特許異議申立
2023-700014
免税処理装置、免税処理方法およびプログラム
- 審判番号
- 2023-700014
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-003856
- 登録番号
- 7099559
- 請求日
- 2023年01月10日
- 審決日
- 2024年01月15日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】日本電気株式会社
- 【権利者代理人】岡部 讓
- 【権利者代理人】吉澤 弘司
- 【異議申立人】齊藤 恵美子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 智康
- 審判官 松田 直也
- 審判官 中野 浩昌
- 分類
- P1651.161-YAA(G06Q) / P1651.121-YAA(G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第29条の2、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第5項、特許法第120条の8第1項、特許法第135条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7099559号発明「免税処理装置、免税処理方法およびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7099559号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、8、9について訂正することを認める。
特許第7099559号の請求項1、2、5、6、7、8及び9に係る特許を維持する。
特許第7099559号の請求項3及び4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7099559号の請求項1~9に係る特許についての出願は、平成28年11月8日に出願した特願2016-217871号の一部を令和3年1月14日に新たな特許出願としたものであって、令和4年7月4日にその特許権の設定登録がされ、同年7月12日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和5年1月10日付けで特許異議申立人 齊藤 恵美子(以下、「申立人」という。)より請求項1~9に係る特許に対して特許異議の申立てがされたものである。
本件特許異議申立て以後の経緯は、次のとおりである。
令和5年 4月 6日 取消理由通知書(起案日)
令和5年 6月 7日 訂正請求書・意見書の提出(特許権者)
令和5年 6月29日 通知書(訂正請求があった旨の通知、起案日)
令和5年 7月26日 意見書の提出(申立人、「意見書B1」)
令和5年 9月 4日 取消理由通知書(起案日)
令和5年10月25日 訂正請求書・意見書の提出(特許権者)
令和5年11月13日 通知書(訂正請求があった旨の通知、起案日)
令和5年12月12日 意見書の提出(申立人、「意見書B2」)
なお、令和5年6月7日付けの訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げたものとみなす。
第2 訂正請求について
1 訂正請求の趣旨
特許第7099559号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを求める。
なお、以下、本訂正請求書でする訂正を「本件訂正」という。
2 訂正の適否
(1)訂正の内容
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に対して、発明特定事項「利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部と、」、「前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、」及び「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」を付加する(請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2、5~7についても同様に訂正する。)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲から請求項3及び請求項4を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5~7において、請求項3及び請求項4を引用しないように、請求項間の引用関係を解消する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8に対して、発明特定事項「コンピュータが、利用者を識別する情報を取得する工程と、」、「前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、」及び「前記購入金額を合算する工程では、前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」を付加する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項9に対して、発明特定事項「利用者を識別する情報を取得する工程と、」、「前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、」及び「前記購入金額を合算する工程では、前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」を付加する。
(2)訂正の適否についての当審の判断
ア 一群の請求項についての説明
訂正前の請求項1~7について、請求項2~7はそれぞれ請求項1を直接的に又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~7に対応する訂正後の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
イ 一群の請求項1~7について
(ア)訂正事項1について
A 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を訂正前の請求項1に付加する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。
B 事実上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記Aのとおり、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を訂正前の請求項1に付加する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
C 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、上記Aのとおり、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を訂正前の請求項1に付加する訂正であるから、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
D 独立特許要件が課されないこと
本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(イ)訂正事項2について
A 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1に連動して、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3、4を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。
B 事実上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、訂正前の請求項1を直接的に引用する訂正前の請求項3、4を削除するものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
C 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、訂正前の請求項1を直接的に引用する訂正前の請求項3、4を削除するものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
D 独立特許要件が課されないこと
本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(ウ)訂正事項3について
A 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項5~7について、いずれも、訂正事項2に係る請求項3、4を削除する訂正に伴って、請求項3、4の引用を削除することで、請求項間の引用関係を明確にする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である。
B 事実上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、訂正前の請求項5~7について、いずれも、訂正事項2で削除された請求項3、4を引用しないようにする訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
C 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、訂正前の請求項5~7について、いずれも、訂正事項2で削除された請求項3、4を引用しないようにする訂正であるから、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
D 独立特許要件が課されないこと
本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
ウ 請求項8について(訂正事項4について)
(ア)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項8に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を「免税処理方法」に対応させた、「コンピュータが、利用者を識別する情報を取得する工程と、」「前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し」、及び、「前記購入金額を合算する工程では、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」を付加する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。
(イ)事実上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項4は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項8に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を、「免税処理方法」に対応させた発明特定事項を付加する訂正であるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
(ウ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項8に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を、「免税処理方法」に対応させた発明特定事項を付加する訂正であるから、訂正事項4は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(エ)独立特許要件が課されないこと
本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
エ 請求項9について(訂正事項5について)
(ア)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項9に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を「免税処理方法」に対応させた、「利用者を識別する情報を取得する工程と、」「前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し」、及び、「前記購入金額を合算する工程では、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」を付加する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。
(イ)事実上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項5は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項9に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を、「免税処理方法」に対応させた発明特定事項を付加する訂正であるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
(ウ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項5は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項9に、訂正前の請求項3、4の発明特定事項を、「免税処理方法」に対応させた発明特定事項を付加する訂正であるから、訂正事項5は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(エ)独立特許要件が課されないこと
本件においては、訂正前の全ての請求項について特許異議申立てがされているので、訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
3 訂正についてのまとめ
以上のとおり、訂正事項1~5は適法にされたものであるから、本件訂正を認める。
第3 訂正後の特許請求の範囲
上記「第2」のとおり、訂正請求による特許請求の範囲の訂正は認められることから、訂正後の特許請求の範囲は、令和5年10月25日に提出された訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲に記載された、次のとおりのものである(以下、「請求項1」~「請求項9」に係る発明を、それぞれ、「本件訂正発明1」~「本件訂正発明9」といいこれらをまとめて「本件訂正発明」という。なお、下線は訂正箇所。特許権者が付与した。)
「【請求項1】
利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部と、
購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する合算部と、
合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、
前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算することを特徴とする免税処理システム。
【請求項2】
前記グループのグループ識別情報を記録する記憶装置と、
前記記憶装置から取得された前記グループ識別情報に基づいて、前記購入金額を前記グループに分ける分類部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の免税処理システム。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
ネットワークを介して前記購入金額を受け取る通信部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の免税処理システム。
【請求項6】
合算された前記購入金額に基づいて前記利用者に払い出す金額を算出する算出部をさらに備えることを特徴とする請求項1、2、5のいずれか一項に記載の免税処理システム。
【請求項7】
前記購入金額を出力する店舗端末と、
前記店舗端末から前記購入金額を受け取り、前記購入金額を含む前記購入情報を前記購入情報取得部に渡す携帯端末と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1、2、5、6のいずれか一項に記載の免税処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、利用者を識別する情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する工程と、
前記コンピュータが、前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する工程と、
前記コンピュータが、合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する工程と、
を備え、
前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、
前記購入金額を合算する工程では、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算することを特徴とする免税処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
利用者を識別する情報を取得する工程と、
購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する工程と、
前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する工程と、
合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する工程と、
を実行させ、
前記購入情報を取得する工程では、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得し、
前記購入金額を合算する工程では、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算するプログラム。」
第4 取消理由について
1 取消理由の概要
(1)令和5年4月6日付け取消理由
当審は、令和5年4月6日付け取消理由通知により、下記のとおり、拡大先願の取消理由を通知した。
「1.請求項1、3、5、6、8、9に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開の発行がされた下記の特許出願である先願1又は先願2の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、請求項1、3、5、6、8、9に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
<引用文献等一覧>
先願1.特願2015-184146号(特開2017-59036号、甲第5号証)
先願2.特願2015-180742号(特開2017-58745号、甲第6号証)」
(2)令和5年9月4日付け取消理由
当審は、令和5年9月4日付け取消理由通知により、令和5年6月7日提出の訂正請求書で訂正された特許請求の範囲に対して、下記のとおり、拡大先願の取消理由を通知した。
「 請求項1、5、6、8、9に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開の発行がされた下記の特許出願である先願1の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、請求項1、5、6、8、9に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
<引用文献等一覧>
先願1.特願2016-47510号(特開2017-162304号、甲第4号証)」
(3)引用文献等の整理
後述の「2 取消理由についての当審の判断」では、特願2015-184146号(特開2017-59036号、甲第5号証)を「先願1」、特願2015-180742号(特開2017-58745号、甲第6号証)を「先願2」、特願2016-47510号(特開2017-162304号、甲第4号証)を「先願3」とする。
2 取消理由についての当審の判断
(1)令和5年4月6日付け取消理由通知について
ア 先願1の当初明細書等に記載されている事項、先願1の当初明細書等に記載されている発明
(ア)先願1の当初明細書等に記載されている事項
本件特許の原出願の出願の日前である平成27年9月17日に出願され、本件特許の原出願の出願後である平成29年3月23日に出願公開された先願1の当初明細書等には、次の事項が記載されている。
「【0013】
図1は、免税処理システム1の全体構成を示す模式図である。免税処理システム1は、手続委託型の免税制度が適用される特定商業施設2(以下、施設2と称する)と、当該施設2の承認免税手続事業者またはこの事業者から委託を受けた企業体が管理するデータセンタ3との間で構築される。
【0014】
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体である。各店舗は、手続委託型の消費税免税店4(以下、免税店4と称する)として国等から認可されている。各免税店4では、それぞれ会計装置として周知のPOS(Point Of Sales)端末40が稼働している。1店舗当たりにおけるPOS端末40の台数は、特に制限されるものではない。なお、施設2は、一般型の消費税免税店、すなわち1店舗だけの免税店であってもよい。
【0015】
施設2には、承認免税手続事業者によって管理される免税受付カウンタ5(以下、受付カウンタ5と称する)と免税手続カウンタ6(以下、手続カウンタ6と称する)とが設置されている。受付カウンタ5と手続カウンタ6とは、施設2内の別々の場所に設置されていてもよいし、同一の場所に設置されていてもよい。
【0016】
受付カウンタ5は、外国人旅行者等の非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける場所である。受付カウンタ5では、免税カードCまたは免税シートSを発行するための受付端末50が稼働している。受付端末50は、受付装置として機能する情報処理装置の一態様である。免税カードCは、情報を磁気的または電気的に保持可能なカード媒体(磁気カード,ICカード等)である。免税シートSは、例えばレシート用紙に必要事項が印刷されたものである。
【0017】
手続カウンタ6は、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行う場所である。手続の業務には、非居住者が免税店4で購入した物品に対して支払った物品税(消費税,酒税等)の返金業務、購入者誓約書、購入記録票,消耗品注意ラベル等の免税措置に必要な書面の発行業務、購入者誓約書の回収業務等がある。手続カウンタ6では、精算端末60が稼働している。精算端末60は、精算装置として機能する情報処理装置の一態様である。
【0018】
データセンタ3は、少なくとも1つの施設2に対し、その施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を目的に設置される。複数の施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を、1つのデータセンタが兼用してもよい。データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータおよび免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ31が稼働している。」
「【0042】
図4は、精算端末60の要部回路構成を示すブロック図である。精算端末60は、CPU601、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および2つの外部機器インターフェース611,612を搭載する。そして精算端末60は、CPU601と、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および外部機器インターフェース611,612とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路613によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。」
「【0054】
かかる構成の管理サーバ31は、補助記憶デバイス314において、免税品データベース34と購入者データファイル35と集計テーブル36とを記憶可能である。免税品データベース34は、各免税店4で非居住者に対して物品税が免除されて販売される物品、いわゆる免税品に関するデータを保存する。
【0055】
免税品には、食料品、飲料類、薬品類、化粧品類等の消耗品と、消耗品以外の一般物品とがある。我が国では現在、消耗品については、同一の非居住者に対する同一施設2内の免税店4での1日の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内のとき免税対象となる。すなわち、5千1円と50万円とが消耗品の免税点に設定されている。一方、一般物品については、同販売合計金額が1万円を
超える場合に免税対象となる。すなわち、1万1円が一般物品の免税点に設定されている。
【0056】
図7は、免税品データベース34に保存されるデータの一部を示す模式図である。図7に示すように、免税品データベース34には、店舗コード、商品コード、品目名、価格、消費税区分、免税区分の各項目を含むデータレコードが保存される。店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードである。・・・(以下省略)
【0057】【0058】(省略)
【0059】
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品として定義されるのか、消耗品以外の一般物品として定義されるのか、あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報である。例えば管理サーバ31のCPU311は、区分が“1”の場合、この区分に対応する商品は消耗品であると認識する。同様にCPU311は、区分が“2”の場合、この区分に対応する商品は一般物品であると認識し、区分が“3”の場合、この区分に対応する商品は免税対象外であると認識する。なお、対応する商品コードで識別される商品が非課税の商品である場合には、区分が設定されないか、“1”,“2”または“3”以外の区分が設定される。
【0060】
購入者データファイル35は、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた非居住者、すなわち免税店4で免税品を購入する意思を表した購入者に関する種々のデータを保存する領域である。
【0061】
図8は、購入者データファイル35に保存される主要なデータ項目を表す模式図である。図8に示すように、購入者データファイル35には、購入者コード、非居住者データ、受付日時、精算日時、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計および消耗品合計の各データが保存される。
【0062】
購入者コードは、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた購入者を個々に識別する一意のコードである。非居住者データは、対応する購入者コードで識別される購入者から提示された非居住者であることを証明する物に記載されている情報である。例えば、非居住者であることを証明する証明物が旅券(パスポート)の場合、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等が非居住者データに含まれる。受付日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、受付カウンタ5にて受付をした日時である。精算日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、手続カウンタ6にて精算をした日時である。
【0063】
一般物品購入レコードは、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものである。消耗品購入レコードは、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものである。一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードは、共通のデータ構造を有しており、それぞれ免税品毎に作成される。一般物品合計は、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。消耗品合計は、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。
【0064】
図9は、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードに含まれるデータの構造を示す模式図である。図9に示すように、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードには、店舗コード、商品コード、品目名、購入点数、価格、消費税金額等が含まれる。店舗コード、商品コード、品目名、購入点数については、前述したとおりである。価格は、税抜価格である。消費税金額は、対応する商品コードで識別される商品に対して賦課される消費税の金額である。」
「【0068】
物品税に対する免税制度を活用して施設2内の各免税店4で買物をする外国人旅行者等の非居住者は、先ず、受付カウンタ5へ赴く。そして非居住者は、非居住者であることを証明する証明物として例えば旅券を業務担当者に提示する。業務担当者は、受付端末50を起動させる。例えば受付端末50は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。受付端末50が起動すると、CPU501は、図11の流れ図に示す手順の処理、いわゆる受付処理を開始する。
【0069】
先ずCPU501は、Act1として非居住者データを受け取る。具体的にはCPU501は、タッチパネル507に、「旅券の情報を読み取ってください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した旅券の旅券番号等が記録された頁の文字情報をOCR52に読み取らせる。OCR52によって読み取られた旅券の文字情報は、外部機器インターフェース510を介してCPU501に与えられる。CPU501は、文字情報を解析して、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等の旅券情報を非居住者データとして受け取る。
【0070】~【0072】(省略)
【0073】
一方、免税シートSの発行、または免税カードCおよび免税シートSの発行無しが設定されている場合には(Act4にてNO)、CPU501は、Act6として購入者コードを生成する。具体的にはCPU501は、Act1の処理で取得した旅券情報の旅券番号と、時計部505で計時されている日時情報とから、購入者コードを生成する。例えばCPU501は、旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。あるいは、旅券番号の前に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。
【0074】【0075】(省略)
【0076】
CPU501は、Act9として免税シートSを発行する。発行する免税シートSの内容は、Act3として判定したオプションフラグの状態によって異なる。具体的にはCPU501は、免税シートSの発行のオプションが設定されている場合、Act6にて生成した購入者コードのバーコードを含む免税シートSの印刷データを生成する。・・・(以下省略)
【0077】~【0080】(省略)
【0081】
免税受付データの送信完了を示すメッセージを確認した受付カウンタ5の業務担当者は、免税カードCまたは免税シートSを非居住者に渡す。・・・(以下省略)」
「【0082】
免税店4の店員は、商品の購入者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、POS端末40を操作して、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言する。例えばPOS端末40のキーボード408には、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言するための宣言キーが配置されており、店員は、この宣言キーを入力する。そして宣言キーを入力した後、店員は、免税カードCに記録されたデータをカードリーダ412に読み取らせる。あるいは店員は、免税シートSに印刷されたバーコードをスキャナ411で読み取らせる。」
【0083】~【0088】(省略)
【0089】
店員は、購入者が買い上げる商品のデータをPOS端末40に登録する。・・・(以下省略)
【0090】
Act14およびAct15の待機状態において、商品登録有と認識した場合(Act14にてYES)、CPU401は、Act16として商品データの登録処理を実行する。この登録処理は、既存のPOS端末で実行されている処理であるので、詳細については説明を省略する。POS端末40においては、この登録処理により、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データが取引バッファに記憶される。
【0091】【0092】(省略)
【0093】
取引バッファに購入商品データが記憶されており、商品登録済であると認識した場合(Act17にてYES)、CPU401は、Act18として免税購入データを生成する。具体的にはCPU401は、取引バッファに記憶された購入商品データに、Act11の処理で受け取った購入者コードと予め補助記憶デバイス404に設定されている店舗コードとを関連付けて、免税購入データを生成する。
【0094】
CPU401は、Act19として免税購入データを管理サーバ31に送信する。具体的にはCPU401は、免税購入データを管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース406に通知する。この通知を受けて、通信インターフェース406は、ネットワーク7を介して免税購入データを管理サーバ31に送信する。」
「【0096】
免税購入データを受信した管理サーバ31のCPU311は、図16の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU311は、Act61として受信データが免税購入データであるか確認する。受信データが免税購入データである場合(Act61にてYES)、CPU311は、Act62としてその免税購入データから購入者コードを取得する。そしてCPU311は、Act63としてその取得した購入者コードを含む購入者データファイル35を補助記憶デバイス314から読み出し、RAM313に展開して、購入者データファイル35をオープンする。
【0097】
次いでCPU311は、Act64として免税購入データから店舗コードを取得する。またCPU311は、Act65として免税購入データから購入商品データを取得する。免税購入データに複数の購入商品データが含まれている場合、CPU311は、いずれか1つの購入商品データを選択的に取得する。
【0098】
CPU311は、Act66として、Act64の処理で取得した店舗コードとAct65の処理で取得した購入商品データに含まれる商品コードとを検索のためのキーとして、免税品データベース34を検索する。そしてCPU311は、検索のためのキーと店舗コードおよび商品コードが一致するレコードの免税区分を判定する。すなわちCPU311は、Act67として免税区分が一般物品を表すものか確認する。免税区分が一般物品を表わすものでない場合(Act67にてNO)、CPU311は、Act68として免税区分が消耗品を表すものであるか確認する。免税区分が消耗品を表すものでもない場合(Act68にてNO)、CPU311は、Act72の処理に進む。このような手順は、対応する商品コードで識別される商品が免税対象外または非課税の商品である場合に実行される。
【0099】
一方、免税区分が一般物品を表すものである場合には(Act67にてYES)、CPU311は、Act69として一般物品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、一般物品購入レコードを生成する。また、免税区分が消耗品を表すものである場合には(Act68にてYES)、CPU311は、Act70として消耗品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、消耗品購入レコードを生成する。こうして、一般物品購入レコードまたは消耗品購入レコードを生成したならば、CPU311は、Act71としてこの生成したレコードをRAM43上の購入者データファイル35に登録する。その後、CPU311は、Act72の処理に進む。
【0100】(省略)
【0101】
こうして、免税購入データに含まれる全ての購入商品データについて、Act65以降の処理を実行したならば(Act72にてNO)、CPU311は、Act73として購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新する。具体的にはCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の一般物品合計データに上書きする。同様にCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の消耗品合計データに上書きする。
【0102】
その後CPU311は、Act74としてRAM43上の購入者データファイル35を補助記憶デバイス314に上書き保存して、購入者データファイル35をクローズする。以上で、CPU311は、免税購入データの受信処理を終了する。」
「【0103】
各免税店4での買物を終えた非居住者は、手続カウンタ6に赴く。そして非居住者は、業務担当者に免税カードCまたは免税シートSを提示する。
業務担当者は、非居住者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、精算端末60を起動させる。例えば精算端末60は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。精算端末60が起動すると、CPU601は、図13の流れ図に示す手順の処理、いわゆる精算処理を開始する。
【0104】
先ずCPU601は、Act31として購入者データを受け取る。具体的にはCPU601は、タッチパネル607に、「免税カードのデータを読み取らせてください」または「免税シートのバーコードをスキャニングしてください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した免税カードCのデータをカードリーダ609で読み取らせる。あるいは業務担当者は、非居住者が提示した免税シートSのバーコードをスキャナ608で読み取らせる。カードリーダ609によって免税カードCのデータが読み取られると、CPU601は、そのデータを購入者コードとして受け取る。スキャナ608によって免税シートSのバーコードが読み取られると、CPU601は、そのバーコードを解析して得られるコードを購入者コードとして受け取る。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、Act31の処理によって、物品購入に対して払い戻しを受けようとする購入者の購入者コードを受け取る第1の受取手段を構成する。
【0105】
次いでCPU601は、Act32として購入者コードを正当に受け取ることができたか否かを判定する。例えばカードリーダ609で読み取られたカードデータを解析したが、免税カードCに記録されているコードとコード体系が一致しない場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。同様に、スキャナ608で読み取られたバーコードから得られたコードの体系が、旅券番号と日時情報とから生成される購入者コードの体系と異なる場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。購入者コードを受け取ることができなかった場合(Act32にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者コードを読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、精算処理を終了する。
【0106】
購入者コードを受け取ることができた場合(Act32にてYES)、CPU601は、Act33として管理サーバ31に対して購入者データファイル35を要求する。具体的にはCPU601は、Act31の処理で受け取った購入者コードを含む購入者データファイル35の問合せコマンドを生成し、管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース606に通知する。この通知を受けて通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して問合せコマンドを管理サーバ31に送信する。
【0107】
問合せコマンドを受信した管理サーバ31のCPU311は、そのコマンド中の購入者コードがセットされた購入者データファイル35を検索する。そして該当する購入者データファイル35を検出したならば、CPU311は、その購入者データファイル35を問合せコマンド送信元の精算端末60に宛てて、ネットワーク7を介して送信する。
【0108】
問合せコマンドを送信したCPU601は、Act34として購入者データファイル35の応答有無を確認する。そして、購入者データファイル35の応答がなかった場合(Act34にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者データを取得できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、図11の精算処理を終了する。
【0109】
購入者データファイル35の応答があった場合には(Act34にてYES)、CPU601は、その購入者データファイルをRAM313のワークエリアに記憶する。そしてCPU601は、この購入者データファイルに対して以下の処理を実行する。すなわちCPU601は、Act35として免税点をチェックする。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認する。またCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認する。
【0110】
こうして、免税点をチェックしたならば、CPU601は、Act36として免税対象か否かを判定する。具体的には、Act35の処理で一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額以上の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額から上限金額までの範囲内の場合、CPU601は、免税対象であると認定する。一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額未満の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額未満または上限金額を超える場合、CPU601は、免税対象でないと認定する。
【0111】
免税対象でないと認定された場合(Act36にてNO)、CPU601は、Act37として例えばタッチパネル607に、「免税対象ではありませんでした」等のメッセージを表示させる。またCPU601は、Act38として免税対象外データを生成する。この免税対象外データには、Act31の処理で取得した購入者コードが含まれる。その後、CPU601は、Act44の処理に進む。
【0112】
一方、免税対象であると判定した場合には(Act36にてYES)、CPU601は、Act39として免税対象の金額、いわゆる免税対象額を算出する。この免税対象額算出処理については、図14を用いて具体的に説明する。
【0113】
すなわちCPU601は、Act101としてRAM603にデータテーブル64を形成する。次いでCPU601は、Act102として管理サーバ31から受け取った購入者データファイル35から先頭の購入レコードを検出する。購入レコードは、一般物品購入レコードでもよいし、消耗品購入レコードでもよい。
【0114】
CPU601は、Act103として購入レコードから店舗コードを取得する。そしてCPU601は、Act104としてこの店舗コードがデータテーブル101に登録されていない新規の店舗コードなのか、既に登録されている既存の店舗コードなのかを判定する。この場合、新規の店舗コードなので(Act104にてYES)、CPU601は、Act104としてその購入レコードの店舗コードをデータテーブル64の店舗コード列にセットする。また、CPU601は、その購入レコードの価格と消費税金額とを合算して税込価格を算出する。そしてCPU601は、この税込価格、価格及び消費税金額を、データテーブル64の税込合計金額の列、税抜合計金額の列及び免税対象額の列にセットする。このとき、店舗コードと、税込価格、価格及び消費税金額とは同一の行にセットされる。
【0115】
次いでCPU601は、Act107として購入者データファイル35に次の購入レコードが有るか確認する。購入レコードがある場合(Act107にてYES)、CPU601は、Act102の処理に戻り、その購入レコードを検出する。そしてCPU601は、その購入レコードから店舗コードを取得し(Act103)、この店舗コードが新規のコードなのか既存のコードなのかを判定する(Act104)。
【0116】
この時点では、新規の店舗コードである場合と既存の店舗コードである場合とがある。新規の店舗コードである場合(Act104にてYES)、CPU601は、前述したAct107の処理を実行する。
【0117】
既存の店舗コードである場合には(Act104にてNO)、CPU601は、Act106としてその購入レコードの価格と消費税金額とを合算して税込価格を算出する。そしてCPU601は、この税込価格、価格及び消費税金額を、データテーブル64の既存の店舗コードが記憶されている行の税込合計金額の列、税抜合計金額の列および免税対象額の列の各データにそれぞれ加算する。
【0118】
次いでCPU601は、Act107として購入者データファイル35に次の購入レコードがあるか確認する。購入レコードがある場合(Act107にてYES)、CPU601は、Act102の処理に戻り、以後の処理を上記と同様に繰り返す。
【0119】
購入者データファイル35内の全ての購入レコードについて、Act102~Act106の処理を実行し終えたならば(Act107にてNO)、CPU601は、Act108としてデータテーブル64の免税対象額の列に記憶されている金額データを合計する。そしてCPU601は、この免税対象額の合計金額を返金額として、タッチパネル607に表示させる。例えばCPU601は、タッチパネル607に、「免税対象額XXX円が返金されます」と表示させる。以上で、免税対象額算出処理は終了する。
【0120】
このように、非居住者が免税対象である場合、タッチパネル607には返金額(免税対象額の合計)が表示される。因みに非居住者が免税対象でない場合には、前述したように「免税対象ではありませんでした」等のメッセージが表示される。したがって業務担当者は、タッチパネル607の表示内容から、非居住者が免税対象者であるか否かを容易に識別できる。」
「【0160】
なお、POS端末40、受付端末50および精算端末60の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。」
(イ)先願1の当初明細書等に記載されている発明
上記(ア)から、先願1の当初明細書等には、次の発明(以下、「先願発明1」という。)が記載されているといえる。
「 施設2とデータセンタ3との間で構築される免税処理システム1において(【0013】)、
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体であって、各店舗は免税店4であり、免税店4ではPOS端末40が稼働し(【0014】)、また、施設2には、受付カウンタ5と手続カウンタ6とが設置され(【0015】)、
受付カウンタ5では、非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税シートSの発行を発行するための受付端末50が稼働し(【0016】)、
手続カウンタ6では、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行うための、精算端末60が稼働し(【0017】)、
データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータおよび免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ31が稼働し(【0018】)、
管理サーバ31は、店舗コード、価格、免税区分の各項目を含むデータレコードが保存される免税品データベース34と、購入者コード、非居住者データ、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計および消耗品合計の各データが保存される購入者データファイル35とを記憶可能であり(【0054】、【0056】、【0061】)、
店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードであり(【0056】)、
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品、消耗品以外の一般物品あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報であり(【0059】)、
非居住者データは、旅券(パスポート)に記載されている旅券番号等の情報であり(【0062】)、
一般物品購入レコードは、購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものであって、店舗コード、価格が含まれ、消耗品購入レコードは、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものであって、店舗コード、価格が含まれ(【0063】、【0064】)、
受付端末50による受付処理において(【0068】)、
非居住者が提示した旅券の旅券番号等をOCR52に読み取らせ(【0069】)、旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コードとして生成し(【0073】)、購入者コードのバーコードを含む免税シートSを発行し(【0076】)、免税シートSを非居住者に渡し(【0081】)、
免税店4のPOS端末40では、
免税シートSに印刷されたバーコードを読み取り(【0082】)、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データに、購入者コードと店舗コードを関連付けて、免税購入データを生成して管理サーバ31に送信し(【0090】、【0093】、【0094】)、
管理サーバ31は、
免税購入データを受信すると、取得した購入者コードを含む購入者データファイル35をオープンし(【0096】)、
免税購入データから店舗コードと購入商品データをキーとして、免税区分が一般物品又は消耗品を表すものであるかを確認し(【0097】、【0098】)、免税区分が一般物品を表すものである場合には一般物品購入レコードを生成し、免税区分が消耗品を表すものである場合には消耗品購入レコードを生成し、この生成したレコードを購入者データファイル35に登録し、購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新することであって、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの価格を合計し、一般物品合計データに上書きし、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの価格を合計し、消耗品合計データに上書きし(【0099】、【0101】)、
精算端末60での精算処理は(【0103】)、
各免税店4での買物を終えた非居住者の免税シートSのバーコードを読み取らせて購入者コードを受け取り(【0103】、【0104】)、管理サーバ31に対して購入者データファイル35を要求し(【0106】)、購入者データファイルを記憶し(【0109】)、
購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認し、また、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認し(【0109】)、範囲内の場合、免税対象と認定し(【0110】)、
免税対象であると判定した場合には、免税対象額を算出する(【0112】)、
免税処理システム1。」
イ 先願2の当初明細書等に記載されている事項、先願2の当初明細書等に記載されている発明
(ア)先願2の当初明細書等に記載されている事項
本件特許の原出願の出願の日前である平成27年9月14日に出願され、本件特許の原出願の出願後である平成29年3月23日に出願公開された先願2の当初明細書等には、次の事項が記載されている。
「【0013】
図1は、免税処理システム1の全体構成を示す模式図である。免税処理システム1は、手続委託型の免税制度が適用される特定商業施設2(以下、施設2と称する)と、当該施設2の承認免税手続事業者またはこの事業者から委託を受けた企業体が管理するデータセンタ3との間で構築される。
【0014】
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体である。各店舗は、手続委託型の消費税免税店4(以下、免税店4と称する)として国等から認可されている。各免税店4では、それぞれ会計装置として周知のPOS(Point Of Sales)端末40が稼働している。1店舗当たりにおけるPOS端末40の台数は、特に制限されるものではない。なお、施設2は、一般型の消費税免税店、すなわち1店舗だけの免税店であってもよい。
【0015】
施設2には、承認免税手続事業者によって管理される免税受付カウンタ5(以下、受付カウンタ5と称する)と免税手続カウンタ6(以下、手続カウンタ6と称する)とが設置されている。受付カウンタ5と手続カウンタ6とは、施設2内の別々の場所に設置されていてもよいし、同一の場所に設置されていてもよい。
【0016】
受付カウンタ5は、外国人旅行者等の非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける場所である。受付カウンタ5では、免税カードCまたは免税シートSを発行するための受付端末50が稼働している。受付端末50は、受付装置として機能する情報処理装置の一態様である。免税カードCは、情報を磁気的または電気的に保持可能なカード媒体(磁気カード,ICカード等)である。免税シートSは、例えばレシート用紙に必要事項が印刷されたものである。
【0017】
手続カウンタ6は、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行う場所である。手続の業務には、非居住者が免税店4で購入した物品に対して支払った物品税(消費税,酒税等)の返金業務、購入者誓約書、購入記録票,消耗品注意ラベル等の免税措置に必要な書面の発行業務、購入者誓約書の回収業務等がある。手続カウンタ6では、精算端末60が稼働している。精算端末60は、精算装置として機能する情報処理装置の一態様である。
【0018】
データセンタ3は、少なくとも1つの施設2に対し、その施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を目的に設置される。複数の施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を、1つのデータセンタが兼用してもよい。データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータおよび免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ31が稼働している。」
「【0042】
図4は、精算端末60の要部回路構成を示すブロック図である。精算端末60は、CPU601、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および2つの外部機器インターフェース611,612を搭載する。そして精算端末60は、CPU601と、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および外部機器インターフェース611,612とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路613によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。」
「【0053】
かかる構成の管理サーバ31は、補助記憶デバイス314において、免税品データベース34と購入者データファイル35とを記憶可能である。免税品データベース34は、各免税店4で非居住者に対して物品税が免除されて販売される物品、いわゆる免税品に関するデータを保存する。
【0054】
免税品には、食料品、飲料類、薬品類、化粧品類等の消耗品と、消耗品以外の一般物品とがある。我が国では現在、消耗品については、同一の非居住者に対する同一施設2内の免税店4での1日の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内のとき免税対象となる。すなわち、5千1円と50万円とが消耗品の免税点に設定されている。一方、一般物品については、同販売合計金額が1万円を超える場合に免税対象となる。すなわち、1万1円が一般物品の免税点に設定されている。
【0055】
図6は、免税品データベース34に保存されるデータの一部を示す模式図である。図6に示すように、免税品データベース34には、店舗コード、商品コード、品目名、価格、消費税区分、免税区分の各項目を含むデータレコードが保存される。店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードである。・・・(以下省略)
【0056】【0057】(省略)
【0058】
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品として定義されるのか、消耗品以外の一般物品として定義されるのか、あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報である。例えば管理サーバ31のCPU311は、区分が“1”の場合、この区分に対応する商品は消耗品であると認識する。同様にCPU311は、区分が“2”の場合、この区分に対応する商品は一般物品であると認識し、区分が“3”の場合、この区分に対応する商品は免税対象外であると認識する。なお、対応する商品コードで識別される商品が非課税の商品である場合には、区分が設定されないか、“1”,“2”または“3”以外の区分が設定される。
【0059】
購入者データファイル35は、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた非居住者、すなわち免税店4で免税品を購入する意思を表した購入者に関する種々のデータを保存する領域である。ここに管理サーバ31は、記憶装置として機能する。
【0060】
図7は、購入者データファイル35に保存される主要なデータ項目を表す模式図である。図7に示すように、購入者データファイル35には、購入者コード、非居住者データ、受付日時、精算日時、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計および消耗品合計の各データが保存される。
【0061】
購入者コードは、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた購入者を個々に識別する一意のコードである。非居住者データは、対応する購入者コードで識別される購入者から提示された非居住者であることを証明する物に記載されている情報である。例えば、非居住者であることを証明する証明物が旅券(パスポート)の場合、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等が非居住者データに含まれる。受付日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、受付カウンタ5にて受付をした日時である。精算日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、手続カウンタ6にて精算をした日時である。
【0062】
一般物品購入レコードは、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものである。消耗品購入レコードは、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものである。一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードは、共通のデータ構造を有しており、それぞれ免税品毎に作成される。一般物品合計は、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。消耗品合計は、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。
【0063】
図8は、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードに含まれるデータの構造を示す模式図である。図8に示すように、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードには、店舗コード、商品コード、品目名、購入点数、価格、消費税金額等が含まれる。店舗コード、商品コード、品目名、購入点数については、前述したとおりである。価格は、税抜価格である。消費税金額は、対応する商品コードで識別される商品に対して賦課される消費税の金額である。」
「【0066】
物品税に対する免税制度を活用して施設2内の各免税店4で買物をする外国人旅行者等の非居住者は、先ず、受付カウンタ5へ赴く。そして非居住者は、非居住者であることを証明する証明物として例えば旅券を業務担当者に提示する。業務担当者は、受付端末50を起動させる。例えば受付端末50は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。受付端末50が起動すると、CPU501は、図9の流れ図に示す手順の処理、いわゆる受付処理を開始する。
【0067】
先ずCPU501は、Act1として非居住者データを受け取る。具体的にはCPU501は、タッチパネル507に、「旅券の情報を読み取ってください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した旅券の旅券番号等が記録された頁の文字情報をOCR52に読み取らせる。OCR52によって読み取られた旅券の文字情報は、外部機器インターフェース510を介してCPU501に与えられる。CPU501は、文字情報を解析して、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等の旅券情報を非居住者データとして受け取る。ここにCPU501は、Act1の処理によって証明物に記録された情報を受け取る第1の受取手段を構成する。
【0068】~【0071】(省略)
【0072】
一方、免税シートSの発行、または免税カードCおよび免税シートSの発行無しが設定されている場合には(Act4にてNO)、CPU501は、Act6として購入者コードを生成する。具体的にはCPU501は、Act1の処理で取得した旅券情報の旅券番号と、時計部505で計時されている日時情報とから、購入者コードを生成する。例えばCPU501は、旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。あるいは、旅券番号の前に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。ここにCPU501は、Act6の処理によって、証明物に記録された情報から購入者コードを生成する第3の生成手段を構成する。
【0073】【0074】(省略)
【0075】
CPU501は、Act9として免税シートSを発行する。発行する免税シートSの内容は、Act3として判定したオプションフラグの状態によって異なる。具体的にはCPU501は、免税シートSの発行のオプションが設定されている場合、Act6にて生成した購入者コードのバーコードを含む免税シートSの印刷データを生成する。・・・(以下省略)
【0076】~【0079】(省略)
【0080】
免税受付データの送信完了を示すメッセージを確認した受付カウンタ5の業務担当者は、免税カードCまたは免税シートSを非居住者に渡す。・・・(以下省略)」
「【0081】
免税店4の店員は、商品の購入者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、POS端末40を操作して、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言する。例えばPOS端末40のキーボード408には、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言するための宣言キーが配置されており、店員は、この宣言キーを入力する。そして宣言キーを入力した後、店員は、免税カードCに記録されたデータをカードリーダ412に読み取らせる。あるいは店員は、免税シートSに印刷されたバーコードをスキャナ411で読み取らせる。」
【0082】~【0087】(省略)
【0088】
店員は、購入者が買い上げる商品のデータをPOS端末40に登録する。・・・(以下省略)
【0089】
Act14およびAct15の待機状態において、商品登録有と認識した場合(Act14にてYES)、CPU401は、Act16として商品データの登録処理を実行する。この登録処理は、既存のPOS端末で実行されている処理であるので、詳細については説明を省略する。POS端末40においては、この登録処理により、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データが取引バッファに記憶される。
【0090】【0091】(省略)
【0092】
取引バッファに購入商品データが記憶されており、商品登録済であると認識した場合(Act17にてYES)、CPU401は、Act18として免税購入データを生成する。具体的にはCPU401は、取引バッファに記憶された購入商品データに、Act11の処理で受け取った購入者コードと予め補助記憶デバイス404に設定されている店舗コードとを関連付けて、免税購入データを生成する。・・・(以下省略)
【0093】
CPU401は、Act19として免税購入データを管理サーバ31に送信する。具体的にはCPU401は、免税購入データを管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース406に通知する。この通知を受けて、通信インターフェース406は、ネットワーク7を介して免税購入データを管理サーバ31に送信する。ここにCPU401は、通信インターフェース406と協働して、免税購入データを管理サーバ31に送信する第2の送信手段を構成する。」
「【0095】
免税購入データを受信した管理サーバ31のCPU311は、図13の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU311は、Act61として受信データが免税購入データであるか確認する。受信データが免税購入データである場合(Act61にてYES)、CPU311は、Act62としてその免税購入データから購入者コードを取得する。そしてCPU311は、Act63としてその取得した購入者コードを含む購入者データファイル35を補助記憶デバイス314から読み出し、RAM313に展開して、購入者データファイル35をオープンする。
【0096】
次いでCPU311は、Act64として免税購入データから店舗コードを取得する。またCPU311は、Act65として免税購入データから購入商品データを取得する。免税購入データに複数の購入商品データが含まれている場合、CPU311は、いずれか1つの購入商品データを選択的に取得する。
【0097】
CPU311は、Act66として、Act64の処理で取得した店舗コードとAct65の処理で取得した購入商品データに含まれる商品コードとを検索のためのキーとして、免税品データベース34を検索する。そしてCPU311は、検索のためのキーと店舗コードおよび商品コードが一致するレコードの免税区分を判定する。すなわちCPU311は、Act67として免税区分が一般物品を表すものか確認する。免税区分が一般物品を表わすものでない場合(Act67にてNO)、CPU311は、Act68として免税区分が消耗品を表すものであるか確認する。免税区分が消耗品を表すものでもない場合(Act68にてNO)、CPU311は、Act72の処理に進む。このような手順は、対応する商品コードで識別される商品が免税対象外または非課税の商品である場合に実行される。
【0098】
一方、免税区分が一般物品を表すものである場合には(Act67にてYES)、CPU311は、Act69として一般物品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、一般物品購入レコードを生成する。また、免税区分が消耗品を表すものである場合には(Act68にてYES)、CPU311は、Act70として消耗品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、消耗品購入レコードを生成する。こうして、一般物品購入レコードまたは消耗品購入レコードを生成したならば、CPU311は、Act71としてこの生成したレコードをRAM43上の購入者データファイル35に登録する。その後、CPU311は、Act72の処理に進む。ここにCPU311は、Act67~Act71の処理により、免税購入データを受信したことに応じてその免税購入データに含まれる購入者コードが設定された購入者データファイル35に、当該免税購入データに含まれる物品の販売に係る情報を記憶する第2の記憶手段を構成する。
【0099】(省略)
【0100】
こうして、免税購入データに含まれる全ての購入商品データについて、Act65以降の処理を実行したならば(Act72にてNO)、CPU311は、Act73として購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新する。具体的にはCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の一般物品合計データに上書きする。同様にCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の消耗品合計データに上書きする。
【0101】
その後CPU311は、Act74としてRAM43上の購入者データファイル35を補助記憶デバイス314に上書き保存して、購入者データファイル35をクローズする。以上で、CPU311は、免税購入データの受信処理を終了する。」
「【0102】
各免税店4での買物を終えた非居住者は、手続カウンタ6に赴く。そして非居住者は、業務担当者に免税カードCまたは免税シートSを提示する。
業務担当者は、非居住者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、精算端末60を起動させる。例えば精算端末60は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。精算端末60が起動すると、CPU601は、図11の流れ図に示す手順の処理、いわゆる精算処理を開始する。
【0103】
先ずCPU601は、Act31として購入者データを受け取る。具体的にはCPU601は、タッチパネル607に、「免税カードのデータを読み取らせてください」または「免税シートのバーコードをスキャニングしてください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した免税カードCのデータをカードリーダ609で読み取らせる。あるいは業務担当者は、非居住者が提示した免税シートSのバーコードをスキャナ608で読み取らせる。カードリーダ609によって免税カードCのデータが読み取られると、CPU601は、そのデータを購入者コードとして受け取る。スキャナ608によって免税シートSのバーコードが読み取られると、CPU601は、そのバーコードを解析して得られるコードを購入者コードとして受け取る。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、Act31の処理によって、物品購入に対して払い戻しを受けようとする購入者の購入者コードを受け取る第3の受取手段を構成する。
【0104】
次いでCPU601は、Act32として購入者コードを正当に受け取ることができたか否かを判定する。例えばカードリーダ609で読み取られたカードデータを解析したが、免税カードCに記録されているコードとコード体系が一致しない場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。同様に、スキャナ608で読み取られたバーコードから得られたコードの体系が、旅券番号と日時情報とから生成される購入者コードの体系と異なる場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。購入者コードを受け取ることができなかった場合(Act32にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者コードを読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、精算処理を終了する。
【0105】
購入者コードを受け取ることができた場合(Act32にてYES)、CPU601は、Act33として管理サーバ31に対して購入者データファイル35を要求する。具体的にはCPU601は、Act31の処理で受け取った購入者コードを含む購入者データファイル35の問合せコマンドを生成し、管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース606に通知する。この通知を受けて通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して問合せコマンドを管理サーバ31に送信する。
【0106】
問合せコマンドを受信した管理サーバ31のCPU311は、そのコマンド中の購入者コードがセットされた購入者データファイル35を検索する。そして該当する購入者データファイル35を検出したならば、CPU311は、その購入者データファイル35を問合せコマンド送信元の精算端末60に宛てて、ネットワーク7を介して送信する。
【0107】
問合せコマンドを送信したCPU601は、Act34として購入者データファイル35の応答有無を確認する。そして、購入者データファイル35の応答がなかった場合(Act34にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者データを取得できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、精算処理を終了する。
【0108】
購入者データファイル35の応答があった場合には(Act34にてYES)、CPU601は、その購入者データファイルをRAM313のワークエリアに記憶する。そしてCPU601は、この購入者データファイルに対して以下の処理を実行する。すなわちCPU601は、Act35として免税点をチェックする。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認する。またCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認する。
【0109】
こうして、免税点をチェックしたならば、CPU601は、Act36として免税対象か否かを判定する。具体的には、Act35の処理で一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額以上の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額から上限金額までの範囲内の場合、CPU601は、免税対象であると認定する。一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額未満の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額未満または上限金額を超える場合、CPU601は、免税対象でないと認定する。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、Act35およびAct36の処理により、購入者コードで識別される購入者による課税対象物品の買上合計金額が免税対象か否かを判定する判定手段を構成する。
【0110】
免税対象でないと認定された場合(Act36にてNO)、CPU601は、Act37として例えばタッチパネル607に、「免税対象ではありませんでした」等のメッセージを表示させる。またCPU601は、Act38として免税対象外データを生成する。この免税対象外データには、Act31の処理で受け取った購入者コードが含まれる。その後、CPU601は、Act46の処理に進む。
【0111】
一方、免税対象であると判定した場合には(Act36にてYES)、CPU601は、Act39として免税金額を算出する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの消費税金額と消耗品合計データの消費税金額との合算金額を算出する。こうして、免税金額を算出したならば、CPU601は、Act40としてタッチパネル607に免税金額を返金額として表示させる。例えばCPU601は、タッチパネル607に、「免税金額XXX円が返金されます」と表示させる。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、タッチパネル607と協働して、課税対象物品に賦課された税額を返金額として表示デバイスに表示させる表示手段を構成する。なお、課税対象物品に賦課された税額を返金額として表示させる表示デバイスは、タッチパネル607に限定されるものではなく、ペンタブレット62でもよい。」
「【0139】
なお、POS端末40、受付端末50および精算端末60の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。」
(イ)先願2の当初明細書等に記載されている発明
上記(ア)から、先願2の当初明細書等には、次の発明(以下、「先願発明2」という。)が記載されているといえる。
「 施設2とデータセンタ3との間で構築される免税処理システム1において(【0013】)、
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体であって、各店舗は免税店4であり、免税店4ではPOS端末40が稼働し(【0014】)、また、施設2には、受付カウンタ5と手続カウンタ6とが設置され(【0015】)、
受付カウンタ5では、非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税シートSの発行を発行するための受付端末50が稼働し(【0016】)、
手続カウンタ6では、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行うための、精算端末60が稼働し(【0017】)、
データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータおよび免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ31が稼働し(【0018】)、
管理サーバ31は、店舗コード、価格、免税区分の各項目を含むデータレコードが保存される免税品データベース34と、購入者コード、非居住者データ、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計および消耗品合計の各データが保存される購入者データファイル35とを記憶可能であり(【0053】、【0055】、【0060】)、
店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードであり(【0055】)、
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品、消耗品以外の一般物品あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報であり(【0058】)、
非居住者データは、旅券(パスポート)に記載されている旅券番号等の情報であり(【0061】)、
一般物品購入レコードは、購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものであって、店舗コード、価格が含まれ、消耗品購入レコードは、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものであって、店舗コード、価格が含まれ(【0062】、【0063】)、
受付端末50による受付処理において(【0066】)、
非居住者が提示した旅券の旅券番号等をOCR52に読み取らせ(【0067】)、旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コードとして生成し(【0072】)、購入者コードのバーコードを含む免税シートSを発行し(【0075】)、免税シートSを非居住者に渡し(【0080】)、
免税店4のPOS端末40では、
免税シートSに印刷されたバーコードを読み取り(【0081】)、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データに、購入者コードと店舗コードを関連付けて、免税購入データを生成して管理サーバ31に送信し(【0089】【0092】、【0093】)、
管理サーバ31は、
免税購入データを受信すると、取得した購入者コードを含む購入者データファイル35をオープンし(【0095】)、
免税購入データから店舗コードと購入商品データをキーとして、免税区分が一般物品又は消耗品を表すものであるかを確認し(【0096】、【0097】)、免税区分が一般物品を表すものである場合には一般物品購入レコードを生成し、免税区分が消耗品を表すものである場合には消耗品購入レコードを生成し、この生成したレコードを購入者データファイル35に登録し、購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新することであって、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの価格を合計し、一般物品合計データに上書きし、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの価格を合計し、消耗品合計データに上書きし(【0098】、【0100】)、
精算端末60での精算処理は(【0103】)、
各免税店4での買物を終えた非居住者の免税シートSのバーコードを読み取らせて購入者コードを受け取り(【0102】、【0103】)、管理サーバ31に対して購入者データファイル35を要求し(【0105】)、購入者データファイルを記憶し(【0108】)、
購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認し、また、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認し(【0108】)、範囲内の場合、免税対象と認定し(【0109】)、
免税対象であると判定した場合には、免税対象額を算出する(【0111】)、
免税処理システム1。」
ウ 先願1と本件訂正発明について
(ア)本件訂正発明1について
A 対比
本件訂正発明1と、先願発明1とを対比する。
(A)先願発明1の「免税購入データ」は、免税店4のPOS端末40で生成されるものであり、「購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データに、購入者コードと店舗コード」が「関連付け」られて「生成」されるものであることを踏まえると、前記「購入者」及び「商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データ」は、それぞれ本件訂正発明1の「利用者」及び「商品の情報」に相当することは明らかである。
また、先願発明1の「購入者コード」は、本件訂正発明1の「利用者を識別する情報」に相当し、POS端末40の「免税シートSに印刷されたバーコードを読み取る」手段は、当該バーコードが「旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コード」である点で、本件訂正発明1の「利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部」に相当する。
(B)先願発明1において、免税店4のPOS端末40で生成された「免税購入データ」を受信した「管理サーバ31」は、「取得した購入者コードを含む購入者データファイル35をオープンし、免税購入データから店舗コードと購入商品データをキーとして、免税区分が一般物品又は消耗品を表すものであるかを確認し、免税区分が一般物品を表すものである場合には一般物品購入レコードを生成し、免税区分が消耗品を表すものである場合には消耗品購入レコードを生成し、この生成したレコードを購入者データファイル35に登録し、購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新することであって、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの価格を合計し、一般物品合計データに上書きし、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの価格を合計し、消耗品合計データに上書き」する情報処理を実行しており、上記「取得した購入者コードを含む購入者データファイル35をオープン」する情報処理は、上記「免税購入データ」を受信する現時点よりも前に別の「(同じ購入者コードを含む)免税購入データ」を受信していることが前提であると解することが合理的であり、そして、「免税購入データ」の送信元である「免税店4(のPOS端末40)」は、すべて同じ「免税店4(のPOS端末40)」である必要はなく、「免税購入データ」は、「商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体である施設2」の中にある「複数の免税店4(のPOS端末40)」から「管理サーバ31」へ送信されている態様も想定されていると解される。
そして、前記「購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新することであって、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの価格を合計し、一般物品合計データに上書きし、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの価格を合計し、消耗品合計データに上書き」するという情報処理は、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードや消耗品購入レコードの価格をそれぞれ合計しているのであるから、本件訂正発明1の「購入金額の合算」に相当する。
さらに、先願発明1においては「商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体」である「施設2」には、複数の免税店4が属しているものであることを踏まえると、前記「施設2」は本件訂正発明1の「グループ」といえるものであるから、先願発明1の「免税店4」は、本件訂正発明1の「購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗」に相当する。
上記(A)及び上述した事項を踏まえると、先願発明1の「免税購入データ」は、本件訂正発明1の「購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報」に相当する。
そうすると、先願発明1においては、管理サーバ31が「免税購入データ」を受信(取得)しているのであるから、当該管理サーバ31が「免税購入データ」を受信(取得)する機能を実現する手段は、本件訂正発明1の「購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する購入情報取得部」に相当する。
(C)先願発明1の「免税区分」は、本件訂正発明1の「免税区分」に相当し、先願発明1の管理サーバ31における、「免税購入データ」を受信して「免税区分が一般物品を表すものである場合には一般物品購入レコードを生成し、免税区分が消耗品を表すものである場合には消耗品購入レコードを生成し、この生成したレコードを購入者データファイル35に登録し、購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新することであって、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの価格を合計し、一般物品合計データに上書きし、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの価格を合計し、消耗品合計データに上書き」をする機能を実現する手段は、本件訂正発明1の「前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する合算部」に相当する。
(D)先願発明1の管理サーバ31における「一般物品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認し、また、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認し」、「範囲内の場合、免税対象と認定」する機能を実現する手段は、本件訂正発明1の「合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部」に相当する。
(E)先願発明1の管理サーバ31が、「購入者が買い上げる商品の商品コード、価格を含む購入商品データ」を「購入者コードと店舗コードを関連付けて生成された免税購入データ」を受信することは、本件訂正発明1の「前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得すること」に相当する。
(F)先願発明1の「施設2とデータセンタ3との間で構築される免税処理システム1」は、コンピュータシステムとして、POS端末40、受付端末50、精算端末60及び管理サーバ31を有しており、これらが、上記(A)~(E)の免税に関する処理を実行する点で、本件訂正発明1の「免税処理システム」に相当する。
(G)そうすると、本件訂正発明1と先願発明1との一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
「 利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部と、
購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する合算部と、
合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得する免税処理システム。」
<相違点1A>
本件訂正発明1は、「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」のに対し、先願発明1は、そのような合算を行わない点。
B 相違点の判断
上記相違点1Aは、実質的な相違点であるから、当該相違点1Aは、相違点が課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえない。
C 小括
以上のとおりであるから、本件訂正発明1は、先願発明1と同一でない。
(イ)本件訂正発明2、5~7について
本件訂正発明2、5~7は、本件訂正発明1を引用する発明であって、本件訂正発明1の、「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」と同一の構成を備えるものである。
このため、本件訂正発明2、5~7は、先願発明1と同一でない。
(ウ)本件訂正発明8、9に係る発明について
本件訂正発明8は「免税処理方法」の発明であり、本件訂正発明9は「プログラム」の発明であって、どちらも、「免税処理システム」の発明である本件訂正発明1とカテゴリーが異なるのみである。
そうすると、上記(ア)のとおりであるから、請求項8に係る発明は、先願発明1を方法の発明に書き換えた発明と同一でなく、請求項9に係る発明は、先願発明1をプログラムの発明に書き換えた発明と同一でない。
エ 先願2と本件訂正発明について
上記ア(イ)及びイ(イ)で認定したように、先願発明1と先願発明2との間に差異はない。
よって、上記ウ(ア)で検討したのと同様に、本件訂正発明1、2、5~7は、先願発明2と同一でない。
また、本件訂正発明8は、先願発明2を方法の発明に書き換えた発明と同一でなく、本件訂正発明9は、先願発明2をプログラムの発明に書き換えた発明と同一でない。
(2)令和5年9月4日付け取消理由通知について
ア 先願3に記載されている事項、及び、先願3に記載されている発明
(ア)先願3に記載されている事項
本件特許の原出願の出願の日前である平成28年3月10日に出願され、本件特許の原出願の出願後である平成29年9月14日に出願公開された先願3の当初明細書等には、次の事項が記載されている。
「【0008】
図1は、実施形態にかかる免税処理システムの構成全体を示す構成図である。商店街やショッピングモール等の商業施設SMには、テナント等の複数の店舗(店舗P1、店舗P2・・・店舗PN)が出店している。なお、実施形態では、以降、店舗P1を用いて説明する。図1に示すように、実施形態の免税処理システムは、電子レシートの仕組みを取り入れている。このような免税処理システムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末6と、免税処理端末8を備える。POS端末1とストアサーバ2は、各店舗内に設置される。電子レシートサーバ3は、例えば商業施設SM外の各店舗の本部PHに設置される。電子レシート管理サーバ4は、例えば商業施設SMの電子レシートセンターに設置される。携帯端末6は、商業施設SMに来店した顧客が携帯する。免税処理端末8は、商業施設SM内の免税カウンタMCに設置される。免税カウンタMCは、例えば、商業施設SMの出口付近に設置される。
【0009】
商業施設SMは、当該商業施設SMを特定するSMコードを有する。このSMコードは、同一の商業施設SMに出店している店舗を同一グループにグルーピングする。・・・(以下省略)
【0010】
POS端末1は、店舗P1で販売される商品の売上登録処理を実行する販売データ処理装置である。POS端末1は、商品の決済情報や商品情報を含むレシート情報を生成し、当該レシート情報を後述する印字部13で印字することで紙レシートを発行する。また、POS端末1は、非構造化形式のレシート情報のデータ形式を非構造化形式とは異なる構造化形式に変換して電子化した電子レシート情報を生成する。電子レシート情報とは、本来レシート用紙に印字するレシート情報を、例えばCSV(Comma-Separated Values)方式やJSON方式等の構造化形式に変換したレシート情報である。この際、POS端末1は、SMコードと、商品を購入した店舗を特定する店舗コードを付した電子レシートを生成する。
【0011】
そして、POS端末1は、生成した電子レシート情報を、ネットワークN2を介して電子レシートサーバ3に出力(送信)する。すなわち、店舗は電子レシート情報を発行する。電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。なお、店舗P1に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。なお、電子レシート情報は、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4に送信され、電子レシート管理サーバ4に記憶される。電子レシート管理サーバ4に記憶された電子レシート情報は、携帯端末6から閲覧することができる。携帯端末6は、電子レシート情報を、レシート用紙に印字するレシート情報とほぼ同一のフォーマットで表示する。」
「【0014】
電子レシート管理サーバ4は、電子レシートセンターPDに設けられる。電子レシートセンターPDは、例えば、電子レシートサーバ3で電子レシート情報を管理する各企業の電子レシート情報の管理を集中的に行う。電子レシートセンターPDは、電子レシートサーバ3を運営する本部PH以外の第三者機関である。
電子レシート管理サーバ4は、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する。電子レシート管理サーバ4は、会員登録を行った顧客(会員)の氏名、会員を特定するコードである会員ID、電子レシート情報の受取先となる携帯端末6のメールアドレス等の会員データを、データベースDBに保持された会員マスタに記憶・管理する。
【0015】
また、電子レシート管理サーバ4は、電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、ネットワークN3を介して受信し、この電子レシート情報をデータベースDBに保持された後述する電子レシート情報部442に記憶・管理する(図2を参照)。詳細には、電子レシート情報は、商品の売上登録情報、商品情報、購入日の他、商品を購入した店舗の店舗コード、当該店舗が出店している商業施設SMのSMコード、会員ID等の要素を含み、対応する会員の会員データと対応付けて管理される。また、電子レシート情報は、商品毎に当該商品が免税対象商品(消耗品か一般物品)であるか否かの免税区分コードを含む。具体的には、電子レシート情報は、購入した商品が免税対象商品である場合、当該商品が消耗品であることを示す免税区分コード「1」、または当該商品が一般物品であることを示す免税区分コード「2」を対応付ける。免税対象商品以外の商品には、免税対象商品ではないことを示す免税区分コード「3」を対応付ける。なお、免税区分コードは、免税対象商品であるか否かを区別するコードであってもよい。すなわち、免税対象商品には、当該商品が免税対象商品であることを示す免税区分コード「1」を対応付け、免税対象商品以外の商品には、免税対象商品ではないことを示す免税区分コード「3」を対応付けてもよい。
【0016】(省略)
【0017】
携帯端末6は、本システムの利用者(顧客)が携帯して使用する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯端末装置である。携帯端末6は、ネットワークN5上で提供される各種情報を閲覧するためのWebブラウザ等のアプリケーションを実装する。・・・(以下省略)
【0018】
また、携帯端末6は、免税処理プログラムをインストール可能となっている。免税処理プログラムを起動すると、携帯端末6は、商品を購入した店舗の電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4からダウンロードする。この電子レシート情報は、同一のSMコードによって同一グループにグルーピングされた複数の店舗において買物をしたことによって生成された電子レシート情報である。そして携帯端末6は、ダウンロードしたそれぞれの電子レシート情報に含まれる免税対象商品に基づいて免税処理を実行する。」
「【0033】
ここからは、実施形態に係り各部が実行する制御処理について説明する。図5は、電子レシート管理サーバ4の制御処理の流れを示すフローチャートである。図5において、制御部400は、電子レシートサーバ3から電子レシート情報を受信したか否かを判断する(S11)。電子レシート情報を受信したと判断した場合は(S11のYes)、制御部400は、受信した電子レシート情報を、同時に受信した会員IDに対応させて電子レシート情報部442に記憶する(S12)。そして制御部400は、受信した会員IDに対応した電子レシート情報の受信先の携帯端末6に対して、電子レシート情報が存在することを通知する(S13)。そして制御部400は、S11に戻る。
【0034】【0035】(省略)
【0036】
また、携帯端末6からの電子レシート情報の閲覧要求ではないと判断した場合には(S21のNo)、制御部400は、携帯端末6から免税開始情報を受信したか否かを判断する(S31)。免税開始情報は、携帯端末6が、図8のS62の処理で送信する。免税開始情報を受信したと判断した場合には(S31のYes)、制御部400は、同時に受信した、店舗を同一グループにグルーピングするSMコードおよび日付に基づいて、当該SMコードを記憶した、同一の日(所定の期間)に商品を購入した複数の電子レシート情報を電子レシート情報部442から抽出する(S32)。そして制御部400は、抽出した電子レシート情報を、免税開始情報を送信した携帯端末6に送信する(S33)。そして制御部400は、S11に戻る。」
「【0038】
図6は、携帯端末の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部600は、ROM62やメモリ部64の制御プログラム部641に記憶された制御プログラムに従うことで、免税実行手段601、指定手段602、免税情報生成手段603、受信手段604として機能する。
免税実行手段601は、免税電子レシート部642が記憶した電子レシート情報に含まれる商品のうち免税対象であることを示す免税区分コードが対応付けられている商品について免税処理を実行する機能を有する。指定手段602は、免税電子レシート部642に記憶されている電子レシート情報から複数の電子レシート情報を指定可能な機能を有する。免税情報生成手段603は、免税実行手段601により免税処理したことを示す免税情報を生成する機能を有する。受信手段604は、同一グループにグルーピングされた複数の店舗別の電子レシート情報であって、店舗で購入した販売対象と当該販売対象が免税対象であるか否かを示す免税区分コードとを対応付けた電子レシート情報を受信する機能を有する。」
「【0039】
図7および図8は、携帯端末6の制御処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、制御部600は、電子レシート管理サーバ4から、電子レシート情報を受信したことを示す通知(S13の処理による通知)を受信したか否かを判断する(S41)。受信したと判断した場合は(S41のYes)、制御部600は、受信したことを示す通知を表示部73に表示する(S42)。この通知は、例えば「お客様の電子レシートをお預かりしています」等のメッセージである。そして制御部600は、S41に戻る。・・・(以下省略)
【0040】【0041】(省略)
【0042】
また、URLを操作ではないと判断した場合には(S47のNo)、制御部600は、操作者が携帯端末6上で免税処理を開始する免税開始操作をしたか否かを判断する(S61)。非居住者である操作者は、免税の手続きをするために免税操作を開始する。制御部600は、制御プログラム部641に記憶されている免税処理プログラムを操作者が起動させた場合に、免税開始操作がされたと判断する。免税開始操作がされたと判断した場合には(S61のYes)、図8に示すように、制御部600は、電子レシート管理サーバ4に対し、免税開始情報を送信する(S62)。この際、制御部600は、電子レシート管理サーバ4に対し、SMコードを同時に送信する。このSMコードは、例えば、操作者が免税プログラムを操作した際に、複数の店舗をグルーピングするSMコードから指定される。免税開始情報を受信した電子レシート管理サーバ4は、S32とS33を実行する。なお、免税開始操作をしていないと判断した場合には(S61のNo)、制御部600は、S41に戻る。
【0043】
次に制御部600(受信手段604)は、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受信したか否かを判断する(S63)。受信するまで待機し(S63のNo)、受信したと判断した場合には(S63のYes)、制御部600は、受信した電子レシート情報を免税電子レシート部642に記憶する(S64)。そして制御部600は、免税電子レシート部642に記憶した電子レシート情報を、表示部68に表示する(S65)。
【0044】
図10(a)は、S65の処理によって表示部68に表示した画面G1を示す。図10(a)において、制御部600は、画面G1に、S64で記憶した電子レシート情報を区別する情報(例えば、電子レシート情報に含まれる店舗の店名や商品の購入日等)を表示する。図10(a)の例では、画面G1には、電子レシート情報に含まれる店名をリストG11として表示している。リストG11には、表示された各店名の前部には、当該店名をチェックするチェックボックスG12が表示される。操作者は、このチェックボックスをタッチして、当該店名の店舗の電子レシート情報を任意に指定する。図10(a)の場合、スーパーAとスーパーBとスーパーCの電子レシート情報が指定されている。電子レシート情報が指定された際、制御部600は、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品について、免税する条件を満たしているか否かを判断する。すなわち、制御部600は、対象商品の税抜価格が、同一の日(所定の期間)に同一の非居住者に対して免税できる対象金額の範囲内であるかを判断する。詳細には、制御部600は、消耗品については、対象商品の税抜価格が5千円を超えてかつ50万円までであるか否かを判断する。また、一般物品については、対象商品の税抜価格が1万円を超えているか否かを判断する。そのため、対象金額の範囲内でない場合は、操作者は、さらに電子レシート情報を指定する。
【0045】
図8の説明に戻る。制御部600(指定手段602)は、確定キーG13が操作されて電子レシート情報の指定が確定したか否かを判断する(S66)。確定するまで待機し(S66のNo)、確定したと判断した場合には(S66のYes)、制御部600は、諸情報を入力するためのデータ入力画面を表示部68に表示する(S67)。諸情報とは、例えば、当該顧客が日本に上陸した日時や在留資格等の情報である。図10(b)は、S67の処理によって表示した画面G2を示す。図10(b)において、制御部600は、画面G2に、諸情報の入力部G21、戻るキー22、作成キー23、送信キー24を表示する。操作者は、入力部G21に諸情報を入力する。そして操作者は、戻るキー22、作成キー23、送信キー24のいずれかを操作する。なお、免税する条件を満たしていない場合は、制御部100は、確定キーG13が操作されても、電子レシート情報の指定が確定したとは判断しない(S66のNoとなる)。
【0046】
制御部600は、作成キー23が操作されたか否かを判断する(S68)。操作されたと判断した場合には(S68のYes)、制御部600(免税実行手段601)は、S64で記憶した電子レシート情報に基づいて、免税処理を実行する(S71)。免税処理とは、S64で記憶した電子レシート情報から、免税区分コードに基づいて、免税対象商品である消耗品および一般物品を抽出し、消耗品に対する合計免税額および一般物品毎に対する合計免税額を算出することである。そして制御部600(免税情報生成手段603)は、実行した免税処理に基づいて証明書(購入誓約書、購入記録票、レシート)に印字する免税情報を生成する(S72)。免税情報には、消耗品および一般物品別にそれぞれ、免税対象となる商品を特定する商品コード、商品名、価格等が含まれる。また、免税情報には、消耗品の合計金額と一般物品の合計金額が含まれる。また、免税情報には、消耗品の免税金額と一般物品の免税金額または合計した免税金額が含まれる。なお、作成された免税情報には、顧客のパスポート情報は含まれていない。なお、送信キーG23については後述する。」
「
[図:0001409087000001.jpg]
」(【図1】)
(イ)先願3に記載された発明
上記(ア)から、先願3の当初明細書等には、次の発明(以下、「先願発明3」という。)が記載されているといえる。
「 POS端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末6を備える免税処理システムであって(【0008】)、
商店街やショッピングモール等の商業施設SMには、テナント等の複数の店舗(店舗P1、店舗P2・・・店舗PN)が出店しており、POS端末1とストアサーバ2は、各店舗内に設置され、電子レシートサーバ3は、例えば商業施設SM外の各店舗の本部PHに設置され、電子レシート管理サーバ4は、商業施設SMの電子レシートセンターに設置され、携帯端末6は、商業施設SMに来店した顧客が携帯し(【0008】)、
POS端末1は、
SMコードと、商品を購入した店舗を特定する店舗コードを付した電子レシート情報を生成し(【0010】)、
SMコードは、同一の商業施設SMに出店している店舗を同一グループにグルーピングするものであり(【0009】)、
生成した電子レシート情報を、電子レシートサーバ3に送信し(【0011】)、
電子レシート情報は、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4に送信され、同時に送信された、会員登録を行った顧客(会員)を特定するコードである会員IDに対応させて電子レシート管理サーバ4に記憶され(【0014】、【0015】、【0033】)、
また、電子レシート情報は、商品毎に当該商品が免税対象商品(消耗品か一般物品)であるか否かの免税区分コード(購入した商品が免税対象商品である場合、当該商品が消耗品であることを示す免税区分コード「1」、または当該商品が一般物品であることを示す免税区分コード「2」を対応付ける)を含み(【0015】)、
電子レシート管理サーバ4は、この電子レシート情報を記憶・管理し(【0015】)、
携帯端末6は、商品を購入した店舗の電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4からダウンロードし、この電子レシート情報は、同一のSMコードによって同一グループにグルーピングされた複数の店舗において買物をしたことによって生成された電子レシート情報であり(【0018】)、
ダウンロードしたそれぞれの電子レシート情報に含まれる免税対象商品に基づいて免税処理を実行し(【0018】)、
電子レシート情報に含まれる商品のうち免税対象であることを示す免税区分コードが対応付けられている商品について免税処理を実行する機能を有し(【0038】)、
電子レシート管理サーバ4は、
携帯端末6から受信した、店舗を同一グループにグルーピングするSMコードおよび日付に基づいて、当該SMコードを記憶した、同一の日(所定の期間)に商品を購入した複数の電子レシート情報を、免税開始情報を送信した携帯端末6に送信し(【0036】)、
携帯端末6は、
電子レシート管理サーバ4に対し、免税開始情報を送信し(【0042】)、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受信した電子レシート情報を記憶し(【0043】)、
電子レシート情報に含まれる店名の店舗の電子レシート情報が操作者に任意に指定され、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品が、免税する条件を満たしているか否かを判断することであって、消耗品については、対象商品の税抜価格が5千円を超えてかつ50万円までであるか否かを判断し、一般物品については、対象商品の税抜価格が1万円を超えているか否かを判断するものであり(【0044】)、
指定された電子レシート情報に基づいて、免税処理を実行する制御処理を行い、免税処理とは、電子レシート情報から、免税区分コードに基づいて、消耗品に対する合計免税額および一般物品毎に対する合計免税額を算出することであり(【0045】、【0046】)、
実行した免税処理に基づいて証明書(購入誓約書、購入記録票、レシート)に印字する免税情報を生成し、免税情報には、消耗品の免税金額と一般物品の免税金額または合計した免税金額が含まれる(【0046】)、
免税処理システム。」
イ 本件訂正発明1について
(ア)対比
A 先願発明3は、「電子レシート情報は、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4に送信され、同時に送信された、会員登録を行った顧客(会員)を特定するコードである会員IDに対応させて電子レシート管理サーバ4に記憶され」るものである。
そうすると、先願発明3の「会員登録を行った顧客(会員)」は、本件訂正発明1の「利用者」に相当し、先願発明3の「会員ID」は、本件訂正発明1の「利用者を識別する情報」に相当する。
そして、先願発明3の「免税処理システム」は、上記のとおり、「会員ID」が、電子レシートと同時に、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4に送信されることから、会員IDを取得する機能を備えており、当該機能を実現する手段は、本件訂正発明1の「前記利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部」と、「前記利用者を識別する情報を取得する利用者識別情報取得部」との点で共通する。
B 先願発明3は、「商店街やショッピングモール等の商業施設SMには、テナント等の複数の店舗(店舗P1、店舗P2・・・店舗PN)が出店しており」、「POS端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末6を備える免税処理システム」において、「POS端末1は」、「SMコードと、商品を購入した店舗を特定する店舗コードを付した電子レシート情報を生成し」、「SMコードは、同一の商業施設SMに出店している店舗を同一グループにグルーピングするものであ」る。
そうすると、先願発明3の、商業施設SMに出店している「複数の店舗」は、SMコードで管理されている点で、本件訂正発明1の「グループに含まれている2つ以上の店舗」に相当する。
さらに、先願発明3は、「携帯端末6から免税開始情報を受信すると、店舗を同一グループにグルーピングするSMコードおよび日付に基づいて、当該SMコードを記憶した、同一の日(所定の期間)に商品を購入した複数の電子レシート情報を、免税開始情報を送信した携帯端末6に送信」し、「携帯端末6は」、「指定された電子レシート情報に基づいて、免税処理を実行する」ものである。そして、そのためには、電子レシート情報には、購入した商品の購入金額が含まれていることは明らかである。
そうすると、先願発明3の「当該SMコードを記憶した、同一の日(所定の期間)に商品を購入した複数の電子レシート情報」は、本件訂正発明1の「購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報」に相当し、このとき、先願発明3の、携帯端末6の、電子レシートを受信する機能を実現する手段は、本件訂正発明1の「購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する購入情報取得部」に相当する。
このとき、先願発明3は、「電子レシート情報は、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4に送信され、同時に送信された、会員登録を行った顧客(会員)を特定するコードである会員IDに対応させて電子レシート管理サーバ4に記憶され」るものであるから、先願発明3の、携帯端末6の、電子レシートを受信する機能を実現する手段により電子レシートを受信することは、本件訂正発明1の「前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得」することに相当する。
C 先願発明3は、「携帯端末6」が、「電子レシート情報に含まれる店名の店舗の電子レシート情報が操作者に任意に指定され、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品が、免税する条件を満たしているか否かを判断する」ものであって、「免税する条件を満たしているか否かを判断する」ために、消耗品と一般物品のそれぞれについて、免税する条件を満たしているかの対象となる購入金額を取得していることは明らかである点で、先願発明3の、当該購入金額を取得する機能を実現する手段と、本件訂正発明1の「前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに前記購入金額を合算する合算部」とは、「前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに免税判定対象金額を取得する取得部」との点で共通する。
D さらに、先願発明3は、「携帯端末6」が、「電子レシート情報に含まれる店名の店舗の電子レシート情報が操作者に任意に指定され、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品が、免税する条件を満たしているか否かを判断することであって、消耗品については、対象商品の税抜価格が5千円を超えてかつ50万円までであるか否かを判断し、一般物品については、対象商品の税抜価格が1万円を超えているか否かを判断する」機能を実現する手段と、本件訂正発明1の「合算された前記購入金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部」とは、「取得された前記免税判定対象金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部」との点で共通する。
E 先願発明3の「POS端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末6を備える免税処理システム」は、上記A~Dの機能を実現する手段を備える点で、後述する相違点は別にして、本件訂正発明1の「免税処理システム」に相当する。
F そうすると、本件訂正発明1と先願発明3との一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
利用者を識別する情報を取得する利用者識別情報取得部と、
購入金額の合算が行われるグループに含まれている2つ以上の店舗で前記利用者が購入した商品の情報を含む購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記購入情報に基づいて、免税区分ごとに免税判定対象金額を取得する取得部と、
取得された前記免税判定対象金額が免税の条件を満たすか否かを判定する判定部とを備え、
前記購入情報取得部は、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額を取得する免税処理システム。
<相違点>
(相違点1B1)
免税判定対象金額が、本件訂正発明1では、「免税区分ごとに前記購入金額を合算」したものであって、「合算部」によって合算されるのに対し、先願発明3では、電子レシート情報から取得される免税する条件を満たしているかの対象となる購入金額であって、「免税区分ごとに免税判定対象金額を取得する取得部」によって取得されるものの、「合算」したものであるのか定かではない点。
(相違点1B2)
「利用者識別情報取得部」が、本件訂正発明1では、「利用者を識別する情報を取得する旅券情報取得部」であるのに対し、先願発明3では、会員IDを取得する機能を実現する手段であるものの、「旅券情報取得部」といえるか定かではない点。
(相違点1B3)
本件訂正発明1は、「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」のに対し、先願発明3は、「前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」「合算部」を備えていない点。
(イ)相違点の判断
A 相違点1B1について
先願3には、免税する条件を満たしているかどうかの判断について「すなわち、制御部600は、対象商品の税抜価格が、同一の日(所定の期間)に同一の非居住者に対して免税できる対象金額の範囲内であるかを判断する。詳細には、制御部600は、消耗品については、対象商品の税抜価格が5千円を超えてかつ50万円までであるか否かを判断する。また、一般物品については、対象商品の税抜価格が1万円を超えているか否かを判断する。そのため、対象金額の範囲内でない場合は、操作者は、さらに電子レシート情報を指定する。」(【0044】と記載されており、文脈から、判断の結果、免税できる対象金額の範囲内であれば、免税手続の対象とする電子レシート情報を追加で指定して、再度、免税できる対象金額の範囲内であるかを判断することが記載されていると解釈できる。このため、先願3には、電子レシート情報の含まれる免税対象品の購入金額を、免税区分ごとに合算していることが記載されているに等しいといえる。
よって、相違点1B1は、先願3に記載されているに等しい事項であるから、実質的な相違点ではなく、表現上の差違にすぎない。
B 相違点1B3について
事案にかんがみ、相違点1B3ついて検討をする。
先願発明3は、「携帯端末6から受信した、店舗を同一グループにグルーピングするSMコードおよび日付に基づいて、当該SMコードを記憶した、同一の日(所定の期間)に商品を購入した複数の電子レシート情報を、免税開始情報を送信した携帯端末6に送信し」、「携帯端末6」が、「電子レシート情報に含まれる店名の店舗の電子レシート情報が操作者に任意に指定され、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品が、免税する条件を満たしているか否かを判断することであって、消耗品については、対象商品の税抜価格が5千円を超えてかつ50万円までであるか否かを判断し、一般物品については、対象商品の税抜価格が1万円を超えているか否かを判断するもの」である。
そうすると、先願発明3は、携帯端末6が、指定されたSMコードに基づいて、購入金額を合算するものであって、「前記購入金額をグループごとに合算する」ものではないから、当該相違点1B3は実質的な相違点である。
(ウ)本件訂正発明1についてのまとめ
以上のとおりであるから、上記相違点1B2について検討するまでもなく、本件訂正発明1と先願発明3との間には、実質的な相違点1B3があるから、本件訂正発明1と先願発明3とは同一でない。
ウ 本件訂正発明2、5~7について
本件訂正発明2、5~7は、本件訂正発明1を引用する発明であって、本件訂正発明1の、「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算する」と同一の構成を備えるものである。
このため、本件訂正発明2、5~7は、先願発明3と同一でない。
エ 本件訂正発明8、9に係る発明について
本件訂正発明8は「免税処理方法」の発明であり、本件訂正発明9は「プログラム」の発明であって、どちらも、「免税処理システム」の発明である本件訂正発明1とカテゴリーが異なるのみである。
そうすると、上記イのとおりであるから、請求項8に係る発明は、先願発明3を方法の発明に書き換えた発明と同一でなく、請求項9に係る発明は、先願発明3をプログラムの発明に書き換えた発明と同一でない。
3 申立人の主張について
(1)申立人の主張の概要
(主張1)先願1(甲5)の当初明細書等の【0106】~【0109】の記載から、先願1には「免税処理システム1は、購入者コードが取得される際に、該購入者コードに関連付けられた購入金額を施設2ごとに合算する。」ことが記載されているといえる。(意見書B1・6~7頁)
(主張2)先願3(甲4)の当初明細書等の【0042】~【0044】の記載から、先願3には「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算すること」が記載されているといえる。(意見書B2・7~8頁、同旨意見書B1・10頁)
(2)申立人の主張に対する当審の判断
ア 主張1について
先願1(甲5)の当初明細書等の【0016】、【0017】には、受付カウンタ5は、外国人旅行者等の非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける場所である。」、「手続カウンタ6は、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行う場所である。」と記載されており、先願1は、施設2内で行った買物についての免税手続が行われるが記載されているのみであって、「前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算すること」が記載されているに等しい事項ではなく、課題解決のための具体化手段における微差でもない。
なお、先願2(甲6)も実質的に上記のとおりであることは明らかである。
よって、申立人の主張する主張1に理由はない。
イ 主張2について
先願3は、「商業施設内の例えば出口付近やサービスカウンタ等の特定の場所に免税の手続きを行う免税カウンタを設け、従来各店舗で個別に行われていた免税の手続きを一括して行う、手続委託型の免税方式」における、「もともと煩雑であった免税の手続きを免税カウンタで一括して行うため、免税の手続きを求める非居住者が免税カウンタに集中し、ボトルネック」となるとの課題を解決するために(【0002】~【0004】参照)、顧客(会員)の携帯端末6により免税処理を行わせて(【0039】~【0047】参照)、施設内に設置された免税処理端末8で、当該免税処理した免税額の払い戻しをする(【0051】参照)というものである。
そして、申立人の主張する【0042】~【0044】には、「制御部600は、電子レシート管理サーバ4に対し、免税開始情報を送信する(S62)。この際、制御部600は、電子レシート管理サーバ4に対し、SMコードを同時に送信する。このSMコードは、例えば、操作者が免税プログラムを操作した際に、複数の店舗をグルーピングするSMコードから指定される。」(【0042】)、「そして制御部600は、免税電子レシート部642に記憶した電子レシート情報を、表示部68に表示する(S65)。」(【0043】)、「図10(a)の場合、スーパーAとスーパーBとスーパーCの電子レシート情報が指定されている。電子レシート情報が指定された際、制御部600は、指定された電子レシート情報に含まれる消耗品と一般物品について、免税する条件を満たしているか否かを判断する。すなわち、制御部600は、対象商品の税抜価格が、同一の日(所定の期間)に同一の非居住者に対して免税できる対象金額の範囲内であるかを判断する。」(【0044】)と記載されるのみであって、【0044】のスーパーA~Cが異なるグループ(SMコード)の店舗であることは記載されていない。
このため、申立人の主張する記載に基づいて、先願3には「前記合算部は、前記旅券情報取得部によって前記利用者を識別する情報が取得される際に、前記利用者を識別する情報に関連付けられた前記購入金額をグループごとに合算すること」が記載されているとまではいえない。
よって、申立人の主張する主張2に理由はない。
第5 取消理由で採用しなかった申立人の申立理由について
1 申立人の主張の概要
申立人による、当審で通知した取消理由で採用しなかった申立理由の概要は次のとおりである。なお、理由番号は、当審で付与した。
(1)理由A(進歩性)(申立書2~7、18、56~61頁)
本件訂正前の請求項1、3、5~9に係る発明は、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)当審の判断
上記「第2」のとおり、本件訂正によって、訂正後の請求項1、8、9は、申立人が主張しない訂正前の請求項4の構成を含むこととなったことから、申立人の主張する上記申立理由は存在しないものとなった。
このため、訂正後の請求項1を引用する請求項5~7についても、申立人の主張する上記申立理由は存在しないものとなった。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを認める。
また、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、5、6、7、8及び9に係る特許を取り消すことはできない。
さらに、本件訂正前の請求項3及び4は、上記のとおり削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項3及び4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、上記の結論のとおり決定する。
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2023-700014