特許拒絶査定不服審判
2024-019405
情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
- 審判番号
- 2024-019405
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-172693外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年12月03日
- 審決日
- 2025年09月05日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ユニ・チャーム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .537-Z (G06Q) / P18 .55 -Z (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第50条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-172693「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月15日出願公開、特開2022-186998〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年2月25日を出願日とする特願2020-29674号の一部を、令和4年10月27日に新たな特許出願としたものであって、その出願後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 6年 4月 4日付 特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知
同年 8月14日 意見書・手続補正書提出
同年 8年23日付 補正の却下の決定・拒絶査定
同年12月 3日 審判請求書・手続補正書提出
令和 7年 1月16日付 前置報告
第2 令和6年12月3日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年12月3日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所である。)
「【請求項1】
所定の施設に提供された第1の不織布製品を使用する権利を有する使用者が、前記所定の施設に提供された不織布製品であって前記第1の不織布製品とは異なる不織布製品である第2の不織布製品を前記所定の施設においてさらに使用できるよう追加の契約を、前記所定の施設に前記使用者を預けている保護者から受け付け可能な物品提供サービスへの契約状況を示す契約情報を取得する取得部と、
前記契約情報が示す前記第1の不織布製品のみ使用できるよう支払契約がされている前記使用者と、前記契約情報が示す前記第2の不織布製品をさらに使用できるよう追加料金の支払契約がされている前記使用者とに基づいて、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御するサービス制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲(出願当初の特許請求の範囲)
「【請求項1】
第1の不織布製品の提供に関する契約に付加される契約に応じて、前記第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品がさらに提供されるサービスである物品提供サービスへの契約状況を示す契約情報を取得する取得部と、
前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。」
(3)補正事項
上記(1)、(2)によれば、本件補正は、次の補正事項1~2を含む。
ア 補正事項1
「取得部」が取得する「契約情報」について、「第1の不織布製品の提供に関する契約に付加される契約に応じて、前記第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品がさらに提供されるサービスである物品提供サービスへの契約状況を示す契約情報」とあったものを「所定の施設に提供された第1の不織布製品を使用する権利を有する使用者が、前記所定の施設に提供された不織布製品であって前記第1の不織布製品とは異なる不織布製品である第2の不織布製品を前記所定の施設においてさらに使用できるよう追加の契約を、前記所定の施設に前記使用者を預けている保護者から受け付け可能な物品提供サービスへの契約状況を示す契約情報」とする補正。
イ 補正事項2
「サービス制御部」の制御について、「前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行う」とあったのを、「前記契約情報が示す前記第1の不織布製品のみ使用できるよう支払契約がされている前記使用者と、前記契約情報が示す前記第2の不織布製品をさらに使用できるよう追加料金の支払契約がされている前記使用者とに基づいて、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御する」とする補正。
以下では、このうち補正事項2について検討を行う。
2 本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の記載
補正事項2に関連する、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の記載は、次のとおりである。(下線は当審で付した。以下同様。)
「【0068】
また、上記の通り、吸収性物品PD1とベッドシートPD2とは、それぞれ使用頻度が異なり、また、必ずしもセットで使用されなければならないといったものでもない。例えば、吸収性物品PD1はベッドシートPD2が無ければ本来の使用目的を果たせないといった製品ではなく、また、ベッドシートPD2は吸収性物品PD1が無ければ本来の使用目的を果たせないといった製品でもない。一方で、吸収性物品PD1とベッドシートPD2とは、物品提供サービスSA1への契約状況によっては、互いに繋がりが生じてしまうような製品同士でもある。さらに、このような繋がりが生じてしまう関係上、保育園での在庫が無くなってしまわないよう、適切なタイミングで吸収性物品PD1およびベッドシートPD2が保育園に配送されるよう配送制御する必要もある。」
「【0196】
〔8-3.第3の情報処理の一例〕
引き続き、図5を用いて、第3の情報処理の一例について説明する。情報処理装置100は、第3の情報処理の一例として、所定の施設において第1の不織布製品が使用された使用数である第1使用数と、所定の施設において前記第2の不織布製品が使用された使用数である第2使用数とに基づいて、第1の不織布製品および第2の不織布製品が、当該所定の施設に配送されるタイミングを制御する。
【0197】
ここからは、図1に示したステップS3-1~S3-3の一例についてより詳細に説明する。例えば、サービス制御部133は、保育園A1を対象に、吸収性物品PD1およびベッドシートPD2が配送されるタイミングを制御する配送制御処理を行うタイミングになったか否かを判定する。例えば、サービス制御部133は、吸収性物品PD1またはベッドシートPD2の少なくともずれか一方が前回保育園A1に配送されてから所定期間経過した場合には、配送制御処理を行うタイミングになったと判定する。
【0198】
サービス制御部133は、配送制御処理を行うタイミングになったと判定すると、保育園A1に対応する第1使用数および第2使用数と、保育園A1に対する不織布製品の配送に用いられる梱包(例えば、梱包1箱)の容量とに基づいて、吸収性物品PD1およびベッドシートPD2が保育園A1に配送されるタイミングを制御する。具体的には、サービス制御部133は、管理情報記憶部122を参照し、施設ID「A1」に対応付けられる第1使用数「SAM1」および第2使用数「SAM2」と、保育園A1に対する不織布製品の配送に用いられる梱包(例えば、梱包1箱)の容量とに基づいて、吸収性物品PD1およびベッドシートPD2が保育園A1に配送されるタイミングを決定する。
【0199】
例えば、サービス制御部133は、第1使用数「SAM1」が示す数だけ吸収性物品PD1が配送用ボックスに入れられることを想定した場合、この配送用ボックス1箱の容量に基づいて、この配送用ボックス1箱の容量のうち、所定割合(例えば、9割)分を吸収性物品PD1によって占められるか否かを判定する。そして、サービス制御部133は、所定割合(例えば、9割)分を吸収性物品PD1によって占められると判定した場合には、現時点で吸収性物品PD1を配送するタイミングとなっていると判定する。一方、サービス制御部133は、所定割合(例えば、9割)分を吸収性物品PD1によって占められていないと判定した場合には、所定割合(例えば、9割)分を吸収性物品PD1によって占められる将来の時期を推定し、推定した時期を吸収性物品PD1を配送するタイミングとして決定する。
【0200】
なお、サービス制御部133は、第1使用数「SAM1」が示す数だけ吸収性物品PD1が配送用ボックスに入れられることを想定した場合、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯になるか否かを判定してもよい。そして、サービス制御部133は、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯になると判定した場合には、現時点で吸収性物品PD1を配送するタイミングとなっていると判定する。一方、サービス制御部133は、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯にならないと判定した場合には、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯になる将来の時期を推定し、推定した時期を吸収性物品PD1を配送するタイミングとして決定する。
【0201】
また、例えば、サービス制御部133は、第2使用数「SAM2」が示す数だけベッドシートPD2が配送用ボックスに入れられることを想定した場合、この配送用ボックス1箱の容量に基づいて、この配送用ボックス1箱の容量のうち、所定割合(例えば、9割)分をベッドシートPD2によって占められるか否かを判定する。そして、サービス制御部133は、所定割合(例えば、9割)分をベッドシートPD2によって占められると判定した場合には、現時点でベッドシートPD2を配送するタイミングとなっていると判定する。一方、サービス制御部133は、所定割合(例えば、9割)分をベッドシートPD2によって占められていないと判定した場合には、所定割合(例えば、9割)分をベッドシートPD2によって占められる将来の時期を推定し、推定した時期をベッドシートPD2を配送するタイミングとして決定する。
【0202】
なお、サービス制御部133は、第2使用数「SAM2」が示す数だけベッドシートPD2が配送用ボックスに入れられることを想定した場合、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯になるか否かを判定してもよい。そして、サービス制御部133は、最低所定数(例えば、3箱)のベッドシートPD2が満杯になると判定した場合には、現時点でベッドシートPD2を配送するタイミングとなっていると判定する。一方、サービス制御部133は、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯にならないと判定した場合には、最低所定数(例えば、3箱)の配送用ボックスが満杯になる将来の時期を推定し、推定した時期をベッドシートPD2を配送するタイミングとして決定する。
【0203】
また、サービス制御部133は、吸収性物品PD1と、ベッドシートPD2とが同一配送用ボックスに入れられることを想定した場合、第1使用数「SAM1」および第2使用数「SAM2」と、この配送用ボックス1箱の容量とに基づいて、この配送用ボックス1箱の容量のうち、所定割合(例えば、9割)分を吸収性物品PD1またはベッドシートPD2の少なくともいずれか一方によって占められるか否かを判定してもよい。
【0204】
また、サービス制御部133は、保育園A1に対して不織布製品を配送するに要する料金に基づいて、タイミングを制御してもよい。例えば、サービス制御部133は、第1使用数「SAM1」が示す数分の吸収性物品PD1を販売することで得られる利益と、第1使用数「SAM1」が示す数の吸収性物品PD1を配送元から保育園A1へと配送する際の配送料とに基づいて、吸収性物品PD1を配送するタイミングを決定する。例えば、サービス制御部133は、利益と配送料との関係性(例えば、利益に対する配送料の差額)が所定の関係性(例えば、差額が所定額以上)になるようなタイミングを推定する。そして、サービス制御部133は、推定したタイミングを吸収性物品PD1を配送するタイミングとして決定する。
【0205】
また、例えば、サービス制御部133は、第2使用数「SAM2」が示す数分のベッドシートPD2を販売することで得られる利益と、第2使用数「SAM2」が示す数のベッドシートPD2を配送元から保育園A1へと配送する際の配送料とに基づいて、ベッドシートPD2を配送するタイミングを決定してもよい。例えば、サービス制御部133は、利益と配送料との関係性(例えば、利益に対する配送料の差額)が所定の関係性(例えば、差額が所定額以上)になるようなタイミングを推定する。そして、サービス制御部133は、推定したタイミングをベッドシートPD2を配送するタイミングとして決定する。
【0206】
また、例えば、サービス制御部133は、第1使用数「SAM1」が示す数分の吸収性物品PD1を販売することで得られる利益と、第2使用数「SAM2」が示す数分のベッドシートPD2を販売することで得られる利益との総益と、吸収性物品PD1およびベッドシートPD2を配送元から保育園A1へと配送する際の配送料とに基づいて、吸収性物品PD1とベッドシートPD2とを同時に配送するタイミングを決定してもよい。」
3 本件補正についての出願人の主張
出願人は、補正事項2に関し、本件補正と同日付で提出された審判請求書において、以下のように主張している。
「請求項1に係る「前記契約情報が示す前記第1の不織布製品のみ使用できるよう支払契約がされている前記使用者と、前記契約情報が示す前記第2の不織布製品をさらに使用できるよう追加料金の支払契約がされている前記使用者とに基づいて、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御するサービス制御部と」とする補正事項は、出願当初明細書の段落0068,0196-0206等に基づくものです。」
4 本件補正についての適否
(1)補正事項2について
上記2によれば、当初明細書等には、サービス制御部が、「所定の施設において第1の不織布製品が使用された使用数である第1使用数と、所定の施設において前記第2の不織布製品が使用された使用数である第2使用数」(【0196】)、「吸収性物品PD1またはベッドシートPD2の少なくともずれか一方が前回保育園A1に配送されてからの経過時間」(【0197】)、「不織布製品の配送に用いられる梱包(例えば、梱包1箱)の容量」(【0198】)、「保育園A1に対して不織布製品を配送するのに要する料金」(【0204】)に基づいて、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御することは記載されている。
他方、当初明細書等においては、上記2で摘記した記載においても他の記載においても、第1の不織布製品及び第2の不織布製品の使用者に基づいて、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御することは記載されていない。
また、「所定の施設ごと」に「第1の不織布製品」及び「第2の不織布製品」が「所定の施設に配送されるように制御」するにあたっては、これらの製品の施設ごとの配送数等を決定する必要があり、そのために配送先の施設や配送先の施設ごとの在庫数等を管理する必要があるといえるが、配送先施設において配送された製品をどの使用者が使うかあるいは使ったかは、施設ごとの配送数などを決定するために必ずしも必要でなく、これらの使用者に基づいてこれらの製品が施設に配送されるように制御するための技術的事項は、本願の出願当時の技術常識であるともいえず、当初明細書等の記載から自明な事項であるともいえない。
してみると、本件補正後の請求項1で特定されている、サービス制御部が「前記契約情報が示す前記第1の不織布製品のみ使用できるよう支払契約がされている前記使用者と、前記契約情報が示す前記第2の不織布製品をさらに使用できるよう追加料金の支払契約がされている前記使用者とに基づいて」、前記所定の施設ごとに、前記第1の不織布製品および前記第2の不織布製品が前記所定の施設に配送されるよう制御することは、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
以上のとおり、補正事項2は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、補正事項2を含む本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
5 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~21に係る発明は、出願当初の願書に添付された特許請求の範囲の請求項1~21に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、前記「第2」の1(2)に記載のとおりのものである。
第4 原査定の拒絶の理由の概要
本願の請求項1に関係する拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
1 (理由1)「(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
本願の請求項1には、「前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部」という記載がある。
当該記載では、「契約状況に応じて」、「所定の制御を行う」では、何に対してどのような制御を行うのかという点について、類推しうるような具体的な内容がまったく無い。
このため、本願の発明の詳細な説明に記載されていないような処理を行うことで、記載されていない課題を解決するようなものまで含むものとなっている。
当該請求項1に従属しており、解決しようとしている課題が類推しうるような内容が含まれていない請求項2-3についても同様である。
当該請求項1と同様の内容である請求項20-21についても同様である。
したがって、請求項1-3、20-21には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1-3、20-21に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。
よって、請求項1-3、20-21に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。」
2 (理由2)「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1には、保育園利用者に対して定額でオムツを提供するサービス及びエプロンタオルを提供するサービスが記載されている(「サービス内容」の項目を参照。)。
ここで、顧客との契約内容に応じて、オムツを提供するサービスのみの契約者にはオムツのみを提供し、オムツを提供するサービスとエプロンタオルを提供するサービスの両方の契約者には、オムツとエプロンタオルを提供することは明らかである。
本願の請求項1、3、11、20-21に係る発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると、以下の点で相違している。
相違点1:本願の請求項1、3、11、20-21に係る発明では、不織布製品の提供であるのに対して、引用文献1に記載された発明のオムツやエプロンタオルが不織布製品であるか明らかではない点。
相違点2:本願の請求項1、3、11、20-21に係る発明では、情報処理装置による情報管理を行っているのに対して、引用文献1に記載された発明では、情報処理装置による情報管理を行っているか明らかではない点。
上記相違点1について、タオルやエプロンタオルの素材として不織布を利用することは一般的なことであり、当業者が適宜選択し得た設計事項に過ぎない。
上記相違点2について、引用文献1の「特徴」には、取引先ごとの在庫管理や利用状態からの分析を行うことが記載されており、また、サービスの契約状況等を情報処理装置で管理することは、一般的なシステム構成に過ぎず、当業者が適宜なし得た設計事項に過ぎない。
1.GATELINK サービス内容,日本,株式会社ゲートリンク,2016年10月15日,[online],<URL:https://web.archive.org/web/20161015134753/http://gatelink.jp/service.html>[検索日 2022.04.18] 」
第5 引用文献について
1 引用文献1(GATELINK サービス内容,日本,株式会社ゲートリンク,2016年10月15日,[online],<URL:https://web.archive.org/web/20161015134753/http://gatelink.jp/service.html>[検索日 2022.04.18])
(1) 引用文献1の記載(下線は当審で付与したものである。)
ア 「サービス内容
・保育園向けサービス(保護者様も利用可能です)
1.保育用品お届けサービス
紙おむつ、粉ミルク、洗浄消毒剤、おしりふき等、保育園向けに配達するサービス。
2.エプロンタオル・クリーニングサービス(タオル、エプロン以外も対応します。)
お子様のお食事の際に利用するタオル・エプロンをレンタルし、クリーニングしてお届けします。」
イ 「・保護者向けサービス
1.定額制オムツ(GLオムツサービス)をご用意します。(現在オムツ以外の保育用品、ミルクの定額制も検討しています。もし興味がある方はお電話ください)(当審注:電話番号は省略)
2.エプロンタオル・クリーニングサービス(保護者様との直接契約となります)」
ウ 「特徴
・一般のドラックストアやネット通販は個人消費者が対象です。そのため個数制限や災害時等に欠品があったり、入手するのも大変なところがあります。
ゲートリンクは、お取引先様ごとに商品の在庫管理やご利用状態から分析し、最適な情報を提供します。そのため大量発注、いざという時の保管庫としての利用もできます
・お子様が食事などで利用されているエプロン、タオルは、現在保護者様負担による持参式方式(送迎時に持参・回収)や保育士様が一日何度も洗濯するケースが多く見られます。この主流である持参式オムツ方式が保護者様に大きな負担をかけ、また保育士様にもより負担をかけています。 ゲートリンクでは、専門クリーニング工場と提携することにより衛生的で良質なタオルエプロンを提供することができます。良質なタオルとエプロンの提供をすることで、保育士様、保護者様の両方にかかるご負担を大幅に軽減できます。
・ゲートリンクは定額制オムツ(GLオムツ)を提供することで保護者様の負担を軽減します。
保育園に毎日持参するオムツの準備が不要になりかさばる紙おむつの購買、ネーム入れなどが不要になり朝晩の混雑時、スムーズにお子様のご送迎が可能です。
種類、サイズアップ等お子様の成長に応じたサポート環境を実現します。
ゲートリンクをご利用されることで、買い物の時間コストが削減。支払いは月極にて一本化。本部経理様の支払い業務が軽減されます。またご利用状況に合わせたお客様ごとの在庫管理を徹底することで、ミルクやオムツ等の消耗品も大幅確保。毎月施設様に一枚の請求書が届きご指定の口座へ一本でお支払い。複数の保育施設様ご導入の市場データからお客様に最も適した商品を安定した価格でご提供できます。
FAX、電話一本でお子様や保護者様に配慮したスタッフが商品をご指定場所までお届けします。」
(2) 引用発明
ア 上記(1)ウによれば、引用文献1の「ゲートリンク」は、保護者の負担を軽減する「定額制オムツ(GLオムツ)」の「提供」や保育士と保護者の両方の負担を軽減する「タオル」及び「エプロン」の「提供」を行う事業者であり、そのような事業者である「ゲートリンク」が自らの事業のための情報処理を情報処理装置を用いて行っていることは、明示がなくとも引用文献1に記載されているのも同然の事項である。
してみると、引用文献1には、保護者の負担を軽減する定額制オムツ(GLオムツ)の提供や保育士と保護者の両方の負担を軽減するタオル及びエプロンの提供を行う事業者であるゲートリンクが、タオル及びエプロンの提供、取引先ごとの商品の在庫管理及び取引先ごとの利用状況の分析による情報提供のための情報処理を行う情報処理装置が記載されているものといえる。
イ 上記(1)ア及びイによれば、ゲートリンクのサービスには、「保護者」も「利用可能」である「保育園向けサービス」と「保護者向けサービス」があり、「保育園向けサービス」には、「紙おむつ」や「おしりふき」等の「保育用品」を保育園向けに配達するサービスである「保育用品お届けサービス」と「エプロンタオル・クリーニングサービス」があり、「保護者向けサービス」には、「定額制オムツ(GLオムツサービス)」と保護者との直接契約による「エプロンタオル・クリーニングサービス」がある。
そして、「エプロンタオル・クリーニングサービス」は、「タオル・エプロンをレンタルし、クリーニングしてお届け」するサービスである。
また、「定額制オムツ(GLオムツサービス)」は、保護者の負担を軽減するものであり、保育園に毎日持参するオムツの準備、かさばる紙おむつの購買、ネーム入れなどを不要とするものであり、「オムツ以外の保育用品」や「ミルク」の「定額制」が「検討」されているものである。
ウ ア及びイによれば、引用文献1には、(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「保護者の負担を軽減する定額制オムツ(GLオムツ)の提供や保育士と保護者の両方の負担を軽減するタオル及びエプロンの提供を行う事業者であるゲートリンクが、タオル及びエプロンの提供、取引先ごとの商品の在庫管理及び取引先ごとの利用状況の分析による情報提供のための情報処理を行う情報処理装置であって、
ゲートリンクのサービスには、保護者も利用可能である保育園向けサービスと保護者向けサービスがあり、
保育園向けサービスには、紙おむつやおしりふき等の保育用品を保育園向けに配達するサービスである保育用品お届けサービスとエプロンタオル・クリーニングサービスがあり、
保護者向けサービスには、定額制オムツ(GLオムツサービス)と保護者との直接契約によるエプロンタオル・クリーニングサービスがあり、
エプロンタオル・クリーニングサービスは、タオル・エプロンをレンタルし、クリーニングしてお届けするサービスであり、
定額制オムツ(GLオムツサービス)は、保護者の負担を軽減するものであり、保育園に毎日持参するオムツの準備、かさばる紙おむつの購買、ネーム入れなどを不要とするものであり、また、オムツ以外の保育用品やミルクの定額制が検討されている、
情報処理装置。」
第6 当審の判断
1 理由1(サポート要件)について
(1) 請求項1の記載
請求項1には、以下の記載がある。
「前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部」
(2)発明の詳細な説明の記載
ア 発明の詳細な説明においては、「従来技術では、不織布製品を提供する物品提供サービスにおける利便性を高めることができるとは限らない」ことに鑑み、本願発明は「不織布製品を提供する物品提供サービスにおける利便性を高めることができる」ことが記載されている(段落【0004】-【0006】)
イ 請求項1の「物品提供サービスに関連する所定の制御」に関する発明の詳細な説明の記載は以下のとおりである。
「【0019】
また、情報処理装置は、前記第1の不織布製品について提供を希望する提供数が指定された場合には、指定された提供数と、指定を行った指定元に対応する前記契約情報が示す契約状況とに基づいて、前記第2の不織布製品が提供される提供数が動的に算出されるよう制御する。」
「【0105】
また、サービス制御部133は、第1の不織布製品について提供を希望する提供数が指定された場合には、指定された提供数と、指定を行った指定元に対応する契約情報が示す契約状況とに基づいて、第2の不織布製品が提供される提供数が動的に算出されるよう制御する。例えば、サービス制御部133は、第1の不織布製品について提供を希望する提供数が指定された場合には、指定された提供数と、指定を行った所定の施設に対応する契約情報が示す契約状況とに基づいて、当該所定の施設に対して第2の不織布製品が提供される提供数が動的に算出されるよう制御する。」
「【0137】
図3を用いて、ここまで説明してきたように、情報処理装置100は、第1の情報処理の一例として、利用者(保護者としての利用者)ごとの契約情報に基づき、利用者のうち、第1の不織布製品(吸収性物品PD1)のみが提供されるよう支払契約していると判定された利用者(保護者U1)に対して、第2の不織布製品(ベッドシートPD2)がさらに提供されるよう追加料金の支払契約ができるように制御する。具体的には、情報処理装置100は、第1の不織布製品(吸収性物品PD1)のみが提供されるよう支払契約していると判定された利用者(保護者U1)に対して、この利用者の子が第2の不織布製品も自由に利用できるようになる契約を申込める申込コンテンツを配信する。これにより、情報処理装置100は、契約条件を満たしていない利用者が第2の不織布製品の提供を受けられると勘違いしてしまうような状況を無くすことができるため、物品提供サービスSA1)において保護者観点からの利便性を高めることができる。
【0138】
なお、図3では不図示であるが、情報処理装置100は、物品提供サービスSA1に対して「一切契約していない」(契約状況AM1)利用者である保護者U3がアクセスしてきた場合には、基本サービスSA11のみへの契約申込、あるいは、基本サービスSA11および追加オプションサービスSA12の双方への契約申込のいずれかを案内するような申込コンテンツを生成・配信することができる。」
「【0172】
次に、サービス制御部133は、ステップS21-2で取得された情報(管理部135により管理される情報)に基づいて、保育園A1に入園している各幼児に対応する契約状況に応じた不織布製品が当該幼児によって使用された使用数を、当該幼児ごとに区別して入力可能な入力コンテンツを生成する(ステップS21-3)。すなわち、サービス制御部133は、保育園A1に提供される入力コンテンツを生成する。図5の例では、サービス制御部133は、このような入力コンテンツとして入力コンテンツC3を生成している。また、入力コンテンツにおける上記のような特徴は、図5に示す入力コンテンツC3に表示される管理テーブルTB内で再現されている。」
(3)判断
請求項1の上記記載まで、発明の詳細の説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるか否かを、以下検討する。
請求項1には、前記契約情報が示す契約状況に応じて、行われる物品提供サービスに関連する制御について「所定の制御」と包括的な文言により、制御の内容が限定されないものとして記載されている。
一方、発明の詳細な説明には、不織布製品を提供する物品提供サービスにおける利便性の向上策の具体例として、契約情報が示す契約状況に基づいて申し込みコンテンツや、入力コンテンツを生成・配信すること、第1の不織布製品の提供希望数に対して、動的に第2の不織布製品の必要数を動的に算出すること等が記載されているところ請求項1の「所定の制御」の包括的な文言は、例えば、物品提供サービスの契約状況に応じた割引等のインセンティブの付与等、本願発明の課題である、不織布製品を提供する物品提供サービスにおける利便性の向上策とはいえない制御をも含むものとなっている。そして、不織布製品を提供する物品提供サービスにおける利便性の向上策とはいえない制御を利便性の向上策とするための技術的事項が技術常識であるということもできない。
してみると、請求項1に記載された「前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部」との記載まで、発明の詳細において開示された内容を拡張ないし一般できるとはいえない。
(4)小括
したがって、本願の請求項1の記載は、発明の詳細な説明に記載した発明を記載したものでないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2 理由2(進歩性)について
(1) 対比
本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「保護者向けサービス」である「定額制オムツ(GLサービス)」や「保育園向けサービス」である「保育用品お届けサービス」は「紙おむつ」の提供を含むサービスであるところ、引用発明におけるサービスで提供される「紙おむつ」は、本願発明1の「第1の不織布製品」に相当する。
そして、引用発明におけるサービスが保護者及び保育園とゲートリンクとの契約に基づいて同社が保護者及び保育園に提供するものであることは明らかであり、引用発明の「定額制オムツ(GLサービス)」及び「保育用品お届けサービス」に係る「契約」は、本願発明1の「第1の不織布製品の提供に関する契約」に相当する。
イ 引用発明のゲートリンクが行う、保育士と保護者の両方の負担を軽減するタオル及びエプロンの提供を行う事業である「エプロンタオル・クリーニングサービス」は、クリーニングされた「タオル」及び「エプロン」の提供を含むところ、本願発明1の「第2の不織布製品」と引用発明のクリーニングされた「タオル」及び「エプロン」は、いずれも第1の不織布製品とは異なる製品であるといえる。
また、引用発明の「エプロンタオル・クリーニングサービス」は、「保育園向けサービス」又は「保護者向けサービス」であって、保育園又は保護者との契約によりゲートリンクが保育園又は保護者に提供するものの、本願発明1の「物品提供サービス」と同様に、第1の不織布製品の提供に関する契約とは異なる契約に応じて第1の不織布製品とは異なる製品が提供されるサービスである物品提供サービスであり、このことを踏まえれば、「エプロンタオル・クリーニングサービス」に係る契約は、アの「第1の不織布製品の提供に関する契約」とは異なる契約であることが明らかである。
そして、引用発明の情報処理装置における、タオル及びエプロンの提供、取引先ごとの商品の在庫管理及び取引先ごとの利用状況の分析による情報提供のための情報処理にあたっては、上記アの「第1の不織布製品の提供に関する契約」及び上記「エプロンタオル・クリーニングサービスに係る契約」という異なる契約の両方を含む契約についての契約状況を示す契約情報を取得して、取得された契約情報が示す契約状況に応じた情報処理が行われる必要があり、このことから、引用発明は、「契約状況を示す契約情報を取得する取得部」を有するものといえ、この点において、本願発明1と共通するといえる。
ウ 本願発明1の「情報処理装置」が有する「サービス制御部」の情報処理は、「物品提供サービスに関する所定の制御」としてどのような情報処理を行うかを特定しないものであり、これに対して、引用発明の情報処理装置におけるタオル及びエプロンの提供のための情報処理は、取得された契約情報が示す契約状況に応じて、第1の不織布製品の提供に関する契約とは異なる契約に応じて第1の不織布製品とは異なる製品(タオル及びエプロン)が提供されるサービスである物品提供サービスに関する何らかの制御のためのものである。
してみると、本願発明1と引用発明は、いずれも、取得部が取得した契約情報が示す契約状況に応じて、第1の不織布製品の提供に関する契約とは異なる契約に応じて第1の不織布製品と異なる商品が提供されるサービスである物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部を有する点で、共通するといえる。
(2)一致点・相違点
上記(1)によれば、本願発明1と引用発明の一致点、及び相違点は次のとおりである。
(一致点)
「第1の不織布製品の提供に関する契約に付加されると異なる契約に応じて、前記第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品製品が提供されるサービスである物品提供サービスへの契約状況を示す契約情報を取得する取得部と、
前記契約情報が示す契約状況に応じて、前記物品提供サービスに関する所定の制御を行うサービス制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。」
(相違点)
第1の不織布製品の提供に関する契約と異なる契約について、本願発明1では、「第1の不織布製品の提供に関する契約に付加される」契約であるとともに、その契約に応じて提供される物品提供サービスが「第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品」を「さらに」提供するものであるのに対し、引用発明では、「第1の不織布製品の提供に関する契約に付加される」契約であるか否かが明らかでなく、また、その契約に応じて提供される物流提供サービスが第1の不織布製品とは異なる製品としてタオル及びエプロンを提供するものであって、第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品をさらに提供するものではない点。
(3)相違点についての判断
引用発明は、いうなれば、第1の不織布製品である紙おむつの提供に関する契約に応じた紙おむつ提供サービスを提供する事業者によりこの契約と異なる契約に応じて行われる、紙おむつと異なる製品の提供サービスを行うものであり、そのようなサービスとして、保育園に毎日持参するオムツの準備等を不要として保護者の負担を軽減する定額制オムツ(GLオムツサービス)について、「オムツ以外の保育用品」の定額制、つまり、保護者も利用可能である保育園向けサービスである保育用品お届けサービスにおいて配達可能なおしりふき等のオムツ以外の保育用品の定額制、が検討されているものである。そして、「おしりふき」は、明示されていないものの「紙おむつ」と同様の使い捨て可能な不織布製品を含むことが明らかであり、引用文献1の「おしりふき等」の「保育用品」の記載は、保育用品が保育園への配達が可能なものであり、「おしりふき」を含む旨を示すとともに、「等」の記載によって、おしりふきに類するものをも含む旨を明示しているから、「オムツ以外の保育用品」には、おしりふきのみならずおしりふき以外の使い捨て可能な他の不織布製品が含まれており、後述する使い捨てのエプロン又は使い捨てのタオルも含まれているといえる。
また、引用発明の「エプロンタオル・クリーニングサービス」も、紙おむつ提供サービスを提供する事業者による紙おむつと異なる製品の提供サービスであるところ、この「エプロンタオル・クリーニングサービス」は、保育士と保護者の両方の負担を軽減するためのもの(つまり、従前より行われていた、保護者が送迎時に持参・回収する方式(持参式オムツ方式)によると、保護者における持参・回収の負担や保育士における日に複数回洗濯する必要が生じるという負担等に鑑み、この負担を軽減するためのもの)であるから、保育士や保護者の両方の負担を軽減することが可能である不織布製品である使い捨てのエプロン又は使い捨てのタオルの提供サービスと組合せる(提供されるエプロン及びタオルの一部をクリーニング後の布製品ではなく使い捨ての不織布製品とする)ことで、より競争力の高いサービスにすることが可能なものであるといえる。
そして、おしりふき等のオムツ以外の保育用品の定額制に係るサービスに係る契約や不織布製品である使い捨てのエプロン又は使い捨てのタオルの提供サービスに係る契約を定額制オムツ(GLオムツサービス)のオプション契約とすることは引用文献1に記載がないものの、保育園及び保護者に対してどのようなサービスをどのような契約により提供するかは、そもそも事業者が適宜選択すべき事項であり、言い換えれば、事業者は、紙おむつやオムツ以外の保育用品を提供するサービスを行うにあたって、自らのサービスをより競争力の高いものとするように、契約の形態やサービスの内容を適宜決定するものである。
以上を踏まえると、引用発明において、第1の不織布製品である紙おむつと異なる第2の不織布製品(おしりふき、使い捨てのエプロン又は使い捨てのタオル)の提供サービスを行うとともに、そのサービスを紙おむつ提供サービスに係る契約のオプション契約に応じて提供することとして、引用発明の物品提供サービスを、第1の不織布製品に関する契約に付加される契約に応じて、前記第1の不織布製品とは異なる第2の不織布製品がさらに提供されるサービスにすることは、容易想到である。
また、本願発明1が奏する効果は、引用文献1の記載から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものでない。
(4)小括
したがって、本願発明1は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願の請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、本願発明1は、同法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
してみると、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-019405