商標拒絶査定不服審判
2024-004804
ビジョンズ
- 審判番号
- 2024-004804
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-043191
- 請求日
- 2024年03月19日
- 審決日
- 2024年07月18日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社パラドックス
- 【請求人代理人】佐藤 勝
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-WY (W09) / T18 .262-WY (W09) / T18 .263-WY (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 43191拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月5日に出願された商願2020-24116に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として同3年4月9日に出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月26日付け:拒絶理由通知書
令和3年 6月15日 :上申書
令和5年10月18日付け:通知書
令和5年11月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年12月13日付け:拒絶査定
令和6年 3月19日 :審判請求書の提出
令和6年 3月22日 :上申書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第9類「電子出版物」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4942713号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成17年9月28日登録出願、第16類「週刊雑誌」を指定商品として、同18年4月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、樹木をモチーフにしたとおぼしき緑色及び茶色からなる図形を配し、その右側にやや丸みを帯びた書体の「visions」の文字を濃い灰色で横書きしてなるものである。
そして、その構成中の図形部分と文字部分とは、明らかに分離して配置されており、色彩も異なることから、視覚上、分離して看取されるものである。
また、本願商標構成中の「visions」の文字は、「未来像、イメージ」(出典:「新英和中辞典 第七版」株式会社研究社)などを意味する平易な英語「vision」の複数形と考えられることから、これが同構成中の樹木をモチーフにしたと考えられる図形と観念的に結合しているともいえない。
そうとすると、簡易迅速を旨とする取引の実情においては、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「visions」の文字部分に注目し、これをもって取引に資することも決して少なくないものというのが相当であるから、同文字部分のみを分離抽出し、これが本願商標の自他商品の識別標識を表示する要部であるとして、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その要部たる「visions」の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「ビジョンズ」の称呼を生じ、また、「(複数の)未来像、イメージ」ほどの観念を生じるものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、毛筆風に「Vision」の文字を赤色で横書きし、そのうち「V」の字の右側は「n」の字の左上まで円弧状に伸びているものであって、また、「V」の字の上に1字ずつ四角の枠で囲まれた「週刊」の文字を青色で小さく横書きし、さらに、「n」の文字の右側に「岡山」の文字を青色で縦書きしてなるものである。
そして、その構成中、「Vision」の文字と「週刊」及び「岡山」の文字とは、重なり合うことなく分離して配置されている上、文字の書体や色彩も異なることから、視覚上、分離して看取されるものである。
また、同構成中、「Vision」の文字は、上記(1)のとおり、「未来像、イメージ」などを意味する平易な英語であり、「週刊」の文字は、「1週間に1度刊行すること。また、その刊行物」を、「岡山」の文字は、「中国地方の県」又は「岡山県南部の市」を、それぞれ意味する語(出典:「広辞苑 第七版」)である。そして、引用商標の指定商品が「週刊雑誌」であることからすると、引用商標の構成中「週刊」の文字は、その商品の品質(刊行周期)を表示しているといえ、また、「岡山」の文字は、商品の品質(内容)、製造地又は販売地を表示するものと認識し得るものであるから、両文字は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が弱いものといえる。そうすると、引用商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「Vision」の文字部分に注目する場合もあるものといえ、また、その指定商品との関係においては、「Vision」及び「岡山」の文字部分を捉えて週刊雑誌の題号として理解する場合もあるものといえる。
以上のことからすると、簡易迅速を旨とする取引の実情においては、引用商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「Vision」の文字部分や、これと「岡山」の文字とを組み合わせた「Vision」「岡山」の文字部分に注目し、取引に資することも決して少なくないものというのが相当であるから、それらを分離抽出し、引用商標の自他商品の識別標識を表示する要部であるとして、本願商標と比較することが許されるというべきである。
そうすると、引用商標からは、構成文字全体に相応した「シューカンビジョンオカヤマ」の称呼のほか、「Vision」の文字部分(以下「引用要部1」という。)に相応した「ビジョン」の称呼、並びに、「Vision」及び「岡山」の文字部分(以下「引用要部2」という。)に相応した「ビジョンオカヤマ」の称呼が生じ、また、引用要部1から「未来像、イメージ」ほどの観念が生じ、引用要部2から「岡山県又は岡山市の未来像、岡山県又は岡山市のイメージ」ほどの観念が生じるものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては明らかに相違するものであり、本願要部と引用要部1との対比においては、「vision(Vision)」のつづり字を共通にするものの、語尾の「s」の字の有無が異なり、文字の書体及び色彩は明らかに異なるものであって、また、本願要部と引用要部2との対比においては、それらの相違点に加えて「岡山」の文字の有無も異なるものである。
そして、称呼においては、本願商標から生じる「ビジョンズ」と、引用商標から生じる「ビジョン」とでは、3音ないし4音という短い構成において、語尾の「ズ」の音の有無において異なるものであり、また、引用商標から生じるその他の称呼「シューカンビジョンオカヤマ」又は「ビジョンオカヤマ」とでは、全体の語調、語感が明らかに異なるものである。
また、観念においては、本願商標から生じる「(複数の)未来像、イメージ」と、引用商標から生じる「未来像、イメージ」とでは、共通するといえるものの、引用商標から生じるその他の観念「岡山県又は岡山市の未来像、岡山県又は岡山市のイメージ」とでは、「岡山県又は岡山市の」の意味合いの有無において相違するものである。
以上のことを踏まえ、本願商標及び引用商標に係る指定商品の主たる需要者において商品選択の際に普通に払われる注意力を基準として、本願商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して判断すると、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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