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特許拒絶査定不服審判

2024-006606

患者固有の下顎骨移植片ケージ

審判番号
2024-006606
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-514559外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年04月18日
審決日
2025年08月05日
公報発行日
2026年01月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61F) / P18 .561-Z (A61F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
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特願2020-514559号「患者固有の下顎骨移植片ケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月14日国際公開、WO2019/049041、令和 2年11月19日国内公表、特表2020-533107号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年) 9月 5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年 9月11日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は概略以下のとおりである。 令和 2年 4月 6日提出 :翻訳文 令和 4年 9月28日付け :拒絶理由通知書 令和 4年12月28日提出 :意見書及び手続補正書 令和 5年 4月27日付け :拒絶理由通知書 令和 5年 9月21日提出 :意見書及び手続補正書 令和 5年12月15日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和 6年 4月18日提出 :審判請求書及び手続補正書 第2 令和 6年 4月18日提出の手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 6年 4月18日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおり補正された(下線は、補正箇所を示す。)。 「移植片封じ込めデバイスの作成方法であって、 プロセッサが、メッシュ移植片封じ込めデバイスの初期デジタル3Dモデルを前記移植片封じ込めデバイスを介して充填される下顎骨の標的空間の寸法に基づいて形成することであって、前記移植片封じ込めデバイスの前記3Dモデルは、頬側表面、舌側表面、上面、及び下面を介して前記プロセッサによって画定される、ことと、 前記プロセッサが、前記頬側表面及び前記舌側表面のうちの一方の位置を、前記頬側表面と前記舌側表面との間で前記移植片封じ込めデバイスの長手方向軸を通って延在する第1の中間平面に対して個別に調整して、前記プロセッサが、前記移植片封じ込めデバイスの前記3Dモデルの所望の部分に沿ってバルクを追加又は除去して、調整された3Dモデルを形成することと、 前記プロセッサが、前記調整された3Dモデルに基づいて、最終移植片封じ込めデバイスを形成することと、を含む、方法。」 2 本件補正の適否 本件補正後の請求項1は「前記プロセッサが、前記頬側表面及び前記舌側表面のうちの一方の位置を、前記頬側表面と前記舌側表面との間で前記移植片封じ込めデバイスの長手方向軸を通って延在する第1の中間平面に対して個別に調整して、前記プロセッサが、前記移植片封じ込めデバイスの前記3Dモデルの所望の部分に沿ってバルクを追加又は除去して、調整された3Dモデルを形成する」という構成を含むものである。 しかし、願書に最初に添付した特許請求の範囲には、上記「前記3Dモデル」すなわち、初期デジタル3Dモデルを調整する主体についての特定はない。 また、願書に最初に添付した明細書の記載においては、初期デジタル3Dモデルを調整する主体は「ユーザ」とされており(段落【0006】、【0010】、【0012】、【0013】、【0015】参照。)、「プロセッサ」が、頬側表面及び舌側表面のうちの一方の位置を、前記頬側表面と前記舌側表面との間で移植片封じ込めデバイスの長手方向軸を通って延在する第1の中間平面に対して個別に調整して、前記移植片封じ込めデバイスの前記3Dモデル(審決注:すなわち、初期デジタル3Dモデル)の所望の部分に沿ってバルクを追加又は除去して、調整された3Dモデルを形成することについては記載されておらず、「プロセッサ」がそのような初期デジタル3Dモデルの調整を行うことについて自明であるということもできない。 加えて、一般に設計対象となる3Dモデルを作成するCADにおいては、ユーザが入力するデータに基いて、スクリーン画面上に3Dモデルを描画することがプロセッサの機能であることが技術常識であることに照らすと、「プロセッサ」に対して3Dモデルの調整を行わせることは、新たな技術的事項に該当する。 よって、請求項1に係る本件補正は、新たな技術的事項を導入するものであり、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおりであるから、請求項1についての補正を含む本件補正は、特許法第17の2第3項に違反してなされたものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~19に係る発明は、令和5年 9月21日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項14に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「下顎骨を治療するための移植片封じ込めデバイスであって、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部まで延在し、前記長手方向軸に沿って内部を通って延在するチャネルを含むメッシュ本体を含み、前記メッシュ本体は、頬側表面、舌側表面、上面、及び下面を介して画定され、 前記メッシュ本体の寸法は充填される前記下顎骨の標的領域の寸法を介して画定され、 前記メッシュ本体の寸法が前記下顎骨の所望の治療計画に基づく前記標的領域の寸法に対して調整され、 前記メッシュ本体の前記頬側表面と舌側表面との間の距離及び前記頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方は、追加のプロテーゼ要素を必要とせずに、その中に歯科インプラントの一部分を収容するように選択される、移植片封じ込めデバイス。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、拒絶の理由として、概略次の理由を含む。 (進歩性)この出願の請求項14に係る発明は、その出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された下記引用文献1に記載された発明に基いて、その出願(優先日)前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:米国特許出願公開第2017/0216033号明細書 3 引用文献の記載事項及び引用発明 (1)引用文献1の記載 引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。また、訳は引用文献1のファミリー出願である特表2019-503255号公報による。)。 ア「0009] The present invention may be understood with reference to the following description and the appended drawings, wherein like elements are referred to with the same reference numerals. The present invention relates to the treatment of bone and, in particular, relates to treatments using bone grafts. Exemplary embodiments of the present invention describe a graft containment cage configured to be positioned in a gap or space in a target bone (e.g., the mandible) so that graft material may be packed therein to encourage and guide the generation of new bone in the gap/space. In one exemplary embodiment, the cage may be positioned between two separated portions of bone to generate new bone joining the separated portions of bone. It will be understood by those of skill in the art, however, that the graft containment cage may be inserted or positioned within any gap or space of the target bone including, for example, at an end of the bone, so that there is bone only on one side of the graft containment cage, or within a recessed space of the bone, so that three sides of the graft containment cage contact bone. The graft containment device of the exemplary embodiment is formed as a mesh defining openings through which the bone graft material packed inside the mesh may be vascularized and incorporated into the surrounding portions of bone as desired. The graft containment device may be utilized in conjunction with an attachment such as, for example, a fixation plate for aligning separated portions of bone. In another example, the graft containment device may be utilized with an attachment including a condylar head prosthesis. In particular, the graft containment device includes an attachment grasping feature which receives and holds a fixation plate, or other attachment, so that the fixation plate may be fixed relative to the graft containment device, e.g., to stabilize the separated portions of bone during the growth of the new connecting portion of bone. The graft containment device of one embodiment is sized, shaped and structured to treat defects of the mandible. Although the exemplary embodiment is shown and described as being used in treating a mandible, it will be understood by those of skill in the art that the graft containment device of the present invention may also be formed in different shapes and sizes to permit its use in treating other types of bone which would benefit from the use of a graft containment device along with a fixation plate or other attachment.」 (訳:本発明は、以下の説明及び添付の図面を参照して理解することができ、添付の図面において、類似の構成要素は同じ参照番号で指し示されている。本発明は骨の治療に関し、特に、骨移植片を用いる治療に関する。本発明の例示的な実施形態は、標的の骨(例えば、下顎骨)の隙間又は空間内に配置されるように構成されることによって、その隙間/空間内における新たな骨の生成を促し誘導するためにその中に移植片材料を充填することができる、移植片封じ込めケージを記載する。例示的な一実施形態では、ケージは、骨の分離された部分を接続する新たな骨を生成するために、骨の2つの分離された部分の間に配置することができる。しかしながら、当業者であれば、移植片封じ込めケージが、例えば、骨が移植片封じ込めケージの一方の側にしかないような骨の端、又は移植片封じ込めケージの3辺が骨と接触するような骨の凹部空間内などを含む、標的の骨の任意の隙間又は空間内に挿入又は配置されてもよいことを理解するであろう。例示的な実施形態の移植片封じ込めデバイスはメッシュとして形成され、メッシュは、メッシュ内に充填された骨移植材料を血管化し、所望のとおりに骨の周囲部分に組み込むことができる開口部を画定する。移植片封じ込めデバイスは、例えば、骨の分離された部分を位置合わせするための固定プレートなどのアタッチメントと併せて利用することができる。別の実施例では、移植片封じ込めデバイスは、顆頭プロテーゼを含むアタッチメントと共に利用されてもよい。具体的には、移植片封じ込めデバイスは、固定プレート又は他のアタッチメントを受けて保持するアタッチメント把持機構を含み、これによって、例えば骨の新たな接続部分の成長中に骨の分離された部分を安定化させるために、固定プレートを移植片封じ込めデバイスに対して固定させることができる。一実施形態の移植片封じ込めデバイスは、下顎骨の欠損を治療するための大きさ、形状、及び構造を有する。例示的な実施形態は下顎骨の治療で用いるように示され記載されているが、当業者であれば、本発明の移植片封じ込めデバイスはまた、固定プレート又は他のアタッチメントとともに移植片封じ込めデバイスを使用することで利益を受けるであろう他のタイプの骨の治療における使用が可能となるように、異なる形状及び大きさに形成されてもよいことを理解されるであろう。) イ「[0012] The body 104 of the graft containment device 102 extends longitudinally from a first end 112 to a second end 114 and generally defines a shape corresponding to the profile of the outer surface of the target bone-particularly, the mandible. For example, a shape and size of a body 104 corresponding to a missing portion of mandible may be formed as a mirror image of a corresponding portion of the mandible on the opposite side of the jaw with end portions specifically sized and shaped to match the ends of the separated portions of the mandible which the body is to join. The body 104 is formed via a strut framework 115 comprising a plurality of first struts 116 intersecting a plurality of second struts 118. In one embodiment, the first struts 116 may extend along a length of the body 104 while the second struts 118 extend substantially perpendicular to the first struts 116. It will be understood by those of skill in the art, however, that the first and second struts 116, 118 may have any of a number of configurations so long as the first and second struts 116, 118 intersect one another to form a mesh pattern. For example, the first and second struts 116, 118 may intersect one another at a non-perpendicular angle. The first and second intersecting struts 116, 118 define openings 120 through which bone graft material may be packed into an interior space 138 defined via the strut framework 115 of the body 104. As would be understood by those skilled in the art, the openings 120 are sized to achieve a desired level of vascularization while holding the graft material within the body 104. In addition, the openings 120 may be sized to permit bone graft material to be packed into the body 104 therethrough. Furthermore, as would be understood by those skilled in the art, the size of the openings 120 may vary at different locations on the body 104 depending on factors that may influence the ease of migration out of the body 104 such as the presence or absence of tightly surrounding tissue and the position of certain openings with respect to gravity. Thus, the openings 120 may be larger in areas surrounded tightly by tissue which will aide in holding the graft material within the body 104 while being made smaller in areas without such tissue that often face downward as does the lower surface of the mandible.」 (訳:移植片封じ込めデバイス102の本体104は、第1端112から第2端114まで長手方向に延び、概して、標的の骨、特に下顎骨の外表面の輪郭に対応する形状を画定する。例えば、下顎骨の欠損部に対応する本体104の形状や大きさを、顎の反対側にある下顎骨の対応する部分の鏡像として形成することができ、端部を、本体が接合すべき下顎骨の分離部分の端部に合う特定の大きさ及び形状とすることができる。本体104は、複数の第2のストラット118に交差する複数の第1のストラット116を備えるストラットフレームワーク115から形成されている。一実施形態では、第1のストラット116は本体104の長さに沿って延在してもよく、一方で第2のストラット118は第1のストラット116に略垂直に延在する。しかしながら、当業者であれば、第1及び第2のストラット116、118は、第1及び第2のストラット116、118が互いに交差してメッシュパターンを形成しさえすれば、多くの構成のいずれかを有してもよいことを理解するであろう。例えば、第1及び第2のストラット116、118は、垂直でない角度で互いに交差してもよい。第1及び第2の交差するストラット116、118は開口部120を画定し、この開口部120を介して、本体104のストラットフレームワーク115によって画定される内部空間138に骨移植材料を充填することができる。当業者であれば理解されるように、開口部120は、本体104内に移植片材料を保持しながら所望のレベルの血管新生が得られる大きさを有する。それに加えて、開口部120は、そこを介して本体104内に骨移植材料を充填することを可能にする大きさであってもよい。さらに、当業者であれば理解されるように、開口部120の大きさは、密に囲む組織の有無及び重力に対する特定の開口部の位置など、本体104外への移動の容易さに影響を与え得る要因によって、本体104の異なる場所で変動してもよい。よって、開口部120は、移植片材料を本体104内に保持するのを補助する組織によって密に囲まれている領域内ではより大きく、一方で下顎骨の下面のように下向きである場合が多い、そのような組織のない領域内では、より小さくされてもよい。) ウ「[0016] As shown in FIG. 3, the graft containment device 102 may also include a plurality of internal struts 140 extending laterally into the interior space 138 of the body 104. The internal struts 140 act to hold the graft material within the interior space 138 and to prevent migration of the graft material therein. In one embodiment, the internal struts 140 may extend substantially perpendicularly into the interior space 138, relative to the first and second struts 116, 118, from a point of intersection of the first and second struts 116, 118 with internal struts 140 positioned in any desired manner along the length of the body 104. For example, the internal struts 140 may be distributed throughout a length of the body 104 or only in portions thereof. As would be understood by those skilled in the art, the graft containment device 102 may include any number of internal struts 140 extending from any desired points along an interior of the strut framework 115 to achieve a desired control over migration of the graft material within the device 102.」 (訳:図3に示すように、移植片封じ込めデバイス102はまた、本体104の内部空間138内に横方向に延在する複数の内側ストラット140を含むこともできる。内側ストラット140は、移植片材料を内部空間138内に保持し、かつその中での移植片材料の移動を防止するように作用する。一実施形態では、内側ストラット140は、第1及び第2のストラット116、118に対して内部空間138内を略垂直に、第1及び第2のストラット116、118の交点から延在することができ、内側ストラット140は本体104の長さに沿って任意の所望の様態で配置されている。例えば、内側ストラット140は、本体104の長さ全体にわたって、又はその一部分のみに分布されてもよい。当業者であれば理解されるように、移植片封じ込めデバイス102は、デバイス102内での移植片材料の移動に対する所望の制御を達成するために、ストラットフレームワーク115の内部に沿った任意の所望の点から延びる任意の数の内側ストラット140を含むことができる。) エ「[0019] According to an exemplary method, the graft containment device 102 of the system 100 is custom built (e.g., by 3D printing) to suit a specific patient's bone dimensions and needs. In particular, a target bone (e.g., mandible) of a patient may be imaged to obtain bone dimensions defining an exterior size and shape of a target portion of the bone to be replaced by the graft, along with a length of a portion of the bone to be treated (i.e., a distance between separated portions of the bone). These dimensions may be used to enter design and build the device 102 using, for example, CAD software in conjunction with the 3D scan data. As indicated above, the graft containment device 102 may be built and printed using a resorbable material or any suitable biocompatible material. The fixation plate 110 may be similarly printed based on dimensions of the target area of the bone. In particular, a length and curvature of the fixation plate 110 may be selected to suit the patient's specific bone dimensions and the dimensions of the target area to be treated. A location of the bone fixation element receiving holes 130 may also be selected to suit the patient's specific needs and anatomy. For example, the plate 110 can be dimensioned so that fixation element receiving holes 130 will be positioned away from damaged or weakened portions of bone. The fixation plate 110, however, is not required to be customized and may be selected from one of a plurality of available fixation plates. Once the graft containment device 102 and/or the fixation plate 110 have been built, the system 100 may be used to treat the bone, as described below.」 (訳:例示的な方法によれば、システム100の移植片封じ込めデバイス102は、特定の患者の骨寸法及び需要に適合するように、カスタマム構築(例えば3D印刷によって)される。具体的には、患者の標的の骨(例えば、下顎骨)を撮像して、移植片に置き換えられる骨の標的部分の外形寸法及び形状を画定する骨寸法を、治療する骨の一部分の長さ(すなわち、骨の分離された部分間の距離)とともに得ることができる。これらの寸法は、例えば、CADソフトウェアを3Dスキャンデータと併せて用いて、設計を入力してデバイス102を構築するために用いられてもよい。上に示すとおり、移植片封じ込めデバイス102は、再吸収性材料又は任意の適切な生体適合性材料を用いて構築及び印刷することができる。固定プレート110も同様に、骨の標的領域の寸法に基づいて印刷されてもよい。具体的には、固定プレート110の長さ及び曲率は、患者の特定の骨寸法及び治療される標的領域の寸法に合わせて選択され得る。骨固定要素受容穴130の位置もまた、患者の特定の需要及び解剖学的特徴に適合するように選択されてもよい。例えば、プレート110は、固定要素受容穴130が骨の損傷を受けている又は弱くなっている部分から離れて配置されるように寸法決めすることができる。しかしながら、固定プレート110はカスタマイズする必要はなく、使用可能な複数の固定プレートのうちの1つから選択されてもよい。移植片封じ込めデバイス102及び/又は固定プレート110が構築されたら、システム100は、下に記載するとおり、骨を治療するのに使用され得る。) オ「【図1】 [図:0001430607000001.jpg] 」 カ「【図2】 [図:0001430607000002.jpg] 」 キ「【図3】 [図:0001430607000003.jpg] 」 (2)引用発明 上記(1)のイの下線部の記載及びオ~キの図面の記載からすれば、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 「下顎骨の外表面の輪郭に対応する形状を画定する移植片封じ込めデバイス102であって、移植片封じ込めデバイス102の下顎骨の欠損部に対応する本体104は、第1端112から第2端114まで長手方向に延び、本体104は、複数の第2のストラット118に交差する本体104の長さに沿って延在する複数の第1のストラット116を備えるストラットフレームワーク115から形成されており、 端部を、本体104が接合すべき下顎骨の分離部分の端部に合う特定の大きさ及び形状とすることができ、 第1及び第2の交差するストラット116、118は開口部120を画定し、この開口部120を介して、本体104のストラットフレームワーク115によって画定される内部空間138に骨移植材料を充填することができる、 移植片封じ込めデバイス102。」 4 対比 (1)引用発明の「移植片封じ込めデバイス102」は、上記3(1)アの下線部の記載からすれば、下顎骨の外表面の輪郭に対応する形状を有し、骨移植材料が充填され、下顎骨の欠損部に挿入されることにより、下顎骨を治療するものであるから、引用発明の「下顎骨の外表面の輪郭に対応する形状を画定する移植片封じ込めデバイス102」は、本願発明の「下顎骨を治療するための移植片封じ込めデバイス」に相当する。 (2)引用発明の「本体104」は、第1端112から第2端114まで長手方向に延び、複数の第2のストラット118に交差する本体104の長さに沿って延在する複数の第1のストラット116を備えるストラットフレームワーク115から形成されており、上記3(1)カの図面の記載に照らせば、当該ストラットフレームワーク115内にはチャネルが存在するから、長手方向軸に沿って内部を通って延在するチャネルを含むメッシュ本体と表現できる。また、当該「本体104」は、下顎骨の欠損部に対応するものであるから、下顎骨の欠損部に挿入された場合、当該ストラットフレームワーク115は、頬側表面、舌側表面、上面、及び下面を介して画定される。 よって、引用発明の「移植片封じ込めデバイス102の下顎骨の欠損部に対応する本体104は、第1端112から第2端114まで長手方向に延び、本体104は、複数の第2のストラット118に交差する複数の第1のストラット116を備えるストラットフレームワーク115から形成されて」いる点は、当該第1端112及び第2端114は、本体104の長手方向軸に沿った第1の端部及び第2の端部といえるから、本願発明の「長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部まで延在し、前記長手方向軸に沿って内部を通って延在するチャネルを含むメッシュ本体を含み、前記メッシュ本体は、頬側表面、舌側表面、上面、及び下面を介して画定され」る点に相当する。 (3)引用発明の「本体104」は、下顎骨の欠損部に対応するものであり、端部を本体104が接合すべき下顎骨の分離部分の端部に合う特定の大きさ及び形状とすることができるのであるから、当該本体104の寸法は全体として、挿入される下顎骨の標的領域の寸法を介して画定されている。 よって、引用発明の「端部を、本体が接合すべき下顎骨の分離部分の端部に合う特定の大きさ及び形状とすることができ」る点は、本願発明の「前記メッシュ本体の寸法は充填される前記下顎骨の標的領域の寸法を介して画定され」ている点に相当する。 (4)引用発明の「骨移植材料」は、機能及び構造上、本願発明の「歯科インプラント」に相当する。そして、引用発明の「第1及び第2の交差するストラット116、118」は開口部120を画定するメッシュ本体を構成するから、当該開口部120を介して、本体104のストラットフレームワーク115によって画定される内部空間138に骨移植材料を充填することは、本体104の頬側表面と舌側表面との間の距離及び頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方の中に骨移植材料の一部分を収容することである。 よって、引用発明の「第1及び第2の交差するストラット116、118は開口部120を画定し、この開口部120を介して、本体104のストラットフレームワーク115によって画定される内部空間138に骨移植材料を充填する」ことと、本願発明の「前記メッシュ本体の前記頬側表面と舌側表面との間の距離及び前記頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方は、追加のプロテーゼ要素を必要とせずに、その中に歯科インプラントの一部分を収容するように選択される」ことは、「メッシュ本体の頬側表面と舌側表面との間の距離及び頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方は、その中に歯科インプラントの一部分を収容するように選択される」限りで一致する。 上記(1)~(4)の対比からすれば、本願発明と引用発明は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】 「下顎骨を治療するための移植片封じ込めデバイスであって、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部まで延在し、前記長手方向軸に沿って内部を通って延在するチャネルを含むメッシュ本体を含み、前記メッシュ本体は、頬側表面、舌側表面、上面、及び下面を介して画定され、 前記メッシュ本体の寸法は充填される前記下顎骨の標的領域の寸法を介して画定され、 前記メッシュ本体の前記頬側表面と舌側表面との間の距離及び前記頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方は、その中に歯科インプラントの一部分を収容するように選択される 移植片封じ込めデバイス。」 【相違点1】 本願発明は、メッシュ本体の寸法が下顎骨の所望の治療計画に基づく標的領域の寸法に対して調整されるのに対し、引用発明は、本体104がそのようになっているか定かでない点。 【相違点2】 メッシュ本体の頬側表面と舌側表面との間の距離及び頬側表面と舌側表面との相対位置のうちの少なくとも一方が、その中に歯科インプラントの一部分を収容するように選択されるにあたって、本願発明では、追加のプロテーゼ要素を必要としないのに対し、引用発明では、そのように特定されていない点。 5 判断 以下、上記相違点について検討する。 (1)相違点1について: 引用文献1の上記3(1)ウの特に下線部の記載からすれば、引用発明の移植片封じ込めデバイス102は、特定の患者の骨寸法及び需要に適合するように、カスタマム構築(例えば3D印刷)されるのであり、例えば、CADソフトウェアを3Dスキャンデータと併せて用いて、設計を入力してデバイス102を構築する。ここで、歯科用インプラントを設計するCADにおいて、CADソフトウェアが、所望の治療計画に基づく標的領域の3Dスキャンデータの寸法に対して調整を行えることは技術常識であるから、上記相違点1に係る相違は実質的相違とはいえない。 また、仮に実質的な相違点であるとしても、上記技術常識に照らして、上記相違点1に係る構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。 (2)相違点2について: 引用文献1の上記3(1)ウの特に下線部の記載からすれば、引用発明は追加のプロテーゼ要素に相当する任意の数の内側ストラット140を含むことができるとされているにすぎない。また、上記3(1)キに示されるような追加のプロテーゼ要素に相当する任意の数の内側ストラット140が存在しなくても、本体104のストラットフレームワーク115は、ストラット116,118の存在により骨移植材料を収容することは構造上可能である。 よって、引用発明の具体的構成として、追加のプロテーゼ要素を必要としないものを採用することは当業者にとって容易である。 また、本願発明の作用効果は、引用発明から当業者が予測しうる程度のものであって、格別のものとは認められない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-006606

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決17件(デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド)
  • 2022-014106拒絶査定不服審判 / 2024-07-03 / 請求不成立関節を治療するための組成物及びキット
    同じ当事者: デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
  • 2022-020917拒絶査定不服審判 / 2023-08-30 / 請求不成立屈曲可能な移植片保持ケージ
    同じ当事者: デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
  • 2022-006307拒絶査定不服審判 / 2022-12-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)腱固定インプラントと器具
    同じ当事者: デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
  • 2021-005272拒絶査定不服審判 / 2022-03-03 / 原査定取消(特許/登録すべき)ワッシャプレート
    同じ当事者: デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
  • 2020-010585拒絶査定不服審判 / 2021-11-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)整形外科用の衝撃を付与する電気モータ駆動式器具
    同じ当事者: デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
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同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-000154拒絶査定不服審判 / 2026-06-17 / 請求不成立吸収材供給装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-013455拒絶査定不服審判 / 2026-05-27 / 請求不成立化学カイロ用の被酸化性金属粉末、及び化学カイロ
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-004205拒絶査定不服審判 / 2026-03-17 / 請求不成立眼科用合成グラフトパッチ
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-011953拒絶査定不服審判 / 2026-03-10 / 請求不成立パンツ型着用可能物品
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-012976拒絶査定不服審判 / 2025-10-01 / 請求不成立伸縮性のある多層管状創傷被覆材
    共通の条文: 特許法29条2項
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同じ論点・分野の審決(審決分類)801件(121・A61F、561・A61F)
  • 2022-018149拒絶査定不服審判 / 2025-07-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)使い捨て浮動吸収性コアおよび使い捨て浮動吸収性コアを含む使い捨て吸収性組立体なら…
    共通の審決分類: 121・A61F、561・A61F
  • 2023-014457拒絶査定不服審判 / 2025-06-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)サイドシームが改善された環状弾性ベルト
    共通の審決分類: 121・A61F、561・A61F
  • 2020-012324拒絶査定不服審判 / 2022-05-31 / 原査定取消(特許/登録すべき)吸収性物品
    共通の審決分類: 121・A61F、561・A61F
  • 2021-002480拒絶査定不服審判 / 2022-01-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)眼内レンズ挿入器具、眼内レンズ押出補助具および眼内レンズ挿入器具の製造方法
    共通の審決分類: 121・A61F、561・A61F
  • 2020-003659拒絶査定不服審判 / 2021-03-29 / 請求不成立弾性ベルトを有する着用可能物品
    共通の審決分類: 121・A61F、561・A61F

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