特許拒絶査定不服審判
2024-001330
血管内治療部位アクセス
- 審判番号
- 2024-001330
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-026471外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年01月25日
- 審決日
- 2025年09月24日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マイクロベンション インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】舛谷 威志
- 【請求人代理人】大谷 元
- 分類
- P18 .121-WZ (A61M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-26471「血管内治療部位アクセス」拒絶査定不服審判事件〔令和4年6月7日出願公開、特開2022-84621〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)2月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年2月10日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2018-561192号の一部を、令和4年2月24日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和 4年 3月25日 :手続補正書の提出
令和 4年 7月11日 :手続補正書及び上申書の提出
令和 5年 2月15日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 5月18日 :意見書の提出
令和 5年 8月31日付け:拒絶査定
令和 6年 1月25日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和 7年 3月13日付け:拒絶理由通知書
令和 7年 6月17日 :意見書及び手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~18に係る発明は、令和7年6月17日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
血管分岐領域を介して進行するために用いられるマイクロカテーテルであって、
第一のセクションと、
前記第一のセクションに対して遠位の第二のセクションと、を含み、
前記第二のセクションは、前記第一のセクションの外径よりも大きい最大外径を有し、
前記第二のセクションの前記最大外径は前記マイクロカテーテルの最大断面部分であり、
前記第二のセクションは、遠位放射線不透過性マーカーを含む遠位部分を有し、
前記第二のセクションは、近位放射線不透過性マーカーを含む近位部分を有し、
進行構成において、(1)前記遠位放射線不透過性マーカーおよび前記近位放射線不透過性マーカーは、外側ガイドカテーテルの第三の放射線不透過性マーカーの両側に位置し、(2)前記第二のセクションの前記遠位部分は、前記外側ガイドカテーテルの遠位先端を越えて遠位に位置し、(3)前記第二のセクションの前記近位部分は、前記外側ガイドカテーテルの内腔内の空間を占めるように位置することを特徴とするマイクロカテーテル。」
第3 拒絶の理由
令和7年3月13日付けで通知した拒絶理由は、次の理由を含むものである。
1(進歩性)本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:米国特許出願公開第2016/0022964号明細書
引用文献2:特表平8-502679号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特表2002-515773号公報(周知技術を示す文献)
第4 各引用文献の記載事項及び引用発明
1 引用文献1の記載事項及び引用発明
(1)引用文献1には、次の事項が記載されている。なお、和訳は当審で作成した。また、下線は当審で付したものである(以下同様。)。
ア「[0031] In particular, intracranial access systems (IAS) 10 that can facilitate the movement of a larger diameter catheter through sections of a patient's vasculature having a high curvature are described.
[0032] In a first embodiment, as shown in FIG. 3, the intracranial access system 10 comprises a distal tip section 12, an expanded section 14 and a proximal support section 16. The IAS may include a distal access catheter 18. As described in greater detail below, a middle portion of the IAS 14b is of a diameter that fits into and supports a distal end 18a of the DAC. The IAS will typically have a total length of about 2 m.
Distal Tip Section 12
[0033] The distal tip section 12 is generally a thin wire having a pre-formed or formable tip 12d enabling intracranial access. The wire will have an appropriate atraumatic coating 12e for intracranial use and will typically have an outer diameter A of 0.014-0.016 inch. The length B of distal tip section will be in range of 12-24 cm. The internal wire may extend the entire length of IAS.
Expanded Section 14
[0034] The expanded section 14 provides a tapered transition from the narrower distal tip section 12 to the wider inner diameter C of a DAC 18. In the context of this description, a “taper” is generally referred to as a change in diameter from one section of the IAS to another. That is, a taper implies a narrowing of diameter from a thicker region or a widening of diameter from a narrower region to a thicker region. The purpose of the expanded section is to prevent separation of the distal edge 18a of the DAC from the narrower distal tip section 12 as the distal region is being advanced and particularly as the distal region and DAC are being moved through areas of high vascular curvature.
[0035] As shown, the expanded section 14 includes a distal tapered section 14a, a cylindrical central section 14b and a proximal tapered section 14c. The central section 14b will have an outer diameter D generally corresponding to the inner diameter C of the distal end of the DAC. As shown, the DAC may also include a DAC tapered section 18b that transitions the DAC from a narrower distal diameter C to a wider proximal diameter F.
[0036] Importantly, the IAS (namely the distal tip, expanded and proximal support sections) and DAC can move independently of each other. The IAS is steerable. It would be expected that a skilled operator would advance the IAS first and subsequently advance the DAC over the IAS. The configuration would be maintained in a way that generally the distal end of the DAC would remain fixed in relation to expanded section 14 of the IAS to allow for smooth transition.」
(和訳)[0031] 特に、患者の血管系の高い曲率を持つ部分を通過するより大径のカテーテルの移動を容易にする頭蓋内アクセスシステム(IAS)10が説明される。
[0032] 第1の実施形態において、図3に示すように、頭蓋内アクセスシステム(IAS)10は、遠位先端部12、拡張部14、及び近位支持部16を含む。IASは、遠位アクセスカテーテル(DAC)18を備えることができる。以下で詳述するように、IASの中間の部分14bは、DACの遠位端部18aの中に収まり支持する直径を有する。IASの全長は通常約2メートルである。
遠位先端部12
[0033] 遠位先端部12は、一般的に、頭蓋内アクセスを可能にする予め形作られた又は形作ることができる先端12dを有する細いワイヤーである。このワイヤーは、頭蓋内使用に適した非外傷性コーティング12eを有し、通常、外径Aは0.014~0.016インチである。遠位先端部の長さBは12~24センチメートルの範囲である。内部ワイヤーは、IASの全長にわたって延びることができる。
拡張部14
[0034] 拡張部14は、より細い遠位先端部12から、DAC18のより広い内径Cへのテーパー状の移行を提供する。この説明の文脈において、「テーパー」とは、一般的に、IASのある部分から別の部分への直径の変化を指す。つまり、テーパーは、より太い領域からの直径の狭まり、又はより狭い領域からの直径の広がりを意味する。拡張部の目的は、遠位領域が前進する際、特に遠位領域及びDACが高い曲率の血管の領域を通過する際に、DACの遠位端部18aが細い遠位先端部12から分離するのを防ぐことである。
[0035] 図示されるように、拡張部14は、遠位テーパー部14a、円筒状の中央部14b、及び近位テーパー部14cを含む。中央部14bは、DACの遠位端の内径Cに概ね対応する外径Dを有する。図示されるように、DACは、細い遠位直径Cから広い近位直径FへDACを移行させるDACテーパー部18bを含むこともある。
[0036] 重要な点として、IAS(すなわち、遠位先端部、拡張部、及び近位支持部)とDACは互いに独立して移動することができる。IASは操縦可能である。熟練したオペレーターは、まずIASを前進させ、その後にDACをIAS上で前進させるものと想定される。この構成は、一般的にDACの遠位端がIASの拡張部14に対して留められた状態を維持するように保たれ、スムーズな移行を可能にする。
イ「[0038] The outer diameter D of the central section 14b will be approximately 0.058 inches and will be capable of moving through a curve having a 1-1.5 cm diameter.」
(和訳)[0038] 中央部14bの外径Dは約0.058インチであり、直径が1~1.5センチメートルの曲線を通過する能力を有する。
ウ「Proximal Support Section 16
[0040] The proximal support section 16 will typically have an outer diameter H of about 0.035 inches and have sufficient axial compressive strength enable the distal tip section 12 to be pushed forward and sufficient torsional strength for turning of the distal tip section 12.」
(和訳)近位支持部16
[0040] 近位支持部16は、通常、外径Hが約0.035インチであり、遠位先端部12を前方に押し出すのに十分な軸方向圧縮強度と、遠位先端部12を回転させるのに十分なねじれ強度を有する。
エ「[0043] FIG. 3A shows an assembly of an IAS with FIGS. 3B, 3C and 3D showing an outer DAC 18, expanded section 14 and inner wire 12a.」
(和訳)[0043] 図3Aは、IASのアセンブリを示しており、図3B、3C及び3Dは、外側のDAC18、拡張部14及び内部ワイヤー12aを示している。
オ 図3「
[図:0001432455000001.jpg]
」
カ 図3A~3D「
[図:0001432455000002.jpg]
」
キ 図3を参照すると、遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端が頭蓋内アクセスシステム(IAS)10の拡張部14に対して留められた状態(段落[0036])において、拡張部14は、遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端を越えて位置する遠位部分と、遠位アクセスカテーテル(DAC)18内に位置する近位部分とを有する。
(2)引用発明
上記(1)を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「患者の血管系の高い曲率を持つ部分を通過するより大径のカテーテルの移動を容易にする頭蓋内アクセスシステム(IAS)10であって、
頭蓋内アクセスシステム(IAS)10は、遠位先端部12、拡張部14、及び近位支持部16を含み、
拡張部14は、遠位テーパー部14a、円筒状の中央部14b、及び近位テーパー部14cを含み、
中央部14bは、遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端の内径Cに概ね対応する外径Dを有し、
遠位先端部12の外径Aは0.014~0.016インチであり、中央部14bの外径Dは約0.058インチであり、近位支持部16の外径Hは約0.035インチであり、
拡張部14は、遠位部分と、近位部分とを有し、
遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端が頭蓋内アクセスシステム(IAS)10の拡張部14に対して留められた状態において、拡張部14の遠位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端を越えて位置し、拡張部14の近位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18内に位置する頭蓋内アクセスシステム(IAS)10。」
2 周知技術を示す文献の記載事項
(1)引用文献2の記載事項
引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア 35ページ1~18行
「注入カテーテル200の血管腔内における長手方向の位置決めを促進すると共に、拡張カテーテルの膨張部材(例えば、バルーン)と注入アレイ216とを軸方向へ適正に整列させるために、放射線不透過マーカーが注入カテーテル200上に設けられたよい。図18A-18Cに示された好適態様において、放射線不透過マーカー282は1以上の補剛要素226上に設置される。マーカー282は、例えば、金、プラチナ等の放射線不透過材を補剛要素226上へメッキすることにより形成される。拡張カテーテルDCは同様に放射線不透過マーカー284を有していてよく、このマーカーは典型例として膨張要素280の内部でカテーテルDCの内部シャフト286上に形成される。図18Aに示された1態様において、少なくとも2つのマーカー282が注入アレイ216の中心部にある補剛要素226上に設置され、このマーカーは、通常、拡張カテーテルDC上のマーカー284の長さと同一または僅かに大きい間隔を相互間において分離、設置される。このように、放射線不透過画像装置による視覚表象化により、マーカー282は補剛要素226上の複数マーカー282間に拡張カテーテルマーカー284を一致させることにより注入アレイ216と膨張要素280との軸の整列を促進する。注入アレイ216を治療部位に隣接して位置決めするために、マーカー282は、更に、血管内の注入カテーテル200の位置の映像表示を可能にする。」
イ【図18A】「
[図:0001432455000003.jpg]
」
(2)引用文献3の記載事項
引用文献3には、次の事項が記載されている。
ア 30ページ7~14行
「血管形成バルーンを、X線透視によってRESC10の放射性拡張部分に整列させるには、米国特許第5,336,178号(引用により本願明細書に組み込まれる)および同時係属出願第08/222,143号(代理人事件番号第15509-2-2号;先の引用により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、RESC10上の離間したマーカー(図示せず)と、バルーンカテーテル上の中心マーカー37(図2参照)とを設けるのが望ましい。この方法では、中心マーカー37をRESC10上の離間したマーカーの間に位置させて、RESC10をバルーンカテーテル34上の中心マーカー37に整列させればよい。」
イ【図2】「
[図:0001432455000004.jpg]
」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「頭蓋内アクセスシステム(IAS)10」は、引用文献1の図3及び図3Cを参照すると管状であるから、「カテーテル」である。そして、そのサイズは「遠位先端部12の外径Aは0.014~0.016インチであり、中央部14bの外径Dは約0.058インチであり、近位支持部16の外径Hは約0.035インチであ」るから、引用発明の「患者の血管系の高い曲率を持つ部分を通過するより大径のカテーテルの移動を容易にする頭蓋内アクセスシステム(IAS)10」と、本願発明の「血管分岐領域を介して進行するために用いられるマイクロカテーテル」とは、「マイクロカテーテル」の限りで一致する。
(2)引用発明の「近位支持部16」は、本願発明の「第一のセクション」に相当する。また、引用発明の「拡張部14」は、近位支持部16に対して遠位であるから、本願発明の「前記第一のセクションに対して遠位の第二のセクション」に相当する。
(3)引用発明の「遠位先端部12の外径Aは0.014~0.016インチであり、中央部14bの外径Dは約0.058インチであり、近位支持部16の外径Hは約0.035インチであ」ることは、中央部14bの外径Dが「近位支持部16の外径H」よりも大きく、中央部14bの外径Dが頭蓋内アクセスシステム(IAS)10の最大断面部分であるから、本願発明の「前記第二のセクションは、前記第一のセクションの外径よりも大きい最大外径を有し、前記第二のセクションの前記最大外径は前記マイクロカテーテルの最大断面部分であ」ることに相当する。
(4)引用発明の「遠位アクセスカテーテル(DAC)18」は、その機能及び構成からみて、本願発明の「外側ガイドカテーテル」に相当する。そして、引用発明の「拡張部14は、遠位部分と、近位部分とを有し、」「遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端が頭蓋内アクセスシステム(IAS)10の拡張部14に対して留められた状態において、拡張部14の遠位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端を越えて位置し、拡張部14の近位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18内に位置する」ことは、本願発明の「前記第二のセクションは、」「遠位部分を有し、」「前記第二のセクションは、」「近位部分を有し、」「進行構成において、」「(2)前記第二のセクションの前記遠位部分は、前記外側ガイドカテーテルの遠位先端を越えて遠位に位置し、(3)前記第二のセクションの前記近位部分は、前記外側ガイドカテーテルの内腔内の空間を占めるように位置する」ことに相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、
「マイクロカテーテルであって、
第一のセクションと、
前記第一のセクションに対して遠位の第二のセクションと、を含み、
前記第二のセクションは、前記第一のセクションの外径よりも大きい最大外径を有し、
前記第二のセクションの前記最大外径は前記マイクロカテーテルの最大断面部分であり、
前記第二のセクションは、遠位部分を有し、
前記第二のセクションは、近位部分を有し、
進行構成において、(2)前記第二のセクションの前記遠位部分は、前記外側ガイドカテーテルの遠位先端を越えて遠位に位置し、(3)前記第二のセクションの前記近位部分は、前記外側ガイドカテーテルの内腔内の空間を占めるように位置するマイクロカテーテル。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本願発明は、「血管分岐領域を介して進行するために用いられる」のに対して、引用発明は、患者の血管系の高い曲率を持つ部分を通過するより大径のカテーテルの移動を容易にする頭蓋内アクセスシステム(IAS)10である点。
<相違点2>
本願発明は、第二のセクションの遠位部分が「遠位放射線不透過性マーカーを含」み、第二のセクションの近位部分が「近位放射線不透過性マーカーを含」み、進行構成において、「(1)前記遠位放射線不透過性マーカーおよび前記近位放射線不透過性マーカーは、外側ガイドカテーテルの第三の放射線不透過性マーカーの両側に位置」するのに対して、引用発明は、放射線不透過性マーカーを含んでいない点。
2 判断
上記相違点1について検討する。
頭蓋内の血管系が分岐領域を有することは明らかであるから、引用発明は、当然、血管分岐領域を介して進行するために用いられるものである。
したがって、上記相違点1は実質的な相違点ではない。
仮に実質的な相違点であるとしても、頭蓋内アクセスシステム(IAS)を血管分岐領域を介して進行することは周知技術であるから、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明の事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
上記相違点2について検討する。
引用文献2(前記第4の2(1)参照)及び引用文献3(同じく(3)参照)に記載されているように、カテーテルの技術分野において、軸方向に相対移動する長尺状の二部材のうち、一方の部材に設けた2つの放射線不透過性マーカー(引用文献2の「2つのマーカー282」、引用文献3の「離間したマーカー」)を、他方の部材に設けた1つの放射線不透過性マーカー(引用文献2の「マーカー284」、引用文献3の「中心マーカー37」)の両側に位置させることにより、両部材を位置決めすることは、周知技術である。
引用発明は、「拡張部14の遠位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端を越えて位置し、拡張部14の近位部分が遠位アクセスカテーテル(DAC)18内に位置する」ことを踏まえれば、遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端と頭蓋内アクセスシステム(IAS)10の拡張部14は、当然、何らかの位置決めが要請されるところ、当該位置決めのために、上記周知技術を適用することは、当業者が容易になし得たことである。
そして、2つの放射線不透過性マーカー及び1つの放射線不透過性マーカーを、位置決めする二部材のどちらのどの位置に配置するかは、マーカーの視認性等を考慮しつつ適宜決定し得ることであるから、引用発明において、2つの放射線不透過性マーカーを拡張部14の遠位部分及び近位部分に、1つの放射線不透過性マーカーを遠位アクセスカテーテル(DAC)18の遠位端にそれぞれ配置して、上記相違点2に係る本願発明の事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
また、本願発明の効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものにすぎない。
3 小括
よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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