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商標取消審判

2024-300388

ネクサス、ネキサス

審判番号
2024-300388
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2013-017993
登録番号
5673589
請求日
2024年06月14日
審決日
2025年04月22日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ハイト コーポレーション
  • 【請求人代理人】佐藤 淳
  • 【被請求人】富士フイルム 株式会社
  • 【被請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 大山 健
分類
T132 .1 -Y (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の商標登録第5673589号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5673589号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「e」の文字がやや図案化された「NeXUS」の文字を書してなり、平成24年9月3日に登録出願、第9類「電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、同26年5月30日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録日は、令和6年7月1日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和3年(2021年)7月1日ないし同6年(2024年)6月30日である(以下「要証期間」という。)。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子計算機用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。また、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)通常使用権者が使用をしている商品について 被請求人の通常使用権者が本件商標の使用をしている商品は、「内視鏡情報管理システム」とのことである。 当該「内視鏡情報管理システム」は、以下に述べるように、医院又は病院で専ら使用され、かつ、医療従事者を需要者とする第10類「医療用機械器具」に属する商品である。 (2)「内視鏡情報管理システム」の需要者 内視鏡情報管理システム「NEXUS」のウェブサイト(乙1)によれば、画面に「このコンテンツは医療従事者向けの内容です」の文字が青色で目立つように表示されている。 実際、当該ウェブサイトにアクセスすると、「医療従事者向け情報 本ページのコンテンツは医療従事者の方を対象としており、一般の方への情報提供を目的としたものでありません。あなたは医療従事者ですか?」の文字とともに、「はい」と「いいえ」の文字が表示され、いずれかをクリックすることが要求される。「はい」をクリックすれば、乙第1号証のコンテンツにアクセスすることができるが、「いいえ」をクリックすると当該コンテンツにアクセスすることができない(甲3)。 よって、当該「内視鏡情報管理システム」は、専ら医療従事者を需要者とする商品ということができる。 (3)「内視鏡情報管理システム」の概要 「内視鏡情報管理システム」を検討すると、乙第2号証の2葉目に「NEXUSは内視鏡検査に関連する業務を情報化することで効率的に行うためのシステムです。」との記載があり、同3葉目のワークフロー図の「NEXUSの領域」の枠内の「○2 検査」(「○2」は「2」を丸囲いしたもの。)段階の図において、内視鏡スコープの操作部とみられる器具を手にした医療従事者と思しき人物が検査を行う様子を描いた絵が示すところによれば、「内視鏡情報管理システム」は内視鏡と連携したものである。この絵の下には、「撮影と同時に画像を自動的にサーバに保存します」との記載があることから、ハードウェア資源であるサーバも「内視鏡情報管理システム」と連携していることがうかがえる。 そして、「内視鏡」とは、病院又は医院において用いられる体内にある空間を観察するための機器で、この機器を用いた検査が内視鏡検査であり、それによる診断を内視鏡診断といい、現在、内視鏡は診断のみならず治療にも広く用いられる(甲4)。 また、「システム」とは、ソフトウェアやハードウェアを連携して構築された体系的なものということができる(甲5)。 この点、答弁書の3頁では、当該「内視鏡情報管理システム」について、検査前処置に用いられる薬剤情報を記録・蓄積する機能や、医療機器により取得された画像やその他検査結果情報をサーバに記録する機能、医療機器の洗浄消毒に関する情報を記録・蓄積して、データベース管理しそれら情報を帳票出力する機能等を備えるシステムであり、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアである、との説明がなされているが、当該「内視鏡情報管理システム」はソフトウェア単体の商品ではなく、内視鏡を主たる構成要素とするハードウェア資源と連携して構築された医療用のシステムの商品又はその専用部品とみられるものである。 実際、当該「内視鏡情報管理システム」の商品構成をうかがわせる病院の「NeXUS内視鏡情報管理システム(富士フィルムメディカル社製)保守点検業務仕様書」(甲6)には、「1 対象機器」として「NeXUS内視鏡情報管理システム」の記載があり、2葉目の付表からすると、当該「内視鏡情報管理システム」とは、ソフトウェア単体の商品ではなく、ハードウェアを構成要素とする文字どおり「システム」の商品であるといえる。さらに、この付表中の「NeXUS Client」について、「Client(クライアント)」とは、サーバに処理要求を送るコンピュータやソフトウェアのことで、サーバはこれに応じて処理を行って結果を返答する、という形で一連の処理が進められるものであり(甲7)、「NeXUS Sif315(BC)ハードウェア」について、インターネット情報によれば、「画像入力専用装置」とのハードウェア製品である(甲8)。 (4)「内視鏡情報管理システム」の所属 被請求人は答弁書の3頁において、当該「内視鏡情報管理システム」についての商標の使用は、「電子計算機用プログラム」についての使用であると述べている。 「医療用機械器具」は、医院又は病院で専ら使用される機械器具をいい、電子を応用した商品であっても医療用のものが属するから、換言すれば、電子応用機械器具及びその下位概念である電子計算機用プログラムであっても医療用のものは、第10類「医療用機械器具」に該当する(甲9、甲10)。 そうすると、当該「内視鏡情報管理システム」も、消化器等の検査で用いられる診断用の機械器具を利用して行う内視鏡検査の画像診断等、内視鏡検査に関連する業務を情報化するものであって、専ら病院又は医院で用いられる診断用の機械器具・ソフトウェアであるから、第10類「医療用機械器具」の下位概念である「診断用機械器具」と用途を同じくし、この範ちゅうに属する商品ということができる(甲11)。 仮に、当該「内視鏡情報管理システム」が、被請求人が述べるように、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアであったとしても、当該商品は事業組織の事務処理等に用いられるような汎用品ではなく、商品名称が示すように、専ら病院又は医院で行われる「内視鏡検査」で使用される電子を応用した医療用の商品であるから、第10類「医療用機械器具」に該当することは明白である。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。 1 本件商標の使用について 被請求人は、要証期間において、本件商標と同一と認められる商標を、商品「内視鏡情報管理システム」について使用している事実がある。 (1)使用の方法及び商品について ア ウェブサイト 被請求人は、ウェブサイトに、内視鏡情報管理システム「NEXUS」を掲載し、内視鏡情報管理のシステムの実行により表示される画像及び商品説明とともに商標「NEXUS」を使用している(乙1)。 よって、被請求人は、商品「内視鏡情報管理システム」に本件商標を付して、又は広告に本件商標を付して電磁的方法により提供しているものであり、商標法第2条第3項第1号又は同項第8号に規定する商標の使用に当たる。 イ 商品 被請求人の商品「内視鏡情報管理システム」は、検査前処置に用いられる薬剤情報を記録・蓄積する機能や、医療機器により取得された画像やその他検査結果情報をサーバに記録する機能、医療機器の洗浄消毒に関する情報を記録・蓄積して、データベース管理しそれら情報を帳票出力する機能等を備えるシステムであり、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアである(乙2)。 上記のように「内視鏡情報管理システム」は、データベースの管理等に使用されるコンピュータソフトウェアであり、商品への商標の使用は、「電子計算機用プログラム」についての使用と認められるものである。 (2)使用の時期について 内視鏡情報管理システム「NEXUS」のウェブサイトのインターネットアーカイブの日付は、2022年12月7日(乙3)であるが、同ウェブサイトはその後現在にいたるまで、被請求人のウェブサイト(乙1)に掲載されている。 (3)使用している商標と本件商標の同一性について 乙第1号証において被請求人が使用している商標は、「NEXUS」の文字のうち、「e」が図案化されたロゴであり、本件商標と同一である。 また、乙第1号証において「NEXUS」の文字は、「内視鏡情報管理システム」の文字とともに使用されており、「内視鏡情報管理システム」は「内視鏡検査の情報を管理するシステム」といった意味合いを持ち、商品「電子計算機用プログラム」に使用した場合には、「内視鏡検査の情報を管理するシステム」を搭載した電子計算機用プログラムであることを説明するにすぎず、商標としての出所識別力を有さないし、「内視鏡情報管理システム」は「NEXUS」の文字の下段に小さく表記されており「NEXUS」のみが抽出して看取されるものである。 (4)出所識別標識としての使用について 商標「NEXUS」は商品「内視鏡情報管理システム」との関係において、商品の品質等を示すものではないから、出所識別標識としての機能を有する。 2 むすび 以上述べたとおり、要証期間において被請求人は、本件商標を、第9類「電子計算機用プログラム」に使用したといえる。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)被請求人のウェブサイトのアーカイブ(乙3) 乙第3号証は、内視鏡情報管理システムについての被請求人のウェブサイトの2022年12月7日付けアーカイブの出力物であるところ、その上部に「FUJIFILM 日本」の記載及び同日を示す表示があり、下部に「○C 富士フイルム株式会社」(「○C」は、「C」の文字を丸囲みしたもの。)の記載がある。 そして、乙第3号証には、モニターを模した図形の内部に、「X」の文字がやや図案化された「NEXUS」の文字を付した画像に隣接して、「内視鏡情報管理システム/NEXUS」の表示があり、その下に「依頼情報確認から画像入力、レポート作成まで、幅広い機能を統合した内視鏡情報管理システム。」との記載がある。 また、その下に、「○i このコンテンツは医療従事者向けの内容です。」(「○i」は、「i」の文字を丸囲みしたもの。)との記載がある。 さらに、その下に、「全国約600施設で稼働実績のある「NEXUS」。」、「「NEXUS」は受付から会計までを電子カルテと連携することはもちろん、病理依頼連携などハイクオリティな “つながる医療”を実現。院内のさまざまなシステムとつながることを目指します。」などの記載がある。 また、「富士フイルムメディカルネットワークソリューション」と題する図面において、図面の中央に、端末とモニターを模した図形の下に、「e」の文字がやや図案化された「NeXUS」の文字及び「内視鏡情報管理システム」の文字の表示があり、その周囲に、「受付」、「オーダー連携」、「患者リスト管理」、「画像管理・参照」、「所見作成・配信」、「術中記録管理」、「実施記録作成」、「レセプト連携」、「在庫管理」、「病理依頼」、「病理結果参照」、「洗浄消毒履歴管理」、「集計」、「統計」、「カンファレンス」、「術中動画記録」などが表示され、さらに、「病理部門システム」、「医用画像情報システム」、「生理機能検査システム」、「手術映像管理システム」とネットワークでつながれていることが図示されている。 さらに、「NEXUSのワークフロー」と題する図面には、「検査オーダー」が入力されると、「NEXUSの範囲」において、「受付」、「前処理」、「検査」、「実施」、「報告書作成」、「病理依頼」、「集計」、「カンファレンス」、「術中記録」、「洗浄消毒」、「履歴管理」が行われ、「院内配信」や「病理オーダー」が出力されることが図示されている。 (2)上記(1)から、以下の事実が認められる。 被請求人は、要証期間である2022年12月7日時点において、自社のウェブサイトに、別掲2に示す、「e」の文字がやや図案化された「NeXUS」の文字(以下「使用商標」という。)を付して、自社が製造及び販売する内視鏡情報管理システム(以下「使用商品」という。)を宣伝した(乙3)。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商品について ア 内視鏡情報管理システム(使用商品)について 被請求人が製造及び販売する商品である内視鏡情報管理システム(使用商品)は、字義に照らせば、内視鏡に係る情報を管理するシステムであるところ、被請求人が提出した証拠から、依頼情報確認、画像入力、レポート作成などの幅広い機能を統合したシステムであり、受付から会計までを電子カルテと連携したり、病理依頼連携をして、つながる医療を実現するものであり、さらには、「検査オーダー」が入力され、情報が処理され、「院内配信」や「病理オーダー」を出力するものであるから、当該内視鏡情報管理システム(使用商品)は、入力を受け付け、情報を処理して、外部に出力する、電子計算機であるとみて差し支えない。 したがって、使用商品は、取消請求商品(第9類「電子計算機用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」)の範ちゅうに含まれる「電子計算機」であると認められる。 イ 請求人の主張について 請求人は、「内視鏡情報管理システム」は、第10類「医療用機械器具」の下位概念である「診断用機械器具」と用途を同じくし、この範ちゅうに属する商品である旨を主張する。 しかしながら、上述したとおり、内視鏡情報管理システム(使用商品)は、入力を受け付け、情報を処理して、外部に出力する、電子計算機であると認められるものである。 また、商標法施行規則別表の第10類によれば、「一 医療用機械器具」として、「(一)診断用機械器具」及び「(八)医療用X線装置」が掲載され、「(一)診断用機械器具」には「胃鏡 核磁気共鳴CT装置 角膜検査用器具 眼圧測定器」等が、「(八)医療用X線装置」には「X線CT装置」が例示されている。一方、当該別表の第9類によれば、「十五 電子応用機械器具及びその部品」として、「(一)電子応用機械器具」及び「(五)電子計算機用プログラム」が掲載され、「(一)電子応用機械器具」には「電子計算機」等が例示されている。 そうすると、「医療用機械器具」に属する商品とは、例えば「診断用機械器具」であれば、診断それ自体を行うことを目的とした商品であるように、医療行為それ自体を行うことを目的とした商品が該当するというべきであり、診断や治療などの医療行為の結果等のデータを管理する電子計算機と認められる商品については、「医療用機械器具」に属するものではなく、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品であると解するのが相当である。 してみると、たとえ、使用商品が「診断用機械器具」と用途を同じくする面があるとしても、使用商品は、取消請求商品に含まれるものというべきである。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (2)使用商標について 使用商標は、別掲2に示す、「e」の文字がやや図案化された「NeXUS」の文字からなるものであるところ、本件商標と文字構成を同じくするものであるとともに、「e」の文字がやや図案化され外観も共通するから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とみて差し支えない。 (3)使用行為、使用時期、使用者について 被請求人が提出した証拠から、被請求人が、要証期間である2022年12月7日時点において、自社のウェブサイトに使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品(内視鏡情報管理システム)を宣伝したことが認められる。 以上から、被請求人である商標権者が、要証期間に、自社のウェブサイトに使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品を宣伝したこと、すなわち商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。 (4)小括 上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者が、要証期間に、日本国内において、自社のウェブサイトに、使用商標を付して、取消請求商品(第9類「電子計算機用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」)の範ちゅうに含まれる「電子計算機」である使用商品を掲載し宣伝した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の取消請求商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-300388

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