取引の実情が異なるものであるから、本件の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる使用商品「ルームウエア」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-300537