商標拒絶査定不服審判
2023-006882
プラズマトリートメント、プラズマ
- 審判番号
- 2023-006882
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-092746
- 請求日
- 2023年04月26日
- 審決日
- 2023年10月31日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ULTOWA
- 【請求人代理人】辻田 朋子
- 【請求人代理人】下田 一徳
- 【請求人代理人】樋口 頼子
- 【請求人代理人】中川 慶太
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 92746拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年8月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月 8日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月19日 :意見書の提出
令和5年 2月 1日付け:拒絶査定
令和5年 4月26日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「plasma treatment」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類「ヘアートリートメント,ヘアーリンス,化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5173653号商標(以下「引用商標」という。)は、「プラズマ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成20年1月30日登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成20年10月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「plasma treatment」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その外観上、「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態。」等を意味する「プラズマ」の英語表記である「plasma」の欧文字と、「(待遇・治療・手当の意)髪や肌の手入れ。また、手入れに使う化粧品。」等を意味する「トリートメント」の英語表記である「treatment」の欧文字の2つの語を1文字分のスペースを介して構成したものと容易に認識されるものであって(出典は、いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)、これらの文字は、視覚上、分離して認識、把握されるものである。
そして、その構成中の「treatment」の欧文字は、上記を意味する語として広く一般に親しまれた語であり、本願の指定商品との関係においては、商品の品質を表すにすぎないものであるから、当該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものと認められる。
一方、その構成中の「plasma」の欧文字は、上記の意味合いを有する語であって、本願の指定商品との関係において、直ちに商品の具体的な品質を表すものと認識できないから、「treatment」の文字部分に比して、強い印象を取引者、需要者に与えるものである。
そうすると、本願商標においては、その構成中の「plasma」の文字部分が、取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中「plasma」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から「プラズマトリートメント」の称呼を生じるほか、要部である「plasma」の文字部分から「プラズマ」の称呼を生じ、「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態。」等の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記3のとおり、「プラズマ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該文字に相応して「プラズマ」の称呼を生じ、上記アに記載の当該文字(語)の意味合いから、「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態。」等の観念が生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について、まず外観については、本願商標と引用商標とは、構成文字や文字種に相違があるものの、本願商標の要部と引用商標を比較すると、商標の使用において、その構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
また、称呼については、本願商標と引用商標とは、いずれも「プラズマ」の称呼を生じることから、称呼を共通にするものであり、観念については、両者はいずれも「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態。」等の観念を生じるものであるから、観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては構成文字や文字種の相違があるものの、本願商標の要部と引用商標との対比においては、その外観上の差異が強い印象を与えるとまではいえないものであり、また、両者は称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中の「ヘアートリートメント,ヘアーリンス,化粧品,せっけん類」は、引用商標の指定商品「せっけん類,化粧品」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品分野において、「plasma」及びその表音の片仮名表記である「プラズマ」の文字が使用されている事例(甲第2号証)を提示し、「plasma」(及び「プラズマ」)の文字が化粧品の名称等として採択され、多数使用されている実情にあるから、本願商標の構成中「plasma」の文字部分は、少なくともその指定商品との関係において、顕著と認められるほどの識別力を有するものとはいえない旨主張する。
しかしながら、請求人が提示する事例は、「plasma」(及び「プラズマ」)の文字が、本願の指定商品分野において使用されていることを示すものであるとしても、それが商品の品質を表す語として一般に使用され、取引者、需要者に認識されていることを裏付けるものとまではいえず、当審において職権をもって調査するも、当該文字が、指定商品との関係で自他商品識別標識としての機能を有しないものというべき事実は確認できなかった。
イ 請求人は、本願商標は、「plasma」と「treatment」の欧文字を1文字分のスペースを介して同書、同大でまとまりよく一体に表したものであり、構成する各単語より自然に生じる意味合いから、「プラズマ状態を利用した処理」、「プラズマ状態を利用した治療法」、「プラズマ状態を利用した手当て」などの複数の一体的な観念が生じる旨主張する。
しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、「plasma」と「treatment」の欧文字は、1文字分のスペースを介しており、これらの文字は、視覚上、分離して認識、把握されるものであって、また、「treatment」の欧文字は、本願の指定商品との関係においては、商品の品質を表すにすぎないものであるから、当該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。その一方で、「plasma」の文字部分は、本願商標の自他商品の識別標識としての機能を強く果たす部分であるから、本願商標は、常に一体不可分なものとして理解、認識されるとは限らないというべきである。
さらに、本願の指定商品との関係において、請求人が主張するような構成各文字を一体に捉えた意味合いを表すものとして一般に認識されていることを示す証左もなく、他に本願商標が、一体として特定の意味合いを直ちに想起させるものと認めるべき特別の事情も見いだせない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、これらの登録が併存していることからしても、本願商標は登録されるべきである旨主張するが、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものである。また、本願商標は、その構成中「plasma」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、本願商標は、引用商標と、商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当であることは、上記(1)ア及びウのとおりである。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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