特許拒絶査定不服審判
2023-014457
サイドシームが改善された環状弾性ベルト
- 審判番号
- 2023-014457
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-515198外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年08月28日
- 審決日
- 2025年06月20日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (A61F) / P18 .561-WY (A61F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-515198「サイドシームが改善された環状弾性ベルト」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月 2日国際公開、WO2020/062866、令和 4年 1月 4日国内公表、特表2022-500185、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)5月3日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年9月25日、中国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和3年 3月18日 :翻訳文の提出
令和4年 1月27日付け:拒絶理由通知
同年 4月12日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 9月 8日付け:拒絶理由通知
同年12月26日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年 4月24日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月28日 :原査定の謄本の送達)
同年 8月28日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和5年8月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年8月28日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正後の特許請求の範囲の記載
令和5年8月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであり、この補正により、以下に示す<本件補正後の特許請求の範囲>に補正された(下線は、補正箇所を示す。)。
<本件補正後の特許請求の範囲>
「【請求項1】
長手方向及び横方向を有する環状弾性ベルト(104)であって、
前側ベルト(106)及び後側ベルト(108)であって、前記前側ベルト(106)及び後側ベルト(108)の各々が、第1の基材層(162)と、第2の基材層(164)と、前記第1の基材層(162)と前記第2の基材層(164)との間に接合された複数の弾性体(168)と、を含む弾性積層体であり、前記前側ベルト(106)及び前記後側ベルト(108)の各々が、前記第1の基材層(162)及び前記第2の基材層(164)のうちの少なくとも1つの折り畳み部(162FO)を更に含み、前記前側ベルト(106)の前記折り畳み部(162FO)が、前記前側ベルト(106)よりも短い長手方向寸法を有し、前記後側ベルト(108)の前記折り畳み部(162FO)が、前側ベルト(106)よりも短い長手方向寸法を有する、前側ベルト(106)及び後側ベルト(108)と、
前記前側ベルトの前記折り畳み部(162FO)及び前記後側ベルトの前記折り畳み部(162FO)が、前記環状弾性ベルト(104)の遠位縁部を協働的に画定するように、前記前側ベルト(106)及び前記後側ベルト(108)の側部縁部を接合する一対のサイドシームであって、前記サイドシームが、前記弾性積層体の材料を少なくとも部分的に溶融する熱風結合によって作製され、前記サイドシームが、その長手方向寸法の実質的全体に沿って、溶融した前記材料の連続性を有する、サイドシームと、を含み、
前記サイドシームは、前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質な圧縮面によって形成され、
前記サイドシームが、本明細書の測定による、少なくとも約6N/25mmのベルト最小剥離強度、18N/25mm以下のベルト最大剥離強度、及び15%以下の上部底部の差を有する、環状弾性ベルト(104)。
【請求項2】
前記サイドシームが、本明細書の測定による平均剥離強度を有し、組み合わされた前記第1及び第2の基材層(164)が、本明細書の測定による材料破断点を有し、前記平均剥離強度が、前記材料破断点の約20%~約50%である、請求項1に記載の環状弾性ベルト。
【請求項3】
前記第1の基材層(162)及び前記第2の基材層(164)の各々が、本明細書の前記測定による材料破断点を有し、前記材料破断点が、約8N未満である、請求項1又は2に記載の環状弾性ベルト。
【請求項4】
前記弾性体(168)は、前記前側ベルト(106)からの少なくとも1つの弾性体と、前記後側ベルト(108)からの少なくとも1つの弾性体とが前記サイドシームにおいて互いに重なり合うように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト。
【請求項5】
前記弾性体(168)が、様々な間隔で断続的に配置され、前記前側ベルト(106)上に配置された弾性体(168)の間隔のパターンが、前記後側ベルト(108)上に配置された前記弾性体(168)の間隔のパターンとは異なる、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト。
【請求項6】
前記前側ベルト及び前記後側ベルトが、前記折り畳み部を含む領域において、少なくとも約90gsmの最大坪量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト。
【請求項7】
前記前側ベルト(106)の長手方向寸法が、前記後側ベルト(108)の長手方向寸法とは異なり、前記前側ベルト(106)と前記後側ベルト(108)との前記遠位縁部が互いに一致する、請求項1~6のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト。
【請求項8】
前記第1の基材層(162)及び前記第2の基材層(164)は、坪量、剛性、及びテクスチャのうちの少なくとも1つが異なる不織布材料である、請求項1~7のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト。
【請求項9】
前記第1の基材層(162)及び前記第2の基材層(164)のうちの少なくとも1つが、複数の開口部又は結合部を有する、請求項8に記載の環状弾性ベルト。
【請求項10】
前記第1の基材層(162)が、カーディングされたエアスルー繊維から作製された不織布である、請求項8に記載の環状弾性ベルト。
【請求項11】
中央シャーシ(102)と、請求項1~10のいずれか一項に記載の環状弾性ベルト(104)と、を含む着用可能物品であって、前記中央シャーシ(102)が、前記前側ベルト(106)の中央から前記後側ベルト(108)の中央に架橋されている、着用可能物品。
【請求項12】
環状弾性ベルト(104)の製造方法であって、
連続的な第1の基材層(462)を機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ機械横断方向の幅を画定する、工程と、
連続的な第2の基材層(464)を前記機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第2の基材層(464)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ前記連続的な第1の基材層(462)よりも小さい幅を有する、工程と、
複数の弾性体(168)を延伸状態で前記機械方向に前進させる工程と、
前記連続的な第1の基材層(462)の前記第1の表面と前記連続的な第2の基材層(464)の前記第1の表面との間に前記弾性体(168)を接合する工程と、
アセンブリを前記機械方向に切断する工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)及び連続的な第2の基材層(464)が、連続的な前側ベルト(406)及び連続的な後側ベルト(408)を画定するように重ね合わせられる、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルトのうちの少なくとも1つの前記機械方向に沿って、前記連続的な第1の基材層(462)を折り畳む工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)の前記折り畳まれた部分が、連続的な折り畳み部(466FO)領域を画定する、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)の機械横断縁部が一致するように、前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)を重ね合わせる工程と、
加熱空気のジェットを方向づけて、前記連続的な前側ベルト(406)の基材及び前記連続的な後側ベルト(408)の基材を少なくとも部分的に溶融させ、かつアンビルロール(368)の外周面(370)と押圧部材(380)との間で、前記溶融した部分を圧縮することによって、取得された前記アセンブリを前記機械方向において断続的に且つ前記機械横断方向において連続的に継ぎ合わせる工程と、を含み、
前記前側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、前記後側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、
前記アンビルロールの前記外周面が、前記機械横断方向に交互に断続的な凹表面の繰り返しを有する溝付き領域(370G)と、前記断続的な凹表面を欠いている平坦領域(370F)とを含み、前記連続的な折り畳み部(466FO)領域が、圧縮時に前記アンビルロールの前記溝付き領域(370G)と出会うように構成されており、これにより、前記サイドシームが、本明細書の測定による、少なくとも約6N/25mmのベルト最小剥離強度、18N/25mm以下のベルト最大剥離強度、及び15%以下の上部底部の差を有するように形成され、前記サイドシームの圧縮面が、前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質である、製造方法。
【請求項13】
前記押圧部材(380)が、通常表面(423)と、凹表面(421)と、を含み、前記連続的な折り畳み部(466FO)領域が、前記押圧部材(380)の前記凹表面と出会うように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
環状弾性ベルト(104)の製造方法であって、
連続的な第1の基材層(462)を機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ機械横断方向の幅を画定する、工程と、
連続的な第2の基材層(464)を前記機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第2の基材層(464)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ前記連続的な第1の基材層(462)よりも小さい幅を有する、工程と、
複数の弾性体(168)を延伸状態で前記機械方向に前進させる工程と、
前記連続的な第1の基材層(462)の前記第1の表面と前記連続的な第2の基材層(464)の前記第1の表面との間に前記弾性体(168)を接合する工程と、
アセンブリを前記機械方向に切断する工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)及び前記連続的な第2の基材層(464)が、連続的な前側ベルト(406)及び連続的な後側ベルト(408)を画定するように重ね合わせられる、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルトのうちの少なくとも1つの前記機械方向に沿って前記連続的な第1の基材層(462)を折り畳む工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)の前記折り畳まれた部分が、連続的な折り畳み部(466FO)領域を画定する、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)の機械横断縁部が一致するように、前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)を重ね合わせる工程と、
加熱空気のジェットを方向づけて、前記連続的な前側ベルト(406)の基材及び前記連続的な後側ベルト(408)の前記基材を少なくとも部分的に溶融させ、かつアンビルロール(368)の外周面(370)と押圧部材(380)との間で、前記溶融した部分を圧縮することによって、取得された前記アセンブリを前記機械方向において断続的に且つ前記機械横断方向において連続的に継ぎ合わせる工程と、を含み、
前記前側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、前記後側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、
前記押圧部材(380)が、通常表面(423)と、凹表面(421)と、を含み、前記連続的な折り畳み部(466FO)領域が、前記押圧部材(380)の前記凹表面と出会うように構成されており、これにより、前記サイドシームが、本明細書の測定による、少なくとも約6N/25mmのベルト最小剥離強度、18N/25mm以下のベルト最大剥離強度、及び15%以下の上部底部の差を有するように形成され、前記サイドシームの圧縮面が、前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質である、製造方法。
【請求項15】
環状弾性ベルト(104)の製造方法であって、
連続的な第1の基材層(462)を機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ機械横断方向の幅を画定する、工程と、
連続的な第2の基材層(464)を前記機械方向に前進させる工程であって、前記連続的な第2の基材層(464)が、第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、かつ前記連続的な第1の基材層(462)よりも小さい幅を有する、工程と、
複数の弾性体(168)を延伸状態で前記機械方向に前進させる工程と、
前記連続的な第1の基材層(462)の前記第1の表面と前記連続的な第2の基材層(464)の前記第1の表面との間に前記弾性体(168)を接合する工程と、
アセンブリを前記機械方向に切断する工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)及び前記連続的な第2の基材層(464)が、連続的な前側ベルト(406)及び連続的な後側ベルト(408)を画定するように重ね合わせられる、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルトのうちの少なくとも1つの前記機械方向に沿って前記連続的な第1の基材層(462)を折り畳む工程であって、前記連続的な第1の基材層(462)の前記折り畳まれた部分が、連続的な折り畳み部(466FO)領域を画定する、工程と、
前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)の機械横断縁部が一致するように、前記連続的な前側ベルト(406)及び前記連続的な後側ベルト(408)を重ね合わせる工程と、
加熱空気のジェットを方向づけて、前記連続的な前側ベルト(406)の基材及び前記連続的な後側ベルト(408)の前記基材を少なくとも部分的に溶融させ、かつアンビルロール(368)の外周面(370)と押圧部材(380)との間で、前記溶融した部分を圧縮することによって、取得された前記アセンブリを前記機械方向において断続的に且つ前記機械横断方向において連続的に継ぎ合わせサイドシームを形成する工程と、を含み、
前記前側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、前記後側ベルトの前記折り畳み部が、前記前側ベルトよりも短い長手方向寸法を有し、
前記圧縮が、少なくとも2回実施され、
前記圧縮が、第1の圧縮及び第2の圧縮を含み、前記第1の圧縮及び前記第2の圧縮の圧縮領域が、前記サイドシームの長手方向寸法にわたって変化し、これにより、前記サイドシームが、本明細書の測定による、少なくとも約6N/25mmのベルト最小剥離強度、18N/25mm以下のベルト最大剥離強度、及び15%以下の上部底部の差を有するように形成され、前記サイドシームの圧縮面が、前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質である、製造方法。」
2 本件補正の適否(新規事項の追加の有無)について
本件補正が、願書に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載された事項の範囲内においてしたものであるかについて以下検討する。
(1) 本件補正の内容
ア 本件補正後の請求項1の記載は、前記1に示したとおりであるところ、本件補正により、本件補正前の「サイドシーム」について、「前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質な圧縮面によって形成され[た]」ものに補正された。
イ また、本件補正後の請求項12、14及び15の記載は、前記1に示したとおりであるところ、本件補正により、本件補正前の「サイドシーム」について、「前記サイドシームの圧縮面が、前記サイドシームの長手方向寸法に沿って均質である」ものに補正された。
(2) 当初明細書等の記載
そこで以下、サイドシームが、長手方向寸法に沿って均質な圧縮面によって形成されたことに関して、当初明細書等の記載を検討すると、当初明細書等には次の記載がある(下線は当合議体が付した。)。
「【0057】
上述したように、図3A、図3B、及び図5Cを参照すると、結合されるアセンブリの領域は、6つの基材層及び4つの基材層で作製された領域を含んでもよい。6つの層で作製された領域は、連続的な前側及び後側ベルト(406、408)の両方から来る連続的な折り畳み部(466FO)領域を含む。アセンブリの基材層の数のこのような差を考慮すると、シームの長手方向寸法に沿って均質な圧縮面を利用して、6層領域及び4層領域がただ1つの継ぎ合わせ工程で継ぎ合わされたとき、シーム強度は変化し得る。結果として得られる物品のシーム強度がサイドシームの長手方向寸法に沿って変化するとき、これは、より大きい上部底部差、高すぎるベルト最大剥離強度、又は低すぎるベルト最小剥離強度をもたらし得る。本発明の熱風結合部を形成するためのプロセスは、シーム強度のそのような差を防止する一方で、サイドシームが通常の使用条件に耐え、また使用後に開放しやすくなることを可能にする範囲内にシーム強度を保つための様々な方法を含んでもよい。具体的には、本プロセスは、4層領域と比較して、6層領域に対して比較的低い結合圧力を提供することができる。代替的に又は追加的に、本プロセスは、4層領域に1回を超える結合圧力を提供することができ、このようにして、4層領域に加えられる本来ならばより低い結合圧力を補償することができる。」
(3) 新規事項の判断
ア 【0057】についての検討
(ア) 前記(2)に示した段落【0057】には、「シームの長手方向寸法に沿って均質な圧縮面を利用して、6層領域及び4層領域がただ1つの継ぎ合わせ工程で継ぎ合わされたとき、シーム強度は変化し得る」こと、「本発明の熱風結合部を形成するためのプロセスは、シーム強度のそのような差を防止する」ことが記載されている。
(イ) そうすると、本発明は、サイドシームのシーム強度の差を防止するために、前記サイドシームを、長手方向寸法に沿って均質な圧縮面によって形成するのではなく、熱風結合部を形成するためのプロセスによって形成しているものと認められるから、段落【0057】には、前記(1)で示した、サイドシームが、長手方向寸法に沿って均質な圧縮面によって形成されることについては記載されていないし、段落【0057】の記載から自明であるとも認められない。
イ 小括
(ア) 前記アに示したとおり、前記(1)に示した本件補正後の請求項1、12、14及び15に記載された事項は、当初明細書等の段落【0057】の箇所には記載されていないし、当該箇所の記載から自明であるとも認められない。
(イ) また、当初明細書等のその他の箇所にも、前記(1)に示した事項について記載も示唆もされていない。
(ウ) したがって、本件補正により補正された前記(1)に示した事項は、当初明細書等には記載がなく、当初明細書等の記載から自明でもないから、かかる事項を含む本件補正は、当初明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
3 本件補正の適否についてのまとめ
以上のとおり、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであるとはいえないから、特許法17条の2第3項に規定する要件に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本件発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~15に係る発明は、令和4年12月26日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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