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特許拒絶査定不服審判

2024-006719

画像形成装置

審判番号
2024-006719
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-049541外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年04月19日
審決日
2024年11月05日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (G03G) / P18 .575-Z (G03G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 49541「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月27日出願公開、特開2021-148980〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和2年3月19日の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。

令和5年10月10日付け:拒絶理由通知書
同年12月12日:意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月 9日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。同年1月23日:原査定の謄本の送達)

同年 4月19日:審判請求書、手続補正書の提出

同年 7月11日:上申書の提出

第2 令和6年4月19日に提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

令和6年4月19日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について

本件補正は、特許請求の範囲を全文にわたって補正をするものであるところ、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和5年12月12日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1~8を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~8へと補正するものである。(下線は審決で付した。以下同じ。)

(1)本件補正前の特許請求の範囲の記載

「【請求項1】
記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段と、
続きを表示(全29行)
前記転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記検出位置から前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短いことを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項2】
前記形成手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなる位置に前記トナー画像を形成することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなるように、前記所望の画像のトナー画像を前記記録用紙に転写することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなる位置に前記検出手段が配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成された前記所望の画像のトナー画像を、所定の転写位置において、前記記録用紙に転写する転写手段と、
前記転写位置においてベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記形成手段は、前記記録用紙の搬送方向に対する寸法よりも小さい該所定の方向に対する寸法で前記位置ずれ補正用パターンを形成し、
前記検出位置から前記転写位置までの第1の距離が、前記所定の方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から前記記録用紙の先端までの第2の距離と該所定の方向に対する寸法を示す前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長いことを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項6】
前記形成手段は、前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなる位置に前記トナー画像を形成することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写手段は、前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなるように、前記所望の画像のトナー画像を前記記録用紙に転写することを特徴とする、請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなる位置に前記検出手段が配置されることを特徴とする、請求項5~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。

「 【請求項1】
記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段と、
続きを表示(全29行)
前記転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短いことを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項2】
前記形成手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなる位置に前記トナー画像を形成することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写手段は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなるように、前記所望の画像のトナー画像を前記記録用紙に転写することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の距離が前記第2の距離よりも短くなる位置に前記検出手段が配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成された前記所望の画像のトナー画像を、所定の転写位置において、前記記録用紙に転写する転写手段と、
前記転写位置においてベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記形成手段は、前記記録用紙の搬送方向に対する寸法よりも小さい該所定の方向に対する寸法で前記位置ずれ補正用パターンを形成し、
前記検出位置から前記転写位置までの第1の距離が、前記所定の方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から前記記録用紙の先端までの第2の距離と該所定の方向に対する寸法を示す前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長いことを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項6】
前記形成手段は、前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなる位置に前記トナー画像を形成することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写手段は、前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなるように、前記所望の画像のトナー画像を前記記録用紙に転写することを特徴とする、請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の距離が前記第2の距離と前記位置ずれ補正用パターンの長さとの和よりも長くなる位置に前記検出手段が配置されることを特徴とする、請求項5~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。」

(3)本件補正の内容

上記(1)及び(2)によれば、本件補正は、次の補正事項からなるものである。

補正事項1:本件補正前の請求項1の「前記検出位置から前記転写位置までの第1の距離」を、「該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置」と補正する。
補正事項2:本件補正前の請求項1の「前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から前記記録用紙の先端までの第2の距離」を、「前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離」と補正する。

2 本件補正の適否

(1)補正の目的について

ア 補正事項1

補正事項1は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「転写位置」について、「該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する」として、「検出位置」との位置関係を限定するものである。

また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。

したがって、補正事項2は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 補正事項2

補正事項2は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「記録用紙」について、「該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する」として、どの「記録用紙」であるのかを限定するものである。

また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。

したがって、補正事項2は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項について

ア 補正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)における段落【0069】の「検出位置から搬送方向の上流側に向かってAの距離に、転写ベルト130と2次転写ベルト133とが当接して、画像が転写される転写位置がある。」との記載に基づいている。

イ 補正事項2は、当初明細書等における段落【0069】の「図13は、位置ずれ補正用パターンが矢印の方向に進行する例を示している」、段落【0070】「搬送方向に対する位置ずれ補正用パターンの後端から記録用紙150の先端までの距離Bが、Aよりも長くなる構成(A<Bの条件を満たす構成)とする」との記載及び図13に基づいている。

したがって、補正事項1、2は、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件について

上記2(1)のとおり、本件補正による請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明1」という。))が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、検討する。

(1)本件補正後の請求項1に係る発明

本件補正発明は 、前記1(2)に示した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められる。

(2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定

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ア 引用文献1の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願前に頒布された特開2015-166759号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0012】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。
本プリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,黒(以下,Y,M,C,Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kは、潜像担持体たるドラム状の感光体1Y,M,C,Kをそれぞれ有している。感光体1Y,M,C,Kの回りにはそれぞれ帯電装置2Y,M,C,K、現像装置5Y,C,M,K、ドラムクリーニング装置4Y,M,C,K、除電装置(不図示)等を有している。プロセスユニット6Y,M,C,Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。プロセスユニット6Y,M,C,Kの上方には、感光体1Y,M,C,Kの表面に対してレーザー光Lを照射して静電潜像を書き込むための光書込ユニット20が配設されている。
【0013】
プロセスユニット6Y,M,C,Kの下方には、像担持体たる無端状の中間転写ベルト8を具備するベルト装置としての転写ユニット7が配設されている。中間転写ベルト8の他、そのループ内側に配設された複数の張架ローラや、ループ外側に配設された二次転写装置200、テンションローラ16、ベルトクリーニング装置100、潤滑剤塗布装置300などを有している。
・・・
【0016】
中間転写ベルト8のループ外側に配設された二次転写装置200は、二次転写ローラ18、分離ローラ205、光学センサユニット対向ローラ206、クリーニング対向ローラ207に張架された二次転写ベルト204を有している。二次転写ベルト204のループ外側には、光学センサユニット150、二次転写クリーニング装置230および二次転潤滑剤塗布装置220が配設されている。・・・」
(イ)「【0020】
二次転写ローラ18は図示しない駆動源により駆動され、二次転写ベルト204を回転させ、中間転写ベルト8に二次転写ベルト204を当接させ、転写ニップたる二次転写ニップ形成している。二次転写ベルト204は中間転写ベルト8から駆動をもらい従動回転することも可能であるが、印刷時の転写紙Pが通過する際には中間転写ベルト8からの駆動が伝わりにくくなる。従って、速度変動が生じやすくなってしまうため好ましくはない。」
(ウ)「【0046】
そして、感光体1Y,M,C,Kの表面に形成した静電潜像を現像装置5Y,M,C,Kによって現像することで、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,Kトナー像を得る。Y,M,C,Kトナー像は、上述したY,M,C,K用の一次転写ニップにて、中間転写ベルト8のおもて面に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0047】
一方、給紙部では、給紙ローラ32によって給紙カセットから転写紙Pを1枚ずつ送り出してレジストローラ対まで搬送する。そして、中間転写ベルト8上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで、レジストローラ対を駆動して転写紙Pを二次転写ニップに送り込んで、ベルト上の4色重ね合わせトナー像を転写紙Pに一括二次転写する。これにより、転写紙Pの表面にフルカラー画像を形成する。フルカラー画像形成後の転写紙Pについては、二次転写ニップから定着装置に搬送してトナー像の定着処理を施す。」
(エ)「【0055】
・・・
画像濃度制御は、まず、図6に示すような、トナーパターンとしての各色の階調パターンSk,Sm,Sc,Syを二次転写ベルト204上における光学センサユニット150の各光学センサ151Y,151M,151C,151Kに対向する位置に自動形成する。・・・
【0056】
二次転写ベルト204に形成された各トナーパターンSk,Sm,Sc,Syは、二次転写ベルト204の無端移動に伴って、各光学センサ151Y,151M,151C,151Kとの対向位置を通過する。この際、光学センサ151Y,151M,151C,151Kは、各階調パターンのトナーパッチに対する単位面積あたりのトナー付着量に応じた量の光を受光する。
・・・
【0059】
また、本プリンタは、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行う度に、色ずれ量補正処理も実施するようになっている。そして、この色ずれ量補正処理において、二次転写ベルト204の幅方向の一端部と他端部とにそれぞれ、図7に示すようなシェブロンパッチPVと呼ばれるY、M、C、Kの各色トナー像からなるトナーパターンとしての色ずれ検知用画像を形成する。シェブロンパッチPVは、図7に示すように、Y、M、C、Kの各色のトナー像を主走査方向から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向であるベルト移動方向に所定ピッチで並べたラインパターン群である。このシェブロンパッチPVの付着量は、0.3[mg/cm2]程度である。
【0060】
二次転写ベルト204の幅方向の両端部にそれぞれ形成したシェブロンパッチPV内の各色トナー像を検知することで、次のことを検出する。すなわち、各色トナー像における主走査方向(感光体軸線方向)の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置および主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ検出する。・・・以上のように、シェブロンパッチPV内における各トナー像を検知したタイミングに基づいて光書込開始タイミングや面倒れを補正してレジストズレやスキューズレを低減する処理が、色ずれ補正処理である。このような色ずれ補正処理により、温度変化などで各色トナー像の転写紙に対する形成位置が経時的にずれていくことに起因する画像の色ずれの発生を抑えることができる。」
(オ)「【0098】
図15は、二次転写のタイミングチャートの一例を示す図である。
図15に示すように、転写紙が二次転写ニップNに進入する前段階で、制御手段600は、カム50、51を駆動させて二次転写ローラ18に接触させ、二次転写ベルト204を中間転写ベルト8から離間させておく。そして、転写紙Pが、二次転写ニップNに進入する直前から、制御手段600は、カム50、51を駆動させ、中間転写ベルト8上の画像が二次転写ニップNに進入するとき、カム50、51を二次転写ローラ18から離間させる。これにより、転写紙Pに画像を二次転写するときは、所定の転写圧にすることができ、画像の先端部に白抜けなどが生じず、良好な画像を得ることができる。また、転写紙Pの先端が二次転写ニップに進入したときは、カム50、51が二次転写ローラ18に接触しており、二次転写ベルト204は、中間転写ベルト8から離間している。よって、転写紙Pの先端が二次転写ニップN に進入するときの負荷変動が抑制され、転写紙P進入時のショックジターを抑えることができる。
・・・
【0101】
二次転写ベルト204に転写するトナーパターンが、先の図6に示した階調パターンや先の図7に示した色ずれ検知画像の場合、光学センサ151でトナーパターンを検知しているときに、カムの接離動作を開始すると、以下の不具合が生じる。すなわち、カムの接離動作による振動やセンサのあおり角や焦点距離が変動して、高精度にトナーパターンを検知できない場合があるという不具合である。従って、図16に示すように、光学センサで、二次転写ベルト204上のトナーパターンの検知が終了してから、カム50,51を駆動させて、二次転写ベルト204を中間転写ベルト8から離間させてもよい。これにより、カムの接離動作による振動やセンサのあおり角や焦点距離の変動をなくせ、高精度にトナーパターンの検知ができる。その結果、高精度に各種フィードバックを実施することができる」
(カ)「図1
[図:0001419185000001.jpg]
」
(キ)「図16
[図:0001419185000002.jpg]
」

(ク)上記(エ)の段落【0059】の「シェブロンパッチPVと呼ばれるY、M、C、Kの各色トナー像からなるトナーパターンとしての色ずれ検知用画像を形成する」との記載、【0060】の「シェブロンパッチPV内の各色トナー像を検知することで、次のことを検出する。すなわち、各色トナー像における主走査方向(感光体軸線方向)の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置および主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ検出する。」、「光書込開始タイミングや面倒れを補正してレジストズレやスキューズレを低減する処理が、色ずれ補正処理である。」との記載より、各色トナー像からなるトナーパターンを検知することで、各色トナー像の位置のずれを検出・補正していると認められる。

(ケ)上記(イ)の段落【0020】の「中間転写ベルト8に二次転写ベルト204を当接させ、転写ニップたる二次転写ニップ形成している」との記載、上記(オ)の段落【0101】の「二次転写ベルト204に転写するトナーパターン」との記載、及び上記(カ)の図1から、トナーパターンは二次転写ニップで二次転写ベルトに転写されていることが認められる。

(コ)上記(キ)の図16から、トナーパターンの検知終了後に2枚目の転写紙の先端が二次転写ニップに進入していることが看取できる。上記(オ)の段落【0098】の「転写紙が二次転写ニップNに進入する前段階で、制御手段600は、カム50、51を駆動させて二次転写ローラ18に接触させ、二次転写ベルト204を中間転写ベルト8から離間させておく」との記載、上記(オ)の段落【0101】の「二次転写ベルト204上のトナーパターンの検知が終了してから、カム50,51を駆動させて、二次転写ベルト204を中間転写ベルト8から離間させてもよい」との記載、上記図16からの看取事項から、二次転写ベルト上のトナーパターンの検知が終了してから、二次転写ベルトを中間転写ベルトから離間させ、その後に転写紙の先端が二次転写ニップに進入していると認められる。

(サ)上記(イ)の段落【0020】の「二次転写ローラ18は図示しない駆動源により駆動され、二次転写ベルト204を回転させ、中間転写ベルト8に二次転写ベルト204を当接させ、転写ニップたる二次転写ニップ形成している」との記載、上記(エ)の段落【0055】の「光学センサユニット150の各光学センサ151Y,151M,151C,151K」との記載をふまえれば、上記(カ)の図1より、二次転写ベルト204は、二次転写ローラ18の位置に形成された二次転写ニップを通り、光学センサからなる光学センサユニット150の設置箇所へ進むことが看取できる。

(シ)上記(ケ)、(コ)、(サ)、上記(オ)の段落【0101】の「光学センサ151でトナーパターンを検知している」との記載から、二次転写ニップでトナーパターンが二次転写ベルトに転写し終わってから、トナーパターンが光学センサの設置箇所に進み、光学センサによるトナーパターンの検知が終了してから、転写紙の先端が二次転写ニップに進入していると認められる。

イ 引用文献1に記載された発明

前記アより、引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)

「転写紙の表面にフルカラー画像を形成する画像形成装置であって、
イエロー,マゼンタ,シアン,黒のトナー像を生成するためのプロセスユニットを備え、
プロセスユニットの下方には、像担持体たる無端状の中間転写ベルトを具備するベルト装置としての転写ユニットが配設され、トナー像は、中間転写ベルトのおもて面に重ね合わせて一次転写され、中間転写ベルトのおもて面にはトナー像が形成され、
中間転写ベルトのループ外側に配設された二次転写装置は、二次転写ベルトを有し、中間転写ベルトに二次転写ベルトを当接させ、転写ニップたる二次転写ニップ形成して、転写紙Pを二次転写ニップに送り込んで、トナー像を転写紙Pに一括二次転写し、
二次転写ニップで位置のずれを検出・補正するためのトナー像からなるトナーパターンを二次転写ベルトに転写し、二次転写ベルト上のトナーパターンを検知している光学センサを有し、
二次転写ニップでトナーパターンが二次転写ベルトに転写し終わってから、トナーパターンが光学センサの設置箇所に進み、光学センサによるトナーパターンの検知が終了してから、転写紙の先端が二次転写ニップに進入している、
画像形成装置。」

(3)対比

ア 対比

本件補正発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「転写紙」、「トナー像」、「中間転写ベルト」、「二次転写ベルト」、「二次転写装置」は、本件補正発明1の「記録用紙」、「トナー画像」、「像担持体」、「ベルト」、「転写手段」に相当する。

(イ)引用発明の「転写紙の表面にフルカラー画像を形成する画像形成装置」は、本件補正発明1の「記録用紙に画像を形成する画像形成装置」に相当する。

(ウ)引用発明の「位置のずれを検出・補正するためのトナー像からなるトナーパターン」は、本件補正発明1の「位置ずれ補正用パターン」に相当する。

(エ)引用発明は、「転写紙の表面にフルカラー画像を形成する画像形成装置であって」、「プロセスユニット」は、「イエロー,マゼンタ,シアン,黒のトナー像を生成する」ものであるところ、当該フルカラー画像は、画像形成装置の一般的な使用形態を踏まえれば、使用者が所望するものであることは明らかである。したがって、引用発明の「イエロー,マゼンタ,シアン,黒のトナー像を生成するためのプロセスユニット」は、本件補正発明1の「所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段」に相当する。また、引用発明の「位置のずれを検出・補正するためのトナー像からなるトナーパターン」もトナー像からなる以上、プロセスユニットで生成されていると認められるので、本件補正発明1の「形成手段」と引用発明の「プロセスユニット」とは、「位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する」ものとの概念で一致する。

(オ)上記(エ)より、引用発明は、「中間転写ベルト」に形成された「トナー像」も、「プロセスユニット」で生成され、何らかの画像に対応して形成されたものであるので、本件補正発明1の「トナー画像」と引用発明の「トナー像」は、「形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像」との概念で一致する。

(カ)引用発明は「中間転写ベルトに二次転写ベルトを当接させ、転写ニップたる二次転写ニップ形成して」いるので、引用発明の「二次転写ニップ」は、本件補正発明1の「像担持体とベルトとが当接する転写位置」に相当する。そして、引用発明は、「二次転写装置」において、「転写紙Pを二次転写ニップに送り込んで、トナー像を転写紙Pに一括二次転写」しているので、本件補正発明1の「転写手段」と引用発明の「二次転写装置」は、「像担持体とベルトとが当接する転写位置」において、「トナー画像」を「像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する」ものとの概念で一致する。

(キ)上記(オ)、(カ)より、本件補正発明1の「転写手段」と引用発明の「二次転写装置」は、「前記形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する」ものとの概念で一致する。

(ク)引用発明は、「二次転写ニップで」「トナー像からなるトナーパターンを二次転写ベルトに転写」しており、「二次転写ベルト」に転写された「トナーパターン」を形成する「トナー像」は「二次転写ベルト」と共に進行方向へ進行するものであることは自明であるので、本件補正発明1の「トナー画像」と引用発明の「トナー像」は、上記(ウ)からも、「転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像」との概念で一致する。

(ケ)引用発明は、「二次転写ベルト」上の「位置のずれを検出・補正するためのトナー像からなるトナーパターン」を「光学センサ」にて検知しているので、「二次転写ベルト」上の「トナー像」を検知するものと認められること、「位置のずれを検出・補正するためのトナー像からなるトナーパターン」は、光学センサの設置箇所に進むから、トナー像が当該設置個所に対応する所定の位置にて検知されることも自明であること、及び上記(ク)から、本件補正発明1の「検出手段」と引用発明の「光学センサ」は、「転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する」ものとの概念で一致する。

(コ)本件補正発明1にいう「前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離」についてみると、「該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端」の「該方向」は、「当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像」の「所定の方向」をいうと認められる。そうすると、上記(2)ア(カ)の図1からみて、ベルトやトナー画像が進行する「所定の方向」に「記録用紙の先端」があるのは、記録用紙の先端が転写位置に突入してベルトに触れる時点であると解されるから、本件補正発明1の「前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離」とは、記録用紙の先端が転写位置に突入する時点における位置ずれ補正用パターンの後端から記録用紙の先端までの距離を意味すると認められる。

一方、引用発明は、「二次転写ニップでトナーパターンが二次転写ベルトに転写し終わってから、トナーパターンが光学センサの設置箇所に進み、光学センサによるトナーパターンの検知が終了してから、転写紙の先端が二次転写ニップに進入している」ので、転写紙の先端が二次転写ニップに進入した時点では、トナーパターンの光学センサによる検知が終了して、トナーパターンの後端は光学センサを過ぎていると認められる。

このことは、転写紙の先端が二次転写ニップに進入した時点において、二次転写ニップ(転写紙の先端)の位置から光学センサによる検知が行われる位置までの二次転写ベルトに沿った経路の距離は、二次転写ニップ(転写紙の先端)からトナーパターンの後端までの二次転写ベルトに沿った経路の距離よりも短いことを意味することは明らかである。

そうすると、「光学センサによる検出が行われる位置から、トナーパターンの進行方向に対する上流に位置する二次転写ニップまでの距離」は、「トナーパターンの進行方向に対するトナーパターンの後端から、二次転写ベルトの進行方向に対する上流に位置する転写紙先端までの距離」より短いと認められる。

したがって、本件補正発明1の「画像形成装置」と引用発明の「画像形成装置」とは、「前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短い」ものとの概念で一致する。

そうすると、本件補正発明1と引用発明は、

「記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段と、
前記転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短いことを特徴とする、
画像形成装置。」

の点で一致し、本件補正発明1の発明特定事項は、すべて引用発明が備えているから、本件補正発明1と、引用発明とに差異はない。

したがって、本件補正発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない発明であって、特許出願の際、独立して特許を受けることが出来ないものであるから、本件補正は,特許法第17条の2第第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してされたものである。

4 審判請求人の主張について

審判請求人は、審判請求書において、「引例1は、転写材が転写ニップへ進入するまでの間に、像担持体から転写部材を離間させることを開示していますので、上記(A)の像担持体とベルトとが当接し、その当接した像担持体とベルトとの間に記録用紙が突入することを何ら開示するものではありません。 すなわち、引例1は、転写材が転写ニップへ進入する前に、転写部材を強制的に離間させ、それによって、ショックジッタの発生を抑制することを開示しており、転写部材が像担持体に当接した状態で、転写材が転写ニップに進入することについては何ら開示していません。」(主張1)、「また、引例1は、図16において、トナーパターン検知の立ち上がりが、検出位置を示し、トナーパターンの立ち下がりが、トナーパターンの後端を示し、2枚目の転写紙の先端が、転写紙の先端を示しておりますが、転写位置については開示しておりません。 仮に、2枚目の転写紙の先端を、転写位置としますと、引例1の図16の記載では、検出位置から転写位置までの距離(本願の第1の距離に相当)は、トナーパターンの後端から転写紙の先端までの距離(本願の第2の距離に相当)より長くなっております。 このため、引例1は、上記(B)の「前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短いという構成を何ら開示するものではありません。」(主張2)、令和6年7月11日提出の上申書において、「また、仮に、図16のタイミングチャートから検出位置と転写位置との距離、パターンの後端から用紙の先端までの距離を理解しようとしたとしても、以下に説明する通り、拒絶査定謄本における搬送方向の定義が本願発明のものとは異なっているため、引例と本願発明とは明らかに異なるものであります。 すなわち、引例1の図16では、1枚目、2枚目の転写紙が示されているところ、1枚目の転写紙に続いて2枚目の転写紙が搬送されることを鑑みると、図16の右側(2枚目の転写紙が記載されている側)が搬送方向における上流であり、図16の左側(1枚目の転写紙が記載されている側)が搬送方向における下流となります。 してみると、前置報告書でいうところの期間Aにおける二次転写ベルト204の移動距離は、検出位置から該検出位置よりも二次転写ベルト20の進行方向における「下流」に位置する前記転写位置までの距離ということになり、本願の請求項1における、「前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離」とは明らかに相違します。」(主張3)と主張する(スペースは改行を表す。)。

しかし、請求人の主張1については、上記第2 1(2)のとおり、本件補正発明1において、「像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段」と特定されるところ、「像担持体とベルトが当接する転写位置において」は、「記録用紙に転写する」ことが行われることが特定されるにすぎず、転写部材が像担持体に当接した状態で、転写材が転写ニップに進入する点については、特定されているとはいえない。したがって、上記主張1は、請求項の記載に基づくものではない。なお、本件補正発明1の「前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段」(A)については、上記第2 3(2)のとおり、引用発明が備えている。

次に、請求人の主張2について検討すると、本件補正発明1における「前記検出位置から該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短い」点については、上記第2 3(2)で判断したとおり、引用発明が備えている。

ここで、引用文献1の図16は、二次転写のタイミングチャートの他の例を示す図であり(段落【0010】)、図16における、「転写紙」、「画像」は、それぞれ2次転写ニップにおける「ある」「なし」のタイミングを示し、「トナーパターン検知」は、トナーパターンの「検知」「未検知」のタイミングを示している。そうすると、時系列として、トナーパターンが二次転写ニップにあった後、トナーパターンの検知が行われ、その後転写紙の先端が二次転写ニップにあることが見て取れる。このことは、上記第2 3(2)及び(3)で示した距離の関係を裏付けるものであって、なんら矛盾しない。請求人は、タイミングチャート上の2枚目の転写紙の先端を転写位置と仮定し、トナーパターンの検知位置との第1の距離をタイミングチャート上で求めているが、タイミングチャート上の位置は装置の位置ではなく、かつ、トナーパターンの二次転写が行われる時点は、二次転写位置にトナーパターンがあるときなのであって、その仮定において転写位置を誤認するものであるから採用できない。

さらに、主張3について検討すると、タイミングチャートの左右は、あくまで時系列の前後をいうのであって、画像形成装置における二次転写ベルト20の進行方向の上流下流を示すものではないから採用できない。そして、本件補正発明1における「第1の距離」、「第2の距離」の大小関係は、上記第2 3(2)で判断したとおり引用発明が備えている。

よって、請求人の主張はいずれも採用できない。

5 補正の却下の決定のむすび

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は上記第2のとおり却下された。

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、令和5年12月12日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の【請求項1】に記載された事項により特定される。すなわち、上記「第2 1(1)」【請求項1】に記載された事項により特定されたとおりのものと認める。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の理由とされた、令和5年10月10日付け拒絶理由通知書に記載した理由の概要は、以下の事項を含むものである。

(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

記

1.特開2015-166759号公報

3 引用文献

令和5年10月10日付けの拒絶理由通知書で引用された引用例、及び、その記載内容は上記「第2 2(2)イ」に記載したとおりである。

4 対比

本願発明1は、実質的に、本件補正発明1において、「転写位置」について、「該検出位置よりも前記方向に対する上流に位置する」との事項、「前記記録用紙の先端」について、「該位置ずれ補正用パターンの後端よりも該方向に対する上流に位置する」との事項を削除するものである。

そうすると、本願発明1と引用発明とを対比すると、上記「第2 3 (3)対比」での検討を勘案すると、両者は、

「記録用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
位置ずれ補正用パターンまたは所望の画像を、複数の色のトナー画像として形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成され、像担持体上に担持された前記所望の画像のトナー画像を、前記像担持体とベルトとが当接する転写位置において、前記像担持体と前記ベルトとの間に突入された前記記録用紙に転写する転写手段と、
前記転写位置において前記ベルト上に転写され、当該ベルトと共に所定の方向に進行する前記位置ずれ補正用パターンのトナー画像を、所定の検出位置において検出する検出手段と
を含み、
前記検出位置から前記転写位置までの第1の距離が、前記方向に対する前記位置ずれ補正用パターンの後端から前記記録用紙の先端までの第2の距離よりも短いことを特徴とする、
画像形成装置。」

の点で一致する。

そうすると、本願発明の発明特定事項は、すべて引用発明が備えているから、本願発明と、引用発明とに差異はない。

したがって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本願発明1は、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができないから、本願は、拒絶すべきものである。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2024-006719

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