特許拒絶査定不服審判
2023-017073
システム及びプログラム等
- 審判番号
- 2023-017073
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-248236
- 請求日
- 2023年10月10日
- 審決日
- 2024年08月13日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ユピテル
- 審判長/審判官
- 審判長 篠塚 隆
- 審判官 村松 貴士
- 審判官 北元 健太
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .57 -WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第37条、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2018-248236「システム及びプログラム等」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月 1日出願公開、特開2019-128952、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年12月28日(優先権主張 平成30年1月22日)の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和4年10月 4日付け:拒絶理由通知
令和4年12月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 1月17日付け:拒絶理由通知(最後)
令和5年 3月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 7月 4日付け:令和5年3月27日付け手続補正書でした補正
の却下、拒絶査定(原査定)
令和5年10月10日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 4月23日付け:拒絶理由通知(当審拒絶理由)
令和6年 6月27日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和5年7月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1 理由1(発明の特別な技術的特徴を変更する補正)令和4年12月1日付け手続補正書でした補正は、その補正後の下記の請求項に係る発明が下記の点で、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではないから、同法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。
(1)特別な技術的特徴に基づく審査対象の決定
補正前の請求項1に係る発明は、「ユーザに対する報知機能と、その報知機能による報知に関連する事項を設定する設定機能を備えたシステムであり、通常時に表示している画面に対して操作があると即時性のある第一メニュー画面を表示し、その第一メニュー画面にある所定の項目が選択されると即時性の無い前記設定のための第二メニュー画面を表示するようにし、前記第一メニュー画面には、即時に設定できる項目と、前記第二メニュー画面に行く項目を備える」という特別な技術的特徴を有する。
一方、請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、「ユーザに対する報知機能を備えたシステム」という共通の技術的特徴を有している。しかしながら、当該技術的特徴は、特開2016-102732号公報の開示内容に照らして、先行技術に対する貢献をもたらすものではないから、特別な技術的特徴であるとはいえない。また、補正前の請求項1に係る発明と、請求項1に係る発明との間に、他に同一の又は対応する特別な技術的特徴は存在しない。
(2)審査の効率性に基づく審査対象の決定
請求項1-6に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明ではない。そして、請求項1-6に係る発明は、審査対象とされた発明を審査した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審査を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審査を行うことが効率的であるといえる他の事情も無い。
第3 当審拒絶理由の概要
当審が令和6年4月23日付けで通知した拒絶理由の概要は次のとおりである。
1 理由1(進歩性)この出願の請求項1、2に係る発明は、下記の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、この出願の請求項3に係る発明は、下記の引用文献1ないし4に記載された発明に基いて、この出願の請求項4、5に係る発明は、下記の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2014-130295号公報
2.特開2016-102732号公報
3.特開2014-215090号公報
4.特開2017-96728号公報
5.特開2012-251888号公報
第4 本願発明
本願請求項1-4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、令和6年6月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-4は以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
ユーザに対する報知機能を備えた車両に設置されるシステムであり、
前記報知機能は、交通の取締に関する取締情報をスクロールせずに示す取締情報画面を所定時間表示後、所定の画面を表示する第1の機能と、
その所定の画面の所定の場所を操作すると、前記取締情報画面を表示する第2の機能を備え、
前記第1の機能は、前記取締情報画面に表示する取締情報が1頁で収まらない場合、スクロールすることなく1頁目を所定時間表示したら、表示を2頁に切替、所定時間表示し、最終頁を所定時間表示したら取締情報画面を消し、前記所定の画面に切り替える機能を備え、
前記第2の機能は、前記車両の現在位置についての前記取締情報が存在しない場合、前記所定の場所を操作しても前記車両の現在位置についての前記取締情報画面を表示しないようにする機能を備えたシステム。
【請求項2】
前記報知機能による報知に関連する事項を設定する設定機能を備え、
通常時に表示している画面に対して操作があると表示されるメニューである即時性のある第一メニュー画面を表示し、その第一メニュー画面にある所定の項目が選択されると表示されるメニューである即時性の無い前記設定のための第二メニュー画面を表示するようにし、
前記第一メニュー画面には、即時に設定できる項目と、前記第二メニュー画面に行く項目を備えた
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記取締情報画面を表示しているときに、画面がタッチされたことを検知すると、取締情報画面の表示を消し、前記所定の画面に戻る機能を備えた
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のシステムに用いられる機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1
(1)引用文献1
当審拒絶理由に引用した上記引用文献1には、図面とともに下記の記載がある(下線は当審で付した。以下同じ。)。
ア 「【0028】
■ 1.形状 ■
本例のレーダー探知機1は、図1及び図2のごとく、薄型矩形状のケース本体2を備え、そのケース本体2の背面側下方から取り付けられるブラケット28を介して車両のダッシュボードなどに貼り付けて設置される車載装置である。なお、このレーダー探知機1は、ブラケット28の変更に応じてサンバイザー裏側やルームミラー裏側等にも設置可能である。」
イ 「【0078】
■ 6.設定 ■
本例のレーダー探知機1では、図17のごとく待受画面へのタッチ操作に応じて切替表示される設定一覧画面1Aを利用して各種設定が可能である。この設定一覧画面1Aには、(1)待受設定、(2)モード設定、(3)警報設定、(4)画面・LED設定、(5)音声設定、(6)投稿設定、(7)リマインダー設定、(8)システム設定、(9)カスタム設定、(10)OBD設定に対応する各設定ボタンが配置されている。以下、各設定の内容・操作について説明する。ただし、(6)投稿設定については「10.投稿」において詳細に説明する。
【0079】
■ 6.1 待受設定■
待受設定は、待受画面の候補となる各画面の設定である。図17の設定一覧画面1A内の待受設定ボタンの操作を検知したとき、制御部10は、図18のごとく、待受設定画面Aの表示に切り替える。この待受設定画面Aには、レーダースコープ設定、潮汐情報設定、グラフ設定、オート項目設定、プリセット画面設定(A~Cの3種類)、フォトフレーム設定、デジタルメータ設定、燃費計設定、OBDデータ設定に対応する各設定ボタンが配置されている。
【0080】
■ 6.1.1 レーダースコープ設定■
制御部10は、レーダースコープ設定ボタンの操作を検知したとき、図19のごとく、レーダースコープ選択画面AA1、待受⇔レーダースコープ切替画面AA2、GPSターゲットサーチ範囲設定画面AA3のいずれかを表示させる。制御部10は、レーダースコープ設定ボタンが操作されたとき、まず、レーダースコープ選択画面AA1を表示させ、右下隅の右矢印ボタン(ページ送りボタン)、左矢印ボタン(ページ戻りボタン)の操作に応じて順次、画面表示を切り替え表示する。」
ウ 「【0089】
レーダースコープ選択画面AA1(図19)中のクラシック選択ボタンの操作を検知したとき、制御部10は、図22のごとく、クラシックスコープ画面32(図15)の表示設定のための設定画面に切替表示する。クラシックスコープ画面32の設定画面としては、スコープサブ表示設定画面(図中a)、スコープサブバックライト設定画面(b)、スコープサブバックライト色設定画面(c)、スコープサブ半透過モード設定画面(d)、スコープサブ付加情報表示設定画面(e)、公開取締自動ポップアップ設定画面(f)、スコープ内時計表示設定画面(g)が用意されている。なお、クラシックスコープ画面32の仕様については、「7.2クラシックスコープ画面の動作」において詳しく説明する。」
エ 「【0096】
公開取締自動ポップアップ設定画面(f)には、ON、OFFに対応する設定ボタンが配置されている。ONは、公開取締情報が変更されたとき、自動的に一定時間に渡ってウィンドウが表示される設定である。OFFは、公開取締情報が変更されても自動的にウィンドウが表示されない設定である。なお、OFFに設定した場合でも、MUTEボタン223(図1参照。)が(手動)操作されたときには、制御部10は、ウィンドウを表示させる。
スコープ内時計表示設定画面(g)には、ON、OFFに対応する設定ボタンが配置されている。ONは、時計表示に対応し、OFFは、時計非表示に対応している。」
オ 「【0166】
本例のクラシックスコープ画面32では、図87のごとく、走行中に長いテロップ表示を目で追う必要性を解消できるよう、公開取締情報が一括でウィンドウ表示される。このウィンドウ表示は、クラシックスコープ画面32の前面側で表示される。公開取締ウィンドウ32Pは、公開取締情報を告示している市区町村に入ったとき、その市区町村の情報を表示するために10秒間に渡って自動的に表示される。なお、公開取締自動ポップアップの設定がOFFの場合は、公開取締ウィンドウ32Pが自動で表示開始されることはない。公開取締ウィンドウ32Pの非表示中にもう一度見たいときは、MUTEボタン223を押せば再度ウィンドウが表示される。このように手動操作により表示が開始されたときは1分間に渡って表示状態が保持される。また、公開取締ウィンドウ32Pが表示されているときにMUTEボタン223を操作すれば、直ちにウィンドウを消去可能である。この公開取締ウィンドウ32Pの表示では、公開取締情報のテキスト表示の下側に、現在の住所、年・月・日・曜日等が表示される。以上のような公開取締ウィンドウ機能は、レーダースコープをクラシックに設定した場合のみ有効となる。」
カ 図87
「
[図:0001414013000001.jpg]
」
(2)引用発明
上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「車両のダッシュボードなどに貼り付けて設置される車載装置であるレーダー探知機であって、
待受画面へのタッチ操作に応じて設定一覧画面1Aが切替表示され、
設定一覧画面1Aには待受設定に対応する設定ボタンが配置され、
設定一覧画面1A内の待受設定ボタンの操作を検知したとき、待受設定画面Aの表示に切り替わり、
待受設定画面Aには、レーダースコープ設定に対応する設定ボタンが配置され、
レーダースコープ設定ボタンの操作を検知したとき、レーダースコープ選択画面AA1が表示され、
レーダースコープ選択画面AA1中のクラシック選択ボタンの操作を検知したとき、公開取締自動ポップアップ設定画面(f)が切替表示され、
公開取締自動ポップアップ設定画面(f)には、ON、OFFに対応する設定ボタンが配置され、
ONは、公開取締情報が変更されたとき、自動的に一定時間に渡ってウィンドウが表示される設定であり、
クラシックスコープ画面32では公開取締情報が一括でウィンドウ表示され、
公開取締ウィンドウ32Pは、公開取締情報を告示している市区町村に入ったとき、その市区町村の情報を表示するために10秒間に渡って自動的に表示され、
公開取締ウィンドウ32Pの非表示中にもう一度見たいときは、MUTEボタン223を押せば再度ウィンドウが表示される、
レーダー探知機。」
2 引用文献2
当審拒絶理由に引用した上記引用文献2には、図面とともに下記の記載がある。
ア 「【0139】
図17(a)は、図2に示すケース本体12のレーダー探知機10において表示されるメニューウィンド210を示す。図示のように、このメニューウィンド210では、3つの基本ボタン210a~210cが表示される。図17(b)は、図4(a)又は(b)に示すダイレクト・スイッチを省略されたケース本体12のレーダー探知機10において表示されるメニューウィンド210を示す。図17(b)のメニューウィンド210では、基本ボタン210a~210cに加えて、メニューウィンド210の外周に追加ボタン210dが表示される。これらの追加ボタン210dを操作することにより、図2に示すケース本体12のレーダー探知機10におけるダイレクト・スイッチに対応する操作を行うことが可能である。」
イ 「【0314】
図4(a)、図4(b)のケース本体12を採用した場合、音量調整ボタン17、作業用ボタン18等のダイレクト・スイッチに割り当てられた操作は、表示器15に表示されるメニューウィンドへのタッチ操作により行われる。この点の詳細は、後述する。」
ウ 図17
「
[図:0001414013000002.jpg]
」
3 引用文献3
当審拒絶理由に引用した上記引用文献3には、図面とともに下記の記載がある。
ア 「【0209】
[公開取締情報表示機能]
各都道府県の警察では、取締を行う場所や日時について交通公開取締情報として発表している。そこで、あらかじめデータ更新処理により取得する。例えば、メモリカード11を用いて最新の公開取締情報データをデータベース19等にダウンロードしておく。すると、制御部18は、現在地で公開取締情報が発表されていることを報知する機能を備えてるため、制御部18は、現在位置に基づいてダウンロードした公開取締情報データをアクセスし、現在地で公開取締情報が発表されている場合は、その旨を報知する。係る報知は、例えば表示部5を利用する。表示部5の利用としては、公開取締情報が発表されていることを報知することを意味するマークや文字を出力したり、表示部5の所定位置に発光等したりすることがある。そして、所定位置の発光として、本実施形態では、例えば、図22(a)に示すようにアイコン表示部32bを赤く光らせて知らせる。より具体的には、制御部18は、アイコン表示部32bの表示領域の背景部分に警告ランプ部71を配置し、警告ランプ部71を赤く放射状に明滅してフラッシングをする。
【0210】
アイコン表示部32b,警告ランプ部71の表示領域がタッチされたことを検知すると、制御部18は、図22(b)に示す吹き出し式のテキスト画面の公開取締情報表示部72を、地図(Map画面)の上に重ねて表示する。公開取締情報表示部72では、1ページに1件の取締情報を表示する。取締情報が複数存在する場合、ページ送りして次の公開取締情報を表示する。すなわち、公開取締情報表示部72には、その左右にそれぞれ左ページ移動ボタン72cと右ページ移動ボタン72bを配置し、さらに、公開取締情報表示部72の上辺の中央には戻るボタン72aを配置する。制御部18は、データのある方向のページ移動ボタンを表示し、ページが無い方向のボタンは非表示とする。そして、制御部18は、各ページ移動ボタン72b,72cがタッチされたことを検知すると、押された移動ボタンの色を一瞬変え(例えば、「紫色」)、押された側のページを表示する。」
イ 図22(b)
「
[図:0001414013000003.jpg]
」
4 引用文献4
当審拒絶理由に引用した上記引用文献4には、図面とともに下記の記載がある。
ア 「【0127】
また制御部41は、メイン表示領域51に表示される、公開取締情報で監視活動が指定されている走行している道路R1を、目立つ態様で表示する。目立つ態様として、本実施形態では、目立つ色(例えば赤色)で描画する。例えば赤色に描画することで、注目を得やすくなり、サブ表示領域52に表示するメッセージの表示色とあわせることで、運転者に対し公開取締が行われている道路を走行していることを、容易かつ確実に認識させることができる。目立つ態様としては、例えば道路幅を広く描画するとよい。道路幅を広く描画することで、他の道路に比べて公開取締が行われている道路が目立ち、わかりやすくなるので良い。また、その他にも道路の色部分を点滅・ブリンキングさせるなど、各種の方法が採れる。ただし、本実施形態のように異なる色(例えば赤色)で描画するのが、表示色を変えるといった簡単な処理で行えると共に、運転に邪魔にならずに注目させることができるので好ましい。」
イ 「【0131】
また制御部41は、メイン表示領域51に表示される、速度取締り指針情報で指定されている走行している道路R2を、目立つ態様で表示する。目立つ態様として、本実施形態では、通常と異なる色であり、好ましくは公開取締路線とも異なる色(例えば青色)で描画する。公開取締を報知する際の色(実施形態では赤色)と異なる青色に描画することで、公開取締りではないことがわかるとともに、サブ表示領域52に表示するメッセージの表示色とあわせることで、運転者に対し速度取締指針が出ている道路を走行していることを、容易かつ確実に認識させることができる。さらに、道路幅を広く描画するとよい。道路幅を広く描画することで、他の道路に比べて速度取締り指針が行われている道路が目立つので良い。」
5 引用文献5
当審拒絶理由に引用した上記引用文献5には、図面とともに下記の記載がある。
ア 「【0065】
さらにまた、制御部は、表示部5を用いた警報を行うに際し、文字情報を用いると良い。この場合に、その文字情報の色と発光部21の発光色とを同系色とするとよい。文字情報にすることで、内容をより理解しやすくなる。このとき、発光部21の発光色と文字情報の色を同系色にすることで、発光部21と警報情報(文字情報)の関連づけが強くなる。よって、ユーザは表示部5内に表示されている警報情報としての文字情報の存在位置を容易に見つけやすくなるので好ましい。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明における「公開取締ウィンドウ32P」が「自動的に表示され」ることは、本願発明1における「ユーザに対する報知機能」に相当する。
イ 引用発明における「車載装置であるレーダー探知機」は、本願発明1における「車両に設置されるシステム」に相当する。
ウ 引用発明における「公開取締情報を告示している市区町村に入ったとき、その市区町村の情報を表示する」「公開取締ウィンドウ32P」は、本願発明1における「交通の取締に関する取締情報をスクロールせずに示す取締情報画面」に相当する。引用発明における「公開取締ウィンドウ32P」が「非表示」である状態は、本願発明1における「所定の画面」に相当する。そして、引用発明における「公開取締ウィンドウ32Pは、公開取締情報を告示している市区町村に入ったとき、その市区町村の情報を表示するために10秒間に渡って自動的に表示され」、「公開取締ウィンドウ32P」が「非表示」である状態となることは、本願発明1における「交通の取締に関する取締情報をスクロールせずに示す取締情報画面を所定時間表示後、所定の画面を表示する第1の機能」に相当する。
エ 上記ウを踏まえると、引用発明における「MUTEボタン223を押せば再度」「公開取締ウィンドウ32P」「が表示される」ことと、本願発明1における「その所定の画面の所定の場所を操作すると、取締情報画面を表示する第2の機能」とは、「操作」が行われると「取締情報画面を表示する第2の機能」である点で共通する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ユーザに対する報知機能を備えた車両に設置されるシステムであり、
前記報知機能は、交通の取締に関する取締情報をスクロールせずに示す取締情報画面を所定時間表示後、所定の画面を表示する第1の機能と、
操作が行われると、前記取締情報画面を表示する第2の機能を備えたシステム。」
(相違点)
(相違点1)本願発明1は「操作」が「所定の画面の所定の場所」に対するものであるのに対し、引用発明は「MUTEボタン223」に対するものである点。
(相違点2)本願発明1は「第1の機能は、取締情報画面に表示する取締情報が1頁で収まらない場合、スクロールすることなく1頁目を所定時間表示したら、表示を2頁に切替、所定時間表示し、最終頁を所定時間表示したら取締情報画面を消し、所定の画面に切り替える機能を備え」るのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点3)本願発明1は「第2の機能は、車両の現在位置についての取締情報が存在しない場合、」「操作」を行っても「車両の現在位置についての取締情報画面を表示しないようにする機能を備え」るのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
本願発明1の相違点2に係る「第1の機能は、取締情報画面に表示する取締情報が1頁で収まらない場合、スクロールすることなく1頁目を所定時間表示したら、表示を2頁に切替、所定時間表示し、最終頁を所定時間表示したら取締情報画面を消し、所定の画面に切り替える機能を備え」る構成は、上記引用文献1-5には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であったともいえない。
また、引用文献3には、取締情報が複数存在する場合ページ送りして次の公開取締情報を表示する技術事項が記載されているものの、引用発明は「公開取締情報が一括でウィンドウ表示され」るものであるから、当業者が当該技術事項を引用発明に適用する動機付けがあったとはいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2-4について
本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 原査定について
1 理由1(発明の特別な技術的特徴を変更する補正)について
令和4年10月4日付け拒絶理由通知では、出願当初の特許請求の範囲における請求項1-18に係る発明に対して、特許をすることができないものか否かについての判断が示された。
令和5年10月10日提出の手続補正書における請求項1-5に係る発明と、出願当初の特許請求の範囲における請求項1-18に係る発明とは、「ユーザに対する報知機能と、その報知機能による報知に関連する事項を設定する設定機能を備えたシステムであり、通常時に表示している画面に対して操作があると即時性のある第一メニュー画面を表示し、その第一メニュー画面にある所定の項目が選択されると即時性の無い前記設定のための第二メニュー画面を表示するようにし、前記第一メニュー画面には、即時に設定できる項目と、前記第二メニュー画面に行く項目を備える」という共通の特別な技術的特徴を有するから、令和5年10月10日提出の手続補正書でした補正は発明の特別な技術的特徴を変更する補正ではない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由について
上記第6で述べたように、本願発明1-4は、当業者であっても引用発明、引用文献2-5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものではないから、当審拒絶理由は解消した。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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