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特許拒絶査定不服審判

2021-018076

基板を収容するための装置およびこの装置を製造する方法

審判番号
2021-018076
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-011310外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年12月27日
審決日
2023年07月14日
公報発行日
2023年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .536-WZ (H01L) / P18 .537-WZ (H01L)
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 11310「基板を収容するための装置およびこの装置を製造する方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月18日出願公開、特開2021- 22719〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年1月28日(パリ条約による優先権主張 2019年(令和1年)7月30日 台湾)の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和3年 3月15日付け 拒絶理由通知書 令和3年 6月18日 意見書、手続補正書の提出 令和3年 8月24日付け 拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和3年12月27日 審判請求書、手続補正書の提出 令和4年 8月 1日付け 拒絶理由通知書 令和4年11月28日 意見書、手続補正書の提出 令和4年12月26日付け 拒絶理由通知書 令和5年 5月25日 意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~21に係る発明は、令和5年5月25日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~21に記載された事項により特定されるところ、その請求項6及び請求項8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明6」及び「本願発明8」という。)は以下のとおりのものである。 「 【請求項6】 基板を収容するための装置であって、 頂面、上方に向いたフレーム状支持面および前記頂面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間に設けられている溝を備えた基部を有し、前記基部には、前記基板に係合して前記基板を前記頂面上に保持する複数の接触要素が設けられ、前記上方に向いたフレーム状支持面の少なくとも一部分は、水平な平坦面ではなくかつ前記頂面と同一高さ位置にはなく、前記溝のところに構成されかつ前記頂面に接続している側壁が前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している側壁よりも高く、 底面および前記底面を包囲しているフランジを備えたカバーを有し、前記フランジは、下方に向いたフレーム状支持面を有し、前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面は、基板が前記基部の前記頂面と前記カバーの前記底面との間に収容されるよう合致し、前記フランジの前記下方に向いたフレーム状支持面の一部分が前記基部の前記溝中に延びており、 前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面は、互いに係合されたときに、前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さのゆえに0.005mmから0.03mmまでの範囲にある、基板の収容装置。 【請求項8】 前記下方に向いたフレーム状支持面は、前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁に向かって延びている、請求項6記載の基板の収容装置。」 第3 当審における拒絶の理由について 1 実施可能要件について (1) 拒絶の理由 当審において、各独立請求項を特定する「下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値」について通知した、実施可能要件の拒絶の理由は次のとおりである。 「明細書及び図面に記載された発明の実施についての説明と出願時の技術常識とに基づいて、各独立請求項に係る発明を実施しようとした場合に、当業者が、どのように実施するかを理解できるとはいえないから、本願明細書は、当業者が各独立請求項に係る発明を実施することができる程度に発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。」(令和4年12月26日付け拒絶理由通知書「第1」) (2) 当審の判断 ア 特許請求の範囲の記載 上記第2のとおり、独立請求項である請求項6には、「前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面は、互いに係合されたときに、前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さのゆえに0.005mmから0.03mmまでの範囲にある」と記載されている。 そして、「表面粗さのゆえに」と明記されていることを踏まえれば、本願発明6において、互いに係合されたときの「前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値」は、「前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さ」に起因して決まる値であると理解するのが自然である。 イ 発明の詳細な説明の記載 一方、発明の詳細な説明には、「一般に、下方に向いたフレーム状支持面132と上方に向いたフレーム状支持面33を互いに合わせる締まり度を0.50ミクロインチ(1ミクロインチ=10-6インチ)、好ましくは0.2~0.4ミクロインチの粗さ平均(Ra)まで増大させるには追加の研削または研磨プロセスが必要である。しかしながら、追加の研削または研磨プロセスは、レチクルポッドに対する加工プロセスを実施するのに要する時間を増大させるだけでなく、製品歩留まりを減少させる。」(段落0007、下線は強調のために当審において付加した。以下同じ)との課題、及び、「本発明によれば、基板を収容するための装置およびこの装置を製造する方法は、以下の利点を有し、すなわち、カバーと基部が互いに接触状態にありかつ互いに係合状態にあると、カバーと基部との間の接触面構造体により、空所に入った空気の流れは、基部の頂面と同一高さ位置のところにはない場合には前進し、接触面の表面粗さは、0.2~0.4ミクロインチの粗さ平均を達成する必要はなく、依然として粒子の前進を効果的に停止させることができ、したがって、装置を粒子のない状態にかつ汚染のない状態にするとともに製造のしやすさを高めた状態で装置の製造方法を提供するという利点を有する。」(段落0018)、「本発明によれば、基板を収容するための装置は、以下の点で有利であり、すなわち、たとえ下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の表面粗さが1.57ミクロインチ~9.33ミクロインチの粗さ平均のものであり、かくして頂面41の表面粗さに等しくない場合であっても、この装置は、粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを依然として止めることができる。」(段落0033)との作用効果が記載されている。 しかしながら、「下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の表面粗さ」の平均を、それぞれ、段落0033に例示された上限値である、9.33ミクロインチ(1ミクロインチ=0.0254μm換算で0.236982μm)として、互いに係合させたとしても、これらの「表面粗さ」に起因して決まる、フレーム状支持面同士の隙間の平均値は、常識的に考えて、請求項6に記載された「互いに係合されたとき」の「前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値」の範囲の最小値である5μm(0.005mm)よりも、はるかに小さくなるものと認められる。 ウ そうすると、発明の詳細な説明及び図面に記載された発明の実施についての説明と出願時の技術常識とに基づいて、本願発明6を実施しようとした場合に、当業者が、どのように実施するかを理解できるとはいえないから、本願明細書は、当業者が本願発明6を実施することができる程度に、発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。 また、「隙間の平均値」を、本願発明6と同様の事項により特定する他の独立請求項である請求項1、3、4、10、11、15、16に係る発明、並びに、これらの請求項及び請求項6を引用する請求項に係る発明についても、本願明細書の発明の詳細な説明は、同様の理由で、当業者が実施可能な程度に記載されているとはいえない。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人は「隙間の平均値」について次の主張をした。 a 「出願人は、審判官の見解に首肯し得ない。互いに係合されたときの、下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、当業者に知られた方法により測定されることができる。その方法は、下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間を通して空気流が発生されるように、レクチルポッドの内側空間と外側環境との間に圧力差を創出することであり、蓋と基部が互いに係合されたときの下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、レクチルポッド中に入る空気流の状態を検出し、計算することによって決定されることができる。また、当業者は、本願明細書が特定の製造方法に言及していなくとも知られたCNC技術を単純に使用することによって下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面の適正表面粗さを選択することによって影響される」ことができることを理解するであろう。かくして、蓋と基部の間の間隙の平均値を測定するための新たな方法を開示する必要はないので、本願明細書に開示されている実施例は、当業者が本願発明を実施することができるのに十分であり、測定は、知られた方法によって実行されることができ、間隙の平均値は、表面粗さを制御する知られた製造技術を使用することによって測定されることができる。」(令和5年5月25日提出意見書II) b 「(1)審判官は、「間隙の平均値」の定義および測定方法が与えられていないので、本願の請求項1-23に係る発明がサポートされていないと考えておられる。しかしながら、上記したように、間隙の平均値のための測定方法および製造技術は、当業者に知られている。かくして、本願の請求項1-23はサポートに関しては、本願の請求項1-23でさらに特定する必要はない。 本願の請求項1-23に関し、審判官はまた、令和4年11月28日付け意見書と本願発明の特徴が矛盾している旨指摘されている。確かに、請求項に記載されている間隙の平均値の範囲は実際、単純な数学的計算によって2つの対向する接触表面の表面粗さから直接導出されることはできないが、当業者は、前記表面粗さが、間隙の平均値の範囲に影響を及ぼし、間隙の平均値の範囲を決定する重要なファクタであることを理解するであろう。本願の請求項1に記載されているように、「前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さのゆえに0.005mmから0.03mmまでの範囲にある」。本願の請求項1で特定されている間隙の平均値の範囲は、当業界で知られた方法および製造技術によって達成されることができる。」(令和5年5月25日提出意見書III(1)) (イ) 請求人は、「請求項に記載されている間隙の平均値の範囲は実際、単純な数学的計算によって2つの対向する接触表面の表面粗さから直接導出されることはできないが、当業者は、前記表面粗さが、間隙の平均値の範囲に影響を及ぼし、間隙の平均値の範囲を決定する重要なファクタであることを理解するであろう。」(上記(ア)b)と主張する。 しかしながら、上記アのとおり、本願発明6において、互いに係合されたときの「前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値」は、「前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さ」に起因して決まる値であると理解するのが自然であり、また、発明の詳細な説明には、「2つの対向する接触表面の表面粗さ」以外の、間隙の平均値を決定するファクタについて何ら開示はない。 したがって、請求人の「請求項に記載されている間隙の平均値の範囲は実際、単純な数学的計算によって2つの対向する接触表面の表面粗さから直接導出されることはできない」との前提に立った主張は、特許請求の範囲又は発明の詳細な説明に基づくものではないから、採用できない。 (ウ) 製造技術について 請求人が主張するように、知られたCNC技術により「下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の表面粗さ」を「0.2~0.4ミクロインチの粗さ平均」(段落0018)のものや、「1.57ミクロインチ~9.33ミクロインチの粗さ平均のもの」(段落0033)として実施し得ることは理解できる。 しかしながら、このような製造技術によって、発明の詳細な説明の段落0033に記載された、粗さ平均が1.57ミクロインチ~9.33ミクロインチとの、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の表面粗さを実施したとしても、上記イのとおり、それぞれ、そのような表面粗さとされた、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が互いに結合された場合の「隙間の平均値」は、請求項6に記載された「前記下方に向いたフレーム状支持面および前記上方に向いたフレーム状支持面の前記表面粗さのゆえに0.005mmから0.03mmまでの範囲にある」「互いに係合されたときに、前記下方に向いたフレーム状支持面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値」とは、大きな隔たりがある。 そして、請求人が主張するように、「蓋と基部が互いに係合されたときの下方に向いたフレーム状支持面と上方に向いたフレーム状支持面との間の隙間の平均値は、レクチルポッド中に入る空気流の状態を検出し、計算することによって決定」することができるとしても、そのことが、発明の詳細な説明に記載された「表面粗さ」に起因して決まるはずの「隙間の平均値」と、請求項6において特定された「隙間の平均値」との隔たりを解消するものとはいえない。 したがって、請求人の主張によって、実施可能要件についての拒絶理由は解消しない。 オ 小括 以上のとおり、令和4年12月26日付け拒絶理由通知「第1」で通知した拒絶理由は解消していない。 2 本願発明8のサポート要件及び明確性について (1) 拒絶の理由 当審において、本願発明8について通知した、サポート要件及び明確性の拒絶の理由は次のとおりである。 「図6A~図6Fには、下方に向いたフレーム状支持面132が、「前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁」441の上に配されることが図示されているが、請求項8、14の「向かって延びている」との記載が、「下方に向いたフレーム状支持面」と「前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁」とのどのような関係を特定し、発明の詳細な説明のどの記載と対応するのか明らかでない。 したがって、請求項8、14に記載された発明は、明確でなく、発明の詳細な説明に記載されたものではない。」(令和4年12月26日付け拒絶理由通知書「第2の3」) (2) 当審の判断 ア 特許請求の範囲の記載について 上記第2のとおり、請求項6には、「下方に向いたフレーム状支持面」は、「底面および前記底面を包囲しているフランジを備えたカバー」におけるフランジが有するものであって、「頂面、上方に向いたフレーム状支持面および前記頂面と前記上方に向いたフレーム状支持面との間に設けられている溝を備えた基部」における「上方に向いたフレーム状支持面」と「基板が前記基部の前記頂面と前記カバーの前記底面との間に収容されるよう合致し、前記フランジの前記下方に向いたフレーム状支持面の一部分が前記基部の前記溝中に延びており」と記載されている。 請求項6の当該記載によると、「下方に向いたフレーム状支持面」は、その一部分において「上方に向いたフレーム状支持面」と合致し、「下方に向いたフレーム状支持面」の前記一部分に連続する底面側の他の部分が基部の溝中に張り出し(延び)、「下方に向いたフレーム状支持面」の底面と接続する部分(内縁)は、基部の溝中に位置するものであって、「溝のところに構成されかつ上方に向いたフレーム状支持面に接続している側壁」は、「下方に向いたフレーム状支持面」の前記一部分と前記他の部分との間に位置すると理解できる。 そして、「溝のところに構成されかつ上方に向いたフレーム状支持面に接続している側壁」が、「下方に向いたフレーム状支持面」の前記一部分と前記他の部分との間に位置する発明において、「溝のところに構成されかつ上方に向いたフレーム状支持面に接続している側壁」は、「下方に向いたフレーム状支持面」の延長上に存在し得ないから、請求項6を引用する本願発明8において、さらに「前記下方に向いたフレーム状支持面は、前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁に向かって延びている」ことは不可能である。 したがって、本願発明8は、その「下方に向いたフレーム状支持面」と「溝のところに構成されかつ上方に向いたフレーム状支持面に接続している側壁」との関係が明確とはいえない。 イ 明細書の開示について (ア) 本願発明6について、発明の詳細な説明及び図面には次の開示がある。(下線は引用箇所を示すために当審において付加した。) 「【0025】 図5を参照すると、本発明の第2の実施形態に従って基板を収容するための装置の分解組立図が示されている。本発明の第2の実施形態では、基板を収容するための装置は、基板20、例えばレチクルを収容するようになっている。基板20は、頂面21、底面22、4つの側面および4つのコーナー部を有する。本発明に従って基板を収容するための装置は、基部40およびカバー10を有する。基部40は、頂面41、上方に向いたフレーム状支持面43、および頂面40と上方に向いたフレーム状支持面43との間に設けられた溝44を有する。溝44は、フレーム状の経路をたどっている。頂面41と上方に向いたフレーム状支持面43は、高さが異なっている。溝44は、頂面41の近くに位置決めされた側壁442、上方に向いたフレーム状支持面43の近くに位置決めされた側壁441、および側壁441,442相互間に設けられかつ幅を備えた底部を有する。側壁442は、図6Aに示されているように、側壁441の場合よりも大きな高さのものである。上方に向いたフレーム状支持面43は、広い表面を形成しかつ溝44と基部40の周囲との間に設けられている。 ・・・<中略>・・・ 【0028】 図6A~図6Fを参照すると、本発明の第2の実施形態に従って基板を収容するための装置の断面図が示されており、これらの図は、その接触面構造体の互いに異なる観点を示している。接触面構造体は、カバー10の下方に向いたフレーム状支持面132および基部40の上方に向いたフレーム状支持面43を有し、下方に向いたフレーム状支持面132と上方に向いたフレーム状支持面43は、互いに接触状態にありかつ互いに係合している。図6Aを参照すると、上方に向いたフレーム状支持面43は、溝44の側壁441の上縁から基部40の周囲まで頂面41に平行な方向に延びており、その結果、上方に向いたフレーム状支持面43は、頂面41と同一高さ位置にはないようになっている。上方に向いたフレーム状支持面43と接触状態にありかつこれと係合している下方に向いたフレーム状支持面132は、内側の側面131の下縁から下方に向いたフレーム状支持面132の外縁まで頂面41に平行な方向に延びている。フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。したがって、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が頂面41から基部40の周囲まで取るルートは、図3の場合よりも図6A~図6Fの場合の方が長く、これに対し、フランジ13の内側の側面131の下縁は、頂面41よりも低く、それにより粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを効果的に止める。 【0029】 図6Bおよび図6Cを参照すると、上方に向いたフレーム状支持面43は、溝44の側壁441の上縁から基部40の周囲まで下に(図6Bに示されているように)または上に(図6Cに示されているように)傾斜し、それにより上方に向いたフレーム状支持面43は、基部40の頂面41と同一高さ位置にはないようにすることができる。上方に向いたフレーム状支持面43と接触状態にありかつこれと係合する下方に向いたフレーム状支持面132は、内側の側面131の下縁から下に(図6Bに示されているように)または上に(図6Cに示されているように)傾斜し、その結果、フランジ13は、互いに異なる距離だけ底面12から下方に延びている。フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。したがって、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が頂面41から基部40の周囲まで取るルートは、図3の場合よりも図6Bおよび図6Cの場合の方が長く、これに対し、フランジ13の内側の側面131の下縁は、頂面41よりも低く、それにより、粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを効果的に止める。 【0030】 図6Dを参照すると、上方に向いたフレーム状支持面43は、交互にかつ次第に下がったり上がったりすることによって溝44の側壁441の上縁から基部40の周囲まで延びており、それにより上方に向いたフレーム状支持面43は、基部40の頂面41と同一高さ位置にはなくまたはこれに平行ではないようになっている。上方に向いたフレーム状支持面43と接触状態にありかつこれと係合する下方に向いたフレーム状支持面132は、交互にかつ次第に下がったり上がったりすることによって、フランジ13の内側の側面131の下縁から下方に向いたフレーム状支持面132の外縁まで延び、その結果、フランジ13は、互いに異なる距離だけ底面12から下方に延びている。フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。したがって、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が頂面41から基部40の周囲まで取るルートは、図3、図6A、および図6Cの場合よりも図6Dの場合の方が長く、これに対し、フランジ13の内側の側面131の下縁は、頂面41よりも低く、それにより、粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを効果的に止める。 【0031】 図6Eを参照すると、上方に向いたフレーム状支持面43は、交互にかつ急激に、すなわちジグザグに下がったり上がったりすることによって溝44の側壁441の上縁から基部40の周囲まで延びており、それにより上方に向いたフレーム状支持面43は、基部40の頂面41と同一高さ位置にはなくまたはこれに平行ではないようになっている。上方に向いたフレーム状支持面43と接触状態にありかつこれと係合する下方に向いたフレーム状支持面132は、交互に急激に、すなわちジグザグに下がったり上がったりすることによってフランジ13の内側の側面131の下縁から下方に向いたフレーム状支持面132の外縁まで延び、その結果、フランジ13は、互いに異なる距離だけ底面12から下方に延びている。フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。したがって、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が頂面41から基部40の周囲まで取るルートは、図3、図6A、および図6Cの場合よりも図6Eの場合の方が長く、これに対し、フランジ13の内側の側面131の下縁は、頂面41よりも低く、それにより、粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを効果的に止める。 【0032】 図6Fを参照すると、上方に向いたフレーム状支持面43は、方形波経路をたどることによって溝44の側壁441の上縁から基部40の周囲まで延びており、それにより、上方に向いたフレーム状支持面43は、基部40の頂面41と同一高さ位置にはないようにすることができる。上方に向いたフレーム状支持面43と接触状態にありかつこれと係合する下方に向いたフレーム状支持面132は、方形波経路をたどることによってフランジ13の内側の側面131の下縁から下方に向いたフレーム状支持面132の外縁まで延びている。フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。したがって、下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43が頂面41から基部40の周囲まで取るルートは、図3、図6A、および図6Eの場合よりも図6Fの場合の方が長く、これに対し、フランジ13の内側の側面131の下縁は、頂面41よりも低く、それにより、粒子が下方に向いたフレーム状支持面132および上方に向いたフレーム状支持面43の外縁(基部40の周囲)を経て基板20を収容した空所中に入り込むのを効果的に止める。」 「【図6B】 [図:0001404001000001.jpg] 【図6C】 [図:0001404001000002.jpg] 【図6D】 [図:0001404001000003.jpg] 【図6E】 [図:0001404001000004.jpg] 【図6F】 [図:0001404001000005.jpg] 」 図6B~図6Fから、「前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁」は「441」であることが見てとれる。 (イ) そして、発明の詳細な説明の段落0029~0032には、図6B~図6Fについて「フランジ13の下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44中に延びている。好ましくは、下方に向いたフレーム状支持面132の内縁は、溝44の幅の少なくとも半分に等しい距離だけ延びている。」と記載されており、請求項6の「前記フランジの前記下方に向いたフレーム状支持面の一部分が前記基部の前記溝中に延びており」との記載に対応する記載はあるが、請求項8の「前記下方に向いたフレーム状支持面は、前記溝のところに構成されかつ前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁に向かって延びている」との記載に対応する記載はなく、当該記載に対応する事項が示唆されているともいえない。 さらに、本願発明8は、引用により本願発明6の構成を備えたものであるところ、本願発明6の様に、「前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁」(441)を超えて「溝」中に延びている「前記下方に向いたフレーム状支持面」が、「前記上方に向いたフレーム状支持面に接続している前記側壁に向かって延びている」とは、どのような状態であるのか理解できない。 (ウ) したがって、発明の詳細な説明及び図面の記載を参酌しても、本願発明8は明確とはいえない。 また、請求項8に記載された事項は、発明の詳細な説明に記載がなく、また、発明の詳細な説明に記載された発明の課題との関係も不明であるから、本願発明8は、発明の詳細な説明に記載された発明とはいえない。 ウ 請求人の主張について 上記拒絶の理由に対し、請求人は令和5年5月25日提出の意見書のIIIにおいて次の主張をした。 「(2)本願の請求項8および請求項14に係る発明について、審判官は、請求項8および請求項14に記載の事項が不明確であるとされている。以下に示す図6A~図6Fにおいて、下方に向いたフレーム状支持面132は、溝44の2つの側壁の1つの壁441に向かって延び、2つの側壁のその1つの壁441は、上方に向いたフレーム状の支持面43に接続している。以上の説明により、請求項8および請求項14の記載は、明確であり、少なくとも図6A~図6Fおよびそれらに関連した明細書の記載によってサポートされていることがわかるであろう。」 しかしながら、少なくとも、本願発明8については上記イのとおりであるから、請求人の主張は採用できない。 (3) 小括 以上のとおり、令和4年12月26日付け拒絶理由通知「第2の3」で通知した本願発明8についての拒絶の理由は解消していない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、上記第3で判断した理由以外の理由について検討するまでもなく、令和4年12月26日付け拒絶理由通知で通知した拒絶の理由は解消していない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-018076

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決4件(家登精密工業股▲ふん▼有限公司)
  • 2023-013449拒絶査定不服審判 / 2024-07-10 / 原査定取消(特許/登録すべき)支持具モジュール及び収納装置
    同じ当事者: 家登精密工業股▲ふん▼有限公司
  • 2023-003056拒絶査定不服審判 / 2024-05-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)レチクル保持システム
    同じ当事者: 家登精密工業股▲ふん▼有限公司
  • 2023-009032拒絶査定不服審判 / 2024-04-15 / 請求不成立有効気密封止状態で基板を受け入れる容器
    同じ当事者: 家登精密工業股▲ふん▼有限公司
  • 2022-000393拒絶査定不服審判 / 2023-04-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)レチクル保持システム
    同じ当事者: 家登精密工業股▲ふん▼有限公司
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,263件(536・H01L、537・H01L)
  • 2024-007377拒絶査定不服審判 / 2025-10-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)炭化ケイ素への制御されたイオン注入
    共通の審決分類: 536・H01L、537・H01L
  • 2024-015823拒絶査定不服審判 / 2025-10-03 / 原査定取消(特許/登録すべき)選択的予洗浄のための高速応答二重ゾーンペダルアセンブリ
    共通の審決分類: 536・H01L、537・H01L
  • 2024-014483拒絶査定不服審判 / 2025-09-26 / 請求不成立ケイ素前駆体化合物及びケイ素含有膜を形成するための方法
    共通の審決分類: 536・H01L、537・H01L
  • 2023-010707拒絶査定不服審判 / 2025-08-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)光電変換セルの製造方法および光電変換セル
    共通の審決分類: 536・H01L、537・H01L
  • 2024-005672拒絶査定不服審判 / 2025-06-30 / 請求不成立非常に低い抵抗材料で形成された、電気的デバイス、機械的デバイス、コンピュータデバ…
    共通の審決分類: 536・H01L、537・H01L

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