特許訂正審判
2023-390020
自動運転制御装置及び車両
- 審判番号
- 2023-390020
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-037384
- 登録番号
- 7082265
- 請求日
- 2023年02月20日
- 審決日
- 2023年04月18日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】CASE特許 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 水野 治彦
- 審判官 鈴木 充
- 審判官 木村 麻乃
- 分類
- P141 .851-Y (B60W) / P141 .841-Y (B60W) / P141 .853-Y (B60W) / P141 .854-Y (B60W) / P141 .855-Y (B60W) / P141 .856-Y (B60W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7082265号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7082265号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし7〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7082265号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、2015年(平成27年)9月29日(優先権主張 平成26年9月30日 日本国)を国際出願日とする特願2016-552064号の一部を平成30年10月29日に新たな特許出願である特願2018-203031号とし、その一部を令和元年11月6日に新たな特許出願である特願2019-201651号とし、さらにその一部を令和3年3月9日に新たな特許出願としたものであって、令和4年5月31日にその特許権の設定登録がされ、令和4年8月17日に審判番号2022-390146とする訂正審判が請求され、令和4年10月27日に当該訂正審判について、訂正を認める旨の審決が確定し、その後、令和5年2月20日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7082265号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許法第126条第3項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項1~7を訂正単位とするものであって、その内容は次のとおりである。
1 訂正事項1
本件訂正前の請求項1に「前記基本モードは、前記自動制御機能を実行しない運転モード、若しくは、前記車両を発進又は停止させる自動発進/停止制御、前記車両を車線に沿って走行させる車線維持制御、他車両と前記車両との車間距離を制御する車間距離制御、前記車両に車線変更を行わせる車線変更制御、前記車両に右折又は左折を行わせる右左折制御、前記車両と障害物との衝突を抑止するために前記車両の操舵、及び制動又は停止を行う衝突抑止制御、のうちのいずれか1以上を含む前記自動制御機能を実行するように設定されている運転モードであり、」と記載されているのを、「前記基本モードは、前記車両と障害物との衝突を抑止するために前記車両の操舵、及び制動又は停止を行う衝突抑止制御を含む前記自動制御機能を実行するように設定されている運転モードであり、」と訂正する。(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)
2 訂正事項2
本件訂正前の請求項2に「設定された目的地まで」と記載されているのを、「設定された目標駐車位置まで」と訂正し、「前記目的地が」と記載されているのを、「前記目標駐車位置が」と訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1にあった「基本モード」において含まれる「運転モード」の選択肢の中から、「自動制御機能を実行しない運転モード」、「前記車両を発進又は停止させる自動発進/停止制御」、「前記車両を車線に沿って走行させる車線維持制御」、「他車両と前記車両との車間距離を制御する車間距離制御」、「前記車両に車線変更を行わせる車線変更制御」及び「前記車両に右折又は左折を行わせる右左折制御」を削除するものであって、訂正前に記載された択一的記載の要素の削除に該当するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1に係る訂正は、訂正前にあった択一的記載の要素を削除するものであり、願書に添付した明細書の段落【0028】には「より具体的に、本実施形態では、完全自動運転を実現するための主な自動制御機能として、自動発進/停止制御、車線維持制御、車間距離制御、車線変更制御、右左折制御、衝突抑止制御、及び駐車制御の7種類がある。自動運転制御部30は、これら7種類の自動制御機能を実行可能であり、これら7種類の自動制御機能を実行することで完全自動運転を実現できる。」と記載され、段落【0089】には「上記7種類の制御機能のうちどれを実行させるか、即ち自動運転レベルについては、運転者等が任意に設定できるよう構成されている。具体的には、図3Aに示すように、高度自動化モード及び基本モードの双方とも、自動運転レベルを任意に設定できる。ただし、基本モードについては、レベル7は設定できず、レベル0~レベル6の何れかを設定可能である。一方、高度自動化モードについては、レベル0は設定できず、レベル1~レベル7の何れかを設定可能である。さらに、基本モードのレベルは、高度自動化モードのレベルよりも低いレベルの範囲内で設定可能である。逆に言えば、高度自動化モードのレベルは、基本モードのレベルよりも高いレベルの範囲内で設定可能である。」と記載され、段落【0090】には「本実施形態では、図3Aに示すように、レベル1では制御A(例えば車線維持制御)が実行される。レベル2では制御Aに加えて制御B(例えば車間距離制御)が実行される。レベル3では制御A,Bに加えて制御C(例えば自動発進/停止制御)が実行される。レベル4では制御A,B,Cに加えて制御D(例えば衝突抑止制御)が実行される。レベル5では制御A,B,C,Dに加えて制御E(例えば車線変更制御)が実行される。レベル6では制御A,B,C,D,Eに加えて制御F(例えば右左折制御)が実行される。レベル7では制御A,B,C,D,E,Fに加えて制御G(例えば駐車制御)が実行される。つまり、レベルが高くなるほど実行される自動制御機能の種類も増えていき、レベル7では完全自動運転となる。」と記載され、段落【0092】には「なお、どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては、図3Aに例示した内容に限定されない。例えば、レベルが1つ上がる毎に実行される自動制御機能が1つずつ増えていくことは必須ではない。どのレベルでどの自動制御機能を実行させるかについては適宜決めてもよい。また、自動制御機能が上述した7種類であることもあくまでも一例であり、自動制御機能の数や各自動制御機能の具体的内容は適宜決めてもよい。」と記載されていることから、当該訂正は、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
訂正事項1に係る訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、当該訂正により実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そして、訂正事項1は、訂正前にあった択一的記載の要素を削除することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、訂正後の請求項1に係る発明も、訂正前の請求項1に係る発明と同様、新規性・進歩性を有している。また、本件訂正に起因する記載不備も認められない。したがって、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見出せない。
また、訂正後の請求項1を引用する訂正後の請求項2~7に係る発明についても、訂正後の請求項1に係る発明と同様に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2に係る訂正は、請求項1に記載されている「前記車両を目標駐車位置に駐車させる駐車制御を含み」における「目標駐車位置」と、訂正前の請求項2に記載されている「目的地」との関係が明瞭でなかったものを、請求項2に記載されている「目的地」を「目標駐車位置」と訂正することにより記載を整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0088】及び【0094】の記載に基づくものであるから、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
訂正事項2に係る訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、当該訂正により実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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