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特許拒絶査定不服審判

2023-008417

表示パネル及びその製造方法

審判番号
2023-008417
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-519618
請求日
2023年05月23日
審決日
2024年04月18日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
  • 【請求人代理人】弁理士法人後藤特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 中塚 直樹
  • 審判官 佐藤 久則
  • 審判官 田邉 英治
分類
P18 .562-Z (G09F) / P18 .571-Z (G09F) / P18 .572-Z (G09F) / P18 .573-Z (G09F) / P18 .574-Z (G09F) / P18 .113-Z (G09F) / P18 .121-Z (G09F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-519618「表示パネル及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年12月30日国際公開、WO2021/258474、令和 4年 9月29日国内公表、特表2022-541962〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願(以下「本願」という。)は、2020年(令和2年)7月22日を国際出願日(パリ条約による優先権主張2020年6月23日(以下「優先日」という。)、中国)とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年 4月 8日 :翻訳文の提出 令和4年 9月28日付け:拒絶理由通知書 同年12月15日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 1月23日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月31日 :原査定の謄本の送達) 同年 5月23日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年5月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年5月23日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 令和5年5月23日にされた手続補正の内容 令和5年5月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についての補正を含むものである。 本件補正前(令和4年12月15日にされた手続補正後をいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ次の(1)及び(2)に示すとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前の請求項1 「 アレイ基板と、 前記アレイ基板上に設けられ、円形、楕円形又は弧辺星形を含む第1所定の形状を有する画素ピットが設けられる画素限定層と、 前記画素限定層上に設けられる封止層と、 前記封止層上に設けられ、前記画素ピットと対応するように円形又は楕円形を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピットが設けられるブラックマトリックスと、を含む、 表示パネル。」 (2) 本件補正後の請求項1 「 アレイ基板と、 前記アレイ基板上に設けられ、円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状を有する画素ピットが設けられる画素限定層と、 前記画素限定層上に設けられる封止層と、 前記封止層上に設けられ、前記画素ピットと対応するように円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状を有するカラーフィルムピットが設けられるブラックマトリックスと、を含み、 平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する、表示パネル。」 また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項9及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項9の記載は、それぞれ次の(3)及び(4)に示すとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。 (3) 本件補正前の請求項9 「 アレイ基板を提供することと、 前記アレイ基板上に画素限定層を形成し、前記画素限定層上に円形、楕円形又は弧辺星形を含む第1所定の形状を有する画素ピットを設けることと、 前記画素限定層上に封止層を形成することと、 前記封止層上にブラックマトリックスを形成し、前記画素ピットと対応するように前記ブラックマトリックス上に円形又は楕円形を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピットを設けることと、を含む、 表示パネルの製造方法。」 (4) 本件補正後の請求項9 「 アレイ基板を提供することと、 前記アレイ基板上に画素限定層を形成し、前記画素限定層上に円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状を有する画素ピットを設けることと、 インクジェット印刷技術により、第1所定の形状を有する前記画素ピット内にインクを滴下することで、前記インクが前記画素ピット内に平らに広がって画素構造が形成されることと、 前記画素限定層上に封止層を形成することと、 前記封止層上にブラックマトリックスを形成し、前記画素ピットと対応するように前記ブラックマトリックス上に円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状を有するカラーフィルムピットを設けることと、 インクジェット印刷技術により、第2所定の形状を有するカラーフィルムピット内にインクを滴下することで、前記インクが前記カラーフィルムピット内に平らに広がってカラーフィルム構造が形成されることと、を含み、 平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する、表示パネルの製造方法。」 2 本件補正の適否 (1) 翻訳文新規事項の追加 ア 本件補正は、次の(ア)及び(イ)の補正を含むものである。 (ア) 請求項1において「カラーフィルムピット」が有する「第2所定の形状」について、「円形又は楕円形を含む第2所定の形状」とされていたものを「円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状」とする補正(以下「補正1」という。) (イ) 請求項1において「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」を追加する補正(以下「補正2」という。) イ しかしながら、次の(ア)及び(イ)に示すとおり、補正1及び補正2は、この出願の国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下「翻訳文等」という。)に記載されていない事項を追加するものである。 (ア) 補正1について 補正1は、「カラーフィルムピット」が有する「第2所定の形状」が「円形、楕円形又は弧辺星形からなる」ことを特定するものであるが、「第2所定の形状」が「弧辺星形からなる」ことは、翻訳文等において何ら記載されていない。特に、以下のa~dに示すとおり、翻訳文等の明細書の段落0037、0040、0043及び0048においても、「第2所定の形状」が「弧辺星形からなる」ことは記載も示唆もされていない。 a 段落0037は、画素ピット21の形状や画素構造22の形成について説明するものであり、「カラーフィルムピット」について説明するものではない。 b 段落0040は、カラーフィルムピット41の形状について説明するものであるが、当該形状については「円形又は楕円形」のみが記載されており、「弧辺星形」については何ら記載されていない。 c 段落0043には「画素ピット21の形状は、表示パネル100の最適な表示効果を達成するためにカラーフィルムピット41の形状と対応する必要がある」ことが記載されているが、「カラーフィルムピット」の形状を「弧辺星形」とすることについては、何ら記載されていない。また、段落0043において図2~5が引用されているが、これらの図において、弧辺星形の画素ピットに対応するのは円形のカラーフィルムピットであるから、段落0043における「画素ピット21の形状」は「カラーフィルムピット41の形状と対応する」という記載は、「画素ピット21の形状」と「カラーフィルムピット41の形状」が同じであることを意味するものでないことは明らかである。 d 段落0048は、カラーフィルムピット41の形状について説明するものであるが、当該形状については「円形又は楕円形」のみが記載されており、「弧辺星形」については何ら記載されていない。また、段落0048における「カラーフィルムピット41が円形又は楕円形であるため、当該カラーフィルムピット41に角が存在しない。」という記載は、言外に、カラーフィルムピット41が「弧辺星形」であることを否定するものである。 よって、補正1は、新たな技術的事項を導入するものであり、翻訳文等に記載されていない事項を追加するものである。 (イ) 補正2について a 補正2における「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」という事項は、翻訳文等において何ら記載されていない。特に、以下の(a)及び(b)に示すとおり、翻訳文等の明細書の段落0043及び図1においても、「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」という事項は記載も示唆もされていない。 (a) 段落0043には「画素ピット21の形状は、表示パネル100の最適な表示効果を達成するためにカラーフィルムピット41の形状と対応する必要がある」と記載されているとおり、「カラーフィルムピット」と「画素ピット」の形状を対応させることは記載されているが、「画素ピットの領域」に関する記載はなく、ゆえに「カラーフィルムピット」と「画素ピットの領域」を比較する記載もない。 (b) 図1には、表示パネルの断面図において「画素ピット21」及び「カラーフィルムピット41」の位置関係が示されているが、「平面視において、前記カラーフィルムピットの領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」という大小関係及び位置関係を読み取ることはできず、また、それ以外に「平面視において、前記カラーフィルムピットの領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」という事項を読み取れるとする事情もない。 b また、前記aの前記事項の意味するところは必ずしも明確でないところ、審判請求書の3.(2)においては、以下の(a)及び(b)の記載がある。 (a) 「また、引用発明1では、カラーフィルムピットの径L12は、画像ピットの径L11よりも大きいため(図2及び図3参照)、仮に引用文献1と引用文献2を組み合わせたとしても、このような組み合わさられた発明には、カラーフィルムピットの周辺(角)にインクが充満されなくても、光漏れの問題が全く存在しない。よって、引用発明1には、上記相違点に係る本願発明1における「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」との事項を適用する動機付けがないと言わざるを得ない。」 (b) 「一方、引用発明1は、有機電界発光表示装置100の側面視認性を向上させるために、ブラックマトリックス180の第2の開口部C21の直径L12を、画素定義層115の第1の開口部C11の直径L11よりも大きくしている(段落0082参照)。この観点からしてみても、引用発明1に、上記相違点に係る本願発明1における「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」との特徴を適用する動機付けがないと言わざるを得ない。」 当該記載は、「引用発明1」においてカラーフィルムピットの径L12が画像ピットの径L11よりも大きいことを「本願発明1」との相違点として、「本願発明1」が進歩性を有することを主張するものであると認められる。このことを参酌すると、前記事項は「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」ことを意図していると解される。 c しかしながら、「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」ことは、翻訳文等において何ら記載されていない。特に、以下の(a)及び(b)に示すとおり、翻訳文等の明細書の段落0043及び図1においても、「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」ことは記載も示唆もされていない。 (a) 段落0043には「画素ピット21の形状は、表示パネル100の最適な表示効果を達成するためにカラーフィルムピット41の形状と対応する必要がある」と記載されているとおり、「カラーフィルムピット」と「画素ピット」の形状を対応させることは記載されているが、「画素ピットの領域」に関する記載はなく、ゆえに「カラーフィルムピット」と「画素ピットの領域」を比較する記載もない。 (b) 図1には、表示パネルの断面図において「画素ピット21」及び「カラーフィルムピット41」の位置関係が示されているが、「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」という大小関係及び位置関係を読み取ることはできず、また、それ以外に「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」ことを読み取れるとする事情もない。 d 以上のとおりであるから、補正2は、新たな技術的事項を導入するものであり、翻訳文等に記載されていない事項を追加するものである。 ウ 請求人は審判請求書の3.(1)(1-1)、3.(1)(1-2)及び3.(2)において、概略、次の(ア)及び(イ)の主張をしている(以下、それぞれ「補正根拠主張1」及び「補正根拠主張2」という。)。 (ア) 補正根拠主張1 補正1は、翻訳文等の明細書の段落0037、0040、0043及び0048の記載内容に基づく。特に、段落0037には「所定の形状が円形、楕円形又は弧辺星形である場合に、ピットを完全に充填することに有利である」ことが記載され、また段落0043には「画素ピット21の形状は、表示パネル100の最適な表示効果を達成するためにカラーフィルムピット41の形状と対応する必要がある」ことが記載されている。 (イ) 補正根拠主張2 補正2は、翻訳文等の明細書の段落0043及び図1の記載内容に基づく。 エ 請求人の主張について検討すると、次の(ア)及び(イ)に示すとおり、請求人の主張を採用することはできない。 (ア) 補正根拠主張1について 前記イ(ア)に示したとおり、翻訳文等の明細書の段落0037、0040、0043及び0048においても、「第2所定の形状」が「弧辺星形からなる」ことは記載も示唆もされていないから、補正根拠主張1は採用することができない。 (イ) 補正根拠主張2について 前記イ(イ)に示したとおり、翻訳文等の明細書の段落0043及び図1においても、「平面視において、前記カラーフィルムピットは、前記画素ピットの領域内に位置する」こと及び「平面視において、前記カラーフィルムピットの全ての領域は、前記画素ピットの領域の範囲内にある」ことは記載も示唆もされていないから、補正根拠主張2は採用することができない。 オ 以上のとおり、本件補正は、請求項1についての補正である補正1及び補正2を含むところ、補正1及び補正2は、新たな技術的事項を導入するものであり、翻訳文等に記載されていない事項を追加するものである。 また、本件補正は、請求項9についての補正も含むところ、請求項9についての補正も、補正1及び補正2と同様の補正内容を含むものであるから、請求項9についての補正もまた、新たな技術的事項を導入するものであり、翻訳文等に記載されていない事項を追加するものである。 カ 以上のとおりであるから、本件補正は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものである。 よって、本件補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法184条の12第2項参照。)。 (2) 本件補正の目的 前記(1)において検討したとおり、本件補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反しているものであるが、更に進めて、本件補正が仮に同項の規定に適合するものとして以下、ほかの補正要件について検討する。 ア 補正1の目的 本件補正は補正1を含むところ、補正1は、請求項1において「カラーフィルムピット」が有する「第2所定の形状」について、「円形又は楕円形を含む第2所定の形状」を「円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状」とするものである(前記(1)イ(ア)参照。)。 よって、補正1は「択一的記載の要素を付加する補正」(特許・実用新案審査基準第IV部第4章2.1.1(1)(ii)参照。)に準ずるものであり、本件補正前の請求項1における「第2所定の形状」は「弧辺星形のみからなる」ものを含まないが、本件補正後の請求項1における「第2所定の形状」が「弧辺星形のみからなる」ものを含むことからすれば、補正1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正には該当しない。 したがって、補正1は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものでない。 また、補正1が、請求項の削除、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 イ 請求人の主張 請求人は審判請求書の3.(1)(1-6)において、補正の目的について、「上記した補正は、出願当初の明細書等に記載された範囲内のものであり、また特許請求の範囲を限定的に減縮したもの、誤記の訂正又は請求項の削除を目的としている。」と主張している。 しかしながら、前記アのとおり、補正1が、特許請求の範囲の限定的減縮、誤記の訂正又は請求項の削除のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。 ウ 小括 以上のとおり、本件補正は、請求項1についての補正である補正1を含むところ、補正1は、請求項の削除、特許請求の範囲の限定的減縮、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明のいずれを目的とするものでもない。 また、本件補正は、請求項9についての補正も含むところ、請求項9についての補正も、補正1と同様の補正内容を含むものであるから、請求項9についての補正もまた、補正1と同様の補正内容において、請求項の削除、特許請求の範囲の限定的減縮、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明のいずれを目的とするものでもない。 エ まとめ したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項1号から4号に掲げるいずれの事項を目的とするものでもないから、同項に規定する要件を満たしていない。 3 補正の却下の決定の理由のむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第3項及び5項の規定に違反するものであるから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明について 1 本件発明の認定 本件補正は前記第2において示したとおり却下したから、本願の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、本件補正前の請求項1に記載された事項(前記第2の1(1)参照。)により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本件発明についての理由3及び理由4の概要は、次のとおりである。 理由3(新規性の欠如)本件発明は、下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。 理由4(進歩性の欠如)本件発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:米国特許出願公開第2019/0245017号明細書 3 引用文献等 (1) 引用文献1の記載事項 前記引用文献1(米国特許出願公開第2019/0245017号明細書)は、本願の優先日前に発行されたものであって、以下の記載がある。下線は、当合議体において付したものであり、引用発明の認定に直接用いるところに付した。また、括弧内に当合議体による和訳を付す。 ア 段落[0043]-[0045], FIG.1-2 「[0043] Hereinafter, the organic light-emitting display device 100 is described in detail. [0044] Referring to FIG. 1, the organic light-emitting display device 100 includes a display area DA and a peripheral area PA, which is a non-display area outside the display area DA, on a substrate 110. For example, the peripheral area PA may at least partially surround the display area DA. The display area DA includes the pixels PX1, PX2, and PX3. A scan line, a signal line such as a data line, and a power line 127, such as a driving voltage line electrically connected to the pixels PX1, PX2, and PX3, are electrically connected to a pad electrode 128. [0045] Referring to FIG. 2, a plurality of thin film transistors TFT1, TFT2, and TFT3 are arranged (e.g., disposed) on the substrate 110 (hereinafter, also referred to as the first, second, and third thin film transistors TFT1, TFT2, and TFT3). For example, the plurality of thin film transistors TFT1, TFT2, and TFT3 may be arranged over the substrate 110.」 「 [図:0001414783000001.jpg] 」 「 [図:0001414783000002.jpg] 」 ([0043] 以下、有機発光表示装置100について詳細に説明する。 [0044] 図1を参照すると、有機発光表示装置100は、基板110上に、表示領域DAと、表示領域DAの外にある非表示領域である周辺領域PAを含む。例えば、周辺領域PAは少なくとも部分的に表示領域DAを包囲することができる。表示領域DAは、画素PX1、PX2、PX3を含む。走査線、データ線等の信号線、画素PX1、PX2、PX3に電気的に接続される駆動電圧ライン等の電力線127は、パッド電極128と電気的に接続されている。 [0045] 図2を参照すると、複数の薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3は、基板110上に配置(例えば、設置)される(以下、第1、第2、第3の薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3ともいう)。例えば、複数の薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3は、基板110上に渡って配置することができる。) イ 段落[0058]-[0071] 「[0058] A planarization layer 114 is arranged on the thin film transistors TFT1, TFT2, and TFT3 to provide a flat surface. The planarization layer 114 may include an organic insulating layer or an inorganic insulating layer, or the planarization layer 114 may include a composite configuration of an organic insulating material and an inorganic insulating material. For example, the planarization layer 114 may include an organic material such as acrylic, benzocyclobutene (BCB), PI, and/or hexamethyldisiloxane (HMDSO). [0059] In the display area DA, a first pixel electrode 131, a second pixel electrode 132, and a third pixel electrode 133 are arranged on the planarization layer 114 (hereinafter, also referred to as the plurality of pixel electrodes 131, 132, and 133). The first, second, and third pixel electrodes 131, 132, and 133 are respectively connected to the drain electrodes 124 of each of the thin film transistors TFT1, TFT2, and TFT3 through via holes in the planarization layer 114. (略) [0061] An intermediate layer including first, second, and third organic emission layers 141, 142, and 143 (hereinafter, also referred to as the plurality of organic emission layers 141, 142, and 143) may be arranged on the first, second, and third pixel electrodes 131, 132, and 133. (略) [0064] For example, the intermediate layer may be a layer having one body extending over the plurality of pixel electrodes 131, 132, and 133, or may be a layer that is patterned to correspond to the respective pixel electrodes 131, 132, and 133. In other words, the intermediate layer could be a plurality of intermediate layers disposed on the pixel electrodes 131, 132 and 133, respectively. [0065] A common electrode 150 is provided on the organic emission layers 141, 142, and 143, respectively, of the pixels PX1, PX2, and PX3 as one body with respect to all pixels. (略) [0067] The pixel-defining layer 115 is provided between the pixel electrodes 131, 132, and 133 and the common electrode 150. [0068] The pixel-defining layer 115 surrounds edges of the pixel electrodes 131, 132, and 133, and includes the circular first openings C11, C12, and C13 exposing central portions of the pixel electrodes 131, 132, and 133. The first openings C11, C12, and C13 may have different diameters from one another. However, the present invention is not limited thereto. For example, the first openings C11, C12, and C13 may have substantially the same diameter as one another. (略) [0071] The encapsulation layer 160 covering the display area DA is arranged on the common electrode 150. The encapsulation layer 160 may cover and/or encapsulate the organic light-emitting diode to suppress deterioration of the organic light-emitting diode by moisture and oxygen included in external environment. As illustrated in FIG. 2, the encapsulation layer 160 may include a first inorganic layer 161, an organic layer 162, and a second inorganic layer 163.」 ([0058] 平坦化層114は、平坦な表面を設けるために、薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3上に配置される。平坦化層114は、有機絶縁層又は無機絶縁層を含むことができ、又は、平坦化層114は、有機絶縁材料及び無機絶縁材料の複合構成を含むことができる。例えば、平坦化膜114は、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)、PI、及び/又はヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等の有機材料を含むことができる。 [0059] 表示領域DAには、第1画素電極131、第2画素電極132、第3画素電極133が平坦化層114上に配置される(以下、複数の画素電極131、132、133ともいう)。第1、第2、第3画素電極131、132、133は、それぞれ、平坦化層114のビアホールを介して薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3の各ドレイン電極124に接続されている。 (略) [0061] 第1、第2、第3の有機発光層141、142、143(以下、複数の有機発光層141、142、143ともいう)を含む中間層を、第1、第2、第3の画素電極131、132、133上に配置することができる。 (略) [0064] 例えば、中間層は、複数の画素電極131、132、133上に渡って伸びた一つの本体を有する層であることができ、又は、画素電極131、132、133のそれぞれに対応するようにパターニングされた層であることができる。言い換えれば、中間層は、画素電極131、132、133のそれぞれの上に設置された、複数の中間層であることができる。 [0065] 共通電極150は、すべての画素について一体として、画素PX1、PX2、PX3それぞれの有機発光層141、142、143上に設けられている。 (略) [0067] 画素定義層115は、画素電極131、132、133と共通電極150との間に設けられている。 [0068] 画素定義層115は、画素電極131、132、133の縁を囲み、画素電極131、132、133の中央部を露出させる円形の第1開口部C11、C12、C13を含む。第1開口部C11、C12、C13は互いに異なる直径を有することができる。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1開口部C11、C12、C13は、互いに実質的に同じ直径を有することができる。 (略) [0071] 表示領域DAを覆う封止層160は、共通電極150上に配置されている。封止層160は、外部環境に含まれている水分や酸素による有機発光ダイオードの劣化を抑制するよう、有機発光ダイオードを覆い、及び/又は、封止する。図2に示すように、封止層160は、第1無機層161、有機層162、第2無機層163を含むことができる。) ウ 段落[0077]-[0084], FIG.3-4 「[0077] A touch sense layer 170 is provided on the encapsulation layer 160. The touch sense layer 170 includes a first insulating layer 171, a second insulating layer 172 on the first insulating layer 171, and a plurality of touch electrodes 173 disposed between the first insulating layer 171 and the second insulating layer 172. The touch electrodes 173 is not limited to a structure illustrated in FIG. 2 and may include various structures such as a mesh pattern and a transparent segment structure. (略) [0079] The black matrix 180 and the color filter 190 are arranged on the touch sense layer 170. [0080] The black matrix 180 includes a material which may block light. For example, the black matrix 180 may include at least one of, for example, carbon black, a carbon nano tube (CNT), a black pigment, and a black dye. The black matrix 180 may include a photosensitive organic material, and include a coloring agent such as pigment or dye. The black matrix 180 may have a single-layered or multi-layered structure. [0081] The black matrix 180 of the display area DA includes circular second openings C21, C22, and C23 which expose emission regions of the respective pixels PX1, PX2, and PX3. The second openings C21, C22, and C23 of the black matrix 180 respectively overlap the first openings C11, C12, and C13 in the pixel-defining layer 115 of the respective pixels PX1, PX2, and PX3, and the second openings C21, C22, and C23 are larger than the first openings C11, C12, and C13 in the pixel-defining layer 115. For example, the second openings C21, C22, and C23 may have a diameter that is larger than that of the first openings C11, C12, and C13. [0082] For example, referring to FIGS. 3 and 4, a diameter L12 of the second opening C21 of the black matrix 180 overlapping the first pixel PX1 is greater than a diameter L11 of the first opening C11 in the pixel-defining layer 115. When a size of the second opening C21 of the black matrix 180 increases, lateral visibility of the organic light-emitting display device 100 may increase. [0083] The black matrix 180 of the peripheral area PA may overlap the peripheral area PA without an opening. For example, the black matrix 180 may completely overlap the peripheral area PA or may partially overlap the peripheral area PA. The black matrix 180 overlapping the peripheral area PA may reduce reflection of external light by including various wirings arranged in the peripheral area PA. [0084] The color filter 190 is arranged in the emission regions of the respective pixels PX1, PX2, and PX3. For example, the color filter 190 may overlap the pixels PX1, PX2 and PX3.」 「 [図:0001414783000003.jpg] 」 「 [図:0001414783000004.jpg] 」 ([0077] タッチ検出層170は、封止層160上に設けられている。タッチ検出層170は、第1絶縁層171、第1絶縁層171上の第2絶縁層172、第1絶縁層171と第2の絶縁層172の間に設置された複数のタッチ電極173を含む。タッチ電極173は、図2に示す構造に限定されず、メッシュパターンや透明セグメント構造等の種々の構造を含むことができる。 (略) [0079] ブラックマトリックス180及びカラーフィルタ190は、タッチ検出層170上に配置されている。 [0080] ブラックマトリックス180は、光を遮断する材料を含む。例えば、ブラックマトリックス180は、例として、カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、黒顔料、黒染料の少なくとも1種を含むことができる。ブラックマトリックス180は感光性有機物質を含むことができ、顔料や染料等の着色剤を含むことができる。ブラックマトリックス180は、単一層の又は多層の構造を有することができる。 [0081] 表示領域DAのブラックマトリックス180は、画素PX1、PX2、PX3それぞれの発光領域を露出させる円形の第2開口部C21、C22、C23を含む。ブラックマトリックス180の第2開口部C21、C22、C23は、それぞれ、画素PX1、PX2、PX3それぞれの画素定義層115の第1開口部C11、C12、C13に重複し、第2開口部C21、C22、C23は、画素定義層115の第1開口部C11、C12、C13より大きい。例えば、第2開口部C21、C22、C23は第1開口部C11、C12、C13の直径よりも大きな直径を有することができる。 [0082] 例えば、図3及び図4を参照すると、第1画素PX1に重複するブラックマトリックス180の第2開口部C21の直径L12は、画素定義層115の第1開口部C11の直径L11より大きい。ブラックマトリックス180の第2開口部C21の大きさが増加すると、有機発光表示装置100の水平視認性を高めることができる。 [0083] 周辺領域PAのブラックマトリックス180は、開口部を有しない周辺領域PAと重複することができる。例えば、ブラックマトリックス180は、周辺領域PAと完全に重複することができ、又は周辺領域PAと部分的に重複することができる。周辺領域PAと重複するブラックマトリックス180は、周辺領域PAに配置された各種配線を含むことによって、外部光の反射を低減することができる。 [0084] カラーフィルタ190は、画素PX1、PX2、PX3それぞれの発光領域内に配置されている。例えば、カラーフィルタ190は、画素PX1、PX2、PX3と重複することができる。) (2) 引用文献1の図面からの認定事項 ア FIG.2からの認定事項 引用文献1の段落[0081]、[0084]の記載を踏まえてFIG.2を参照すると、次の事項(以下「FIG.2からの認定事項」という。)を認定することができる。 <FIG.2からの認定事項> 「カラーフィルタ190は、ブラックマトリックス180の第2開口部C21、C22、C23に形成されている。」 イ FIG.3からの認定事項 引用文献1の段落[0061]、[0068]の記載を踏まえてFIG.3を参照すると、次の事項(以下「FIG.3からの認定事項」という。)を認定することができる。 <FIG.3からの認定事項> 「有機発光層141は、画素定義層115の第1開口部C11の内側に形成されている。」 (3) 引用発明の認定 前記(1)において摘記した記載事項及び前記(2)において認定した事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明] 「有機発光表示装置100であって、([0043]) 有機発光表示装置100は、基板110上に、表示領域DAと、表示領域DAの外の非表示領域である周辺領域PAを含み、 表示領域DAは、画素PX1、PX2、PX3を含み、([0044]) 複数の薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3は、基板110上に配置され、([0045]) 平坦化層114は、平坦な表面を設けるために、薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3上に配置され、([0058]) 表示領域DAには、第1画素電極131、第2画素電極132、第3画素電極133が平坦化層114上に配置され、 第1、第2、第3画素電極131、132、133は、それぞれ、平坦化層114のビアホールを介して薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3の各ドレイン電極124に接続されており、([0059]) 第1、第2、第3の有機発光層141、142、143を含む中間層を、第1、第2、第3の画素電極131、132、133上に配置することができ、([0061]) 共通電極150は、すべての画素について一体として、画素PX1、PX2、PX3それぞれの有機発光層141、142、143上に設けられており、([0065]) 画素定義層115は、画素電極131、132、133と共通電極150との間に設けられており、([0067]) 画素定義層115は、画素電極131、132、133の縁を囲み、画素電極131、132、133の中央部を露出させる円形の第1開口部C11、C12、C13を含み、([0068]) 有機発光層141は、画素定義層115の第1開口部C11の内側に形成されており、(FIG.3からの認定事項) 表示領域DAを覆う封止層160は、共通電極150上に配置されており、([0071]) タッチ検出層170は、封止層160上に設けられており、([0077]) ブラックマトリックス180及びカラーフィルタ190は、タッチ検出層170上に配置されており、([0079]) 表示領域DAのブラックマトリックス180は、画素PX1、PX2、PX3それぞれの発光領域を露出させる円形の第2開口部C21、C22、C23を含み、 ブラックマトリックス180の第2開口部C21、C22、C23は、それぞれ、画素PX1、PX2、PX3それぞれの画素定義層115の第1開口部C11、C12、C13に重複し、([0081]) カラーフィルタ190は、画素PX1、PX2、PX3それぞれの発光領域内に配置されており、([0084]) カラーフィルタ190は、ブラックマトリックス180の第2開口部C21、C22、C23に形成されている、(FIG.2からの認定事項) 有機発光表示装置100。」 4 対比 (1) 対比分析 本件発明と引用発明を対比する。 ア(ア) 引用発明における「基板110」は、その上に「複数の薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3」が配置されるものであり、「薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3の各ドレイン電極124」は「第1、第2、第3画素電極131、132、133」が接続されるものであるから、引用発明における「基板110」は、その上に複数の画素回路が形成されるものである。 (イ) よって、引用発明における「基板110」は、本件発明における「アレイ基板」に相当する。 (ウ) したがって、本件発明と引用発明は、「アレイ基板」を含む点において一致する。 イ(ア) 引用発明において、「基板110」、「薄膜トランジスタTFT1、TFT2、TFT3」、「平坦化層114」、「画素電極131、132、133」及び「画素定義層115」がこの順に重なっていることからすれば、引用発明における「画素定義層115」は「基板110」上に設けられている。 (イ) 引用発明における「円形の第1開口部C11、C12、C13」は、「画素電極131、132、133の中央部を露出させる」ものであり、その内側に「有機発光層141」が形成されるものであるから、本件発明における「円形」「を含む第1所定の形状を有する画素ピット」に相当する。 (ウ) 引用発明における「画素定義層115」は「円形の第1開口部C11、C12、C13」を含むものである。 (エ) 前記アを踏まえて、前記(ア)~(ウ)を総合すると、引用発明における「画素定義層115」は、本件発明における「前記アレイ基板上に設けられ、円形」「を含む第1所定の形状を有する画素ピットが設けられる画素限定層」に相当する。 (オ) したがって、本件発明と引用発明は、「前記アレイ基板上に設けられ、円形」「を含む第1所定の形状を有する画素ピットが設けられる画素限定層」を含む点において一致する。 ウ(ア) 引用発明における「封止層160」は「共通電極150上に配置されて[いる]」ところ、「画素定義層115は、画素電極131、132、133と共通電極150との間に設けられて[いる]」から、引用発明における「封止層160」は「画素定義層115」上に設けられている。 (イ) よって、前記イを踏まえると、引用発明における「封止層160」は、本件発明における「前記画素限定層上に設けられる封止層」に相当する。 (ウ) したがって、本件発明と引用発明は、「前記画素限定層上に設けられる封止層」を含む点において一致する。 エ(ア) 引用発明において、「タッチ検出層170は、封止層160上に設けられて[いる]」ところ、「ブラックマトリックス180」は「タッチ検出層170上に配置されて[いる]」から、引用発明における「ブラックマトリックス180」は「封止層160」上に設けられている。 (イ) 引用発明における「ブラックマトリックス180」の「円形の第2開口部C21、C22、C23」は、「カラーフィルタ190」が形成されるものであるから、本件発明における「円形」「を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピット」に相当する。 (ウ) 引用発明において、「円形の第2開口部C21、C22、C23」と「円形の第1開口部C11、C12、C13」はいずれも円形であり、また、「第2開口部C21、C22、C23は、それぞれ」「第1開口部C11、C12、C13に重複[する]」から、「円形の第2開口部C21、C22、C23」は「円形の第1開口部C11、C12、C13」に対応するように円形を含む形状を有して設けられていると認められる。 (エ) 引用発明における「ブラックマトリックス180」は「円形の第2開口部C21、C22、C23」を含むものである。 (オ) 前記イ及びウを踏まえて、前記(ア)~(エ)を総合すると、引用発明における「ブラックマトリックス180」は、本件発明における「前記封止層上に設けられ、前記画素ピットと対応するように円形」「を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピットが設けられるブラックマトリックス」に相当する。 (カ) したがって、本件発明と引用発明は、「前記封止層上に設けられ、前記画素ピットと対応するように円形」「を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピットが設けられるブラックマトリックス」を含む点において一致する。 オ(ア) 引用発明における「有機発光表示装置100」は、画素回路及び表示素子が形成された基板を含む表示装置であるから、本件発明における「表示パネル」に相当する。 (イ) したがって、本件発明と引用発明は、「表示パネル」の発明である点において一致する。 カ 以上のとおり、本件発明と引用発明は、全ての点において一致するから、本件発明は引用文献1に記載された発明である。また、本件発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもある。 (2) 請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 請求人は審判請求書において、概略、次の(ア)~(エ)の主張をしている(以下、それぞれ「主張1」~「主張4」という。)。 (ア) 主張1 本件補正後の請求項1に係る発明では、「平面視において、円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状を有するカラーフィルムピットは、円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状を有する画素ピットの領域内に位置する」のに対し、引用発明は、このような事項を備えていない点(以下「請求人主張相違点」という。)において、本件補正後の請求項1に係る発明と引用発明は相違するところ、引用発明には、請求人主張相違点に係る構成を適用する動機付けがない。 (イ) 主張2 本件補正後の請求項1に係る発明において、画素ピットは、円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状を有するから、引用発明に対して、インクジェット印刷技術によって画素構造を形成する際に、画素構造の発光均一性が向上するという優れた効果が得られる。 (ウ) 主張3 本件補正後の請求項1に係る発明において、カラーフィルムピットは、円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状を有するから、引用発明に対して、インクジェット印刷技術によってカラーフィルム構造を形成する際に、インクがカラーフィルムピットを完全に充填できるという優れた効果が得られる。 (エ) 主張4 引用文献1において、画素定義層の開口部及びブラックマトリクスの開口部は円形又は多角形であるが、本件補正後の請求項1に係る発明において、弧辺星形は多角形に相当しないため、引用文献1には、本件補正後の請求項1に係る発明における「前記画素限定層上に円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状を有する画素ピットを設ける」及び「前記画素ピットと対応するように前記ブラックマトリックス上に円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状を有するカラーフィルムピットを設ける」という事項は記載されていない。 イ 請求人の主張の検討 請求人の主張について検討すると、次の(ア)~(エ)に示すとおり、請求人の主張を採用することはできない。 (ア) 主張1について 請求人主張相違点は、本件補正を前提とするものであるところ、本件補正は前記第2において示したとおり却下した。 そして、前記(1)に示したとおり、本件発明と引用発明は、全ての点において一致するから、請求人主張相違点は存在しない。 よって、主張1を採用することはできない。 (イ) 主張2について 本件補正は前記第2において示したとおり却下したから、主張2における「本件補正後の請求項1に係る発明」及び「円形、楕円形又は弧辺星形からなる」を、それぞれ、「本件発明」及び「円形、楕円形又は弧辺星形を含む」に読み替えて検討する。 そして、前記(1)に示したとおり、引用発明においても「画素ピットは、円形」「を含む第1所定の形状を有する」、すなわち、「第1開口部C11、C12、C13」は「円形」であるから、「インクジェット印刷技術によって画素構造を形成する際に、画素構造の発光均一性が向上する」という効果は、引用発明も同様に奏するものである。 よって、主張2を採用することはできない。 (ウ) 主張3について 本件補正は前記第2において示したとおり却下したから、主張3における「本件補正後の請求項1に係る発明」及び「円形、楕円形又は弧辺星形からなる」を、それぞれ、「本件発明」及び「円形又は楕円形を含む」に読み替えて検討する。 そして、前記(1)に示したとおり、引用発明においても「カラーフィルムピットは、円形」「を含む第2所定の形状を有する」、すなわち、「第2開口部C21、C22、C23」は「円形」であるから、「インクジェット印刷技術によってカラーフィルム構造を形成する際に、インクがカラーフィルムピットを完全に充填できる」という効果は、引用発明も同様に奏するものである。 よって、主張3を採用することはできない。 (エ) 主張4について 本件補正は前記第2において示したとおり却下したから、主張4における「本件補正後の請求項1に係る発明」、「円形、楕円形又は弧辺星形からなる第1所定の形状」及び「円形、楕円形又は弧辺星形からなる第2所定の形状」を、それぞれ、「本件発明」、「円形、楕円形又は弧辺星形を含む第1所定の形状」及び「円形又は楕円形を含む第2所定の形状」に読み替えて検討する。 また、主張4における「画素限定層上に」及び「ブラックマトリックス上に」は、それぞれ、「画素限定層に」及び「ブラックマトリックスに」の誤記であると認められる。 そして、前記(1)に示したとおり、引用発明は、本件発明における「前記画素限定層に円形」「を含む第1所定の形状を有する画素ピットを設ける」及び「前記画素ピットと対応するように前記ブラックマトリックスに円形」「を含む第2所定の形状を有するカラーフィルムピットを設ける」という構成を備えるものである。 よって、主張4を採用することはできない。 なお、主張4は、「弧辺星形は多角形に相当しない」ことを根拠として、引用文献1には「円形、楕円形又は弧辺星形を含む第1所定の形状」が記載されていないという主張であると解されるが、「円形、楕円形又は弧辺星形」は択一的記載であるから、引用発明における「第1開口部C11、C12、C13」の「円形」は、「円形、楕円形又は弧辺星形を含む第1所定の形状」に相当する点を付記する。 5 小括 したがって、本件発明は、引用文献1に記載された発明であるか、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条1項又は2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明は、特許法29条1項又は2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-008417

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