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特許拒絶査定不服審判

2023-013149

中継ノードを介した通信をサポートするための方法および装置

審判番号
2023-013149
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-156645外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年08月04日
審決日
2024年02月20日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .57 -Z (H04W) / P18 .575-Z (H04W) / P18 .161-Z (H04W) / P18 .537-Z (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2特許法184条の4第1項特許法184条の13
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第184条の4第1項、特許法第17条の2第5項、特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第6項、特許法第126条第7項、特許法第184条の13、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-156645「中継ノードを介した通信をサポートするための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月 6日出願公開、特開2022- 2405〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2011年(平成23年)3月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年4月2日 アメリカ合衆国(US)、2010年4月2日 アメリカ合衆国(US)、2010年8月13日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2013-502809号の一部を、平成26年11月4日に新たな特許出願とした特願2014-224608号の一部を、平成27年10月8日に新たな特許出願とした特願2015-200139号の一部を、令和元年9月17日に新たな特許出願とした特願2019-168305号の一部を、令和3年9月27日に更に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年11月 5日 手続補正書の提出 令和4年10月11日付け 拒絶理由通知 令和5年 1月10日 意見書及び手続補正書の提出 令和5年 3月31日付け 拒絶査定 令和5年 8月 4日 拒絶査定不服審判請求及び手続補正書の提出 第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年8月4日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所である。) 「 【請求項1】 無線デバイスであって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、 前記プロセッサは、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され、 前記プロセッサは、基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され、 前記送受信機は、単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成された 無線デバイス。 (略) 【請求項19】 基地局であって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサと を備え、 前記送受信機は、無線デバイスから、第1のバッファステータス報告(BSR)および第2のBSRの両方を含む単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)を受信するよう構成され、前記第1のBSRは少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられ、前記第2のBSRは当該基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられ、 前記送受信機および前記プロセッサは、前記受信された第1のBSRに応答して、前記無線デバイスによる前記送信のために、 (i)前記第1のデータ、または、 (ii)前記第2のデータの少なくとも1つをスケジューリングするよう構成され、 前記送受信機は、前記無線デバイスから前記第2のデータを受信するよう構成された 基地局。 (略)」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和5年1月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲は、次のとおりである。 「 【請求項1】 無線デバイスであって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、 前記プロセッサは、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され、 前記プロセッサは、基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され、 前記送受信機は、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成された 無線デバイス。 (略) 【請求項19】 基地局であって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサと を備え、 前記送受信機は、無線デバイスから、第1のバッファステータス報告(BSR)および第2のBSRを含む媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)を受信するよう構成され、前記第1のBSRは少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられ、前記第2のBSRは当該基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられ、 前記送受信機および前記プロセッサは、前記受信された第1のBSRに応答して、前記無線デバイスによる前記送信のための前記第2のデータをスケジューリングするよう構成され、 前記送受信機は、前記無線デバイスから前記第2のデータを受信するよう構成された 基地局。 (略)」 2.補正の適否 (1) 本件補正における請求項19に対する補正は、本件補正前の「前記送受信機および前記プロセッサは、前記受信された第1のBSRに応答して、前記無線デバイスによる前記送信のための前記第2のデータをスケジューリングするよう構成され、」との記載を、 「前記送受信機および前記プロセッサは、前記受信された第1のBSRに応答して、前記無線デバイスによる前記送信のために、 (i)前記第1のデータ、または、 (ii)前記第2のデータの少なくとも1つをスケジューリングするよう構成され、」 に補正することを含む補正である。 すなわち、本件補正前では「第2のデータをスケジューリングするよう構成され」るのに対し、本件補正後では 「(i)前記第1のデータ、または、 (ii)前記第2のデータの少なくとも1つをスケジューリングするよう構成され」と補正されたことで、補正前の「第2のデータをスケジューリングするよう構成」する以外に、第1のデータのみをスケジューリングし、第2のデータをスケジューリングしないよう構成することが新たに含まれることとなった。 したがって、請求項19に対する当該補正はスケジューリングについて択一的記載を採用し、択一的記載の要素を付加する補正であるから、特許請求の範囲を減縮する補正に該当しない。よって、当該補正の目的は特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮とはいえない。また、当該補正は明らかに特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正や特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明に該当しない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項、同第4項の規定に違反するところはないものの、同第5項の規定に違反するものである。 (2) 上記(1)のとおり、本件補正の請求項19に対する補正は特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであるが、更に進めて、本件補正による請求項1に対する補正について検討する。本件補正による請求項1に対する補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信する」に対して「媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)」が「単一」のものであるとの限定、及び、第1のBSRおよび前記第2のBSR「の両方」を送信するとの限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下検討する。 ア.特許法第29条の2について (ア)本願補正発明 本願補正発明は、本件補正後の請求項1の以下の記載のとおりである。 「 無線デバイスであって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、 前記プロセッサは、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され、 前記プロセッサは、基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され、 前記送受信機は、単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成された 無線デバイス。」 (イ)先願発明 原査定の拒絶の理由で先の出願として引用された2010年(平成22年)5月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年5月29日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願の最先の優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号:特表2012-528494号公報)、その後、特許法184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願(以下、「先願1」という。)の国際出願日における明細書又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には、以下「a」ないし「g」の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。) ここで、本願の発明者が先願1に係る発明をした者と同一の者ではなく、また本願出願の時にその出願人が先願1の出願人と同一の者でもない。 a.「[0003] A Relay Node (RN) is considered for Long Term Evolution - Advanced (LTE-A) as a tool to improve, e.g., the coverage of high data rates, group mobility, temporary network deployment, the cell-edge throughput and/or to provide coverage in new areas. The RN is wirelessly connected to a wireless communications network via a donor cell (also referred to as a donor enhanced Node B (donor eNB)). The RN may serve as an eNB to one or more User Equipment (UE). To UE that is being served by the RN, the RN may appear identical to an eNB, scheduling uplink (UL) and downlink (DL) transmissions to the UE over an access link, which is between the RN and the UE. 」(1ページ) (当審仮訳: [0003] 中継ノード(RN)は、LTE-A(Long Term Evolution-Adovanced)に関して、例えば、高データ転送速度の受信地域、グループモビリティ、一時的ネットワーク展開、セル端スループットを改善するための、及び/又は新たな領域内の受信地域を提供するためのツールとして考慮されている。RNは、ドナーセル(ドナー拡張ノードB(ドナーeNB)とも呼ばれる)を介して無線通信ネットワークに無線で接続される。RNは、1つ又は複数のユーザ装置(UE)に対してeNBとしてサービスを提供することができる。RNによってサービスが提供されるUEに対して、RNは、eNBと同一とみなせ、RNとUEとの間にあるアクセスリンク上でのUEへのアップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)送信のスケジューリングを行う。) b.「[0049] Figure 4 illustrates a flow diagram of donor eNB operations 400 in RL flow control. Donor eNB operations 400 may be indicative of operations taking place in a donor eNB, such as eNB 105, for RL flow control based on buffer status information (UL or DL or both) from a RN, such as RN 116, wirelessly coupled to the donor eNB. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (UL or DL or both) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul. [0050] Donor eNB operations 400 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, donor eNB operations 400 may occur when the donor eNB receives a transmission of buffer status information, which may occur periodically at specified intervals or when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty). [0051] To efficiently use wireless resources, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL based on buffer status information provided by the RN. If the donor eNB allocates more DL wireless resources to the RL than needed, then the DL wireless resources may be wasted as well as potentially keeping DL buffers at the RN filled (or about filled) level, and potentially resulting in data loss if UEs being served by the RN cannot consume (i.e., transmit to the intended UE) the DL data at a sufficient rate. Similarly, if too little UL wireless resources are allocated to the RL, then the UL buffers at the RN may be kept in the filled (or about filled) level, which may require the RN to stop scheduling UL transmissions from a UE or UEs and negatively impacting the RN's ability to fully exploit multi-user diversity scheduling. The donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL dynamically through scheduling. Alternatively, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL semi-statically. [0052] Donor eNB operations 400 may begin with the donor eNB receiving buffer status information from the RN (block 405). The buffer status information from the RN may include DL buffer status information, UL buffer status information, or both DL buffer status information and UL buffer status information. The buffer status information may provide information about the status of each buffer at the RN. For example, if the RN includes a buffer for each class of traffic for each UE that it is serving, then the RN may provide a buffer status for each buffer. 」(15及び16ページ) (当審仮訳: [0049] 図4は、RLフロー制御におけるドナーeNB動作400の流れ図を示す。ドナーeNB動作400は、ドナーeNBに無線で結合されている、RN116などのRNからのバッファステータス情報(UL又はDL又は両方)に基づくRLフロー制御についての、eNB105などのドナーeNB内で行われている動作を示すことができる。ドナーeNBは、RL(UL又はDL又は両方)をRNに提供するためにその利用可能な無線資源の一部を提供して、RNから有線バックホールへの有線接続を擬似する。 [0050] ドナーeNB動作400は、例えば、一定の間隔で周期的に発生することができる。あるいは、ドナーeNB動作400は、一定の間隔で周期的に発生することができるバッファステータス情報の送信をドナーeNBが受けた時に、あるいはRNが満杯(又はほぼ満杯)又は空き(又はほぼ空き)であるバッファが存在することを検出した時に、バッファステータス情報の送信をドナーeNBが受けた時に発生することができる。 [0051] 無線資源を効率よく使用するために、ドナーeNBは、RNにより提供されるバッファステータス情報に基づきRLに対するその無線資源割り当てを調整することができる。ドナーeNBが、RLに対して必要以上にDL無線資源を割り当てるならば、DL無線資源は、浪費されるとともに、RNによりサービスが提供されているUEが十分な率でDLデータを消費する(すなわち、目的のUEに送信する)ことができない場合には、RNにあるDLバッファを満杯(又はほぼ満杯)レベルに潜在的に保ち、かつデータ損失を潜在的に引き起こす恐れがある。同様に、余りにも少ないUL無線資源しかRLに割り当てられないならば、RNにおけるULバッファは、満杯(又はほぼ満杯)レベルに保たれる恐れがあり、これによってRNはUE又は複数のUEからのUL送信のスケジューリングを停止しなければならない可能性がありかつマルチユーザ多様性スケジューリングを十分有効に活用するRNの能力に悪影響を与える。ドナーeNBは、スケジューリングを通じて動的にRLに対するその無線資源の割り当てを調整することができる。あるいは、ドナーeNBは、RLに対するその無線資源の割り当てを半固定的に調整することができる。 [0052] ドナーeNB動作400は、ドナーeNBがRNからバッファステータス情報を受信することで始めることができる(ブロック405)。RNからのバッファステータス情報は、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことができる。バッファステータス情報は、RNにおける各バッファのステータスについての情報を提供することができる。例えば、RNが、サービングしている各UEに対するトラヒックの各クラスに対するバッファを備えている場合、RNは、各バッファに対するバッファステータスを提供することができる。) c.「[0069] Once it receives buffer status information from the RN, the donor eNB may alter the RL based on the buffer status information. For example, the donor eNB may determine if the buffer status information is for the UL buffers (block 410) and alter the wireless resource allocation for the UL of the RL based on the UL buffer status information (block 415). For example, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may increase the wireless resources allocated to the UL RL to allow the RN to transmit more UL data to the donor eNB. Increasing the wireless resources allocation may help to decrease the amount of data being stored in the UL buffers at the RN. While, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are empty (or almost empty), then the donor eNB may decrease the wireless resources allocated to the UL RL to allow the RN to transmit less UL data to the donor eNB. Decreasing the wireless resources allocation may free up the donor eNB's wireless resources for other use, such as increasing DL RL wireless resources allocation, increasing wireless resources for UEs being served directly by the donor eNB, and so forth. [0070] While, if the buffer status information is for the DL buffers (block 410), then the donor eNB may alter the wireless resource allocation for the DL of the RL based on the DL buffer status information (block 420). For example, if the DL buffer status information indicates that the DL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may decrease the wireless resources allocated to the DL RL to prevent data loss at the RN as the DL buffers fill. The donor eNB may decrease the wireless resources allocation of the DL RL across the board or the donor eNB may select the UEs of the DL buffers that are full and not forward DL data for only the selected UEs, while continuing to transmit DL data for UEs with DL buffers that are not full(or even increasing the transmissions of those UEs).」(21及び22ページ) (当審仮訳: [0069] ドナーeNBは、一旦RNからバッファステータス情報を受信すると、バッファステータス情報に基づきRLを変更することができる。例えば、ドナーeNBは、バッファステータス情報がULバッファに対するものであるかどうかを決定し(ブロック410)、ULバッファステータス情報に基づきRLのULに対する無線資源割り当てを変更する(ブロック415)。例えば、ULバッファステータス情報が、ULバッファが満杯(又はほぼ満杯)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのULに割り当てられる無線資源を増加して、RNがより多くのULデータをドナーeNBへ送信できるようにする。無線資源割り当てを増加させることは、RNにおいてULバッファ中に記憶されるデータ量を減少させることを助ける恐れがある。しかしながら、ULバッファステータス情報が、ULバッファが空き(又はほぼ空き)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのULに割り当てられている無線資源を減少させて、RNがより少ないULデータをドナーeNBへ送信するようにできる。無線資源割り当てを減少させることは、ドナーeNBの無線資源を、RLのDL無線資源割り当てを増加させる、ドナーeNBにより直接的にサービスが提供されるUE用の無線資源を増加させるなどといった他の用途のために解放することができる。 [0070] 一方、バッファステータス情報が、DLバッファに対してである場合(ブロック410)、ドナーeNBは、RLのDLに対する無線資源割り当てをDLバッファステータス情報に基づき変更する(ブロック420)ことができる。例えば、DLバッファステータス情報が、DLバッファが満杯(又はほぼ満杯)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのDLに割り当てられた無線資源を減少させて、DLバッファが満杯であるためRNにおけるデータ損失を防止することができる。ドナーeNBは、RLのDLの無線資源割り当てを一律に減少させることができ、あるいは、ドナーeNBは、満杯であるDLバッファのUEを選択し、選択されたUEのみに対してはDLデータを転送しないとともに、満杯ではないDLバッファを有するUEに対するDLデータを送信し続ける(又はこれらのUEの送信を増加させる)ことができる。) d.「[0074] Figure 5 illustrates a flow diagram of RN operations 500 in RL flow control. RN operations 500 may be indicative of operations taking place in a RN, such as RN 116, for RL flow control based on buffer status information (both UL and DL) at a donor eNB, such as eNB 105, wherein the eNB 105 and the RN 116 are wireless coupled. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (both UL and DL) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul. [0075] RN operations 500 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, RN operations 500 may occur when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full), empty (or almost empty), or at a specified buffer status. [0076] RN operations 500 may begin with the RN determining the buffer status of its buffers (block 505). For example, the RN may determine the amount of data stored in each of its DL and UL buffers. Alternatively, the RN may aggregate its buffers based on UE, traffic class, link direction (DL or UL), or a combination thereof. [0077] Once it has determined the buffer status, the RN may compute buffer status information from the buffer status (block 510). For example, from the amount of data stored in a buffer, the RN may compute a percentage of the buffer that is full or empty, an indication of the amount of data stored in the buffer, an expected time to buffer starvation or to buffer congestion for the buffer, or so on. [0078] The RN may then transmit the buffer status information to the donor eNB (block 515). The RN may directly transmit the buffer status information to the donor eNB using a Media Access Control (MAC) control Protocol Data Unit (PDU) or a Radio Resource Control (RRC) message, for example. Alternatively, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information exceeds a threshold. For example, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information indicates that the buffer is full or empty (or almost full or almost empty), if the buffer will be empty (consumed) within a specified amount of time, or so forth. If the buffer status information indicates that the buffer is not full or empty, or will not be empty within a specified amount of time, and so on, then the RN may not transmit the buffer status information to the donor eNB.」(23及び24ページ) (当審仮訳: [0074] 図5はRLフロー制御におけるRN動作500の流れ図を示す。RN動作500は、eNB105などのドナーeNBにおけるバッファステータス情報(UL及びDL両方)に基づくRLフロー制御に対するRN116などのRN中で行われる動作を示すことができ、そこでeNB105及びRN116は無線で結合されている。ドナーeNBは、RL(UL及びDL両方)をRNに提供するためにその利用可能な無線資源の一部を提供して、RNから有線のバックホールへの有線接続を擬似する。 [0075] RN動作500は、例えば、一定の間隔で周期的に発生することができる。あるいは、RN動作500は、RNが、満杯(又はほぼ満杯)、空き(又はほぼ空き)、又は特定のバッファステータスにあるバッファステータスを有していることを検出した時に発生することができる。 [0076] RN動作500は、RNがそのバッファのバッファステータスを決定することで始めることができる(ブロック505)。例えば、RNは、そのDL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量を決定することができる。あるいは、RNは、UE、トラヒッククラス、リンク方向(DL又はUL)、又はこれらの組合せに基づきそのバッファを集約することができる。 [0077] 一旦、バッファステータスが決定されると、RNは、バッファステータスからバッファステータス情報を求めることができる(ブロック510)。例えば、バッファ中に記憶されたデータ量から、RNは、満杯又は空きであるバッファの百分率、バッファ中に記憶されるデータ量のインジケーション、バッファがバッファ枯渇又はバッファ輻輳に至るまでの予想時間、などを求めることができる。 [0078] RNは次いで、バッファステータス情報をドナーeNBへ送信することができる(ブロック515)。RNは、バッファステータス情報を例えば、メディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)又は無線リソース制御(RRC)メッセージを使用してドナーeNBへ直接送信することができる。あるいは、RNは、バッファステータス情報が閾値を超えた場合にバッファステータス情報をドナーeNBに送信することができる。例えば、RNは、バッファステータス情報が、バッファが満杯又は空き(又はほぼ満杯又はほぼ空き)であることを示している場合、バッファが一定の時間量内に空きとなる(消費される)場合、などの場合、バッファステータス情報をドナーeNBに送信することができる。バッファステータス情報が、バッファが満杯もしくは空きではない又はバッファが一定の時間量内に空きとならないことなどを示している場合、RNは、バッファステータス情報をドナーeNBに送信することができない。) e. [図:0001413069000001.jpg] (当審仮訳: [図:0001413069000002.jpg] 図2) f. [図:0001413069000003.jpg] (当審仮訳: [図:0001413069000004.jpg] 図4) g. [図:0001413069000005.jpg] (当審仮訳 [図:0001413069000006.jpg] 図5) ここで、上記先願明細書等の記載が本願の最先の優先日(2010年4月2日)以前の、先願1の優先基礎仮出願に記載されていることを確認する。 先願1の優先基礎仮出願である61/182360号(出願日:2009年5月29日)には、下記「h」ないし「n」が記載されている。 h.「[0002] A Relay Node (RN) is considered for Long Term Evolution - Advanced (LTE-A) as a tool to improve, e.g., the coverage of high data rates, group mobility, temporary network deployment, the cell-edge throughput and/or to provide coverage in new areas. The RN is wirelessly connected to a wireless communications network via a donor cell (also referred to as a donor enhanced Node B (donor eNB)). The RN may serve as an eNB to one or more User Equipment (UE). To UE that is being served by the RN, the RN may appear identical to an eNB, scheduling uplink (UL) and downlink (DL) transmissions to the UE over an access link, which is between the RN and the UE. 」 i.「[0022] Figure 3 illustrates a flow diagram of donor eNB operations 300 in RL flow control. Donor eNB operations 300 may be indicative of operations taking place in a donor eNB, such as eNB 105, for RL flow control based on buffer status information (UL or DL or both) from a RN, such as RN 116, wirelessly coupled to the donor eNB. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (UL or DL or both) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul. [0023] Donor eNB operations 300 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, donor eNB operations 300 may occur when the donor eNB receives a transmission of buffer status information, which may occur periodically at specified intervals or when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty). [0024] To efficiently use wireless resource, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL based on buffer status information provided by the RN. If the donor eNB allocates more DL wireless resource to the RL than needed, then the DL wireless resource may be wasted as well as potentially keeping DL buffers at the RN filled (or about filled) level, and potentially resulting in data loss if UEs being served by the RN cannot consume (i.e., transmit to the intended UE) the DL data at a sufficient rate. Similarly, if too little UL wireless resource is allocated to the RL, then the UL buffers at the RN may be kept in the filled (or about filled) level, which may require the RN to stop scheduling UL transmissions from a UE or UEs and negatively impacting the RN's ability to fully exploit multi-user diversity scheduling. The donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL dynamically through scheduling. Alternatively, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL semi-statically. [0025] Donor eNB operations 300 may begin with the donor eNB receiving buffer status information from the RN (block 305). The buffer status information from the RN may include DL buffer status information, UL buffer status information, or both DL and UL buffer status information. The buffer status information may provide information about the status of each buffer at the RN. For example, if the RN includes a buffer for each class of traffic for each UE that it is servicing, then the RN may provide a buffer status for each buffer.」 j.「[0041] Once it receives buffer status information from the RN, the donor eNB may alter the RL based on the buffer status information. For example, the donor eNB may determine if the buffer status information is for the UL buffers (block 310) and alter the wireless resource allocation for the UL of the RL based on the UL buffer status information (block 315). For example, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may increase the wireless resource allocated to the UL RL to allow the RN to transmit more UL data to the donor eNB. This may help to decrease the amount of data being stored in the UL buffers at the RN. If the UL buffer status information indicates that the UL buffers are empty (or almost empty), then the donor eNB may decrease the wireless resource allocated to the UL RL to allow the RN to transmit less UL data to the donor eNB. This may free up the donor eNB's wireless resource for other use, such as increasing DL RL wireless resource, increasing wireless resource for UEs being served directly by the donor eNB, and so forth. [0042] While, if the buffer status information is for the DL buffers (block 310), then the donor eNB may alter the wireless resource allocation for the DL of the RL based on the DL buffer status information (block 320). For example, if the DL buffer status information indicates that the DL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may decrease the wireless resource allocated to the DL RL to prevent data loss at the RN as the DL buffers fill. The donor eNB may decrease the wireless resource allocation of the DL RL across the board or the donor eNB may select the UEs of the DL buffers that are full and not forward DL data for only the selected UEs, while continuing to transmit DL data for UEs with DL buffers that are not full (or even increasing the transmissions of those UEs).」 k.「[0046] Figure 4 illustrates a flow diagram of RN operations 400 in RL flow control. RN operations 400 may be indicative of operations taking place in a RN, such as RN 116, for RL flow control based on buffer status information (both UL and DL) at a donor eNB, such as eNB 105, wherein the eNB 105 and the RN 116 are wireless coupled. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (both UL and DL) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul. [0047] RN operations 400 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, RN operations 400 may occur when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty). [0048] RN operations 400 may begin with the RN determining the buffer status of its buffers (block 405). For example, the RN may determine the amount of data stored in each of its DL and UL buffers. Alternatively, the RN may aggregate its buffers based on UE, traffic class, link direction (DL or UL), or so forth. [0049] Once it has determined the buffer status, the RN may compute buffer status information from the buffer status (block 410). For example, from the amount of data stored in a buffer, the RN may compute a percentage of the buffer that is full, an indication of the amount of data stored in the buffer, an expected time to buffer starvation or to buffer congestion for the buffer, or so on. [0050] The RN may then transmit the buffer status information to the donor eNB (block 415). The RN may directly transmit the buffer status information to the donor eNB using a Media Access Control (MAC) control Protocol Data Unit (PDU) or a Radio Resource Control (RRC) message, for example. Alternatively, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information exceeds a threshold. For example, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information indicates that the buffer is full or empty (or almost full or almost empty), if the buffer will be empty (consumed) within a specified amount of time, or so forth. If the buffer status information indicates that the buffer is not full or empty, or will not be empty within a specified amount of time, and so on, then the RN may not transmit the buffer status information to the donor eNB.」 l. [図:0001413069000007.jpg] m. [図:0001413069000008.jpg] n. [図:0001413069000009.jpg] 以上のように、上記「f」のFig.4と上記「g」のFig.5が、上記「m」のFig.3と上記「n」のFig.4になっているが、上記「a」ないし「g」の記載と「h」ないし「n」の記載は実質的に同様の事項が記載されている。したがって、先願1の上記「a」ないし「g」の事項は先願1の優先基礎仮出願である61/182360号(出願日:2009年5月29日)に実質的に記載された事項である。 次に、上記「a」ないし「g」の記載及び技術常識からみて、次の事項が先願明細書等には記載されているといえる。 (a)上記「a」の「中継ノード(RN)」及び「RNは、ドナーセル(ドナー拡張ノードB(ドナーeNB)とも呼ばれる)を介して無線通信ネットワークに無線で接続される。RNは、1つ又は複数のユーザ装置(UE)に対してeNBとしてサービスを提供することができる。」との記載によれば、中継ノードRNはドナーeNBを介して無線ネットワークに無線で接続される中継ノードであり、ユーザ装置(UE)に対してeNBとしてサービスを提供する装置である。また、上記「c」の段落69の「RNがより多くのULデータをドナーeNBへ送信できるようにする。」、及び、上記「c」の段落70の「満杯ではないDLバッファを有するUEに対するDLデータを送信し続ける」との記載から、ドナーeNBへ送信されるものはULデータであり、UEに対して送信されるものはDLデータであることが読み取れる。このことを踏まえると、上記「e」の図2から、中継ノード(RN)のダウンリンク(DL)送信としてはユーザ装置(UE)へのDLデータ送信であり、中継ノード(RN)のアップリンク(UL)送信としてはドナーeNBへのULデータ送信であることが読み取れる。 したがって、「無線ネットワークに無線で接続される中継ノードであり、ダウンリンク送信としてユーザ装置(UE)へのDLデータ送信を行い、アップリンク送信としてドナーeNBへのULデータ送信を行う中継ノードRN」が記載されているといえる。 (b)上記「b」の段落52の「ドナーeNB動作400は、ドナーeNBがRNからバッファステータス情報を受信することで始めることができる(ブロック405)。RNからのバッファステータス情報は、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことができる。」との記載によれば、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことが記載されている。 そして、上記「d」の段落74に「図5はRLフロー制御におけるRN動作500の流れ図を示す。」との記載があり、上記「g」の図5には、ステップ505ないしステップ515が示されている。 ここで、図5のステップ505に関する段落76の「RN動作500は、RNがそのバッファのバッファステータスを決定することで始めることができる(ブロック505)。例えば、RNは、そのDL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量を決定することができる。」、図5のステップ510に関する段落77の「一旦、バッファステータスが決定されると、RNは、バッファステータスからバッファステータス情報を計算することができる(ブロック510)。例えば、バッファ中に記憶されたデータ量から、RNは、満杯又は空きであるバッファの百分率、バッファ中に記憶されるデータ量のインジケーション、・・・などを求めることができる。」、図5のステップ515に関する段落78の「RNは次いで、バッファステータス情報をドナーeNBへ送信することができる(ブロック515)。」との記載によれば、RNは、DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、バッファステータス情報をドナーeNBへ送信することが記載されているといえる。 更に、図5のステップ515に関する段落78の「RNは、バッファステータス情報を例えば、メディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)・・・を使用してドナーeNBへ直接送信することができる。」との記載によれば、RNは、バッファステータス情報を、メディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信することが記載されている。 以上のことから、RNは、「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信する」ことが記載されているといえる。 以上を総合すると、先願明細書等には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。 「 無線ネットワークに無線で接続される中継ノードであり、ダウンリンク送信としてユーザ装置(UE)へのDLデータ送信を行い、アップリンク送信としてドナーeNBへのULデータ送信を行う中継ノードRNであって、 DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信する、 中継装置RN。」 (ウ)対比及び判断 本願補正発明と先願発明を対比すると、 a.先願発明の「ユーザ装置(UE)」は、本願補正発明の「無線送受信ユニット(WTRU)」に相当し、先願発明の「ドナーeNB」は、本願補正発明の「基地局」に含まれる。 本願補正発明の「無線デバイス」は「前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信」し、「前記基地局へ、前記第2のデータを送信する」ものであるから、先願発明の「無線ネットワークに無線で接続される中継ノードであり、ダウンリンク送信としてユーザ装置(UE)へのDLデータ送信を行い、アップリンク送信としてドナーeNBへのULデータ送信を行う中継ノードRN」は、本願補正発明の「無線デバイス」に含まれる。 b.先願発明の「ダウンリンク送信」は、ユーザ装置(UE)へのDLデータ送信であるから、先願発明のダウンリンク送信されるDLデータは、本願補正発明の「少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータ」に相当する。 そして、先願発明では、データ量であるDLバッファステータスから、ドナーeNBへ送信するために、バッファの百分率やデータ量のインジケーションという形のバッファステータス情報を求めることから、DLバッファステータス情報は、ドナーeNBへ送信、すなわち報告するためのバッファステータスの報告情報といえる。そうすると、先願発明の「DLバッファステータス情報」は、本願補正発明の「第1のバッファステータス報告(BSR)」に含まれる。 更に、先願発明では「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め」ることから、先願発明のDLバッファステータス情報は、DLデータに関連した情報といえる。 したがって、本願補正発明の「前記プロセッサは、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され」ることと、先願発明の「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信する」こととは、「少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され」る点で共通する。 c.上記「b」と同様に、先願発明の「アップリンク送信」は、ユーザ装置(UE)へのULデータ送信であるから、先願発明のアップリンク送信されるULデータは、本願補正発明の「基地局へ送信するための第2のデータ」に相当する。 そして、先願発明では、データ量であるULバッファステータスから、ドナーeNBへ送信するために、バッファの百分率やデータ量のインジケーションという形のバッファステータス情報を求めることから、ULバッファステータス情報は、ドナーeNBへ送信、すなわち報告するためのバッファステータスの報告情報といえる。そうすると、先願発明の「ULバッファステータス情報」は、本願補正発明の「第2のBSR」に含まれる。 更に、先願発明では「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め」ることから、先願発明のULバッファステータス情報は、ULデータに関連した情報といえる。 したがって、本願補正発明の「前記プロセッサは、基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され」ることと、先願発明の「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信する」こととは、「基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され」る点で共通する。 d.先願発明の中継ノードRNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことがあり、その場合には、先願発明ではDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含んだ単一のメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信することとなることは明らかである。したがって、本願補正発明の「前記送受信機は、単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され」ることと、先願発明の「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、・・・DLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信」することとは、「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、基地局へ、第1のBSRおよび第2のBSRの両方を送信するよう構成され」る点で共通する。 e.上記「b」で説示したとおり、先願発明の「ダウンリンク送信」は、ユーザ装置(UE)へのDLデータ送信であるから、先願発明のダウンリンク送信されるDLデータは、本願補正発明の「少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータ」に相当することから、本願補正発明の「前記送受信機は、前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され」ることと、先願発明の「ダウンリンク送信としてユーザ装置(UE)へのDLデータ送信を行」うこととは、「少なくとも1つのWTRUへ、第1のデータを送信するよう構成され」る点で共通する。 f.上記「c」で説示したとおり、先願発明の「アップリンク送信」は、ドナーeNBへのULデータ送信であるから、先願発明のアップリンク送信されるULデータは、本願補正発明の「基地局へ送信するための第2のデータ」に相当することから、本願補正発明の「前記送受信機は、前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成され」ることと、先願発明の「アップリンク送信としてドナーeNBへのULデータ送信を行う」こととは、「基地局へ、第2のデータを送信するよう構成され」る点で共通する。 (一致点) 「 無線デバイスであって、 少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され、 基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され、 単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され、 前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され、 前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成された 無線デバイス。」 (相違点) 無線デバイスにおいて、本願補正発明は「送受信機と、前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え」、プロセッサは「少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され」及び「基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され」、及び、送受信機は「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され」及び「前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され」ているのに対し、先願発明では当該発明特定事項が特定されていない点。 以下、相違点について検討する。 無線装置において、無線通信を行うために送受信機を備えること、及び、装置の動作を制御する上でプロセッサを備えることは技術常識である。 したがって、先願発明の中継ノードRNが、送受信機と、前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは「少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され」及び「基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され」、及び、送受信機は「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信するよう構成され」及び「前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され」ることは明らかであり、前記相違点は、実質的な相違点ではない。 よって、本願補正発明と先願発明とは同一であるから、本願補正発明は特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 (エ)まとめ 以上のとおり、本願補正発明は、その優先日(2010年4月2日)前の優先日(2009年5月29日)を有する国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号:特表2012-528494号公報)、その後、特許法第184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願の国際出願日における明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者が上記国際特許出願に係る上記発明をした者と同一であるとも、またこの出願の時において、その出願人が上記国際特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第184条の13で読み替えて適用する特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (オ)請求人の主張 請求人は、令和5年8月4日に提出した審判請求書の「B.本願発明が特許されるべき理由」の「(2)」において 「引用文献1(先願1)に記載の発明は、補正後の請求項1における「送受信機は、単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ようされたことを、開示しておりません。具体的には引用文献1は、単一のMAC PDUがDL BSRおよびUL BSRの両方を含むことについて開示も示唆もしておりません。 引用文献1(対応する公表公報)は、段落[0074]、[0076]においてMUC PDUについて論議をしています。例えば令和4年10月11日付けの通知書において引用された段落[0074]では、ごく一般的にバッファ状態情報およびMAC PDUについて述べているに過ぎません。また同通知書において引用された段落[0077]においても、MAC PDUについては何も論議しておらず、単にBSRメッセージについてのみ述べていますが、MAC PDUについて何の言及もしていません。 引用文献1は2つの別々のBSR、ULに対する第1のBSRおよびDLに対する第2のBSRを運んでいるMAC PDUについて、何ら言及しておらず、引用文献1はDL BSRおよびUL BSRの両方を含む単一のMAC PDUについて開示をしてはおりません。引用文献1には、補正後の請求項1における「送受信機は、単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことは開示されておりません。」 と主張している。 しかしながら、上記「(ウ)対比及び判断」の「d」で検討したように、先願発明の中継ノードRNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことがあり、その場合には、先願発明の中継ノードRNはDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含んだ単一のメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信することとなることは明らかである。したがって、先願発明では、単一のMAC PDUがDL BSR及びUL BSRの両方を含むことについて開示、示唆されているといえることから、請求人の当該主張は採用することはできない。 イ.特許法第36条第6項第1号について 仮に、先願明細書等には、上記「(イ)先願発明」の図5のステップ505に関する段落76の「RN動作500は、RNがそのバッファのバッファステータスを決定することで始めることができる(ブロック505)。例えば、RNは、そのDL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量を決定することができる。」、及び、上記「(イ)先願発明」の図5のステップ515に関する段落78の「RNは、バッファステータス情報を例えば、メディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)・・・を使用してドナーeNBへ直接送信することができる。」との記載はあるが、当該記載からは「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことが明記されていない以上、当該事項を読み取ることができないとして、以下検討する。 請求項1に関して、補正前の「媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信する」との記載を「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2の両方を送信する」に補正された。 一方、発明の詳細な説明の段落150に「一実施形態では、MAC PDU中に利用可能な空間がある場合、RN BSRをMAC PDU中に便乗させる(piggybacked)ことができる。」との記載と、段落101に「RNダウンリンクバッファステータス報告は、RNアップリンクバッファステータス報告と共に送信することができる。」と記載されているが、「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」とは発明の詳細な説明には明記されていない。 そして、先願明細書等の解釈と同様の解釈を行い、明記がない以上読み取ることができないとすると、発明の詳細な説明の段落150の記載と段落101の記載があったとしても、発明の詳細な説明に「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことが明記されていない以上、発明の詳細な説明からは「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことを読み取ることはできない。 したがって、請求項1の「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことは、発明の詳細な説明には記載したものではない。 よって、本件補正後の請求項1に係る発明は発明の詳細な説明に記載したものでないので、本件補正後の特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (3)まとめ したがって、本件補正は特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、また、特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし24に係る発明は令和5年1月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし24に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりと認められる。 「 無線デバイスであって、 送受信機と、 前記送受信機に動作可能に結合されたプロセッサとを備え、 前記プロセッサは、少なくとも1つの無線送受信ユニット(WTRU)へ送信するための第1のデータに関連付けられた第1のバッファステータス報告(BSR)を生成するよう構成され、 前記プロセッサは、基地局へ送信するための第2のデータに関連付けられた第2のBSRを生成するよう構成され、 前記送受信機は、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記少なくとも1つのWTRUへ、前記第1のデータを送信するよう構成され、 前記送受信機は、前記基地局へ、前記第2のデータを送信するよう構成された 無線デバイス。」 2.原査定の拒絶理由 原査定の拒絶の理由は、 (拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。を含むものであり、本件補正前の請求項1に対して先願1(2010年(平成22年)5月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年5月29日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願の最先の優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号:特表2012-528494号公報)、その後、特許法184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願)が引用されている。 3.先願発明 先願発明は、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「ア.特許法第29条の2について」の「(イ)先願発明」の項で認定したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「ア.特許法第29条の2について」の「(ア)本願補正発明」で認定した本願補正発明の「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」の下線に係る限定事項を削除し、「媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信する」ものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「ア.特許法第29条の2について」の「(ウ)対比及び判断」に記載したとおり、先願発明と同一であるから、本願発明も先願発明と同一である。 また、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「イ.特許法第36条第6項第1号について」に記載したように、仮に、先願明細書等に「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことが明記されていない以上、「単一の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRの両方を送信する」ことは先願明細書等から読み取ることができないとして、以下検討する。 ここで、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「ア.特許法第29条の2について」の「(ウ)対比及び判断」の「d」について、先願発明では「DL及びULバッファのそれぞれに記憶されるデータ量であるバッファステータスを決定し、バッファステータスからバッファの百分率やデータ量のインジケーションなどのバッファステータス情報を求め、RNからのバッファステータス情報には、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、・・・を含み、バッファステータス情報をメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信」することから、DLバッファステータス情報とULバッファステータス情報をそれぞれメディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)を使用してドナーeNBへ送信することが先願発明では明らかに行われている。したがって、本願発明と先願発明は、「媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(PDU)において、前記基地局へ、前記第1のBSRおよび前記第2のBSRを送信する」ものである点で共通する。そして、その他の本願発明の発明特定事項は、上記「第2 令和5年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の[理由]の「2.補正の適否」の「(2)」の「ア.特許法第29条の2について」の「(ウ)対比及び判断」で判断したように、先願発明と一致しており、かつ、(相違点)については実質的相違点ではない。よって、本願発明と先願発明とは同一である。 以上のことから、本願発明と先願発明とは同一であるから、本願発明は特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、その優先日(2010年4月2日)前の優先日(2009年5月29日)を有する国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号:特表2012-528494号公報)、その後、特許法第184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願の国際出願日における明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者が上記国際特許出願に係る上記発明をした者と同一であるとも、またこの出願の時において、その出願人が上記国際特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第184条の13で読み替えて適用する特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の拒絶の理由及び他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-013149

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