商標取消審判
2024-300459
ミルフィーユ、ミルフィユ
- 審判番号
- 2024-300459
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-145209
- 登録番号
- 6003892
- 請求日
- 2024年07月08日
- 審決日
- 2025年06月18日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人 日本模様替え協会
- 【被請求人】シャディ 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人みなとみらい特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W35) / T132 .11 -Y (W35)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6003892号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6003892号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミルフィーユ」の片仮名と「millefeuille」の欧文字を2段書きしたものであり、平成28年12月27日に登録出願され、「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同29年12月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年7月24日であり、その請求の登録前3年以内の同3年7月24日から同6年7月23日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
1 本件商標権者は、本件商標と社会通念上同一の商標をカタログに付して、小売等役務の業務を行っている。
乙第1号証は、本件商標権者が、販売店を通して、顧客に頒布したカタログ表紙(写し)であり、使用商標の表示がある。使用商標は、横書き1列であり、縦2段と横1列の相違はあるものの、本件商標のカタカナ文字及び英文字を共に使用していることから、社会通念上同一の態様の使用である。また、本件商標下段の語頭の「m」は小文字であるのに対し、使用商標の語頭は大文字の「M」の相違があるが、こちらも社会通念上同一の態様の使用である。乙第2号証は、カタログ背表紙(写し)であり、本件商標権者の名称の表示がある。乙第3号証及び乙第4号証は、カタログ内で「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行っていることを表示している。
乙第5号証は、カタログの印刷会社がカタログを本件商標権者に納品した日付を表示する納品書であり、乙第6号証は、販売店から受注を受けて、本件商標権者が出荷倉庫から、要証期間内にカタログを出荷したことを表示している。カタログが販売店に到着し、店頭に展示された時点で、カタログが顧客の目に止まることから、本件商標権者は、使用商標をカタログに使用しているといえる。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、日本国内の店舗(シャディグループ店舗(乙2))に展示されるカタログを発行し、発行したカタログを用いてギフト向け商品を販売する者であり、本件商標権者が発行するカタログのうち、「出産内祝い Catalog Gift TINO」の「BOO-B ミルフィーユコース」のカタログ(以下「本件カタログ」という。)の裏表紙(乙2)には、本件カタログの発行者として本件商標権者の名称が表示されている。
そして、本件カタログの表紙には、別掲の使用商標が表示されており(乙1)、その110ページ~111ページには、「URBAN STYLE」というタイトルの下でソファ、チェアー及びラックを含む商品の品揃えが示されている(乙3、乙4)。
(2)凸版印刷株式会社は、2022年11月7日に、品名が「22AYL BOO 表紙包替 11月 U)TINO」である商品100部を栃木県栃木市にある本件商標権者の東京物流センターに納品し、同センターは、同月9日これを受領した(乙5)。
(3)本件商標権者は、2022年12月1日に福島県南相馬市原町区にあるギフトプラザ原町店から受注した商品20部を同月2日に佐川急便によって出荷した(乙6)。
なお、この商品の商品名は、「22ティノ ミルフィーユ BOO預」であり、その仕入れ先は、凸版印刷株式会社である。
(4)上記(3)のギフトプラザ原町店が上記(1)の店舗(シャディグループ店舗)の一つであって、上記(3)の商品名が「22ティノ ミルフィーユ BOO預」である商品は、2022年12月に同店での展示が予定されたギフト向け商品のカタログであること、及び、上記(2)の品名が「22AYL BOO 表紙包替 11月 U)TINO」である商品は、同年2022年11月以降に上記(1)の店舗での展示が予定されているギフト向け商品のカタログであることは、いずれも明らかである。
そして、上記(3)の「22ティノ ミルフィーユ BOO預」の「ティノ」及び「BOO」は、本件カタログの名称及び上記(2)の商品名である「22AYL BOO 表紙包替 11月 U)TINO」における「TINO」及び「BOO」に対応しており、上記(2)の商品及び上記(3)の商品は、いずれも、本件カタログであるものと推認される。
(5)以上を踏まえれば、本件商標権者は、本件カタログを発行するにあたって、2022年11月に凸版印刷株式会社から印刷された本件カタログ100部を受領し、同年12月に受領した本件カタログのうち20部をシャディグループ店舗であるギフトプラザ原町店に向けて出荷し、ギフトプラザ原町店では、同月以降本件カタログが顧客に向けて展示されたものと推認される。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、「ミルフィーユ」の片仮名と「millefeuille」の欧文字を2段書きした構成からなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを表したものと無理なく理解できるものである。
そして、「millefeuille」の文字は、「フランスの菓子の一つ。」(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)の意味を有する語であるから、本件商標は「ミルフィーユ」の称呼を生じ、「フランス菓子の一つ。」の観念を生じる。
他方、使用商標は、「millefeuille」の欧文字と「ミルフィーユ」の片仮名を「/」の記号とスペースを介して横書きしてなるところ、「/」の記号は、前後の段落を並べて記載するにあたって日常的に用いられることも多いものである。
そうすると、使用商標は、「ミルフィーユ」の称呼を生じ、「フランス菓子の一つ。」の観念を生じるものである。
これらを踏まえれば、本件商標と使用商標は、「ミルフィーユ」及び「millefeuille」の構成文字を共通にし、「ミルフィーユ」の称呼及び「フランス菓子の一つ。」の観念を共通にするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標に該当する。
(2)使用者について
上記1(1)のとおり、使用商標を表紙に表示する本件カタログの裏表紙には、本件カタログの発行者が本件商標権者であることが表示されている。
このことから、使用商標の使用者は、本件商標権者である。
(3)使用役務について
上記1(1)のとおり、使用商標を表示する本件カタログは、本件カタログを用いて販売されるギフト向け商品の品揃えとして、「URBAN STYLE」というタイトルの下で、いずれも家具であるソファ、チェアー及びラックを含む商品を示すものとなっている。
このことから、使用商標の使用役務は、カタログによる家具の品揃えを含む小売等役務の提供であるといえるから、請求に係る指定役務の範ちゅうのものである。
(4)使用時期及び使用場所について
上記1(5)のとおり、本件商標権者は、本件カタログを発行するとともに、2022年(令和4年)12月に本件カタログをシャディグループ店舗であるギフトプラザ原町店に向けて出荷することで、同月以降、これを受領したギフトプラザ原町店において本件カタログが顧客に向けて展示されたものと推認される。
このことから、本件商標権者は、2022年(令和4年)12月以降の要証期間内の時期において、本件カタログを福島県のシャディグループ店舗に出荷することを通じて、日本国内で本件商標権者の名称が表示された本件カタログを顧客に向けて展示したものといえる。
(5)使用行為について
本件カタログは、小売に係る商品の品揃えを示すものであるから、請求に係る指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供するものに該当し、本件商標権者は、要証期間内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供するものに本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを用いて請求に係る指定役務を提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条3項第4号の使用行為に該当する。
また、本件カタログは、請求に係る指定役務に関する広告にも該当し、本件商標権者は、請求に係る指定役務に関する広告に本件商標と社会通念上同一の商標を付して展示しする行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条3項第8号の使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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