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特許拒絶査定不服審判

2023-017764

アプレットプログラミングを実行するための技術

審判番号
2023-017764
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-576804
請求日
2023年10月19日
審決日
2024年12月17日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
  • 【請求人代理人】山尾 憲人
  • 【請求人代理人】岡部 英隆
審判長/審判官
  • 審判長 須田 勝巳
  • 審判官 山崎 慎一
  • 審判官 吉田 美彦
分類
P18 .121-WZ (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-576804「アプレットプログラミングを実行するための技術」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月 7日国際公開、WO2021/003251、令和 4年 9月 2日国内公表、特表2022-538423〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)7月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年7月3日(以下、「優先日」という。)、米国)を国際出願日とする出願であって、令和4年2月22日に手続補正書が提出され、令和5年1月17日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月24日に意見書とともに手続補正書が提出されたところ、同年5月9日付けで拒絶査定(謄本送達日同年6月20日。以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して同年10月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ、令和6年4月11日付けで当審により拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年10月15日に意見書とともに手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和6年10月15日付け手続補正書による手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものと認める。なお、「A」~「D」の記号は、請求項1に記載された構成要件を識別するために当審で付加した記号であり、それぞれ、「構成要件A」~「構成要件D」などという。 「A 非接触カードであって、 B 命令、検証値、およびアプレットを格納するメモリであって、前記検証 値の少なくとも一部は、前記メモリに格納されていない他のアプレット に対応し、前記メモリには新しい検証値を追加可能である、メモリと、 C 前記メモリと結合され、前記命令を実行するように動作可能な処理回路 と、を備え、前記命令は、実行されると、前記処理回路に、 C-1 サーバによって検証署名を用いて署名された新しいまたは更新さ れたアプレットを受信することと、 C-2 前記新しいまたは更新されたアプレットを検証する検証プロセス を実行することであって、前記検証プロセスは、前記検証署名を前 記新しいまたは更新されたアプレットに関連付けられた検証値と比 較して、前記検証署名と前記検証値の一致を決定する、ことと、 C-3 前記検証署名が前記メモリに格納された前記検証値の1つと一致 することに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットが前 記処理回路で実行されることを有効にすることと、 C-4 前記検証署名が前記検証値のいずれとも一致しないことに応答し て、前記新しいまたは更新されたアプレットの有効化を防止するこ とと、 D を実行させる、非接触カード。」 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 本件出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法36条6項1号及び2号に規定する要件を満たしていない。 また、本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 1~20 ・引用文献等 1、2 <引用文献等一覧> 1.特開2001-312402号公報 2.特開2007-257543号公報 第4 引用例 1 引用例1 (1)引用例1に記載された事項 原査定及び当審拒絶理由において引用された、優先日前に既に公知である、特開2001-312402号公報(平成13年11月9日公開。以下、これを「引用例1」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加。以下同様。) ア 「【0023】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態に係るカードシステムのシステム構成図を図1に示す。図示されるように、このカードシステムは、カード発行センタ1と、管理センタ2と、カード処理端末3と、ICカード4と、各サービス提供者のサービス提供サーバ5と、を備える。 【0024】カード発行センタ1は、利用者に対するICカード3の発行等を行う。このICカード3の発行では、カード発行センタ1は、各サービス提供サーバ5が配信するカード用アプリケーションに基づいて、カード用アプリケーションに関する所定のテーブル(許可テーブル)を作成し、その許可テーブルに対して管理センタ2から署名の付与を受ける。そして、署名が付与された許可テーブルと所定のカード情報(カードID等)を発行対象のICカード3に記録して発行する。 【0025】カード発行センタ1により生成される許可テーブルには、例えば図2に示すように、各サービス提供サーバ5が提供するカード用アプリケーションについて、アプリケーションID、ハッシュ値等の情報が、サービス提供サーバ5を識別するためのサービス提供者ID毎に設定される。このハッシュ値は、例えばカード用アプリケーションのプログラム等、カード用アプリケーション毎に一意の情報に基づいて生成される。 【0026】管理センタ2は、カード発行センタ1からの要求に応じて、カード発行センタ1が生成した許可テーブルに対して署名(管理者署名)を付与する。 【0027】カード処理端末3は、ICカードリーダ/ライタ等を備え、主にICカード4とサービス提供サーバ5との間のデータ送受信等を行う。例えば、カード処理端末3は、利用者から入力されたカード用アプリケーションのダウンロードの要求をカードリーダ/ライタを介してICカード4に通知し、これに応じてICカード4から受信したカードID等をカード用アプリケーションのダウンロード要求とともにサービス提供サーバ5に送信する。また、サービス提供サーバ5から受信したカード用アプリケーションをカードリーダ/ライタを介してICカード4に送信等する。 【0028】ICカード4は、MPU、ROM、RAM、EEPROM等を有するICチップを備え、このICチップは、例えば図3に示すように、MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される制御部41とメモリ42と入出力制御部43とを備える。 【0029】制御部41は、カード処理端末3からの所定の通知に応じて、メモリに記憶されるカードID等をカード処理端末3に送信する。そして、制御部41は、ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成する。そして、受信したカード用アプリケーションのアプリケーションIDと、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合する。 【0030】比較したアプリケーションID及びハッシュ値が一致する場合には、制御部41は、そのカード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものであるとして、メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶する。 【0031】また、比較したアプリケーションID及びハッシュ値が一致しない場合には、制御部41は、カード発行センタ1が許可したカード用アプリケーションでないと判別し、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う。」 イ 「【0040】また、ICカード4に格納される許可テーブルには、管理センタ2による管理者としての署名が付与されているため、この許可テーブルを用いてカード用アプリケーションのチェックを行うことは、カード発行センタ1と管理センタ2の両方からの許可を確認することと実質的に同意である。よって、さらにシステムの安全性を高めることができる。また、第三者的な管理センタ2による署名を付与することで、例えばカード発行元とサービス提供者の共同による不正行為等を防止することができる。」 ウ 「【0042】また、各サービス提供者が提供するカード用アプリケーションが追加される場合や新たなサービス提供者が追加される場合等に、新たな許可テーブルをカード発行センタ1がカード処理端末3を介してICカード4に供給するようにしてもよい。」 エ 「【0047】カード発行センタ6は、サービス提供サーバ9から、例えばカードIDとサービス提供者IDとアプリケーションIDを含む鍵要求情報を受信すると、鍵要求情報に含まれるアプリケーションIDに対応するハッシュ値を読み出す。そして、鍵要求情報に含まれるカードIDに対応する暗号鍵(カード用公開鍵)を鍵テーブルから読み出し、その暗号鍵で先に取得したハッシュ値を暗号化し、暗号化されたハッシュ値に、カード発行センタ6による署名を付与して要求元のサービス提供サーバ9に送信する。」 オ 「【0051】ICカード8は、MPU、ROM、RAM、EEPROM等を有するICチップを備え、このICチップは、例えば図8に示すように、MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される制御部81とメモリ82と入出力制御部83とを備える。 【0052】制御部81は、カード処理端末7からの、ダウンロードの要求、カード用アプリケーションの削除の要求等が入力されたことの通知に応じて、メモリに記憶されるカードID等をカード処理端末7に送信する。 【0053】また、制御部81は、サービス提供サーバ9からの、ICカード8へのアクセス要求(書込要求)と暗号化されたハッシュ値とカード用アプリケーション等をカード処理端末7を介して受信すると、暗号化されたハッシュ値に付与されている署名の検証を行う。そして、署名が正しければ、メモリ82に記憶されている暗号鍵(カード用秘密鍵)を用いて、暗号化されたハッシュ値を復号化する。次に、復号化したハッシュ値を、受信したカード用アプリケーションに基づいて作成したハッシュ値と照合する。そして、比較したハッシュ値が一致する場合には、制御部81は、メモリ82におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶する。また、比較したハッシュ値が一致しない場合には、制御部81は、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末7にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う。」 カ 「【0060】カード発行センタ6は、鍵要求情報の受信に応答し、この受信データに含まれるアプリケーションIDに対応するハッシュ値を読み出す。また、カードID「3232」に対応する暗号鍵「1212」を鍵テーブルから読み出して、その暗号鍵でハッシュ値を暗号化し、暗号化されたハッシュ値にカード発行センタ6の秘密鍵を用いた署名を付与して要求元のサービス提供サーバ9に送信する(ステップS14)。また、カード発行センタ6は、サービス提供サーバ9からの受信データを用いて課金情報を生成して記憶する(ステップS15)。そして、課金情報に基づいてサービス提供者がカードID「3232」にカード用アプリケーションを提供することに対して課金を行う。 【0061】また、サービス提供サーバ9は、カード発行センタ6から受信した暗号化されたハッシュ値と、要求されたカード用アプリケーションと、アクセス要求(書込要求)を、カード処理端末7を介してICカード8に送信する(ステップS16)。 【0062】ICカード8は、受信した暗号化されたハッシュ値に付与されている署名について、カード発行センタの公開鍵を用いて検証する。署名が正しければ、暗号鍵(カード用秘密鍵)を用いて暗号化されたハッシュ値を復号化する。そして、復号化されたハッシュ値が、受信したカード用アプリケーションに基づいて作成したハッシュ値と合致するかを判別する(ステップS17)。 【0063】比較したハッシュ値が合致する場合、ICカード8は、送信元の正当性を確認したとして、受信したカード用アプリケーションを、メモリ82のカード用アプリケーション用領域に格納する(ステップS18)。」 キ 「図2 [図:0001423014000001.jpg] 」 ク 「図3 [図:0001423014000002.jpg] 」 (2)引用発明 上記(1)の記載事項より、次の事項を読み取ることができる。 ア 上記(1)アの「ICカード4は、MPU、ROM、RAM、EEPROM等を有するICチップを備え、このICチップは、例えば図3に示すように、MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される制御部41とメモリ42と入出力制御部43とを備える」(【0028】)との記載、及び上記(1)ク(図3)から、引用例1には、“MPU、ROM、RAM、EEPROM等を有するICチップを備え、このICチップは、MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される制御部41とメモリ42と入出力制御部43とを備えるICカード4”が記載されているといえる。 イ 上記(1)アの「カードシステムは、カード発行センタ1と、管理センタ2と、カード処理端末3と、ICカード4と、各サービス提供者のサービス提供サーバ5と、を備える」(【0023】)との記載から、引用例1には、“カードシステムは、カード発行センタ1と、管理センタ2と、カード処理端末3と、ICカード4と、各サービス提供者のサービス提供サーバ5とを備え”ることが記載されているといえる。 ウ 上記(1)アの「カード発行センタ1により生成される許可テーブルには、例えば図2に示すように、各サービス提供サーバ5が提供するカード用アプリケーションについて、アプリケーションID、ハッシュ値等の情報が、サービス提供サーバ5を識別するためのサービス提供者ID毎に設定される。このハッシュ値は、例えばカード用アプリケーションのプログラム等、カード用アプリケーション毎に一意の情報に基づいて生成される。」(【0025】、図2)との記載から、引用例1には、“カード発行センタ1により生成される許可テーブルには、各サービス提供サーバ5が提供するカード用アプリケーションについて、アプリケーションID、ハッシュ値等の情報が、サービス提供サーバ5を識別するためのサービス提供者ID毎に設定され、このハッシュ値は、例えばカード用アプリケーションのプログラム等、カード用アプリケーション毎に一意の情報に基づいて生成され”ることが記載されているといえる。 エ 上記(1)アの「カード処理端末3は、…中略…サービス提供サーバ5から受信したカード用アプリケーションを…ICカード4に送信等する。」(【0027】)との記載から、引用例1には、“カード処理端末3は、サービス提供サーバ5から受信したカード用アプリケーションをICカード4に送信”することが記載されているといえる。 オ 上記(1)アの「制御部41は、ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成する。…中略…作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合する。」(【0029】)との記載から、引用例1には、“制御部41は、ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成し、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合”することが記載されているといえる。 カ 上記(1)アの「比較した…中略…ハッシュ値が一致する場合には、制御部41は、そのカード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものであるとして、メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶する」(【0030】)との記載から、引用例1には、“比較したハッシュ値が一致する場合には、制御部41は、そのカード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものであるとして、メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶”することが記載されているといえる。 キ 上記(1)アの「比較した…中略…ハッシュ値が一致しない場合には、制御部41は、カード発行センタ1が許可したカード用アプリケーションでないと判別し、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う」(【0031】)との記載から、引用例1には、“比較したハッシュ値が一致しない場合には、制御部41は、カード発行センタ1が許可したカード用アプリケーションでないと判別し、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う”ことが記載されているといえる。 ク 上記(1)ウの「各サービス提供者が提供するカード用アプリケーションが追加される場合や新たなサービス提供者が追加される場合等に、新たな許可テーブルをカード発行センタ1がカード処理端末3を介してICカード4に供給するようにしてもよい。」との記載から、引用例1には、“各サービス提供者が提供するカード用アプリケーションが追加される場合や新たなサービス提供者が追加される場合等に、新たな許可テーブルをカード発行センタ1がカード処理端末3を介してICカード4に供給するようにしてもよい”ことが記載されているといえる。 ケ 以上、上記ア~クより、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「MPU、ROM、RAM、EEPROM等を有するICチップを備え、このICチップは、MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される制御部41とメモリ42と入出力制御部43とを備えるICカード4であって(【0028】、図3)、 カードシステムは、カード発行センタ1と、管理センタ2と、カード処理端末3と、ICカード4と、各サービス提供者のサービス提供サーバ5とを備え(【0023】)、 カード発行センタ1により生成される許可テーブルには、各サービス提供サーバ5が提供するカード用アプリケーションについて、アプリケーションID、ハッシュ値等の情報が、サービス提供サーバ5を識別するためのサービス提供者ID毎に設定され、このハッシュ値は、例えばカード用アプリケーションのプログラム等、カード用アプリケーション毎に一意の情報に基づいて生成され(【0025】、図2)、 カード処理端末3は、サービス提供サーバ5から受信したカード用アプリケーションをICカード4に送信し(【0027】)、 制御部41は、ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成し、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合し(【0029】)、 比較したハッシュ値が一致する場合には、制御部41は、そのカード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものであるとして、メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶し(【0030】)、 比較したハッシュ値が一致しない場合には、制御部41は、カード発行センタ1が許可したカード用アプリケーションでないと判別し、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行い(【0031】)、 各サービス提供者が提供するカード用アプリケーションが追加される場合や新たなサービス提供者が追加される場合等に、新たな許可テーブルをカード発行センタ1がカード処理端末3を介してICカード4に供給するようにしてもよい(【0042】) ICカード4。」 (3)引用例1記載事項1 また、上記(1)イの、「ICカード4に格納される許可テーブルには、管理センタ2による管理者としての署名が付与され…中略…第三者的な管理センタ2による署名を付与することで、…中略…不正行為等を防止することができる」(【0040】)との記載から、引用例1には、次の事項(以下、「引用例1記載事項1」という。)の記載も認められる。 「ICカード4に格納される許可テーブルには、管理センタ2による管理者としての署名が付与され、第三者的な管理センタ2による署名を付与することで、不正行為等を防止することができること。」 (4)引用例1記載事項2 また、上記(1)カの、「カード発行センタ6は、…中略…暗号鍵でハッシュ値を暗号化し、暗号化されたハッシュ値にカード発行センタ6の秘密鍵を用いた署名を付与し」(【0060】)との記載、及び、「ICカード8は、受信した暗号化されたハッシュ値に付与されている署名について、カード発行センタの公開鍵を用いて検証する」(【0062】)との記載から、引用例1には、さらに次の事項(以下、「引用例1記載事項2」という。)の記載も認められる。 「カード発行センタ6が暗号鍵でハッシュ値を暗号化し、暗号化されたハッシュ値にカード発行センタ6の秘密鍵を用いた署名を付与し、ICカード8は、受信した暗号化されたハッシュ値に付与されている署名について、カード発行センタの公開鍵を用いて検証すること。」 2 引用例2 (1)引用例2記載事項 原査定及び当審拒絶理由において引用された、優先日前に既に公知である、特開2007-257543号公報(平成19年10月4日公開。以下、これを「引用例2」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 ア 「【0002】 この種の複合ICカードとして、メモリおよびCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)を有するとともに、外部装置からの入力に応答して新たな信号を発生するICチップを備え、外部装置と接触して応答するための電気的接点機構(接触式インタフェイス)と、外部装置と非接触で無線通信により応答するためのアンテナ機構(非接触式インタフェイス)とを併設したものが公知である(たとえば、特許文献1参照)。 …中略… 【0010】 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 図1は、本発明の実施の形態に係る複合携帯可能電子装置としての複合ICカード(いわゆる、コンビカード)を取扱う複合ICカードシステムの構成を示すものである。この複合ICカードシステムは、接触式インタフェイスおよび非接触式インタフェイスをそれぞれ備えた兼用のカードリーダ・ライタ(外部装置)10と、接触式インタフェイスおよび非接触式インタフェイスをそれぞれ有する複合ICカード30とに大別される。」 イ 「図1 [図:0001423014000003.jpg] 」 (2)引用発明2 上記(1)の記載から、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているといえる。 「メモリおよびCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)を有する複合ICカードにおいて、外部装置と非接触で無線通信により応答する非接触式インタフェイスを有する複合ICカード。」 第5 対比 1 本願発明と引用発明との対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)構成要件Aについて 引用発明の「ICカード4」は、構成要件Aの「非接触カード」とは、下記の点(相違点4)で相違するものの、“カード”である点で一致する。 (2)構成要件Bについて 引用発明の「制御部41」、「メモリ42」、「ROM等に記憶されるプログラム」、及び「カード用アプリケーション」は、それぞれ構成要件Bの「処理回路」、「メモリ」、「命令」、及び「アプレット」に相当する。 引用発明の「許可テーブル」は、「メモリ42に記憶され」るとともに、当該「許可テーブル」に記録されている「設定値」は、「制御部41」が「作成」した、「カード用アプリケーションのハッシュ値」と「照合」されるところ、構成要件Bの「検証値」とは、検証ないし照合に用いられる値という意味で、“第2の値”(後記する(3)イの「構成要件C-2について」の項を参照。)であるといえるから、引用発明の「メモリ42」と本願発明の「メモリ」とは、下記の点(相違点1)で相違するものの、“命令、第2の値、およびアプレットを格納するメモリ”である点で一致する。 (3)構成要件C及びDについて 引用発明の「制御部41」と構成要件Cの「処理回路」とは、“前記メモリと結合され、前記命令を実行するように動作可能な処理回路”である点で一致する。 また、引用発明の「制御部41」は、「MPUがROM等に記憶されるプログラムを実行することにより実現される」ものであることから、上記(2)の「命令」及び「処理回路」の対比を踏まえると、引用発明は、構成要件C及びDにおける「前記メモリと結合され、前記命令を実行するように動作可能な処理回路と、を備え、前記命令は、実行されると、前記処理回路に」所定の処理「を実行させる」点で一致する。 ア 構成要件C-1について 引用発明の「サービス提供サーバ5」は、構成要件C-1の「サーバ」に相当する。 引用発明の「カード処理端末3は、サービス提供サーバ5から受信したカード用アプリケーションをICカード4に送信」するものであるところ、上記(2)の「アプレット」に関する対比を踏まえ、引用発明の「カード処理端末3」が「ICカード4」に「カード用アプリケーション」を送信し、当該「ICカード4」が、送信された「カード用アプリケーション」を受信することと、構成要件C-1「サーバによって検証署名を用いて署名された新しいまたは更新されたアプレットを受信すること」とは、下記の点(相違点2)で相違するものの、“サーバよりアプレットを受信すること”で共通する。 イ 構成要件C-2について 引用発明の「制御部41」が作成する、「カード用アプリケーションのハッシュ値」と「メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値」とを「照合」して、「比較したハッシュ値が一致する」ことを判断することや、「比較したハッシュ値が一致しない」ことを判断することは、当該「ハッシュ値」と「設定値」とを比較して両者の一致を決定する“検証プロセス”であるといい得る。 また、引用発明の「制御部41」は、「ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成」するものであるところ、当該「カード処理端末3から受信」した「ダウンロードされたカード用アプリケーション」は、上記(2)の「アプレット」の対比を踏まえると、構成要件C-2の「新しいまたは更新されたアプレット」といい得るから、引用発明の「ICカード4」が、「受信したカード用アプリケーションのアプリケーションIDと、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合」した上、「比較したハッシュ値が一致する」ことを判断することは、構成要件C-2における「新しいまたは更新されたアプレットを検証する検証プロセスを実行する」ことに相当する。 そして、引用発明の「カード用アプリケーションのハッシュ値」と構成要件C-2の「検証署名」とは、共に検証プロセスに用いられる値という意味で、“第1の値”といい得、また、引用発明の「許可テーブルの設定値」と構成要件C-2の「新しいまたは更新されたアプレットに関連付けられた検証値」とは、同じく検証プロセスに用いられる前記第1の値とは異なる値という意味で、“第2の値”といい得る。そして、当該“第2の値”は、“前記新しいまたは更新されたアプレットに関連付けられた”ものである。 したがって、引用発明の「制御部41」が「ダウンロードされたカード用アプリケーションをカード処理端末3から受信すると、そのカード用アプリケーションのハッシュ値を作成し、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合」するとともに、「比較したハッシュ値が一致する」ことを判断することと、構成要件C-2の「前記新しいまたは更新されたアプレットを検証する検証プロセスを実行することであって、前記検証プロセスは、前記検証署名を前記新しいまたは更新されたアプレットに関連付けられた検証値と比較して、前記検証署名と前記検証値の一致を決定する、こと」とは、下記の点(相違点3)で相違するものの、“前記新しいまたは更新されたアプレットを検証する検証プロセスを実行することであって、前記検証プロセスは、第1の値を前記新しいまたは更新されたアプレットに関連付けられた第2の値と比較して、前記第1の値と前記第2の値の一致を決定する”点で共通する。 ウ 構成要件C-3について 引用発明は、「受信したカード用アプリケーションのアプリケーションIDと、作成したハッシュ値を、メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値と照合し」た上、「比較したハッシュ値が一致する場合には、…(中略)…メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶」するものであるところ、「メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶」することは、上記イの「新しいまたは更新されたアプレット」に関する対比を踏まえると、構成要件C-3の「前記新しいまたは更新されたアプレットが前記処理回路で実行されることを有効にすること」に相当する。 上記イの「第2の値」に関する対比を踏まえると、引用発明の「比較したハッシュ値が一致する場合には、制御部41は、そのカード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものであるとして、メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための記憶領域に、受信したカード用アプリケーションを記憶」することと、構成要件C-3の「前記検証署名が前記メモリに格納された前記検証値の1つと一致することに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットが前記処理回路で実行されることを有効にすること」とは、下記の点(相違点3)で相違するものの、“前記第1の値が前記メモリに格納された前記第2の値の1つと一致することに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットが前記処理回路で実行されることを有効にする”点で一致する。 エ 構成要件C-4について 引用発明は、「比較したハッシュ値が一致しない場合には…(中略)…カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う」ものであるところ、「カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う」ことは、構成要件C-4の「前記新しいまたは更新されたアプレットの有効化を防止すること」に相当するといえる。 上記イの認定を踏まえると、引用発明の「比較したハッシュ値が一致しない場合には、制御部41は、カード発行センタ1が許可したカード用アプリケーションでないと判別し、カード用アプリケーションを所定の記憶領域に記憶することなく、カード処理端末3にエラー信号を送信して、エラー表示させる等の所定のエラー処理を行う」ことと、構成要件C-4の「前記検証署名が前記検証値のいずれとも一致しないことに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットの有効化を防止すること」とは、下記の点(相違点3)で相違するものの、“前記第1の値が前記第2の値のいずれとも一致しないことに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットの有効化を防止する”点で一致する。 2 一致点及び相違点 上記1(1)~(3)の検討から、引用発明と本願発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 〈一致点〉 A’カードであって、 B’命令、第2の値、およびアプレットを格納するメモリと、 C 前記メモリと結合され、前記命令を実行するように動作可能な処理回路 と、を備え、前記命令は、実行されると、前記処理回路に、 C-1’ サーバよりアプレットを受信することと、 C-2’ 新しいまたは更新されたアプレットを検証する検証プロセスを実 行することであって、前記検証プロセスは、第1の値を前記新しい または更新されたアプレットに関連付けられた第2の値と比較して 、前記第1の値と前記第2の値の一致を決定することと、 C-3’ 前記第1の値が前記メモリに格納された前記第2の値の1つと一 致することに応答して、前記新しいまたは更新されたアプレットが 前記処理回路で実行されることを有効にすることと、 C-4’ 前記第1の値が前記第2の値のいずれとも一致しないことに応答 して、前記新しいまたは更新されたアプレットの有効化を防止する ことと、 D’ を実行させる、カード。 〈相違点1〉(構成要件Bに関連) 本願発明の「メモリ」は、「検証値」を格納するとともに、「前記検証値の少なくとも一部は、前記メモリに格納されていない他のアプレットに対応し、前記メモリには新しい検証値を追加可能であ」るのに対し、引用発明の「メモリ42」は、「受信したカード用アプリケーション」の「ハッシュ値」が記憶される「許可テーブル」を格納するものの、当該「ハッシュ値」が追加可能であることが特定されていない点。 〈相違点2〉(構成要件C-1に関連) 本願発明の「サーバ」から「受信する」「アプレット」が、当該「サーバによって検証署名を用いて署名された新しいまたは更新されたアプレット」であるのに対し、引用発明の「ダウンロードされたカード用アプリケーション」が、「サービス提供サーバ5」において署名されたものであることが特定されていない点。 〈相違点3〉(構成要件C-2~C-4に関連) 本願発明の検証プロセスにおいて比較される第1の値及び第2の値がそれぞれ「検証署名」及び「検証値」であるのに対し、引用発明の「照合」において比較される第1の値及び第2の値がそれぞれ「作成したハッシュ値」及び「許可テーブルの設定値」である点。 〈相違点4〉(構成要件Aに関連) 本願発明の“カード”は、「非接触カード」であるのに対し、引用発明の「ICカード4」は、非接触ICカードであることが特定されていない点。 第6 判断 1 相違点1について 引用発明の「メモリ42に記憶されている許可テーブルの設定値」は、「カード用アプリケーションのハッシュ値」と「照合」されて、「比較したハッシュ値」の一致や不一致が決定されるものといえるところ、当該「カード用アプリケーション」に対応して設定されているといえる。 そして、引用発明の「ICカード4」は、「各サービス提供者が提供するカード用アプリケーションが追加される場合や新たなサービス提供者が追加される場合等に、新たな許可テーブルをカード発行センタ1がカード処理端末3を介してICカード4に供給するようにしてもよい」ものであるところ、まだ「メモリ42」に記憶されていない、新たな「カード用アプリケーション」を「カード処理端末3から受信」して「メモリ42におけるカード用アプリケーションを記憶するための所定の記憶領域に記憶」する場合には、当然、「照合」のために、当該新たに受信した「カード用アプリケーション」に対応する「許可テーブルの設定値」が追加可能でなければ、一切の新たな「カード用アプリケーション」に関する「照合」が行えなくなることに鑑みれば、相違点1に係る構成、すなわち、「メモリ」に「検証値」を格納するとともに、「前記検証値の少なくとも一部」を「前記メモリに格納されていない他のアプレットに対応し、前記メモリには新しい検証値を追加可能であ」る構成は、引用例1に明記は無くとも、自明な構成に過ぎないから、相違点1は格別なものとはいえない。 2 相違点2について 引用例1には、上記引用例1記載事項1及び引用例1記載事項2にあるように、「管理センタ2による管理者としての署名が付与され」ること、及び、「暗号化されたハッシュ値にカード発行センタ6の秘密鍵を用いた署名を付与」することなどが記載されていて、引用発明の「ICカード4」において、「管理センタ2」や「カード発行センタ6」側、すなわち、「カード用アプリケーション」を送信する側(サーバ側)において、署名を付与することが示唆されているといえる。 また、一般的に電子署名を付与して署名検証を行うことによって、改ざんや不正がなされていないことを保証することは、当該技術分野における単なる周知技術に過ぎないことに鑑みれば、引用発明において、「カード用アプリケーション」に対してサーバ側で署名を付与した上、引用発明の「ICカード4」側で当該署名が付与された「カード用アプリケーション」を受信することは、当業者が適宜なし得ることに過ぎず、相違点2に係る構成、すなわち「サーバによって検証署名を用いて署名された新しいまたは更新されたアプレットを受信する」よう構成することは当業者が容易になし得ることである。 したがって、相違点2は格別なものとはいえない。 3 相違点3について 本願発明の「検証署名」及び「検証値」について、本件明細書段落【0030】、【0051】及び【0055】~【0058】等の記載を参照すると、検証値は、メモリに格納されたアプレット、またはメモリにインストールするための新しいアプレットを検証するために使用される値であって、アプレットは、検証署名で署名され、アプレットの検証署名、および検証署名がメモリに格納された検証値と一致するかどうかを決定して、インストールのためのアプレットが破損していないこと、および/または悪意を持って改ざんされていないことを保証するものであること(【0030】)、トランザクションカードは、検証署名を検証値と比較することによって、アプレットを検証し、アプレットの検証署名がメモリに格納されている検証値と一致する場合、アプレットは、検証されること(【0051】)、及び、トランザクションカードは、1つまたは複数の検証値を安全なメモリに格納し、検証署名が検証値と一致するかどうかを決定することによってアプレットを検証すること(【0055】)などを読み取ることができる。 つまり、本願発明の「検証値」は、本願発明の「非接触カード」の「メモリ」に安全に格納された値であって、「アプレット」に付された「検証署名」との比較によって、当該「アプレット」が、破損していたり悪意を持って改ざんされていないことを保証する検証のために用いられる値であるものと解される。 一方、引用発明の「許可テーブルの設定値」は、「カード発行センタ1により生成される」ものであって、「カード用アプリケーション」の「ハッシュ値等の情報」が、「設定され」たものであり、当該「ハッシュ値」は、「カード用アプリケーション毎に一意の情報に基づいて生成され」るものである。 また、引用発明の「ICカード4」の「制御部41」によって作成される「カード用アプリケーションのハッシュ値」は、上記「許可テーブルの設定値」と照合されて、照合の結果が一致するか否かによって、「カード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものである」か否かを判断していることから、「カード用アプリケーション」の検証に用いられている値といえるから、これらの値同士を照合した結果の一致や不一致をもって「カード用アプリケーションが予めカード発行センタ1に許可されたものである」か否かを判断することは、「カード用アプリケーション」が正規のものであること、換言すれば破損したり悪意を持って改ざんされていないものであることを検証するために用いられる値であるといえる。 してみれば、相違点3に係る相違は、単に検証に用いられる値の呼称の違いともいうべきものであって、とりわけ、本願発明において、「検証署名を用い」た「署名」に関しては、本件明細書にその詳細は記載されていないから、本願発明における格別なものということはできず、また、上記2において説示したように、電子署名を付与して署名検証を行うことによって、改ざんや不正がなされていないことを保証することは、当該技術分野における単なる周知技術に過ぎないから、相違点3は格別なものとはいえない。 4 相違点4について 引用発明2にあるとおり、「メモリおよびCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)を有する複合ICカードにおいて、外部装置と非接触で無線通信により応答する非接触式インタフェイスを有する複合ICカード」は、優先日前よく知られたものであって、引用発明の「ICカード4」を非接触カードとすることは当業者が適宜なし得る程度のことに過ぎず、相違点4も格別なものとはいえない。 5 むすび 以上検討したとおり、相違点1~4はいずれも格別なものではなく、またそのことによる効果も、当業者であれば普通に想起し得る程度のことに過ぎない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、本願優先日前に頒布された引用例1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-017764

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