特許拒絶査定不服審判
2023-006699
情報ネットワークシステム、新しい施療コース導入方法、及び操作器
- 審判番号
- 2023-006699
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-012876
- 請求日
- 2023年04月24日
- 審決日
- 2024年10月08日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ファミリーイナダ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 哲男
- 審判官 栗山 卓也
- 審判官 近藤 利充
- 分類
- P18 .121-Z (A61H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022- 12876「情報ネットワークシステム、新しい施療コース導入方法、及び操作器」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 4月14日出願公開、特開2022- 60258〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年 6月 3日の出願である特願2016-111869号の一部を令和 4年 1月31日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和 4年 2月 2日 :手続補正書及び上申書の提出
令和 4年 8月15日付け:拒絶理由通知書
令和 4年12月 9日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 5年 2月14日付け:拒絶査定
令和 5年 4月24日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出
令和 6年 2月22日付け:拒絶理由通知書
令和 6年 4月18日 :応対記録
令和 6年 4月19日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 6年 7月23日付け:審尋
令和 6年 7月25日 :回答書の提出
第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1~2に係る発明は、令和 6年 4月19日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~2に係る発明であるところ、そのうちの請求項2に係る発明は、次のとおりである(以下「本願発明」という。)。
「【請求項2】
第1施療コースとは異なる新しい第2施療コースの導入が可能なマッサージ機の操作器であって、
前記操作器は、被施療者によって選択される第1施療コースを表示するよう構成されているとともに、通信サーバから送信された前記第2施療コースを表示することで被施療者に前記第2施療コースが導入されたことを認識させることができるよう構成され、
前記第2施療コースは、被施療者が前記操作器の画面上に表示させるための選択をすることによって表示され、
前記操作器に設けられた画面には、前記第2施療コースと、前記第1施療コースが表示されるように構成されたマッサージ機の操作器。」
第3 原査定
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。
引用文献1:国際公開第2014/196922号
引用文献2:特開2003-79687号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載事項及び認定事項
上記引用文献1には、次の記載がある。(下線は当審で付した。付記した訳文は、日本語ファミリー公報である特表2016-523111号公報に基づき、当審が作成した。)
ア「[0019] … In one embodiment, the massage apparatus 106 can be provided with a remote controller 150 to facilitate its operation. In particular, the remote controller 150 can have a display capable of showing a list of massage programs for a user's selection.」
([0019]…一実施形態において、マッサージ装置106は、操作を容易にするためにリモートコントローラ150を備え得る。特に、リモートコントローラ150は、ユーザが選択するためのマッサージプログラムのリストを表示可能なディスプレイを含み得る。)
イ「[0025] The memory 134 can store preset programming codes of massage programs IMP initially available in the massage apparatus 106. The separate memory 136 can store the programming codes of massage programs DMP that are loaded into the massage apparatus 106 by a user from an external device.」
([0025]メモリ134は、マッサージ装置106で最初から利用可能なマッサージプログラムIMPのプリセットプログラミングコードを保存し得る。別のメモリ136は、ユーザにより外部装置からマッサージ装置106に読み込まれるマッサージプログラムDMPのプログラミングコードを保存し得る。)
ウ「[0027] … In one embodiment, the microcontroller 154 of the remote controller 150 can include an internal memory 156 that stores graphical icons associated with the massage programs IMP and DMP. These graphical icons can be displayed on the screen of the remote controller 150 for facilitating the setting, control and operation of the massage apparatus 106 by the user.」
([0027]…一実施形態において、リモートコントローラ150のマイクロコントローラ154は、マッサージプログラムIMPとDMPと関連付けられているグラフィカルアイコンを保存する内部メモリ156を含み得る。これらのグラフィカルアイコンは、ユーザによるマッサージ装置106の設定、制御および操作を容易にするため、リモートコントローラ150の画面上に表示され得る。)
エ「[0029] In step 304, the server computer 103 may send out a notification about the release of the new massage program, which may be relayed via the server computer 102 to the terminal device 104. The terminal device 104 can be informed about the release of new massage programs via the application program 114.」
([0029]ステップ304で、サーバコンピュータ103は、新しいマッサージプログラムのリリースについての通知を送信し得る。この通知は、サーバコンピュータ102を介して端末装置104に中継され得る。端末装置104は、アプリケーションプログラム114を介して新しいマッサージプログラムのリリースについて通知され得る。)
オ「[0032] In conjunction with FIGS. 1 and 2, FIG. 4 is a flowchart illustrating method steps applied at the level of the terminal device 104 for purchasing online a new massage program, and FIGS. 5A-5H are schematic views illustrating examples of displays on the terminal device 104 occurring in the online purchase transaction. In step 402, the application program 114 running on the terminal device 104 can display an image frame Fl as shown in FIG.5A listing a plurality of massage programs 501 available for purchase.」
([0032]図1および図2と関連して、図4は、新しいマッサージプログラムをオンラインで購入するために端末装置104のレベルで適用される方法のステップを描写するフローチャートであり、図5A~図5Hはオンライン購入取引の際の端末装置104での表示の例を描写する概略図である。ステップ402で、端末装置104で実行されているアプリケーションプログラム114は、購入可能な複数のマッサージプログラム501を列挙している図5Aに示されているように、画像フレームF1を表示し得る。)
カ「[0033] If the user wants to purchase the massage program, the application program 114 in step 404 can conduct a purchase transaction with respect to the selected massage program.」
([0033]ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、アプリケーションプログラム114はステップ404で、選択されたマッサージプログラムと関連する購入取引を実施し得る。)
キ「[0034] In next step 406, the application program 114 then can proceed to download the purchased massage program from the server computer 103. The download can be conducted, e.g., via internet connection. While the terminal device 104 is receiving one or more file of the purchased massage program, the application program 114 can display a download progress window F5 as shown in FIG. 5E.」
([0034]次のステップ406で、アプリケーションプログラム114は続けて購入済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ103からダウンロードし得る。ダウンロードは、例として、インターネット接続を介して実施され得る。端末装置104が購入済みマッサージプログラムの1つまたは複数のファイルを受信する間に、アプリケーションプログラム114は、図5Eに示されているように、ダウンロード進行状況ウィンドウF5を表示し得る。)
ク「[0035] Once the download of the massage program to the terminal device 104 is completed, the application program 114 may display a query window F6 asking the user whether the downloaded massage program is to be transferred to the massage apparatus 106. Upon confirmation by the user, the application program 114 in step 408 can establish a connection with the massage apparatus 106 and proceed to transfer the downloaded massage program to the massage apparatus 106. This can be shown by the transfer progress window F7 illustrated in FIG. 5G.」
([0035]マッサージプログラムの端末装置104へのダウンロードが完了すると、アプリケーションプログラム114は、ダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置106に転送するかをユーザに尋ねる、クエリウィンドウF6を表示し得る。ユーザが確認すると、アプリケーションプログラム114はステップ408で、マッサージ装置106との接続を確立し、続けてダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置106に転送し得る。このことは図5Gに描写されている転送進行状況ウィンドウF7で示され得る。)
ケ「[0039] … In FIG. 7B, the display of the remote controller 150 can show an icon F10 indicating that there is a newly downloaded program available for selection by the user.」
([0039]…図7Bで、リモートコントローラ150の表示は、ユーザが選択可能な新しくダウンロードされたプログラムがあることを示すアイコンF10を示し得る。)
コ「
[図:0001417125000001.jpg]
」
サ 「マッサージプログラムDMP」は、「ユーザにより外部装置からマッサージ装置106に読み込まれる」ものである(上記イ)ところ、上記エ~ケにおいて、マッサージプログラムが、そのリリースについて通知され、購入可能なマッサージプログラムとして列挙され、ユーザにより購入され、ダウンロードされることが具体的に説明されていることを踏まえれば、上記エ~ケに記載された「マッサージプログラム」、「マッサージプログラム501」及び「ダウンロードされたプログラム」は、いずれも、上記「マッサージプログラムDMP」と同じものである。
2 引用発明
上記1の事項ア~サを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「マッサージ装置106の操作を容易にするためのリモートコントローラ150であって、
リモートコントローラ150は、ユーザが選択するためのマッサージプログラムとして、マッサージ装置106で最初から利用可能なマッサージプログラムIMP及びユーザにより外部装置からマッサージ装置106に読み込まれるマッサージプログラムDMPのリストを表示可能なディスプレイを含み、
サーバコンピュータ103が、新しいマッサージプログラムDMPのリリースについての通知を送信すると、この通知が端末装置104に中継されることで、端末装置104は、新しいマッサージプログラムDMPのリリースについて通知され、
購入取引の際の端末装置104の表示は、購入可能な複数のマッサージプログラムDMPを列挙しており、
ユーザがマッサージプログラムDMPを購入すると、
購入済みマッサージプログラムDMPは、サーバコンピュータ103から端末装置104にダウンロードされ、
マッサージプログラムDMPの端末装置104へのダウンロードが完了した後、ダウンロード済みマッサージプログラムDMPはマッサージ装置106に転送され、
リモートコントローラ150の表示は、ユーザが選択可能な新しくダウンロードされたプログラムDMPがあることを示すアイコンF10を示す、
マッサージ装置106のリモートコントローラ150。」
3 引用文献2の記載事項
上記引用文献2には、次の記載がある。
ア「【0050】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1に係る空気マッサージ機の構成の一例を示す斜視図である。図に示す如く、本発明の実施の形態1に係る空気マッサージ機は、主としてマットレス1,枕2,及び本体3から構成されている。」
イ「【0170】(実施の形態8)図32は、本発明の実施の形態8に係る空気マッサージ機と通信ネットワークとの接続の一例を示す図である。図32において、本体3は、パソコン91又は携帯電話機92と通信するための通信インタフェース(図示せず)を備えており、該通信インタフェースを介してパソコン91又は携帯電話機92とデータ通信することができる。これらのパソコン91及び携帯電話機92は、インターネットである通信ネットワークNTWと接続する手段を備えており、該通信ネットワークNTW上に公開されているデータベース90にアクセスすることができる。」
ウ「【0175】図33に示すように、本変形例に係る空気マッサージ機は、通信ネットワークNTWと接続するための手段としてモデム93を内蔵している。これにより、上述したようなパソコン91又は携帯電話機92等の特別の装置を用意することなく、通信ネットワークNTW上に公開されているデータベース90にアクセスすることができる。そのため、ユーザは、空気マッサージ機のみを用いてデータベース90から所望の治療用プログラムをダウンロードすることができる。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 引用発明の「マッサージ装置106」は、本願発明の「マッサージ機」に相当し、「マッサージ装置106の操作を容易にするためのリモートコントローラ150」は、「マッサージ機の操作器」に相当する。
2 引用発明の「ユーザ」は、本願発明の「被施療者」に相当する。
引用発明の「マッサージ装置106で最初から利用可能なマッサージプログラムIMP」は、本願発明の「第1の施療コース」に相当する。
また、引用発明の「ユーザにより外部装置からマッサージ装置106に読み込まれるマッサージプログラムDMP」は、マッサージ装置106に対して追加的に、すなわち新たに導入される、上記マッサージプログラムIMPとは異なるマッサージプログラムであるから、本願発明の「第1施療コースとは異なる新しい第2施療コース」に相当する。
3 引用発明の「サーバコンピュータ103」は、その機能から、本願発明の「通信サーバ」に相当する。
そして、引用発明の「サーバコンピュータ103から端末装置104にダウンロードされ、」「端末装置104へのダウンロードが完了した後、」「マッサージ装置106に転送され」る「マッサージプログラムDMP」は、本願発明の「通信サーバから送信された前記第2施療コース」に相当する。
4 引用発明の「リモートコントローラ150の表示は、ユーザが選択可能な新しくダウンロードされたプログラムDMPがあることを示すアイコンF10を示す」ことは、本願発明の「前記操作器は、」「前記第2施療コースを表示することで被施療者に前記第2施療コースが導入されたことを認識させることができるよう構成され」ることに相当する。
5 引用発明の「リモートコントローラ150」が「ユーザが選択するためのマッサージプログラムとして、マッサージ装置106で最初から利用可能なマッサージプログラムIMP及びユーザにより外部装置からマッサージ装置106に読み込まれるマッサージプログラムDMPのリストを表示可能なディスプレイを含」むことは、本願発明の「前記操作器は、被施療者によって選択される第1施療コースを表示するよう構成されているとともに、」「前記第2施療コースを表示する」「よう構成され」ること、さらに、「前記操作器に設けられた画面には、前記第2施療コースと、前記第1施療コースが表示されるように構成された」ことに相当する。
そうすると、両者は、
「マッサージ機の操作器であって、
前記操作器は、被施療者によって選択される第1施療コースを表示するよう構成されているとともに、通信サーバから送信された前記第2施療コースを表示することで被施療者に前記第2施療コースが導入されたことを認識させることができるよう構成され、
前記操作器に設けられた画面には、前記第2施療コースと、前記第1施療コースが表示されるように構成されたマッサージ機の操作器。」
である点で一致し、以下の各点で相違する。
[相違点1]
本願発明は、マッサージ機の操作器が、「第1施療コースとは異なる新しい第2施療コースの導入が可能」であるのに対し、引用発明は、購入済みマッサージプログラムDMPは、サーバコンピュータ103から端末装置104にダウンロードされ、マッサージプログラムDMPの端末装置104へのダウンロードが完了した後、ダウンロード済みマッサージプログラムDMPはマッサージ装置106に転送される点。
[相違点2]
本願発明は、「前記第2施療コースは、被施療者が前記操作器の画面上に表示させるための選択をすることによって表示され」るのに対し、引用発明は、端末装置104の表示が、購入可能な複数のマッサージプログラムDMPを列挙している点。
第6 判断
1 相違点の検討
(1)まず、上記相違点1について検討する。
上記第4の3ア~ウのとおり、引用文献2には、通信ネットワークNTWと接続し該通信ネットワークNTW上に公開されているデータベース90にアクセスするための手段としてモデム93を内蔵することで、パソコン又は携帯電話機等の特別の装置を用意する必要のない空気マッサージ機が記載されている。
引用発明は、マッサージ装置106とは別に用意される端末装置104が、サーバコンピュータ103からマッサージプログラムDMPをダウンロードし、マッサージ装置106に転送する、すなわち、マッサージプログラムDMPをマッサージ装置106へ導入するものであるところ、引用発明において上記記載事項を適用し、マッサージ装置106の他に特別の装置として端末装置104を用意する必要のないように、マッサージ装置106にモデムを設け、端末装置104を介せずにサーバコンピュータ103から直接、リモートコントローラ150を用いてマッサージ装置106に新しいマッサージプログラムDMPをダウンロードするよう構成し、上記相違点1に係る本願発明の事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
(2)次に、上記相違点2について検討する。
本願発明の上記相違点2に係る「前記第2施療コースは、被施療者が前記操作器の画面上に表示させるための選択をすることによって表示され」との事項は、これに対応する具体的な実施形態の記載は本願明細書にないが、本願明細書【0043】の「図5は、上記操作器20の画面21における新着報知例を示す正面図である。…被施療者によって新着報知部22が選択されると、操作器20の画面21の情報報知部23に新しい施療コースに関する情報があることが報知される。」との記載に倣い、上記事項は、被施療者が操作器の画面上に第2施療コースを表示させるために、「導入済施療コース」のような画面表示(アイコン等)を選択することを特定していると解するのが相当である。
このことを踏まえて、以下検討する。
引用発明は、「購入取引の際の端末装置104の表示は、購入可能な複数のマッサージプログラムDMPを列挙」するものであるところ、上記相違点1で検討したように、端末装置104を介せずに直接、新しいマッサージプログラムDMPをダウンロードする場合に、リモートコントローラ150には種々の情報が表示されていて、新たに導入されるマッサージプログラムDMPを追加的に表示するための画面範囲は自ずと限られていることを踏まえ、リモートコントローラ150に届くリリース通知を、新しいマッサージプログラムDMPであることを表示するプログラムの列挙に代えて、比較的スペースを要しない、単に導入済情報があることを示すアイコン等の形態とし、ユーザが新しいマッサージプログラムDMPをリモートコントローラ150の画面上に表示させるためのアイコンのタッチ、すなわち選択をすることによって当該表示が行われるよう構成して、上記相違点2に係る本願発明の事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
2 効果について
本願発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献2の記載事項の奏する効果から当業者が予測し得る範囲内のものであって、格別のものとはいえない。
3 小括
よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第7 令和 6年 7月25日提出の回答書における請求人の主張について
1 請求人は、本願の請求項2に係る発明と、引用文献1に記載された発明とが有する相違点により、「操作器の同一画面上に第1施療コースと第2施療コースが表示されるため、使用者は操作器の画面を変更することなく、同じ画面上で第1施療コースと第2施療コースに関する情報を確認することができる。」という作用効果が奏される、と主張する。
そして、上記「使用者は操作器の画面を変更することなく、同じ画面上で第1施療コースと第2施療コースに関する情報を確認することができる。」との主張内容を踏まえれば、請求人は、操作器の画面上に第1施療コースと第2施療コースに関する情報が同時に表示され、使用者はその両者を確認することができることを主張していると解される。
しかし、本願発明の「前記操作器は、被施療者によって選択される第1施療コースを表示するよう構成されているとともに、通信サーバから送信された前記第2施療コースを表示することで被施療者に前記第2施療コースが導入されたことを認識させることができるよう構成され」との事項について検討すると、前半の「前記操作器は、被施療者によって選択される第1施療コースを表示するよう構成されている」との部分は、本願明細書【0033】の「図4は、図2に示す操作器の画面の例を示す正面図である。」との記載及び図4の記載に対応しており、また、後半の「通信サーバから送信された前記第2施療コースを表示することで被施療者に前記第2施療コースが導入されたことを認識させることができるよう構成され」との部分は、本願明細書に対応する具体的な実施形態の記載はない。そして、操作器の画面上に、第1施療コースと第2施療コースとを同時に表示するよう構成されることは、本願明細書に記載されていない。
以上のことから、本願発明の上記事項における「とともに」との記載は、操作器が、その画面上に第1施療コースと第2施療コースに関する情報とを同時に表示するよう構成されることを特定しておらず、単に、操作器の画面上に、第1施療コースを表示する状態と、第2施療コースに関する情報を表示する状態とがそれぞれ存在することを特定していると解するのが相当である。
すなわち、第1施療コース及び第2施療コースに関する情報が操作器の画面上に同時に表示される点は、請求項2の記載に基づかない主張であり、また、本願明細書及び図面に記載されている事項でもない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
2 請求人は、「引用文献1では、特別の装置(端末装置)が必須である一方、引用文献2では、特別の装置(パソコン又は携帯電話機等)が不要であり、互いに相反する内容が開示されてい」るから、「引用文献1に、」「引用文献2を組み合わせることは容易ではな」い、と主張する。
しかし、引用文献2は、データベース90にアクセスすることができるパソコン91又は携帯電話機92と通信することで空気マッサージ機の本体3が所望の治療用プログラムをダウンロードするという技術事項を開示しており、その変形例として、空気マッサージ機が通信ネットワークNTWと接続するための手段としてモデム93を内蔵する点をさらに開示するものである(明細書【0170】~【0175】参照)から、引用文献1と引用文献2とに、互いに相反する内容が開示されているとまではいえず、引用文献1に引用文献2を適用することは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-006699