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特許拒絶査定不服審判

2023-020156

マッサージシステム及びマッサージ装置の制御方法

審判番号
2023-020156
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-018911
請求日
2023年11月29日
審決日
2025年04月24日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ファミリーイナダ株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 井上 哲男
  • 審判官 栗山 卓也
  • 審判官 三森 雄介
分類
P18 .121-WZ (A61H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 18911「マッサージシステム及びマッサージ装置の制御方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月20日出願公開、特開2020-124388〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年 2月 5日の出願であって、その手続の経緯は概略以下のとおりである。 令和 4年 9月15日付け:拒絶理由通知書 令和 4年11月15日提出:意見書及び手続補正書 令和 5年 3月 7日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 5年 5月11日提出:意見書及び手続補正書 令和 5年 8月22日付け:令和5年 5月11日の手続補正についての補正の却下の決定及び拒絶査定(送達日:同年 8月29日) 令和 5年11月29日提出:審判請求書及び手続補正書 令和 6年11月14日付け:拒絶理由通知書 令和 6年12月24日提出:意見書及び手続補正書 第2 本願発明 本願の請求項1~10に係る発明は、令和 6年12月24日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 マッサージ装置と、 メイン制御部を有するコントローラと、を備え、 前記マッサージ装置は、 マッサージ動作を行う動作機構と、 前記動作機構を駆動させる駆動部と、 前記駆動部と通信可能なサブ制御部と、を含み、 前記コントローラは、 前記マッサージ装置の外部装置で構成され、前記サブ制御部と双方向に無線通信可能であって、 前記マッサージ装置近傍において前記サブ制御部と無線通信可能な第1の装置と、前記第1の装置とネットワークを介して接続されるサーバと、を含み、 前記サーバは、1以上のマッサージコースに応じたプログラムを記憶しており、 前記マッサージコースに応じた前記プログラムに基づく前記駆動部の駆動を指示する制御信号を含む指令を生成し、前記第1の装置に送信し、 前記第1の装置は、 前記サーバからの前記指令に基づく前記制御信号を前記サブ制御部に対して送信する処理と、 ユーザ操作を受け付けて、前記ユーザ操作を示すデータを、前記ユーザ操作の内容に応じた送信先である前記サーバ又は前記サブ制御部に対して送信する分岐処理を有し、 前記分岐処理は、 少なくとも前記ユーザ操作が前記マッサージコースを選択する操作のとき、前記マッサージコースを選択する前記データを前記サーバに送信する処理と、 少なくとも前記ユーザ操作がマッサージ動作を停止する操作のとき、前記マッサージ動作を停止する前記制御信号を含む前記データを前記サブ制御部に対して送信する処理と、を有すること を特徴とするマッサージシステム。」 第3 当審拒絶理由通知の概要 当審において令和 6年11月14日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶の理由は、概略、次の理由を含む。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記引用文献1、2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開2016-83069号公報 2.特表2016-523111号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1の記載 当審が通知した拒絶理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある。(以下「・・・」は記載の省略を表す。)下線は当審にて付したものである。 (1)「【0016】 (本発明の第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージシステムを前記図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態においては、着座した使用者の身体を支えつつ施療を実行する椅子状のマッサージ機を用いる例について説明する。 【0017】 (全体構成) 前記各図において本実施形態に係るマッサージシステム1は、使用者の使用に係る操作に基づいてマッサージを実行する複数の施療機構、及び、各施療機構でのマッサージ実行を制御する制御部40を内蔵するマッサージ機10と、このマッサージ機10に対しマッサージに係る所定のデータをやり取り可能とされる通信接続手段84と、電気通信事業者を介してネットワーク上の管理サーバと通信する無線通信手段83を備えた提案部としての携帯通信端末80とを備える構成である。 マッサージ機は、操作部30による操作の他、提案部80による操作が可能である。 【0018】 (マッサージ機) マッサージ機10は、・・・、搭載されている複数の施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。 【0019】 前記マッサージ機10の基台部11は、マッサージ機設置面としての床面に載置され、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を一体に取付けられてこれらを支持するものである。 【0020】 また、前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として取付けられ、座面にて使用者の臀部や太腿部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものである。この座部12の施療機構としては、空気の給排で動作する臀部用エアセル71、及び太腿用エアセル72を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70が座部12下側のスペースに配設される。」 (2)「【0028】 (制御部) 前記制御部40は、あらかじめ使用者の身体各部位置検出を実行して得られた検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を使用者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、携帯通信端末80又は操作部30から送信される指示データに基づいて、適切なマッサージの実行のための制御を行うものである。 【0029】 この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUや記憶部41、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、記憶部41に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。・・・ 【0030】 この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等の本体部20内部の所定のスペースに配設され、操作部30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50の各種モータや、座部12や背もたれ部13、脚支持部15を傾動させる各アクチュエータ、エアポンプ70等のマッサージを実行する施療機構とそれぞれ電気的に接続され、使用者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの各機構の作動を制御する。」 (3)「【0034】 制御部40は、より詳細には、マッサージの機能やマッサージコースといったマッサージ内容に係るデータを格納する記憶部41と、各施療機構の作動時間を積算し記憶する作動情報記憶部43と、携帯通信端末80の送信したデータを受信すると共に携帯通信端末80へデータを送信する通信接続手段42とを有し、操作部30や携帯通信端末80からの指示データに対応するマッサージの基本的な機能や自動のマッサージコースのデータを記憶部41から読み出し、データに基づく制御信号を出力して、各施療機構を作動させる仕組みである。 【0035】 前記通信接続手段42は、携帯通信端末80から送信されたマッサージの内容を指示する指示データを受信する一方、作動情報記憶部43に記憶されたマッサージ機10の作動情報を携帯通信端末80に向け送信するものである。携帯通信端末80との通信は、ケーブルを介した直接接続による通信、あるいは、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。 【0036】 (提案部) 提案部となる携帯通信端末80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、電気通信事業者の携帯電話網及び/又はデータ通信網と接続して通信する機能を有する携帯電話やいわゆるスマートフォン、PDA(携帯情報端末)などの公知の装置であり、このうち、端末上でアプリケーションプログラムを実行可能であり、且つ、携帯電話網及び/又はデータ通信網への接続用の無線通信手段83とは別の、マッサージ機10の通信接続手段42と直接無線通信又は有線接続で通信する通信接続手段84と、マッサージ機10への指示データを保持可能な記憶手段85とを有するものである。この携帯通信端末80は、タッチパネル式の表示デバイス81を有して、表示デバイスが入力デバイス82を兼ねる構成である。 【0037】 記憶手段85に記憶される指示データはネットワーク100を通じて無線通信手段83により管理サーバ90や参考となるサイトから携帯通信端末80にダウンロードすることで入手でき、また入手した情報を基に使用者が携帯通信端末80での入力編集により複数の基本的なマッサージの機能を適宜組み合わせて作成した、新規のマッサージコースのようなデータであってもよい。 【0038】 携帯通信端末80は、指示データとしてマッサージ機操作用のプログラムを上記無線通信手段により管理サーバ90や他の情報サイトから受信し記憶しており、表示デバイス81で使用者の選択可能なマッサージ10での複数通りのマッサージ内容、具体的にはマッサージの機能やマッサージコース、を表す所定の表示を行うと共に、この表示に基づく使用者のマッサージ実行の指示操作入力を入力デバイス82で受付け、入力デバイス82で受付けた入力に対応する内容でのマッサージの実行に係る指示データをマッサージ機10に通信接続手段84により送信し、さらに使用者の選択したマッサージ内容を、選択されたことが明示される状態で表示デバイス81に表示する各機能を有しており、操作部30同様にマッサージ機10の操作が行えるものである。この他、マッサージ内容や使用者の体格や好みに合わせたマッサージ機10各部の傾斜角や位置の調整、マッサージ強度の設定等も行える仕組みである。」 (4)「【0061】 (本発明の第2の実施形態) 第2の実施形態として、図3ないし図6に示すように、管理サーバ90以外から得た情報、例えば、携帯通信端末80から得た情報も作動情報に加えて、管理者側に送信することもできる。 【0062】 この場合、例えば、マッサージ機10に対応する携帯通信端末80における問診用プログラムの実行により、あらかじめ収集した使用者の体調情報を、管理サーバ90が携帯通信端末80から送信させて受取り(図3参照)、この情報に基づく使用者の体調情報とマッサージ機10の作動情報を合わせて入手し、管理者が使用者及び使用者のマッサージ機のケアにあたる対応をとることが出来る。 【0063】 この場合、使用者の体調に合ったマッサージの機能及び/又はマッサージコースを指示データとして管理者側が新しい機能及び/又はマッサージコースとして携帯通信端末80に送信して提案し(図4参照)、使用者が提案の機能及び/又はマッサージコースを選択してマッサージ機でのマッサージを実行した場合に、体調に合致したマッサージで高いマッサージ効果を期待でき、携帯通信端末80の使用動機を向上させることが出来る。」 (5)「【0072】 具体的には、例えば、管理サーバ90が、マッサージ機10の履歴データで示されるマッサージ機各部の稼働状況から推定した、マッサージ機の各機構部位、具体的には、モータやベアリング、歯車、カムなど、の作動回数をそれぞれ集計して、各部位ごとの使用開始時からの全作動回数を取得し、所定機構部位の全作動回数が機構部位ごとにあらかじめ設定された制限回数(いわゆる設計寿命)に達した場合には、使用者に対しマッサージ機がこうした機構部位の破損のおそれに伴い危険状態である旨を通知するメッセージのデータを携帯通信端末80に送信すると共に、これを受信した携帯通信端末80が、データに基づいて表示デバイス81で使用者に対する上記のメッセージを表示する構成とすることもできる(図7参照)。またこの時、必要に応じて、携帯通信端末80は、マッサージ機10を停止させる指示情報をマッサージ機10に送信して、マッサージ機10を安全に停止させる制御を行うようにすることもできる。・・・」 (6)「【図1】 [図:0001424132000001.jpg] 」 (7)「【図2】 [図:0001424132000002.jpg] 」 (8)「【図3】 [図:0001424132000003.jpg] 」 (9)「【図4】 [図:0001424132000004.jpg] 」 2 引用発明 上記1の事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 「マッサージ機10と、 携帯通信端末80と、管理サーバ90とを備え、 前記マッサージ機10は、 マッサージを実行し、空気の給排で動作する臀部用エアセル71及び太腿用エアセル72と、 エアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70と、を備えた施療機構、及び、 各施療機構でのマッサージ実行を制御する制御部40、を内蔵し、 前記携帯通信端末80は、 タッチパネル式の表示デバイス81及び入力デバイス82と、 前記制御部40が有する通信接続手段42と直接無線通信で通信する通信接続手段84と、 電気通信事業者を介して前記管理サーバ90と通信する無線通信手段83を有し、 前記携帯通信端末80は、 指示データとしてマッサージ機操作用のプログラムを前記無線通信手段により前記管理サーバ90から受信し、 使用者のマッサージ実行の指示操作入力を入力デバイス82で受付け、入力デバイス82で受付けた入力に対応する内容でのマッサージの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信し、マッサージ機10の操作を行い、 問診用プログラムの実行により、あらかじめ収集した使用者の体調情報を管理サーバ90に送信し、使用者の体調に合ったマッサージコースを指示データとして管理者側が新しいマッサージコースとして携帯通信端末80に送信し、使用者が提案のマッサージコースを選択してマッサージ機10でのマッサージを実行し、 マッサージ機10を停止させる指示情報を携帯通信端末80からマッサージ機10に送信して、マッサージ機10を安全に停止させる制御を行う、 マッサージシステム1。」 3 引用文献2の記載 当審が通知した拒絶理由に引用された引用文献2には、以下の記載がある。 (1)「【0008】 図1は、マッサージ関連サービスを提供するシステム100の一実施形態を描写する概略図である。システム100は、2台のサーバコンピュータ102と103、端末装置104、およびマッサージ装置106を含み得る。サーバコンピュータ102は、端末装置104が多様なアプリケーションプログラムを閲覧してダウンロードし、様々な取引を実施できるようにする、デジタルアプリケーション配信プラットフォーム112をホストし得る。・・・」 (2)「【0024】 図1および図2と関連して、図4は、新しいマッサージプログラムをオンラインで購入するために端末装置104のレベルで適用される方法のステップを描写するフローチャートであり、図5A~図5Hはオンライン購入取引の際の端末装置104での表示の例を描写する概略図である。ステップ402で、端末装置104で実行されているアプリケーションプログラム114は、購入可能な複数のマッサージプログラム501を列挙している図5Aに示されているように、画像フレームF1を表示し得る。・・・ 【0025】 ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、アプリケーションプログラム114はステップ404で、選択されたマッサージプログラムと関連する購入取引を実施し得る。・・・ 【0026】 次のステップ406で、アプリケーションプログラム114は続けて購入済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ103からダウンロードし得る。ダウンロードは、例として、インターネット接続を介して実施され得る。・・・ 【0027】 マッサージプログラムの端末装置104へのダウンロードが完了すると、アプリケーションプログラム114は、ダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置106に転送するかをユーザに尋ねる、クエリウィンドウF6を表示し得る。ユーザが確認すると、アプリケーションプログラム114はステップ408で、マッサージ装置106との接続を確立し、続けてダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置106に転送し得る。このことは図5Gに描写されている転送進行状況ウィンドウF7で示され得る。 【0028】 マッサージプログラムのマッサージ装置106への転送が完了した後、アプリケーションプログラム114は、マッサージ装置106にマッサージプログラムの実行を開始させるかをユーザに尋ねる、図5Hに示されているクエリウィンドウF8を表示し得る。起動要求に応じて、アプリケーションプログラム114はステップ410で、マッサージ装置106でマッサージプログラムの実行を開始するためにマッサージ装置106に信号を送信し得る。」 (3)「【図1】 [図:0001424132000005.jpg] 」 (4)「【図4】 [図:0001424132000006.jpg] 」 4 引用文献2に記載された事項 上記3の事項を総合すると、引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。 「サーバコンピュータ103、端末装置104、及びマッサージ装置106を含むシステム100において、端末装置104のアプリケーションプログラム114は、購入可能な複数のマッサージプログラム501を列挙している画像フレームF1から、ユーザによって選択された購入済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ103からダウンロードし、ダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置106に転送し、マッサージ装置106でマッサージプログラムの実行を開始する、システム100。」 第5 対比、判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比すると、 (i)引用発明の「マッサージ機10」は、本願発明の「マッサージ装置」に相当する。 (ii)引用発明の「携帯通信端末80」及び「管理サーバ90」は、本願発明の「第1の装置」と「サーバ」を含む「コントローラ」に相当する。また、携帯通信端末80が端末自体を制御する制御部を有することは技術常識であるから、引用発明の「携帯通信端末80」の当該「制御部」は、本願発明の「メイン制御部」に相当する。 (iii)引用発明の「マッサージを実行し、空気の給排で動作する臀部用エアセル71及び太腿用エアセル72」及び「エアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70」は、それぞれ本願発明の「マッサージ動作を行う動作機構」及び「前記動作機構を駆動させる駆動部」に相当する。 (iv)引用発明のマッサージ機10は、「臀部用エアセル71及び太腿用エアセル72と、」「エアポンプ70と、を備えた施療機構」及び「各施療機構でのマッサージ実行を制御する制御部40」を内蔵しているから、引用発明の「制御部40」は、本願発明の「前記駆動部と通信可能なサブ制御部」に相当する。 (v)引用発明の「前記制御部40が有する通信接続手段42と直接無線通信で通信する通信接続手段84」を有する「携帯通信端末80」は、引用文献1の図1等の記載からマッサージ機10の近傍に設けられた外部装置であることは明らかであるから、本願発明の「前記マッサージ装置の外部装置で構成され、前記サブ制御部と双方向に無線通信可能であって、前記マッサージ装置近傍において前記サブ制御部と無線通信可能な第1の装置」に相当する。 (vi)引用発明の「管理サーバ90」は、携帯通信端末80の無線通信手段83と電気通信事業者を介して通信しており、本願発明の「前記第1の装置とネットワークを介して接続されるサーバ」に相当する。 (vii)引用発明の管理サーバ90は、指示データとしてのマッサージ機操作用のプログラム及び新しいマッサージコースを携帯通信端末80に送信し、携帯通信端末80は、入力デバイス82で受け付けた入力に対応するマッサージの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信するとともに、使用者のマッサージコースの選択に応じてマッサージ機10でのマッサージを実行させるものであるから、引用発明の「マッサージ機操作用のプログラム」は、新しいマッサージコースに対応するものであり、本願発明の「1以上のマッサージコースに応じたプログラム」に相当し、引用発明の「マッサージの実行に係る指示データ」は、本願発明の「前記マッサージコースに応じた前記プログラムに基づく前記駆動部の駆動を指示する制御信号を含む指令」に相当する。そして、サーバが他装置に送信する情報を生成し記憶することは技術常識であるから、引用発明の「マッサージ機操作用のプログラム」を送信する「管理サーバ90」は、本願発明の「1以上のマッサージコースに応じたプログラムを記憶しており、前記マッサージコースに応じた前記プログラムに基づく前記駆動部の駆動を指示する制御信号を含む指令を生成し、前記第1の装置に送信」する「サーバ」に相当する。 (viii)引用発明のマッサージ機10は、各施療機構でのマッサージ実行を制御する制御部40を有しており、管理サーバ90から携帯通信端末80を介してマッサージ機10に送信された指示データは、マッサージ実行のため制御部40が受信するから、引用発明の「携帯通信端末80」が「指示データをマッサージ機10に送信」する処理は、本願発明の「第1の装置」が「前記サーバからの前記指令に基づく前記制御信号を前記サブ制御部に対して送信する処理」に相当する。 (ix)引用発明の「指示操作入力を入力デバイス82で受付け」ることは、本願発明の「ユーザ操作を受け付け」ることに相当する。 (x)引用発明の「携帯通信端末80」が、「使用者の体調情報を管理サーバ90に送信」することと「指示データをマッサージ機10に送信」することとをそれぞれ行う処理は、本願発明の「前記ユーザ操作を示すデータを、前記ユーザ操作の内容に応じた送信先である前記サーバ又は前記サブ制御部に対して送信する分岐処理」に相当する。 (xi)引用発明の「マッサージシステム1」は、本願発明の「マッサージシステム」に相当する。 してみると、両者は、 「マッサージ装置と、 メイン制御部を有するコントローラと、を備え、 前記マッサージ装置は、 マッサージ動作を行う動作機構と、 前記動作機構を駆動させる駆動部と、 前記駆動部と通信可能なサブ制御部と、を含み、 前記コントローラは、 前記マッサージ装置の外部装置で構成され、前記サブ制御部と双方向に無線通信可能であって、 前記マッサージ装置近傍において前記サブ制御部と無線通信可能な第1の装置と、前記第1の装置とネットワークを介して接続されるサーバと、を含み、 前記サーバは、1以上のマッサージコースに応じたプログラムを記憶しており、 前記マッサージコースに応じた前記プログラムに基づく前記駆動部の駆動を指示する制御信号を含む指令を生成し、前記第1の装置に送信し、 前記第1の装置は、 前記サーバからの前記指令に基づく前記制御信号を前記サブ制御部に対して送信する処理と、 ユーザ操作を受け付けて、前記ユーザ操作を示すデータを、前記ユーザ操作の内容に応じた送信先である前記サーバ又は前記サブ制御部に対して送信する分岐処理を有する、マッサージシステム。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点1〕 本願発明は、「前記分岐処理は、少なくとも前記ユーザ操作が前記マッサージコースを選択する操作のとき、前記マッサージコースを選択する前記データを前記サーバに送信する処理」「を有する」のに対し、引用発明は、収集した使用者の体調情報を管理サーバ90に送信する点。 〔相違点2〕 本願発明は、「前記分岐処理は、」「少なくとも前記ユーザ操作がマッサージ動作を停止する操作のとき、前記マッサージ動作を停止する前記制御信号を含む前記データを前記サブ制御部に対して送信する処理」「を有する」のに対し、引用発明は、マッサージ機10を停止させる指示情報をマッサージ機10に送信して、マッサージ機10を安全に停止させる制御を行う点。 2 判断 (1)上記相違点1について検討する。 引用文献2記載事項の「購入可能な複数のマッサージプログラム501を列挙している画像フレームF1から、ユーザによって選択された購入済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ103からダウンロード」する動作は、ダウンロード対象となるマッサージプログラムを特定するために、画像フレームF1からユーザによって選択された購入済みマッサージプログラムを特定する情報を、端末装置104からサーバコンピュータ103へ送信することが明らかであるから、本願発明の「前記ユーザ操作が前記マッサージコースを選択する操作のとき、前記マッサージコースを選択する前記データを前記サーバに送信する」ことに相当する。 そして、ユーザがマッサージ装置のマッサージ内容を直接選択することは通常行われることであるから、引用発明を実施するに際し、使用者の体調情報に代えて、引用文献2記載事項を適用し、画像フレームF1からユーザによって選択されたマッサージプログラムを特定する情報を送信することで、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項と同様の構成にすることは、当業者であれば容易に想到しうることである。 (2)上記相違点2について検討する。 引用発明の「入力デバイス82で受付けた入力に対応する内容でのマッサージの実行に係る指示データ」と、「マッサージ機10を停止させる指示情報」は、どちらも携帯通信端末80からマッサージ機10に送信され、マッサージ機10の動作を制御するものであるから、同種のデータ構造を有すると考えられる。 してみれば、引用発明においてマッサージ機10を停止させる制御を具体化するにあたり、入力デバイス82で受付ける入力としてマッサージ機10の停止操作を受付け、マッサージ機10の停止操作に対応する内容での指示データとしてマッサージ機10を停止させる指示情報をマッサージ機10に送信することを分岐処理の一環として行うことで、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項と同様の構成にすることは、当業者が容易に想到しうることである。 3 効果の検討 本願発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献2記載事項から、当業者が予測できる範囲のものであって、格別顕著なものではない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-020156

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