商標拒絶査定不服審判
2024-001178
マルオボエ
- 審判番号
- 2024-001178
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-128802
- 請求日
- 2024年01月23日
- 審決日
- 2024年10月24日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社宅建学院
- 【請求人代理人】デロイトトーマツ弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .16 -Z (W091641)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-128802拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 5年 3月30日付け:拒絶理由通知
令和 5年 5月15日 :意見書の提出
令和 5年10月19日付け:拒絶査定
令和 6年 1月23日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「まる覚え」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム,録音済み磁気式又は光学式記憶媒体,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音声ファイル,録画済み磁気式又は光学式記憶媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」、第16類「新聞,雑誌,双書,印刷物,クリアファイル,その他の文房具類」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,セミナーの企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「まる覚え」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標構成中、「まる」の文字は、「名詞に付いて、完全にその状態である、の意を表す。全体。そっくり。」の意味を有する語であり、「覚え」の文字は、「覚えること。習得。理解。」の意味を有する語であることから、本願商標は、その構成全体として、「そっくり覚えること。」程の意味合いを、これを見る者に、容易に理解、認識させるものといえる。
そして、指定商品又は指定役務に関する業界において、教育・学習等の目的で、種々の事柄を覚えるための商品の製造販売や役務の提供が一般的に行われているところ、かかる商品や役務について、「まる覚え」や「丸覚え」の文字が一般的に使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標を、その指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「そっくり覚えることに適した商品」や「そっくり覚えることを内容とする役務」のように、単に商品や役務の特性や優位性を表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するものにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たすことができず、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は「まる覚え」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「まる」の文字は、「全きこと。欠けないこと。すべて、そのままのさま。」を意味する「丸」の文字を平仮名で表したものと容易に看取され、「覚え」の文字は、「思い出されること。記憶。」(いずれも出典:広辞苑第七版)を意味するいずれも親まれた語であって、当該「まる覚え」の文字はこれらの語を一連に表したものと容易に認識できるものであることから、本願商標の構成文字全体からは「すべて覚えること」の意味を容易に理解させるものである。
そして、原審において提示した証左に加え、別掲のとおり、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、学習やスキルの習得を目的として、特定の内容をそのまま覚えることを「まる覚え」や、これに通じる「丸覚え」と称している実情が認められる。
そうすると、「まる覚え」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「全て覚えることに適した商品」又は「全て覚えることに資する商品」及び「全て覚えることを内容とする役務」又は「全て覚えることに資する役務」ほどの、商品又は役務の特性や優位性を表すものとして及び宣伝広告に一般的に使用される語の一種として、理解、認識するにとどまるというのが相当であって、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
イ 請求人は、原審において列挙された「まる覚え」や「丸覚え」の使用例は、他の語句と組み合わされた使用であることや、商標としての使用ではないことから、これをもって本願商標が一般的に使用されているとは言いがたい旨主張している。
しかしながら、原審で列挙された使用例は、「まる覚え」や、これに通じる「丸覚え」の語が一般に使用されている実情があることを立証するための証拠であって、「まる覚え」の語が、単独で使用されている事例や、商標として使用されている事例を挙げたものではない。
ウ 請求人は、原審で列挙された使用例のうち、「丸覚え」の語は、漢字と平仮名文字とで本願商標とは全く使用態様が異なることから、これをもって本願商標が一般的に使用されているとは言いがたい旨主張している。
しかしながら、「まる覚え」の構成中の「まる」の文字は、上記(1)のとおり、「丸」の文字を平仮名で表した文字であることを容易に認識させることに加え、標章の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で漢字を仮名文字表記にしたり、あるいは、その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われている実情があり、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野においてそれと異なる事情は見当たらない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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