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特許拒絶査定不服審判

2024-010982

遊技機

審判番号
2024-010982
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-012667外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年07月03日
審決日
2025年02月26日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022- 12667「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 8月10日出願公開、特開2023-111043〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概要 この出願は、令和4年1月31日の出願であって、その手続の経緯は概略、以下のとおりである。 令和 5年12月14日付け:拒絶理由通知書 令和 6年 2月20日 :意見書、手続補正書の提出 同年 4月 1日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (謄本の送達:同月9日) 同年 7月 3日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年7月3日に提出された手続補正書による補正の却下の決定 令和6年7月3日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、令和6年2月20日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における (補正前) 「【請求項1】 遊技球が流下する遊技領域が形成される遊技盤と、 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段と、 前記遊技領域の所定の領域に進入した遊技球を検出するセンサと、 前記センサによって遊技球が検出されたことに基づいて当否判定を行う判定手段と、 前記当否判定により当たりの判定結果が導出されたことに基づいて、入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含む大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、 前記入賞口への遊技球の入球に基づいて、遊技者に遊技球を払い出す払出手段と、 少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づいて計数値を計数する計数手段と、 前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する遊技停止手段と、 前記計数値が前記特定値に達する前に、前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する示唆演出を、少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間に亘り実行する示唆演出実行手段と、 を備え、 前記遊技停止手段は、 前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行する遊技機。」を、 審判請求時に提出された手続補正書(令和6年7月3日提出)の特許請求の範囲の請求項1における (補正後) 「【請求項1】 遊技球が流下する遊技領域が形成される遊技盤と、 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段と、 前記遊技領域の所定の領域に進入した遊技球を検出するセンサと、 前記センサによって遊技球が検出されたことに基づいて当否判定を行う判定手段と、 前記当否判定により当たりの判定結果が導出されたことに基づいて、入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含む大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、 前記入賞口への遊技球の入球に基づいて、遊技者に遊技球を払い出す払出手段と、 少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づいて計数値を計数する計数手段と、 前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する遊技停止手段と、 前記計数値が前記特定値に達する前に、前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する示唆演出を、少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間に亘り実行する示唆演出実行手段と、 を備え、 前記遊技停止手段は、 前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行し、 前記大役遊技中であって、前記示唆演出の実行後に、少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に前記遊技停止処理を実行する遊技機。」にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。 2 補正の適否 2-1 補正の目的及び新規事項について 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技停止処理」に関して、「前記大役遊技中であって、前記示唆演出の実行後に、少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に」実行するものであることを限定するものである。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0756】-【0770】及び図93等の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 2-2 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A等は、分説するため当審にて付した。)。 「【請求項1】 A 遊技球が流下する遊技領域が形成される遊技盤と、 B 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段と、 C 前記遊技領域の所定の領域に進入した遊技球を検出するセンサと、 D 前記センサによって遊技球が検出されたことに基づいて当否判定を行う判定手段と、 E 前記当否判定により当たりの判定結果が導出されたことに基づいて、入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含む大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、 F 前記入賞口への遊技球の入球に基づいて、遊技者に遊技球を払い出す払出手段と、 G 少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づいて計数値を計数する計数手段と、 H 前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する遊技停止手段と、 I 前記計数値が前記特定値に達する前に、前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する示唆演出を、少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間に亘り実行する示唆演出実行手段と、 を備え、 J 前記遊技停止手段は、 前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行し、 K 前記大役遊技中であって、前記示唆演出の実行後に、少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に前記遊技停止処理を実行する L 遊技機。」 (2)先願 ア 記載事項 原査定で先願1として引用され、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願後に出願公開がされた特願2021-134953(特開2023-28954)(出願日:令和3年8月20日、出願公開日:令和5年3月3日、出願人:株式会社サンセイアールアンドディ、発明者:土屋 良孝、川添 智久、中山 覚、牧 智宣、下田 諒、梶野 浩司、柏木 浩志)(以下「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、「遊技機」に関し、次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 「【0017】 遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。 【0018】 遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。 【0019】 遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。 【0020】 第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。」 「【0026】 第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。」 「【0057】 2.遊技機の電気的構成 次に、図6~図9に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」ともいう)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板、以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている(図8参照)。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、演出制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。」 「【0067】 主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。」 「【0074】 また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。」 「【0101】 3-2.特図に関わる遊技 次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。」 「【0125】 3-3.大当たり遊技 次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。」 「【0127】 例えば、図16に示すように、1Rから9Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。」 「【0187】 6.過賞球防止機能 次に、過賞球防止機能について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。 【0188】 遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。」 「【0203】 次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図28(A)に基づいて説明する。前提条件として、図25(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図28(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。 【0204】 続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図28(B)に基づいて説明する。前提条件として、図25(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図28(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。」 「【0309】 上記形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。」 イ 認定事項 (ア) 認定事項1 a 【0203】には、「差玉数が70000に達すると」「遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である」「過賞球予告画像KYが表示され」、「過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い」ことが記載されている。 そして、【0187】には、「総賞球数と総発射球数との差」である「差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に」「過賞球防止機能を作動」することが記載されていることから、過賞球予告画像KYは、差玉数が70000に達してから、最長で、差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり表示されていると理解できる。 b 【0026】、【0127】には、「遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される」こと、「各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる」ことが記載されており、当該記載から、各ラウンドにおいて払い出される賞球は最大で150個であることが理解できるため、上記aにおける検討をふまえると、過賞球予告画像KYは、差玉数が70000に達して表示され始めてから、差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり、少なくとも複数回のラウンド遊技の間表示されているということができる。 してみると、先願には、「差玉数が70000に達すると、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である過賞球予告画像KYを、差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり、少なくとも複数回のラウンド遊技の間表示する」こと(以下「認定事項1」という。)が記載されていると認められる。 (イ) 認定事項2 【0309】には、「差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する」ことが記載されている。 また、【0187】には、「差玉数」が「総賞球数と総発射球数との差」であることが記載されている。 そして、【0026】、【0125】には、「大当たり遊技」は、「第1大入賞口14」の「開閉を伴う複数回のラウンド遊技」を含み、「遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される」ことが記載されていることから、当該「ラウンド遊技」において「遊技球が賞球として払い出される」ことによって「差玉数が80000以上」となる「大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する」ものであると理解できる。 また、【0203】には、「差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示」されることが記載されており、「差玉数が70000に達する」のは「差玉数が80000以上」となるより前であり、また、上記(ア)のaで検討したように、「過賞球予告画像KY」は「最長で、差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり表示されてい」るものであるから、「過賞球予告画像KYが表示」された後に、「過賞球防止機能が作動する」「差玉数が80000以上」となる「大当たり遊技状態」が行われることは明らかである。 してみると、先願には、「差玉数が70000に達して過賞球予告画像KYが表示された後に、ラウンド遊技において遊技球が賞球として払い出されることで差玉数が80000以上となる大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する」こと(以下「認定事項2」という。)が記載されていると認められる。 ウ 先願発明 上記アの記載事項及びイの認定事項を総合すると、先願明細書等には、以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる(符号a等は本件補正発明の符号A等に対応させて当審にて付した。)。 「a 遊技球が流下可能な領域である遊技領域6が形成されている遊技盤1と(【0017】、【0018】)、 b 遊技領域6に遊技球を発射する発射装置72と(【0018】、【0074】)、 c 遊技領域6に形成された第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサと(【0019】、【0067】)、 d、e 発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、停止表示される特図1に、大当たり図柄およびハズレ図柄がある特図1抽選を行い(【0101】)、 大当たり図柄が停止表示されると、第1大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行する主制御基板100と(【0057】、【0101】、【0125】) f 遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として払い出す払出制御基板170と(【0026】、【0057】)、 g、h、j 総発射球数と、遊技者に払い出される賞球数の差である差玉数を演算し(【0187】、【0188】)、 差玉数が基準数である80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで遊技を実行不能にする過賞球防止機能を作動する遊技制御用マイコン101を備え(【0187】、【0309】)、 i 差玉数が70000に達すると、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である過賞球予告画像KYを、差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり、少なくとも複数回のラウンド遊技の間表示し(認定事項1)、 k 差玉数が70000に達して過賞球予告画像KYが表示された後に、ラウンド遊技において遊技球が賞球として払い出されることで差玉数が80000以上となる大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する(認定事項2)、 l パチンコ遊技機PY1(【0057】)。」 (3)対比 本件補正発明と先願発明とを、分説に従い対比する。 ア 構成Aについて 先願発明の「遊技球が流下可能な領域である遊技領域6」、「遊技盤1」は、それぞれ本件補正発明の「遊技球が流下する遊技領域」、「遊技盤」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。 イ 構成Bについて 先願発明の「発射装置72」は、本件補正発明の「発射手段」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。 ウ 構成Cについて 先願発明の「第1始動口11」、「入賞」、「第1始動口センサ」は、それぞれ本件補正発明の「所定の領域」、「進入」、「センサ」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。 エ 構成Dについて 先願発明の「遊技球が第1始動口11に入賞」し「第1始動口センサ」が「入賞した遊技球を検知」することは、本件補正発明の「センサによって遊技球が検出されたこと」に相当する。 そして、先願発明の「大当たり図柄およびハズレ図柄」がある「特図1抽選」を行うこと、「主制御基板100」は、本件補正発明の「当否判定」、「判定手段」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。 オ 構成Eについて 先願発明の「特図1抽選」により「大当たり図柄が停止表示される」こと、「第1大入賞口14」、「大当たり遊技」、「主制御基板100」は、それぞれ本件補正発明の「当否判定により当たりの判定結果が導出されたこと」、「入賞口」、「大役遊技」、「大役遊技実行手段」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Eに相当する構成を有する。 カ 構成Fについて 先願発明の「遊技球が第1大入賞口14へ入賞する」こと、「遊技球が賞球として払い出」されること、「払出制御基板170」は、それぞれ本件補正発明の「入賞口への遊技球の入球」、「遊技者に遊技球を払い出す」こと、「払出手段」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Fに相当する構成を有する。 キ 構成Gについて 先願発明の「遊技球」は「遊技領域6」に「発射」されるものであるから、先願発明の「総発射球数」は、本件補正発明の「前記遊技領域に発射された遊技球の数」に相当する。 また、先願発明の「遊技者に払い出される賞球数」、「演算」すること、「遊技制御用マイコン101」は、それぞれ本件補正発明の「遊技者に払い出された遊技球の数」、「計数する」こと、「計数手段」に相当する。 そして、先願発明の「総発射球数と、遊技者に払い出される賞球数の差である」「差玉数」は、本件補正発明の「少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づ」く「計数値」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Gに相当する構成を有する。 ク 構成Hについて 先願発明の「基準数である80000」、「遊技を実行不能にする」こと、「過賞球防止機能を作動する」こと、「遊技制御用マイコン101」は、それぞれ本件補正発明の「特定値」、「遊技を停止させる」こと、「遊技停止処理を実行する」こと、「遊技停止手段」に相当する。 そして、先願発明の「差玉数が基準数である80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミング」は、「差玉数が基準数である80000以上」であり、更に「大当たり遊技状態が終了」するという条件が成立したことに基づくタイミングであるといえるから、先願発明の「差玉数が基準数である80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで」「過賞球防止機能を作動する」ことは、本件補正発明の「前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて」「遊技停止処理を実行する」ことに相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Hに相当する構成を有する。 ケ 構成Iについて 先願発明の「過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させること」、「過賞球予告画像KYを」「表示する」こと、「少なくとも複数回のラウンド遊技の間」は、それぞれ本件補正発明の「前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する」こと、「示唆演出を」「実行する」こと、「少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間」に相当する。 そして、上記クにおける検討も踏まえると、先願発明の「差玉数が70000に達」してから「差玉数が80000に達するまでの間の適宜決定される期間にわたり」「過賞球予告画像KYを」「表示する」ことは、本件補正発明の「前記計数値が前記特定値に達する前に」「示唆演出を」「実行する」ことに相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Iに相当する構成を有する。 コ 構成Jについて 先願発明の「差玉数が基準数である80000以上」であること、「大当たり遊技状態が終了したタイミングで」「過賞球防止機能を作動する」ことは、それぞれ本件補正発明の「前記計数値が前記特定値に達」すること、「大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行」することに相当する。 そして、先願発明において、「大当たり遊技状態」において「差玉数が基準数である80000以上」となれば、その「大当たり遊技状態が終了したタイミング」で「過賞球防止機能を作動する」こととなるから、先願発明の「差玉数が基準数である80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで遊技を実行不能にする過賞球防止機能を作動する」ことは、本件補正発明の「前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行」ことに相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Jに相当する構成を有する。 サ 構成Kについて 本件補正発明における「少なくとも1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球」とは、「1回のラウンド遊技で獲得可能な数」又はそれ以上の数の遊技球であると解釈でき、各ラウンド遊技において払い出される遊技球の数は、「1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球」であるといえることは自明であるから、先願発明において「ラウンド遊技において遊技球が賞球として払い出される」ことは、本件補正発明において「少なくとも1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された」ことに相当する。 してみると、先願発明の「ラウンド遊技において遊技球が賞球として払い出されることで差玉数が80000以上となる大当たり遊技状態」は、上記コにおける検討も踏まえると、本件補正発明の、実行中に計数値が特定値に達する「大役遊技」であって、「少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技」に相当する。 そして、先願発明の「過賞球予告画像KYが表示された後」、「大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する」ことは、それぞれ本件補正発明の「示唆演出の実行後」、「大役遊技の終了後に前記遊技停止処理を実行する」ことに相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Kに相当する構成を有する。 シ 構成Lについて 先願発明の「パチンコ遊技機PY1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。 よって、先願発明は、本件補正発明の構成Lに相当する構成を有する。 上記ア~シによれば、本件補正発明と先願発明は、 「A 遊技球が流下する遊技領域が形成される遊技盤と、 B 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段と、 C 前記遊技領域の所定の領域に進入した遊技球を検出するセンサと、 D 前記センサによって遊技球が検出されたことに基づいて当否判定を行う判定手段と、 E 前記当否判定により当たりの判定結果が導出されたことに基づいて、入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含む大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、 F 前記入賞口への遊技球の入球に基づいて、遊技者に遊技球を払い出す払出手段と、 G 少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づいて計数値を計数する計数手段と、 H 前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する遊技停止手段と、 I 前記計数値が前記特定値に達する前に、前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する示唆演出を、少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間に亘り実行する示唆演出実行手段と、 を備え、 J 前記遊技停止手段は、 前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行し、 K 前記大役遊技中であって、前記示唆演出の実行後に、少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に前記遊技停止処理を実行する L 遊技機。」 の点で一致し、相違点はない。 よって、本件補正発明は、先願発明である。 (4) 請求人の主張について 請求人は、令和6年7月3日付けの審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由(3)本願発明と引用文献に記載された発明との対比」において、 「本願の新請求項1に係る発明では、大役遊技中であって、示唆演出の実行後に、少なくとも1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に遊技停止処理を実行することにより、射幸性を適切に抑制しつつ、遊技者が得る遊技利益を最大化することが可能となり、遊技者の損失感を低減することが可能となるものである。 しかしながら、引用文献1では、大役遊技中に過賞球予告画像の表示後に、少なくとも1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に遊技停止処理を実行するような構成については、一切記載も示唆もされていない。 そのため、引用文献1の記載の遊技機では、射幸性を適切に抑制しつつ、遊技者が得る遊技利益を最大化することができず、遊技者の損失感を低減することができない。」 と主張している。 そこで、請求人の上記主張について検討する。 上記主張において、請求人は、「本願の新請求項1に係る発明」は、「大役遊技中であって、示唆演出の実行後に、少なくとも1回のラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技の終了後に遊技停止処理を実行する」(本件補正発明の構成Kに対応)ことにより、「射幸性を適切に抑制しつつ、遊技者が得る遊技利益を最大化することが可能となり、遊技者の損失感を低減することが可能となる」としている。 しかしながら、上記(3)サにおいて検討したように、先願発明の「過賞球予告画像KYが表示された後」、「ラウンド遊技において遊技球が賞球として払い出されることで差玉数が80000以上となる大当たり遊技状態」、「大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動する」ことは、それぞれ本件補正発明の「示唆演出の実行後」、「少なくとも1回の前記ラウンド遊技で獲得可能な数の遊技球が遊技者に払い出された当該大役遊技」、「大役遊技の終了後に前記遊技停止処理を実行する」ことに相当するものであり、先願発明は、本件補正発明の構成Kに相当する構成を有している。 よって、請求人の上記主張を採用することはできない。 (5) 小括 よって、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本願の発明者が先願の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願時点において、その出願人が先願の出願人と同一であるともいえないので、本件補正発明は特許法第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和6年2月20日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 遊技球が流下する遊技領域が形成される遊技盤と、 前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段と、 前記遊技領域の所定の領域に進入した遊技球を検出するセンサと、 前記センサによって遊技球が検出されたことに基づいて当否判定を行う判定手段と、 前記当否判定により当たりの判定結果が導出されたことに基づいて、入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含む大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、 前記入賞口への遊技球の入球に基づいて、遊技者に遊技球を払い出す払出手段と、 少なくとも前記遊技領域に発射された遊技球の数と、遊技者に払い出された遊技球の数との差に基づいて計数値を計数する計数手段と、 前記計数値が特定値に達したことを含む所定条件が成立したことに基づいて、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する遊技停止手段と、 前記計数値が前記特定値に達する前に、前記計数値が前記特定値に近づいていることを示唆する示唆演出を、少なくとも1回の前記ラウンド遊技の最長時間よりも長時間である所定時間に亘り実行する示唆演出実行手段と、 を備え、 前記遊技停止手段は、 前記大役遊技の実行中に、前記計数値が前記特定値に達した場合に、当該大役遊技の終了に応じて前記遊技停止処理を実行する遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。 (拡大先願)この出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特願2021-134953(特開2023-28954) 3 先願明細書等に記載された事項および先願発明 原査定の拒絶の理由に(先願1として)引用された先願明細書等の記載事項、認定事項、および先願発明の認定については、前記「第2 2-2(2)先願」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記「第2 2 2-2(1)本件補正発明」で検討した本件補正発明から、構成Kについての限定を省くものである。 そうすると、本件補正発明は、本願発明の特定事項をすべて含み、さらに他の構成を付加したものであって、前記「第2 2 2-2(3) 対比」における検討内容からみて、本願発明は、先願発明と同一の発明である。 5 むすび 上記1~4より、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本願の発明者が先願の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願時点において、その出願人が先願の出願人と同一であるともいえないので、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-010982

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