特許異議申立
2023-700444
液相ペプチド合成用担体結合ペプチドの分析方法
- 審判番号
- 2023-700444
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-203703
- 登録番号
- 7162853
- 請求日
- 2023年04月28日
- 審決日
- 2023年07月04日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ペプチスター株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人アルガ特許事務所
- 【権利者】積水メディカル株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人アルガ特許事務所
- 【異議申立人】金田 綾香
- 審判長/審判官
- 審判長 福井 悟
- 審判官 松本 淳
- 審判官 天野 貴子
- 分類
- P1652.537-Y (C07K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7162853号発明「液相ペプチド合成用担体結合ペプチドの分析方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7162853号の請求項1、3ないし7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7162853号(請求項の数7。以下、「本件特許」という。)は、令和 3年12月15日(優先権主張 令和 3年 7月 2日)を出願日とする特願2021-203703号の請求項1~7に係る発明について、令和 4年10月21日に特許権の設定登録がされ、特許掲載公報が令和 4年10月31日に発行されたものである。その後、その請求項1、3~7に係る特許について、令和 5年 4月28日に特許異議申立人である金田綾香(以下、「申立人」という。)より特許異議の申立てがされた。
第2 本件発明
本件特許の請求項1、3~7の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1、3~7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、請求項1、3~7に係る発明を、項番に従い、「本件発明1」、「本件発明3」~「本件発明7」といい、それらを総称して、「本件発明」という。また、本件特許の設定登録時の明細書を「本件明細書」という。)。
「【請求項1】
炭素数1~4のアルコールを含む溶液を溶離液として用いる高速液体クロマトグラフィー又は超臨界流体クロマトグラフィーを用いることを特徴とする、液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体の脱保護後条件下で副生する液相ペプチド合成用担体由来の成分、液相ペプチド合成用担体が結合しているアミノ酸及び液相ペプチド合成用担体が結合しているペプチド化合物から選ばれる1種以上の化合物と、目的ペプチド又は最終目的ペプチドとを同時に分析する方法であって、
前記液相ペプチド合成用担体が、下記の式(I)の化合物である、分析方法。
【化1】
[図:0001400520000001.jpg]
[式中、環Aはヘテロ原子を含んでいてもよく、多環性でもよいC4~20の芳香環を示し;
R11は、水素原子であるか、又は環Aがベンゼン環でRbが下記式(a)で表される基である場合には、R14と一緒になって単結合を示して、環A及び環Bと共にフルオレン環を形成するか、又は酸素原子を介して環A及び環Bと共にキサンテン環を形成してもよく;
p個のXは、それぞれ独立して-O-、-S-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、又は-NR17-(R17は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す。)を示し;
p個のR12は、それぞれ独立して酸素原子を介して脂肪族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基、又は式(b)のいずれかである有機基を示し;
【化2】
[図:0001400520000002.jpg]
但しR20は炭素数6~16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、X3は酸素原子若しくは-C(=O)NR21-(R21は水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す)を示し、Dはシリル基、又はシリルオキシ基が結合したアルキル基のいずれかを示す;
q個のR13は、それぞれ独立して水素原子であるか、又は酸素原子を介してシリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し;
p、qは、それぞれ0~4の整数かつp+qが1以上4以下を示し;
環Aは、p個のXR12に加えて、さらにハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、及びハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基からなる群から選択される置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子、又はハロゲン原子により置換されていてもよい芳香族環を示し;
Rbは、水素原子、ハロゲン原子により置換されていてもよい芳香環、又は式(a):
【化3】
[図:0001400520000003.jpg]
(式中、*は結合位置を示し;
r、sは、それぞれ0~4の整数かつr+sが4以下を示し;
r個のZは、それぞれ独立して-O-、-S-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、又は-NR18-(R18は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す。)を示し;
r個のR15は、独立して脂肪族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基、又は式(b)のいずれかである有機基を示し;
【化4】
[図:0001400520000004.jpg]
但しR20は炭素数6~16の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、X3は酸素原子若しくは-C(=O)NR21-(R21は水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す)を示し、Dはシリル基、又はシリルオキシ基が結合したアルキル基のいずれかを示す;
s個のR16は、それぞれ独立して酸素原子を介してシリル基又は脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基を示し;
R14は、水素原子を示すか、R11と一緒になって単結合を示して、環A及び環Bと共にフルオレン環を形成するか,又は酸素原子を介して環A及び環Bと共にキサンテン環を形成してもよく;
環Bは、r個のZR15に加えて、さらにハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、及びハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)で表される基を示し;
Yは、ヒドロキシ基、チオール基、NHR19(R19は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を示す。)又はハロゲン原子を示す。]
【請求項3】
炭素数1~4のアルコールを含む溶液を溶離液として用いる高速液体クロマトグラフィー又は超臨界流体クロマトグラフィーを用いることを特徴とする、液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体の脱保護後条件下で副生する液相ペプチド合成用担体由来の成分、液相ペプチド合成用担体が結合しているアミノ酸及び液相ペプチド合成用担体が結合しているペプチド化合物から選ばれる1種以上の化合物と、目的ペプチド又は最終目的ペプチドとを同時に分析する方法であって、
前記液相ペプチド合成用担体が、下記の式(20)または(21)のいずれかの化合物である、分析方法。
【化10】
[図:0001400520000005.jpg]
(式中、X2は-CH2OR44(ここでR44は水素原子、ハロゲノカルボニル基、活性エステル型カルボニル基又は活性エステル型スルホニル基を示す)、-CH2NHR45(ここで、R45は水素原子、炭素数1~6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)、ハロゲノメチル基、ホルミル基、又はオキシムを示し、R31、R32、R33、R34及びR35のうちの少なくとも1個は式(d)
【化11】
[図:0001400520000006.jpg]
で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基を示し;
R20は炭素数6~30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルキレン基を示し;
X3は存在しないか、酸素原子を示し;
Eは存在しないか、炭素数6~30の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。)
【化12】
[図:0001400520000007.jpg]
(式中、X4はヒドロキシル基または-NHR90(ここで、R90は水素原子、炭素数1~6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアラルキル基を示す)を示し、X5は水素原子又はハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基を示し;
R51~R60のうちの少なくとも1個は式(d)で表される基を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基を示す。)
【請求項4】
前記液相ペプチド合成用担体が、アミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミドに直接またはリンカーを介して結合して、それらを有機溶媒に溶解性で水に不溶性にする化合物である請求項1~3のいずれか1項に記載の分析方法。
【請求項5】
分析に用いる試料が、分析対象物に対して固液分離を行っていない反応液である請求項1~4のいずれか1項に記載の分析方法。
【請求項6】
分析に用いる試料が、分析対象物に対して固液分離又はクロマトグラフィーによる精製を行った後のものである請求項1~4のいずれか1項に記載の分析方法。
【請求項7】
検出された又は検出されなかった液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体の脱保護後条件下で副生する液相ペプチド合成用担体由来の成分、液相ペプチド合成用担体が結合しているアミノ酸及び液相ペプチド合成用担体が結合しているペプチド化合物から選ばれる1種以上の化合物と、検出された目的ペプチド又は検出された最終目的ペプチドとを関連付けて評価する請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。」
第3 申立人が申し立てた特許異議申立理由
申立人が申し立てた特許異議申立の理由(以下、「申立理由」という。)の概要及び証拠方法は以下のとおりである。
1 申立理由の概要
(1)申立理由1(サポート要件)
本件発明の課題は、極性が大きく異なる成分である、液相ペプチド合成用担体等の成分と、目的ペプチド又は最終目的ペプチドとを同時に正確に分析できる手段の提供である。
液相ペプチド合成用担体と溶離液との組合せが本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことを当業者は認識するところ、本件明細書の実施例で検証された液相ペプチド合成用担体はSiが含まれるもののみである。
そして、甲第1号証~甲第3号証によると、当業者であれば、液相ペプチド合成用担体に存在するSiが炭素数1~4のアルコール等の有機溶媒に対する溶解度に影響を与えることが容易に理解でき、甲第4号証によると、Siを含まない液相ペプチド合成用担体であるタグAは、炭素数1~4のアルコール溶媒に溶解し難いことがわかり、タグAは液相ペプチド合成用担体として使用できないことは明らかであり、甲第5号証によると、タグAは分析中に析出することが予想されるので、炭素数1~4のアルコール溶媒は全ての液相ペプチド合成担体に適用できるわけでないことがわかる。
そうすると、実施例で検証されていない液相ペプチド合成用担体(例えば、Siを含まない液相ペプチド合成用担体)のすべてが、本件発明の課題を解決するとは当業者は認識しない。
したがって、本件特許の請求項1、3~7の記載はサポート要件を充足しないものであり、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(2)申立理由2(明確性要件)
本件特許の請求項1における「酸素原子を介してシリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基」という記載について、
(i)酸素原子を介して、シリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、を有する有機基
(ii)酸素原子を介してシリル基、若しくは、脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、を有する有機基
のいずれとも解釈し得るので不明確である。
したがって、本件特許の請求項1、4~7の記載は明確性要件に違反し、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
2 証拠方法
甲第1号証:Molecules, Volume 26, Issue 12, 2021, 3497及び抄訳
甲第2号証:Fuel, Volume 59, Issue 6, June 1980, Pages 449-450及び抄訳
甲第3号証:CHEMISCHE BERICHTE, Volume 114, Issue 4, 1981, 1256-1268及び抄訳
甲第4号証:令和5年4月25日付けで株式会社安全研究センターが作成した実験成績証明書
甲第5号証:特許第6703668号
(以下、「甲第1号証」~「甲第5号証」を「甲1」~「甲5」という。)
第4 当審の判断
当審は、申立人が主張する上記の申立理由は、いずれも理由がなく、ほかに各特許を取り消すべき理由も発見できないから、本件発明1、3~7に係る特許は、いずれも取り消すべきものではなく、維持すべきものと判断する。
1 本件明細書に記載された事項
本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付与した。)
本a
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物、さらに液相ペプチド合成用担体を脱離させた後のペプチドを同時にHPLCで分析することができれば、前述の通り、反応率や品質管理、副反応の管理が容易となる。しかしながら、液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物は、脂溶性が高く、一般的にHPLC分析で用いられるアセトニトリル系の溶離液に溶解しない場合もあった。また、液相ペプチド合成用担体が結合したペプチドはHPLCカラム固定相に吸着し、アセトニトリル系の溶離液では、溶出させることが困難であることもあった。さらに、脱保護した際に、液相ペプチド合成用担体由来の成分と目的とするペプチド成分の極性が大きく異なるため、ペプチドの品質を測定するための分析条件では液相ペプチド合成用担体由来の成分は分析することができず、試料の液相ペプチド合成用担体由来の成分含有の有無により溶離液を選択する必要があった。
従って、本発明は、液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物の分析及びそれらの化合物と、液相ペプチド合成用担体を脱離させた後のペプチド(以下、目的ペプチドということがある。)又は前記目的ペプチドより、N末端若しくはC末端の保護基を脱離させたペプチド、又は、前記N末端若しくはC末端の保護基を脱離させたペプチドからさらに液相合成用担体ではない一般的な保護基を脱離させた後のペプチド(以下、最終目的ペプチドということがある)などとを同時に正確に分析できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物と、目的ペプチド又は最終目的ペプチドのような極性が大きく異なる成分とを同時に分析できる手段を見出すべく種々検討したところ、HPLCなどの液体クロマトグラフィーの溶離液としてアセトニトリルではなく、アルコール類を使用することにより、これらの成分の分析ができ、さらにそれらの化合物と目的ペプチドなどが同時に正確に分析できることを見出し、本発明を完成した。」
「【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、液相ペプチド合成用担体と結合したアミノ酸、ペプチド又はアミノ酸アミド(以下、液相ペプチド合成用担体結合ペプチドということがある)が溶離液に溶解しないという問題や、液相ペプチド合成用担体結合ペプチドが溶出しないという問題が解決できる。また、HPLCにおいて、溶離液にさらに酸性化合物を加えることにより、一連のペプチド合成において、全く同じ溶離液を用いた分析で各工程の反応率を把握できる。さらに、ペプチド成分の分析も同時に行うことができるので、脱保護した後の目的ペプチド又は最終目的ペプチドに液相ペプチド合成用担体由来の成分が混入していないことも判断できる。」
本b
「【0076】
前記の式(I)の化合物のうち、好ましい液相ペプチド合成用担体の具体例としては、下記式(1)、(13)又は(14)で表される化合物が挙げられる。その一つとしては、式(1)で表される化合物を用いることができる(特許文献6、7)。
【0077】
【化20】
[図:0001400520000008.jpg]
【0083】
また、液相ペプチド合成用担体としては、式(13)で表される化合物を用いることができる(特許文献8、9、12)。
【0084】
【化23】
[図:0001400520000009.jpg]
【0086】
また、液相ペプチド合成用担体としては、式(14)で表される化合物を用いることができる(特許文献10、11)。
【0087】
【化24】
[図:0001400520000010.jpg]
」
本c
「【実施例】
・・・
【0144】
なお、液相ペプチド合成用担体として、以下に示す化合物を使用した。
・TIPS2-OH(C11)型ベンジル化合物(積水メディカル社製)(以下、B-STagと記すことがある)。但し、TIPSは、トリイソプロピルシリル基を示す。
【0145】
【化36】
[図:0001400520000011.jpg]
【0146】
・TIPS2-OH(C11)型ジフェニルメタン化合物(積水メディカル社製)(以下、D-STagと記すことがある)。但し、TIPSは、トリイソプロピルシリル基を示す。
【0147】
【化37】
[図:0001400520000012.jpg]
【0148】
Fmoc-NH-(D-STag)は、D-STagのアミノ基がFmoc基で保護された化合物である。
・TIPS2-OH(C11)型キサンテン化合物(積水メディカル社製)(以下、XSTagと記すことがある)。但し、TIPSは、トリイソプロピルシリル基を示す。
【0149】
【化38】
[図:0001400520000013.jpg]
・・・
【0157】
分析条件1(HPLC)
カラム:MonoBisカラム 低圧ODSエンドキャップ(メソポア11nm) 3.2 x 150 mm(京都モノテック)
移動相A:0.1% ギ酸含有 5% イソプロパノール水溶液
移動相B:0.1% ギ酸含有 95% イソプロパノール水溶液
流速:1.0mL/分
カラム温度:60℃
検出波長:220nm
グラジエント条件:5%B(0分)→5%B(2分)→95%B(12分)→95%B(17.5分)→5%B(18分)→5%B(24分)
【0158】
分析条件2(SFC)
カラム:BEH C18 1.7μm 2.1 x 50 mm 130Å(Waters)
移動相A:CO2
移動相B:メタノール/イソプロパノール/28%アンモニア水溶液(500/500/1)溶液
圧力(ABPR):2000psi
流速:1.1mL/分
カラム温度:45℃
検出波長:220nm
グラジエント条件:5%B(0分)→15%B(5分)→25%B(6分)→25%B(7分)→5%B(8分)→5%B(10分)
【0159】
分析条件3(HPLC)
カラム:KinetexEVO C18 4.6 x 150 mm 粒子径2.6μm(Phenomenex社製)
移動相A:0.025% TFA含有水溶液
移動相B:0.025% TFA含有アセトニトリル溶液
流速:1.0mL/分
カラム温度:60℃
検出波長:220nm
グラジエント条件:5%B(0分)→5%B(2分)→99%B(12分)→99%B(65分)→5%B(66分)→5%B(80分)
【0160】
実施例1
H-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OHの合成
1)H-Glu(OtBu)-O-(B-STag)の合成
B-STag 2.40g(3.0mmol)をCPME6mL、THF9mLに溶解し、Fmoc-Glu(OtBu)-OH 3.21g(7.5mmol)、WSCI・HCl 1.44g(7.5mmol)、4-ジメチルアミノピリジン36.8mg(0.3mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。分析条件1にてB-STagが生成物のFmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag)に対し5%以下になったことを確認後、タウリン0.94g(7.5mmol)、DMSO 38mLを加え、室温で30分撹拌した。0℃に冷却し、2-メルカプト-1-エタンスルホン酸ナトリウム1.42g(8.6mmol)を添加し、DBU5.1mL(34mmol)を加え、20分撹拌した。分析条件1にてFmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag)が生成物のH-Glu(OtBu)-O-(B-STag)に対し5%以下になったことを確認後、5%炭酸ナトリウム水溶液75mLを滴下し、室温まで昇温し、分液した。得られた有機層に20%食塩水17mL、5%炭酸ナトリウム水溶液6mL、DMF 1.2mLを加え、分液した。有機層を濃縮したのち、残渣にCPME27mL加え、H-Glu(OtBu)-O-(B-STag)を含むCPME溶液を得た。
保持時間(分析条件1):B-STag:13.8分;Fmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag):14.1分;H-Glu(OtBu)-O-(B-STag):12.2分
・・・
【0165】
6)H-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OHの合成
H-Asp(OtBu)-Ala-Asn(Trt)-Cys(Trt)-Glu(OtBu)-O-(B-STag)962mg(0.50mmol)にトリフルオロ酢酸9.5mL、水0.29mL、トリイソプロピルシラン0.29mL、ジチオトレイトール865mg、アニソール0.58mLを添加し、室温で2時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルエーテル72mLをゆっくりと滴下し、沈澱物を濾取した。ろ取した沈殿物をジイソプロピルエーテル10mLで3回洗浄行った後、沈澱物を減圧下で乾燥し、H-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OH 275mgを得た。得られたH-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OHを分析条件1にて分析し、純度は80.1%であり、B-STag及びB-STagをトリフルオロ酢酸で処理することで生成するB-STag由来の化合物は検出されなかった。
保持時間(分析条件1):H-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OH:0.9分
なお純度は、保持時間0~19分までの総ピーク面積に対する目的ペプチドのピーク面積比として算出した。以下の実施例でも同様である。
・・・
【0166】
実施例2
H-Asp-Ala―Asn-Cys-Glu-OHの合成
1)H-Glu(OtBu)-O-(B-STag)の合成
B-STag 0.79g(1.0mmol)をCPME2mL、THF3mLに溶解し、Fmoc-Glu(OtBu)-OH 1.06g(2.5mmol)、WSCI・HCl 0.48g(2.5mmol)、4-ジメチルアミノピリジン12.2mg(0.1mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。分析条件2にてB-STagが生成物のFmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag)に対し5%以下になったことを確認後、2-アミノエタノール150μL(2.5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。0℃に冷却し、2-メルカプト-1-エタンスルホン酸ナトリウム0.74g(4.5mmol)、DMSO 4.5mLを添加し、DBU1.7mL(11.3mmol)を加え、1時間撹拌した。分析条件2にてFmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag)が生成物のH-Glu(OtBu)-O-(B-STag)に対し5%以下になったことを確認後、1M硫酸水溶液6mLを滴下し、5%炭酸ナトリウム水溶液19mLを加えた後、室温まで昇温し分液した。得られた有機層に20%食塩水20mLを加え、分液した。有機層を濃縮したのち、残渣にCPME9mL加え、H-Glu(OtBu)-O-(B-STag)を含むCPME溶液を得た。
保持時間(分析条件2):B-STag:2.1分;Fmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag):3.1分;H-Glu(OtBu)-O-(B-STag):3.8分
・・・
【0172】
実施例3
B-STag0.16g(0.2mmol)にトリフルオロ酢酸3.2mL、水0.09mL、トリイソプロピルシラン0.09mL、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール0.18mLを添加し、室温で2時間撹拌した。反応液を分析条件1及び分析条件2にて分析し、B-STag由来の化合物を検出した。
保持時間(分析条件1):11.2分;11.6分;12.3分;12.4分;12.6分
保持時間(分析条件2): 0.2分;0.4分;0.6分;1.1分;2.1分
実施例2ではB-STag等の脱保護後に目的物ペプチドをMTBEを用いて晶出させ分離精製したため、B-STag由来の化合物はわずかしか検出されなかったが、晶出操作前の混合液中のB-STag由来の化合物は、分析条件1、2いずれを用いても分離性能良く検出できることがわかった。
・・・
【0194】
比較例1
B-STag 0.79g(1.0mmol)をCPME2mL、THF3mLに溶解し、Fmoc-Glu(OtBu)-OH 1.06g(2.5mmol)、WSCI・HCl 0.48g(2.5mmol)、4-ジメチルアミノピリジン12.2mg(0.1mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。分析条件3にて分析したところ、B-STag及び生成物のFmoc-Glu(OtBu)-O-(B-STag)の両方が検出されなかった。
【0195】
比較例2
Fmoc-NH-(D-STag) 1.09g(1.0mmol)をCPME9mL、DMF2mLに溶解し、0℃に冷却した後、DIEPA 0.32mL(1.9mmol)、2-メルカプト-1-エタンスルホン酸ナトリウム0.30g(1.8mmol)を添加し、DBU0.67mL(4.5mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌し、分析条件3にて分析したところ、Fmoc-NH-(D-STag)及び生成物のNH2-(D-STag)の両方が検出されなかった。
【0196】
比較例3
Fmoc-NH-(X-STag) 1.11g(1.0mmol)をCPME8mL、DMF2mLに溶解し、0℃に冷却した後、DIEPA 0.33mL(1.9mmol)、2-メルカプト-1-エタンスルホン酸ナトリウム0.30g(1.8mmol)を添加し、DBU0.67mL(4.5mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌し、分析条件3にて分析したところ、Fmoc-NH-(X-STag)及び生成物のNH2-(X-STag)の両方が検出されなかった。
【0197】
比較例1~3に示したように、分析条件3においては、Fmocの結合の有無によらずB-STag、D-STag、X-STagのいずれも検出することができなかった。従って、アセトニトリルを使用したHPLC測定系では、これらの液相ペプチド合成用担体それ自体及び、液相ペプチド合成用担体とアミノ酸、ペプチド若しくはアミノ酸アミドが結合した化合物を検出することはできず、また目的ペプチド又は最終目的ペプチドと液相ペプチド合成用担体及び液相ペプチド合成用担体由来の不純物を同時に分析検出することもできない。一方、実施例1~8に示したように、溶離液にイソプロパノールを使用した分析条件1、2では、液相ペプチド合成用担体それ自体及び、液相ペプチド合成用担体とアミノ酸、ペプチド若しくはアミノ酸アミドが結合した化合物を検出することができ、また目的ペプチド又は最終目的ペプチドと、液相ペプチド合成用担体由来の不純物も分析検出することができた。」
2 申立理由1(サポート要件)の検討
(1)サポート要件の考え方
特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
(2)本件発明が解決しようとする課題
本件発明1、3~7の記載及び本件明細書の【0006】の記載によると、本件発明が解決しようとする課題は「液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物の分析及びそれらの化合物と、液相ペプチド合成用担体を脱離させた後のペプチド(以下、目的ペプチドということがある。)又は前記目的ペプチドより、N末端若しくはC末端の保護基を脱離させたペプチド、又は、前記N末端若しくはC末端の保護基を脱離させたペプチドからさらに液相合成用担体ではない一般的な保護基を脱離させた後のペプチド(以下、最終目的ペプチドということがある)などとを同時に正確に分析できる手段を提供すること」であると認められる(本a)。
(3)申立理由1の検討
本件明細書の【0007】には「液相ペプチド合成用担体、液相ペプチド合成用担体由来の成分、又は液相ペプチド合成用担体が結合したアミノ酸若しくはペプチド化合物と、目的ペプチド又は最終目的ペプチドのような極性が大きく異なる成分とを同時に分析できる手段を見出すべく種々検討したところ、HPLCなどの液体クロマトグラフィーの溶離液としてアセトニトリルではなく、アルコール類を使用することにより、これらの成分の分析ができ、さらにそれらの化合物と目的ペプチドなどが同時に正確に分析できることを見出し、本発明を完成した。」と記載されている(本a)。
そして、本件明細書の【0076】~【0088】には、好ましい液相ペプチド合成用担体の代表例として、式(1)、(13)又は(14)で表される化合物が挙げられ(本b)、これらの化合物を具体化したB-Stag、D-Stag、X-Stagを実施例で用いた場合に、アセトニトリルを使用したHPLC測定系(分析条件3)では、Fmocの結合の有無によらずB-Stag、D-Stag、X-Stagのいずれもが検出できない一方で、溶離液としてイソプロパノールを使用した分析条件1、2では、液相ペプチド合成用担体それ自体、及び、液相ペプチド合成用担体とアミノ酸、ペプチド若しくはアミノ酸アミドが結合した化合物を同時に検出することができ、目的ペプチド又は最終目的ペプチドと、液相ペプチド合成用担体由来の不純物を同時に正確に分析できたことが具体的に裏付けられている(本c)。
そうすると、本件発明1は、当業者が、本件明細書の発明の詳細な説明の記載により、上記(2)の課題を解決できると認識できる範囲のものであると認められる。
(4)申立人の主張について
申立人は、液相ペプチド合成用担体と溶離液との組合せが本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことを当業者が認識することを前提に、甲1~甲3によると、当業者は、液相ペプチド合成用担体に存在するSiが炭素数1~4のアルコール等の有機溶媒に対する溶解度に影響を与えることを容易に理解でき、甲4によると、Siを含まない液相ペプチド合成用担体であるタグAは、炭素数1~4のアルコール溶媒に溶解し難く、液相ペプチド合成用担体として使用できないことが明らかであり、甲5によると、タグAは、分析中に析出することが予想されることから、実施例で検証されていない液相ペプチド合成用担体(例えば、Siを含まない液相ペプチド合成用担体)のすべてが、本件発明の課題を解決することは当業者が認識しないと主張する。
まず、甲1~3について、検討する。
甲1の表1には、各種のタグペプチドの溶解度が記載され、Siを含む液相ペプチド合成用担体(項目7~8)とSiを含まない液相ペプチド合成用担体(項目1~6)について、CPME(シクロペンチルメチルエーテル)、DMF(ジメチルホルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)、CPME/DMF(7/3)(CPMEとDMFの7:3の混合溶剤)に対する溶解度が記載されている。
[図:0001400520000014.jpg]
しかし、甲1には、Siを含む液相ペプチド合成用担体(項目3~4、7~8)とSiを含まない液相ペプチド合成用担体(項目1~2、5~6)について、炭素数1~4のアルコールに対する溶解度の記載はないから、甲1の記載からでは、液相ペプチド合成用担体におけるSiの有無が、炭素数1~4のアルコールに対する溶解度に影響を与え、この影響が本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことの判断はできない。
また、甲2には、石油由来液体の溶解度に対するシリル化の影響、甲3には、シリル化した塩基を用いた反応が、それぞれ記載されているが、甲1と同様に、甲2、3の記載からでは、液相ペプチド合成用担体におけるSiの有無が、炭素数1~4のアルコールに対する溶解度に影響を与え、この影響が本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことの判断はできない。
よって、甲1~3は、実施例で検証されていない液相ペプチド合成用担体(例えば、Siを含まない液相ペプチド合成用担体)が、上記(2)の課題を解決できないことを窺わせる証拠であるとは認められない
次に、甲4、5について、検討する。
甲4の表3には、下記のとおり、タグAの炭素数1~4のアルコール溶媒に対する溶解度が記載されている。
[図:0001400520000015.jpg]
しかし、Siを含む液相ペプチド合成用担体の炭素数1~4のアルコール溶媒に対する溶解度は不明であるから、甲1~3と同様に、甲4の記載からでは、液相ペプチド合成用担体におけるSiの有無が、炭素数1~4のアルコールに対する溶解度に影響を与え、この影響が本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことの判断はできない。
また、甲5には、単に、シリル基を有していない液相ペプチド合成用担体を用いて液相ペプチド合成を行うことが記載されているに過ぎず、タグAが、炭素数1~4のアルコール溶媒を用いた分析中に析出することを窺わせる記載は見当たらない。
なお、甲1、甲5に記載されているように、タグAのようなシリル基を有していない液相ペプチド合成用担体を用いて液相ペプチド合成を行うことは、本件特許の出願前の周知技術であるから、甲4の表3の記載や甲5の記載より、タグAのようなSiを含まない化合物が液相ペプチド合成用担体として不適であるとの認識が当業者に存したとは認められない。
よって、甲4~5も、実施例で検証されていない液相ペプチド合成用担体(例えば、Siを含まない液相ペプチド合成用担体)が、上記(2)の課題を解決できないことを窺わせる証拠であるとは認められない。
更に、申立人の主張の前提である液相ペプチド合成用担体と溶離液との組合せが、本件発明の課題の解決に大きな影響を及ぼすことを当業者が認識することを示す証拠も、申立人より提出されていない。
したがって、甲1~5に基づく申立人の主張は、いずれも採用できない。
(5)小括
上記(3)、(4)で検討したところによると、本件発明1は、サポート要件を満たすものであり、本件発明1と同様の発明特定事項を含む本件発明3や、本件発明1、3を直接又は間接的に引用する本件発明4~7も、本件発明1と同様の理由により、サポート要件を満たすものである。
したがって、本件発明1、4~7は、特許請求の範囲の記載がサポート要件に違反しているとはいえない。
3 申立理由2(明確性要件)の検討
(1)明確性要件の考え方
特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術的常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
(2)申立理由2の検討
本件発明1における「酸素原子を介してシリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基」という記載については、「脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基」と解すると、「脂肪族炭化水素基」との区別がつかなくなることから、「酸素原子を介して」という記載が、脂肪族炭化水素基を有する有機基の置換基である「シリル基若しくは脂肪族炭化水素基」を修飾していることは当業者に明らかである。
そうすると、本件発明1の「酸素原子を介してシリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基」という記載は、(i)の「酸素原子を介して、シリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、を有する有機基」を意味するものであり、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。
本件発明1を直接又は間接的に引用する本件発明4~7も、本件発明1と同様の理由により、不明確であるとはいえない。
(3)申立人の主張について
申立人は、本件特許の請求項1における「酸素原子を介してシリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を有する有機基」という記載について、
(i)酸素原子を介して、シリル基若しくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、を有する有機基
(ii)酸素原子を介してシリル基、若しくは、脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、を有する有機基
のいずれとも解釈し得るので不明確であると主張する。
しかしながら、上記3(2)で述べたとおり、「酸素原子を介して」という記載が「シリル基若しくは脂肪族炭化水素基」を修飾していることはその記載から明らかであり、申立人の主張は理由がない。
(3)小括
以上のとおり、本件発明1、4~7は、特許請求の範囲の記載が明確性要件に違反しているとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、本件特許に係る特許異議申立てにおいて申立人が主張する申立理由は、いずれも理由がないから、本件発明1、3~7に係る特許は、取り消すことができない。
ほかに、本件発明1、3~7に係る特許を取り消すべき理由も発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700444