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特許拒絶査定不服審判

2023-005742

リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法

審判番号
2023-005742
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-561476外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年04月10日
審決日
2024年04月01日
公報発行日
2024年06月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G03F) / P18 .537-Z (G03F) / P18 .575-Z (G03F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-561476「リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月25日国際公開、WO2020/130005〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)12月18日(先の出願に基づく優先権主張 平成30年12月20日)を国際出願日とする出願であって、令和4年8月12日に手続補正がされ、同年10月19日付けの拒絶理由の通知に対し、同年11月22日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和5年1月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年4月10日に審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正前の請求項1に係る発明 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、次のとおりである。 「 金属除去用フィルターカートリッジに通液する工程、及び微粒子除去用フィルターカートリッジに通液する工程を含む、リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法であって、前記金属除去用フィルターカートリッジが、 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、不織布層A及び不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D-グルカミン基、イミノジ酢酸基、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基からなる群より選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルターカートリッジである、リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法。」 (2)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、次のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。 「 金属除去用フィルターカートリッジに通液する工程、及び微粒子除去用フィルターカートリッジに通液する工程を含む、リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法であって、 前記リソグラフィー用塗布膜形成組成物は、重量平均分子量800以上のポリマー及び有機溶媒を含み、前記有機溶媒中の金属濃度は0.5ppb以下であり、 前記金属除去用フィルターカートリッジが、 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、不織布層A及び不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D-グルカミン基、イミノジ酢酸基、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基からなる群より選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルターカートリッジである、 リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「リソグラフィー用塗布膜形成組成物」について、「重量平均分子量800以上のポリマー及び有機溶媒」を含むこと、及び、有機溶媒中の金属濃度が「0.5ppb以下」であるとする限定を付加するものである。これにより、「リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法」の範囲が減縮されているといえる。そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 3 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に記載したとおりのものである。 4 引用文献 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の先の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された引用文献である、特開2018-167223号公報(平成30年11月1日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。なお、発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。 (ア)特許請求の範囲 「【請求項1】 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルターカートリッジ。」 (イ)技術分野 「【0001】 本発明は、不織布を積層又は巻き付けたフィルターカートリッジ及びフィルターに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、電子工業界における半導体製造技術の進歩により、集積回路の配線ピッチの設計寸法が十数nmにまで小さくなってきている。集積回路の微細化により動作速度の向上や消費電力の低下が進む傾向にある。集積回路の製造過程において、薬液中に含まれる金属不純物は、配線の短絡や電流値の低下を引き起こし、歩留まり低下の原因になるため、薬液を高純度化する必要がある。このような金属不純物を除去する手段として、蒸留やイオン交換樹脂が用いられているが、蒸留では、コストが高く、イオン交換樹脂では、処理速度が遅いことや、溶出物による汚染という問題を有している。従来から溶液中の金属を吸着除去するためのデプス型カートリッジフィルターは知られている。特許文献1には、孔をあけた中空パイプにメルトブローン不織布を巻き付けて使用することが提案されている。本出願人の一部は、特許文献2において、イオン交換基をグラフト重合させた繊維で構成される不織布と、非グラフト重合させた繊維で構成される不織布とを積層したカートリッジフィルターを提案している。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特表平11-504853号公報 【特許文献2】 特開2009-090259号公報」 (ウ)発明が解決しようとする課題 「【0005】 本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ及びフィルターを提供する。」 (エ)発明の効果 「【0008】 本発明によれば、積層又は巻き付けタイプのフィルターカートリッジであって、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることにより、金属の吸着除去効率が高い濾過用基布とすることができる。」 (オ)実施例 「【0032】 以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。 … 【0038】 (実施例1、比較例1) <金属溶液の調製> ナカライテスク社製用途別特製試薬のニクロム酸カリウム標準液(1000ppm)を超純水で希釈し、1000ppbの金属溶液(Cr=1000ppb、K=2000ppb)を調製した。 <通液・サンプリング> 図3に示すようにチューブポンプを用いて、フィルターに金属溶液(ニクロム酸カリウム)を3.1mL/minで通液し、基材通過後の溶液を100mLのPFAボトルにサンプリングした。 本実施例及び比較例は、Kに対する金属除去性能を検討した。 (SCK→IDECr)と(IDECr→SCK)の官能基複合型フィルターの金属除去率を図4に示す。この結果から、KとCrが混在する溶液系でKを除去する場合は、SC単独基でKを除去するよりも、あらかじめIDE基でCrを除去し、その後にSCでKを除去する(IDECr→SCK)方が、高い除去率を示すことが分かった。 … 【0044】 以上の実施例及び比較例を考察すると、官能基複合型フィルターにおいて、基材の積層順序の影響を調査した結果、官能基の吸着対象でない金属を減少させてから、吸着対象である金属を吸着するような積層順序にすると、金属除去性能が向上することが分かった。一つの推測としては、官能基の吸着対象である金属に対して、吸着対象でない金属が少ない程、官能基と対象金属の接触確率が上がることが考えられる。」 合議体注:図3及び図4は次のものである。 [図:0001410941000001.jpg] イ 引用文献1に記載された発明 上記記載事項(ア)及び記載事項(ウ)に基づけば、引用文献1には、請求項1に係る発明として、次の発明(以下「引用発明」という。が記載されているものと認められる。 「 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、下流側に位置する不織布層A及び上流側に位置する不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D‐グルカミン基、イミノ二酢酸基(イミノジ酢酸基)、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基から選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成される、 金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ。」 (2)引用文献2 ア 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の先の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2017/191767号(2017年11月9日国際公開。以下「引用文献2」という。)には、以下の記載事項がある。なお、引用文献2に記載された技術的事項の認定に用いた箇所に下線を付した。 (ア)技術分野 「[0001]本発明は、リソグラフィープロセスにおいて、塩基性過酸化水素水溶液に対する耐性に優れた保護膜を形成するための組成物に関する。さらに前記保護膜を適用してパターンを形成する方法に関する。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「[0006]塩基性過酸化水素水溶液に対する耐性を、従来よりも更に向上させた保護膜の要求は、近年ますます強まっている。本発明は、塩基性過酸化水素水溶液に対する耐性を有する保護膜を形成するための新規な組成物、及び当該保護膜を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。」 (ウ)課題を解決するための手段 「[0007]本発明の発明者は、アミノプラスト系架橋剤を除いた特定の架橋剤と、当該特定の架橋剤と反応する置換基を含む重量平均分子量が800以上である化合物との組み合わせを見出し、上記課題を解決することができた。すなわち、本発明の第一態様は、グリシジル基、末端エポキシ基、エポキシシクロペンチル基、エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基、ビニルエーテル基、イソシアネート基及びブロックイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1分子中に2つ以上有する架橋剤、下記式(1)で表される基を側鎖又は末端に有し重量平均分子量が800以上である化合物、及び有機溶剤を含む、塩基性過酸化水素水溶液に対する保護膜形成組成物である。 [化1] [図:0001410941000002.jpg] (式中、X1は前記架橋剤と反応する置換基を表し、R0は直接結合又は炭素原子数1又は2のアルキレン基を表し、X2は炭素原子数1又は2のアルキル基、炭素原子数1又は2のアルコキシ基、又はフルオロ基を表し、aは0乃至2の整数を表し、bは1乃至3の整数を表し、bが2又は3を表すとき-R0-X1で表される基は互いに異なってもよく、cは0乃至4の整数を表し、cが2、3又は4を表すときX2で表される基は互いに異なってもよく、bとcは1≦(b+c)≦5の関係式を満たす。) [0008]前記保護膜形成組成物は、前記式(1)で表される基を側鎖又は末端に有し重量平均分子量が800以上である化合物に代えて、下記式(2)で表される基を側鎖又は末端に有し重量平均分子量が800以上である化合物を含むものであってもよい。 [化2] [図:0001410941000003.jpg] (式中、R1は直接結合又は炭素原子数1乃至8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、X1は前記架橋剤と反応する置換基を表す。)」 (エ)発明の効果 「[0016]本発明の保護膜形成組成物から形成される保護膜は、塩基性過酸化水素水溶液に対する耐性を有する。特に、グリシジル基、末端エポキシ基、又はエポキシシクロヘキシル基を1分子中に2つ以上有する架橋剤を用いた保護膜形成組成物から形成される保護膜は、塩基性過酸化水素水溶液に対し優れた耐性を有する。そのため、本発明の保護膜形成組成物から形成される保護膜は、塩基性過酸化水素水溶液を用いたエッチングプロセス及び洗浄プロセスにおけるマスクとして使用できる。」 (オ)発明を実施するための形態 「[0017]本発明の保護膜形成組成物に含まれる成分について、以下に詳細を説明する。 [0018][重量平均分子量が800以上である化合物] 本発明の保護膜形成組成物は、前記式(1)で表される基又は前記式(2)で表される基を側鎖又は末端に有し、重量平均分子量が800以上である化合物を含む。… [0022][架橋剤] 本発明の保護膜形成組成物は、グリシジル基、末端エポキシ基、エポキシシクロペンチル基、エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基、ビニルエーテル基、イソシアネート基及びブロックイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を、1分子中に2つ以上有する架橋剤を含む。… [0036]本発明の保護膜形成組成物は、上記各成分を、有機溶剤に溶解させることによって調製でき、均一な溶液状態で用いられる。… [0037]調製した保護膜形成組成物は、孔径が例えば0.2μm又は0.1μmのフィルター及び/又は0.01μmのフィルターを用いてろ過した後、使用することが好ましい。」 (カ)実施例 「[0046]以下、本発明について実施例によってさらに具体的に説明する。… [0050]<実施例1> ポリパラヒドロキシスチレン(日本曹達(株)製,商品名:VP-8000)0.50gに、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.52g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート7.68g、及びブロックイソシアネート樹脂(エボニックジャパン(株)製,商品名:VESTANAT〔登録商標〕B1358/100)0.30gを添加し、溶液とした。その溶液を、孔径0.02μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過することで、保護膜形成組成物を調製した。前記ポリパラヒドロキシスチレンのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は約11,000であった。…」 イ 引用文献2に記載された発明/技術的事項 上記記載事項(ア)、(ウ)、(オ)に基づけば、引用文献2には、以下の技術的事項が記載されているものと認められる。 「架橋剤、重量平均分子量が800以上である化合物、及び有機溶剤を含む、リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物を、各成分を有機溶剤に溶解させることによって調製し、孔径が0.2μm又は0.1μmのフィルター及び/又は0.01μmのフィルターを用いてろ過した後、使用すること。」 (3)周知技術を示す引用文献 ア 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由で周知技術を示す文献として引用され、本願の先の出願前に頒布された引用文献である、特開2013-92686号公報(平成25年5月16日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。なお、周知技術等の認定に用いた箇所に下線を付した。以下の文献でも同様である。 (ア)技術分野 「【0001】 本発明は、リソグラフィー用レジスト組成物の製造方法、具体的には、塗布欠陥及びパターン欠陥等の欠陥の発生を減少させることのできるリソグラフィー用レジスト組成物の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。この流れに沿って、フォトレジスト組成物に使用する樹脂は、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められたため、i線、KrF、ArFへの変化に対し、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂へと変化してきている。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「【0010】 本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、塗布欠陥及びパターン欠陥等の欠陥の発生を減少させることのできるリソグラフィー用レジスト組成物の製造方法を提供することを目的とする。」 (ウ)課題を解決するための手段 「【0011】 上記課題を解決するため、本発明は、リソグラフィー用レジスト組成物の製造方法であって、少なくとも、リソグラフィー用レジスト組成物をフィルターでろ過する工程を含み、該ろ過工程において、前記フィルターが設置されている容器内を減圧下に保持した後、前記フィルターに前記リソグラフィー用レジスト組成物を通過させることを特徴とするリソグラフィー用レジスト組成物の製造方法を提供する。 【0012】 このような製造方法によれば、ろ過工程において溶存ガスを除去することができ、塗布欠陥及びパターン欠陥等の欠陥の発生を減少させることのできるリソグラフィー用レジスト組成物を提供することができる。 【0013】 また、前記ろ過工程において、前記フィルターを前記容器内に設置した後、該容器内を洗浄液で洗浄し、その後容器内を減圧下に保持することが好ましい。 【0014】 このように洗浄を行うことで、フィルター容器内等に存在する微粒子を洗い流すことにより、得られるリソグラフィー用レジスト組成物の品質をより一層向上させることができる。 【0015】 また、前記リソグラフィー用レジスト組成物として、レジスト保護膜形成用組成物、フォトレジスト組成物、EUV用レジスト組成物、EB用レジスト組成物、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物、及び有機レジスト下層膜形成用組成物のいずれかを用いることができる。 【0016】 このように、本発明は、種々公知のレジスト組成物を製造する際に適用することができ、有用である。」 (エ)発明の効果 「【0017】 以上説明したように、本発明のリソグラフィー用レジスト組成物の製造方法によれば、フィルター内に存在するガスがろ過工程中に組成物に溶解することを防ぐことができるので、本発明により製造される組成物を用いれば、塗布欠陥及びパターン欠陥等の欠陥の発生を減少させることができる。特に、除粒子径が50nm以下のフィルターでは、被処理液体をフィルターに通液するだけではフィルター中に存在する全ての微細孔に液を満たすことができないため、残留したガスが組成物に同伴してフィルターから抜け出し、そのまま基板上に塗布され泡状の塗布欠陥として観測されるが、本発明によればこれを防ぐことができる。更に、本発明におけるろ過工程を、製品充填の直前に行うことで、製造工程中のガスの溶け込みを最小限にすることが可能であり、この製造方法で得られる組成物を塗布して形成された塗布膜は、気泡由来の欠陥の発生を確実に抑制することが可能である。そのため、製造プロセスの歩留まりも向上する。」 (オ)発明を実施するための形態 「【0022】 以下に、本発明について更に詳しく説明する。 本発明のリソグラフィー用レジスト組成物の製造方法は、少なくとも、リソグラフィー用レジスト組成物をフィルターでろ過する工程を含み、該ろ過工程において、前記フィルターが設置されている容器内を減圧下に保持した後、前記フィルターに前記リソグラフィー用レジスト組成物を通過させることを特徴とする。 【0023】 本発明の製造方法は、公知のいずれのレジスト組成物を製造する際にも適用することができ、このときのリソグラフィー用レジスト組成物としては、液浸露光プロセスで用いられるレジスト保護膜形成用組成物、UV光やエキシマレーザー、X線、電子ビーム等で露光を行う場合に使用される高エネルギー線感応型のレジスト膜形成用組成物(フォトレジスト組成物、EUV用レジスト組成物、EB用レジスト組成物等)、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物、有機レジスト下層膜形成用組成物等を例示することができる。 【0024】 このとき使用されるフィルターは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂等の材質のものが好ましく、プリーツタイプや中空糸タイプ等が例示される。 … 【0027】 次に、本発明の形態を、図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 図1は、本発明の製造方法に用いられる装置の一例である。この装置は、タンク1、送液ポンプ2、フィルター容器3、真空ポンプ4、及びこれに付属する配管(図示されていない配管を含む)、バルブ(弁)(図示されていないバルブを含む)等から構成されている。」 合議体注:図1は次のものである。 [図:0001410941000004.jpg] 「【0028】 まず、フィルター容器3内に、レジスト組成物のろ過に使用されるフィルターをセットした後、フィルター容器3の前後(フィルター容器3とこれに付属する配管との間)を遮断し、真空ポンプ4で排気してフィルター容器3内を真空にする。 … 【0032】 フィルター容器3内を減圧下に保持した後、タンク1にあるリソグラフィー用レジスト組成物を、送液ポンプ2を使ってフィルター容器3に通過させることにより、フィルター容器3の中にガスが存在しない状態(フィルター内に残存しているガスを除去した状態)でレジスト組成物をろ過することができる。 【0033】 このようにろ過したリソグラフィー用レジスト組成物は、その後すぐに製品容器5に充填してもよいが、リソグラフィー用レジスト組成物中の微粒子等をより確実に除去する等の目的により、図に示すように、フィルター容器3でのろ過後のろ液が、タンク1に戻るようにして配管内で循環ろ過を行うこともできる。循環ろ過を行う場合には、液中パーティクルカウンターで液中の微粒子数が一定数量以下(微粒子数の変化がほぼ一定)になったところで、弁を切り替えて製品容器5に製品(リソグラフィー用レジスト組成物)を充填すればよい。」 イ 引用文献4の記載事項 原査定の拒絶の理由で周知技術を示す文献として引用され、本願の先の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された引用文献である、国際公開第2016/158863号(2016年10月6日出願公開。以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。 (ア)技術分野 「[0001] 本発明は、感光性着色樹脂組成物、およびこれを用いた耐熱性着色樹脂膜とその製造方法に関する。さらに詳細には、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下ELと記す。)素子の絶縁層、有機EL素子を用いた表示装置の駆動用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下TFTと記す。)基板の平坦化膜、回路基板の配線保護絶縁膜、固体撮像素子のオンチップマイクロレンズや各種ディスプレイ・固体撮像素子用平坦化膜、および回路基板用ソルダーレジストなどに適した、耐熱性着色樹脂膜およびこれを形成するための感光性着色樹脂組成物に関する。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「[0007] 本発明では、400nm以上の可視光領域における光透過率の低減と、波長領域350nm~450nm、特にg線(436nm)、h線(405nm)、およびi線(365nm)とを含むブロードバンドでの露光に対する高感度化を実現する感光性着色樹脂組成物と、これを用いた耐熱性着色樹脂膜の提供を目的とする。」 (ウ)課題を解決するための手段 「[0008] すなわち本発明は、アルカリ可溶性樹脂(a)、感光性化合物(b)、波長400nm以上490nm未満の範囲に吸収極大を持つ化合物(c)とを含有し、前記感光性化合物(b)が感光性化合物(b1)を含み、前記感光性化合物(b1)が、波長350nm以上450nm以下の範囲における最大吸収波長を波長350nm以上390nm以下の範囲に有する感光性着色樹脂組成物である。」 (エ)発明の効果 「[0013] 本発明によれば、400nm以上の可視光領域における光透過率を低減し、露光光源として一般に用いられる波長領域350nm~450nm、特にg線(436nm)、h線(405nm)、およびi線(365nm)とを含むブロードバンドと呼ばれる波長に対して高感度な感光性着色樹脂組成物を提供することができる。そのため、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いることで、耐熱性着色樹脂膜の製造工程におけるスループットを向上できる。」 (オ)発明を実施するための形態 「[0015] 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明は、アルカリ可溶性樹脂(a)、感光性化合物(b)、波長400nm以上490nm未満の範囲に吸収極大を持つ化合物(c)とを含有し、前記感光性化合物(b)が感光性化合物(b1)を含み、前記感光性化合物(b1)が、波長350nm以上450nm以下の範囲における最大吸収波長を波長350nm以上390nm以下の範囲に有する感光性着色樹脂組成物である。 [0016] 本発明の感光性着色樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(a)を含有する。 … [0019] 本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(a)として具体的には、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、アルカリ可溶性基を有するラジカル重合性モノマーを含む重合体、シロキサンポリマー、環状オレフィン重合体、およびカルド樹脂などが挙げられる。 … [0053] 本発明で用いられるフェノール樹脂の好ましい重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で2,000~50,000の範囲にあることが好ましく、3,000~30,000の範囲にあることがより好ましい。分子量が2,000以上の場合は、パターン形状、解像度、現像性、耐熱性に優れ、分子量が50,000以下の場合は、十分な感度を保つことができる。 … [0061] アルカリ可溶性基を有するラジカル重合性モノマーを含む重合体の好ましい重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いポリスチレン換算で、好ましくは2,000~100,000、より好ましくは3,000~50,000、特に好ましくは5,000~30,000である。重量平均分子量が2,000以上であれば、パターン形状、解像度、現像性、耐熱性が良好となり、また重量平均分子量が100,000未満だと現像性、感度が維持できる。 … [0071] シロキサンポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィ)で測定されるポリスチレン換算で1,000以上であれば、塗膜性が向上するため好ましい。一方、現像液に対する溶解性の観点からは100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。 … [0092] 本発明の感光性着色樹脂組成物は、感光性化合物(b)を含有する。 … [0095] 本発明においては、感光性化合物(b)は、波長350nm以上450nm以下の範囲における最大吸収波長を波長350nm以上390nm以下の範囲に有する化合物(b1)を必須成分として含有する。 … [0124] 本発明の感光性着色樹脂組成物は、波長400nm以上490nm未満の範囲に吸収極大を持つ化合物(c)を含有する。 … [0180] 本発明の感光性着色樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、…などの極性の非プロトン性溶媒、…などのエーテル類、…などのケトン類、…などのエステル類、…などのアルコール類、…などの芳香族炭化水素類等が挙げられる。」 「[0181] 次に、本発明の感光性着色樹脂組成物の製造方法について説明する。 [0182] 本発明の感光性着色樹脂組成物を構成する成分である、前記アルカリ可溶性樹脂(a)、感光性化合物(b)、化合物(c)と、必要により化合物(d)、化合物(e)、熱架橋剤、フェノール性水酸基を有する化合物、熱酸発生剤、密着改良剤、接着改良剤、界面活性剤、溶剤などを混合することにより、感光性着色樹脂組成物を得ることができる。… [0183] 得られた感光性着色樹脂組成物は、濾過フィルターを用いて濾過し、ゴミや粒子を除去することが好ましい。フィルター孔径は、例えば0.5μm、0.2μm、0.1μm、0.05μm、0.02μmなどがあるが、これらに限定されない。濾過フィルターの材質には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン(NY)、ポリテトラフルオロエチエレン(PTFE)などがあるが、ポリエチレンやナイロンが好ましい。」 ウ 引用文献5の記載事項 本願の先の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された引用文献である、特開2016-206500号公報(平成28年12月8日出願公開。以下「引用文献5」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。 (ア)特許請求の範囲 「【請求項1】 半導体装置製造工程で使用されるリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を、金属吸着剤及びろ過器を具備する製造装置を用いて製造する方法であって、 (1)前記リソグラフィー用塗布膜形成用組成物で使用される溶媒を前記製造装置に導入する工程、 (2)前記溶媒を前記製造装置内で循環させて、前記金属吸着剤で金属不純物を吸着させる工程、 (3)前記循環させた溶媒に前記リソグラフィー用塗布膜形成用組成物の原料を加え、均一化させ、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物を調製する工程、及び (4)該調製したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を前記製造装置内で循環させて、前記ろ過器で微小異物を除去する工程 を含むことを特徴とするリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法。」 (イ)技術分野 「【0001】 本発明は、半導体装置等の製造工程における微細加工に用いられるリソグラフィー用塗布膜形成用組成物、特には多層レジスト法に使用されるレジスト上層膜形成用組成物、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物、有機下層膜形成用組成物を製造する方法に関する。」 (ウ)発明が解決しようとする課題 「【0008】 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、エッチング欠陥の原因となる金属不純物が大幅に低減されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法を提供することを目的とする。」 (エ)発明の効果 「【0038】 以上のように、本発明のリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法であれば、エッチング欠陥の原因となる金属不純物が大幅に低減されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造することが可能となる。このような方法で製造したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を使用することで、多層レジスト法によってドライエッチングプロセスでパターンを転写する際に発生するエッチング欠陥を大幅に低減することが可能である。従って、本発明の方法で製造したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物は、特に、液浸露光、ダブルパターニング、有機溶媒現像等を行う多層レジスト法によるパターン形成方法に好適であり、このようなパターン形成方法に本発明の方法で製造したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を用いることで、最終的には半導体装置の製造上の歩留まりを改善することができる。」 (オ)発明を実施するための形態 「【0040】 近年の半導体装置の回路パターンの微細化により、レジスト上層膜パターンの微細化も進行し、多層レジストプロセスで使用されるすべてのリソグラフィー用塗布膜として、従来よりもエッチング欠陥の少ないリソグラフィー用塗布膜が要求されるようになった。特に、半導体装置製造用基板の回路部分に直接触れる有機下層膜や、形成したパターンを下の膜に転写するためのマスクとなるレジスト上層膜とケイ素含有レジスト下層膜では、金属不純物起因のエッチング欠陥を可能な限り減らすことが要求されている。 【0041】 本発明者らは、エッチング欠陥の原因であるリソグラフィー用塗布膜中に含まれる金属不純物の由来を鋭意調査したところ、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物の原材料だけでなく、環境や装置由来の金属不純物が、エッチング欠陥の原因となる場合が多いことを見出した。 【0042】 そこで本発明者らは、このような欠陥を低減するための検討を重ね、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造する前に金属不純物を吸着できる金属吸着剤を具備した製造装置に、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物に使用される溶媒を導入し、循環させることで、溶媒と製造装置内の金属不純物を除去した後、その溶媒にリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造するための原材料を投入し、ろ過することにより、エッチング欠陥の原因となる金属不純物が大幅に低減されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 … 【0045】 <リソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法> まず、図1に本発明のリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法の工程フローの一例を示す。図1のフロー図に示される方法では、まず、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物で使用される溶媒を製造装置に導入する(図1の(1))。次に、溶媒を製造装置内で循環させて、金属吸着剤で金属不純物を吸着させる(図1の(2-1))。次に、循環させた溶媒の一部を分取して、溶媒中の金属不純物の含有量を測定し、清浄度を検査する(図1の(2-2))。検査の結果、所望の清浄度が得られていなければ、溶媒の循環を繰り返す。所望の清浄度まで金属不純物を除去できていれば、循環させた溶媒にリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の原料を加え、均一化させ、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物を調製する(図1の(3))。次に、調製したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造装置内で循環させて、ろ過器で微小異物を除去する(図1の(4))。」 合議体注;図1は次のものである。 [図:0001410941000005.jpg] 「【0046】 [製造装置] またここで、図2に本発明のリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造方法で使用される製造装置の一例を示す。図2の製造装置は、溶媒やリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を貯蔵する調製タンク1と、調製タンク1に具備される撹拌機2及び供給口3、溶媒やリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を循環させる送液ポンプ4、金属不純物を吸着するための金属吸着剤5、微小異物を除去するためのろ過器6a及び6b、製造されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を充填する製品容器7、並びにこれらを接続するチューブ等から構成されている。更にこの製造装置は、調製タンク1からの溶媒やリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の供給をせき止めるタンクバルブV1、製造されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製品容器7に充填する際に開ける抜出バルブV2、溶媒やリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を循環させる際に開ける循環バルブV3、溶媒やリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を金属吸着剤に通液させる際に開ける金属吸着剤バルブV4、金属吸着剤を循環流路から切り離す金属吸着剤バイパスバルブV5を備えるものである。」 合議体注:図2は次のものである。 [図:0001410941000006.jpg] 「【0047】 (金属吸着剤) 金属吸着剤としては、担体表面にスルホ基及び/又はカルボキシル基が結合している膜又は多孔体を用いることが好ましい。また、担体としては、セルロース、ケイソウ土、ポリスチレン、ポリエチレン、ガラス等を含むものが好ましい。このような金属吸着剤であれば、有機溶媒を汚染することなく、金属不純物を吸着除去することができる。 【0048】 (ろ過器) ろ過器には、微小異物の除去を目的としたフィルターを設置する。なお、溶媒を循環させる前にフィルターを設置しておくことによって、フィルター取付時に製造装置内に付着した金属不純物を、溶媒を循環させた時に吸着できるので好ましい。 【0049】 微小異物を除去するためのフィルターの孔径は、製品(リソグラフィー用塗布膜形成用組成物)に求められる清浄度に合わせて適宜選択できる。例えば、塗布欠陥を減らす必要があれば、孔径が20nm以下のものを用いることが好ましく、更に高い清浄度が求められる場合は孔径が10nm以下のものを用いることが好ましい。 【0050】 また、フィルターの材質としては、フルオロカーボン系、セルロース系、ナイロン系、ポリエステル系、炭化水素系等を挙げることができ、中でもリソグラフィー用塗布膜形成用組成物のろ過工程では、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素系、テフロン(登録商標)と呼ばれるポリフルオロカーボンで形成されているフィルターが好ましい。 … 【0053】 [(1)溶媒の製造装置への導入] まず、本発明にて製造するリソグラフィー用塗布膜形成用組成物で使用される溶媒のみを製造装置に導入する。 【0054】 このとき使用する溶媒としては、通常、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物に使用される溶媒であればよく、特に限定されない。具体的には、…等のアルコール系、…等のケトン系、…等のエーテル系、…等のエステル系等を例示できる。 【0055】 [(2)溶媒の循環(金属不純物の吸着)] 次に、製造装置に導入した溶媒を、製造装置内で循環させる。これにより、調製タンク1や各配管内の金属不純物を溶媒に移動させるとともに、移動してきた金属不純物を金属吸着剤5に吸着させる。なお、この段階で、ろ過器に設置されているフィルターの清浄度を高める目的でろ過器6a及び6bに製造用フィルターを設置しておくことが好ましい。また、溶媒を循環させる時間は、溶媒の量や所望の清浄度に応じて適切に設定すればよい。 … 【0058】 製造装置内を循環させた溶媒中の金属不純物の含有量が低ければ低いほど清浄度が高いことを示すが、実際にはゼロにすることは極めて困難であるため、実質的には100ppt以下となるまで循環を行うことが好ましい。鉄、カルシウム、及びナトリウムは汚染の指標となるため、製造装置内の清浄度の指標に用いることができる。より具体的には、鉄、カルシウム、及びナトリウムの含有量をそれぞれ50ppt以下とすることが好ましい。このような含有量であれば、従来よりもエッチング欠陥の原因となる金属不純物が低減されたリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を製造することができる。 【0059】 このようにして測定した各金属不純物(鉄、カルシウム、及びナトリウム)の含有量が50pptよりも大きい場合(>50ppt)は、溶媒を製造設備内で再度循環させ、各金属不純物の含有量が50ppt以下になるまで溶媒を循環させることが好ましい。各金属不純物の含有量が50ppt以下(≦50ppt)以下となるまで溶媒を循環させてから次の(3)工程へと進めることで、製造装置内や溶媒に含まれる金属不純物を原材料が導入される前に低減させることができ、金属不純物起因のエッチング欠陥を大幅に低減させることが可能となる。 【0060】 [(3)リソグラフィー用塗布膜形成用組成物の調製] 次に、製造装置内でリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の調製を行う。上記のようにして製造装置内で循環させた溶媒に、調製タンク1の供給口3からリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の原料を導入して撹拌機2で撹拌し、均一化させて調製する。 【0061】 [(4)調製したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の循環ろ過(微小異物の除去)] 次に、調製したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の循環ろ過を行う。調製したリソグラフィー用塗布膜形成用組成物を金属吸着剤5及びフィルターが設置されているろ過器6a及び6bに通液させることで、金属吸着剤で金属不純物を、ろ過器で微小異物を除去することができる。 … 【0066】 また、本発明の製造方法は、いかなるリソグラフィー用塗布膜形成用組成物の製造にも適用可能であるが、特に波長が200nm以下の光又はEUV光によって感光する感光性レジスト組成物、電子線感光性レジスト組成物、誘導自己組織化レジスト組成物、ナノインプリント用レジスト上層膜形成用組成物等のレジスト上層膜形成用組成物、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物、及び有機下層膜形成用組成物等の製造に好適である。 【0067】 また、有機下層膜形成用組成物としては、芳香族化合物を繰り返し単位として有するものが好ましい。… 【0068】 また、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物としては、ポリシロキサンを含むものが好ましく、特に、組成物全体に対して10質量%以上のケイ素分を含むものが好ましい。」 エ 引用文献に記載された周知技術 上記引用文献3の記載事項(オ)の特に段落【0022】、【0023】、【0033】、引用文献4の記載事項(オ)の特に段落[0182]、[0183]、引用文献5の記載事項(オ)の特に段落【0045】の記載に基づけば、集積回路の製造過程において使用される薬液の調製方法として、以下の技術常識が存在したといえる。 「重量平均分子量が800以上の樹脂及び有機溶媒を含む組成物をフィルターでろ過する工程を含み、組成物中の微粒子等を除去する調製方法」 5 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (1)金属除去用フィルターカートリッジ 引用発明の「金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ」は、その作用効果からみて、金属除去用のフィルターターカートリッジであると言える。したがって、引用発明の「金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ」は、本件補正発明の「金属除去用フィルターカートリッジ」に相当する。 また、引用発明の「金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ」は、本件補正発明における以下の要件を満たしている。 「 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、不織布層A及び不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D-グルカミン基、イミノジ酢酸基、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基からなる群より選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成される」 (2)一致点及び相違点 以上より、本件補正発明と引用発明とは、 「 金属除去用フィルターカートリッジであって、 前記金属除去用フィルターカートリッジが、 複数種類の濾過用基布を積層又は中空状内筒に巻き付けたフィルターカートリッジであって、 前記濾過用基布は、ポリオレフィン繊維に金属吸着基を化学結合した不織布であり、 前記濾過用基布は、不織布層A及び不織布層Bを含み、 前記不織布層Aは、金属吸着基としてスルホン酸基を化学結合したポリオレフィン繊維で構成され、 前記不織布層Bは、金属吸着基としてアミノ基、N-メチル-D-グルカミン基、イミノジ酢酸基、イミノジエタノール基、アミドキシム基、リン酸基、カルボン酸基及びエチレンジアミン三酢酸基からなる群より選択される少なくとも一種を化学結合したポリオレフィン繊維で構成されることを特徴とするフィルターカートリッジである。」を構成要件とする点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点]本件補正発明は、「リソグラフィー用塗布膜形成組成物の製造方法」に関する発明であって、「金属除去用フィルターカートリッジに通液する工程」及び「微粒子除去用フィルターカートリッジに通液する工程」を含み、「前記リソグラフィー用塗布膜形成組成物は、重量平均分子量800以上のポリマー及び有機溶媒を含み、前記有機溶媒中の金属濃度は0.5ppb以下」であるのに対し、引用発明は、「フィルターカートリッジ」に関する発明であって、使用方法を特定していない点。 6 判断 上記[相違点]について検討する。 引用文献1の記載事項(イ)には、背景技術として、「集積回路の製造過程において、薬液中に含まれる金属不純物は、配線の短絡や電流値の低下を引き起こし、歩留まり低下の原因になるため、薬液を高純度化する必要がある」こと、「従来から溶液中の金属を吸着除去するためのデプス型カートリッジフィルターは知られている」ことが記載されている。そして、記載事項(ウ)によれば、「本発明は、前記従来の問題を解決するため、金属の吸着除去効率が高いフィルターカートリッジ及びフィルターを提供する」ものであるとされている。これらの記載に基づけば、引用発明の「フィルターカートリッジ」は、集積回路の製造過程において使用される薬液中に含まれる金属の吸着除去に用いられることを予定していると理解できる。なお、引用文献1の出願人の一部により開示され、引用文献1における背景技術を示す特許文献2として挙げられた特開2009-90259号公報の段落【0034】には、液体濾過用カートリッジフィルタについて、「例えば、同一のカートリッジフィルタを用いて、半導体製造プロセスなどで使用される洗浄用水やフォトレジストなどの薬液から、微粒子のみならず遊離の金属イオン、更にはコロイド微粒子の除去をも可能となる。」との記載がある。引用文献1における「薬液」は、フォトレジストなどの薬液を含むものといえる。 一方、引用文献2には、前記4(2)イに記載したとおり、「架橋剤、重量平均分子量が800以上である化合物、及び有機溶剤を含む、リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物を、各成分を有機溶剤に溶解させることによって調製し、孔径が0.2μm又は0.1μmのフィルター及び/又は0.01μmのフィルターを用いてろ過した後、使用すること。」が記載されている。ここで、「リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物」及びその「調製」方法は、本件補正発明の「リソグラフィー用塗布膜形成組成物」及びその「製造方法」に該当するものである。そして、引用文献2の「リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物」は、「重量平均分子量が800以上である化合物」及び「有機溶剤」を含むものであるから、本件補正発明の「重量平均分子量800以上のポリマー及び有機溶媒を含み」とする要件を満たしている。また、引用文献2の「孔径が0.2μm又は0.1μmのフィルター及び/又は0.01μmのフィルターを用いてろ過」する工程は、本件補正発明の「微粒子除去用フィルターカートリッジに通液する工程」に該当するものである。 そして、引用文献2の「リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物」は、引用文献1における「集積回路の製造過程において使用される薬液」に該当するものであるから、引用発明と引用文献2に記載された技術的事項は、技術分野が共通し、形成される膜に悪影響を及ぼす不純物を取り除くという課題に基づくものである点でも一致している。そうすると、当業者であれば、集積回路の製造過程において使用される薬液中に含まれる金属の吸着除去に用いられることを予定している引用発明を、引用文献2に記載された保護膜形成組成物の製造に用いることにより、「重量平均分子量が800以上である化合物」及び「有機溶剤」を含む「リソグラフィープロセスにおいて保護膜を形成するための保護膜形成組成物」を引用発明の「フィルターカートリッジ」に通液することとし、本件補正発明の上記[相違点]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。そして、調製して得られる薬液における有機溶媒中の金属濃度をどの程度まで低減するかは、許容できる歩留まりとそれに係るコストに応じて、当業者が適宜最適化し得る事項である。また、本件補正発明が定める0.5ppb以下の値としたことにより、当業者が予測できない臨界的な効果の差異が生じるということもできない。したがって、得られる組成物の溶媒中の金属濃度を0.5ppb以下とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 請求人は、審判請求書において、「引用文献1には水溶液からの金属除去の記載はあるが、ポリマー及び有機溶媒を含むリソグラフィー用塗布膜形成組成物からの金属除去については開示も示唆もない。…そして、技術常識として、ポリマーと有機溶媒とを含む組成物と、水溶液とでは、金属不純物の周囲の化学的環境に無視し得ない程度の相違がある。したがって、引用文献1と、引用文献2、3及び4とを結び付ける根拠記載はどこにも見当たらず、両者を相互参照する動機付けはどこにもない。」(第20~21頁)と主張している。 しかし、薬液からフィルターカートリッジへ金属が移動することによる薬液からの金属の吸着除去の程度、つまり、液相から固相への化学種の移動の程度は、当該化学種と液相又は固相との親和性の相違によって決定される化学平衡に依存することは、基礎的な知識を有する者にとって自明である。一般に極性の低い有機溶媒より極性の高い水溶液の方が金属への親和性が高いところ、同じフィルターカートリッジを用いた場合、当業者であれば、水溶液からの金属の吸着除去の程度よりも、有機溶媒からの金属の吸着除去の程度が大きいことを理解する。 請求人の主張は、引用文献1に開示された実験例が、いずれも金属標準液を超純水で希釈することによって調製された金属溶液を用いた実験であることに依拠するものと思われる。しかし、実施例及び比較例から明らかなとおり、これらの実験例は、フィルターカートリッジの構造の違いによる金属除去性能の効果の差異を、他の構成による影響を受けないようにして検証するために設定されたものである。そして、上記のとおり、引用発明の「フィルターカートリッジ」は、集積回路の製造過程において使用される薬液中に含まれる金属の吸着除去に用いられることを予定していると理解できる。そして、集積回路の製造過程において使用される薬液が、超純水で希釈して得られた有機溶媒を含まないものに限られると考える当業者はいない。また、金属標準液を超純水で希釈することによって調製された金属溶液において、金属を吸着除去できることが示されている引用発明の「フィルターカートリッジ」が、有機溶媒を含む薬液中の金属の吸着除去に適用できないと考える当業者がいるとは考えがたい。そうすると、集積回路の製造過程において使用される薬液中に含まれる金属の吸着除去に用いられることを予定している引用発明を、引用文献2に記載された保護膜形成組成物の製造に用いることに、動機付けがあることは明らかである。また、阻害要因があるとも言えない。 なお、念のためフィルターカートリッジの吸着除去性能について言及すると、引用文献1に開示された実験例は、いずれも金属標準液を超純水で希釈することによって調製された金属溶液を用いた実験である。すでに述べたとおり、同じフィルターカートリッジを用いた場合、当業者であれば、水溶液からの金属の吸着除去の程度よりも、有機溶媒からの金属の吸着除去の程度が高いことを理解する。また、金属の吸着除去の反応は化学平衡反応であるため、薬液中の金属濃度は、薬液前駆体の金属濃度にも依存する。したがって、引用文献1に開示された実験例は、引用発明のフィルターカートリッジの吸着除去性能の限界値を示すものでないことは明らかである。 また、引用文献5の段落【0059】には、「各金属不純物の含有量が50ppt以下(≦50ppt)以下となるまで溶媒を循環させてから次の(3)工程へと進めることで、製造装置内や溶媒に含まれる金属不純物を原材料が導入される前に低減させることができ、金属不純物起因のエッチング欠陥を大幅に低減させることが可能となる。」と記載されている(50ppt=0.05ppb)。このことから、従来より、フィルターを用いることにより、リソグラフィー用塗布膜形成用組成物の有機溶媒中の金属濃度を、0.5ppb以下とすることも知られていたといえる。 また、引用発明を引用文献2に記載された保護膜形成組成物の製造に用いるとともに、前記4(3)エに記載した周知技術を適用するとしても同様のことが言える。さらに、引用文献2に記載された技術的事項又は実施例を主引用発明とし、引用文献1に記載されたフィルターカートリッジを採用するとしても同様のことが言える。 7 むすび 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項又は周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明 1 本件発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~8に係る発明は、令和4年11月22日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、前記第2の1(1)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1~8に係る発明は、本願の先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1~4に記載された発明に基づいて、先の出願前にその発明の属する次述の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2018-167223号公報 引用文献2:国際公開第2017/191767号 引用文献3:特開2013-92686号公報 引用文献4:国際公開第2016/158863号 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、前記第2の4に記載したとおりである。 4 対比・判断 本件発明は、前記第2の2で検討した本件補正発明から、リソグラフィー用塗布膜形成組成物が「重量平均分子量800以上のポリマー及び有機溶媒」を含むこと、及び、有機溶媒中の金属濃度が「0.5ppb以下」であるとする限定を削除したものである。 そうすると、本件発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の5~7に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術、又は、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術、又は、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-005742

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