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特許拒絶査定不服審判

2023-003655

発光装置、表示装置および照明装置

審判番号
2023-003655
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-543748
請求日
2023年03月03日
審決日
2025年05月19日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】サターン ライセンシング エルエルシー
  • 【請求人代理人】弁理士法人つばさ国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山村 浩
  • 審判官 波多江 進
  • 審判官 小澤 尚由
分類
P18 .55 -WZ (H01L) / P18 .57 -WZ (H01L) / P18 .575-WZ (H01L) / P18 .121-WZ (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-543748「発光装置、表示装置および照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日国際公開、WO2018/066209〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)7月25日を国際出願日とする日本語特許出願(優先権主張 平成28年10月7日(以下この日付を「優先日」という。))であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和 3年 6月 9日付け:拒絶理由通知書 同年 8月 6日 :意見書、手続補正書の提出 同年12月 9日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 4年 4月11日 :意見書、手続補正書の提出 同年 7月12日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年 9月15日 :意見書、手続補正書の提出 同年12月 1日付け:補正の却下の決定、拒絶査定 (同月 6日 :原査定の謄本の送達) 令和 5年 3月 3日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 6年 6月13日付け:拒絶理由通知書(以下、この拒絶理由通知書で通知された拒絶理由を「1次当審拒絶理由」という。) 同年10月17日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月28日付け:拒絶理由通知書(最後)(以下、この拒絶理由通知書で通知された拒絶理由を「2次当審拒絶理由」という。) 令和 7年 2月25日 :意見書、手続補正書の提出 第2 令和7年2月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年2月25日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の内容 令和7年2月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正であって、本件補正前(令和6年10月17日にされた手続補正後)の特許請求の範囲の請求項1~15及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~15の記載は、それぞれ次の(1)及び(2)に示すとおりである。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「【請求項1】 表示パネルを照明する発光装置であって、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられた反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を備え、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記水平部は前記1以上の発光素子の各々が収容される開口を有し、 前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの出射光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射する 発光装置。 【請求項2】 前記複数の粒子の少なくとも一部は中空構造を有する 請求項1記載の発光装置。 【請求項3】 前記複数の粒子は中空シリカを含む 請求項1記載の発光装置。 【請求項4】 前記反射壁は、円弧状、楕円弧状、三角形状または四角形状の断面を有する凸パターンが表面に設けられた賦形反射シートにより構成されている 請求項1記載の発光装置。 【請求項5】 前記発光素子は、LED(LightEmittingDiode)である 請求項1記載の発光装置。 【請求項6】 更に、前記発光素子が設けられた光源基板を有し、 前記光源基板に対向して前記拡散反射シートが設けられている 請求項5記載の発光装置。 【請求項7】 更に、前記光源基板に対向する波長変換シートを有し、 前記波長変換シートと前記光源基板との間に、前記拡散反射シートが設けられている 請求項6記載の発光装置。 【請求項8】 少なくとも前記反射壁の一部は、前記光源基板と前記拡散反射シートとの間に、前記光源基板と交差する方向に設けられている 請求項6記載の発光装置。 【請求項9】 前記発光素子にはパッケージおよびレンズが設けられていない 請求項5記載の発光装置。 【請求項10】 前記発光素子を覆う被覆材を有する 請求項5記載の発光装置。 【請求項11】 前記セグメント毎に、前記複数の粒子は所定の分布パターンを有する 請求項1記載の発光装置。 【請求項12】 前記分布パターンでは、前記発光素子の直上の前記複数の粒子の密度が高くなっている 請求項11記載の発光装置。 【請求項13】 前記波長変換シートは、蛍光体または量子ドットを含む 請求項7記載の発光装置。 【請求項14】 前記発光素子は青色波長域の光を出射する 請求項1記載の発光装置。 【請求項15】 表示パネルと、前記表示パネルを照明する発光装置とを備え、 前記発光装置は、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられた反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を有し、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記水平部は前記1以上の発光素子の各々が収容される開口を有し、 前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの出射光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射する 表示装置。」 (2) 本件補正後 「【請求項1】 表示パネルを照明する発光装置であって、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられ、青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、前記青色波長域の光を出射する側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を備え、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射し、 前記反射壁は、前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光を反射すると共に、前記拡散反射シートで反射された前記青色波長域の光を反射する 発光装置。 【請求項2】 前記複数の粒子の少なくとも一部は中空構造を有する 請求項1記載の発光装置。 【請求項3】 前記複数の粒子は中空シリカを含む 請求項1記載の発光装置。 【請求項4】 前記反射壁は、円弧状、楕円弧状、三角形状または四角形状の断面を有する凸パターンが表面に設けられた賦形反射シートにより構成されている 請求項1記載の発光装置。 【請求項5】 前記発光素子は、LED(LightEmittingDiode)である 請求項1記載の発光装置。 【請求項6】 更に、前記発光素子が設けられた光源基板を有し、 前記光源基板に対向して前記拡散反射シートが設けられている 請求項5記載の発光装置。 【請求項7】 更に、前記光源基板に対向する波長変換シートを有し、 前記波長変換シートと前記光源基板との間に、前記拡散反射シートが設けられている 請求項6記載の発光装置。 【請求項8】 少なくとも前記反射壁の一部は、前記光源基板と前記拡散反射シートとの間に、前記光源基板と交差する方向に設けられている 請求項6記載の発光装置。 【請求項9】 前記発光素子にはパッケージおよびレンズが設けられていない 請求項5記載の発光装置。 【請求項10】 前記発光素子を覆う被覆材を有する 請求項5記載の発光装置。 【請求項11】 前記セグメント毎に、前記複数の粒子は所定の分布パターンを有する 請求項1記載の発光装置。 【請求項12】 前記分布パターンでは、前記発光素子の直上の前記複数の粒子の密度が高くなっている 請求項11記載の発光装置。 【請求項13】 前記波長変換シートは、蛍光体または量子ドットを含む 請求項7記載の発光装置。 【請求項14】 前記波長変換シートは、前記青色波長域の光を赤色波長域の光または緑色波長域の光に波長変換する 請求項7記載の発光装置。 【請求項15】 表示パネルと、前記表示パネルを照明する発光装置とを備え、 前記発光装置は、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられ、青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、青色波長域の光を出射する側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を有し、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射し、 前記反射壁は、前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光を反射すると共に、前記拡散反射シートで反射された前記青色波長域の光を反射する 表示装置。」 2 本件補正の適否についての当審の判断 (1) 本件補正の目的について ア 請求項1、15について 本件補正で請求項1、15(これらの請求項は独立項に係るものである。)についてする補正は、次の補正事項(i)~(iii)からなるものである。 (i) 本件補正前の請求項1、15に記載した発明を特定するために必要な事項(以下「発明特定事項」という。)である「反射壁」について、「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」ものであり、「前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光を反射すると共に、前記拡散反射シートで反射された前記青色波長域の光を反射する」ものに限定する事項 (ii) 本件補正前の請求項1、15に記載した発明特定事項である「発光素子」の「側面」について、「前記青色波長域の光を出射する」ものに限定するとともに、そのうちの少なくとも一部が傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射する発光素子の側面からの出射光が「前記青色波長域の光」であることに限定する事項 (iii) 本件補正前の請求項1、15に記載した「前記水平部は前記1以上の発光素子の各々が収容される開口を有し、前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、」との発明特定事項を削除する事項。 これらの補正事項のうち、前記(iii)の補正事項は、発明特定事項を削除するものであり、また、前記(i)及び(ii)の発明特定事項を限定する補正事項が、前記(iii)で削除される発明特定事項を実質的に限定するものでもないから、本件補正で請求項1、15についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる限定的減縮を目的とするものではない。 また、前記(iii)の補正事項により水平部及び発光素子に関する特定が明確になるとはいえないことから、本件補正で請求項1、15についてする補正は、同項4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的としたものでもない。 さらに、本件補正で請求項1、15についてする補正は、同項1号に掲げる請求項の削除、同項3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものでもないことは明らかである。 イ 請求項14について 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~15のうち、請求項1~13、15は、それぞれ、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~13、15に対応している。 一方、本件補正前の請求項14は、請求項1の記載を引用しつつ、「発光素子」について特定するものであり、本件補正後の請求項14は、請求項7の記載を引用しつつ、請求項1の発明特定事項にはない「波長変換シート」について特定するものであるから、補正前の請求項14は、補正後の請求項14に対応する請求項であるとはいえない。 してみると、本件補正は、本件補正前の請求項14を削除するとともに、本件補正後の請求項14を追加する、いわゆる増項補正に該当し、本件補正後の請求項14は、本件補正前のいずれの請求項とも一対一で対応する請求項に該当せず、これに準ずるような対応関係に立つものと認めることもできない。 したがって、本件補正で請求項14についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げるいわゆる限定的減縮を目的とするものではない。この点に対する請求人の主張は、実質的なものではなく、採用できない。 また、本件補正で請求項14についてする補正は、同項1号に掲げる請求項の削除、同項3号に掲げる誤記の訂正、同項4号に掲げる明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 ウ 小括 以上のとおりであるから、本件補正で特許請求の範囲の請求項1、14、15についてする補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同項に規定する要件を満たしていない。 (2) 独立特許要件についての予備的検討 前記(1)で説示したとおり、本件補正で特許請求の範囲についてする補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同項に規定する要件を満たしていないが、以下、仮に、本件補正で特許請求の範囲についてする補正が、特許法第17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとして、本件補正後の請求項1に係る発明が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、予備的に検討する。 ア 本件補正発明 本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、前記1(2)の本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 イ 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 a 引用文献1に記載された事項 1次当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2008-311026号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当合議体が付したものであり、他の文献についても同様である。 (a) 【特許請求の範囲】 「【請求項1】 少なくとも1つの方向に関して配列された複数の一次光源と、 前記複数の一次光源の発光部より下方に位置する反射板と、 前記反射板上に位置し、前記複数の一次光源のそれぞれに対応する隔室を形成するように形成され、到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなる隔壁と、 前記隔壁および隔室の上方に配置された拡散板と、 を含むことを特徴とする面光源装置。 【請求項2】 前記複数の一次光源の配列ピッチ距離L(mm)、隔壁の高さH(mm)および隔壁と拡散板との距離D(mm)が、以下の式(1)および式(2) H≧0.25L+10-D ・・・・ (1) 0≦D≦0.25L ・・・・ (2) を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。 ・・・(後略)」 (b) 【技術分野】・【背景技術】(【0001】~【0010】) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、面光源装置に関し、詳細には、輝度均整度(輝度均斉度)を向上した直下方式またはエッジライト方式の面光源装置に関する。 【背景技術】 【0002】 液晶パネル等のディスプレイパネルの照明用の面光源装置として、冷陰極管(CCFL)や発光ダイオード(LED)を用いた面光源装置が知られている。 ・・・(中略)・・・ 【0008】 一方、一次光源としてLEDを用いた直下方式の面光源装置としては、赤(R)、緑(G)および青(B)の単色光を発する3種類のLEDチップをセットにして用いるRGB-LED面光源装置がある。このRGB-LED面光源装置は、R、GおよびBの単色光を発する3種類の単色LEDチップから発せられる単色光をミキシングすることによって白色光を作り出している。 【0009】 このようなRGB-LED面光源装置は、3種類の単色光をミキシングして白色光を作り出しているので、色むらのない白色光を作るためには、単色光を混合するためのミキシング距離を十分に確保する必要があり、ディスプレイの厚みが大きくなってしまう。 ・・・(後略)」 (c) 【発明が解決しようとする課題】(【0011】~【0015】) 「【発明が解決しようとする課題】 ・・・(中略)・・・ 【0015】 本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、複数の一次光源を備えてなる直下方式の面光源装置において、一次光源を広ピッチに配列しても、短距離でミキシングでき、輝度均整度(輝度均斉度)が良好な面光源装置を提供することを目的とする。」 (d) [第一実施形態](【0035】~【0060】、【図1】~【図2】) 「【0035】 [第1実施形態] 本発明の第1実施形態の面光源装置1を、図1および図2を参照して説明する。図1は、直下方式の面光源装置1の断面図であり、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 【0036】 図1および図2に示すように、面光源装置1においては、上方から下向きに見たとき即ち平面視で、複数の一次光源2が縦横の2つの方向に関して規則正しく配列されており、該一次光源2以外の領域に反射板4の反射面が配置されている。一次光源2は、反射板4の下に位置する基板3上に配置されており、光を発する発光部を有する。反射板4は、一次光源2の発光部より下方に位置する。即ち、一次光源2は、反射板に形成された開口を通って延びている。反射板4上には、平面視で縦横に延びた格子状の隔壁5が形成されている。この隔壁5により、複数の一次光源2のそれぞれに対応する隔室2’が形成されている。隔壁5および隔室2’の上方には、拡散板6が配置されている。 【0037】 本実施形態では、一次光源2は、白色の発光ダイオード(LED)光源からなり、LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものである。このようなLEDの例としては、Philips Lumileds lighting Company社のLUXEON-LXHL-PW01(ランバーシャンタイプ)があげられる。単色LEDからなる一次光源2のそれぞれは、たとえば1Wの大電流駆動タイプのもので、約300mAの電流で駆動される。 ・・・(中略)・・・ 【0041】 本実施形態においては、反射板4を、光拡散反射シート(ツジデン製RF188、厚み188μm、波長600nmの光の分光反射率95.5%)にて形成した。ここで、反射板4は、一次光源2より出射された光のうち、隔壁5および拡散板6で反射された戻り光を、拡散および反射させて再度上方または斜めに出射させる機能を有する。 【0042】 本実施形態における隔壁5は、各光源2に対応する格子状をなしており、その上部において各光源および隔室に対応する矩形状の開口(隔室開口)を有する。即ち、隔壁5は、平面視で、各光源および隔室が縦方向及び横方向に延びた隔壁部分により囲まれている。また、隔壁5は、反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成されている。 【0043】 隔壁5は、到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなり、たとえば、光を反射する反射部材あるいは光を半透過する半透過拡散部材からなる。 【0044】 反射部材としては、白色顔料を含有してなる光拡散反射シート、あるいは内部に発泡を有する光拡散反射シート、あるいは表面に銀やアルミなどの金属が蒸着されてなる正反射シートなどが挙げられる。ここで、各一次光源2から出射された光が、当該各一次光源2を囲み縦方向及び横方向に延びた隔壁部分での反射を含む多重反射によりミキシングされ、その結果、各隔室開口での輝度均一性すなわち各隔室2’での輝度均一性が高められ、輝度均一性の高い面光源装置を得ることができる。 ・・・(中略)・・・ 【0047】 ここで、隔壁5は、光拡散反射シート(ツジデン製RF188、厚み188μm、波長600nmの光の分光反射率95.5%)にて形成した。隔壁5の厚みは50~500μmが好ましい。また、隔壁5のピッチ距離Pの好ましい範囲は一次光源2のピッチ距離Lと同じである。 ・・・(中略)・・・ 【0050】 また、本実施形態においては、一次光源2の配列ピッチ距離L(mm)、隔壁5の高さH(mm)および隔壁と拡散板との距離D(mm)が、以下の式(1)および式(2) H≧0.25L+10-D ・・・・ (1) 0≦D≦0.25L ・・・・ (2) を満たす。 【0051】 DがLの0.25倍を超えると、面光源装置の輝度が低下し、面光源装置のトータル厚み(隔壁高さ+[隔壁と拡散板との距離])が厚くなり、好ましくない。また、Hが0.25L+10-Dの値未満であると、面光源装置の輝度均整度が低下し、好ましくない。Hは60mm以下が好ましい。 【0052】 上記式(1)および式(2)を満たすことにより、各隔室における輝度均一性が良好となり、更に互いに隣接する隔室同士における輝度の均一性が良好となり、一次光源2の配列ピッチ距離Pが大きくても、全体として輝度均一性の良好な面光源装置を得ることが出来る。 【0053】 隔壁5および隔室2’の前方(上方)に配置される拡散板6は、一次光源2から発せられ、直接的または反射板4および隔壁5による反射または透過の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ、均一化する。拡散板6は、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリカーボネート樹脂(PC)、メタクリル-スチレン共重合樹脂(MS)、環状ポリオレフィン樹脂(COP)等の透明樹脂中に前記透明樹脂とは屈折率の異なる無機系あるいは有機系材料からなる拡散粒子が均一に分散されて形成された光拡散板である。 ・・・(中略)・・・ 【0059】 このような構成により、一次光源2から出射された光が、隔壁面での反射を含む多重反射を受けることで、各隔室開口すなわち各隔室2’において輝度均一性の高い面光源装置を得ることが出来る。 【0060】 さらに、一次光源2のピッチ距離Lが大きく、一次光源が粗に配列されていても、面光源装置の厚みを厚くすることなく、輝度均一性良好な面光源装置を得ることが出来る。」 「【図1】 [図:0001427091000001.jpg] 【図2】 [図:0001427091000002.jpg] 」 (e) [第二実施形態](【0061】~【0073】) 「【0061】 [第2実施形態] 本発明の第2実施形態の面光源装置20を、図3および図4を参照して説明する。図3は、面光源装置20の断面図であり、図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。 【0062】 図3および図4に示すように、面光源装置20は、一次光源21を除いて、第1実施形態の面光源装置1とほぼ同一の構成を備える。 【0063】 一次光源21のそれぞれは、3種類の単色LED、即ち、赤色LED21r、緑色LED21gおよび青色LED21bを含んでいる。本実施形態では、LED光源21は、面光源装置の法線方向に対して出射角±80°に光強度のピークを有するサイドエミッタータイプである。このようなLED光源の例としては、Philips Lumileds lighting Company社のLUXEON(サイドエミッタータイプ)があげられる。サイドエミッタータイプのLED光源21は、主として隔壁面に向けて光を出射するため、多重反射によるミキシングが進み、面光源装置の輝度をより均一にすることができるため好ましい。 【0064】 本実施形態では、一次光源21は、1個の赤色LED(LUXEON-LXHL-DH01)21r、2個の緑色LED(LUXEON-LXHL-DM01)21g、及び1個の青色LED(LUXEON-LXHL-DR01)21bから構成されている。LED光源21r,21g,21bは、1Wの大電流駆動タイプで、約300mAの電流で駆動される。ここで、駆動電流はあくまで目安であり、実際には駆動電流は、良好な白色を実現するためにセンサとコントローラにより適宜、制御される。 ・・・(後略)」 「【図3】 [図:0001427091000003.jpg] 【図4】 [図:0001427091000004.jpg] 」 b 引用文献1の記載事項から当業者が把握できる事項 引用文献1の【0036】の「反射板4上には、平面視で縦横に延びた格子状の隔壁5が形成されている」との記載、【0042】の「隔壁5は、反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成されている」との記載及び【図1】を併せて見ると、当業者は、反射板4は、水平に延びて形成されていることを把握することができる。 c 引用発明の認定 前記aの引用文献1に記載された事項及び前記bの引用文献1の記載事項から当業者が把握できる事項を総合すると、引用文献1には、第1実施形態(【図1】・【図2】)に係る面光源装置について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付してある。以下同様。)。 <引用発明> 「ディスプレイパネルの照明用の直下方式の面光源装置1であって、(【0002】・【0035】) 少なくとも1つの方向に関して配列された複数の一次光源2と、 前記複数の一次光源2の発光部より下方に位置する反射板4と、 前記反射板4上に位置し、前記複数の一次光源2のそれぞれに対応する隔室2’を形成するように形成され、到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなる隔壁5と、 前記隔壁5および隔室5の上方に配置された拡散板6と、を含み、(【請求項1】) 前記複数の一次光源2の配列ピッチ距離L(mm)、隔壁5と拡散板6との距離D(mm)が、0≦D≦0.25Lを満たし、(【請求項2】) 上方から下向きに見たとき即ち平面視で、複数の一次光源2が縦横の2つの方向に関して規則正しく配列されており、該一次光源2以外の領域に反射板4の反射面が配置されており、一次光源2は、反射板4の下に位置する基板3上に配置されており、反射板4上には、平面視で縦横に延びた格子状の隔壁5が形成されており、(【0036】) 一次光源2は、白色の発光ダイオード(LED)光源からなり、LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであり、(【0037】) 反射板4は、一次光源2より出射された光のうち、隔壁5および拡散板6で反射された戻り光を、拡散および反射させて再度上方または斜めに出射させる機能を有し、(【0041】) 隔壁5は、反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成され、(【0042】) DがLの0.25倍を超えると、面光源装置の輝度が低下し、面光源装置のトータル厚み(隔壁高さ+[隔壁と拡散板との距離])が厚くなり、【0051】 反射板4は、水平に延びて形成されており、(前記b) 拡散板6は、一次光源2から発せられ、直接的または反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ、均一化し、透明樹脂中に前記透明樹脂とは屈折率の異なる無機系あるいは有機系材料からなる拡散粒子が均一に分散されて形成された光拡散板であり、(【0053】) 一次光源2から出射された光が、隔壁面での反射を含む多重反射を受けることで、各隔室開口すなわち各隔室2’において輝度均一性の高い面光源装置を得ることが出来る、(【0059】) 面光源装置1」 d 引用文献1技術事項の認定 前記aの引用文献1に記載された事項から、引用文献1には、第2実施形態(【図3】・【図4】)に係る面光源装置について、次の技術事項(以下「引用文献1技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献1技術事項> 「少なくとも1つの方向に関して配列された複数の一次光源21と、 前記複数の一次光源の発光部より下方に位置する反射板と、 前記反射板上に位置し、前記複数の一次光源21のそれぞれに対応する隔室を形成するように形成され、到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなる隔壁と、 前記隔壁および隔室の上方に配置された拡散板と、を含む面光源装置20において、(【請求項1】) 一次光源21であるLED光源21は、面光源装置の法線方向に対して出射角±80°に光強度のピークを有するサイドエミッタータイプであり、サイドエミッタータイプのLED光源21は、主として隔壁面に向けて光を出射するため、多重反射によるミキシングが進み、面光源装置の輝度をより均一にすることができるため好ましいこと(【0063】)」 (イ) 引用文献2、3に記載された事項及び周知技術1の認定 a 引用文献2に記載された事項 1次当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2011-100709号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0021】 (第1の実施の形態) 図1、図2に本発明の第1の実施の形態の照明ユニット1aを示し、図4、図5にこの照明ユニット1aを1体用いて構成した照明装置10aを示している。図1、図2に示すように、本実施の形態の照明ユニット1aは、有底開口の逆戴頭錐体状の第1の反射部材2と、第1の反射部材2の底中央部に設けられた光源(LED光源)3と、光源3の上方に設けられ、光源3から放射される光を均一化して透過させる第2の反射部材4と、第2の反射部材4の上面に第2の反射部材4を覆うように取着して設けられ、第2の反射部材4の透過光を拡散透過させて面光源とする拡散部材5とを備えている。 【0022】 第1の反射部材2は、矩形状の底面2aと、底面2aの端から外側に向かって次第に上方向(光の出射方向)に傾斜する傾斜部2bを有している。底面2aの中央部には開口部2dが設けられている。この第1の反射部材2は、上面からみた形状が正方形状を有し、1辺の長さL5は約145mm(図5参照)である。底面2aは正方形状を有し、1辺の長さL6は約85mm(図5参照)である。」 「【0042】 図7は、光源3から出射される光の反射及び透過の様子の例を表す概念図である。光源3から出た光は、第1の反射部材2及び第2の反射部材4の表面において拡散反射等も生じているが、図示を一部省略している。例えば、光源3から出た光I1は、第2の反射部材4の裏面で反射し(一回反射)、その後、第1の反射部材2の表面で反射(二回反射)した後に、再び第2の反射部材4の裏面側へ入射する。この際、第2の反射部材4の入射面にスリット43(図示せず)がある場合は、そのまま拡散部材5側へ透過する。一方、光源3から直接に第1の反射部材2の傾斜部2bに入射する光I2もあり、この光I2は傾斜部2bにて反射され、その反射光が一回反射だけで拡散部材5へ入射する。拡散部材5に入射した光は、表面の凹凸面で拡散反射される。同時に、凹凸面で拡散反射されずに拡散部材5内に入射した光が、気泡を有する熱可塑性樹脂と気泡内の空気との界面において大きく屈折して拡散反射し、筐体側透光パネル6側へ出射されて、筐体側透光パネル6により面発光が実現される。」 「【図1】 [図:0001427091000005.jpg] 【図2】 [図:0001427091000006.jpg] 【図7】 [図:0001427091000007.jpg] 」 b 引用文献3に記載された事項 1次当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2008-216948号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0020】 これらの図において、本発明に係る光源反射ユニット1Aは、本体部がシート部材により矩形の皿状に形成されたリフレクタ10Aと、このリフレクタ10Aの底面の隅部に取付けられたスタッド45Aを含んで構成され、スタッド45Aにより取付面板60と前記リフレクタ10Aは取外し可能に構成される。 【0021】 前記リフレクタ10Aは、底面(底部)に光源50を保持する光源保持部12(12a,12b)、13(13a,13b)を備え、底部中央には光源50を構成するレンズ53を臨ませ露出させるくり抜き部11Aが形成される。前記リフレクタ10Aの内表面15Aは光源50より出射する光を反射する反射面として形成され、光源50が出射する光を前記リフレクタ10Aを介して反射させることにより光源50が出射する光を広範囲に反射させる(図3参照)。」 「【図3】 [図:0001427091000008.jpg] 」 c 周知技術1の認定 前記aの引用文献2に記載された事項及び前記bの引用文献3に記載された事項によれば、次に示す技術は、周知技術(以下「周知技術1」という。)であると認められる。 <周知技術1> 「光源から出射される光を光源の周囲に配置された傾斜部によって、光源の上方に配置された部材に入射させること」 (ウ) 引用文献4に記載された事項及び周知技術の認定 a 引用文献4に記載された事項 1次当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2012-174371号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0045】 さらに、本実施形態の照明装置12は直下型であるため、複数の照明ユニット122を複数の調光エリアに分割し、調光エリア毎に照射光量を制御(調整)できるようになっている(いわゆるエリア制御が可能になっている)。したがって、液晶パネル11において高輝度の下地画像上に低輝度の暗部画像を表示するような場合、照明装置12のうち、暗部画像およびその周囲に対向しているエリアの照明ユニット122の照射光量を抑制することで、暗部画像の輪郭部分における滲みを抑制できる。つまり、図4に示すように、白色の下地画像(明部)170と、文字画像(暗部)180とを液晶パネル11に表示する場合、照明装置12のうち、文字画像180およびその周囲を照らすエリアを減光エリア200とし、減光エリア200に属する照明ユニット122の照射光量が減光エリア200に属していないエリアの照明ユニット122の照射光量よりも少なくなるように調光をおこなうことになる。これにより、文字画像180の輪郭部分において滲みが発生することを抑制できる。」 b 周知技術2の認定 前記aの引用文献4に記載された事項によれば、次に示す技術は、周知技術(以下「周知技術2」という。)であると認められる。 <周知技術2> 「直下型の照明装置12において、複数の照明ユニット122を複数の調光エリアに分割し、調光エリア毎に照射光量を制御(調整)できるようにして、エリア制御を可能とし、照明装置12のうち、暗部画像およびその周囲に対向しているエリアの照明ユニット122の照射光量を抑制することで、暗部画像の輪郭部分における滲みを抑制できること」 (エ) 引用文献8に記載された技術事項及び周知技術3の認定 a 引用文献8に記載された技術事項 本審決において新たに引用され、本願の優先日前に発行された国際公開第2016/136787号(以下「引用文献8」という。)には、次の事項が記載されている。 「[0032] 次に、LED17及びLED17が実装されるLED基板18について説明する。LED17は、図4及び図5に示すように、LED基板18上に表面実装されるとともにその発光面17aがLED基板18側とは反対側を向いた、いわゆる頂面発光型とされており、その光軸がZ軸方向、つまり液晶パネル11の表示面(光学部材15の板面)に対する法線方向と一致している。ここで言う「光軸」とは、LED17における発光光のうち、発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向と一致する軸のことである。詳しくは、LED17は、図6及び図7に示すように、発光源である青色LED素子(青色発光素子、青色LEDチップ)を、封止材によってケース内に封止してなるものとされる。つまり、このLED17は、青色の単色光を発する青色LEDとされている。そして、LED17から発せられた青色の光は、その一部が詳しくは後述する波長変換シート20によって緑色の光や赤色の光に波長変換されるようになっており、これら波長変換された緑色の光及び赤色の光と、LED17の青色の光と、の加法混色によりバックライト装置12の出射光が概ね白色を呈するものとされる。LED17に備わる青色LED素子は、例えばInGaNなどの半導体材料からなる半導体であり、順方向に電圧が印加されることで青色の波長領域(約420nm~約500nm)に含まれる波長の青色の単色光を発光するものとされる。つまり、LED17の発光光は、この青色LED素子の発光光と同色の単色光とされる。この青色LED素子は、図示しないリードフレームによってケース外に配されたLED基板18における配線パターンに接続される。」 b 周知技術3の認定 前記aの引用文献8に記載された事項によれば、次に示す技術は、周知技術(以下「周知技術3」という。)であると認められる。 <周知技術3> 「LEDから発せられた青色の光が波長変換シートによって波長変換され、これら波長変換された緑色の光及び赤色の光と、LEDの青色の光と、の加法混色によりバックライト装置の出射光が概ね白色を呈するものとされること([0032])」 ウ 対比 (ア) 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 a 本件補正発明の「表示パネルを照明する発光装置」との特定事項について 引用発明の「ディスプレイパネル」、「面光源装置」はそれぞれ、本件補正発明の「表示パネル」、「発光装置」に相当する。そして、当該「面光源装置」は、「ディスプレイパネルの照明用」であることから、本件補正発明でいう「表示パネルを照明する」ものといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「表示パネルを照明する発光装置」である点で一致する。 b 本件補正発明の「前記表示パネルと対向する基板と、」「を備え、」との特定事項について 引用発明の「基板3」は、本件補正発明の「基板」に相当する。そして、引用発明は、「直下方式の面光源装置1」であること、「上方から下向きに見たとき即ち平面視で、複数の一次光源2が縦横の2つの方向に関して規則正しく配列されて[いる]」こと、「一次光源2は、反射板4の下に位置する基板3上に配置されて[いる]」ことを併せて考慮すれば、引用発明の「基板3」は、「ディスプレイパネル」と対向することは明らかである。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記表示パネルと対向する基板と、」「を備え[る]」点で一致する。 c 本件補正発明の「基板上に設けられ、青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する反射壁により仕切られた複数のセグメントと、」「を備え、」との特定事項について (a) 引用発明の「隔室2’」は、「前記複数の一次光源2のそれぞれに対応する」ものであるから、本件補正発明の「複数のセグメント」に相当する。 (b) 引用発明の「隔壁5」は、「到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなる」ものであり、「前記反射板4上に位置[する]」ものであるから、引用発明の「反射板4」及び「隔壁5」を合わせたものは、本件補正発明の「反射壁」に相当する。 (c) 引用発明の「隔壁5」は、「隔室2’を形成するように形成され[る]」ものであるから、引用発明の「隔室2’」は、前記(b)も考慮すれば、本件補正発明でいう「反射壁により仕切られた」ものであるといえる。 (d) 前記(b)も考慮すれば、引用発明の「反射板4」及び「隔壁5」は、本件補正発明でいう「光を、」「反射する」ものであることは明らかである。 (e) したがって、本件補正発明と引用発明は、「基板上に設けられ、」「光を、」「反射する反射壁により仕切られた複数のセグメントと、」「を備え[る]」点で共通する。 (f) 一方で、反射壁について、本件補正発明は、「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」のに対して、引用発明は、「反射板4は、一次光源2より出射された光のうち、隔壁5および拡散板6で反射された戻り光を、拡散および反射させ[る]」ものである、すなわち、反射板4も隔壁5も一次光源2より出射された光を反射するものであり、「一次光源2は、白色の発光ダイオード(LED)光源からな[る]」ものであり、「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」ものではない点で相違する。 d 本件補正発明の「前記複数のセグメントの各々に設けられた、前記青色波長域の光を出射する側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、」との特定事項について (a) 引用発明の「一次光源2」は、本件補正発明の「発光素子」に相当する。そして、当該「一次光源2」は、「隔室2’」が「複数の一次光源2のそれぞれに対応する」ことから、本件補正発明でいう「複数のセグメントの各々に設けられた、」「1以上の」ものであるといえる。 (b) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記複数のセグメントの各々に設けられた、」「1以上の発光素子と、」「を備え[る]」点で共通する。 (c) 一方で、発光素子が出射する光について、本件補正発明は、「青色波長域の光」であるのに対して、引用発明は、「白色」である点で相違する。 (d) さらに、発光素子について、本件補正発明は、「光を出射する側面を有するサイドエミッション型」であるのに対し、引用発明は、「LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであ[る]」点で相違する。 e 本件補正発明の「前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートとを備え、」との特定事項について (a) 引用発明の「拡散板6」は、「反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ[る]」ものであり、加えて、「戻り光」が「拡散板6で反射され」るものであることから、拡散反射性であるといえる。そうすると、本件補正発明の「拡散反射シート」と引用発明の「拡散板6」は、「拡散反射」部材である点で共通する。 (b) 引用発明の「拡散板6」は、「前記隔壁5および隔室の上方に配置された」ものであるところ、「隔壁5」は「前記反射板4上に位置し」、「基板3」は「反射板4の下に位置する」のであるから、前記bも踏まえると、「拡散板6」は、本件補正発明でいう「前記基板上に設けられ[る]」ものであるといえる。 (c) 引用発明の「拡散粒子」は、本件補正発明の「粒子」に相当する。そして、引用発明の「拡散板6」は、「透明樹脂中に前記透明樹脂とは屈折率の異なる無機系あるいは有機系材料からなる拡散粒子が均一に分散されて形成された光拡散板」であるから、本件補正発明でいう「複数の粒子を含[む]」ものであるといえる。 (d) 引用発明の「拡散板6」は、「一次光源2から発せられ、直接的または反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ、均一化[する]」ものであるところ、当該「一次光源2から発せられ、直接的」「に、隔室開口を通って上方へと出射した光」、「一次光源2から発せられ、」「反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光」は、それぞれ、本件補正発明の「前記発光素子の」「出射光」、「前記反射壁からの反射光」に相当する。したがって、引用発明の「拡散板6」は、本件補正発明でいう「前記発光素子の」「出射光および前記反射壁からの反射光が入射する」ものである。 (e) 前記(a)~(d)をまとめると、本件補正発明と引用発明は、「前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の」「出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射」部材「とを備え[る]」点で共通する。 (f) 一方で、拡散反射部材について、本件補正発明は、「拡散反射シート」であるのに対し、引用発明は、「拡散板6」である点で相違する。 (g) さらに、拡散反射部材に入射する発光素子の出射光が、本件補正発明は、「前記発光素子の前記側面からの」ものであるのに対して、引用発明は、「LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであ[る]」点で相違する。 f 本件補正発明の「前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、」との特定事項について 本件補正発明は、「前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになって[いる]」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えるか不明である点で相違する。 g 本件補正発明の「前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、」との特定事項について (a) 引用発明の「反射板4」は、「水平に延びて形成されて[いる]」ことから、前記c(b)も踏まえると、本件補正発明の「前記反射壁」が有する「水平部」に相当する。そして、引用発明は、「上方から下向きに見たとき即ち平面視で、複数の一次光源2が縦横の2つの方向に関して規則正しく配列されており、該一次光源2以外の領域に反射板4の反射面が配置されており、一次光源2は、反射板4の下に位置する基板3上に配置されて[いる]」ものであることから、引用発明の「反射板4」は、本件補正発明でいう「基板に沿って広がる」ものといえる。 (b) 引用発明の「隔壁5」は、「反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成され[る]」ものであるから、前記c(b)及び前記(a)も踏まえると、本件補正発明の「前記反射壁」が有する「前記水平部に対して傾斜する傾斜部」と引用発明の「隔壁5」は、「前記反射壁」が有する「前記水平部に対して」所定角度の所定部である点で共通する。 (c) 前記(a)及び(b)をまとめると、本件補正発明と引用発明は、「前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して」所定角度の所定部「とを有[する]」点で共通する。 (d) 一方で、水平部に対して所定角度の所定部について、本件補正発明は、「前記水平部に対して傾斜する傾斜部」であるのに対して、引用発明は、「反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成され[る]」「隔壁5」である点で相違する。 h 本件補正発明の「前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、」との特定事項について (a) 引用発明の「隔壁5」は、「反射板4上に位置し、複数の一次光源2のそれぞれに対応する隔室を形成するように形成され」るものであるから、本件補正発明でいう「前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んで[いる]」ものである。 (b) したがって、前記g(b)も踏まえると、本件補正発明と引用発明は、前記所定部は、「前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んで[いる]」点で共通する。 (c) 一方で、前記所定部について、本件補正発明は、「前記拡散反射シートと接[する]」のに対して、引用発明は、「隔壁5と拡散板6との距離D(mm)が、0≦D≦0.25Lを満た[す]」点で相違する。 i 本件補正発明の「前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射し、」との特定事項について (a) 引用発明は、「拡散板6は、一次光源2から発せられ、」「反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ、均一化[する]」ものであるから、前記g(b)も踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「前記発光素子の」「光のうちの少なくとも一部が」前記所定部「で反射されたのち前記拡散反射」部材「に入射[する]」点で共通する。 (b) 一方で、所定部で反射されたのち拡散反射部材に入射する発光素子の光について、前記d(c)と同様に、本件補正発明は、「前記青色波長域」の光であるのに対して、引用発明は、「白色」である点で相違する。 (c) さらに、所定部で反射されたのち拡散反射部材に入射する発光素子の光について、前記e(g)と同様に、本件補正発明は、「前記発光素子の前記側面からの」ものであるのに対して、引用発明は、「LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであ[る]」点で相違する。 j 本件補正発明の「前記反射壁は、前記発光素子の前記側面からの前記青色波長域の光を反射すると共に、前記拡散反射シートで反射された前記青色波長域の光を反射する」との特定事項について (a) 引用発明は、「拡散板6は、一次光源2から発せられ、」「反射板4および隔壁5による反射の後に間接的に、隔室開口を通って上方へと出射した光を拡散させ、均一化[する]」ことから、一次光源2から発せられた光が反射板4及び隔壁5で反射することが理解できる。したがって、引用発明の「反射板4」及び「隔壁5」は、本件補正発明の「前記反射壁」と、「前記発光素子の」「光を反射する」点で共通する。 (b) また、引用発明の「反射板4」は、「一次光源2より出射された光のうち、隔壁5および拡散板6で反射された戻り光を、拡散および反射させて再度上方または斜めに出射させる機能を有[する]」ものであるから、本件補正発明の「前記反射壁」と、「前記拡散反射」部材「で反射された」「光を反射する」点で共通する。 (c) 前記(a)及び(b)をまとめると、本件補正発明と引用発明は、「前記反射壁は、前記発光素子の」「光を反射すると共に、前記拡散反射」部材「で反射された」「光を反射する」点で共通する。 (d) 一方で、反射壁が反射する発光素子の光及び反射壁が反射する拡散反射部材で反射された光について、前記d(c)と同様に、本件補正発明は、「前記青色波長域の光」であるのに対して、引用発明は、「白色」である点で相違する。 (e) さらに、反射壁が反射する発光素子の光について、前記e(g)と同様に、本件補正発明は、「前記発光素子の前記側面からの」ものであるのに対して、引用発明は、「LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであ[る]」点で相違する。 (イ) 一致点及び相違点 前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 「表示パネルを照明する発光装置であって、 前記表示パネルと対向する基板と、 基板上に設けられ、光を、反射する反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射部材とを備え、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して所定角度の所定部とを有し、 前記所定部は、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の光のうちの少なくとも一部が前記所定部で反射されたのち前記拡散反射部材に入射し、 前記反射壁は、前記発光素子の光を反射すると共に、前記拡散反射部材で反射された光を反射する 発光装置」である点。 <相違点1> 反射壁について、本件補正発明は、「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」のに対して、引用発明は、「反射板4は、一次光源2より出射された光のうち、隔壁5および拡散板6で反射された戻り光を、拡散および反射させ[る]」ものである、すなわち、反射板4も隔壁5も一次光源2より出射された光を反射するものであるものであり、「一次光源2は、白色の発光ダイオード(LED)光源からな[る]」ものであるが、「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」ものではない点。 <相違点2> 拡散反射部材について、本件補正発明は、「拡散反射シート」であるのに対して、引用発明は、「拡散板6」である点。 <相違点3> 発光素子が出射する光、所定部で反射されたのち拡散反射部材に入射する発光素子の光、反射壁が反射する発光素子の光及び反射壁が反射する拡散反射部材で反射された光について、本件補正発明は、「青色波長域の光」であるのに対して、引用発明は、「白色」である点。 <相違点4> 本件補正発明は、発光素子が、「光を出射する側面を有するサイドエミッション型」であり、拡散反射部材に入射する発光素子の出射光、所定部で反射されたのち拡散反射部材に入射する発光素子の光及び反射壁が反射する発光素子の光が、「前記発光素子の前記側面からの」ものであるのに対して、引用発明は、「LED光源の出射面に対して広域の光出射光分布を有するランバーシャン出射タイプのものであ[る]」点。 <相違点5> 本件補正発明は、「前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになって[いる]」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えるか不明である点。 <相違点6> 水平部に対して所定角度の所定部について、本件補正発明は、「前記水平部に対して傾斜する傾斜部」であり、「前記拡散反射シートと接[する]」のに対して、引用発明は、「反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成され[る]」「隔壁5」であり、「隔壁5と拡散板6との距離D(mm)が、0≦D≦0.25Lを満た[す]」点。 エ 相違点についての判断 (ア) 相違点2について 事案に鑑み、まず相違点2について検討する。 拡散反射部材を軽量化のためにシートで形成することは、例示するまでもなく周知技術であるから、引用発明において、軽量化のために「拡散板6」をシートで形成することにより、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ) 相違点1及び3について 次に、相違点1及び3について併せて検討する。 a 上記検討に先立ち、相違点1及び3に係る本件補正発明の構成(以下「本件構成」という。)の技術上の意義について確認すると、本願の明細書には、「反射壁20を構成する賦形反射シート等の樹脂シートは、高波長域の光に比べて、低波長域の光を効率的に反射するので、青色波長域の光を出射する発光素子12を用いることが好ましい。」(【0043】)との記載がある。上記記載によれば、本件構成の技術上の意義が、反射壁を構成する部材として「賦形反射シート等の樹脂シート」を用いることを前提としつつ、その前提の下では、反射壁が「高波長域の光に比べて、低波長域の光を効率的に反射する」ことになるので、発光素子として青色波長域の光を出射するものを用いることが好ましいとされていることを理解できる。つまり、上記の理解では、反射壁を構成する部材として「賦形反射シート等の樹脂シート」(「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」性質を有している。)を選択すること(相違点1関係)が、発光素子として青色波長域の光を出射するものを選択すること(相違点3関係)よりも先行する関係にあることを指摘できるのであり、そのため、本件構成の技術上の意義を理解できるといえる。これに対して、このような前提ないし先後関係を捨象してしまうと、本件構成のうち、特に、反射壁が「青色波長域の光を、前記青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する」性質を有していることの技術上の意義を理解できなくなるのであり、このことは、上記の性質が、青色波長域と比較して高い波長域の光が青色反射域の光と比べてあえて効率的に反射しないという内容をも意味している(この意味との理解は、反射部材が通常いずれの波長域の光をも効率的に反射する性質を有していることを踏まえれば、むしろ自然である。)一方で、そこで問題とされる「青色波長域と比較して高い波長域の光」が発光素子からは出射されないことからみて明らかである。そして、本件補正発明は、「反射壁」を構成する部材が上記の「賦形反射シート等の樹脂シート」であることを特定するものではない上、本件補正発明は、「発光装置」という物に係るものであることから、上記の各選択の先後関係を表現できるものでもない。 そうすると、本件構成の技術上の意義は、本件補正発明の特定事項によっては合理的に理解できないと言わざるを得ないのであり、そうである以上、引用発明から出発した当業者が本件構成に容易に至るというためには、上記の選択の先後関係を論理付ける必要はなく、引用発明の「一次光源2」として、「白色の発光ダイオード(LED)光源」に代えて、青色のLEDを採用すること(相違点3関係)を論理付けた上で、「反射板4および隔壁5」として青色の光を効率的に反射するが、青色よりも長波長の光を含む青色以外の光については相対的に反射率を低い材料を用いること(相違点1関係)が設計事項にすぎないことをいえれば足りるというべきである。そして、そのようにした効果も、当然に、格別顕著なものとはいえないことになる。 b そこで、まず、相違点3について検討すると、引用発明は、「一次光源2は、白色の発光ダイオード(LED)光源からな[る]」ものであることから、引用発明の面光源装置は白色面光源装置であることが理解できるところ、そのような白色面光源装置としては、引用発明のように白色の発光ダイオード(LED)光源を用いたものと共に、前記イ(エ)で周知技術3として認定したとおり、「LEDから発せられた青色の光が波長変換シートによって波長変換され、これら波長変換された緑色の光及び赤色の光と、LEDの青色の光と、の加法混色によりバックライト装置の出射光が概ね白色を呈するものとされること」は周知技術である。したがって、引用発明において、白色の発光ダイオード(LED)光源を用いることに代えて、よく知られた青色の光を発するLEDと波長変換部材を用いる構成を採用することは、当業者が適宜なし得る設計変更にすぎない。このとき、一次光源2として青色の光を発するLEDを用いるのであるから、一次光源2が出射する光、隔壁5で反射されたのち拡散板6に入射する一次光源2の光、反射板4と隔壁5が反射する一次光源2の光及び反射板4が反射する拡散板6で反射された光は、いずれも青色の光となり、当業者は、相違点3に係る本件補正発明の構成に至ることとなる。 c 次に、相違点1について検討すると、引用発明の「反射板4および隔壁5」は、「一次光源2から発せられ[た]」光を反射するものであるから、前記bのように一次光源2として青色の光を発するLEDを用いる際には、少なくとも青色の光を効率的に反射する必要があり、また、それで足りることを当業者は当然に認識できる。そうすると、引用発明において、反射板4及び隔壁5について、青色の光を効率的に反射する材料を用いることは、当業者にとって当然のことといえるし、その際の材料として青色よりも長波長の光を含む青色以外の光については相対的に反射率を低いものを選択することも、当業者が適宜設計し得たことにすぎないといえる。その結果、当業者は、相違点1に係る本件補正発明の構成に至ったこととなる。 (ウ) 相違点4について 引用発明は、「一次光源2から出射された光が、隔壁面での反射を含む多重反射を受けることで、各隔室開口すなわち各隔室2’において輝度均一性の高い面光源装置を得ることが出来る」ものであるところ、引用発明を開示する引用文献1には、引用発明に類似する面光源装置20において、「一次光源21であるLED光源21は、面光源装置の法線方向に対して出射角±80°に光強度のピークを有するサイドエミッタータイプであり、サイドエミッタータイプのLED光源21は、主として隔壁面に向けて光を出射するため、多重反射によるミキシングが進み、面光源装置の輝度をより均一にすることができるため好ましいこと」(引用文献1技術事項)が開示されている。 したがって、引用発明において、輝度均一性のより高い面光源装置を得るために、一次光源2としてサイドエミッタータイプ、すなわち、サイドエミッション型のLED光源21を採用することは当業者が容易になし得たことである。 そして、一次光源2としてサイドエミッション型のLED光源21を採用した構成においては、拡散板6に入射するLED光源21の出射光、隔壁5で反射されたのち拡散板6に入射するLED光源21の光及び反射板4と隔壁5が反射する発光素子の光は、いずれも一次光源2であるサイドエミッション型のLED素子21の側面からのものとなるから、当業者は、相違点4に係る本願発明1の構成に至ることとなる。 (エ) 相違点5について 前記イ(ウ)で周知技術2として認定したとおり、「直下型の照明装置12において、複数の照明ユニット122を複数の調光エリアに分割し、調光エリア毎に照射光量を制御(調整)できるようにして、エリア制御を可能とし、照明装置12のうち、暗部画像およびその周囲に対向しているエリアの照明ユニット122の照射光量を抑制することで、暗部画像の輪郭部分における滲みを抑制できること」は周知技術であることから、引用発明において、エリア制御を可能とし、暗部画像の輪郭部分における滲みを抑制するために、複数の一次光源2毎に照射光量を制御できるようにして、暗部画像及びその周囲に対向している一次光源2の照射光量を抑制するようにすることは、当業者が容易になし得たことであり、このことは、相違点5に係る本件補正発明の「前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになって[いる]ことに他ならないから、当業者は、引用発明に周知技術2を適用することにより、相違点5に係る本件補正発明の構成に至ることとなる。 (オ) 相違点6について a まず、相違点6のうち、「前記水平部に対して傾斜する傾斜部」(以下「傾斜部構成」という。)について検討すると、引用発明から出発した当業者が傾斜部構成に至るためには、引用発明における「隔壁5」(水平に延びる反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成されている)を傾斜するようにすれば足りる。 (a) しかしながら、まず、傾斜部構成は実質的な相違点ではない。 すなわち、傾斜部構成の「水平部に対して傾斜する傾斜部」の「傾斜する」の意味には、水平部に対して直交する場合も含まれるのであり、このことは、本願の明細書の【0020】に、傾斜部22が水平部21に対して「交差する方向」のものであることが記載されており、「交差する」ことには、文言上、直交することが含まれることからみて明らかである。したがって、傾斜部構成は実質的な相違点ではない。 (b) 仮に、傾斜部構成の「水平部に対して傾斜する傾斜部」の「傾斜する」の意味に、水平部に対して直交する場合が含まれないとしても、以下のとおり、傾斜部構成に至ることは、当業者にとって容易である。 すなわち、引用発明は、複数の一次光源2と、その下方に位置する反射板4と、その反射板4上に位置し、前記複数の一次光源2のそれぞれに対応する隔室を形成するように形成され、到来する光の少なくとも一部を反射させる部材からなる隔壁5を備えるものであり、隔壁5は、反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成されるものであるところ、このようにする技術的意義は、「一次光源2から出射された光が、隔壁面での反射を含む多重反射を受けることで、各隔室開口すなわち各隔室2’において輝度均一性の高い面光源装置を得ることが出来る」ことにあると認められる。 ここで、引用発明においては、隔壁5が、水平に延びる反射板4に対して垂直に上方へと延びて形成される点が特定されているが、隔壁5と反射板4のこのような垂直の配置関係は、引用発明を開示する引用文献1の請求項1には記載されていないことから、引用発明において必須の構成とは解されない。もっとも、当該垂直の配置関係は、前記技術的意義に係る輝度均一性に資すると解される一方、隔壁5から反射された光は、いずれは、上方に出射される必要性があるが、これには有利とは言い難いと解される。 そうすると、引用発明に接した当業者であれば、隔壁5と反射板4との配置関係が、輝度均一性と光の上方への出射の効率性とのバランスの観点で定まっており、引用発明では、輝度均一性を重視する観点から上記配置関係を垂直にしていることを理解できるといえるのであり、そうである以上、出射の効率性を上げるために、前記イ(イ)cで認定した「光源から出射される光を光源の周囲に配置された傾斜部によって、光源の上方に配置された部材に入射させること」との周知技術1を採用して、傾斜部構成に至ることは、当業者が適宜なし得たことであるというべきである。 b 次に、相違点6のうち、「前記拡散反射シートと接[する]」ことについて検討すると、引用発明は、「前記複数の一次光源2の配列ピッチ距離L(mm)、隔壁5と拡散板6との距離D(mm)が、0≦D≦0.25Lを満た[す]」のであるから、D=0、すなわち、隔壁5と拡散板が接することが想定されているし、「DがLの0.25倍を超えると、面光源装置の輝度が低下し、面光源装置のトータル厚み(隔壁高さ+[隔壁と拡散板との距離])が厚くな[る]」のであるから、この点を考慮して、引用発明において、隔壁5と拡散板6との距離D(mm)を0とする、すなわち、隔壁5が拡散板6と接するようにすることは、当業者が適宜なし得たことである。 c 相違点6のまとめ 前記a及びbで検討したとおり、引用発明に周知技術1を適用することにより、相違点6に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 オ 総合検討 相違点1~6を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する効果は、本件補正発明の構成が奏するものとして、引用発明、引用文献1技術事項及び周知技術に基づいて当業者にとって予測可能なものであり、格別顕著な効果であるともいえない。 カ 請求人の主張について 請求人は、1次当審拒絶理由で引用された引用文献1~7には、本件補正発明の発光装置のように、側面から青色波長域の光を出射する発光素子と、発光素子の側面からの青色波長域の光を反射すると共に、拡散反射シートで反射された青色波長域の光を反射する反射壁とを備えるものであり、反射壁は、青色波長域の光を、青色波長域と比較して高い波長域の光よりも効率的に反射する形態の発光装置は開示されていない旨を主張している。 しかしながら、請求人の主張する点については、前記エ(ア)~(ウ)で相違点1~4について検討したとおりであり、請求人の主張は採用できない。 請求人はまた、本件補正発明の発光装置では、反射壁が、その水平部および傾斜部の双方において、発光素子から出射した青色波長域の光および拡散反射シートで反射された青色波長域の光を、他の波長域の光よりも高い効率で反射するようになっており、その結果、発光素子から拡散反射シートに至るまでの青色波長域の光の反射回数がより増加し、輝度の面内均一化をより促進することができる旨を主張している。 しかしながら、本願の明細書には、「反射壁が、その水平部および傾斜部の双方において、発光素子から出射した青色波長域の光および拡散反射シートで反射された青色波長域の光を、他の波長域の光よりも高い効率で反射する」ことの技術上の意義については、前記エ(イ)aで示したとおり、「反射壁20を構成する賦形反射シート等の樹脂シートは、高波長域の光に比べて、低波長域の光を効率的に反射するので、青色波長域の光を出射する発光素子12を用いることが好ましい。」(【0043】)と記載されているにとどまり、「発光素子から拡散反射シートに至るまでの青色波長域の光の反射回数がより増加し、輝度の面内均一化をより促進することができる」との効果については、明細書に記載されたものではない。 これをおくとしても、請求人が主張する効果は、反射壁として青色波長域の光を効率的に反射するものを採用すれば奏されるのであり、青色波長域以外の光という発光素子から出射されていない光をあえて効率的に反射しないものとすること(前記エ(イ)aで示したとおり、本件補正発明にはこのようにした態様も含まれる。)によって奏されるものではない。そして、前記エ(イ)cで示したとおり、引用発明において、反射板4及び隔壁5について、青色の光を効率的に反射する材料を用いることは、当業者にとって当然であるのであり、このようにした際に、上記効果が奏されることも当業者にとって自明にすぎない。 したがって、請求人の主張は採用できない。 キ 独立特許要件についての当審の判断のまとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献1技術事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件補正発明は、同法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (3) 本件補正の適否についての当審の判断のまとめ 前記(1)で検討したとおり、本件補正で特許請求の範囲についてする補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同項に規定する要件を満たしていないものである。 また、仮に本件補正で特許請求の範囲についてする補正が、同項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると解したとしても、前記(2)で予備的に検討したとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正で特許請求の範囲についてする補正は、特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するものである。 したがって、本件補正は、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件補正前の本願について 1 本願の特許請求の範囲 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲は、令和6年10月17日提出の手続補正書でした補正(以下「先の補正」という。)後の次のとおりのものである。下線は、先の補正による補正箇所を示す。 「 【請求項1】 表示パネルを照明する発光装置であって、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられた反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を備え、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記水平部は前記1以上の発光素子の各々が収容される開口を有し、 前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの出射光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射する 発光装置。 ・・・(中略)・・・ 【請求項13】 前記波長変換シートは、蛍光体または量子ドットを含む 請求項7記載の発光装置。 ・・・(中略)・・・ 【請求項15】 表示パネルと、前記表示パネルを照明する発光装置とを備え、 前記発光装置は、 前記表示パネルと対向する基板と、 前記基板上に設けられた反射壁により仕切られた複数のセグメントと、 前記複数のセグメントの各々に設けられた、側面を有するサイドエミッション型の1以上の発光素子と、 前記基板上に設けられ、複数の粒子を含み、前記発光素子の前記側面からの出射光および前記反射壁からの反射光が入射する拡散反射シートと を有し、 前記発光素子の発光状態は、前記セグメントごとに、前記表示パネルに表示される映像に応じて調整されるようになっており、 前記反射壁は、前記基板に沿って広がる水平部と、前記水平部に対して傾斜する傾斜部とを有し、 前記水平部は前記1以上の発光素子の各々が収容される開口を有し、 前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、 前記傾斜部は、前記拡散反射シートと接し、前記1以上の発光素子の各々の周囲を取り囲んでおり、 前記発光素子の前記側面からの出射光のうちの少なくとも一部が前記傾斜部で反射されたのち前記拡散反射シートに入射する 表示装置。」 2 2次当審拒絶理由の概要 本願発明に対して通知された、2次当審拒絶理由の概要は、次のとおりである。 理由1(新規事項)先の補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 先の補正により、請求項1、15に対して、「前記1以上の発光素子の各々の高さは、前記水平部の厚さよりも薄く、」との技術事項が追加(以下「本件補正事項」という。)された。しかしながら、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には発光素子の高さが水平部の厚さよりも薄いことは記載も示唆もされておらず、本件補正事項は新規事項を追加するものであるから、本件補正事項を含む先の補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 なお、2次当審拒絶理由では、先の補正は国際出願日における国際出願の明細書若しくは図面の翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとされているが、本願の出願の経緯においては翻訳文等は提出されておらず、前記「翻訳文等」は「当初明細書等」の誤記であることは明らかであるから、前記概要は当該誤記を正して記載したものである。そして、請求人は、「翻訳文等」が「当初明細書等」の誤記であることを理解して対応を行っているものと解されることから、前記概要の2次当審拒絶理由は実質的に通知されているものであるといえる。 3 当合議体の判断 (1) 判断の概要 当合議体は、以下に示すとおり、2次当審拒絶理由は妥当なものであり、本件補正事項を含む先の補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない、と判断する。 (2) 判断の詳細な説明 まず、当初明細書等には、本件補正事項に係る発光素子と水平部について、次の記載がある。 「【0020】 反射壁20は、サイドエミッション型の発光素子12から出射された光を拡散反射シート31側に反射するためのものである。詳細は後述するが、このような反射壁20を設けることにより、発光装置10から表示パネル40に入射する光の輝度を高めることができる(直上寄与率の向上)。この反射壁20は、例えば光源基板11に対して、平行方向の水平部21および交差する方向の傾斜部22を有している。水平部21および傾斜部22は、例えば1つの発光素子12の周囲にそれぞれ設けられ、反射壁20は平面(XY平面)視で発光素子12を囲んでいる。水平部21は、光源基板11に接している。傾斜部22の傾斜角度は適宜調整すればよい。傾斜部22の上端は拡散反射シート31に接している。」 「【図1】 [図:0001427091000009.jpg] 」 しかしながら、【0020】には、発光素子12の高さが水平部21の厚さよりも薄いことは一切記載されていない。また、【図1】では、図面上は発光素子12の高さが水平部21の厚さよりも薄い様子が看て取れるが、図面は一般に、必ずしも実物の縮尺や大小関係をそのままに表したものではなく、当初明細書等の記載を見ても、【図1】が実物の縮尺や大小関係をそのままに表したものと解すべき事情もない。かえって、【図1】では、表示パネル40の液晶層42がTFT基板41やカラーフィルタ基板43よりもはるかに厚く図示されているところ、これは通常の表示パネルの構成とは大小関係が逆であることを考慮すれば、【図1】は実物の縮尺や大小関係をそのままに表したものではないと解するのが相当である。したがって、【図1】に発光素子の高さが水平部の厚さよりも薄いことが開示されているとすることはできない。 また、当初明細書等の他の全記載をみても、発光素子の高さが水平部の厚さよりも薄いことは記載も示唆もされていない。 そして、本件補正事項により、請求人が令和6年10月17日提出の意見書で主張するように、発光素子から拡散反射シートに至るまでの反射回数がより増加して、輝度の面内均一化をより促進することができるという新たな技術的意義が奏されることになる。 そうすると、本件補正事項を含む先の補正は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 したがって、先の補正は、新規事項を追加するものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 (3) 小括 前記(2)で検討したとおり、本件補正事項を含む先の補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、先の補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 第4 むすび 以上のとおり、令和6年10月17日提出の手続補正書でした補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-003655

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