商標取消審判
2023-300243
ウモ、ユウエムオオ
- 審判番号
- 2023-300243
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-082037
- 登録番号
- 4860335
- 請求日
- 2023年04月14日
- 審決日
- 2024年09月27日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 Qvou
- 【請求人代理人】弁理士法人綾船国際特許事務所
- 【被請求人】株式会社 life park.biz
- 【被請求人代理人】中村 知公
- 【被請求人代理人】前田 大輔
- 【被請求人代理人】伊藤 孝太郎
- 【被請求人代理人】朝倉 美知
- 【被請求人代理人】本田 彩香
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T131 .1 -Z (Y32)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第31条第1項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4860335号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4860335号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4860335号商標(以下「本件商標」という。)は、「umo」の欧文字を横書きしてなり、平成16年9月6日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同17年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年5月16日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)5月16日ないし同5年(2023年)5月15日である(以下「要証期間」という場合がある。)
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品(以下「請求に係る指定商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第7号証にについて
ア 本件商標の使用について
本件商標は、セリフのついた書体(甲3)で記載された、小文字のアルファベット3字が等間隔で横一列に配置された構成態様のものである。
これに対し、乙第7号証に表示された画像に示されたumoの文字列はいずれもセリフがついていない、大文字である、モノグラム又はデザイン化された書体であって、「本件商標」そのものの使用とはいえない。
イ 「使用権者による使用」について
乙第7号証に示されている商標はいずれも本件商標の禁止権の範囲にある商標であり、当該商標については、商標法第31条第1項に規定する通常使用権を許諾することができない。
このため、乙第7号証に示される商標の使用は、使用許諾ができる範囲内において通常使用権(商標法第31条第1項)に基づく使用とはいえず、「通常使用権者による、通常使用権の範囲内での使用である」とする法的根拠がない。
(2)指定商品の記載について
ア 清涼飲料水の規格基準及び分類
清涼飲料水には「ミネラルウォーター」が含まれる(甲8の1)。
そして、農林水産省が設定した品質表示ガイドラインでは、原水の採水場所や処理方法によって、ミネラルウォーター類を、「ナチュラルウォーター」、「ナチュラルミネラルウォーター」、「ミネラルウォーター」及び「ボトルドウォーター」という4種類に分けている(甲8の1~甲8の3)。そして、処理方法には、「濃縮」は含まれていない。
イ 「濃縮」及び「濃縮液」について
「濃縮」とは、溶質と溶媒とで構成される溶液のうち、「溶媒」の量を減少させて、相対的に溶質の濃度を高めることである(甲5)。
umo濃縮液は、原料である石英及び籾殻を洗浄後燃焼させ、ガス回収し、水溶性珪素の結晶を得て、これを水に溶解させるという方法で製造されている(甲6)ことから「溶媒を減少させる」という工程は含まれていないため、製造されたものは「高濃度溶液」又は「濃厚溶液」というべきものであり、「濃縮液」の定義には含まれない。
また、本件商標の指定商品(請求に係る指定商品)中に、「濃縮溶液」、「高純度ケイ素濃縮溶液」、「水溶性珪素の濃縮溶液」という表記はない。
ウ 本件商標権者が販売している商品はミネラルウォーター類に属する商品ではないこと
(ア)飲料水の分類と表示について
「umo濃縮溶液」(乙4)のケイ素の濃度は(甲6の2)、原材料として販売されている「umo濃縮(R)」(乙5)に含まれる珪素の濃度と同じである(甲7)。
また、「umo濃縮(R)」のpHはアルカリ性が強く(甲7)、原材料には「pH調整剤」が含まれている(乙4)。しかし、ミネラルウォーターの処理方法に、「pH調整」は含まれていない(甲8の2)。
加えて、上述した製造法及びから見ても、「umo濃縮溶液」が「ミネラルウォーター類」に属さないことは明らかである。
したがって、「umo濃縮液」は、清涼飲料に含まれるミネラルウォーター類(飲料水)に属する商品とはいえない。
(イ)「umo【R】(「R」の丸囲い文字、以下同じ。)濃縮液(R)」は水溶性珪素「umo【R】」の原材料として販売されていること
「umo【R】濃縮液(R)」は被請求人が販売している「umo【R】濃縮液」の原料であることが明らかである(甲7)。そして、こうした原料となる濃縮液は、本件商標の指定商品には含まれていない。
そうすると、乙第5号証は本件商標を「指定商品」に使用したことについての証拠とはならない。
エ 本件商標権者が販売している商品は「冷凍果実飲料、原料用果汁」にも該当しないこと
「umo濃縮溶液」及び「umo濃縮(R)」のいずれにも、原料として果実を使用していないため(乙4)、これらが「冷凍果実飲料、原料用果汁」に該当しないことは明らかである。
オ 本件商標権者が販売している商品は「ビール、原ビール製造用ホップエキス、乳清飲料料用、飲料用野菜ジュース」に該当しないこと
「umo濃縮溶液」及び「umo濃縮(R)」のいずれの製造においても、原料として、ホップ、麦芽、乳清、野菜のいずれをも使用していない(乙4)。このため、これらが「ビール、原ビール製造用ホップエキス、乳清飲料料用、飲料用野菜ジュース」のいずれにも該当しない。
(3)被請求人の提出した乙各号証は「登録商標の使用」を立証するものではないこと
ア 乙第1号証に示された商標について
乙第1号証に示された商標は、図形と組み合わされているため、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。
イ 乙第2号証に示された商標について
乙第2号証に示されている、「umoシリカ飲む点滴【R】」と一連に表示された商品名の記載から見ると、商品の名称は「umoシリカ飲む点滴」であり、「【R】」が一連に表示された名称の後ろに記載されていることから、この一連の記載自体が登録商標であるように捉えられ、「umo」のみを切り離す合理的な理由はない。
そして、本件商標権者は「umo」に「【R】」を付していないため、乙第2号証に表示されている商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とはならない。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、本件商標権者が令和4年10月21日に製造許可を受けたことを示す許可書であるが、本件商標権者の商品である「umo濃縮溶液」(名称「水溶性珪素含有食品」、乙4)がいつから販売されているかについては、何等の立証をしていない。
エ 乙第4号証について
乙第4号証の2葉目の段ボールに貼付けられたラベルには「品名:umo濃縮溶液(R)」と記載されているのに対し、同号証の1葉目のペットボトルには、「umo濃縮溶液業務用」と表示されている。このペットボトルに入っている商品が同号証の2葉目に示されている段ボールに梱包されているとすると、段ボールとそれに梱包される内容物たるペットボトルの内容物とが一致しないことになる(甲7)。
なお、こうした商品の場合、通常であれば、製造元、原材料名、保存方法、販売者の住所及び名称並びに連絡先等が記載されたラベルが貼付されるところ、乙第4号証の1葉目のペットボトルに貼付されたラベルは「umo濃縮溶液業務用 内容量:2l」と記載されたものと、「2022年12月1日製造」という極めてシンプルなものであり、同号証の2葉目の左側の画像に示されたラベルと比較すると、このようなラベルで商品の内容表示の要件を満たしているのか否か、疑わしいと言わざるを得ない。
一方で、乙第4号証の2葉目左側に掲載されたラベルの内容物の表示は「umo濃縮溶液」(名称 水溶性珪素含有食品)となっており、本件商標権者が販売している商品が請求に係る指定商品のいずれにも該当しない。したがって、乙第4号証の「umo」は、請求に係る指定商品に使用されていない。
オ 乙第5号証について
乙第5号証において「使用されている」とされているのは、「umo濃縮(R)」という文字列を含む手書きの文字であるが、「umo濃縮」は本件商標と明確に相違するものであり、さらに商標的使用態様で表示されたものともいえない。
なお、本件商標権者と(納品書の宛先である)株式会社APAコーポレーションの本社及び流通センターの住所が同じこと及びAPAコーポレーションのウェブサイト(甲10の1)及び株式会社リンクルのウェブサイト(甲7)の「plant umo濃縮溶液」の下に掲載されている段ボールとペットボトルは、乙第4号証の2葉目に示されている段ボール箱とそっくりであることから、乙第2号証(審決注:乙第5号証の誤記と認める。)の証拠としての正当性には疑問がある。
カ 乙第6号証について
本件商標権者の商品である「umo濃縮溶液」(名称:水溶性珪素含有食品)がいつから販売されているかについては、何等の立証はない。
また、この許可証をもって「水溶性珪素含有食品」の製造ができるか否かについても疑問が残る。
キ 乙第7号証について
乙第7号証については、上記(1)のとおり、商標法における「通常使用権者による登録商標の指定商品についての使用」を立証できる証拠ではない。
(4)まとめ
以上より、被請求人の主張には具体的な裏付けがなく、要証期間に、請求に係る指定商品について本件商標を使用していたということを裏付ける証拠はない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
1 本件商標権者は、清涼飲料の濃縮液を製造・販売している(乙1)。さらに、本件商標権者は、請求に係る指定商品に配合される水溶性珪素含有の濃縮溶液を製造し(以下、本件商標権者の製造する水溶性珪素含有の濃縮溶液を「飲料用濃縮溶液」という。)、販売会社を介して飲料品製造会社に販売している(乙4)。
2 登録商標の使用であること
本件商標は、欧文字で「umo」と一連の横書きで表示した構成態様からなる商標である。
一方、本件商標権者は、清涼飲料の濃縮液の容器に「umo」の文字を付し、同商品を掲載した本件商標権者のホームページにも「umo」の文字を表示している(乙1)。また、本件商標権者は、清涼飲料の濃縮液に関する取引書類に「umo」の文字を付して頒布している(乙2)。
さらに、本件商標権者は、飲料用濃縮溶液の容器及び包装箱に「umo」の文字を付している(乙4)。また、本件商標権者は、飲料用濃縮溶液に関する取引書類に「umo」の文字を付して頒布している(乙5)。
ここで、乙第1号証、乙第2号証、乙第4号証及び乙第5号証において使用されている商標(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)の書体は、本件商標の書体と異なるものである。しかしながら、使用商標は本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であり、その使用は、登録商標の使用に該当するものである。
3 請求に係る指定商品のいずれかについて使用していること
(1)清涼飲料の濃縮液は「清涼飲料のもと」の一種であるところ、清涼飲料のもとは、請求に係る指定商品中、「清涼飲料」に含まれるものである(商標法施行規則第6条別表第32類「二 清涼飲料」)。
よって、清涼飲料の濃縮液についての本件商標の使用は、請求に係る指定商品中、「清涼飲料」について使用しているものである。
(2)飲料用濃縮溶液は「ビールのもと、清涼飲料のもと、果汁飲料のもと、ビール製造用ホップエキスのもと、乳清飲料のもと、飲料用野菜ジュースのもと」の一種であると考えられるところ、これらは、請求に係る指定商品中、「ビール、清涼飲料、果汁飲料、ビール製造用ホップエキス、乳清飲料、飲料用野菜ジュース」に含まれるものである。
よって、飲料用濃縮溶液についての本件商標の使用は、請求に係る指定商品中、「ビール、清涼飲料、果汁飲料、ビール製造用ホップエキス、乳清飲料、飲料用野菜ジュース」について使用しているものである。
(3)清涼飲料の濃縮液及び飲料用濃縮溶液は、食品衛生法上、清涼飲料の製品区分として製造許可を頂いている製品である(乙3、乙6)。この点からも、本件商標は、請求に係る指定商品について使用しているとするのが妥当である。
(4)本件商標は、飲料用濃縮溶液の販売会社から同商品を購入した飲料品製造会社が製造・販売する清涼飲料等にも使用されており(乙7)、本件商標権者は飲料品製造会社による本件商標の使用について許諾をしているものである。
4 商標としての使用であること
使用商標は、清涼飲料の濃縮液の容器(乙1)及び飲料用濃縮溶液の容器及び包装箱に付されているものである(乙4)。
よって、上記の使用商標の使用は、商品に標章を付するものであり、商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
また、使用商標は、清涼飲料の濃縮液を掲載した本件商標権者のホームページに表示されているものであり(乙1)、また、同商品に関する納品書に付され、本件商標権者から清涼飲料の濃縮液の購入者に頒布されているものである(乙2)。さらに、使用商標は、飲料用濃縮溶液に関する納品書に付され、本件商標権者から飲料用濃縮溶液の購入者に頒布されているものである(乙5)。
よって、上記の使用商標の使用は、商品に関する広告及び商品に関する取引書類に標章を付して展示又は頒布するものであり、商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
5 要証期間の使用であること
乙第2号証において、清涼飲料の濃縮液の納品書の発行日として、2023年1月17日の日付が表示されている。
また、乙第5号証において、飲料用濃縮溶液の納品書の発行日として、2022年1月28日及び2023年4月17日の日付が表示されている。
以上より明らかなとおり、清涼飲料の濃縮液及び飲料用濃縮溶液は本件審判の予告登録日前より「umo」の文字を付して販売されていたものであり、使用商標は、清涼飲料の濃縮液及び飲料用濃縮溶液の容器等に付され、清涼飲料の濃縮液を掲載した本件商標権者のホームページに表示され、並びに、清涼飲料の濃縮液及び飲料用濃縮溶液に関する取引書類に付されて頒布されており、要証期間に使用されていたものである。
6 まとめ
以上より、本件商標は、本件商標権者により、請求に係る指定商品について、日本国内において、要証期間内に使用されていたものである。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審尋
審判長は、令和6年6月6日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解に対する回答を求めた。
2 被請求人の回答
被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 請求人及び被請求人が提出した証拠並びに同人の主張によれば、以下の事実が認められる
(1)使用商品1について
商品名を「umoシリカ飲む点滴【R】 50ml」とする商品(以下「使用商品1」という。)は、【お召し上がり方】として「1日30~40滴(1.2~1.6ml)を目安にお水、お茶、ジュース、コーヒー、紅茶などの飲料水に希釈してご飲用してください。」の記載がある(乙1)
(2)使用商品2について
商品名を「umo【R】70種人体構造ミネラル 一滴の力【R】」とする商品(以下「使用商品2」という。)は、商品の説明に「液体ミネラルサプリメント 一滴の力」及び「・・・濃縮ミネラルサプリメントです。・・茶、コーヒー、味噌汁、ラーメンなどに混ぜてお召し上がりください。他、お米を炊く際やお料理にもお使いいただけます。」の記載がある(乙1)。
(3)使用商品3について
「umo濃縮溶液業務用 内容量:2l」とする商品(乙4の1葉目)は、「umo濃縮溶液(R)」とする商品(以下「使用商品3」という。)の包装箱に梱包されている商品(乙4の2葉目)と認められるところ、使用商品3は、原材料名として「微粒二酸化ケイ素(国産)、PH調整剤」の記載がある(乙4)。
(4)「umo【R】濃縮溶液(R)」とする商品について
株式会社リンクスのウェブサイトにおいて「水溶性珪素「umo【R】」原料一覧」の見出しの下、「umo【R】濃縮溶液(R)」の項に、用途として「食品・清涼飲料水 化粧品(INCI登録済)」の記載がある(甲7の1)。
また、株式会社アンレーヴのウェブサイトにおいて「水溶性珪素umo【R】原材料一覧」の見出しの下、「umo【R】濃縮溶液(R)」の項に用途として「食品・清涼飲料水 化粧品(INCI登録済)」の記載がある(甲7の2)。
(5)注文日を2023年1月17日、発送元を本件商標権者、お届け先を愛知県豊田市の顧客とする納品書(以下「納品書1」という。)には商品名欄に「umoシリカ飲む点滴【R】50ml」の記載がある(乙2)。
(6)2023年4月17日、2022年1月28日付けの本件商標権者からの株式会社APAコーポレーション宛ての納品書(控)(以下「納品書2」という。)には品名欄に「umo濃縮(R)2l」及び「umo濃縮(R)20l工場用」の記載がある(乙5)。
(7)本件商標権者は令和2年11月16日付けで愛知県西尾保健所長より、及び同4年10月17日付けで名古屋市保健所長より、清涼飲料製造業に係る営業許可を受けている(乙3、乙6)。
(8)商店と思しき写真には、店内に「umo濃縮溶液」、水溶性ケイ素 Silica umo」等の商品が陳列されている(乙7)
2 判断
被請求人は、使用商品1及び使用商品2が清涼飲料の濃縮液(清涼飲料のもと)であり、使用商品3が飲料用濃縮溶液であって、請求に係る指定商品それぞれの商品の「もと」である。そして、本件商標権者がこれに本件商標(社会通念上同一のものを含む、以下同じ。)を付していること及び本件商標権者が取引書類に本件商標を付して頒布していることによって、本件商標が使用されていると主張するので、以下判断する。
(1)不使用取消審判の請求の対象となっている登録商標を使用している商品が当該審判の請求に係る指定商品に該当するか否かは、当該商品の取引者及び需要者の認識を基準として実質的に判断すべきである。
(2)使用商品について
ア 使用商品1について
使用商品1は、その【お召し上がり方】から、他の食品(お水、お茶、ジュース、コーヒー、紅茶などの飲料)に添加して摂取する商品と言い得るものである。
そうすると、使用商品1はそれ自体を希釈して清涼飲料にする商品(清涼飲料のもと)とは認められない。
イ 使用商品2について
使用商品2は、その商品説明から、他の食品(茶、コーヒー、味噌汁、ラーメンなど)に添加して摂取する商品と言い得るものであって、商品説明中の「サプリメント」の文字からサプリメントと認められるものである。
そうすると、使用商品2はそれ自体を希釈して清涼飲料にする商品(清涼飲料のもと)とは認められない。
ウ 使用商品3について
(ア)株式会社リンクスのウェブサイト及び株式会社アンクレーヴのウェブサイトに表示されている「umo【R】濃縮溶液(R)」は、使用商品3と名称において小さく付された「【R】」の有無のみに差を有し名称自体は同じものであるから、使用商品3であると認められる。
(イ)使用商品3は、その原材料が「微粒二酸化ケイ素(国産)、PH調整剤」であるところ、株式会社リンクス及び株式会社アンクレーヴのウェブサイトによれば、「水溶性珪素「umo」」の原料でもあるが、用途に「食品・清涼飲料水 化粧品(INCI登録済)」とある。
そうすると、使用商品3は、食品以外の商品(化粧品)の原材料ともなり得るもので、かつ二酸化ケイ素及びPH調整剤を原材料とするものであるから、原材料としての化学品の範ちゅうの商品である。
エ したがって、使用商品1ないし使用商品3は請求に係る指定商品の範ちゅうの商品とは認められない。
なお、本件商標権者は、清涼飲料製造業に係る営業許可を令和2年11月16日付けで愛知県西尾保健所長より、及び、同4年10月17日付けで名古屋市保健所長より受けているが、清涼飲料製造業の営業許可があることももって使用商品1ないし使用商品3が清涼飲料ということにはならない。
(3)取引書類について
納品書1に記載されている商品は、商品名から使用商品1であると認められる。また、納品書2に記載されている商品は、商品名が「umo濃縮(R)」であり、使用商品3の「umo濃縮溶液(R)」に近似している。
しかしながら、使用商品1及び使用商品3は上記(2)のとおり、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品とは認められない。
また、納品書1及び納品書2のみでは、商品の取引が実際に行われたか不明であるから、当該納品書がそれぞれの顧客に実際に頒布されていたのかも不明である。
したがって、納品書1及び納品書2に係る商品は、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品であるとは認められず、また、当該納品書が、実際に頒布されたものと認めることもできない。
(4)乙第7号証に示された「umo濃縮溶液」、「水溶性ケイ素 Silica umo」等の商品について
被請求人はこれらの商品が使用商品3を使用した清涼飲料等であると主張しているが、これらの商品が清涼飲料であるという証拠は提出されていない。
(5)小括
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に本件商標権者が請求に係る指定商品について、本件商標を使用したことを証明したものではない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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