特許拒絶査定不服審判
2023-009032
有効気密封止状態で基板を受け入れる容器
- 審判番号
- 2023-009032
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-017618外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年06月01日
- 審決日
- 2024年04月15日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-Z (G03F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2021- 17618「有効気密封止状態で基板を受け入れる容器」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年11月18日出願公開、特開2021-179595〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年2月5日(パリ条約による優先権主張2020年5月14日、米国、2021年1月12日、米国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
令和 4年 1月11日付け:拒絶理由通知書
令和 4年 5月10日 :意見書、手続補正書の提出
令和 4年 8月 2日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和 4年11月 4日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年 1月26日付け:拒絶査定
令和 5年 6月 1日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~37に係る発明は、令和4年11月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~37に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項13の記載は次のとおりである(以下、その請求項13に係る発明を「本願発明」という。)。
<本願発明>
「【請求項13】
基板を収容する容器であって、
頂部水平面を備えた基部と、
少なくとも1つのフィルタチャネルおよび貯蔵空間を備えた蓋とを有し、前記蓋は、前記基部に接触し、前記貯蔵空間および前記頂部水平面は、前記基板を収容するための収容空間を構成し、前記蓋と前記基部との間には、前記頂部水平面を包囲し、それにより前記収容空間を封止する少なくとも1つの接触インターフェースが形成され、前記接触インターフェースは、0.08mm未満の隙間を有する、容器。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の最先の優先日前に頒布された刊行物である、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1に記載された発明に基づいて、その最先の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という内容を含むものである。
引用文献1:特開2018-120221号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献に記載された事項
原査定が引用した引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審が付した。)。
「【技術分野】
【0001】
本願発明はフォトマスクポットであって、とりわけ二重収容構造を有する極紫外線フォトマスクポッド関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年半導体製造技術が飛躍的に進歩しており、その中でもフォトリソグラフィ技術が重要な役割を果たしている。フォトリソグラフィ技術は設計された回路を特定の形状でフォトマクスを透過できるようし製作し、フォトマクス上のパターンをウエハ上に光源投影した後、ウエハによって特定のパターンを露光する。
【0003】
フォトリソグラフィ過程中において、例えば埃や粉塵或いは有機物などの、フォトマスクに付着した微粒子は投影画質を劣化させてしまう。特に近年の業界の傾向はより小型で高論理密度のチップの開発に向けられており、リソグラフィ装置によって使用される光波長は極紫外線(Extreme Ultraviolet Light,EUV)範囲にまで進んでおり、フォトマスク上の微粒子の数、粒子サイズ、更にはフォトマスクが収容されているフォトマスクポッドの清浄度など、これはより厳しい要求をされている。
【0004】
一般的に、半導体制作過程では抗汚染フォトマスクポッドを使用してフォトマスクを保存及び搬送することで、フォトマスクの清浄度を維持しており、通常フォトマスク或いは他の半導体部品用の容器は、SMIF標準(Standard Mechanical Interface, SMIF)に適した清浄度を要求される。しかしながら従来のフォトマスクポッドでは、たとえ管理された環境下であっても、気圧の変化或いは、容器移動によって内部の空気を乱し、微粒子をフォトマスクと容器との間まで移動し、フォトマスク上へ付着させてしまい、フォトマスクへの微粒子及び汚染の防止を効果的に提供することが出来ない。」
「【0018】
図1を参照すると、本願発明に係る実施例における極紫外線フォトマスクポッドの分解立体図を示している。極紫外線フォトマスクポッド1は、極紫外線フォトマスクRを容置するために用いられ、前記極紫外線フォトマスクポッド1は、外部ケース10と内部ケース20とを包括し、前記外部ケース10は、互いに対応するケース上部11とケース下部12とを包含し、収容空間13を定義しており、前記内部ケース20を収容するために用いられる。
【0019】
実施例に係る前記外部ケース10は、前記ケース上部11と前記ケース下部12とはおおよそ長方形であり、両者が当接する際、密閉状態を形成でき、前記外部ケース10と収容空間13を区別するために用いられる。前記ケース上部11と前記ケース下部12とは、一つ或いは複数のバルブ(図示していない)を包括することができ、且つ前記バルブの位置に対応して、濾紙などの濾過材を設置し、気体が収容空間13を進入或いは退去する際、気体の清潔度を保つために用いられる。前記ケース上部11は、前記ケース上部11と前記ケース下部12が当接する際、両者を対応する位置に、或いは前記内部ケース20を正しい位置に導くために用いる複数の導引部(図示していない)を包含することもできる。前記ケース下部12は、前記内部ケース20を支持するために用いる複数個の支持部(図示していない)を包含することもできる。これらの部品は必要に応じて配置することができ、本願発明はこれに制限されない。
【0020】
図1と図2を参照すると、図2は図1中のベース立体図を開示している。本願発明に係る実施例において、前記内部ケース20は、ベース21及び上蓋22を包含している。前記ベースは上表面210と枠縁215とを有し、前記枠縁215は前記ベース21の側壁であって、前記上表面210を連接且つ囲繞している。前記上表面210は前記ベース21が前記上蓋22に向かって上向きの表面であり、複数個の凸出する定位部214を設けている。
【0021】
前記定位部214は、前記ベース21と異なる素材からできており、例えば前記ベース21をアルミ或いはその他の金属または合金から作成し、前記定位部214は耐摩プラスチック等の低微粒子材料から製作される。前記定位部214は例えば、固着する方法によって前記ベース21上に固定することができ、且つ前記上表面210から突出している。その他に、前記定位部214は長方形の前記極紫外線フォトマスクRの四つ角に対応して配置し、前記極紫外線フォトマスクRの位置を導引するために各前記定位部214は導引斜面を有することができる。前記定位部214の位置により、前記ベース21上に前記極紫外線フォトマスクRのフォトマスク搭載位置23を定義することができる。しかしながら、前記定位部214の構造、数量、固定方式、配置方法は図2に開示している状態に限らず、前記ベース21上に前記フォトマスク搭載位置23を定義できるものであれば、本願発明に係る前記定位部214に属する。
【0022】
前記ベース21にある前記上表面210は、搭載面211と、スリット212と第一接面213とを包含し、本願発明に係る実施例において、前記搭載面211と、前記スリット212と、前記第一接面213は、前記上表面210の内側から前記枠縁215に向かって配置されている。つまり、前記上表面210の中心から外に向かって前記搭載面211、前記スリット212、前記第一接面213の順で設置される。前記極紫外線フォトマスクRは前記フォトマスク搭載位置23に設置するために用いられ、前記搭載面211上に搭載される。前記スリット212は、連続環状構造であって、且つ前記スリット212の底部は前記搭載面211より低い。本願実施例において、前記搭載面211はおおよそ平面であり、前記スリット212は完全連続に前記搭載面211を囲繞して周りを囲うような前記スリット212を形成しており、図2を参照すると、前記第一接面213は完全連続に前記スリット212の外側を囲繞している。
【0023】
図2と図3を参照すると、図3は図1に係る内部ケース及び極紫外線フォトマスクの部分断面図を開示している。図3は、内部ケース20及び収納されている極紫外線フォトマスクRの部分断面図を示しており、図3の左側は前記搭載面211中央位置に近い側であり、図3の右側は前記内部ケース20の縁(つまりは前記枠縁215の近い位置)としている。前記上表面210は中心から外(図3の左側から右側)へ前記搭載面211、前記スリット212、第一接面213の順に設置されている。前記第一接面213は前記搭載面211より低く、前記スリット212の底部は前記第一接面213よりも低い。前記スリット212は、下方に凹む構造であり、前記スリット212の底部からすると、前記スリット212と前記搭載面211とが連接する側壁の高さが、前記スリット212と前記第一接面213とが連接する側壁の高さより高い。その他に、前記スリット212の両側の側壁と底部の間はR角(丸角)設計ではなく、鋭角であり、実際応用する際も、R角(丸角)はあまり使用されない。
【0024】
前記スリット212は、微粒子を捕獲或いは収容するために設計であり、更に詳細に言うと、前記スリット212内の微粒子が気体によって浮上した際、前記スリット212と前記搭載面211とが連接する側壁により阻まれ、前記搭載面211上に移動しづらいため、前記搭載面211と前記極紫外線フォトマスクRとの間に微粒子が入ることを防ぎ、前記搭載面211上が微粒子によって汚染させることを低減している。もう一つのメリットは、実際の製造において前記第一接面213と第二接面223の気密性が生産の問題(例えば表面処理のミス)により、気密性不足に至ることを考慮している点である。その為、上述の状況が発生した場合、実施例に係る前記スリット212の両側にある側壁に高低差がある特性に基づき、例えば前記第一接面213と前記第二接面223が要求されているチミ性に達し得なかった場合、前記第一接面213と前記第二接面223との間に極小な導引通路を形成し、微粒子を自ら前記スリット212内に引導して収容することで、前記搭載面211と前記極紫外線フォトマスクRの領域に進入することを防いでいる。
・・・略・・・
【0027】
続いて実施例における前記内部ケース20にある前記上蓋22について説明すると、図6と図7を参照すると、図6は、図1に係る上蓋の立体斜視図である。図7は、図1に係る上蓋のもう一つの斜視立体図である。前記上蓋22は、前記ベース21と当接するために用いられ、且つ凹チャンバー221と第二接面223を有している。前記凹チャンバー221は、前記極紫外線フォトマスクRを収容するために用いられ、前記第二接面223と前記第一接面213は互いに当接し、図3のように密閉状態を形成するために用いられる。本実施例において、前記第二接面223と前記第一接面213は水平であって、前記ベース21と前記上蓋22が当接する際、密閉状態にすることができる。
・・・略・・・
【0031】
本実施例に係る前記上蓋22は吸気口226を設け、且つ前記吸気口226に対応して濾過材を設けている。前記吸気口226は前記凹チャンバー221内に気体を入れるために用いられ、気体が前記凹チャンバー221に流入した際、前記搭載面211の外周にある前記スリット212に向かって微粒子を連動することができ、微粒子は前記スリット212或いは前記収容溝216内に捕獲または収容される。」
図1、図2、図3及び図7は、以下のとおりである。
[図:0001413895000001.jpg]
[図:0001413895000002.jpg]
[図:0001413895000003.jpg]
2 引用発明の認定
上記1によれば、引用文献1には、実施するための形態(図2、図3及び図7)に記載された内部ケースについて、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、参考までに、引用発明の認定に用いた引用文献の記載に係る段落番号等を括弧内に付してある。
<引用発明>
「極紫外線フォトマスクRを容置するために用いられる極紫外線フォトマスクポッド1が包括する内部ケース20であって、(【0018】)
前記内部ケース20は、ベース21及び上蓋22を包含し、前記ベースは上表面210と枠縁215とを有し、(【0020】)
前記ベース21にある前記上表面210は、搭載面211と、スリット212と第一接面213とを包含し、極紫外線フォトマスクRは前記搭載面211上に搭載され、前記搭載面211はおおよそ平面であり、前記スリット212は完全連続に前記搭載面211を囲繞して周りを囲うような前記スリット212を形成しており、前記第一接面213は完全連続に前記スリット212の外側を囲繞し、(【0022】)
前記上蓋22は、前記ベース21と当接するために用いられ、且つ凹チャンバー221と第二接面223を有し、前記凹チャンバー221は、前記極紫外線フォトマスクRを収容するために用いられ、前記第二接面223と前記第一接面213は互いに当接し、密閉状態を形成するために用いられ、前記ベース21と前記上蓋22が当接する際、密閉状態にすることができ、(【0027】)
前記上蓋22は吸気口226を設け、且つ前記吸気口226に対応して濾過材を設けている、(【0031】)
内部ケース20。(【0020】)」
第5 本願発明と引用発明との対比・判断
1 対比、一致点及び相違点の認定
(1)本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりである。
ア 本願発明の「基板を収容する容器であって、」「容器」との特定事項について
引用発明の「内部ケース20」は、本願発明の「容器」に、相当する。
また、本願の明細書【0002】の「レチクル用の基板」との記載に照らせば、本願発明の「基板」は、レチクル用の基板も含むと解され、引用発明の「極紫外線フォトマスクR」を容置するために用いられる極紫外線フォトマスクポッド1の「内部ケース20」は、本願発明の「基板を収容する容器」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備えている。
イ 本願発明の「頂部水平面を備えた基部と、」との特定事項について
引用発明の「ベース21」は、本願発明の「基部」に相当する。
引用発明の「ベース21」にある「上表面210」は、「搭載面211」「を包含し、」「搭載面211はおおよそ平面であ」ることから、引用発明の「上表面210」の「平面である」「搭載面211」は、本願発明の「頂部水平面」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備えている。
ウ 本願発明の「少なくとも1つのフィルタチャネルおよび貯蔵空間を備えた蓋とを有し、」との特定事項について
引用発明の「凹チャンバー221」は、前記極紫外線フォトマスクRを収容するために用いられるから、本願発明の「貯蔵空間」に、
引用発明の「上蓋22」は、本願発明の「蓋」に、
それぞれ相当する。
そして、引用発明の「上蓋22」は「吸気口226を設け、吸気口226に対応して濾過材を設けている」ことから、吸気口226は、濾過材を通して気体を流通させるための経路にあたるといえ、本願発明の「フィルタチャネル」に相当する。
そうすると、引用発明の「吸気口226を設け、」「凹チャンバー221」「を有」する「上蓋22」は、本願発明の「少なくとも1つのフィルタチャネルおよび貯蔵空間を備えた蓋」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備えている。
エ 本願発明の「前記蓋は、前記基部に接触し、前記貯蔵空間および前記頂部水平面は、前記基板を収容するための収容空間を構成し、前記蓋と前記基部との間には、前記頂部水平面を包囲し、それにより前記収容空間を封止する少なくとも1つの接触インターフェースが形成され、」との特定事項について
(ア)引用発明の「前記上蓋22は、前記ベース21と当接する」は、本願発明の「前記蓋は、前記基部に接触し」に相当する。
(イ)引用発明の「前記凹チャンバー221は、前記極紫外線フォトマスクRを収容するために用いられ、」「極紫外線フォトマスクRは前記搭載面211上に搭載され」ることは、上蓋22の「凹チャンバー221」及びベース21の「搭載面211」は、紫外線フォトマスクRを収容するための空間を構成するといえるから、本願発明の「前記貯蔵空間および前記頂部水平面は、前記基板を収容するための収容空間を構成し」に相当する。
(ウ)引用発明の「第一接面213」は、搭載面211を囲繞しており、「前記第二接面223と前記第一接面213は互いに当接し」ているから、「上蓋22」の「第二接面223」と「ベース21」の「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域が「搭載面211を包囲している」といえる。
そうすると、引用発明の「上蓋22」の「第二接面223」と「ベース21」の「第一接面213」が「互いに当接し」ていることは、本願発明の「前記蓋と前記基部との間には、前記頂部水平面を包囲」する「少なくとも1つの接触インターフェースが形成され」に相当する。
また、引用発明が「前記第二接面223と前記第一接面213は互いに当接し、密閉状態を形成する」ものであることは、本願発明の「接触インターフェース」が「前記収容空間を封止する」ことに相当する。
(エ)上記(ア)~(ウ)から、引用発明は、上記特定事項を備えている。
オ 本願発明の「前記接触インターフェースは、0.08mm未満の隙間を有する、」との特定事項について
上記エによれば、本願発明と引用発明は、「接触インターフェースが形成され」る点で共通するものの、本願発明は「接触インターフェースは、0.08mm未満の隙間を有する」のに対し、引用発明はそうであるか不明である。
(2)以上によれば、本願発明と引用発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。
【一致点】
「基板を収容する容器であって、
頂部水平面を備えた基部と、
少なくとも1つのフィルタチャネルおよび貯蔵空間を備えた蓋とを有し、前記蓋は、前記基部に接触し、前記貯蔵空間および前記頂部水平面は、前記基板を収容するための収容空間を構成し、前記蓋と前記基部との間には、前記頂部水平面を包囲し、それにより前記収容空間を封止する少なくとも1つの接触インターフェースが形成される、容器。」
【相違点】
接触インターフェースは、本願発明は「0.08mm未満の隙間を有する」のに対し、引用発明はそうであるか不明である。
2 判断
(1)相違点について
ア 引用発明は「極紫外線フォトマスクR」を収容する「容器」に関する発明であって、「第二接面223と」「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域を有するところ、部材の表面には、精密に研磨しても微細な凹凸が存在することが技術常識であるから、第二接面223と第一接面213が互いに当接して密閉空間を形成している場合に、上蓋22の「第二接面223」とベース21の「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域に、所定の隙間ができていると考えるのが自然である。このことは、引用文献1の【0005】において、「本願発明は、連続環状構造のスリットを利用し、微粒子を捕獲或いは収容することで、微粒子がフォトマスク及び搭載面の間に移動すること低減、或いは微粒子がフォトマスク上に移動し、汚染をする機会を低減している。」と記載され、微粒子がフォトマスク及び搭載面の間に移動することが皆無ではないことが説明されていることとも整合する。そうである以上、「第二接面223と」「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域の隙間をできるだけ小さくし、微粒子がフォトマスク及び搭載面の間に移動することを低減することが当然に求められるから、引用発明から出発した当業者は、「第二接面223と」「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域の隙間をできるだけ小さくするという課題を認識できるといえる。
イ 一方、フォトマスクを収容する容器において、50~100nmの大きさの汚染粒子を通さないようにすることは、周知の課題解決の方向性(必要ならば、特開2005-109497号公報(特に、【0031】)、特開2009-141108号公報(特に、【0002】及び【0003】)を参照されたい。)であり、上記アの課題を認識している当業者は、同じ技術分野に属する上記の周知の課題解決の方向性に従い、引用発明において、「第二接面223と」「第一接面213」が「互いに当接し」ている領域の隙間の大きさを、50~100nmの大きさの汚染粒子をできるだけ通さないような大きさにして、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得た設計的事項といえる。
(3)本願発明の効果について
上記相違点を総合的に勘案しても、本願発明の作用効果は、本願発明の構成が奏するものとして、引用発明の奏する作用効果に基づいて予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(4)請求人の主張について
請求人は、本発明では、基部と蓋の接触面の構造的特徴として「平坦度」を定めることで、技術的な解決策を得たのであるが、引用文献1には、接触面の「平坦度」を定めるための有用な手段等に関する開示も示唆もない旨主張する。
しなしながら、本願発明は「平坦度」を特定しているものではないので、当該主張は、本願発明に基づかないものである。
(5)小括
以上によれば、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
上記のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-009032