商標取消審判
2022-300363
ジンセーリネン
- 審判番号
- 2022-300363
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-086607
- 登録番号
- 5915998
- 請求日
- 2022年04月19日
- 審決日
- 2023年04月21日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】伊藤 泰和
- 【被請求人】新納 昭秀
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T131 .1 -Y (W3541) / T131 .11 -Y (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5915998号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5915998号商標(以下「本件商標」という。)は、「人生理念」の文字を標準文字で表してなり、平成28年8月10日に登録出願され、第35類「広告業,広告物の作成及び配布,広告物の出版,経営の診断又は経営に関する助言,文化教室に関する事業の管理・運営,一般事務の代行,一般事務の代行に関する情報の提供,会計事務の代行,会計事務の代行に関する情報の提供,会社の経理事務の代理又は代行,会社の経理事務の代理又は代行に関する情報の提供,経理事務に関する指導及び情報の提供,企業会計管理,企業の業務・営業・商品取引・人事の管理に関する指導・助言及びその情報の提供」及び第41類「コーチングに関する資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,資格試験に関する助言及び情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用のビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,ビジネスのためのセミナー及び会議の企画・運営又は開催,インターネット及び他のメディアのためのラジオ及びテレビ番組の制作及び配給」を指定役務として、同29年1月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年5月10日であり、その請求の登録前3年以内の同元年5月10日から同4年5月9日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)チラシ(乙1)の文章中「2022年2月15日」の記載があるため、その日にセミナーを企画されたことが一応推察されるが、写真が撮影された日付の記載がないため、同日にセミナーが実施されたかどうかの確証にならない。セミナーを実施した者は主催者であるAであって本件商標権者でなく、本件商標権者からAへの実施許諾の証拠もない。チラシを作成する行為は商標法2条3項8号の使用行為に該当せず、また、部屋の前にチラシを一枚掲示する行為は、広告を展示する行為といえないから同号の使用行為に該当しない。
チラシにおける標章、「人生理念セミナーin鳥取」及び「人生理念セミナー」は、いずれも本件商標と社会通念上同一のものとはいえない。チラシのセミナーは個人の人生設計の研修であり、「経営の診断又は経営に関する助言」についての使用とはいえない。
会議室の申込(乙2)に係る申込者は、Aであって本件商標権者でなく、本件商標権者からAへの実施許諾の証拠もない。催物名の「人生理念セミナー」は、本件商標と社会通念上同一といえず、本件商標の指定役務について使用されているともいえない。
(2)Facebookの投稿(乙3、乙4)は、商標法第2条第3項第8号の広告に該当しない。また、投稿における「人生理念」及び「◎自分自身の将来ビジョン・人生理念」の部分は本件商標と社会通念上同一のものとはいえない。
投稿(乙3)は、年が表示されておらず、要証期間内の使用の立証ができておらず、投稿(乙4)は、指定役務についての使用の立証ができていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出している。
1 2022年2月15日に、鳥取県鳥取市の鳥取市文化センターの会議室にて、本件商標権者が講師となり本件商標(人生理念)を冠したセミナーを開催するにあたり、チラシ(乙1)を作成・展示しており、この行為は、本件商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言」についての商標法第2条第3項第8号の使用行為にあたる。
また、本件商標権者とともにセミナーを企画したセミナー主催者であるAが代表者となり、鳥取市文化センターの会議室の利用申請(乙2)を同年1月13日に行った。
2 本件商標権者は、2022年2月10日に、「人生理念」をオリジナルセミナーとして、また、同年4月21日に、「人生理念」をオンライン無料相談の相談内容メニューとして、自身のFacebook上に日本語で投稿した(乙3、乙4)。
当該行為は、本件商標の指定商品中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催」についての商標法第2条第3項第8号の使用行為にあたる。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人が提出したチラシ(乙1。以下「本件チラシ」という。)は、2022年(令和4年)2月15日の「人生理念セミナー」というセミナー(以下「本件セミナー」という。)の開催告知のチラシであると認められる。
本件チラシには、本件セミナーの主催者、開催日時、開催場所、参加費に加え、別掲1のとおりの「人生理念セミナーin鳥取」の文字を横書きしてなる商標(以下「使用商標1」という。)及び別掲2のとおりの「人生理念」及び「セミナー」の文字を2列に書してなる商標(以下「使用商標2」という。)が表示されるとともに、セミナーの講師が本件商標権者である旨が示されており、さらに「これから先の人生を、本気で考えたことはありますか?」「ディズニーランドより面白いセミナー!新納さんの軽快で楽しいトークと共にあなたの人生設計をじっくり立ててみませんか?」との記載がなされていた。
(2)本件セミナーの主催者は、本件商標権者ではなくAであり(乙1)、Aは、本件セミナーの開催に先立つ同年1月13日に、鳥取市文化センターを運営する一般財団法人鳥取市教育福祉振興協会に対し、本件セミナーの会場としての利用のため、「催物名:人生理念セミナー」として、同年2月15日の同センターの会議室5の利用申込みを行った(乙2)。
(3)上記(2)と本件セミナーの会場である鳥取市文化センターの備品である白板に掲示された本件チラシ(乙1)からみて、令和4年2月15日に、同センターの会議室5において本件セミナーが開催され、その際、本件セミナーの開催の旨を告知するため、鳥取市文化センター内に本件チラシが掲示されたものと推認される。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
上記1のとおり、本件商標は、「人生理念」の文字を標準文字で表してなるものである。
これに対し、使用商標1は、別掲1のとおり「人生理念セミナーin鳥取」の横書きの文字列であり、使用商標2は、別掲2のとおり「人生理念」及び「セミナー」の2列の文字列であるところ、これらのうち使用商標1及び使用商標2の「セミナー」の部分は提供される役務を示すものであり、また、使用商標2の「in鳥取」の部分は役務の提供の場所を示すものであり、いずれも自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものと認められる。
よって、使用商標1と使用商標2は、その構成中、自他役務の識別標識としての機能を有する部分は「人生理念」の文字部分にあるというべきであって、当該文字は本件商標と書体にのみに変更を加えた同一の文字または縦書きとこれに対応すると認められる横書きによる表示態様の相互間の使用からなるものであるから、いずれも本件商標と社会通念上同一であり、当該文字に提供される役務及び提供の場所を付加した使用商標1及び使用商標2も本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用者について
使用商標1及び使用商標2は、本件商標権者が講師である本件セミナーについての本件チラシにおいて使用されている。
そうすると、本件商標権者は本件セミナーにおいてセミナーに係る知識の教授を行っているものであるから、本件商標権者は、「知識の教授」において、使用商標1及び使用商標2を使用しているといえる。
よって、使用者は、本件商標権者である。
なお、本件セミナーの主催者は、本件商標権者でないものの、本件チラシを本件セミナーの会場で展示するにあたって、本件セミナーの講師である本件商標権者が会場での本件チラシの展示を認識して明示ないし黙示の展示の指示を主催者に対して行ったことは明らかである。
(3)使用役務について
上記(2)のとおり、使用商標1及び使用商標2は、本件商標権者が講師を務めるセミナーについて使用されており、本件商標権者が提供する知識の教授(以下「使用役務」という。)について使用されているといえる。
この使用役務は、本件商標の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」の範ちゅうの役務である。
(4)使用時期について
上記1(3)のとおり、令和4年2月15日に本件セミナーが開催されるとともにその会場である鳥取県鳥取市の鳥取市文化センターにおいて本件チラシが掲示されたものと推認されるから、同日が使用時期であり、かつ要証期間内である。
(5)使用行為について
上記1の本件チラシは、使用役務に関する「広告」に該当する。よって、本件商標権者は、要証期間内に、日本国内で、本件商標の指定役務の範ちゅうの使用役務に関する広告に本件商標と社会通念上同一である使用商標1及び使用商標2を付したものを展示する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号に規定する「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する。
3 請求人は、本件チラシは、そこに記載された「2022年2月15日」に本件セミナーが実施されたことの確証にならないと主張するが、乙第1号証は、本件チラシが本件セミナーの会場である鳥取市文化センターの備品である白板に掲示された様子を示す写真であるところ、上記1(2)のとおり、本件チラシに記載された本件セミナーの会場である鳥取市文化センターの会議室5における「催物名:人生理念セミナー」の同日の利用申込みがなされており、上記1(3)に示したとおり、令和4年2月15日の本件セミナーの開催とその際の本件チラシの掲示が推認されることから、この主張を採用することはできない。
また、請求人は、セミナーを実施し、会議室の申込をした者は、主催者であるAであって本件商標権者でなく、本件商標権者からAへの実施許諾の証拠もない、とも主張するが、上記2(2)のとおり、本件セミナーにおいて講師である本件商標権者は、知識の教授(使用役務)を行っていたものであり、使用役務は、本件商標の指定役務の範ちゅうの役務である。そして、その使用役務について使用商標1及び使用商標2が使用されており、使用商標1及び使用商標2の使用の主体が本件商標権者であるといえることから、この主張も採用することができない。
4 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-300363