商標拒絶査定不服審判
2023-014488
ジェックス、ジェクス、ジェイイイエックス
- 審判番号
- 2023-014488
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-005948
- 請求日
- 2023年08月28日
- 審決日
- 2024年03月21日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジェクス株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人矢野内外国特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W0321) / T18 .262-Z (W0321) / T18 .263-Z (W0321)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 5948拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年6月6日に登録出願された商願2022-64064に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同5年1月23日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 4月 6日付け:拒絶理由通知書
令和5年 4月26日 :意見書の提出
令和5年 7月28日付け:拒絶査定
令和5年 8月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品」及び第21類「化粧用具」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5837816号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「ジェックス」の片仮名と「JEX」の欧文字を上下二段に表したもの
指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日:平成27年 2月13日
設定登録日:平成28年 4月 8日
(2)登録第6359053号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成: ジェックス (標準文字)
指定商品及び指定役務:第3類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:令和 1年10月 2日
設定登録日:令和 3年 3月 4日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、角丸四角形の枠内に「JEX」の文字及び「J」に隣接して赤色の円図形(以下、図形部分という。)を配した構成よりなるものである。
そして、本願商標の構成中、図形部分については、特定の事物を表したものとはいえず、また、「JEX」の文字部分については、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、本願の指定商品との関係において特定の意味合いを表す語として知られているとも認められないものであるから、これらより、特定の観念が生ずるとはいえないものである。
そうすると、本願商標を構成する図形部分と文字部分は、色彩の有無や、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものであり、また両者の間には、観念上のつながりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないから、本願商標の構成中「JEX」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
そして、特定の意味合いを有しない欧文字については、我が国で親しまれた英語又はローマ字の発音方法に倣って称呼するのが自然であり、本願商標の「JEX」の文字部分(要部)からは、その構成文字に相応して、「ジェックス」、「ジェクス」及び「ジェイイーエックス」の称呼を生じるものである。
そうすると、本願商標は、「ジェックス」、「ジェクス」及び「ジェイイーエックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標1及び2について
引用商標1は、「ジェックス」の片仮名と「JEX」の欧文字を上下二段に表してなるところ、上段の「ジェックス」は、下段の「JEX」の表音を表したものとして理解されるものであるから、引用商標1からは、「ジェックス」の称呼を生じるものである。
そして、「JEX」の文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、引用商標1の指定商品との関係において特定の意味合いを表す語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解され、特定の観念を生じないものである。
引用商標2は、「ジェックス」の文字を標準文字で表してなるところ、「ジェックス」の称呼を生じ、また、当該文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、引用商標2の指定商品との関係において特定の意味合いを表す語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解され、特定の観念を生じないものである。
そうすると、引用商標1及び2は、いずれも「ジェックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標1及び2との類否について
(ア)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1とを比較すると、外観については、本願商標の要部と引用商標1とは、「ジェックス」の文字の有無において相違するものの、欧文字と共にその読みを片仮名で併記することは商取引において広く一般に行われていることであり、「JEX」の欧文字部分を共通にすることからしても、両者における上記の相違が出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいい難い。
そして、称呼については、本願商標の要部と引用商標1は、「ジェックス」の称呼を共通にするものであり、観念については、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標1とは、観念において比較できないとしても、外観において「JEX」の欧文字部分を共通にし、その差異が強い印象を与えるものともいえず、称呼を共通にするものであり、特定の観念を有しない文字商標においては、称呼において記憶し、これを頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(イ)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標の要部と引用商標2とを比較すると、外観については、欧文字の「JEX」と片仮名の「ジェックス」であって文字種が相違するものの、商標の使用において、その構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることに鑑みれば、本願商標の要部と引用商標2は、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に認識されるものであるから、両者における文字種の相違が出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
そして、称呼については、本願商標の要部と引用商標2は、「ジェックス」の称呼を共通にするものであり、観念については、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標2とは、観念において比較できないとしても、外観上の差異が強い印象を与えるものとはいえず、称呼を共通にするものであり、特定の観念を有しない文字商標においては、称呼において記憶し、これを頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定商品と引用商標1及び2の指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定商品中、第21類「化粧用具」は、引用商標1の指定役務中、第35類「身の回り品(「うちわ・扇子」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似の商品であり、本願の指定商品中、第3類「化粧品」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第3類「化粧品」と同一の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標1及び2と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標1及び2の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、角丸四角形の枠内に、欧文字「JEX」の文字を太文字で横書きに表し、「J」の湾曲部分の内側に赤丸の図形を配してなるものであり、「ジェクス」「ジェイイーエックス」等の称呼を生じ、請求人のハウスマークとして指定商品との関係で以前から広く知られているものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、本願商標の要部である「JEX」の文字は、特定の意味合いを有しない造語であり、このような欧文字については、我が国で親しまれた英語又はローマ字の発音方法に倣って称呼するのが自然であるといえ、仮に、請求人がこれをハウスマークとして特定の読み方をもって使用しているとしても、同人の上記主張をもって本願商標の要部から「ジェックス」の称呼を生じることが否定されるものではなく、上記(1)ウの判断を左右するものでもない。
イ 請求人は、商標の類否の判断は、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察すべきものであるところ、本願商標と引用商標1及び2とは、外観及び称呼においてそれぞれ著しく異なることから、商標全体から受ける印象がまったく異なり、商品の出所に誤認混同を生ずるおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記(1)ウで述べたとおり、本願商標の要部と引用商標1及び2とは、観念において比較できないとしても、外観上の差異が強い印象を与えるものとはいえず、「ジェックス」の称呼を共通にするものであって、特定の観念を有しない文字商標においては、称呼において記憶し、これを頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1及び2は互いに紛れるおそれのある類似の商標といわざるを得ない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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