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特許拒絶査定不服審判

2023-014362

携帯型またはハンドヘルド型の医療用超音波撮像装置

審判番号
2023-014362
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-525841外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年08月25日
審決日
2024年12月09日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-525841「携帯型またはハンドヘルド型の医療用超音波撮像装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月24日国際公開、WO2018/094118、令和元年11月28日国内公表、特表2019-534110〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」と記す。)は、2017年(平成29年)11月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年11月16日 米国、2017年9月29日 米国)を国際出願日とする出願であって、令和3年11月19日付けで拒絶理由が通知され、これに対し令和4年5月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月1日付けで拒絶理由が通知され、これに対し令和5年3月3日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月11日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされたところ、同年8月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。その後令和6年7月16日と、同年8月19日と、同年9月18日と、に上申書がそれぞれ提出された。 第2 令和5年8月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和5年8月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1.補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、その補正内容は、特許請求の範囲について、【請求項1】を 「【請求項1】 携帯型の医療用超音波撮像装置であって、 トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジングと、 携帯型のハウジングであって、前記携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあり、前記コンピュータシステムが、少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含み、前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、前記少なくとも1つのメモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理ユニットを更に有する前記コンピュータシステムに接続されている、ハウジングと、 前記トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、前記コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路と を備え、 前記グラフィック処理ユニットが、増強された画像データを生成するべく、関心領域のビデオ画像を前記関心領域のリアルタイム超音波画像データ上へマッピングするように計算プロセスを実行する、 装置。」から 「【請求項1】 携帯型の医療用超音波撮像装置であって、 トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジングと、 携帯型のハウジングであって、前記携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあり、前記コンピュータシステムが、少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含み、前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、前記少なくとも1つのメモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理ユニットを更に有する前記コンピュータシステムに接続されている、ハウジングと、 前記トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、前記コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路と を備え、 前記トランスデューサアレイが、3次高調波およびより高次の高調波を有する、組織からの超高調波応答を検出し、前記コンピュータシステムが前記ディスプレイに超高調波撮像を生成し、 前記グラフィック処理ユニットが、増強された画像データを生成するべく、関心領域のカメラビデオ画像を前記関心領域のリアルタイム超音波画像データ上へマッピングするように計算プロセスを実行する、 装置。」(下線部は補正箇所を示す。) と補正するものを含むものである。 2.本件補正の目的 本件補正のうち、請求項1についての補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、トランスデューサアレイ及びコンピュータシステムを「トランスデューサアレイが、3次高調波およびより高次の高調波を有する、組織からの超高調波応答を検出し、前記コンピュータシステムが前記ディスプレイに超高調波撮像を生成し」(本願明細書の段落【0241】ないし【0255】参照。)という動作を行うものに限定し、「関心領域のビデオ画像」を「関心領域のカメラビデオ画像」(本願明細書の段落【0270】参照。)に限定するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明1」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 3.独立特許要件について (1)本願補正発明 本願補正発明1は、前記「第2 1.」に記載したとおりのものである。以下の「(3)対比」及び「(4)判断」で用いるために、当該本願補正発明1について、以下のように各構成単位に分けることを行う。ここで、各構成単位冒頭の「1A」等は当審にて付した分説記号であり、以下当該構成単位について「構成1A」などという。 「【請求項1】 1A 携帯型の医療用超音波撮像装置であって、 1B トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジングと、 1C 携帯型のハウジングであって、前記携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあり、 1D 前記コンピュータシステムが、少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含み、 1E 前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、前記少なくとも1つのメモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理ユニットを更に有する前記コンピュータシステムに接続されている、 1F ハウジングと、 1G 前記トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、前記コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路と を備え、 1H 前記トランスデューサアレイが、3次高調波およびより高次の高調波を有する、組織からの超高調波応答を検出し、前記コンピュータシステムが前記ディスプレイに超高調波撮像を生成し、 1I 前記グラフィック処理ユニットが、増強された画像データを生成するべく、関心領域のカメラビデオ画像を前記関心領域のリアルタイム超音波画像データ上へマッピングするように計算プロセスを実行する、 装置。」 (2)引用文献、引用発明等 ア 引用例1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の優先日前である平成27年(2015年)5月28日に頒布された「特表2015-515312号公報」(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の技術事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下同様。) (ア)「【発明の概要】 【0005】 本願においては、医療超音波撮像システム及び方法が開示される。開示する本医療超音波撮像システム及び方法は、タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体と、筐体のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイを含む医療超音波撮像機器を利用する。タッチスクリーンディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイの表面上の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチの1又は複数を認識及び区別することができるマルチタッチのタッチスクリーンを含み、これにより、単純な1点のジェスチャから複雑なマルチポイントの移動ジェスチャまでの範囲のジェスチャの、医療超音波撮像機器へのユーザ入力としての利用を可能とする。 【0006】 一態様においては、例示的な医療超音波撮像システムが、互いに並行な平面に固定されたフロントパネルとリアパネルとを有する筐体と、タッチスクリーンディスプレイと、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを持つコンピュータと、超音波ビームフォーミングシステムと、バッテリとを含む。医療超音波撮像機器の筐体は、タブレットフォームファクタに実装される。タッチスクリーンディスプレイは、筐体のフロントパネルに配置され、タッチスクリーンディスプレイの表面上の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチ又はジェスチャの1又は複数を認識及び区別することができるマルチタッチのLCDタッチスクリーンを含む。コンピュータ、超音波ビームフォーミングシステム又はエンジン、及びバッテリは、筐体内に動作可能に配置されている。医療超音波撮像機器は、筐体内の超音波エンジンとコンピュータとの間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)接続と、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すプローブ接続/取り外しレバーをもつプローブコネクタと利用することができる。加えて、例示的な医療超音波撮像システムは、I/OポートコネクタとDC電力入力とを含む。」 (イ)「【発明を実施するための形態】 【0019】 医療超音波撮像システム及び方法が開示される。本開示の医療超音波撮像のためのシステム及び方法は、タブレットフォームファクタの筐体と、筐体のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイとを含む医療超音波撮像機器を利用する。タッチスクリーンディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイの表面において、1又は複数の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチを区別することができ、これにより、単純な1点のジェスチャから複雑なマルチポイントのジェスチャまでの範囲のジェスチャの、医療超音波撮像機器へのユーザ入力としての利用を可能とする、マルチタッチのタッチスクリーンを含む。タブレット超音波システム及び動作の更なる詳細は、2004年11月11日提出の米国出願第10/997,062号明細書、2003年3月11日提出の米国出願第10/386,360号明細書、及び米国特許第6,969,352号明細書に記載されており、これら特許及び特許出願の全内容を、ここに参照により組み込む。 【0020】 図1は、本願における例示的な医療超音波撮像機器100の例示的な実施形態を示す。図1に示すように、医療超音波撮像機器100は、筐体102、タッチスクリーンディスプレイ104、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとがコンピュータのマザーボード106に実装されたコンピュータ、超音波エンジン108、及びバッテリ110を含む。例えば、筐体102は、タブレットフォームファクタで、又は任意の他の適切なフォームファクタで実装することができる。筐体102は、フロントパネル101とリアパネル103とを有する。タッチスクリーンディスプレイ104は、筐体102の フロントパネル101上に配置され、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の1又は複数の、複数の及び/又は同時のタッチを認識し、区別することができるマルチタッチLCDタッチスクリーンを含む。コンピュータのマザーボード106、超音波エンジン108、及びバッテリ110は、筐体102内に動作可能に配置されている。医療超音波撮像機器100は、更に、筐体102内のコンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)(ファイヤワイヤ)接続112(図2Aも参照のこと)と、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すプローブ接続/取り外しレバー115(図2A及び図2Bも参照のこと)を持つプローブコネクタ114とを含む。トランスデューサプローブ筐体は、トランスデューサアレイと、送信及び受信回路と、特定の好適な実施形態では、ビームフォーマー及びビームフォーマー制御回路を含む、回路コンポーネントを含む。加えて、医療超音波撮像機器100は、1又は複数のI/Oポートコネクタ116(図2Aを参照のこと)を有し、これは、これらに限定はされないが、1又は複数のUSBコネクタ、1又は複数のSDカード、1又は複数のネットワークポート、1又は複数のミニディスプレイポート、及びDC電力入力を含みうる。」 (ウ)「【0034】 図5A及び図5Bは、例示的なオブジェクト、つまり、医療超音波撮像機器100(図1参照)のタッチスクリーンディスプレイ104の上に表示された、嚢腫性病変504を持つ肝臓502の元の超音波画像を示している。これらの超音波画像は、機器100に動作可能に接続されている超音波プローブ/トランスデューサによって生成される超音波が肝臓の組織を貫通することに呼応して、医療超音波撮像機器100によって生成することができる点に留意されたい。嚢腫性病変504を持つ肝臓502の測定及び/又はトレースは、タッチスクリーンディスプレイ104上に表示されている元の超音波画像の上に、又は、超音波画像の拡大バージョンの上に、直接行うことができる(図5A及び図5B参照)。例えば、ユーザは、これら超音波画像の拡大バージョンを、2本の指をタッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上においてこれらの間を広げて元の超音波画像を拡大するための、広げるジェスチャ(例えば図3Aから図3Kの広げるジェスチャ312を参照)を利用することで、得ることができる。肝臓502及び嚢腫性病変504のこれらの測定及び/又はトレースは、更に、タッチスクリーンディスプレイ104上の仮想窓506(図5C及び図5D参照のこと)内の超音波画像の拡大部分に対して実行することができる。」 (エ)「【0053】 トランスデューサアレイ152は、1又は複数の画像対象1102に対して、超音波を送信して、反射した超音波を受信するよう構成されている。トランスデューサアレイ152は、1又は複数のケーブル1104を利用して超音波エンジン108に連結されている。 【0054】 超音波エンジン108は、駆動信号をトランスデューサアレイ152に適用して、トランスデューサアレイ152から戻りエコー信号を受信するために、高電圧送信/受信(TR)モジュール1106を含む。超音波エンジン108は、戻りエコー信号を増幅して、適切なプリアンプ/減衰補正(TGC)機能を信号に適用するために、TGCモジュール1108を含む。超音波エンジン108は、戻りエコー信号がプリアンプ/TGCモジュール1108により増幅及び処理された後に、各チャネルで遅延係数が利用したサンプリングされたデータビームフォーマー1110を含む。 【0055】 幾つかの例示的な実施形態では、高電圧TRモジュール1106、プリアンプ/TGCモジュール1108、及びサンプル補間受信ビームフォーマー1110が、それぞれ、8から64のチャネルをチップごとにもつシリコンチップであってよいが、例示的な実施形態はこの範囲に限定はされない。特定の実施形態では、高電圧TRモジュール1106、プリアンプ/TGCモジュール1108、及びサンプル補間受信ビームフォーマー1110が、それぞれ、8, 16, 32, 64等のチャネルをもつシリコンチップであってよい。図11に示すように、例示的なTRモジュール1106、例示的なプリアンプ/TGCモジュール1108、及び例示的なビームフォーマー1110は、それぞれ、32のチャネルを含むシリコンチップの形態をとってよい。 【0056】 超音波エンジン108は、ビームフォーマー1110が出力する処理されたデータをバッファリグするために利用される、先入れ先出し(FIFO)バッファモジュール1112を含む。超音波エンジン108は更に、プログラム命令及びデータを格納するためにメモリ1114と、超音波エンジンモジュールの動作を制御するためにシステムコントローラ1116とを含む。」 (オ)「【0058】 同様にコンピュータのマザーボード106は更に、通信リンク112を確立及び維持するための通信チップセット1120(例えばFirewire(登録商標)チップセット)も含む。コンピュータのマザーボード106は、超音波撮像動作を実行するためのデータ及び/又はコンピュータ実行可能命令を格納するためのコアコンピュータ可読メモリ1122を含む。メモリ1122は、コンピュータのためのメインメモリを形成し、ある例示的な実施形態では、DDR3メモリの約4Gbを格納してよい。コンピュータのマザーボード106は更に、超音波撮像処理動作を実行するためのコアコンピュータ可読メモリ1122に格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するためのマイクロプロセッサ1124も含む。例示的なマイクロプロセッサ1124は、Intel Core-i5プロセッサ等の既製品の商用コンピュータプロセッサであってよい。別の例示的なマイクロプロセッサ1124としては、デジタル信号プロセッサ(DSP)ベースのプロセッサ、例えば、Texas Instruments社の1又は複数のDaVinci(登録商標)プロセッサ等、が挙げられる。コンピュータのマザーボード106は更に、超音波データ、スキャン及びマップを表示するために利用することができるディスプレイデバイスを制御するための、ディスプレイコントローラ1126も含む。 【0059】 マイクロプロセッサ1124が実行する例示的な動作は、これらに限定はされないが、ダウン変換(I、Qサンプルを受信した超音波データから生成するためのもの)、スキャン変換(超音波データを、ディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するためのもの)、ドップラー処理(動き及び/又は超音波データからのフロー情報を決定及び/又は撮像するためのもの)、カラーフロー処理(一実施形態では自動補正を利用して、Bモードの超音波画像の上に重畳されたドップラーシフトのカラーコードされたマップを生成するためのもの)、パワードップラー処理(パワードップラーデータを決定し、及び/又は、パワードップラーマップを生成するためのもの)、スペクトルドップラー処理(スペクトルドップラーデータを生成し、及び/又は、スペクトルドップラーマップを生成するためのもの)、及び後信号処理を含む。これらの動作は、更に詳しく2003年3月11日提出の「Ultrasound Probe with Integrated Electronics」なる名称のWO03/079038 A2に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。」 (カ)「【0089】 図18は、例示的な実施形態において提供される例示的な携帯可能な超音波システム100の斜視図である。システム100は、図18に示すタブレットフォームファクタであるが任意の他の適切なフォームファクタであってもよい、筐体102を含む。例示的な筐体102は、2cm未満の厚みをもってよく、好適には、0.5cmと1.5cmとの間であってよい。筐体102のフロントパネルは、1又はそれ以上の、複数の及び/又は同時のタッチをタッチスクリーンディスプレイ104の表面の上に認識及び区別するよう構成されたマルチタッチLCDタッチスクリーンディスプレイ104を含む。ディスプレイ104の表面は、ユーザの指、ユーザの手、又はオプションとしてスタイラス1802の1又は複数を利用してタッチされてよい。筐体102は、これらに限定はされないが1又は複数のUSBコネクタ、1又は複数のSDカード、1又は複数のネットワークミニディスプレイポート、及びDC電力入力を含みうる1又は複数のI/Oポートコネクタ116を含む。 【0090】 筐体102は、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサ150の接続を促すためのプローブコネクタ114を含む、又はこれに連結される。超音波プローブ150は、1又は複数のトランスデューサアレイ152を含むトランスデューサ筐体を含む。超音波プローブ150は、柔軟性をもつケーブル1806沿いに提供される筐体コネクタ1804を利用して、プローブコネクタ114に連結可能である。当業者であれば、超音波プローブ150が、例えばビームフォーミング等の超音波専用動作を実行するための回路を含むインタフェース筐体等の任意の他の適切なメカニズムを利用して、筐体102に連結されてよいことを認識するだろう。超音波システムの他の例示的な実施形態の更なる詳細は、2003年3月11日に提出された"Ultrasound Probe with Integrated Electronics"なる名称のWO 03/079038 A2に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。」 (キ)「【図1】 [図:0001421888000001.jpg] 」 (ク)「【図2A】 [図:0001421888000002.jpg] 」 (ケ)「【図2B】 [図:0001421888000003.jpg] 」 (コ)「【図9A】 [図:0001421888000004.jpg] 」 (サ)「【図11】 [図:0001421888000005.jpg] 」 (シ)「【図18】 [図:0001421888000006.jpg] 」 (ス)上記引用例1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 当該引用発明1についても、上記本願補正発明1と同様に、以下のように各構成単位に分けることを行う。ここで、各構成単位冒頭の「a,b,・・」等は当審にて付した分説記号であり、以下当該構成単位について「構成a,b,・・」などという。また、括弧内の段落番号及び図番号は、各構成単位を認定した参照箇所を示す。 「a 医療超音波撮像システムであって、(【0005】) b 超音波プローブ150と、医療超音波撮像機器100と、を備え、(【0089】【0090】【図18】) c 超音波プローブ150は、1又は複数のトランスデューサアレイ152を含むトランスデューサ筐体を含み、柔軟性をもつケーブル1806沿いに提供される筐体コネクタ1804を利用して、プローブコネクタ114に連結可能であり、トランスデューサプローブ筐体は、トランスデューサアレイ152と、送信及び受信回路と、ビームフォーマー及びビームフォーマー制御回路を含む、回路コンポーネントを含み、(【0020】) d 医療超音波撮像機器100は、タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体102、ハンドヘルド筐体102のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイ104、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとがコンピュータのマザーボード106に実装されたコンピュータ、超音波エンジン108、及びバッテリ110を含み、コンピュータのマザーボード106、超音波エンジン108、及びバッテリ110は、筐体102内に動作可能に配置されており、ハンドヘルド筐体102内のコンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)(ファイヤワイヤ)接続112と、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すプローブ接続/取り外しレバー115を持つプローブコネクタ114とを含み、(【0005】【0006】【0019】【0020】【0089】【0090】) e ハンドヘルド筐体102は、フロントパネル101とリアパネル103とを有し、(【0006】【0020】) f タッチスクリーンディスプレイ104は、ハンドヘルド筐体102のフロントパネル101上に配置され、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の1又は複数の、複数の及び/又は同時のタッチを認識し、区別することができるマルチタッチLCDタッチスクリーンを含み、(【0020】) g 医療超音波撮像機器100のタッチスクリーンディスプレイ104の上に表示された、肝臓502の超音波画像は、機器100に動作可能に接続されている超音波プローブ150によって生成される超音波が肝臓の組織を貫通することに呼応して、医療超音波撮像機器100によって生成することができ、(【0034】) h トランスデューサアレイ152は、1又は複数の画像対象1102に対して、超音波を送信して、反射した超音波を受信するよう構成され、1又は複数のケーブル1104を利用して超音波エンジン108に連結され、(【0053】) i 超音波エンジン108は、 駆動信号をトランスデューサアレイ152に適用して、トランスデューサアレイ152から戻りエコー信号を受信するための、高電圧送信/受信(TR)モジュール1106と、(【0054】) 戻りエコー信号を増幅して、適切なプリアンプ/減衰補正(TGC)機能を信号に適用するための、TGCモジュール1108と、(【0054】) 戻りエコー信号がTGCモジュール1108 により増幅及び処理された後に、サンプリングするデータビームフォーマー1110と、(【0054】) データビームビームフォーマー1110が出力する処理されたデータをバッファリグするために利用される、先入れ先出し(FIFO)バッファモジュール1112と、(【0056】) プログラム命令及びデータを格納するためのメモリ1114と、(【0056】) 超音波エンジンモジュールの動作を制御するためのシステムコントローラ1116と、を含み、(【0056】) j コンピュータのマザーボード106は、 超音波撮像処理動作を実行するためのコアコンピュータ可読メモリ1122に格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するためのマイクロプロセッサ1124と、(【0058】) 超音波データ、スキャン及びマップを表示するために利用することができるディスプレイデバイスを制御するための、ディスプレイコントローラ1126と、を含み、(【0058】) k マイクロプロセッサ1124が実行する例示的な動作は、 ダウン変換(I、Qサンプルを受信した超音波データから生成するためのもの)、 スキャン変換(超音波データを、ディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するためのもの)、 ドップラー処理(動き及び/又は超音波データからのフロー情報を決定及び/又は撮像するためのもの)、 カラーフロー処理(一実施形態では自動補正を利用して、Bモードの超音波画像の上に重畳されたドップラーシフトのカラーコードされたマップを生成するためのもの)、 パワードップラー処理(パワードップラーデータを決定し、及び/又は、パワードップラーマップを生成するためのもの)、 スペクトルドップラー処理(スペクトルドップラーデータを生成し、及び/又は、スペクトルドップラーマップを生成するためのもの)、及び 後信号処理を含む、(【0059】) a 医療超音波撮像システム。」 イ 引用例2 原査定の拒絶の理由に周知技術の例を示す文献として提示された引用する、本願の優先日前である平成25年9月5日に頒布された刊行物である「特開2013-172959号公報」(以下「引用例2」という。)には、図面と共に以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0015】 本明細書で述べる様々な実施形態は、図1で示された超音波撮像システム10として実施することができる。より具体的には、図1は、様々な実施形態により構成される例示的な超音波撮像システム10を示している。超音波撮像システム10は、超音波探触子12と、様々な実施形態で、可搬型コンピュータ14とすることのできる可搬型のホストシステム14とを含む。」 (イ)「【0017】 ホストシステム14は、例えば、スマートフォンとして実施できる可搬型の手持ち式装置である。本明細書で使用される用語「スマートフォン」は、移動電話として動作可能であり、かつ移動電話、PDA(携帯情報端末)、および様々な他のアプリケーションの動作をサポートするように構成された計算プラットフォームを含む可搬型装置を意味する。このような他のアプリケーションは、例えば、メディアプレイヤ、カメラ、GPS(全地球測位システム)、タッチスクリーン、インターネットブラウザ、Wi-Fiなどを含むことができる。計算プラットフォーム、またはオペレーティングシステムは、例えば、Google Android(商標)、アップル社のiOS、マイクロソフト社のWindows(商標)、Blackberry、Linux(商標)などとすることができる。さらに、ホストシステム14はまた、例えば、Kindle(商標)、iPad(商標)などの電子タブレットとして実施することもできる。ホストシステム14は、ユーザ入力装置およびディスプレイとして機能するタッチスクリーン20、例えば、サムホイール22などの他のユーザ入力装置、およびメモリ30を含むことができる。 【0018】 様々な実施形態では、超音波探触子12は、超音波探触子12に、デジタル信号をホストシステム14へと送信できるようにする組み込まれた電子装置24を含むことのできるAFEを含む。ホストシステム14は、次いで、デジタル信号を使用して、超音波探触子12から受信した情報に基づいて画像を再構成する。ホストシステム14は、ビーム形成を行うための、ならびに超音波探触子12から受信した超音波情報を処理し、かつ表示するために使用される後続する信号処理および画像処理ステップを行うためのソフトウェアアルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサ26を含む。様々な実施形態では、ホストシステム14は、単一の「システムオンチップ」(SOC)装置上に搭載されたプロセッサを含むハードウェア構成要素を含む。SOC装置は、複数のCPUコア、および少なくとも1つのGPUコアを含むことができる。動作において、プロセッサにインストールされたアルゴリズムは、探触子/アプリケーションに従って、ならびにホストシステム14の計算および/または電力供給能力に従って動的に構成される。」 (ウ)「【0027】 図3は、図2のプロセッサ26として、またはその一部として実施できる、超音波プロセッサモジュール200の例示的なブロック図を示している。超音波プロセッサモジュール200は、サブモジュールの集合体として概念的に示されているが、専用のハードウェアボード、DSP、プロセッサなどの任意の組合せを用いて実施することができる。代替的には、図3のサブモジュールは、単一のプロセッサを用いて、または例えば、GPU(グラフィックス処理装置)も含む、プロセッサ間で機能動作を分散させた複数のプロセッサを使用して実施することもできる。さらなる選択肢として、図3のサブモジュールは、いくつかのモジュール機能が、専用のハードウェアを利用して行われるが、残りのモジュール機能が、プロセッサを使用して行われるハイブリッド構成を利用して実施することができる。サブモジュールはまた、処理装置内のソフトウェアモジュールとして実施することもできる。」 (エ)「【図1】 [図:0001421888000007.jpg] 」 (オ)「【図3】 [図:0001421888000008.jpg] 」 (カ)上記引用例2の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例2には、次の技術(以下「引用例2開示技術」という。)が記載されていると認められる。 「超音波探触子12と、電子タブレットとして実施することもできる可搬型のホストシステム14とを含む超音波撮像システム10において、 ホストシステム14は、ビーム形成を行うための、ならびに超音波探触子12から受信した超音波情報を処理し、かつ表示するために使用される後続する信号処理および画像処理ステップを行うためのソフトウェアアルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサ26であって、複数のCPUコア、および少なくとも1つのGPUコアを含む単一の「システムオンチップ」(SOC)装置上に搭載されたプロセッサ26をハードウェア構成要素として含む技術。」 ウ 引用例3 当審で新たに周知技術の例を示す文献として引用する、本願の優先日前である平成16年4月22日に頒布された刊行物である「特開2004-121848号公報」(以下「引用例3」という。)には、図面と共に以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0023】 従来技術の上述の及び他の不利点に対して、本発明は基本波に加えて、例えば近距離音場へ方向付けられ操縦される送信された高調波成分を用いて、媒質中の対象の高調波撮像を行う改善された超音波撮像システムに関連する。」 (イ)「【図2B】 [図:0001421888000009.jpg] 」 エ 引用例4 当審で新たに周知技術の例を示す文献として引用する、本願の優先日前である平成16年7月15日に頒布された刊行物である「特開2004-194981号公報」(以下「引用例4」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0015】 ところで、超音波映像法には、高調波の受信周波数に基づいて画像を構成する生体非線形撮像法や造影ハーモニック映像法等が知られている。例えば、生体非線形撮像法とは、超音波が生体など非線型媒体を伝播することにより、送信周波数すなわち基本周波数の2倍や3倍などの高調波周波数となる反射信号を画像化するものである。また、造影ハーモニック映像法とは、数10μm程度の気泡や油状のマイクロバブル等を血管に注入し、そのマイクロバブルが発する入射周波数に対して2倍や3倍などの高調波の出射周波数となる反射信号を受波し、その反射信号から良好な血流画像を得るものである。」 (イ)「【0068】 このように構成される整相加算部142は、2種類の周波数帯域を画像化することができる。例えば、生体非線形映像法のように超音波が生体など非線形媒体を伝播することにより送信周波数(基本周波数f0)の2倍や3倍の高調波周波数となる反射信号を画像化する場合がある。このとき、各高調波周波数の4nf0の公倍数例えば、24f0とすると、2次高調波はn=3、3次高調波はn=4としてサンプリングクロックを設定することができる。設定されたサンプリングクロックにより超音波受信信号がADC32a~32mによりサンプリングされる。このとき、位相補正部144a~144mを2次高調波用に割当て制御するとともに、位相補正部145a~145mを3次高調波用に割り当て制御する。ことにより、超音波受信信号の各高調波波面に各々整相することができ、2種類の周波数帯域を同時に画像化することができる。」 オ 引用例5 当審で新たに周知技術の例を示す文献として引用する、本願の優先日前である平成26年7月3日に頒布された刊行物である「特表2014-515685号公報」(以下「引用例5」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0033】 図2Aおよび図2Bは、図1の例の1つまたは複数の部分を含むなど、超音波トランスデューサ136およびディスプレイ114を備えることができる手持ち式装置200などの装置の例示的な例の斜視図を概略的に示す。装置200は、第1キーパッド124、引金108、または1つあるいは複数の他の入力装置など、1つまたは複数のユーザ入力装置を備えることができる(たとえばディスプレイ114は、タッチスクリーンまたは1つあるいは複数の他のソフトキーを含むことができる)。装置200は、装置を指定された解剖学的特徴、位置、または領域に位置合せするのに役立つ1つまたは複数の印(しるし)を含むことができる。こうした位置合せ印(しるし)は、ディスプレイ114に提示される1つまたは複数の表示された印、または第1印130A、第2印130B、あるいは第3印130Cなど、ハウジング126の上に位置する1つまたは複数の固定印を含むことができる。ポート140を有するなど、装置200の内部の電源の通信または再充電用など、1つまたは複数の電気ポートを有することができる。 (イ)「【0108】 一例ではプリンシパルハーモニックイメージング(PHI)撮像を使用して、超音波画像を再構成することができる。こうしたプリンシパルハーモニックイメージング再構成技法を、以下のうちの1つまたは複数を行うように構成された、手持ち式装置などの装置を含むなど、超音波画像を描画するように実施することができる。」 (ウ)「【0117】 プリンシパルハーモニックイメージングをティッシュハーモニックイメージング(THI)に比較することができるが、プリンシパルハーモニックイメージングは、高調波周波数で信号成分を分離すべく主成分分析(PCA)技法を使用することができる。プリンシパルハーモニックイメージングは、ティッシュハーモニックイメージングに対して以下を含む利点を示す。すなわち周波数がオーバラップする信号成分を分離することができ(たとえば組織に対応する情報を、骨構造に対応する情報から分離することができる)、帯域内雑音を信号から分離することができ、プリンシパルハーモニックイメージング技法は、データの局所空間変動に対して適応性があり得る。したがってプリンシパルハーモニックイメージングは、基本周波数で撮像する場合に比較されるように、ティッシュハーモニックイメージングによって提供することができるものと同様の分解能向上を提供することができるが、プリンシパルハーモニックイメージングは、ティッシュハーモニックイメージングまたは基本周波数での撮像よりも優れた残響低減、骨構造のより鮮鋭なコントラスト、または低い雑音を提供することができる。」 カ 引用例6 原査定の拒絶の理由に周知技術の例を示す文献として、引用文献2として引用された、本願の優先日前である平成23年6月2日に頒布された「特開2011-104079号公報」(以下「引用例6」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0031】 画像合成部34は、超音波画像上に後に説明する内視画像を合成するモジュールである。合成の仕方としては、重合方式及びはめ込み方式が考えられ、重合方式の場合においては、超音波画像上に内視画像が部分的に重ね合わされる。はめ込み方式が採用される場合には、内視画像がはめ込まれる領域が超音波画像上から除去され、すなわち穴空き状態とされ、その空いた部分に内視画像がはめ込まれる。もちろん、画像合成の方式としては、従来から知られている各種の方式を採用することができる。本実施形態においては、二つの画像の合成にあたって両者の相対的な位置関係を段階的に変化させながら逐次的に相関演算が実行されており、相関値が最も良好となる状態として両者の適正位置関係が認定されている。そのような適正位置関係の下で二つの画像が合成されれば、画像間における位置ずれを最小限にでき、また画像間におけるひずみも少なくすることが可能となる。ただし、そのような相関演算は必要に応じて実行されればよく、二つの画像を単純に重ね合わせるだけでも一定の効果を得られる。 【0032】 以上のように、画像合成部34において合成画像が生成されると、その画像データが表示部36に送られ、表示部36の画面上に合成画像が表示される。その合成画像は、光学的な画像と音響的な画像とが組み合わさった新しい画像であり、具体的には、従来同様の光学像の周囲に超音波画像が表され、従来においては見えなかった周辺部の構造や様子を超音波画像を通じて認識することが可能となるので、内視鏡操作の支援を行うことができ、また患部を迅速に探知できるという利点が得られる。内視画像については画像合成に先立って加工や修正を施すことも可能であり、これは超音波画像についても同様である。例えば、エッジ強調処理やコントラスト強調処理等を施すようにしてもよい。 【0033】 主制御部38は、超音波診断装置10に含まれる各構成の動作制御を行っており、主制御部38は具体的にはCPUと動作プログラムとによって構成されるものである。主制御部38には操作パネル40が接続されており、ユーザーは操作パネル40を利用して動作条件の設定を行ったり、パラメータの入力を行ったりすることが可能である。ちなみに、超音波画像形成部32及び画像合成部34はソフトウェアの機能として実現することが可能であり、超音波診断装置10内においてそのようなプログラム処理を行うことも可能ではあるが、ボリュームデータを外部PCへ転送し、外部PC上において画像処理を行わせることも可能である。ただし、内視鏡操作の支援にあたっては合成画像がリアルタイムで更新されるのが望ましく、そのようなリアルタイム性を実現できるシステムを構築するのが望ましい。本実施形態においては、超音波診断装置10に対して内視装置12が組み合わされており、すなわち内視装置12からの画像データを超音波診断装置10において利用することにより、リアルタイムで表示される超音波画像上に同じくリアルタイムで表示される内視画像が合成されている。 (イ)上記引用例6の記載事項を総合勘案すると、引用例6には、次の技術(以下「引用例6開示技術」という。)が記載されていると認められる。 「画像合成部34において、リアルタイムで表示される超音波画像上に同じくリアルタイムで表示される内視画像が合成されている合成画像が生成されると、その画像データが表示部36に送られ、表示部36の画面上に合成画像が表示される技術。」 (3)対比 本願補正発明1を、引用発明1と比較する。 ア 本願補正発明1の構成1Aについて 引用発明1の項目aの「医療超音波撮像システム」は、同項目bより「超音波プローブ/トランスデューサ150と、医療超音波撮像機器100と、を備え」るものであり、同項目dより「医療超音波撮像機器100は、タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体102」からなることから、本願補正発明1の「携帯型の医療用超音波撮像装置」に相当する。よって、引用発明1は本願補正発明1の構成1Aに相当する構成を備えているといえる。 イ 本願補正発明1の構成1Bについて (ア)引用発明1の項目bの「トランスデューサアレイ152」は、本願補正発明1の「トランスデューサアレイ」に相当する。 (イ)引用発明1の項目cの「トランスデューサ筐体」は、本願補正発明1の「トランスデューサプローブハウジング」に相当する。 (ウ)引用発明1の項目bの「超音波プローブ150」は、同項目cより「1又は複数のトランスデューサアレイ152を含むトランスデューサ筐体を含」むものである。 (エ)上記「(ア)ないし(ウ)」を総合勘案すると、引用発明1の「1又は複数のトランスデューサアレイ152を含むトランスデューサ筐体」は、本願補正発明1の「トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジング」に相当する。よって、引用発明1は本願補正発明1の構成1Bに相当する構成を備えているといえる。 ウ 本願補正発明1の構成1C、1D、1E及び1Fについて (ア)引用発明1の項目dの「医療超音波撮像機器100」の、「タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体102」は、本願補正発明1の「携帯型のハウジング」に相当する。 (イ)引用発明1の項目dの「バッテリ110」は、本願補正発明1の「バッテリ」に相当する。 (ウ)引用発明1の項目dの「ハンドヘルド筐体102のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイ104」は、同項目gより「肝臓502の超音波画像」を表示することから、本願補正発明1の「超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイ」に相当する。 (エ)引用発明1の項目dの「コンピュータのマザーボード106に実装された」「少なくとも1つのメモリ」は、本願補正発明1の「少なくとも1つのメモリ」に相当する。 (オ)引用発明1の項目dの「超音波エンジン108」は、本願補正発明1の「少なくとも1つの超音波プロセッサ」に相当する。 (カ)上記「(ア)ないし(オ)」を総合勘案すると、引用発明1の項目dの「少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとがコンピュータのマザーボード106に実装されたコンピュータ」と「超音波エンジン108」と「筐体のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイ104」を合わせたものは、本願補正発明1の「少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含」む「コンピュータシステム」に相当する。よって、引用発明1は本願補正発明1の構成1Dに相当する構成を備えている。 (キ)上記「(ア)ないし(カ)」を総合勘案すると、引用発明1の項目dの「コンピュータのマザーボード106、超音波エンジン108、及びバッテリ110は、筐体102内に動作可能に配置されて」いることは、本願補正発明1の「携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあ」ることに相当する。よって、引用発明1の「タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体102」は、本願補正発明1の構成1C及び1Fに相当する構成を備えている。 (ク)引用発明1の項目dの「筐体102内のコンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)(ファイヤワイヤ)接続112」は、本願補正発明1の「ハウジング内の」「超音波プロセッサ」を「コンピュータシステムに接続」するものに相当する。よって、引用発明1と、本願補正発明1とは、構成1Eのうち「前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、」「前記コンピュータシステムに接続されている」点で共通する。 エ 本願補正発明1の構成1Gについて (ア)引用発明1の項目hの「トランスデューサアレイ152は、1又は複数の画像対象1102に対して、超音波を送信して、反射した超音波を受信するよう構成され、1又は複数のケーブル1104を利用して超音波エンジン108に連結され」ること、及び同項目iの「超音波エンジン108は、駆動信号をトランスデューサアレイ152に適用して、トランスデューサアレイ152から戻りエコー信号を受信するための、高電圧送信/受信(TR)モジュール1106と、戻りエコー信号を増幅して、適切なプリアンプ/減衰補正(TGC)機能を信号に適用するための、TGCモジュール1108と、戻りエコー信号がTGCモジュール1108 により増幅及び処理された後に、サンプリングするデータビームフォーマー1110と、データビームビームフォーマー1110が出力する処理されたデータをバッファリグするために利用される、先入れ先出し(FIFO)バッファモジュール1112と、プログラム命令及びデータを格納するためのメモリ1114と、超音波エンジンモジュールの動作を制御するためのシステムコントローラ1116と、を含」むこと、から、引用発明1では、「トランスデューサアレイ152」が、「1又は複数の画像対象1102に対して、超音波を送信して、反射した超音波を受信」し、該受信した「戻りエコー信号」が「超音波エンジン108」の「高電圧送信/受信(TR)モジュール1106」と、「プリアンプ/TGCモジュール1108」と「ビームフォーマー1110」とにより処理され、「処理されたデータ」が「超音波エンジン108」の「先入れ先出し(FIFO)バッファモジュール1112」に保存される。 (イ)また、引用発明1の項目jの 「コンピュータのマザーボード106は、超音波撮像処理動作を実行するためのコアコンピュータ可読メモリ1122に格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するためのマイクロプロセッサ1124」を「含」むこと、 及び、同項目kの、 「マイクロプロセッサ1124が実行する例示的な動作は、ダウン変換(I、Qサンプルを受信した超音波データから生成するためのもの)、スキャン変換(超音波データを、ディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するためのもの)、ドップラー処理(動き及び/又は超音波データからのフロー情報を決定及び/又は撮像するためのもの)、カラーフロー処理(一実施形態では自動補正を利用して、Bモードの超音波画像の上に重畳されたドップラーシフトのカラーコードされたマップを生成するためのもの)、パワードップラー処理(パワードップラーデータを決定し、及び/又は、パワードップラーマップを生成するためのもの)、スペクトルドップラー処理(スペクトルドップラーデータを生成し、及び/又は、スペクトルドップラーマップを生成するためのもの)、及び後信号処理を含む」こと、 から、引用発明1の「コンピュータのマザーボード106」は、「超音波エンジン108」で処理されたデータを、「マイクロプロセッサ1124」により、「スキャン変換(超音波データを、ディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するためのもの)」すると認められる。 (ウ)そして、引用発明1の項目dの「筐体102内のコンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)(ファイヤワイヤ)接続112」より、引用発明1では「コンピュータのマザーボード106」と「超音波エンジン108」とは通信可能に接続されていると認められる。 (エ)上記「(ア)ないし(ウ)」を総合勘案すると、引用発明1の「超音波エンジン108」は、本願補正発明1の構成1Gの「トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、」「コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路」に相当する機能を備えていると認められる。よって、引用発明1は本願補正発明1の構成1Gに相当する構成を備えている。 オ 本願補正発明1と引用発明1との一致点、相違点について 以上「アないしエ」より、本願補正発明1と、引用発明1とは、次の点で一致する。 <一致点> 「1A 携帯型の医療用超音波撮像装置であって、 1B トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジングと、 1C 携帯型のハウジングであって、前記携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあり、 1D 前記コンピュータシステムが、少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含み、 1E’ 前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、前記コンピュータシステムに接続されている、 1F ハウジングと、 1G 前記トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、前記コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路と を備える、 装置。」(当審注:構成1E’は、構成1Eと一部異なることを示す。) 一方で、両者は、次の各点で相違する。 <相違点1> 構成1Eにおける、超音波プロセッサが接続されている「コンピュータシステム」が、本願補正発明1では「前記少なくとも1つのメモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理ユニットを更に有する」のに対し、引用発明1では、当該グラフィック処理ユニットに相当する構成を備えるか不明である点。 <相違点2> 本願補正発明1は、構成1Hを備えているのに対し、引用発明1は、上記構成1Hに相当する構成を備えていない点。 <相違点3> 本願補正発明1は、構成1Iを備えているのに対し、引用発明1は、上記構成1Iに相当する構成を備えていない点。 (4)判断 ア 相違点1及び3について (ア)a 引用発明1は、構成gで特定されるように、「超音波プローブ150によって生成される超音波が肝臓の組織を貫通することに呼応して、医療超音波撮像機器100によって」「超音波画像」が「生成」され、「タッチスクリーンディスプレイ104の上に表示」されるという機能を備える。 これは、超音波プローブ150からの超音波の送信と超音波画像の生成・表示とが呼応する、すなわち、(予め記憶装置に格納された昔日の画像が表示されるのではなく)超音波送信と画像の生成・表示とが随時対応する処理がなされることを意味し、構成1Eの、超音波データの処理が「リアルタイム」であることに相当するといえる。 b また、引用発明1では、上記aの「リアルタイム」での超音波画像の生成・表示が、構成iで特定されるように、「超音波エンジン108」によって、 ・戻りエコー信号の受信、 ・受信した戻りエコー信号の増幅・処理、 ・増幅・処理された戻りエコー信号のビームフォーマーでのサンプリング、 ・該ビームフォーマーからの信号を先入れ先出し(FIFO)バッファでのバッファリング(先入れ先出しのバッファ入出力処理)、 という工程を含んで行われることが特定されている。 c また、引用発明1では、構成kで特定されるように、超音波エンジン108とFirewire接続112されたマザーボード106上のマイクロプロセッサ1124によって、超音波データをディスプレイの表示フォーマットに変換する処理が行われる。 d 以上上記「aないしc」を総合すると、引用発明1において、超音波送信と画像の生成・表示とが随時対応する処理が、 ・超音波プローブ150における、超音波戻りエコー信号の受信 ・超音波エンジン108における、受信した戻りエコー信号をビームフォーマーを経てFIFOバッファでバッファリング(先入れ先出しのバッファ入出力処理)、 ・超音波エンジン108と接続されるマザーボード106上のマイクロプロセッサ1124による、超音波データをディスプレイの表示フォーマットに変換する処理、 を順次実行することで行われるものと認められる。 そうすると、引用発明1において前記順次実行される工程におけるFIFOバッファは、メモリ手段に他ならないから、構成1Eの「メモリ」に相当し、「マイクロプロセッサ1124による、超音波データをディスプレイの表示フォーマットに変換する処理」は、FIFOバッファから読み出された(出力された)超音波データを対象にすることが明らかであるから、構成1Eの「メモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理」に相当する。よってまた、引用発明1の「マイクロプロセッサ1124」は、構成1Eの「グラフィック処理ユニット」に相当する。 (イ)仮に、構成1Eの「リアルタイムで読み出すグラフィック処理」がいわゆるGPUによる処理のみを指す(構成1Eの「グラフィック処理ユニット」がいわゆるGPUなるハードウェア要素からなる)と限定解釈されるとした場合について検討を行う。 a 引用例2開示技術は、受信した超音波情報を処理し画像化するプロセッサがGPUコアを含むプロセッサであるというものである。該技術を開示する引用例2の存在によっても裏付けられるとおり、本願の優先日前において、受信した超音波情報を処理し画像化するプロセッサとして、GPUコアを含むプロセッサを用いることは周知である。 b また、引用例6開示技術は画像合成部34において、リアルタイムで表示される超音波画像上に同じくリアルタイムで表示される内視画像が合成されている合成画像が生成され、その合成画像が表示部に表示されるというものである。 c そして、引用例1と引用例6とは、被検体に超音波を照射し、受信した超音波を画像化して表示する超音波システムという同一の技術分野に属する文献である。 d よって、引用発明1において、超音波データをディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するスキャン変換等の画像化の処理を行うマイクロプロセッサ1124に上記引用例6開示技術を採用して、リアルタイムで表示される超音波画像上に同じくリアルタイムで表示される内視画像が合成されている合成画像を生成し表示する処理を行わせることは、当業者ならば容易になし得たことである。 e そして、画像生成処理を行うプロセッサにおいては、プロセッサの処理能力が高い方が高速に画像生成ができることは、画像処理を行う装置を設計する当業者にとって技術常識であり、上記「d」で採用する合成画像生成処理を行うマイクロプロセッサ1124を上記引用例2にも開示されている専用の画像処理を行うユニットであるGPUコアを備えたプロセッサに変更することは、当業者が通常の創作能力の発揮にすぎず、容易になし得たことである。 f 以上のことから、引用発明1において、引用例6開示技術及び技術常識を適用して上記相違点1及び3に係る構成を備えるようにすることは、当業者ならば容易になし得たことである。 イ 相違点2について 超音波撮像装置において、組織に送信する超音波に対し組織からの高調波成分の応答(反射)を受信して画像化する技術は、引用例3ないし5の記載によっても裏付けられるとおり、ハーモニックイメージングや組織高調波撮像などと称する周知技術である。該周知技術において、特に3倍(3次)高調波やそれ以上の高調波を用いて画像を生成することも周知(引用例3及び4参照。)であるし、携帯型の超音波撮像装置において高調波撮像を行うこともまた周知(引用例5参照。)である。 そうすると、引用発明1において、相違点2に係る構成とすることは、前記周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 本願補正発明1の効果について 本願補正発明1の効果は、引用発明1、引用例2開示技術、引用例6開示技術、及び引用例3ないし5に開示された周知の技術から、当業者が予測しうる程度のものにすぎない。 エ 審判請求書における請求人の主張について (ア)請求人は令和5年8月25日付審判請求書において、令和5年4月11日付起案の拒絶査定における引用文献1(上記引用例1)及び引用文献2(上記引用例6)や特開2013-172959号公報(上記引用例2)には、本願補正発明1が有する以下の「前記トランスデューサアレイが、3次高調波およびより高次の高調波を有する、組織からの超高調波応答を検出し、前記コンピュータシステムが前記ディスプレイに超高調波撮像を生成し、」(上記構成1H)が記載されておらず、それにより、本願補正発明1はより明瞭でより鮮明なコントラスト画像を得ることができるという有利な効果を奏する旨主張する。 (イ)しかしながら、上記「イ」で検討したとおり、上記構成1Hの技術は、本願の優先日前に周知の技術であり、その周知技術を引用発明1に採用することは、当業者ならば容易になしえたことである。 (ウ)以上のことから、請求人の上記主張は採用することができない。 オ 令和6年8月19日提出の上申書における請求人の主張について (ア)請求人は、令和5年11月13日作成の前置報告書の内容について、令和6年8月19日提出の上申書の「2.特許法第29条第2項の拒絶理由について」において、反論している。 (イ)しかしながら、令和5年11月13日作成の前置報告書の内容は、本願補正発明1が、引用例1と引用例2と引用例6と、特表2016-533825号公報と、に記載された発明及び周知技術から当業者が容易になし得たものであるというものであり、上記「(3)ないし(4)ウ」で検討した、進歩性否定の要旨とは異なるものである。特に請求人は上記反論において、特表2016-533825号公報に開示された高調波は、造影剤から生じる高次高調波であり、組織からの超高調波応答ではない旨主張しているが、上記「(3)ないし(4)ウ」で検討した、進歩性否定の要旨には、特表2016-533825号公報に開示された技術は採用しておらず、組織からの超高調波応答を受信して画像化することについては、引用例3及び4に開示された周知の技術である旨説示している。 (ウ)よって、上記令和6年8月19日提出の上申書における請求人の主張は、上記「(3)ないし(4)ウ」で検討した、進歩性否定の要旨に対する反論とは認められず、採用することができない。 (5)小括 したがって、本願補正発明1は、引用発明1、引用例2開示技術、引用例6開示技術、及び引用例3ないし5に開示された周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明1 令和5年8月25日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし15に係る発明は、令和5年3月3日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。ここで、各構成単位冒頭の「1A」等は、当審にて付した分説記号であり、上記「第2 3.(1)」で本願補正発明1に付した分節記号と同内容の分説については同じ分説記号を用いている。 「【請求項1】 1A 携帯型の医療用超音波撮像装置であって、 1B トランスデューサアレイを含むトランスデューサプローブハウジングと、 1C 携帯型のハウジングであって、前記携帯型のハウジング内にはコンピュータシステム及びバッテリがあり、 1D 前記コンピュータシステムが、少なくとも1つの超音波プロセッサおよび少なくとも1つのメモリ、ならびに、超音波画像を表示するディスプレイであって、前記携帯型のハウジング上に位置決めされたディスプレイを含み、 1E 前記ハウジング内の前記超音波プロセッサが、前記少なくとも1つのメモリから超音波画像データをリアルタイムで読み出すグラフィック処理ユニットを更に有する前記コンピュータシステムに接続されている、 1F ハウジングと、 1G 前記トランスデューサアレイから画像データを受信する超音波ビーム形成器処理回路であって、前記コンピュータシステムに通信可能に接続される超音波ビーム形成器処理回路と を備え、 1I’ 前記グラフィック処理ユニットが、増強された画像データを生成するべく、関心領域のビデオ画像を前記関心領域のリアルタイム超音波画像データ上へマッピングするように計算プロセスを実行する、 装置。」(当審注:構成1I’は、構成1Iと一部異なることを示す。) 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし15に係る発明は、その出願の優先日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物である引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 なお、請求項1に係る発明は、引用文献1及び2から当業者が容易になしえた発明であると説示されている。 引用文献1:特表2015-515312号公報 引用文献2:特開2011-104079号公報 3.引用された刊行物に記載された発明及び周知技術 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献と、本審決における引用例の対応は以下の表のとおりである。 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献 本審決における引用例 引用文献1 引用例1 引用文献2 引用例6 そして、引用例1の発明並びに引用例6の記載事項は、上記「第2 3.(2)ア及びカ」に記載したとおりである。 4.対比・判断 (1)本願発明1は、上記「第2 3.」で検討した本願補正発明1から、構成1H「前記トランスデューサアレイが、3次高調波およびより高次の高調波を有する、組織からの超高調波応答を検出し、前記コンピュータシステムが前記ディスプレイに超高調波撮像を生成し、」という限定を外し、かつ構成1Iの「関心領域のカメラビデオ画像」を「関心領域のビデオ画像」に変更して限定を外したものである。 (2)上記「(1)」より、引用例3及び4にも開示された周知技術に対応する本願補正発明1の構成1Hは、本願発明1では発明特定事項とされていない事項であることが分かる。 (3)上記「第2 3.」で検討したとおり、本願補正発明1は、引用発明1、引用例2開示技術、引用例6開示技術、及び引用例3ないし5に開示された周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから、本願補正発明1から上記「(1)」で述べたとおりに限定を外した本願発明1もまた、上記「第2 3.(3)ないし(5)」で検討したのと同様の理由により、原査定の引用文献1である引用例1に記載された引用発明1及び原査定の引用文献2に対応する引用例6に開示された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 令和6年8月19日提出の上申書と同年9月18日提出の上申書に記載された補正案について (1)令和6年8月19日提出の上申書において、請求人は「4.補正案の提示」に2つの補正案及びその説明書きを提示している。しかしながらそれら補正案に記載された請求項1に係る発明において新たに特定された技術事項については、 ア 超高調波応答を通過帯域フィルタによりフィルタして取り出す技術は、引用例3の段落【0038】や引用例4の段落【0067】にも開示されているように、本願の優先日前において周知の技術であり、 イ 「前記超高調波画像を形成すべく回折および非線形の成分が時間領域で 計算され、減衰成分が周波数領域で計算され」という技術は、本願の段落【0242】に記載された論文「A.Bouakaz,C.T.Lancee,N.de Jong,、Harmonic Ultrasonic Field of Medical Phased Arrays:Simulations and Measurements、IEEE Transactions on Ultrasonics,Fer roelectrics and Frequency Control.,vol.50,pp.730-735,2003」にも示されているように、本願の優先日前において周知の技術であり、 ウ 「前記中央処理ユニットが、ディスプレイのために前記リアルタイム超音波画像データの走査変換を実行する」という技術事項は、引用発明1が備える技術事項(引用例1の段落【0058】【0059】参照。)である。 (2)令和6年9月18日提出の上申書において、請求人は「2.さらなる補正案の提示」に3つの補正案及びそれらの説明書きを提示している。しかしながらそれら3つの補正案に記載されたそれぞれの請求項1に係る発明において、令和6年8月19日提出の上申書に記載された補正案の請求項1で特定された事項以外で新たに特定された技術事項については、 ア 携帯型のハウジングがタブレットハウジングである点は、引用発明1が備える技術事項(引用例1の段落【0020】参照。)であり、 イ グラフィック処理ユニットの計算プロセスが、「少なくとも1000ギガ浮動小数点演算/秒のレートで」実行される点は、グラフィック処理ユニット(GPU)として、1000GFLOPS超(1TFLOPS超)のものは、NVIDIA社製のTegra X1が2015年に発表されていることからも裏付けられるとおり、本願の優先日前において周知慣用の技術であり、 ウ 「前記トランスデューサアレイが、反転された連続する2つの修正方形波を含む超音波ビームを組織へ送信し、前記修正方形波が、パルスがハイになる時間およびパルスがローになる時間を通常の方形波の3分の2に減らすことで得られる波形であり、前記反転された連続する2つの修正方形波によって生じる前記組織からの応答にパルスキャンセル技術が適用され、」という技術は、特表2013-506504号公報の段落【0105】及び【図26C】の記載によっても裏付けられるとおり、本願の優先日前において周知の技術である。 (3)以上のとおり、令和6年8月19日提出の上申書と同年9月18日提出の上申書に記載された計5つの補正案の請求項1に係る発明それぞれにおいて、本願発明1では特定されていない新たに特定された技術事項は、いずれも本願の優先日前において周知の技術であるか、または引用発明1が備える技術事項であり、引用発明1においてそれら周知の技術を採用することは、当業者が容易になし得たことである。そして、令和6年8月19日提出の上申書と同年9月18日提出の上申書に記載された計5つの補正案の請求項1に記載された発明の効果はいずれも、引用発明1、引用例2ないし6に記載された技術、及び上記「(1)及び(2)」に示した周知技術から予測しうる程度のものにすぎない。よって、令和6年8月19日提出の上申書及び同年9月18日提出の上申書に記載された計5つの補正案の請求項1に記載された発明はいずれも、特許法第29条第2項に規定する要件を満たしていないと認められる。 第5 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1及び引用例6に開示された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-014362

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