商標拒絶査定不服審判
2024-001180
マンガチンタイフドーサンケーエーカンリシ、マンガチンタイフドーサン、フドーサンケーエーカンリシ
- 審判番号
- 2024-001180
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-128805
- 請求日
- 2024年01月23日
- 審決日
- 2024年12月25日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社宅建学院
- 【請求人代理人】デロイトトーマツ弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W091641) / T18 .272-Z (W091641)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-128805拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年3月30日 :拒絶理由通知書
令和5年5月15日 :意見書の提出
令和5年10月19日付け:拒絶査定
令和6年1月23日 :審判請求書の提出
令和6年9月30日付け :証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「マンガ賃貸不動産経営管理士」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム,録音済み磁気式又は光学式記憶媒体,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音声ファイル,録画済み磁気式又は光学式記憶媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」、第16類「新聞,雑誌,双書,印刷物,クリアファイル,その他の文房具類」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,セミナーの企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は「マンガ賃貸不動産経営管理士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「マンガ」の文字は「漫画」の語の表音を片仮名で表した語であり、「賃貸不動産経営管理士」は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律において、賃貸住宅管理業務を行う上で設置が義務付けられている「業務管理者」の要件とされた国家資格」を表す語である。そして、出版を主とする業界では、資格や資格試験について漫画を用いて説明、解説する書籍が出版され、そのタイトルに「マンガ」の文字を冠している実情が見受けられる。そうすると、本願商標は「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する本」ほどの意味合いを理解、認識させるため、第9類「電子出版物」、第16類「新聞,雑誌,双書,印刷物」、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作」に使用しても、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標を「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する本」以外の商品、又は「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する本に関する役務」以外の役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の回答
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1及び別掲2の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品及び指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品役務識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状、役務の質その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品及び指定役務の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品及び役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号)、知財高裁令和4年5月19日判決(令和3年(行ケ)第10100号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「マンガ賃貸不動産経営管理士」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中、「マンガ」の文字は、「絵を連ね、多くはせりふをそえて表現した物語。コミック。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味する片仮名であり、また、「賃貸不動産経営管理士」の文字は、別掲1のとおり、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律において、賃貸住宅管理業務を行う上で設置が義務付けられている「業務管理者」の要件とされた国家資格であって、本願商標は全体として両語を結合したものと容易に理解されるものである。
そして、別掲2のとおり、出版を主とする業界において、賃貸不動産経営管理士を含めた資格や資格試験についてマンガ(漫画)という手法を用いたり、そのタイトルに「マンガ」(漫画、まんが)の文字を用いている事例が多数見受けられる。
そうすると、本願商標は、出版を主とするその指定商品及び指定役務の取引者、需要者に「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する出版物」ほどの意味合いを容易に認識させるものというべきであり、その指定商品中、第9類「電子出版物」、第16類「双書,印刷物」及び指定役務中、第41類「電子出版物の提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する電子出版物、双書、印刷物及び電子出版物の提供」であること、すなわち、商品・役務に係る出版物の内容を表したものとして一般に認識されるものといえる。
また、上記2のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
してみれば、本願商標は、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。
また、本願商標を、「漫画という手法で賃貸不動産経営管理士という資格を説明する電子出版物、双書、印刷物及び電子出版物の提供」以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の「マンガ」の部分には自他商品等の識別機能を充分有しており、このため、商標全体として自他商品等識別機能を充分有している旨主張する。
しかしながら、別掲2のとおり、出版を主とする業界において、賃貸不動産経営管理士を含めた資格や資格試験についてマンガ(漫画)という手法を用いたり、そのタイトルに「マンガ」(漫画、まんが)の文字を用いている実情が多数見受けられ、当該文字に接する取引者、需要者もマンガ(漫画)を認識するものと見るのが相当であるから、「マンガ」の文字部分によって、自他商品・役務の出所を識別することはできないというべきである。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字、指定商品又は指定役務等が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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