特許拒絶査定不服審判
2024-000208
マッサージ機
- 審判番号
- 2024-000208
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-163457
- 請求日
- 2024年01月09日
- 審決日
- 2025年01月15日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ファミリーイナダ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 佐々木 正章
- 審判官 立花 啓
- 審判官 安井 寿儀
- 分類
- P18 .121-Z (A61H) / P18 .575-Z (A61H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-163457「マッサージ機」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月 2日出願公開、特開2022-179657〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成27年 1月31日(優先権主張 平成26年10月24日)の出願である特願2015-18015号の一部を令和 元年 5月15日に新たな特許出願とした特願2019-91776号の一部を令和 3年 2月 4日に新たな特許出願とした特願2021-16252号の一部を令和 4年 2月 1日に新たな特許出願とした特願2022-13930号の一部を、さらに令和 4年10月11日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和 4年11月 9日 :上申書及び手続補正書の提出
令和 5年 4月11日付け:拒絶理由通知書
同年 8月16日 :意見書及び手続補正書の提出
同年10月 3日付け:拒絶査定
令和 6年 1月 9日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和 6年 1月 9日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和 6年 1月 9日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
左右で対をなす施療子を有するマッサージ機構が複数設けられたマッサージ機において、
前記マッサージ機は、座部と、背凭れ部と、前記マッサージ機構の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記マッサージ機構は、背凭れ部に位置する第1マッサージ機構と、座部に位置する第2マッサージ機構と、で、構成され、
前記第2マッサージ機構は、
左右で対をなすアームと、
モータで回転する駆動軸を有する駆動機構と、を有し、
前記アームは、モータで回転する前記駆動軸を起点として二方向に伸びており、各アームの先端には、前記座部の左右方向に複数の施療子が取り付けられており、
前記座部には、前記第2マッサージ機構の移動をガイドするガイド機構が設けられ、
前記第2マッサージ機構は、前記ガイド機構に対して取り付けられており、
前記制御手段により、前記第2マッサージ機構は、前記座部に設けられた前記ガイド機構の範囲内で前後方向に移動するよう構成されていることを特徴とするマッサージ機。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和 5年 8月16日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
左右で対をなす施療子を有するマッサージ機構が複数設けられたマッサージ機において、
前記マッサージ機は、座部と、背凭れ部と、前記マッサージ機構の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記マッサージ機構は、背凭れ部に位置する第1マッサージ機構と、座部に位置する第2マッサージ機構と、で、構成され、
前記第2マッサージ機構は、
左右で対をなすアームと、
駆動軸を有する駆動機構と、を有し、
前記アームは、前記駆動軸を起点として二方向に伸びており、
各アームの先端には、左右方向に複数の施療子が取り付けられており、
前記座部には、前記第2マッサージ機構の移動をガイドするガイド機構が設けられ、前記第2マッサージ機構は、前記ガイド機構に対して取り付けられており、
前記制御手段により、前記第2マッサージ機構は、前記ガイド機構の範囲内で前後方向に移動するよう構成されていることを特徴とするマッサージ機。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「駆動軸」について「モータで回転する」こと、「施療子」について「座部の」左右方向に取り付けられること、及び「ガイド機構」について「座部に設けられた」ことを限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項及び引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された特開2014-8289号公報(以下、引用文献という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
「【0037】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図14に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状とされ、施療子としての揉み玉51とその駆動機構部60を有して、背もたれ部13の内部で上下方向に移動可能とされる施療機構としての複数のメカユニット50、60を備える構成である。
【0038】
この本実施形態に係るマッサージ機1の全体の構造は、床面上に載置されてマッサージ機全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、揉み玉51及び駆動機構部70を有して背もたれ部内部で上下動可能とされるメカユニット50、60と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付けるリモコン30と、駆動機構部70の傾動及び上下移動を制御すると共に、揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。」
「【0040】
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。
背もたれ部13内部には、施療子としての左右一対の揉み玉51(61)とこれを動作させる駆動機構部70が一体となったメカユニット50、60と、このメカユニット50、60を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム13aと、前記エアポンプ80による空気の給排で動作する背中用エアセル83及び腰用エアセル84とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、60、背中用エアセル83、及び腰用エアセル84が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。」
「【0043】
前記メカユニット50、60のうち、上側のメカユニット50は、揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51と、これら揉み玉51をそれぞれ突出状態で支持する左右一対の揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部70と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部70を傾動可能に支持するベース部53とを備える構成である。
また、下側のメカユニット60は、上側同様に、揉み玉61と、揉み玉支持アーム62と、駆動機構部70と、ベース部63とを備える構成であり、詳細な説明を省略する。
【0044】
前記駆動機構部70は、制御部40の制御に基づいて揉み玉51に揉み動作を行わせるための駆動力を発生させる揉みモータ72と、制御部40の制御に基づいて揉み玉51(61)に叩き動作を行わせるための駆動力を発生させる叩きモータ74と、各モータからの運動を揉み玉支持アーム52(62)を介して揉み玉51(61)に伝達する揉み機構及び叩き機構(図示を省略)とを備える、公知のマッサージ機に用いられるものと同様の機構であり、詳細な説明を省略する。
【0045】
前記ベース部53は、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、この他、制御部40の制御に基づいて、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、駆動機構部70を傾動させて揉み玉51を被施療者に対し進退させ、施療の強さを調整する進退モータ58とを備える構成である。同様に、下側のメカユニット60のベース部63も、駆動機構部70を傾動可能に支持するものであり、昇降モータ67と、進退モータ68とを備える構成である。
【0046】
メカユニット50、60は、ベース部53、63の側端部を一対のガイドフレーム20にそれぞれ上下走行可能に支持されることで、ガイドフレーム20に挟まれる配置状態となり、メカユニット全体としてガイドフレーム20に沿って移動可能とされる構成である。そして、制御部40による制御に基づき、昇降モータ57、67が作動してベース部53、63がガイドフレーム20を走行する状態となることで、ベース部53、63を含むメカユニット50、60全体が、ガイドフレーム20に沿って背もたれ部13の上下に移動することとなり、背もたれ部13における揉み玉51の位置(揉み玉による施療対象部位)を上下に変えられる仕組みである。」
「【0108】
さらに、複数のメカユニット50、60を同時に使用して、被施療者の身体における所定の施療部位に一の揉み玉で押圧刺激を加えると共に、この施療部位に対し強い関係性を有する他の部位、例えば、前記施療部位の近傍部位や、前記施療部位と一定の位置関係にある別の離れた施療部位に、一の揉み玉による押圧刺激と関連した押圧刺激を、一の揉み玉と協動する他の揉み玉で、一の揉み玉と同時に又は極わずかな時間差で加えられることから、関連性の高い押圧刺激を複数組合せて、施療効果を与えたい対象部位への本来意図した施療効果をより一層強化して付与できることとなり、押圧刺激ごとの施療効果を単純に複数足し合わせただけでは得られない、効率的なマッサージを時間をかけることなくスムーズに実行できる。」
「【0111】
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、上下の各メカユニット50、60における各駆動機構部70から揉み玉51、61にそれぞれ動きを伝える揉み玉支持アーム52、62には、揉み玉51、61を一つずつ取付ける構成としているが、これに限らず、図16に示すように、揉み玉支持アーム59、69を駆動機構部70側のアーム基端部から二方向に分岐突出する形状とすると共に、揉み玉支持アーム59、69の突出した各先端部にそれぞれ揉み玉51、61を取付けるようにして、一つの揉み玉支持アームに揉み玉を二つ配設する構成とすることもでき、駆動機構部70で一体に駆動される支持アーム59、69上の二つの揉み玉がそれぞれ身体に接して施療を行う状態が、上下のメカユニット50、60でそれぞれ実現することで、身体のより多くの箇所に、上下のメカユニット50、60の協動による効率的な施療を行うことができる。
【0112】
また、前記実施形態に係るマッサージ機において、上下の各メカユニット50、60は、背もたれ部13に内蔵されたガイドフレーム20の存在する上下方向の範囲内で移動可能とされる構成としているが、これに限らず、メカユニットが座部にも移動して、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位も施療を行える構成とすることもできる。例えば、座部内にガイドレールが配設され、背もたれ部と座部との角度が、背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが適切に連続してメカユニットが背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行できる角度範囲にある場合に、メカユニットを背もたれ部から座部、又はその逆に移動させるようにしてもよい。
【0113】
この場合、メカユニットは、そのベース部の側端部において、背もたれ部の場合と同様、座部のガイドレールで走行移動可能に支持され、ガイドレールに沿って身体縦方向に移動することとなる。これにより、被施療者の背中から臀部、大腿部にかけての広い領域を施療子としての揉み玉で連続的にマッサージできる。また、座部を含むメカユニットの移動可能範囲で、複数のメカユニットの動作を協動させることで、被施療者の臀部から大腿部にかけての部位についても、臀部や腰部、背中の場合と同様に、それぞれの揉み玉を個別に用いた場合では実現できない特別なマッサージを行うことができる。」
図1
「
[図:0001421111000001.jpg]
」
図16
「
[図:0001421111000002.jpg]
」
段落【0113】における「メカユニット」は、段落【0112】の記載も参酌すれば、「メカユニット50、60」を意味することは明らかであるから、段落【0113】には、「メカユニット50、60」は、「座部のガイドレールで走行移動可能に支持され、ガイドレールに沿って身体縦方向に移動すること」が記載されている。
よって、これらの記載によれば、引用文献には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「施療子としての左右一対の揉み玉51(61)を有するメカユニット50、60が設けられたマッサージ機1において、
前記マッサージ機1は、座部12と、背もたれ部13と、揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作を制御する制御部40と、を有し、
前記メカユニット50、60は、背もたれ部13の内部の上側のメカユニット50と、下側のメカユニット60と、で、構成され、
前記下側のメカユニット60は、
左右一対の揉み玉支持アーム62と、
駆動機構部70と、を有し、
前記座部12内には、ガイドレールが配設され、
背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが連続して、メカユニット50、60が背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行でき、
前記下側のメカユニット60は、前記ガイドレールで走行移動可能に支持され、
前記制御部40により、前記下側のメカユニット60は、前記座部12に設けられた前記ガイドレールに沿って身体縦方向に移動するよう構成されているマッサージ機。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「施療子としての左右一対の揉み玉51(61)」、「メカユニット50、60」、「マッサージ機1」は、本件補正発明の「左右で対をなす施療子」、「複数設けられた」「マッサージ機構」、「マッサージ機」にそれぞれ相当する。
イ 引用発明の「座部12」、「背もたれ部13」、「揉み玉51をはじめとする施療機構によるマッサージ動作制御部40」は、本件補正発明の「座部」、「背凭れ部」、「マッサージ機構の動作を制御する制御手段」にそれぞれ相当する。
ウ 引用発明の「上側のメカユニット50」、「下側のメカユニット60」は、本件補正発明の「第1マッサージ機構」、「第2マッサージ機構」にそれぞれ相当する。
エ 引用発明の「左右一対の揉み玉支持アーム62」、「駆動機構部70」は、本件補正発明の「左右で対をなすアーム」、「駆動機構」にそれぞれ相当する。
オ 引用発明の「ガイドレール」は、下側のメカユニット60を走行移動可能に支持するものであるから、下側のメカユニット60の移動をガイドしており、本件補正発明の「ガイド機構」に相当し、引用発明の「下側のメカユニット60」は、「ガイドレール」に対して取り付けられている。また、引用発明の「ガイドレールが配設され」る構成は、本件補正発明の「ガイド機構が設けられ」る構成に相当する。
カ 引用発明の「前記座部12に設けられた前記ガイドレールに沿って身体縦方向」は、本件補正発明の「前後方向」に相当し、引用発明の「ガイドレールに沿って身体縦方向に移動する」ことは、本件補正発明の「ガイド機構の範囲内で前後方向に移動する」ことに相当する。
したがって、両者は、
「左右で対をなす施療子を有するマッサージ機構が複数設けられたマッサージ機において、
前記マッサージ機は、座部と、背凭れ部と、前記マッサージ機構の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記マッサージ機構は、第1マッサージ機構と、第2マッサージ機構と、で、構成され、
前記第2マッサージ機構は、
左右で対をなすアームと、
駆動機構と、を有し、
前記座部には、前記第2マッサージ機構の移動をガイドするガイド機構が設けられ、
前記第2マッサージ機構は、前記ガイド機構に対して取り付けられており、
前記制御手段により、前記第2マッサージ機構は、前記座部に設けられた前記ガイド機構の範囲内で前後方向に移動するよう構成されているマッサージ機。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
本件補正発明は、第1マッサージ機構が「背凭れ部に位置」し、かつ第2マッサージ機構が「座部に位置」するのに対し、引用発明は、「背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが連続して、メカユニット50、60が背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行でき」る点。
[相違点2]
本件補正発明は、駆動機構が「モータで回転する駆動軸を有」し、「前記アームは、モータで回転する前記駆動軸を起点として二方向に伸びて」いるのに対し、引用発明は、そのような構成が特定されていない点。
[相違点3]
本件補正発明は、「各アームの先端には、前記座部の左右方向に複数の施療子が取り付けられて」いるのに対し、引用発明は、そのような構成が特定されていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]
本願明細書の段落【0132】の「ガイド機構3bを座部2あるいは座部2及びフットレスト4にも設け、第1及び第2マッサージユニット8,9のうち少なくともいずれか一方を、身長方向に沿って背凭れ部3から座部2又はフットレスト4まで移動可能としてもよい。」を参照すると、第1のマッサージ機構が背もたれ部に位置することを可能とし、第2のマッサージ機構が座部に位置することを可能とすることが示唆されている。そうすると、引用発明の「背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールが連続して、メカユニット50、60が背もたれ部と座部のガイドレール間をスムーズに移行でき」ることは、上側のメカユニット50が背もたれ部に位置し、下側のメカユニット60が座部に位置することと表現でき、上記相違点1は実質的な相違点ではない。
仮に、本件補正発明が、ガイド機構が背もたれ部と座部とに連続するものではないとしても、背もたれ部のガイドレールと座部のガイドレールを分割する程度のことは、当業者が容易になし得たことである。
[相違点2]
引用文献の段落【0111】及び図16には、揉み玉支持アームをアーム基端部から二方向に分岐突出する形状とすることが記載されている。
また、マッサージ機において、モータで回転する駆動軸を起点として二方向に伸びるアームは、周知技術である(例えば、特開2013-248144号公報の特に段落0034、図14、24を参照。)。
そして、引用文献の上記記載を踏まえれば、引用発明において、当該周知技術を採用し、揉み玉支持アーム62を、モータで回転する駆動軸を起点として二方向に伸びるものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
[相違点3]
アームの先端に左右方向に複数の施療子を取り付ける態様は、周知技術である(例えば、特開2008-295889号公報の特に段落【0062】及び図7を参照。)から、引用発明において、アームの先端に「左右方向に複数の」施療子を取り付けることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものではない。
(5)小括
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 むすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和 5年 8月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1(2)に記載されたとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献:特開2014-8289号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「駆動軸」について「モータで回転する」こと、「施療子」について「座部の」左右方向に取り付けられること、及び「ガイド機構」について「座部に設けられた」ことという限定事項を実質的に削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明は、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同じ理由で引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-000208