特許拒絶査定不服審判
2022-008973
情報処理装置及びその動作方法
- 審判番号
- 2022-008973
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-061935
- 請求日
- 2022年06月10日
- 審決日
- 2023年01月25日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ファミリーイナダ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 佐々木 正章
- 審判官 松田 長親
- 審判官 栗山 卓也
- 分類
- P18 .121-Z (A61H) / P18 .575-Z (A61H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018- 61935「情報処理装置及びその動作方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月10日出願公開、特開2019-170655〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年 3月28日に出願されたものであって、その後の手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 9月 1日付け:拒絶理由通知書
令和 3年10月13日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 3年11月10日付け:拒絶理由通知書
令和 3年12月24日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 4年 3月 4日付け:拒絶査定
令和 4年 6月10日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出
第2 令和 4年 6月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和 4年 6月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。以下「本件補正発明」という。)
「【請求項1】
ユーザに関する第1情報を用いて、前記ユーザの身体状態に関する一次判定処理を実行し、
前記一次判定処理の結果に基づいて、前記ユーザの身体状態に関する、前記一次判定処理よりも詳細な判定である二次判定処理の要否を判定し、
前記二次判定処理が必要であると判定された場合、前記ユーザに関する情報であって前記第1情報とは異なる情報であり、かつ、前記一次判定処理の結果に基づいて複数の種類の中から決定された少なくとも一種類以上の情報である第2情報を前記ユーザから取得し、
前記第2情報を用いて、前記二次判定処理を実行するよう構成され、
前記第1情報は、第1ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、
前記第2情報は、第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、
前記第1ユーザインタフェースは、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み、
前記第2ユーザインタフェースは、通信端末に搭載されたカメラ、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み、且つ前記第1ユーザインタフェースと前記第2ユーザインタフェースは異なるインタフェースである
情報処理装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和 3年12月24日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
ユーザに関する第1情報を用いて、前記ユーザの身体状態に関する一次判定処理を実行し、
前記一次判定処理の結果に基づいて、前記ユーザの身体状態に関する、前記一次判定処理よりも詳細な判定である二次判定処理の要否を判定し、
前記二次判定処理が必要であると判定された場合、前記ユーザに関する情報であって前記第1情報とは異なる情報であり、かつ、前記一次判定処理の結果に基づいて複数の種類の中から決定された少なくとも一種類以上の情報である第2情報を前記ユーザから取得し、
前記第2情報を用いて、前記二次判定処理を実行する
よう構成された情報処理装置。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1情報」について、「第1ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第1ユーザインタフェースは、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み」との限定を付加し、「第2情報」について、「第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第2ユーザインタフェースは、通信端末に搭載されたカメラ、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み、且つ前記第1ユーザインタフェースと前記第2ユーザインタフェースは異なるインタフェースである」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、本件補正は、同条第3項及び第4項の規定に違反するものではない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項及び引用発明
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2007-125151号公報(平成19年 5月24日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審が付与した。)。
「【技術分野】
【0001】
本発明は診断システム及び診断装置に関し、特に被験者の各部位の撮影画像から医療診断などを行う診断システム及び診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、被験者(被写体)をセンサやCCDカメラなどによって撮像し、これにより得られた画像データを解析して医療診断や美容診断などを行う診断システムが開発されている。
【0003】
例えば、本出願人は、先に、撮像装置によって撮像した被験者の画像データを画素値に変換し、この画素値を解析して均等色空間データに変換し、得られた均等色空間データを予め取得しておいた正常(健康)状態のデータと比較し、正常状態のデータからある一定の尺度で離れている場合には撮像した被験者が異常(不健康)状態であると判断する診断システムを提供した(特許文献1参照)。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、被験者の状態が正常状態であるか異常状態であるかを判断するだけに留まるものであり、被験者の状態に適した診断をするためには更なる改良が必要であった。
【0005】
本発明は上述した点に鑑み、被験者を撮像した画像を解析して被験者の状態を診断する診断システム及び診断装置において、被験者の状態に対して最適な診断をすることができる診断システム及び診断装置の提供を目的とする。」
「【0011】
図1に示すように、本実施形態の診断システム1には撮像装置2が備えられており、撮像装置2には互いに通信可能なネットワークを介して診断装置13が接続されている。さらに、診断装置13には互いに通信可能なネットワークを介して一つ以上の外部装置25が接続されている。なお、撮像装置2についても外部装置25と通信可能な構成にすることも可能である。」
「【0013】
外部装置25とはパーソナルコンピュータなどであり、何らかのコンサルティングや診断が受けられる場所に設置されていることが望ましい。例えば、本実施形態に係る診断システム1で健康に関するデータを得る場合は、病院や健康管理施設などの公共施設に設置しておくことが考えられる。また、美容に関するデータの場合は、コスメティック関係の店や施設・病院などに設置しておくことが考えられる。また、外部装置25をコンサルティング情報が得られるインターネットサイトや、コンサルタントや医師、店員などの携帯端末として構成しても良い。
【0014】
図2に示すように、本実施形態の診断システム1が備える撮像装置2には以下の各構成部分が設けられている。
【0015】
外部通信部3は、有線又は無線の通信手段により診断装置13及び外部装置25と情報通信ができるように構成されている。この外部通信部3を経由して、画像解析の結果や画像データ、バイタルデータなどを診断装置13に送信するようになっている。
【0016】
画像表示部4は、CRT,液晶,有機EL,プラズマ又は投影方式などのディスプレイから構成され、撮影画像の他、外部装置25から与えられた情報、画像処理によって得られた情報又は撮像装置2の各構成部分の状態に関する情報などを表示するようになっている。また、撮影画像から異常データが検出された際の警告を表示することや、音声手段により異常データの検出を音声で知らせることが可能な構成とすることもできる。
【0017】
照射部5は、図3に示すように、画像表示部4の周辺縁部に設けられている。このような構成により、被験者に対して様々な方向から照明光を与えることができ、比較的照明むらの少ない画像を得ることができるようになっている。また、画像表示部4の周辺端部の上部のみ又は左右部のみに照射部5を配置しても良い。なお、画像表示部4に近接しない場所に照射部5を配置することも可能である。」
「【0025】
図2に戻り、撮像部6は、CCDやCMOSなどの撮像素子により静止画又は動画を取得することができる1つ又は複数のカメラによって構成されている。また、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、その他携帯電話などに付属のカメラモジュールにより構成しても良い。なお、被験者の画像は、被験者の立ち位置や身長に関わらず安定した構図で撮像することが望ましい。そこで、本実施形態では、図12に示すように複数の撮像部6を等間隔に配置して被験者を撮像し、複数の撮影画像を合成して良い構図の画像を出力するように構成されるのが好ましい。また、図13に示すように、1台の撮像部6の位置を三次元的に調整できる機構を設けて、被験者の頭部・顔などを撮像可能なように構成しても良い。また、図14に示すように、多数のカメラモジュールの組み合わせで撮像部6を構成し、被験者を一括撮像して、所定の構図の画像を切り出すことができるように構成しても良い。」
「【0040】
ユーザインターフェイス部11は、キーボード、マウス、トラックボールなどから構成され、被験者の指示入力を可能とすると共に、被験者に撮像装置2の状況や要求を伝達することを可能としている。なお、被験者の負担が少ない装置構成とすることが望ましいことから、画像表示部4と一体にしてタッチパネルとしてユーザインターフェイス部11を構成することもできる。また、スピーカーやマイクなどの音響設備を備えることにより被験者の音声によってコミュニケートできる構成とすることが望ましい。
【0041】
また、ジェスチャ(身振りや手振り、また手話など高度なコミュニケート手段も含む)などの被験者の意思を表す動作により指示入力を可能とする構成であることが望ましい。具体的には、撮像部6により被験者の動作を撮影し、データ処理部10により撮影画像のエッジを抽出して被験者の部位を特定し、部位に含まれる特徴点の推移を解析することで、被験者の意思通りの入力が可能となる。例えば、撮影画像が被験者の顔画像であった場合、この顔画像に含まれるあご、鼻の頭、額を特徴点とし、これらの特徴点が垂直方向に振動していると解析されると、被験者が首を縦に振っているので、「はい」を意味すると判断する。また、撮影画像が被験者の手の画像であった場合、手の人差し指を特徴点とし、特徴点が推定方向に振動していると計測されると、指を横に振っているので、「いいえ」を意味すると判断する。」
「【0051】
次に、図2に示すように、本実施形態の診断システム1が備える診断装置13には以下の各構成部分が設けられている。
【0052】
外部通信部14は、有線又は無線の通信手段により、撮像装置2及び外部装置25と情報通信ができるように構成されている。そして、外部通信部3と同様に、この外部通信部3を経由して、画像解析の結果や画像データ、バイタルデータなどを診断装置13又は外部装置25に送信するようになっている。
【0053】
画像解析部15は、撮像装置2から外部通信部3及び外部通信部14を経由して診断装置13に送信された画像データに基づいて画像解析を行うようになっている。
【0054】
ここで本実施形態においては、上述したように、人肌など対象物の病変や異常が被験者の分光スペクトルの狭い帯域の特性に現れることに着目したものであり、そうした帯域の影響が強調できる照明を照射して撮像することで、画像から病変や異常を検出しやすくしている。すなわち、撮像装置2の撮像部6において被写体表面の反射光が撮像され、チャンネルごとに画素値に変換されると、図15に示すように被験者の特定部位(a)についてはチャンネル1において正常状態と異常状態の画素値の分離が容易となっており、図16に示すように被験者の他の特定部位(b)についてはチャンネル2において正常状態と異常状態の画素値の分離が容易となっている。
【0055】
画像解析部15は、撮像部6により変換された各チャンネルの画素値から三刺激値データ(RGB)をそれぞれ算出し、この三刺激値データからプライマリ変換によって反応色データを算出し、この反応色データから均等色空間データ(色彩データ)に変換するようになっている。この均等色空間には、一例として、CIEのL*a*b*,L*u*v*,明度方向が規格化されたu´v´などがあり、それらの派生空間も含まれる。その後、画像解析部15は、興味領域の均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常状態と異常状態の画像データを分離するようになっている。
【0056】
判断部16は、画像解析部15の解析結果に基づいて医療診断などの診断を行うようになっている。すなわち、画像解析部15で変換された均等色空間データにより、図17に示すように正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上(本実施形態では二次元)の座標として表し、画像を解析した結果得られた座標を正常状態の座標と比較し、撮像した被験者が正常状態であるか異常状態であるかを判断するようになっている。
【0057】
つまり、予め「正常」と判断された画像データから計測された計測値を用いて正常状態データを求めておき、この正常状態データの全てを含む領域を「正常領域」と設定する。また、この正常領域からある一定の尺度まで離れた領域を「注意領域」、この注意領域からある一定の尺度まで離れた領域を「警告領域」、これらの領域の補集合を「危険領域」と設定する。そして、判断部16は、被験者の画像を解析した結果得られた座標がこれらのどの領域に属するかを検出することにより、被験者の状態を判断するようになっている。
【0058】
このように、色彩データを表す二次元の座標上において、異常状態と判断する領域を「注意領域」、「警告領域」、「危険領域」の複数の領域に分割し、各領域に設定されたそれぞれの条件と被験者の画像データを解析して得られた結果とを比較し、正常、注意、警告、危険という4段階に分けて被験者の健康状態を判断するので、被験者の健康状態を詳細に判断することが可能となる。
【0059】
なお、「正常領域」は、例えば、正常状態データの平均値を中心点とし、この中心点からある一定の尺度まで離れた領域となるように設定しても良い。更に、各領域における一定の尺度は、正常状態データのばらつきを考慮して自動的に設定できるようにしても良いし、正常状態データの平均値を表示部19に表示させ、被験者がユーザインターフェイス部18を用いて任意に設定できるようにしても良い。また、過去に「異常」と判断されたデータから「注意領域」、「警告領域」、「危険領域」を設定し、これらの領域の補集合を「正常領域」というように設定しても良い。
【0060】
ここで、図17は特定部位(a)または他の特定部位(b)における色彩データの座標を示すものである。また、図17における「特徴量1」とは例えばCIEのa*やu*やu´といった値であり、「特徴量2」とは例えばCIEのb*やv*やv´といった値である。なお、他の色彩データや色彩データ以外の計測値(3次元形状やテクスチャなど)であっても良い。なお、色光Aと色光Bを同時に照射してから分離するのではなく、色光Aと色光Bと別々に照射して画像を撮像してから画像解析を行っても良い。
【0061】
正常状態と異常状態の判断としては、例えば、620nm付近を中心とする狭帯域の色光を照射すると血液中のヘモグロビンの画像に対する関与が強調されるということが知られており、血流が途絶えてしまうような異常の検知に効果的と思われる。この場合、図6の色光Bを用いることにより、画像解析による正常状態と異常状態との判別の精度が向上する。
【0062】
また、550nm付近を中心とする狭帯域の色光を照射すると毛細血管の強調ができるという報告もある。指先など毛細血管が集まる部分での異常を検知するのに効果的と思われる。この場合、図6の色光Aを用いることにより、画像解析による正常状態と異常状態との判別の精度が向上するといえる。
【0063】
また、撮像部6によって時系列的に、すなわち静止画を連続的に撮像又は動画により撮像された被験者の撮影画像を解析することにより、被験者の色彩データや三次元形状、テクスチャを計測(推定)し、それらの推定データから皮膚下の組織構造にかかわるヘモグロビン量、メラニン量、酸素飽和度などを推定することもできる。また、目の画像から、まばたき回数や目(特に白目)の色、目やにの状況などのデータを取得しても良い。」
「【0083】
次に、上述の診断システム1の作用について、図19乃至図20のフローチャートを参照して説明する。なお、本フローにおいては、被験者の健康状態を診断するものとし、外部装置25は病院の医師のもとに設置されている。また、「正常領域」、「注意領域」、「警告領域」、「危険領域」の条件は、予め上述した方法により設定されており、システム情報保持部23に記憶されている。
【0084】
被験者が診断システム1の使用を開始すると、まず、撮像部6が被験者の撮像を行う。
【0085】
データ処理部10は、撮像部6で撮像した被験者の画像、周辺環境情報取得部7で取得した周辺環境情報、I/O部8から入力された計測データや画像データ又はユーザインターフェイス部11から入力された被験者の指示入力データなどの入力情報を解析し、画像表示部4に画像の表示を行うと共に、照射部5の光源などを調整する。また、撮像部6で撮像された被験者の画像とメモリ部9に登録されている個人の認証情報との相関をデータ処理部10により解析し、メモリ部9に登録された複数の登録者の中から自動的に一人の候補者を抽出する(ステップ1、以下ステップをSともいう)。次に、「あなたは○○○○さんですか?」といったように、抽出された候補者名を画像表示部4に表示し、被験者が抽出された候補者であるか否かを質問する(S2)。
【0086】
被験者はこの質問に対してジェスチャを行うことで回答する。なお、本実施例においては、個人認証により個人が特定されることでその個人の属性が決定するため、この段階で属性によって意味が異なるジェスチャを用いると、ジェスチャの意味する内容が判断できない場合が生じる。したがって、このようなジェスチャを用いる場合は、メモリ部9に一般的なジェスチャを初期登録しておき、被験者がジェスチャにより回答する際に初期登録しておいたジェスチャを画像表示部14に表示し、この表示にしたがってジェスチャをするように被験者に指示すれば良い。また、属性によって意味が異なるジェスチャを用いずに、例えば、図24に示すように、画像表示部4に被験者の回答しうる全ての項目を表示しておき、被験者が立てた指の数に応じて項目を選択するようにしても良い。
【0087】
撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する(S3)。そして、上述したように、データ処理部10は取得した画像データのエッジを抽出して被験者の部位を特定し、部位に含まれる特徴点の推移を解析する(S4)。解析した結果、被験者のジェスチャが意味する内容が「いいえ」である場合は(S5でNO)、被験者は画像表示部4に表示された候補者ではないので、S1に戻り、データ処理部10での比較結果が次に被験者に近いと思われる候補者を抽出し、上記と同様の処理を繰り返す。
【0088】
一方、ステップ5において、被験者のジェスチャが意味する内容が「はい」である場合は(S5でYES)、被験者の個人認証が完了する。そして、個人認証により特定された被験者の身長、体重、年齢などの基本情報をメモリ部9から取得する(S6)。なお、このステップにおいて、周辺環境情報取得部7から周辺環境の情報を取得したり、I/O部8に接続されたバイタルセンサから被験者の体温、血圧、脈拍などを示す生理情報を取得するようにしても良い。
【0089】
次に、撮像部6が被験者のうち診断対象となる部位の画像を撮像する(S7)。この際、照射部5が複数の光源を照射して撮像を行う。すなわち、光源としてはLEDを使用するか、白色光源を干渉フィルタと共に使用するが、本実施形態の照射部5では、図6に示す特性を有する光源のうち2種類の光源(色光A及び色光B)を使用する。これにより、図8に示す特定部位(a)の例では、正常状態と異常状態で低波長側(色光Aの帯域に重なる)の差異が大きく、図9に示す特定部位(b)の例では、中域から高域(色光Bの帯域に重なる)の差異が大きくなる。そして、色光A及び色光Bを被験者の特定部位(a)に対して照射すると、被写体の反射光のスペクトルは図10に示すように色光A又は色光Bと被写体の分光反射率の積となる。同様に、色光A及び色光Bを被験者の他の特定部位(b)に対して照射すると、被験者の反射光のスペクトルは図11に示すように色光A又は色光Bと被写体の分光反射率の積となる。
【0090】
そして、撮像部6は、被験者表面の反射光を撮像して画素値に変換する。その際、チャンネルによって各色光に起因する反射光を分離することで、被験者の特定部位ごとに正常状態及び異常状態における画素値を分離しやすくする。さらに、データ処理部10は撮影画像の中から興味領域の抽出を行う(S8)。
【0091】
撮像装置2から外部通信部3及び外部通信部14を経由して、興味領域の撮影画像を診断装置13に送信する。そして、診断装置13に送信された興味領域の撮影画像は、記憶部20のデータ保持部21が保持する(S9)。データ管理部22は、データ保持部21において保持される各個人の画像データにタグ(付帯情報)を付けて管理する。
【0092】
そして、画像解析部15はデータ保持部21が保持する興味領域の画素値から三刺激値データ(RGB)をそれぞれ算出し、この三刺激値データからプライマリ変換によって反応色データを算出し、この反応色データから均等色空間データに変換する(S10)。その後、画像解析部15は均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常時と異常時の画像データを分離する(S11)。
【0093】
次に、図20に進み、均等色空間データによって、図17に示すように正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上(本実施形態では二次元)の座標として表し、判断部16は正常時と異常時の座標を比較する(S12)。すなわち、得られた座標が正常状態データから求められた正常領域に属するか否かを判断する。なお、このステップにおいて、撮像部6によって時系列的(静止画を連続的に、動画的に)に撮像された被験者の撮影画像を解析することにより、被験者の色彩データや三次元形状、テクスチャを計測(推定)し、それらの推定データから皮膚下の組織構造にかかわるヘモグロビン量、メラニン量、酸素飽和度などを推定することもできる。また、目の画像から、まばたき回数や目(特に白目)の色、目やにの状況などのデータを取得しても良い。
【0094】
判断部16が正常領域に属すると判断した場合(S12でYES)は、被験者の健康状態は正常である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。一方、判断部16が正常領域に属さないと診断した場合(S12でNO)は、注意領域に属するか否かを判断する(S14)。
【0095】
判断部16が注意領域に属すると判断した場合(S14でYES)は、被験者の健康状態が注意状態である旨の診断結果を取得する(S17)。そして、ユーザインターフェイス部11が「体調は良いですか?」などの音声を出力する、あるいは画像表示部4が文字を表示し(S18)、被験者の体調が良いか否かを被験者に質問する。この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことで回答する。撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する(S19)。そして、データ処理部10は取得した画像データのエッジを抽出して被験者の部位を特定し、部位に含まれる特徴点の推移と図23に示すようなジェスチャ解析テーブルに基づいて、被験者が行ったジェスチャを解析する(S20)。解析した結果、ジェスチャの意味する内容が「はい」である場合は(S21でYES)、被験者の健康状態が注意状態である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。
【0096】
ジェスチャの意味する内容が「いいえ」である場合は(S19でNO)は、ユーザインターフェイス部11が「医師による診断は必要ですか?」などの音声を出力する、あるいは画像表示部4が文字を表示し(S23)、被験者に対して医師による診断が必要であるか否かを質問する。この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことにより回答する。撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する(S24)。そして、データ処理部10は取得した画像データのエッジを抽出して被験者の部位を特定し、部位に含まれる特徴点の推移と、図23に示すジェスチャ解析テーブルに基づいて被験者が行ったジェスチャを解析する(S25)。
【0097】
解析した結果、ジェスチャの意味する内容が「はい」である場合は(S26でYES)、画像表示部4又は表示部19は医師の診断予約を行うために、図22に示すような予約表を画面上に表示するとともに、被験者に所定の項目を入力するように促す(S27)。被験者により所定の項目が入力され、更に、図示の送信ボタンをクリックしたことが検知されると(S28)、診断予約の入力処理が完了し、予約表を外部通信部14を経由して外部装置25に送信する(S29)。次に、ユーザインターフェイス部11が「診断表を医師に送信しても良いですか?」などの音声を出力する、あるいは画像表示部4が文字を表示し(S30)、被験者の診断結果を医師に送信してもよいか否かを被験者に質問する。この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことで回答する。撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する(S31)。そして、データ処理部10は取得した画像データのエッジを抽出して被験者の部位を特定し、部位に含まれる特徴点の推移と図23に示すジェスチャ解析テーブルに基づいて、被験者が行ったジェスチャを解析する(S32)。
【0098】
解析した結果、被験者のジェスチャが意味する内容が「はい」である場合は(S33でYES)、上記診断システム1による処理で得られた診断結果に基づいて診断表を作成し(S34)、医師に診断表を送信する(S35)。そして、被験者の健康状態が注意状態であることと、医師に予約表、診断表を送信したことを画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。ステップ33に戻り、被験者のジェスチャが意味する内容が「いいえ」である場合は(S33でNO)、被験者の健康状態が注意状態であることと、医師に予約表を送信したことを画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。
【0099】
ステップ26に戻り、ジェスチャの意味する内容が「いいえ」である場合は(S26でNO)、上述したステップ30以降の処理を行った後、被験者の健康状態が注意状態であることと、医師への診断表の送信の有無(S33の判断結果による)を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。
【0100】
ステップ14に戻り、判断部16が注意領域に属さないと判断した場合(S14でNO)は、警告領域に属するか否かを判断する(S15)。判断部16が警告領域に属すると判断した場合(S15でYES)は、被験者の健康状態が警告状態である旨の診断結果を取得する(S22)。そして、上述したステップ23以降の処理を行った後、被験者の健康状態が警告状態である旨と、医師への診断予約、診断表の送付の有無を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。
【0101】
ステップ15に戻り、判断部16が警告領域に属さないと判断した場合(S15でNO)は、被験者の状態は危険領域であると判断し、被験者の健康状態が危険状態である旨の診断結果を取得する(S16)。そして、上述したステップ27以降の処理を行った後、被験者の健康状態が危険状態であること、医師に診断表を送信したこと、診断表の送信の有無(S33の判断結果による)を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了する。
【0102】
なお、上記フローのステップ1~5において、何度繰り返しても被験者が特定できない場合は、被験者に名前の入力を促す(画像表示部4に「あなたの名前は?」と表示すると同時に登録されている候補者リストを表示し、被験者はその中から選択する)処理を行うことができる。また、ステップ13において、画像表示部4又は表示部19に表示する内容は、上記内容に限られず、例えば、被験者の診断結果から推測される病状、今後の対処方法、過去の診断結果なども合わせて表示するようにしても良い。また、診断システム1の質問に対して被験者のジェスチャにより回答するように構成したが、回答方法はジェスチャに限られず、上述したようなユーザインターフェイス部11のマウスやキーボードなどの入力操作や音声入力により回答するように構成しても良い。」
「
[図:0001396129000001.jpg]
」
(イ)上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「撮像部6は、CCDやCMOSなどの撮像素子により静止画又は動画を取得することができる1つ又は複数のカメラによって構成され、
撮像部6が被験者のうち診断対象となる部位の画像を撮像し(S7)、
データ処理部10は撮影画像の中から興味領域の抽出を行い(S8)、
診断装置13に送信された興味領域の撮影画像は、記憶部20のデータ保持部21が保持し(S9)、
画像解析部15はデータ保持部21が保持する興味領域の画素値から三刺激値データ(RGB)をそれぞれ算出し、この三刺激値データからプライマリ変換によって反応色データを算出し、この反応色データから均等色空間データに変換し(S10)、
画像解析部15は均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常時と異常時の画像データを分離し(S11)、
均等色空間データによって、正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上の座標として表し、判断部16は正常時と異常時の座標を比較し(S12)、
判断部16が正常領域に属すると判断した場合(S12でYES)は、被験者の健康状態は正常である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し(S13)、診断処理を終了し、
判断部16が注意領域に属すると判断した場合(S14でYES)は、被験者の健康状態が注意状態である旨の診断結果を取得し、被験者の体調が良いか否かを被験者に質問し(S18)、この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことで回答し(S19)、
ジェスチャの意味する内容が「はい」である場合(S21でYES)は、被験者の健康状態が注意状態である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録(S13)し、診断処理を終了し、
ジェスチャの意味する内容が「いいえ」である場合(S19でNO)は、被験者に対して医師による診断が必要であるか否かを質問し、
判断部16が警告領域に属すると判断した場合(S15でYES)は、被験者に対して医師による診断が必要であるか否かを質問し、この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことにより回答し、
ジェスチャの意味する内容が「はい」である場合(S26でYES)は、
予約表を画面上に表示するとともに、被験者に所定の項目を入力するように促し(S27)、
ジェスチャの意味する内容が「いいえ」である場合(S26でNO)は、
被験者の診断結果を医師に送信してもよいか否かを被験者に質問し、
撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する
診断システム。」
(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「画像解析部15は均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常時と異常時の画像データを分離し(S11)、均等色空間データによって、正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上の座標として表し、判断部16は正常時と異常時の座標を比較(S12)」することにより、「判断部16が正常領域に属すると判断」すること、「判断部16が注意領域に属すると判断」すること、及び「判断部16が警告領域に属すると判断」することは、本件補正発明の「ユーザに関する第1情報を用いて、前記ユーザの身体状態に関する一次判定処理を実行」することに相当する。
イ 本願明細書の【0060】には、一次判定処理に用いられる第1情報として、顔画像が例示されており、【0072】には二次判定処理に用いられる第2情報として「問診」が例示されているから、本願発明の「前記一次判定処理よりも詳細な二次判定処理」は、一次判定処理が顔画像の場合、問診結果の処理を含んでいる。
引用発明の「判断部16」は、「注意領域に属すると判断した場合」及び「警告領域に属すると判断した場合」は被験者に質問し、「正常領域に属すると判断した場合」は被験者に質問しないものである。
また、「注意領域に属すると判断した場合」は、「被験者の体調が良いか否か」及び「医師による診断が必要であるか否か」を質問し、「警告領域に属すると判断した場合」は、「医師による診断が必要であるか否か」を質問するものであり、引用発明は、判断部の判断結果、すなわち一次判定処理の結果に基づき、複数種類の質問の中から少なくとも一種類以上の質問を行い、被験者の回答を認識し、回答内容に応じて要否を判定し、処理を行う、すなわち問診を行うものである。
そして、「被験者の体調が良いか否か」及び「医師による診断が必要であるか否か」という複数の種類の質問のうちの一つに対する被験者のジェスチャの意味する内容は、第1情報である被験者の撮影画像とは異なる、複数の種類の中から決定された少なくとも一種類以上の情報である第2情報といえる。
よって、引用発明の「判断部16が正常領域に属すると判断した場合は、被験者の健康状態は正常である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し、診断処理を終了し、判断部16が注意領域に属すると判断した場合は、被験者の健康状態が注意状態である旨の診断結果を取得し、被験者の体調が良いか否かを被験者に質問し、この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことで回答し、ジェスチャの意味する内容が「はい」である場合は、被験者の健康状態が注意状態である旨を画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し、診断処理を終了し、ジェスチャの意味する内容が「いいえ」である場合は、被験者に対して医師による診断が必要であるか否かを質問し、この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことにより回答し、医師に予約表を送信したことを画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し、診断処理を終了し、判断部16が警告領域に属すると判断した場合は、被験者に対して医師による診断が必要であるか否かを質問し、この質問に対して、被験者はジェスチャを行うことにより回答し、医師に予約表を送信したことを画像表示部4又は表示部19に表示すると共にデータ保持部21に記録し、診断処理を終了」する点は、S12、14、15、16の判断に基づいて問診を行うか否かを判定し、問診を行う場合、第1情報と異なる情報であり、かつS14とS15の結果に基づいて「被験者の体調が良いか否か」、「医師による診断が必要であるか否か」の情報を取得し、当該情報を用いて、医師の診断予約を行うかどうかの判定処理を行っていることであるから、本件補正発明の「前記一次判定処理の結果に基づいて、前記ユーザの身体状態に関する、前記一次判定処理よりも詳細な判定である二次判定処理の要否を判定し、前記二次判定処理が必要であると判定された場合、前記ユーザに関する情報であって前記第1情報とは異なる情報であり、かつ、前記一次判定処理の結果に基づいて複数の種類の中から決定された少なくとも一種類以上の情報である第2情報を前記ユーザから取得し、前記第2情報を用いて、前記二次判定処理を実行するよう構成され」る点に相当する。
ウ 引用発明は、撮像部6によって撮像された被験者の撮影画像を解析することにより、正常状態・異常状態の色彩データを得ているから、撮像部6は検査機器として動作している。
よって、引用発明の「撮像部6が被験者のうち診断対象となる部位の画像を撮像し(S7)、データ処理部10は撮影画像の中から興味領域の抽出を行い(S8)、診断装置13に送信された興味領域の撮影画像は、記憶部20のデータ保持部21が保持し(S9)、画像解析部15はデータ保持部21が保持する興味領域の画素値から三刺激値データ(RGB)をそれぞれ算出し、この三刺激値データからプライマリ変換によって反応色データを算出し、この反応色データから均等色空間データに変換し(S10)、画像解析部15は均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常時と異常時の画像データを分離し(S11)、均等色空間データによって、正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上の座標として表」す点は、本件補正発明の「前記第1情報は、第1ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第1ユーザインタフェースは、」「検査機器」「を含」む点に相当する。
エ 引用発明の「撮像部6は被験者が行ったジェスチャを画像データとして取得する」点と、本件補正発明の「前記第2情報は、第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第2ユーザインタフェースは、通信端末に搭載されたカメラ、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含」む点は、第2情報は、第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、第2ユーザインタフェースは、カメラを含む限りにおいて、一致する。
オ 引用発明の「診断システム」は、「画像解析部15はデータ保持部21が保持する興味領域の画素値から三刺激値データ(RGB)をそれぞれ算出し、この三刺激値データからプライマリ変換によって反応色データを算出し、この反応色データから均等色空間データに変換し(S10)、画像解析部15は均等色空間データに基づき、被験者の特定部位ごとに正常時と異常時の画像データを分離し(S11)、均等色空間データによって、正常状態・異常状態の色彩データやその他特徴量を二次元以上(本実施形態では二次元)の座標として表し、判断部16は正常時と異常時の座標を比較し(S12)」ているから、本件補正発明の「情報処理装置」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明との一致点、相違点は、以下のとおりである。
[一致点]
「ユーザに関する第1情報を用いて、前記ユーザの身体状態に関する一次判定処理を実行し、
前記一次判定処理の結果に基づいて、前記ユーザの身体状態に関する、前記一次判定処理よりも詳細な判定である二次判定処理の要否を判定し、
前記二次判定処理が必要であると判定された場合、前記ユーザに関する情報であって前記第1情報とは異なる情報であり、かつ、前記一次判定処理の結果に基づいて複数の種類の中から決定された少なくとも一種類以上の情報である第2情報を前記ユーザから取得し、
前記第2情報を用いて、前記二次判定処理を実行するよう構成され、
前記第1情報は、第1ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、
前記第2情報は、第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、
前記第1ユーザインタフェースは、検査機器を含み、
前記第2ユーザインタフェースは、カメラを含む、
情報処理装置。」
[相違点]
本件補正発明では、「前記第2ユーザインタフェースは、通信端末に搭載されたカメラ、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み、且つ前記第1ユーザインタフェースと前記第2ユーザインタフェースは異なるインタフェースである」のに対し、引用発明では、同一の撮像部6である点。
(4)判断
上記相違点について、検討する。
引用文献1の【0102】には、「診断システム1の質問に対して被験者のジェスチャにより回答するように構成したが、回答方法はジェスチャに限られず、上述したようなユーザインターフェイス部11のマウスやキーボードなどの入力操作や音声入力により回答するように構成しても良い。」と記載されており、「マウスやキーボード」は、本件補正発明の「対話用インタフェース」に相当する。
そうすると、引用発明において、上記記載に従って、撮像部6で「被写体が行ったジェスチャを画像データとして取得する」ことに換えて、マウスやキーボードにより回答することで、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献1の記載事項の奏する効果から当業者が予測し得る範囲のものであって、格別顕著なものということはできない。
(5)小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献1の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、令和 3年12月24日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載されたとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。
本願の請求項1に係る発明は、本願の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された、引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「第1情報」に係る「第1ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第1ユーザインタフェースは、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み」という限定事項を削除し、「第2情報」に係る「第2ユーザインタフェースを介して、前記ユーザから取得される情報を含み、」「前記第2ユーザインタフェースは、通信端末に搭載されたカメラ、マッサージ装置に搭載されたカメラ、対話用インタフェース、ウェアラブル機器、検査機器のうち少なくともいずれか一つを含み、且つ前記第1ユーザインタフェースと前記第2ユーザインタフェースは異なるインタフェースである」という限定事項を削除したものである。
そうすると、前記第2の[理由]2(3)の記載から、本願発明は引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-008973