商標取消審判
2022-300985
ソウ、ソー、エスオオユウ
- 審判番号
- 2022-300985
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-111144
- 登録番号
- 5851382
- 請求日
- 2022年11月09日
- 審決日
- 2023年07月28日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】西出 友二
- 【被請求人】バリュエンスホールディングス 株式会社
- 【被請求人代理人】山本 秀策
- 【被請求人代理人】森下 夏樹
- 【被請求人代理人】飯田 貴敏
- 【被請求人代理人】石川 大輔
- 【被請求人代理人】山本 健策
- 【被請求人代理人】井▲高▼ 将斗
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W35) / T132 .11 -Y (W35)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5851382号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5851382号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「SOU」の欧文字を書してなり、平成27年11月12日に登録出願され、「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、並びに第9類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成28年5月20日に設定登録され、その後、令和元年6月13に商標権一部取消し審判が提起され、同年9月24日に、指定商品及び指定役務中、第35類「台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について取り消すべき旨の審決がなされ、同年11月5日に同審決が確定し、同月28日にその確定登録がなされたものの、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年12月9日であり、その請求の登録前3年以内の令和元年12月9日から令和4年12月8日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証を提出している。
1 本件商標権者(被請求人)の以前の商号は、株式会社SOUであり、本件商標権者は、令和2年3月1日付けで、株式会社SOUからバリュエンスホールディングス株式会社へと商号を変更した(乙1)。
2 令和2年2月20日付けのプレスリリース(乙6)から、本件商標権者がヴィンテージセレクトショップ「ALLU」を運営しており、ALLU銀座の1階において、かばんが販売されていたことがわかる。また、本件商標権者が運営する「ALLU」のECサイトにおいても、要証期間中、かばん類の小売業務が行われていた(乙7)。
3 本件商標権者は、要証期間内に、令和2年1月21日付けのプレスリリース(乙8)を公開しており、このことはウェイバックマシンから取得した自社HPの「ニュースルーム」において確認でき、令和2年2月16日当時に一般に公開されていたことが明らかである(乙9、乙10)。本プレスリリースに使用されている商標は、本件商標と社会通念上同一のものである。また、本プレスリリースでは、「ALLU」に関する東京・銀座、大阪・心斎橋の店舗およびECサイトが紹介されており、その画像から、実店舗・ECサイトにおける取扱商品にかばん類が含まれていることを読み取ることができ、本プレスリリースは、請求に係る指定役務の広告を内容とする情報が含まれている。上記2のプレスリリース(乙6)についても、請求に係る指定役務の広告を内容とする情報であることが明らかである。
3 本件商標権者の自社HPの「事業紹介」(乙12、乙13)及び「販売事業」(乙14、乙15)は、本件商標と社会通念上同一の商標を使用し、請求に係る指定役務の広告を内容とする情報というべきである。
4 したがって、本件商標権者は、要証期間において、本件商標と社会通念上同一の商標を請求に係る指定役務について、商標法第2条第3項第8号の使用をしていたものである。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、平成23年12月に商号を株式会社SOUとして設立した株式会社であり、令和2年3月1日にその商号をバリュエンスホールディングス株式会社に変更し、同月2日に商号の変更登記がなされた(乙1)。また、同年4月24日にこの商号の変更による本件商標の権利者の表示の変更が受け付けられ、その旨の登録がなされた(職権調査)。
(2)2020年1月21日に、本件商標権者は、「SOU 自社ECサイトの越境販売を開始」とのタイトルでプレスリリースを行うとともに自社のホームページのニュースルームにおいてその旨を公開した(乙8、乙9)。この自社のページのニュースリームは、同年2月16日にいわゆるインターネットアーカイブに格納された(乙10)。
このプレスリリースのページの左上には、「Press Release」の文字とともに別掲2の商標(以下「使用商標」」という。)が表示されており、また、同ページの右上には、プレスリリースの日付(「2020年1月21日」)とともに、「株式会社SOU」と表示されている。
(3)このプレスリリースには、本件商標権者が「ヴィンテージセレクトショップ「ALLU(アリュー)」を運営している旨、「ALLU」の「東京・銀座、大阪・心斎橋の店舗およびECサイト」において「リセールアイテム」を販売している旨が示されている。そして、「「ALLU」ECサイト取扱い商品」の項目において、「「ファッション×希少価値」をテーマに、シャネル、エルメス、グッチ、カルティエなど世界各国のブランドから選りすぐりの逸品を取り揃えており、「ALLU」ECサイト、又はALLU実店舗でしか手に入れることのできない限定商品なども取り扱っております。との記載とともに、CHANEL、HERMES、GUCCIの各ブランド毎にかばん類を含む商品を示す写真が掲載されている。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、「SOU」の欧文字からなるものである。
これに対して、上記1(2)の使用商標は、赤色の図形と「SOU」の欧文字からなるものであるところ、このうち図形の部分と欧文字の部分とは色彩及び大きさの違い等によって両者が不可分に結合したものではなく、使用商標のうち欧文字の部分を図形の部分から分離して認識できるものとなっている。
以上を踏まえれば、本件商標と使用商標のうち欧文字の部分は、いずれも「SOU」の欧文字からなるものであって、その構成が同一であることが明らかである。そうすると、使用商標は、当該文字に分離して認識できる図形が付加されているにすぎないものであって、本件商標と社会通念上同一であるといえる。
(2)使用者について
上記1(2)のプレスリリースには、「2020年1月21日」という当該プレスリリースの日付と「株式会社SOU」の表示があるところ、上記1(1)によれば、当該プレスリリースは、2020年(令和2年)4月の本件商標の登録名義人の変更前になされたものであり、当該プレスリリースの時点での本件商標権者の名義人は「株式会社SOU」である。
このことを踏まえれば、当該プレスリリースは、当該プレスリリースの時点での本件商標権者を表示するものであることから、当該プレスリリースにおいて上記(1)の使用商標を表示したのは、本件商標権者である。
(3)使用役務について
上記1(3)によれば、当該プレスリリースには、本件商標権者が実店舗及びECサイトにおいてリセールアイテムである商品の小売販売をしていること及びその商品にかばん類が含まれている旨が記載されているといえる。
このことを踏まえれば、本件商標権者は、かばん類の品揃えを含む小売等役務(使用役務)を提供しており、使用役務は、請求に係る指定役務の範ちゅうのものである。
(4)使用時期について
上記1(2)によれば、当該プレスリリースは、2020年(令和2年)1月21日に行われたことが推認でき、当該プレスリリースがなされた旨を示す本件商標権者のホームページが同年2月にインターネットアーカイブに格納されているところ、このホームページが当該プレスリリースへのリンクを含むことは明らかであり、当該プレスリリースは同年同月においてもインターネット上で公開されていたものと推認される。
そして、2020年(令和2年)1月及び2月は要証期間内である。
このことから、本件商標権者は、要証期間内に使用商標を表示した当該プレスリリースを電磁的方法により提供したものと推認され、使用時期は、要証期間内である。
(5)使用行為について
当該プレスリリースは、本件商標権者における上記(3)の請求に係る指定役務の範ちゅうのものである使用役務に関する広告に該当し、日本語で表示されているものである。そして、上記(4)のとおり、本件商標権者は、要証期間内に使用商標を表示した当該プレスリリースをインターネット上で公開して、請求に係る指定役務に関する広告を内容とする情報に本件商標を付したものを電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
1 本件商標
[図:0001402920000001.jpg]
2 使用商標(色彩は原本を参照。)
[図:0001402920000002.jpg]
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