商標拒絶査定不服審判
2021-014944
ジョセーシュチョーニヨルビジョンネットワーク、ジョセーシュチョーニヨル、ビジョンネットワーク、ビジョン、ネットワーク、ジョセーシュチョー
- 審判番号
- 2021-014944
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-021489
- 請求日
- 2021年11月04日
- 審決日
- 2022年02月17日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東京都
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-21489拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおり、図形の右に「女性首長によるびじょんネットワーク」の文字を中央に線を配して二段に表してなり、第41類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、令和2年2月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月16日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月6日に意見書が提出されたが、同年7月26日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6065553号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの図形を表してなり、平成29年6月2日に登録出願、第35類、第41類及び第44類に属する別掲4のとおりの役務を指定役務として、同30年7月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、図形の右に「女性首長によるびじょんネットワーク」の文字を中央に線を配して二段に表してなるところ、図形部分と文字部分は、視覚上、明確に分離して看取されるものであり、それぞれ相互に観念上、密接な関連性があるとはいえず、各構成部分を結合して意味を持たせるようなつながりもないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。
そうすると、本願商標は、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して出所識別標識としての機能を果たすものというのが相当であって、その構成中の図形部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
ところで、当該図形は、赤い紐を花の形に結んだ様を表した図形と見受けられるところ、別掲5に示すとおり、水引の「菜の花結び」(別掲5(1))と同様の形であると認められる。さらに、「梅結び」(同(2))、「桜結び」(同(3))、「菊結び」(同(4))、「大輪結び」(同(5))など、花の形の結びが各種存在することからすると、紐を花の形に結ぶことは通常行われており、そのような形が各種のデザインとして採用されることも想定し得ることであり、本願商標の図形部分が「菜の花結び」であることまでは認識しないとしても、「花の形の結び」程度の認識を想起するものといえる。
したがって、本願商標の図形部分からは、称呼は生じず、「花の形の結び」程度の観念が生じるというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲3のとおりの構成よりなり、濃い赤色、普通の赤色、薄い赤色の三色の赤系統の紐を花の形に結んだ様を表した図形からなるものであり、称呼は生じず、上記(1)と同様の理由から、「花の形の結び」程度の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の図形部分と引用商標とは、いずれも「花の形の結び」を表した図形であり、紐の通し方の上下において違いはあるものの、ほぼ同一の形状である。また、本願商標の図形部分は赤色一色であるのに対し、引用商標は外側から濃い赤色、普通の赤色、薄い赤色の三色からなるものである。そして、別掲5に示すとおり、祝事・進物用の水引には赤色が用いられることが一般的であることからすると、「菜の花結び」を赤系統の色彩の図形で表すことには、何ら意外性はないのであるから、本願商標の図形部分と引用商標に接する取引者、需要者が、同じ赤系統の色彩の差異を子細に観察し、その違いを明確に認識して区別するというよりは、いずれも一般的に採択され得る赤系統の色彩が施された花の形の結びとして、それらの外観を捉えるものとみるのが自然である。
そうすると、紐の通し方の上下や色彩において多少の差異はあるものの、本願商標の図形部分と引用商標は、外観において類似するものというべきである。
したがって、本願商標の図形部分と引用商標は、称呼において比較できず、「花の形の結び」の観念を共通にし、外観において類似するものであるから、両者の外観、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中「セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会に関する企画・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),運動施設の提供」は、引用商標の指定役務中「運動の指導又は教授,技芸・スポーツ又は知識の教授(人材派遣によるものを含む),セミナーの企画・運営・開催又はこれらに関する情報の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),運動施設の提供」と同一又は類似である。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の図形部分の色構成は赤一色よりなるところ、引用図形の色構成は、「外縁から内縁」にかけて「等間隔」で「赤色、桃色、薄橙色の3色」の構成よりなるものであり、このような色構成、配置とすることにより、看者は、一色の構成と比較してより色鮮やかな印象を受けるといい得るものであり、このような相違が外観上の構成全体に与える影響は極めて大きいものといわなければならないと主張する。
しかしながら、上記(3)のとおり、当該形状の図形には一般的に赤系統の色彩が採択され得るものであり、本願商標の図形部分及び引用商標に赤系統の色彩が採用されることに意外性はなく、そのような実情にあって、これらを離隔的に観察するときに、同じ赤系統の範囲内での色彩の相違が、外観上の構成全体に与える影響は極めて大きいものとはいえず、両商標の外観は、相紛らわしいものといわざるを得ない。
イ 請求人は、本願商標の図形部分の右方には、二段併記により構成される文字部分が顕著に大書されているものであるから、本願商標全体に接する取引者、需要者は、一見すると図形部分から受ける印象よりも文字部分より受ける印象の方が大きいものであること、また、最高裁判所による判例(最判平成3年(行ツ)第103号平成5年9月10日判決)によれば、本願商標の類否判断に際しては、本願商標構成中の図形部分のみを抽出し、この一部分だけを引用図形と比較してその類否を判断することは到底許されるべきではないと主張する。
しかしながら、結合商標について最高裁判決が示している判断規範としては、最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決(同昭和37年(オ)第953号)において、「商標はその構成部分全体によつて他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定するがごときことが許されないのは、正に、所論のとおりである。しかし、簡易、迅速をたつとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によつて称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによつて簡略に称呼、観念され、1個の商標から2個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである」と述べているとおり、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、その一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することも許されると解釈されるものである。
そして、本願商標は各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められないことから、図形部分と文字部分が、それぞれ独立して出所識別標識としての機能を果たすものというのが相当であって、その構成中の図形部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであることは、上記(1)のとおりである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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