特許拒絶査定不服審判
2023-011068
タイムスイッチ
- 審判番号
- 2023-011068
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-141758
- 請求日
- 2023年07月03日
- 審決日
- 2025年03月26日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】新居 広守
- 【請求人代理人】寺谷 英作
- 【請求人代理人】道坂 伸一
- 審判長/審判官
- 審判長 中塚 直樹
- 審判官 喜々津 徳胤
- 審判官 小島 寛史
- 分類
- P18 .121-WZ (G04G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-141758「タイムスイッチ」拒絶査定不服審判事件〔令和2年1月30日出願公開、特開2020-16618〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、平成30年7月27日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和4年 1月18日付け:拒絶理由通知書
同年 3月 4日 :意見書、手続補正書の提出
同年 7月 5日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 8月22日 :意見書の提出
同年11月24日付け:拒絶理由通知書
令和5年 2月 1日 :意見書、手続補正書の提出
同年 3月22日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 4月 4日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月 3日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年 8月15日付け:拒絶理由通知書(前置審査、最後)
同年10月19日 :意見書の提出
令和6年12月 5日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月 5日 :意見書、手続補正書の提出
2 本願発明について
(1) 本願発明の認定
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年2月5日に提出された手続補正書により補正された請求項1に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
タイムスイッチであって、
負荷及び電源が接続される端子部であって前記負荷及び前記電源のそれぞれを前記タイムスイッチの外側からネジによって固定する構造を有する端子部と、
前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、
現在位置を計測する位置計測部と、
計測された前記現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出し、算出された時刻に前記スイッチ部をオンまたはオフする制御部と、
前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定を受け付ける設定受付部とを備え、
前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われている間、間欠的に起動される
タイムスイッチ。」
(2) 本願発明の分説
検討の便宜上、本願発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Fまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】を元に部材名を記入したもの及び【図2】を掲載する。
<本願明の分説>
X タイムスイッチであって、
A 負荷及び電源が接続される端子部であって前記負荷及び前記電源のそれぞれを前記タイムスイッチの外側からネジによって固定する構造を有する端子部と、
B 前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、
C 現在位置を計測する位置計測部と、
D 計測された前記現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出し、算出された時刻に前記スイッチ部をオンまたはオフする制御部と、
E 前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定を受け付ける設定受付部とを備え、
F 前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われている間、間欠的に起動される
X タイムスイッチ。
<参考図>
【図1】
[図:0001422897000001.jpg]
【図2】
[図:0001422897000002.jpg]
(3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。下線は当合議体が付したものである。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフするタイムスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
タイムスイッチは、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフする装置である。このようなタイムスイッチとして、特許文献1には、日の出時刻及び日の入時刻のデータを内蔵することで、日の入時刻に負荷をオンし、日の出時刻に負荷をオフすることが可能なソーラタイムスイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-269387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ソーラタイムスイッチでは日の出時刻及び日の入時刻があらかじめ準備されたデータによって定められる。このデータでは任意の数に分割された地域ごとに日の出時刻及び日の入時刻が準備されているため、日の出時刻及び日の入時刻の精度が低いことが課題である。
【0005】
本発明は、日の出時刻及び日の入時刻を正確に特定することができるタイムスイッチを提供する。」
「【0030】
[ソーラ機能]
タイムスイッチ10は、オン時刻の設定、及び、オフ時刻の設定として、日の入設定または日の出設定が可能な、いわゆるソーラ機能つきタイムスイッチである。一般的なソーラ機能つきタイムスイッチでは、記憶部15に日付と、日の出時刻及び日の入時刻のそれぞれとが対応付けられた時刻情報があらかじめ記憶される。図4は、時刻情報の一例を示す図である。
【0031】
日の出時刻及び日の入り時刻は、地域によって異なる。そこで、図4に示されるように、時刻情報は、複数の地域(例えば、12種類)のそれぞれについて、365日分の日の入時刻及び日の出時刻の情報を含んでいる。ステップS11の初期設定においてタイムスイッチ10の使用地域が設定されれば、一般的なソーラ機能つきタイムスイッチの制御部16は、時刻情報を参照することにより設定された使用地域の日の出時刻及び日の入時刻を特定することができる。
【0032】
しかしながら、一般的なソーラ機能つきタイムスイッチでは、当該タイムスイッチの現在位置における日の出時刻及び日の入時刻を正確に特定することができないことが課題である。
【0033】
そこで、タイムスイッチ10は、位置計測部19によって計測されるタイムスイッチの現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻が算出される。図5は、タイムスイッチ10のソーラ機能に基づく動作のフローチャートである。
【0034】
まず、位置計測部19は、GPS信号を取得し、取得したGPS信号に基づいて現在位置を計測する(S21)。位置計測部19は、例えば、GPS信号に基づいて、タイムスイッチ10の現在位置の緯度、経度、及び、高度を計測する。
【0035】
次に、制御部16は、位置計測部19によって計測された現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出する(S22)。現在位置(緯度、経度、及び、高度)から日の出時刻及び日の入時刻の算出するための計算アルゴリズムについては、既存の各種計算アルゴリズムが用いられる。そして、制御部16は、算出された時刻にスイッチ部12をオンまたはオフする(S23)。
【0036】
このように、タイムスイッチ10は、位置計測部19によって計測される位置情報に基づく計算により、タイムスイッチ10の現在位置における日の出時刻及び日の入時刻を正確に特定することができる。なお、位置計測部19は、現在位置の情報が必要なときにのみ選択的に(言い換えれば、間欠的に)起動されるとよい。これにより、位置計測部19の動作によって生じる消費電力を抑制することができる。」
3 前置審査における拒絶の理由の概要
前置審査において令和5年8月15日付けで通知された拒絶の理由のうち、本願発明に対する理由1(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
理由1(進歩性の欠如) 本願発明は、その出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開平10-64389号公報(主たる引用文献)
引用文献2.特開平10-153975号公報
引用文献9.特開2004-29037号公報(周知技術を示す文献)
4 引用文献の記載事項及び引用発明等の認定
(1) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定
ア 引用文献1に記載された事項
前置審査において通知された拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開平10-64389号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。なお、当合議体により、後記イの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。
(ア) 【0001】~【0007】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、あらかじめ設定した時刻に負荷をオンまたはオフに制御する電子式タイムスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電子式タイムスイッチは、あらかじめ負荷をオンないしオフに制御する日時を設定しておき、内蔵した時計手段により計時されている現在日時が設定された日時に一致すると負荷をオンまたはオフに制御するものである。また、基本のタイムスイッチの機能に加えて、年間の日出時刻・日入時刻(後述する実施形態では、日出時刻、日入時刻を広義の意味で用いており薄明が消える日暮れ時刻、薄明が現れる夜明け時刻の意味も含むものとする。要するに、太陽の位置によって決まる夕方の所定時刻と朝方の所定時刻とであればよい)を用いることができるようにデータを内蔵することによって、日出時刻・日入時刻を基準にして負荷のオン時刻やオフ時刻を決めることができるようにしたソーラタイムスイッチも提供されている。この種のソーラタイムスイッチは、夜間照明などの制御に用いることができるものであり、日入時刻を基準にして適宜加減した時刻に照明を点灯させ、日出時刻を基準にして適宜加減した時刻に照明を点灯させるというような制御が可能になる。このような制御により、日毎に変化する日出時刻・日入時刻に応じて照明の点灯時刻・消灯時刻を自動的に調節することができるのである。この種のソーラタイムスイッチでは、使用地域(緯度・経度)に応じて日出時刻・日入時刻を補正することができるように構成されている。
…(中略)…
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、各種のタイムスイッチが提供されており、設定したタイムスケジュールの確認が可能になっているものの、いずれもタイムスケジュールの確認は1週間分に制限されており、長期にわたるタイムスケジュールの確認ができないものである。
【0007】本発明は上述の事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、1週間という制限なく設定したタイムスケジュールを確認することができる電子式タイムスイッチを提供することにある。」
(イ) 【0010】~【0014】、【図1】、【図2】
「【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では日出時刻・日入時刻という用語を天空上での太陽の位置に基づいて天文学的に定められる時刻として用いるが、照明負荷を制御する場合には、日出前に薄明が現れる夜明け時刻を日出時刻に代えて用い、日入後に薄明が消える日暮れ時刻を日入時刻に代えて用いるのが望ましい。つまり、周囲が明るければ照明負荷を点灯させる必要はないから薄明があるうちには照明負荷を点灯させる必要がなく、しかも薄明が現れる夜明け時刻と日出時刻との時間差や薄明が消える日暮れ時刻と日入時刻との時間差は季節によって変化するから、日出時刻や日入時刻を基準に用いるよりも夜明け時刻や日暮れ時刻を基準に用いるほうがよい。したがって、日出時刻・日入時刻を夜明け時刻・日暮れ時刻と読み替えることを妨げない。
【0011】図1に示す時計手段1は現在の日時を計時し、比較手段2ではタイムスケジュール記憶手段3にあらかじめ設定された日時と時計手段1により計時されている現在日時とを比較する。比較手段2により両日時の一致が検出されると、タイムスケジュール記憶手段3に日時とともに設定されている負荷6のオン・オフの情報に基づいて負荷制御手段5が負荷6をオンまたはオフに制御する。ここに負荷6は照明負荷を用いている。日出時刻・日入時刻はカレンダ手段4において現在月日に基づいて求められ、タイムスケジュール記憶手段3において日出時刻や日入時刻を用いて負荷6を制御するように設定されている場合には、カレンダ手段4で求めた日出時刻や日入時刻が用いられる。」
「【図1】
[図:0001422897000003.jpg]
」
「【0012】カレンダ手段4は、日本国内を複数地区に分け、各地区ごとに年間の日出時刻および日入時刻の組を各月の奇数日(1日、3日、……)についてのみ記憶するとともに、偶数日の日出時刻および日入時刻を、着目する偶数日(2日、4日、……)の前後の奇数日の日出時刻および日入時刻から求め、日毎の日出時刻および日入時刻を出力するものである。つまり、時計手段1により計時されている現在月日が奇数日であれば記憶しているデータを出力し、偶数日であれば補間したデータを出力するのである。負荷6の制御に際しては日入時刻・日出時刻を用いるほか、日入時刻・日出時刻に適宜時間を加減した時刻を用いることも可能であって、カレンダ時刻設定手段9においてこの処理が可能になっている。つまり、カレンダ時刻設定手段9では日入時刻・日出時刻に適宜の時間を加減算するのであり、加算も減算もしなければ日入時刻・日出時刻そのものを用いることになる。このようにして決定された時刻を以下ではカレンダ時刻という。ここに、カレンダ時刻は年月日、曜日も含む。
【0013】負荷6を制御する時刻としては定時刻を用いることもでき、定時刻を設定するために定時刻設定手段10が設けられている。定時刻設定手段10から入力した定時刻は定時刻記憶手段11に格納される。タイムスケジュール記憶手段3には、負荷6を制御する時刻と、その時刻に負荷6をオンにするかオフにするかの情報が組にしてタイムスケジュールとして登録され、各組が各日ごとに区分されて登録される。また、負荷6を制御する時刻には日出時刻や日入時刻を用いることができるようになっている。負荷6は照明負荷であるから、図2に示すような5種類の動作パターンで制御される(図2では斜線部分が照明負荷の点灯中を示す)。すなわち、図2(a)のように日入時刻に点灯させ日出時刻に消灯させるという動作パターン1と、図2(b)のように日入時刻に点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン2と、図2(c)のように定時刻に点灯させ日出時刻に消灯させる動作パターン3と、図2(d)のように日入時刻に点灯させ夜間で人通りがなくなる定時刻には一旦消灯させ夜明け前の定時刻になると再び点灯させて日出時刻に消灯させるという動作パターン4と、図2(e)のように定時刻から点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン5とがある。つまり、1回分のタイムスケジュールは日入時刻から翌日の日出時刻までの間の負荷6の制御を決めたものとなる。これらの動作パターンはROMないしEEPROMよりなる動作パターン記憶手段7にあらかじめ登録され、各負荷6をどの動作パターンで制御するかは動作パターン選択手段8によって選択するようになっている。」
「【図2】
[図:0001422897000004.jpg]
」
「【0014】しかして、動作パターンによって負荷6をオンにするかオフにするかが決まるから、各動作パターンに応じてカレンダ時刻や定時刻を割り付ければ、負荷6を動作させるタイムスケジュールを決定することができる。ところで、タイムスケジュールは1週間で周期的に設定する用途が多いから、1週間単位でタイムスケジュールを設定できるようにしてある。すなわち、動作曜日設定手段41による曜日の指定が可能であり、指定された曜日は動作曜日記憶手段42に一時的に記憶されるようになっている。」
(ウ) 【0021】~【0022】、【図3】
「【0021】上述したソーラタイムスイッチは、図3に示すように、マイクロコンピュータよりなる信号処理回路20を中心として構成される。つまり、信号処理回路20はCPU、ROM、RAM、各種ポートを備えるものであり、図1の一点鎖線で囲まれた部分を構成する。各機能を実現するためのプログラムはROMに格納され、タイムスケジュール記憶手段3はRAMにより実現される。また、時計手段1は水晶振動子を備えたクロック発振回路21より信号処理回路10に与えられるクロック信号に基づいて計時を行なっている。負荷制御手段5は負荷6の電源供給路に挿入されるリレー22および信号処理回路20から出力される信号に応じてリレーを駆動するリレー駆動回路23とからなる。リレー22は2回路分設けられており、それぞれc接点を備える。つまり、各リレー22は常閉接点端子、常開接点端子、共通接点端子の3個ずつのリレー端子34bを備える。また、動作パターン選択手段8、カレンダ時刻設定手段9、定時刻設定手段10、モニタモード切替手段52、設定日付設定手段54、選択操作手段56は操作部としての複数個のスイッチS1 ~S12を組合わせて構成されている。スイッチS1 ~S12はキーマトリクス部24に接続され、キーマトリクス部24はどのスイッチS1 ~S12が操作されたかを認識して信号処理回路20にスイッチS1 ~S12の操作情報を与える。信号処理回路20には表示手段13として、各種情報に対応して定位置に配置された文字や図形を表示・非表示とすることで各種情報を示すセグメント形表示の液晶表示器25、通電状態および負荷6の動作状態を示す複数個(ここでは3個)の発光ダイオード261 ~263 、信号処理回路20から出力される信号に基づい電源回路28から発光ダイオード261 ~263 への給電をオン・オフさせて発光ダイオード261 ~263 を点灯・消灯制御するためのLED点灯回路27とからなる。」
「【図3】
[図:0001422897000005.jpg]
」
「【0022】内部回路の電源は、電源端子34aに接続される商用電源を降圧整流し定電圧化する電源回路28により供給される。この種の電源回路28は降圧トランスとシリーズレギュレータとを用いて構成することができるが、小型化のためには降圧チョッパ回路を用いたスイッチングレギュレータが望ましい。LED点灯回路27では上述のように、信号処理回路20からの出力信号に応じて電源回路28の出力電圧を用いて発光ダイオード261 ~263 を点灯・消灯させる。また、電源回路28の出力電圧をLED点灯回路27に通した後に、リレー電圧回路29によりリレー駆動用の電圧を得るとともに、VDD電圧回路30により信号処理回路20を駆動する電圧を得るようになっている。信号処理回路20は商用電源の停電時でも時計手段1を動作させなければならないから、停電検出回路31においてVDD電圧回路30の出力電圧の低下を検出すると、停電補償用電池32から信号処理回路20に電源を供給するようにして停電中も時計手段1の計時が停止しないようにしてある。信号処理回路20の電源投入時や何らかの異常が生じてスイッチS1 (後述する)によりリセットが指示されたときには、リセット回路33がリセット処理を行なって信号処理回路20を初期化する。」
(エ) 【0023】~【0029】、【図4】、【図5】
「【0023】上述したソーラタイムスイッチは、図4のような外観を有する器体35を備える。この器体35は、合成樹脂のような絶縁材料により形成された分電盤協約寸法として規格化された寸法および形状を有するものであり、分電盤内にDINレール(断面がコ字状であってコ字状の各脚片に外向きに保持片が延長された形状のレールであって、分電盤内に配置される取付レール)を用いて取り付けたり、分電盤内にねじを用いて取り付けたりすることができるように構成されている。器体35の上面には、図5のように、複数個のスイッチS1~S12が配列されるとともに、表示手段13となる液晶表示器25および発光ダイオード261~263が配置される。また、器体35の一つの側部には端子台36が設けられ、それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34bとが設けられる。電源端子34aは商用電源が接続され、リレー端子34bの各組はそれぞれ1回路ずつの負荷6に対応する。」
「【図4】
[図:0001422897000006.jpg]
【図5】
[図:0001422897000007.jpg]
」
「【0024】ところで、発光ダイオード261 は通電表示用であり商用電源から給電されている間に点灯する。また、発光ダイオード262 ,263 は各負荷6への出力状態を示し、各回路の負荷6をオンにする出力を発生しているときに各回路に対応した発光ダイオード262 ,263 がそれぞれ点灯する。スイッチS1 はボールペンの先のような細い工具を用いて押操作される押釦スイッチよりなるリセットスイッチであって、何らかの異常が生じたときや設定内容をすべて消去するようなときに、リセットスイッチS1 を押操作するとリセット回路33が起動されて信号処理回路20をリセットすることができる。発光ダイオード262 ,263に対応する位置に配置したスイッチS2 ,S3 は3ポジションのスライドスイッチであって、中央位置ではタイムスケジュール記憶部3に設定したタイムスケジュールに従って負荷6を自動的に点灯・消灯させ、一端側の位置では負荷6を連続的に点灯させ、他端側の位置では負荷6を消灯させた状態に保つ。
【0025】他のスイッチS4 ~S12は押釦スイッチであって、モードスイッチS4は信号処理回路20の動作モードを選択する機能を有している。選択可能な動作モードには、時計手段1により計時されている現在設定がタイムスケジュール記憶部3に格納されている時刻に一致すると負荷を制御する通常モードと、時計手段1の現在時刻の時刻合わせを行なうとともにカレンダ手段4からどの地区のデータを使用するかを選択する時計・地区モードと、タイムスケジュール記憶部3に各負荷6に対応する回路ごとのタイムスケジュールを設定する設定モードと、負荷6を平日とは異なるタイムスケジュールで制御させる休日設定モードとがある。つまり、モードスイッチS4 により休日設定モードに切り換えるモード切替手段が実現される。設定モードでは2回路の負荷6にタイムスケジュールを設定するのであり、モードスイッチS4 を押操作することにより負荷6を順次選択できるようになっている。つまり、モードスイッチS4 の1回の押操作によってモードをサイクリックに選択することができるのであり、モードスイッチS4 の押操作毎に通常モード→時計・地区モード→設定モード(第1の負荷)→設定モード(第2の負荷)→休日設定モード→通常モードという順に動作モードを選択することができる。スイッチS8 ~S11は動作モードに応じて異なる機能が割り当てられる。液晶表示器25の上辺には図6のように三角形状のマークM1 ~M5 が配置され、各マークM1 ~M5 は液晶表示器25の周囲で器体35に表記された文字(「通常」「時計・地区」「出力1」「出力2」「休日」)に対応付けられている。したがって、モードスイッチS4 により動作モードを選択すると、その動作モードを示す文字に対応する位置のマークM1 ~M5 のみが表示状態になり、他のマークM1 ~M5 は非表示状態となって動作モードを示す。
【0026】通常モードでは、現在時刻、地区番号がそれぞれ領域D1 ,D2 に表示される。また、負荷6の動作パターンが動作パターン表示領域D3 に表示される。動作パターン表示領域D3 の表示内容については後述する。上述した地区番号は、全国を複数の地区に分割して番号を割り当てたものであり、日本国内を12地区に分割してある。
…(中略)…
【0029】設定モードでは、選択した負荷6に対応する番号がブリンク表示される。ここで、設定スイッチS12の押操作毎に動作パターンが選択される。つまり、設定スイッチS12は動作パターン選択手段として機能する。動作パターンが選択されると、その動作パターンに応じて動作パターン表示領域D3 に配置されている「日入」「定時」「定時」「日出」の各文字が動作パターンに応じて表示・非表示の状態になり、かつ表示されている文字はブリンク表示になる。たとえば、図2(a)に示した動作パターン1が選択されると、図8のように「日入」「日出」の文字のみがブリンク表示されることになる。また、このとき第1の負荷6に対する回路が選択されていることを示すようにマークM3 がブリンク表示される。」
イ 引用文献1から読み取れる事項の認定
引用文献1の【0023】には、「器体35の一つの側部には端子台36が設けられ、それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34bとが設けられる。」と記載されているところ、同【図4】によれば、「それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34b」が器体35の外部に露出して設けられていることが読み取れる。
そうすると、引用文献1には、次の事項(以下「認定事項1」という。)が記載されていると認められる。
<認定事項1>
「器体35の一つの側部には端子台36が設けられ、それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34bとが器体35の外部に露出して設けられていること。」
ウ 引用発明の認定
前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。
<引用発明>
「器体35を備えるソーラタイムスイッチであって、(【0023】)
器体35の上面には、複数個のスイッチS1 ~S12が配列されるとともに、表示手段13となる液晶表示器25および発光ダイオード261 ~263 が配置され、(【0023】)
器体35の一つの側部には端子台36が設けられ、それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34bとが器体35の外部に露出して設けられ、電源端子34aは商用電源が接続され、リレー端子34bの各組はそれぞれ1回路ずつの負荷6に対応するものであり、(認定事項1、【0023】)
負荷制御手段5は、負荷6の電源供給路に挿入されるリレー22および信号処理回路20から出力される信号に応じてリレーを駆動するリレー駆動回路23とからなり、(【0021】)
比較手段2ではタイムスケジュール記憶手段3にあらかじめ設定された日時と時計手段1により計時されている現在日時とを比較し、比較手段2により両日時の一致が検出されると、タイムスケジュール記憶手段3に日時とともに設定されている負荷6のオン・オフの情報に基づいて負荷制御手段5が負荷6をオンまたはオフに制御し、(【0011】)
ここに負荷6は照明負荷を用いており、日出時刻・日入時刻はカレンダ手段4において現在月日に基づいて求められ、タイムスケジュール記憶手段3において日出時刻や日入時刻を用いて負荷6を制御するように設定されている場合には、カレンダ手段4で求めた日出時刻や日入時刻が用いられ、(【0011】)
カレンダ手段4は、日本国内を複数地区に分け、各地区ごとに年間の日出時刻および日入時刻の組を各月の奇数日(1日、3日、……)についてのみ記憶するとともに、偶数日の日出時刻および日入時刻を、着目する偶数日(2日、4日、……)の前後の奇数日の日出時刻および日入時刻から求め、時計手段1により計時されている現在月日が奇数日であれば記憶しているデータを出力し、偶数日であれば補間したデータを出力し、(【0012】)
負荷6を制御する時刻には日出時刻や日入時刻を用いることができるようになっており、負荷6は照明負荷であるから、日入時刻に点灯させ日出時刻に消灯させるという動作パターン1と、日入時刻に点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン2と、定時刻に点灯させ日出時刻に消灯させる動作パターン3と、日入時刻に点灯させ夜間で人通りがなくなる定時刻には一旦消灯させ夜明け前の定時刻になると再び点灯させて日出時刻に消灯させるという動作パターン4と、定時刻から点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン5とからなる5種類の動作パターンで制御され、(【0013】)
これらの動作パターンはROMないしEEPROMよりなる動作パターン記憶手段7にあらかじめ登録され、各負荷6をどの動作パターンで制御するかは動作パターン選択手段8によって選択するようになっており、(【0013】)
設定スイッチS12は、動作パターン選択手段として機能するものであり、(【0029】)
モードスイッチS4 は信号処理回路20の動作モードを選択する機能を有しており、選択可能な動作モードには、時計手段1の現在時刻の時刻合わせを行なうとともにカレンダ手段4からどの地区のデータを使用するかを選択する時計・地区モードがある、(【0025】)
ソーラタイムスイッチ。(【0023】)」
(2) 引用文献2の記載事項及び引用文献2技術事項の認定
ア 引用文献2の記載事項
前置審査において通知された拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開平10-153975号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。
(ア) 【0015】~【0016】、【図2】
「【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。視線誘導標識2a,2b,…は支柱13に矢印などの誘導標1a,1b…を設けたプレート16を取り付けて形成されるものであり、誘導標1a,1b…にはランプやLED等を埋め込んで点灯・消灯されるようにしてある。誘導標1a,1b…の電源としては、商用電源を利用することができるが、蓄電池等を電源とすることもできる。この視線誘導標識2a,2b,…は図2に示すように、急カーブの箇所などにおいて道路12に沿って所定の一定間隔で複数本設置してある。」
「【図2】
[図:0001422897000008.jpg]
」
「【0016】また各視線誘導標識2a,2b,…の支柱13の上端部にはGPSアンテナ15が取り付けてある。各視線誘導標識2a,2b,…の支柱13の下部にはハウジング14が取り付けてあり、ハウジング14内にはGPS受信機3や制御装置4等が内蔵してあって、GPS受信機3には上記のGPSアンテナ15が接続してある。」
(イ) 【0024】
「【0024】次に、請求項4の発明について説明する。誘導標1a,1b,…の点灯・消灯を作動させる時間は、日の出の時間と日の入りの時間を基準に設定するのが最も合理的である。そこで本発明では、GPS信号に基づいて検出される緯度・経度情報などの位置情報がGPS受信機3から制御装置4に入力されると、この位置情報で得られた地点の日の出時間及び日の入り時間を演算するように制御装置4のプログラムを設定してあり、さらにこのように演算された日の出・日の入り時間を基準にして誘導標1a,1b,…の点灯・消灯の作動のオン・オフを制御するように制御装置4のプログラムを設定してある。例えば日の出時間が午前5時、日の入り時間が午後6時と演算されると、午後6時半以降、午前4時半まで誘導標1a,1b,…の点灯・消灯を作動させるように制御し、その他は誘導標1a,1b,…は点灯・消灯の作動をしないように停止させるものである。」
イ 引用文献2技術事項の認定
前記アに摘記した引用文献2の記載事項によれば、引用文献2には、次の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2技術事項>
「支柱13に矢印などの誘導標1a,1b…を設けたプレート16を取り付けて形成される視線誘導標識2a,2b,…であって、(【0015】)
各視線誘導標識2a,2b,…の支柱13の上端部にはGPSアンテナ15が取り付けてあり、各視線誘導標識2a,2b,…の支柱13の下部にはハウジング14が取り付けてあり、ハウジング14内にはGPS受信機3や制御装置4等が内蔵してあって、GPS受信機3には上記のGPSアンテナ15が接続してあり、(【0016】)
GPS信号に基づいて検出される緯度・経度情報などの位置情報がGPS受信機3から制御装置4に入力されると、この位置情報で得られた地点の日の出時間及び日の入り時間を演算するように制御装置4のプログラムを設定してあり、さらにこのように演算された日の出・日の入り時間を基準にして誘導標1a,1b,…の点灯・消灯の作動のオン・オフを制御するように制御装置4のプログラムを設定してある、(【0024】)
視線誘導標識2a,2b,…。(【0015】)」
(3) 引用文献9~11に記載された事項及び周知技術1の認定
ア 引用文献9に記載された事項
前置審査において通知された拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2004-29037号公報(以下「引用文献9」という。)には、次の記載がある。
(ア) 【0001】
「【0001】
この発明は、GPS(グローバル ポジショニング システム)受信機を用いて、絶対時刻に正確に同期した現在時刻を発生する低消費電力の時刻発生装置、及び、時刻発生方法に関する。」
(イ) 【0032】~【0038】、【図4】
「【0032】
図1に対応させて示す図4はこの発明の時刻発生装置の別の一実施例を示すものであり、それぞれ同一の番号を付した装置は同一の機能を果たすと共に、GPS受信機4及びデジタル回路20に電源供給手段42a及び42bを設け、不使用時にはMPU10に結合された電源制御手段40を介して電池30の電源をON-OFF制御して、電池30の消費電力低減を計ったものである。これは通常デジタル回路20及びMPU10が40mA、発信器6及びカウンタモジュール8が2mA程度の消費電力に対し、GPS受信機4が300mAと非常に消費電力が大きいので(各装置の電源電圧は5Vを想定しているが、電源電圧が3V前後に設定できれば、一段と消費電力を節約できることは明らかである。)、絶対時刻の同期調整が終了したら直ちにGPS受信機4の電源をオフすると、電池の消耗を大幅に低減でき、特に携帯型装置用時刻発生装置として有用である。」
「【図4】
[図:0001422897000009.jpg]
」
「【0033】
図4の時刻発生装置の動作を図5のフローチャートを参照して説明すると、先ず、MPU10からGPS受信機4に対し、別の手段で入手した大まかな現在位置及び絶対時刻を入力し、図3と同様な処理を実行して、正確な現在位置の測位データを入手すると共に、GPS絶対時刻との同期をとる(ステップS20)。
【0034】
そして、図2(B)に示す次のCPパルス受信チェック期間t3内に、GPS受信機4からCPパルスを入力したら、GPS時刻データ+1を基準時間として記憶手段14に更新・格納すると共に、直ちに電源制御手段40にGPS受信機4の電源断指令PG1を出力する(ステップS22)。更に、発振器6の周波数安定精度(例えば、0.1ppm乃至10ppm)に応じて、次の電源投入時刻を計算し(例えば、0.1ppm精度であれば150分後、また10ppm精度であれば100秒であるが、通常は、1ppm精度で3~6時間間隔で電源投入すると十分である。)、タイマのMPU起動用タイマ8へ次の電源投入割込発生時刻を設定し、電源制御手段40を介して、デジタル回路20の電源もオフする(ステップS22)。その後、MPU10は省電力モードへ移る(ステップS24)。この状態では発振器6及びカウンタモジュール8のみが作動しているので、消費電源は約2mAと1/150以下に節約できる。
【0035】
かくして、上述の電源再投入時刻に至ると、タイマ8からタイマ割込が発生し、MPU10に再起動がかかる(ステップS26)。MPU10は再起動されると、先ずデジタル回路20及びGPS受信機4の電源を電源制御手段40を介して再投入する(ステップS28)。続いて、MPU10はGPS受信機4からのCPパルス入力待ちとなり(ステップS30)、CPパルスが到達すると、次のCPパルス到達迄の時間間隔をチェックするためのソフトウェアモノマルチルーチンを起動させると共に、GPS受信機4から時刻データTDが出力された場合には(ステップS32)、このGPS時刻データをMPU10へ読込む(ステップS34)。
【0036】
かくして、所定のチェック期間t3内に次のCPパルスが到達すると(ステップS36)、リセット手段12を介してハード的にカウンタモジュール8の計時用カウンタがリセットされ、再びカウントが開始されると共に、MPU10から電源制御手段40を介して直ちにGPS受信機4の電源供給がカットされ、ステップS34で読込んだGPS時刻データ+1が基準時間として記憶手段14に更新格納される(ステップS38)。
【0037】
続いて、他の処理があるか否かチェックし(ステップS40)、有る場合には、基準時間及びカウンタ値から現在時刻を演算すると共にセンサ入力等他の処理を実行する(ステップS42)。その後、ステップS22と同様に、次の電源投入時刻を演算してタイマ8の再起動用タイマへ設定した後、デジタル回路20の電源供給をカットし(ステップS44)、ステップS24へ移り、MPU10の省電力モードへ移る。
【0038】
以下、ステップS24乃至S44の処理を繰り返す。かかる電源制御手段により、GPS絶対時間に同期した絶対時刻を高精度で長時間、最小の消費電力で維持することが可能となり、特に、電池容量に制限のある携帯型装置において有効な時刻発生方法である。尚、上述のフローチャートにおいてステップS28のGPS受信機への電源投入からステップS38のGPS受信機電源断迄の期間は通常30秒乃至2分程度である。」
イ 引用文献10に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2017-163965号公報(以下「引用文献10」という。)には、次の記載がある。
(ア) 【0001】
「【0001】
本発明は、海底に沈設されたアンカー体に係留索を介し係留され、海中の中層領域に浮遊する魚礁本体に漂流通知装置が取り付けられた漂流通知装置付き中層浮魚礁に関する。」
(イ) 【0052】~【0069】、【図16】
「【0052】
次に、本発明に係る漂流通知装置付き中層浮魚礁1において、漂流通知装置5の通信処理部52の動作の一例を説明する。
【0053】
図16は、漂流通知装置5における制御部52cの動作を示すフローチャートである。なお、図16に示す動作は、通信処理部52が陸上の管理局等からの制御信号によって動作を変更する前の一例であって、通信処理部52は、陸上の管理局等からの制御信号によって図16に示す動作とは異なる動作も実行できる。」
「【図16】
[図:0001422897000010.jpg]
」
「…(中略)…
【0058】
これらのことから、本発明に係る漂流通知装置付き中層浮魚礁1は、スリープ状態にある所定時間T1が経過する毎に衛星通信部52bを起動して、数分程度の所定時間T2内で通信衛星への接続動作に入り、その接続可否から、漂流通知装置付き中層浮魚礁1が海中で係留索3によりアンカー体2に係留されている状態であるか、あるいは係留索3等が切断され浮上して海上を漂流している状態であるかの判定を通信処理部52だけで行うため、従来のような海面に浮上した際に作動する圧力センサーやフロート等が不要となり、その分だけ製造コストを低減できると共に、故障の発生を低減することができる。
【0059】
しかも、本発明に係る漂流通知装置付き中層浮魚礁1では、所定時間T2内に衛星通信部52bが通信衛星と接続できない場合(中層浮魚礁1が正常に海中で係留されている場合)に海中制御モードを実行して、消費電力の大きいGPS受信機52aを起動させないため、電源部53の電池53aの消耗を抑えることができる。
…(中略)…
【0066】
その後、ステップS200の所定時間T3が経過すると、スリープ動作が解除され、制御部52cは、GPS受信機52aを起動する(ステップS210)。そして、GPS衛星からのGPS信号によりGPS測位データを生成、すなわちGPS信号を受信できるか否かを判定し(ステップS220)、GPS測位データを生成できた場合には(ステップS220“YES”)、GPS測位データを含む浮上メッセージを作成する(ステップS230)。一方、GPS測位データを生成できない場合には(ステップS220“NO”)、GPS測位データを含まない浮上メッセージを作成して(ステップS240)、GPS受信機52aを停止させる(ステップS250)。
【0067】
そして、制御部52cは衛星通信部52bを起動して(ステップS160)、ステップS230,S240のいずれかの処理によって作成した浮上メッセージを衛星通信により陸上の管理局等へ送信し(ステップS170)、その後はステップS180以降の処理が繰り返される。これにより、海上を漂流する中層浮魚礁1の現在の位置情報が、所定時間T3毎に通信処理部52から陸上の管理局等に送信されることになる。
…(中略)…
【0069】
また、本発明に係る漂流通知装置付き中層浮魚礁1は、係留索3が切断等され海上に浮上して衛星通信部52bが通信衛星と接続した場合は、海上(浮上)制御モードにより、所定時間T3毎に浮上メッセージを作成すると共に、GPS受信機52aを起動してGPS測位データを生成するように制御するため、消費電力が大きいGPS受信機52aの起動が必要最小限で済み、電源部53の電池53aの消耗を極力抑えることができる。」
ウ 引用文献11に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2014-107587号公報(以下「引用文献11」という。)には、次の記載がある。
(ア) 【0034】
「【0034】
[電力消費低減のためのGPSモジュール50等の作動状態の制御]
GPS作動制御部37は、GPSモジュール50の消費電力を低減するために、GPSモジュール50よりも電力消費が小さい検出部、すなわち加速度センサ40やジャイロセンサ41、Wi-Fi通信による位置演算部34により得られた情報に基づき、GPSモジュール50の作動状態を制御する。通常、GPSモジュール50は、受信電波から航法メッセージを取り出すためのハードウェアや位置演算のための電力消費が、上記各検出部よりも大きいものである。このため、各検出部により得られた情報に基づき、GPSモジュール50の作動は不要であると判断したときに、GPSモジュール50の作動状態の制御として、GPSモジュール50の作動頻度を低下、または停止させることができれば、GPSモジュール50の消費電力を低減することができる。(後略)」
(イ) 【0042】~【0045】、【図7】
「【0042】
[フローチャート]
図7は、GPS作動制御部37により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。図7のフローチャートは、例えば、所定周期で繰り返し実行される。」
「【図7】
[図:0001422897000011.jpg]
」
「【0043】
まず、GPS作動制御部37は、地図アプリが起動しているか否かを判定する(ステップS200)。地図アプリが起動している場合、地図アプリ制御部35がGPSモジュール50等の作動状態を制御するため、GPS作動制御部37は、何も処理を行わず、図7のフローチャートを終了する。なお、地図アプリは、GPSを使用するアプリの一例であり、GPSを使用する他のアプリ等が起動している場合にも、何も処理を行わず、図7のフローチャートを終了してよい。
【0044】
地図アプリが起動していない場合、GPS作動制御部37は、携帯電話1の位置に変化が生じたか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202の判定は、例えば、上記(判定方法1)~(判定方法4)のいずれか又は組み合わせに基づいて行われる。携帯電話1の位置に変化が生じていないと判定された場合、GPS作動制御部37は、GPSモジュール50の作動頻度を低下させ、または停止させる(ステップS204)。作動頻度を低下させる場合、GPS作動制御部37は、前述のように、例えば5分程度おきに作動しているGPSモジュール50を、例えば、30分おき、1時間おき程度の作動頻度に低下させる。
【0045】
一方、携帯電話1の位置に変化が生じたと判定された場合、作動制御部37は、GPSモジュール50を通常頻度で作動させる(ステップS206)。「通常頻度で作動させる」とは、例えば、前述した5分程度おきに作動させることを意味する。」
エ 周知技術1の認定
前記ア~ウに示した引用文献9~11の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、本願の出願前に当業者にとって周知の技術(以下「周知技術1」という。)であったと認められる。
<周知技術1>
「GPS受信機は、消費電力の大きいものであるため、GPS受信機の使用が必要なときにのみ起動し、使用の必要がなくなれば停止させることにより、消費電力を低減すること。」
5 本願発明と引用発明の対比
(1) 対比分析
本願発明と引用発明を対比する。
ア 構成Xの観点(タイムスイッチについて)
「タイムスイッチ」の発明である本願発明と「ソーラタイムスイッチ」の発明である引用発明は、「タイムスイッチ」の発明である点で一致する。
イ 構成Aの観点(端子部について)
(ア) 構成Aは、「負荷及び電源が接続される端子部であって前記負荷及び前記電源のそれぞれを前記タイムスイッチの外側からネジによって固定する構造を有する端子部」を備えることである。
(イ) 引用発明の「それぞれ1回路ずつの負荷6に対応する」「リレー端子34bの各組」、「商用電源が接続され[る]」「電源端子34a」は、それぞれ本願発明の「負荷」「が接続される端子部」、「電源が接続される端子部」に相当する。
また、引用発明は、「器体35の一つの側部には端子台36が設けられ、それぞれねじ付きの端子である2個の電源端子34aと3個ずつ2組のリレー端子34bとが器体35の外部に露出して設けられ[る]」ものであるから、「電源端子34a」及び「2組のリレー端子34b」は、いずれも器体35の外側からネジによって固定する構造を有するものといえる。
(ウ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。
「負荷及び電源が接続される端子部であって前記負荷及び前記電源のそれぞれを前記タイムスイッチの外側からネジによって固定する構造を有する端子部」を備える点。
ウ 構成Bの観点(スイッチ部について)
(ア) 構成Bは、「前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部」を備えることである。
(イ) 前記構成Bについて、本願明細書の段落【0012】には「タイムスイッチ10は、設定受付部13を通じて設定されたタイムスケジュールにしたがって、端子部11に接続された負荷(図示せず)及び電源(図示せず)の電気的な接続をオン及びオフする(以下、単に「負荷をオン(オフ)する」とも記載される)装置である。…」と記載されており、これを踏まえると、前記構成Bは「前記負荷」と「前記電源」の間の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部であることが明らかである。
(ウ) 引用発明は、「負荷制御手段5が負荷6をオンまたはオフに制御[する]」ものであり、「負荷制御手段5は、負荷6の電源供給路に挿入されるリレー22および信号処理回路20から出力される信号に応じてリレーを駆動するリレー駆動回路23とからな[る]」ものであるから、前記イの対比を踏まえると、引用発明の「負荷6の電源供給路に挿入されるリレー22および信号処理回路20から出力される信号に応じてリレーを駆動するリレー駆動回路23」は、本願発明の「前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部」に相当する。
(エ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。
「前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部」を備える点。
エ 構成Cの観点(位置計測部について)
(ア) 構成Cは、「現在位置を計測する位置計測部」を備えることである。
(イ) 引用発明は、本願発明の構成Cに相当する構成を備えていないから、本願発明と引用発明は、次の点において相違する。
本願発明においては、「現在位置を計測する位置計測部」を備えるのに対して、引用発明においては、「位置計測部」に相当する構成を有しない点。
オ 構成Dの観点(制御部について)
(ア) 構成Dは、「計測された前記現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出し、算出された時刻に前記スイッチ部をオンまたはオフする制御部」を備えることである。
(イ)a 引用発明の「カレンダ手段4」は、「日本国内を複数地区に分け、各地区ごとに年間の日出時刻および日入時刻の組を各月の奇数日(1日、3日、……)についてのみ記憶するとともに、偶数日の日出時刻および日入時刻を、着目する偶数日(2日、4日、……)の前後の奇数日の日出時刻および日入時刻から求め、時計手段1により計時されている現在月日が奇数日であれば記憶しているデータを出力し、偶数日であれば補間したデータを出力[する]」ものであるところ、「モードスイッチS4 」により「選択可能な動作モード」には、「時計手段1の現在時刻の時刻合わせを行なうとともにカレンダ手段4からどの地区のデータを使用するかを選択する時計・地区モード」があるから、どの地区の「日出時刻および日入時刻の組」のデータを用いるかは、使用者がソーラタイムスイッチの設置された現在位置に基づき「モードスイッチS4」を用いて設定するものであることは明らかである。
b また、引用発明において、「偶数日の日出時刻および日入時刻」については、「着目する偶数日(2日、4日、……)の前後の奇数日の日出時刻および日入時刻から求め[る]」から、「算出」ということができる。
c そうすると、本願発明と引用発明は、「現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出」するものである点において共通する。
(ウ) そして、引用発明は、「負荷6を制御する時刻には日出時刻や日入時刻を用いることができるようになっており」、動作パターンには、例えば「日入時刻に点灯させ日出時刻に消灯させるという動作パターン1」が含まれるから、日出時刻や日入時刻にリレー22(スイッチ部)をオン又はオフするものといえる。
(エ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、構成Dの観点において次のaの点において一致し、後記bの点において相違する。
a 構成Dの観点での一致点
「現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出し、算出された時刻に前記スイッチ部をオンまたはオフする制御部」を備える点。
b 構成Dの観点での相違点
本願発明においては、「日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出[する]」ことが、「計測された前記現在位置」に基づくものであるのに対して、
引用発明においては、「位置計測部」に相当する構成を有しないから、現在位置も計測されたものではない点。
カ 構成Eの観点(設定受付部について)
(ア) 構成Eは、「前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定を受け付ける設定受付部」を備えることである。
(イ)a ここで、構成Eの「オン時刻の設定」及び「オフ時刻の設定」の意味について検討すると、本願明細書の【0026】及び【0028】には、次の記載がある。
「【0026】
オン時刻の設定の選択肢には、日の入設定、及び、定時設定の2つが含まれる。日の入設定は、日の入時刻にスイッチ部12がオンする設定である。定時設定は、ユーザ指定の時刻にスイッチ部12がオンする設定である。」
「【0028】
オフ時刻の設定の選択肢には、日の出設定、及び、定時設定の2つが含まれる。日の出設定は、日の出時刻にスイッチ部12がオフする設定である。定時設定は、ユーザ指定の時刻にスイッチ部12がオフする設定である。」
b これらの記載によれば、構成Eの「オン時刻の設定」には、スイッチ部がオンする時刻の設定として、日の出設定、及び、定時設定のいずれかを選択することが含まれ、同「オフ時刻の設定」には、スイッチ部がオフする時刻の設定として、日の出設定、及び、定時設定のいずれかを選択することが含まれるといえる。
(ウ) 前記(イ)bの理解を前提に検討を進めると、引用発明は、「日入時刻に点灯させ日出時刻に消灯させるという動作パターン1と、日入時刻に点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン2と、定時刻に点灯させ日出時刻に消灯させる動作パターン3と、日入時刻に点灯させ夜間で人通りがなくなる定時刻には一旦消灯させ夜明け前の定時刻になると再び点灯させて日出時刻に消灯させるという動作パターン4と、定時刻から点灯させ定時刻に消灯させる動作パターン5とからなる5種類の動作パターンで制御され[る]」ものであるところ、「各負荷6をどの動作パターンで制御するかは動作パターン選択手段8によって選択するようになって[いる]」ものである。
ここで、引用発明においては、点灯、すなわち、リレー22(スイッチ部)をオンにするタイミングを日入時刻にするか定時刻にするかの選択と、消灯、すなわち、リレー22(スイッチ部)をオフにするタイミングを日出時刻にするか定時刻にするかの選択との組合せが、動作パターンとしてまとめて設定される構成となっており、本願発明のように、「前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定」及び「前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定」をそれぞれ「受け付ける」構成とは相違するが、両発明は、「前記スイッチ部がオンするオン時刻、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻に関する設定」がなされる点において共通する。
(エ) そして、引用発明において、「設定スイッチS12は、動作パターン選択手段として機能するもの」であるから、「動作パターン選択手段として機能する」「設定スイッチS12」は、「設定を受け付ける設定受付部」ということができる。
(オ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、構成Eの観点において次のaの点において一致し、後記bの点において相違する。
a 構成Eの観点での一致点
「前記スイッチ部がオンするオン時刻、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻に関する設定を受け付ける設定受付部」を備える点。
b 構成Eの観点での相違点
本願発明においては、「設定受付部」が「前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定」及び「前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定」をそれぞれ「受け付ける」ものであるのに対して、
引用発明においては、リレー22(スイッチ部)をオンにするタイミングを日入時刻にするか定時刻にするかの選択と、リレー22(スイッチ部)をオフにするタイミングを日出時刻にするか定時刻にするかの選択との組合せが、動作パターンとしてまとめて設定されるものである点。
キ 構成Fの観点(位置計測部の起動について)
(ア) 構成Fは、「前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われている間、間欠的に起動される」ことである。
(イ) 引用発明は、本願発明の構成Fに相当する構成を備えていないから、本願発明と引用発明は、次の点において相違する。
本願発明においては、「前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われている間、間欠的に起動される」ものであるのに対して、
引用発明においては、「位置計測部」に相当する構成を有しない点。
(2) 一致点及び相違点
前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明は、次のアに示す一致点において一致し、後記イに示す相違点において相違すると認められる。
ア 一致点
「タイムスイッチであって、
負荷及び電源が接続される端子部であって前記負荷及び前記電源のそれぞれを前記タイムスイッチの外側からネジによって固定する構造を有する端子部と、
前記端子部に接続された前記負荷及び前記電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、
現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出し、算出された時刻に前記スイッチ部をオンまたはオフする制御部と、
前記スイッチ部がオンするオン時刻、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻に関する設定を受け付ける設定受付部とを備える、
タイムスイッチ」である点。
イ 相違点
(ア) 相違点1
本願発明においては、「現在位置を計測する位置計測部」を備え、「日の出時刻及び日の入時刻の少なくとも一方を算出[する]」ことが「計測された前記現在位置」に基づくものであり、「前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われている間、間欠的に起動される」ものであるのに対して、
引用発明においては、「位置計測部」に相当する構成を有しない点。
(イ) 相違点2
本願発明においては、「設定受付部」が「前記スイッチ部がオンするオン時刻の設定」及び「前記スイッチ部がオフするオフ時刻の設定」をそれぞれ「受け付ける」ものであるのに対して、
引用発明においては、リレー22(スイッチ部)をオンにするタイミングを日入時刻にするか定時刻にするかの選択と、リレー22(スイッチ部)をオフにするタイミングを日出時刻にするか定時刻にするかの選択との組合せが、動作パターンとしてまとめて設定されるものである点。
6 判断
(1) 相違点1について
ア 前記4(2)イにおいて認定した引用文献2技術事項は、「視線誘導標識2a,2b,…」において、「GPS信号に基づいて検出される緯度・経度情報などの位置情報がGPS受信機3から制御装置4に入力されると、この位置情報で得られた地点の日の出時間及び日の入り時間を演算するように制御装置4のプログラムを設定してあり、さらにこのように演算された日の出・日の入り時間を基準にして誘導標1a,1b,…の点灯・消灯の作動のオン・オフを制御するように制御装置4のプログラムを設定してある」との構成を含むものである。
ここで、引用文献2技術事項の「GPS受信機3」、「緯度・経度情報などの位置情報」「で得られた地点」、「日の出時間及び日の入り時間」は、それぞれ本願発明の「位置計測部」、「現在位置」、「日の出時刻及び日の入時刻」に相当する。
そして、引用発明と引用文献2技術事項は、現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻を算出し、算出された日の入時刻又は日の出時刻に点灯又は消灯するという機能において共通するものである。
また、引用発明は、「日本国内を複数地区に分け、各地区ごとに年間の日出時刻および日入時刻の組を各月の奇数日(1日、3日、……)についてのみ記憶する」というものであって、一定の広さを有する地区内の日の出時刻及び日の入時刻は同じものとされているため、日の出時刻及び日の入時刻が正確なものでないという課題を内在することは、当業者にとって自明といえる。
イ 一方、前記4(3)エにおいて周知技術1として認定したとおり、次の技術事項は、本願の出願前に周知の技術であった。
「GPS受信機は、消費電力の大きいものであるため、GPS受信機の使用が必要なときにのみ起動し、使用の必要がなくなれば停止させることにより、消費電力を低減すること。」
ウ そうすると、引用発明において、正確な日の出時刻及び日の入時刻を算出するとの観点から、引用文献2技術事項を適用して、GPS受信機(位置計測部)を設け、GPS受信機により計測された現在位置に基づいて日の出時刻及び日の入時刻を算出し、算出された時刻に点灯(リレー22(スイッチ部)をオン)又消灯(リレー22をオフ)するようにするとともに、その際に、周知技術1を採用して、GPS受信機の使用が必要なときにのみGPS受信機を起動するように、すなわち、日の入時刻に点灯するか日の出時刻に消灯する設定が行われている間に選択的に(言い換えれば、間欠的に)起動するように構成して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2) 相違点2について
引用発明において、リレー22(スイッチ部)をオンにするタイミングを日の入時刻にするか定時刻にするかの選択と、リレー22(スイッチ部)をオフにするタイミングを日の出時刻にするか定時刻にするかの選択を、それぞれ別に設定するか、これらの選択の組合せを動作パターンとしてまとめて設定するかは、当業者が適宜選択できる設計事項にすぎない。
したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得た程度のことである。
(3) 総合評価
前記(1)及び(2)において検討したとおり、引用発明において、前記相違点1及び2に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
7 請求人の主張について
(1) 意見書における請求人の主張内容
請求人は、令和5年10月19日に提出した意見書において、概略次の主張をしている。
引用文献9は、時刻発生装置に関する文献であり、引用文献9に記載の技術は、タイムスイッチとは技術分野が異なることから、引用文献1-2に組み合わせる動機はない。
そして、引用文献9には、GPS受信器を現在時刻の時刻補正時のみオンすることの開示しかないことから、仮に引用文献9を引用文献1-2に組み合わせることができたとしても、得られる発明は、引用文献1-2から得られる装置において、現在時刻の時刻補正時のみGPS受信器をオンする発明であって、本願発明のように、「前記位置計測部は、日の入時刻に前記スイッチ部がオンする日の入設定、または、日の出時刻に前記スイッチ部がオフする日の出設定が行われたときに起動される」という構成(構成Fに対応する構成)を備える発明は得られない。
(2) 請求人の主張についての検討
引用文献9は、前記4(3)において周知技術1が本願の出願前に周知の技術であったことを例示するために引用したものであるところ、周知技術1は、GPS受信機の消費電力の低減に係るものであって、時刻発生装置などの特定の応用分野に限られるものではない。周知技術1が本願の出願前に周知の技術であったことは、前記4(3)イ及びウに摘記した引用文献10及び引用文献11の記載事項によっても裏付けられる。
そして、前記6(1)において説示したとおり、構成Fを含む相違点1に係る本願発明の構成は、引用発明に対して引用文献2技術事項及び周知技術1を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものである。
したがって、請求人の前記(1)の主張は採用できない。
8 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-011068