商標取消審判
2024-300490
リターン
- 審判番号
- 2024-300490
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1996-034244
- 登録番号
- 4089920
- 請求日
- 2024年07月16日
- 審決日
- 2025年03月21日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】スリー デイズ ラブ カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人ITOH
- 【被請求人】ヒノキ新薬 株式会社
- 【被請求人代理人】稲木 次之
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 高橋 幸志
- 分類
- T132 .1 -Y (003)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4089920号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4089920号商標(以下「本件商標」という。)は、「リターン」の片仮名を書してなり、平成8年3月29日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年12月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和6年7月31日であり、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、同3年(2021年)7月31日ないし同6年(2024年)7月30日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、請求に係る指定商品についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品中「化粧用ローション」について本件商標を使用していることを以下のとおり立証する。
1 被請求人である「ヒノキ新薬株式会社」(以下「商標権者」という場合がある。)は、化粧品、特に皮膚科学に基づいて開発された化粧品を製造販売する株式会社であり、多くの基礎化粧品を製造販売しているが、本件商標は「化粧用ローション」に使用する商標で、令和5年12月に試作品が完成し、同6年5月27日以降各地で順次発表会を行い、本件商標をその新製品である「化粧用ローション」の容器、箱面及びその広告に使用している。
2 令和6年5月27日に大阪のウェスティンホテル大阪で「新生品セミナー」を行い、その際新製品(新生品)の「化粧用ローション」の実物(乙1の1、乙1の2)や「リーフレット」2通(乙2、乙3)等を出席者に配布した。
この「リーフレット」の2頁目には、「薬用肌粧水」(乙2)、「薬用乳液」(乙3)の商標として「REターンローション」(乙2)、「REターンミルクローション」(乙3)のほか、「リターンローション」(乙2)、「リターンミルクローション」(乙3)の商標が使用されており、この「リターンローション」「リターンミルクローション」の商標は、「ローション」「ミルクローション」が商品の普通名称であることから、商標の要部は「リターン」の部分であり、本件商標と同一であり、本件商標の商品「化粧品」についての使用の事実が立証できるものである。
使用時期についても、乙第4号証の「新生品セミナーのご案内」に示すとおり、セミナーの開催日は令和6年5月27日であり、この会場の費用についての請求書(乙5)には、「ご利用日」が「2024年5月27日」であることが明示されており、本件審判請求日及びその登録日より以前であることが明らかである。
また、乙第6号証は、令和6年5月27日にウェスティンホテル大阪で開催されたセミナーについての商標権者の社内の報告書であるが、出席店数39店、出席人数45人であり、近畿圏において本件商標の使用事実を示すことができたものである。
なお、乙第6号証の報告書の文中にある「RTL」は「リターンローション」、「RTM」は「リターンミルクローション」のそれぞれ略語であり、商品の裏面の写真(乙1の1、乙1の2)にも「RTL」「RTM」と表記されている。
3 同様に、令和6年5月29日には東京のTOKYO TORCH常盤橋タワー3階において「新生品発表会」(乙7)を開催し、名古屋では同年6月6日にザ・カワブン・ナゴヤにおいて「輝粧品セミナー」(乙8の1)を開催し、前記乙第1号証の1、乙第1号証の2、乙第2号証及び乙第3号証のリーフレットと製品の実物を出席者に配布した。
なお、乙第7号証の2、乙第8号証の2は、当該発表会の担当者の報告書であり、乙第7号証の3、乙第8号証の3は、当該発表会を行った会場からの請求書である。
乙第9号証は、商標権者の子会社であるヒノキ新薬アイディエフ株式会社が令和6年6月に商標権者の主要な顧客348社に対し郵送した費用の日本郵便株式会社からの請求書の写しであり、その内容物は商品の試供品(乙1の3、乙1の4)、リーフレット(乙2、乙3)及び乙第10号証として示す「新製品のご案内」と題する書面であり、この書面には「REターンローション」「REターンミルクローション」に加えた(リターン)の表示があり、これにも本件商標が使用されている。
4 さらに加えれば、商標権者は商品「化粧用ローション」に「RETurn」の商標を、その商品の包装用びんに直接して使用しており(乙1の1、乙1の2)、この「RETurn」の語は、その称呼が本件商標と同一であり、観念も「帰る、戻る」などの平易なもので、化粧品の需要者が「リターン」の片仮名と同様に極めて容易に直観する語であり、称呼、観念が同一の本件商標と社会通念上同一の商標として理解するものである。
5 以上のとおり、本件商標は商標権者により商品「化粧用ローション」の容器、箱面に使用されるとともに、その商品の広告に令和6年5月27日には使用されており、請求人の主張は失当である。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙各号証及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)リーフレット(乙2、乙3)
乙第2号証は、「REターンローション」と称する商品(以下「使用商品1」という場合がある。)の二つ折りされたリーフレットであり、その見開き左側には「エモリエント性のある油分をパール状に分散させた弱酸性のエモリエントローションです。・・・なめらかなお肌へと導きます。」との紹介とともに、「薬用肌粧水」「REターンローション」「リターンローション」「120mL ¥7,920(税込)医薬部外品」の記載が認められる。
乙第3号証は、「REターンミルクローション」と称する商品(以下「使用商品2」という場合がある。)の二つ折りされたリーフレットであり、その見開き左側には「お肌を保湿しながら、べたつかず、さっぱりと使える弱酸性の乳液です。・・・はりのあるお肌へと導きます。」との紹介とともに、「薬用乳液」「REターンミルクローション」「リターンミルクローション」「100mL ¥7,920(税込)医薬部外品」の記載が認められる。
また、これらのリーフレット裏面には、いずれも商標権者である「ヒノキ新薬株式会社」の記載が認められ、当該文字の下に記載の「www.hinoki.co.jp」のURLは商標権者のウェブサイトであると認められる。
(2)製品の発表会(乙7)
乙第7号証の1は、「新生品発表会のご案内」と題する書面であるところ、「日時」として「令和6年5月29日(水)」「13:00~15:45(途中休憩あり)」、「内容」として「新生品3品の商品説明」「Cytoaiba(サイトアルバ)」「RETurn Lotion(リターンローション)」「RETurn MilkLotion(リターンミルクローション)」、「場所」として「東京都千代田区大手町2-6-4」「TOKYO TORCH 常盤橋タワー3階」「Hall&Kitchen」と記載されている。
そして、この「新生品発表会のご案内」は、「ヒノキ肌粧品首都圏販売株式会社」から「ご販売店各位」を宛先とするものである。
乙第7号証の3は、株式会社NINOからヒノキ肌粧品首都圏販売株式会社宛ての2024年5月15日付けの請求書であるところ、「■5月29日(水)MYShokudoHall&Kitchen会場レンタル費として」を内容とするもので、「項目」として「会場レンタル費Hall区画(12:00-16:00)」と記載されている。
乙第7号証の2は、2024年5月29日作成の「新生品発表会報告書」と題する当該発表会の担当者作成の報告書であるところ、「開催日」として「5月29日(水)」、「会場」として「TOKYO TORCH 常盤橋タワー3階「Hall&Kitchen」」、「結果」として「出席人数 32人」と記載されている。また、「概況報告」の内容には、「・・・吉川研究員よりリターンローション・リターンミルクローションについて説明いただきました。最後に美容部の吉田副部長よりリターンミルクローションのお手入れ法として・・・」と記載されている。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品1は、商品の紹介内容及び「ローション」の記載から、「化粧用ローション」といえるものである。また、使用商品2は、商品の紹介内容及び「薬用乳液」の記載から、「化粧用乳液」といえるものであり、使用商品1及び使用商品2はともに取消請求に係る指定商品「化粧品」の範疇に属する商品である。
(2)使用商標について
本件商標は、「リターン」の片仮名をゴシック体で横書きしてなるものである。
他方、乙第2号証のリーフレットから、商標権者は、使用商品1に「リターンローション」の文字を使用しているところ、その構成中の「ローション」の文字は、使用商品1との関係において、商品の普通名称を表すものであり、商品の出所識別標識としての機能を有する部分ではないことから、自他商品の識別標識としての機能を有する部分は、「リターン」の文字部分である。
また、乙第3号証のリーフレットから、商標権者は、使用商品2に「リターンミルクローション」の文字を使用しているところ、その構成中の「ミルクローション」の文字は、使用商品2との関係において、商品の普通名称を表すものであり、商品の出所識別標識としての機能を有する部分ではないことから、自他商品の識別標識としての機能を有する部分は、「リターン」の文字部分である。
そうすると、使用商品1及び使用商品2は、共に「リターン」の片仮名を明朝体で横書きした商標(以下「使用商標」という場合がある。)を使用しているといえるものである。
そこで、本件商標と使用商標の「リターン」の文字を比較すると、両者はゴシック体と明朝体という書体のみに変更を加えた同一の文字であることから、本件商標と使用商標は、社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用時期及び使用行為について
要証期間内である令和6年5月29日に東京都千代田区大手町2-6-4に所在の「TOKYO TORCH 常盤橋タワー」の3階に位置する「Hall&Kitchen」と称するスペースで「新生品発表会のご案内」と題する製品の発表会が開催されたといえる。
そして、当該発表会の案内の書面における「RETurne Lotion(リターンローション)」「RETurne MilkLotion(リターンミルクローション)」の記載及び報告書における「リターンローション」「リターンミルクローション」の記載から、発表会において、使用商品1及び使用商品2の広告がされたといえ、その開催にあたり、商標権者から発表会を実施したヒノキ肌粧品首都圏販売株式会社にリーフレット(乙2、乙3)が頒布されたものと推認することができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、本件商標の商標権者であるヒノキ新薬株式会社は、要証期間に、日本国内において、請求に係る指定商品中「化粧品」の範ちゅうに含まれる「化粧用ローション」(使用商品1)及び「化粧用乳液」(使用商品2)の広告用リーフレットに本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、当該リーフレットを頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)により本件商標を使用したといえる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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