商標拒絶査定不服審判
2024-001179
ラクラク
- 審判番号
- 2024-001179
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-128804
- 請求日
- 2024年01月23日
- 審決日
- 2024年10月24日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社宅建学院
- 【請求人代理人】デロイトトーマツ弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-128804拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年4月25日付け :拒絶理由通知書
令和5年6月19日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年10月19日付け:拒絶査定
令和6年1月23日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「らくらく」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、指定役務については、上記第1の手続補正書により、第41類「電子出版物の提供,セミナーの企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」と補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6387978号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和2年5月28日に登録出願、第41類「コミック誌を有するインターネットカフェを備えた娯楽施設の提供,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,娯楽施設の提供」を指定役務として、同3年5月12日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、「らくらく」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」を意味する語として我が国において広く親しまれている「楽楽」(広辞苑第7版)を平仮名表記したものといえる。
したがって、本願商標からは、その構成文字に相応して「ラクラク」の称呼が生じ、「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」の観念が生じるものである。
(3)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、上部に円内に赤色及び橙色の「楽」の漢字をモチーフにして擬人化したとおぼしき抽象的な図形(以下「図形部分」という。)を配し、その下に、円形部分の直径より小さく赤色で「RAKU RAKU」(「A」の文字はややデザイン化されている。以下同じ。)の欧文字を横書き(以下「文字部分」という。)で表してなるところ、図形部分と文字部分は、色彩の構成、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、かつ、図形部分から出所識別標識としての具体的な称呼及び観念は生じないものであって、図形部分及び文字部分との間に、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないから、引用商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、引用商標については、「RAKU RAKU」の欧文字部分を要部(以下「引用商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
そして、引用商標の要部は、我が国において広く親しまれている「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」を意味する「楽楽」の欧文字表記と認識されるものであるから、その構成文字から「ラクラク」の称呼が生じ、「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」の観念が生じるものである。
(4)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、両商標の構成は、それぞれ上記(2)及び(3)のとおりであるところ、外観については、本願商標と引用商標の要部は平仮名と欧文字であって文字種を異にするものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
次に、称呼については、本願商標と引用商標の要部は、「ラクラク」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標の要部は、いずれも「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」の観念が生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標の要部は、外観において全体の構成は異なるものの、構成中の文字部分において顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼及び観念を同一とするものであるから、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(5)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務中、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧」は、引用商標の指定役務中、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」と、同一又は類似の役務であることは明らかである。
(6)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、引用商標は、全体として「楽」の漢字と楽のデザインが強く印象付けられ、そのデザインによる外観が主として本願商標の識別力を発揮するものであり、引用商標は商標上部の漢字「楽」及び下段の「RAKU RAKU」の文字から「ガクラクラク」「ラクラクラク」や「タノラクラク」の称呼が生じる旨主張する。
しかしながら、引用商標の図形部分は、漢字「楽」をモチーフにしているとしても、抽象的な図形として認識されるものであり、図形部分から出所識別標識としての特定の称呼及び観念は生じないものであり、また、図形部分と文字部分とは、外観上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせず、図形部分及び各文字部分との間には、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないことからすれば、引用商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
そうすると、引用商標から、「RAKU RAKU」の文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記1(3)のとおりである。
(2)請求人は、「らくらく」(楽楽)の意味においては一部類似するが、引用商標の「楽」一文字からは「楽(がく)」の意味も生じ、本願商標「らくらく」は「落落」や「犖犖」の意味も考えられるため、本願商標と引用商標の観念が同一とはいえない旨主張する
しかしながら、「らくらく」の意味として我が国においてより広く親しまれている語は、「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」を意味する「楽楽」であるといえるから、本願商標と引用商標は、いずれも「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」の観念が生じるものであることは、上記1(2)及び(3)のとおりである。
(3)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例と本件商標とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。そして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する商標であることは、上記1のとおりである。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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