商標取消審判
2023-300537
アミュー、アミュ
- 審判番号
- 2023-300537
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-071708
- 登録番号
- 6264105
- 請求日
- 2023年07月25日
- 審決日
- 2024年07月25日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】クリシュナムルティ タンドン ファウンデーション インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】アクシス国際弁理士法人
- 【被請求人】小正商事 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Z (W35) / T132 .11 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6264105号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6264105号商標の指定役務中、第35類「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電気マッサージ器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6264105号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和元年5月21日に登録出願され、第35類「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電気マッサージ器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同2年6月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、同5年8月9日であり、その請求の登録前3年以内の同2年8月9日から同5年8月8日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)本件商標権者とHKとの雇用契約書に類するもの、ネットショップの運営を指示するもといった証拠の提出はなく、HKは通常使用権者であるとはいえない。
乙第1号証から「Amyu」という名称のショップが運営されていた事実は確認できない。Amazonにおける販売は他のECサイトと異なり、同一商品には同一のページ(カタログ)しか存在せず、同一商品を販売する出品者は否応なく最初に作られたページ(カタログ)で販売せざるを得ない方式がとられているから、通常需要者はAmazonに出品している者を認識することはほとんどない。小売役務事業者として業務上の信用が化体するのはAmazon社商標のAmazonであり、「特定商取引法に基づく表記」ページに表示される「店舗名」は小売役務についての使用ではないといえる。
本件商標は図形と文字とからなる、いわゆる結合商標であり、図形のみ・文字のみの使用は、社会通念上同一の商標の使用ではなく、店舗名としての商標「Amyu」は、本件商標と同一のものでも社会通念上同一のものでもない。
(2)被請求人が提出している証拠のほとんどは、商品としての筆に関する商標の使用であって、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用ではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証を提出している。
1 本件商標権者は、ショッピングウェブサイトAmazonにおいて、その従業員のHK名義で、「Amyu」という名称のショップを運営し(乙1)、2019年8月5日から、本件商標が付された画筆を販売していた。
ショップ「Amyu」の品揃えは、現時点で確認できないが、現在も確認できる「カスタマーQ&A」の情報より、2021年5月に画筆に関しカスタマーサポートを提供していたことが確認できる。なお、画筆の商品ページ(乙2)より、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2019年8月15日」の記載が確認できる。
HKによる本件商標の使用は、本件商標権者の使用と同視し得るか、あるいは、HKは本件商標の通常使用権者であったといえる。
ショップ名「Amyu」の使用を検討すると、本件商標の文字部分と図形部分とは、それぞれ要部として自他役務識別機能を果たし得るとみるのが相当であり、本件商標と使用商標のうち欧文字の部分は、いずれも「Amyu」の欧文字からなるものであって、その構成が同一であることが明らかであり、本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえる。
画筆は「文房具」の範ちゅうの商品であり、画筆の包装箱に記載された商標は、色彩を本件商標と同一のものとすれば、本件商標の使用といえ、ショップ「Amyu」は、包装箱に本件商標が付された画筆の商品カタログを作成し、その小売販売を行っていた。ショップ名「Amyu」は、商品の品揃え、接客サービス等といった最終的に商品の販売により収益をあげる小売業者の提供する総合的なサービス活動に使用されているといえるものであり、この使用役務は、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範囲である。
2 HKの退職にともない、本件商標権者は、2022年8月頃から現在に至るまで、Amazon内の「KMSショップ」で、本件商標が付された画筆の販売を引き継いで行っている(乙2~乙4)。画筆の包装箱の裏面には、「販売業者 Amyu」(乙5、乙6)の記載がある。本件商標権者は、Amazonを介して、本件商標の確認できる広告メール(乙7)を送信している。
画筆は「文房具」の範ちゅうの商品であり、画筆の包装箱に記載された商標は、色彩を本件商標と同一のものとすれば、本件商標の使用といえ、「KMSショップ」は、文房具類の小売販売にあたり、映像面に本件商標を表示し、映像面を介した役務の提供を行っており、あるいは役務に関する広告に本件商標を表示しており、これらの使用は、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範囲である。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第1号証は、ショッピングウェブサイトであるAmazon(Amazon.co.jp)における「Amazon.co.jp出品者プロフィール」のページの写しであり、出品者が「Amyu」である旨が記載されている。さらに、特定商取引法に関する表記として、「店舗名」が「Amyu」である旨及び「販売業者」及び「運営責任者名」がHKである旨が記載されており、その「住所」に記載されている住所は、本件商標権者の所在地と異なるものとなっている。
(2)乙第2号証は、Amazon(Amazon.co.jp)における「Amyu ペイントブラシ 面相筆 ブラック プラモデル フィギュア 塗装 画筆 11本 セット」と題する商品(以下「本件商品」という。)の商品販売ページの写しであり、「ブランド」が「Amyu」である旨の記載がある。また、「販売元」は、「KMSショップ」であるとされている。さらに、本件商品である11本の画筆とその外箱の写真が掲載されているところ、その写真は、当該外箱が全体的に黒色であって、別掲2の使用商標を表示したものである旨を示すものとなっている。
(3)乙第3号証は、Amazon(Amazon.co.jp)における「Amazon.co.jp出品者プロフィール」のページの写しであり、本件商品を示す「Amyu ペイントブラシ 面相筆 ブ・・・」との記載及び上記(2)の写真と同様の画筆及び外箱の写真が示されているとともに、出品者が「KMSショップ」である旨が記載されている。さらに、特定商取引法に関する表記として、「会社名」及び「住所」が本件商標権者の名称及び所在地である旨、責任者が「MK」である旨が記載されている。使用商標とおぼしき標章は見当たらない。
(4)乙第4号証は、Amazon(Amazon.co.jp)における「KMSショップ」に係る注文管理の画面の写しであって、2023年6月頃に「KMSショップ」において本件商品を販売したことが示されている。それぞれの注文を示す欄に上記(2)の写真と同様の画筆及び外箱の写真が示されているものの、使用商標を判別することができない大きさで表示されている。使用商標とおぼしき標章は見当たらない。
(5)乙第5号証は、RAKUMARTにおけるKMの注文管理のページの写しであり、2021年5月6日、2023年5月12日、2022年9月6日の注文に係る一部商品の備考欄に「AMYU PAINTBRUSH」という11本セット」との記載がある他、使用商標とおぼしき標章は見当たらない。
(6)乙第6号証は、RAKUMARTとKMとのチャットのページの写しであり、本件商品の写真が掲載されている。その写真においては、本件商品の外箱に、別掲2の使用商標の他、「製品表示」のラベルが貼付されている様子が示されており、当該ラベルには、「販売元」として「Amyu」の表示があり、「Amyuカスタマーサポート」との表示がある。
(7)乙第7号証は、「Amazon.co.jp<store-news@amazon.co.jp>」から配信された広告メールの写しであって、「お客様におすすめの商品」として、本件商品とその販売元である「Amyu」である旨が示されている。本件商品については、11本の画筆とその外箱の写真が表示されており、当該外箱には、別掲2の使用商標が表示されている。
(8)乙第8号証は、Amazon(Amazon.co.jp)における「Amazon.co.jp: カスタマー Q&A」のページの写しであり、外箱に使用商標を表示する本件商品の写真とともに本件商品に対する「はじめまして、前回購入してとても良かったので再度購入したいのですが、このメーカーの電話番号を教えて下さい。または#00000だけをまとめ買いできますでしょうか?宜しくお願いします」との質問が「2020/06/02」になされた旨、これに対し、「2021/05/17」に出品者である「Amyu」が「Amyuショップです。・・当ショップの電話番号に関しましては、Amazonショップページに記載がございます。・・・また、#00000の別売り・まとめ売りは現在のところしておりません。11本のセット販売のみの取り扱いになります。」等と回答した旨が示されている。
(9)乙第9号証は、上記(1)の本件商標権者が支払者であるHKの源泉徴収票であり、令和3年及び令和4年において、本件商標権者がHKを雇用していた旨が示されているといえる。使用商標とおぼしき標章は見当たらない。
(10)乙第10号証及び乙第11号証は、それぞれ2020年7月13日及び2022年5月25日に本件商品を紹介した、本件商標権者以外の者によるブログ記事である。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
ア 本件商標は、図形と「Amyu」の文字の組合せからなる商標であるところ、乙第1号証、乙第5号証、乙第6号証、乙第7号証及び乙第8号証における「Amyu」の文字のみの使用は、本件商標とは図形の有無に差異があり、両者は、その構成態様を異にするものであるから、社会通念上同一の商標とは認められない。よって、ウェブサイトのページや広告メールにおけるショップ名やサポートサービスの名称としての「Amyu」の文字の使用や本件商品の外箱に添付されたラベルにおける「Amyu」の文字の使用は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないから、本件商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下同様。)の使用に該当しない。
イ 乙第2号証、乙第3号証、乙第6号証、乙第7号証、乙第8号証、乙第10号証及び乙第11号証に示されている、別掲2の使用商標は、本件商標と色彩のみが異なるものであって、色彩を本件商標と同一にするものとすれば本件商標と同一の商標であるといえるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であって、全体として本件商標の使用であると認められる。
(2)請求に係る指定役務についての使用について
上記(1)イの使用商標は、本件商品の外箱に表示されている。
このことから、この使用商標は、商品としての絵筆ないし絵筆を含む文房具類について使用されていることが明らかであって、役務としての「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する使用に該当しないし、請求に係る指定役務のいずれに関する使用にも該当しない。
(3)小括
してみると、被請求人の提出する乙号証のうち、乙第1号証、乙第5号証、乙第6号証、乙第7号証及び乙第8号証における「Amyu」の文字のみの使用は、本件商標の使用に該当せず、乙第2号証、乙第3号証、乙第6号証、乙第7号証、乙第8号証、乙第10号証及び乙第11号証における別掲2の使用商標の使用は、本件商標の使用に該当するとはいえるものの、商品としての文房具類についての使用であり、役務としての「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する使用に該当しない。
また、乙第4号証及び乙第9号証には、使用商標とおぼしき標章が見当たらない。
してみると、被請求人の提出する乙第1号証ないし乙第11号証は、いずれも本件商標についての請求に係る指定役務に関する使用を示すものでない。
3 被請求人の主張について
被請求人は、ショップ「Amyu」は、包装箱に本件商標が付された画筆の商品カタログを作成し、その小売販売を行っており、ショップ名「Amyu」は、商品の品揃え、接客サービス等といった最終的に商品の販売により収益をあげる小売業者の提供する総合的なサービス活動に使用されている等と主張している。
しかし、上記2(1)アに示すとおり、「Amyu」の文字の使用は本件商標の使用に該当しない。また、上記2(2)に示すとおり、使用商標の使用は、商品としての文房具類についての使用であり、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用に該当しないし、請求に係る指定役務のいずれに関する使用にも該当しない。
したがって、被請求人の上記主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、いずれも、本件商標についての請求に係る指定役務に関する使用を示すものでなく、他に請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定役務について、本件商標を使用していることを証明するものはない。よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものということはできない。
また、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、結論掲記の指定役務について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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