商標拒絶査定不服審判
2023-002560
オムニヒートヘリックス、オムニヒート、ヘリックス、ヘリクス、ヒーリクス、ヒーリックス
- 審判番号
- 2023-002560
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-149054
- 請求日
- 2023年02月14日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コロンビア スポーツウェア カンパニー
- 【請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【請求人代理人】黒川 朋也
- 【請求人代理人】森川 邦子
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 中島 光
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-149054拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年11月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年5月2日付け:拒絶理由通知書
令和4年9月7日:意見書の提出
令和4年10月6日付け:拒絶査定
令和5年2月14日:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子」を指定商品として登録出願されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第1226303A号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
国際商標登録出願日:2014年(平成26年)8月14日
設定登録日:平成27年5月29日
分割移転国際登録記録年月日:2019年(令和元年)7月15日
分割移転登録日:令和元年8月29日
指定商品:第28類「Golf clubs; golf bags, with or without wheels; divot repair tools [golf accessories]; pitch mark repair tools [golf accessories]; golf gloves; golf balls.」
(2)国際登録第1370063A号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)8月8日
設定登録日:平成30年6月29日
分割移転国際登録記録年月日:2019年(令和元年)7月12日
分割移転登録日:令和元年8月29日
指定商品:第25類「Clothing; underclothing; children's clothing; swimsuits; footwear; hats; hosiery; gloves [clothing]; neckties; leather belts [clothing].」
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。
4 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、引用商標と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
5 当審の判断
(1)結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(2)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、四つの角が曲線で構成された、黒塗りの四角形様図形(以下、「背景図」という。)の内部に、前記背景図の外周に沿って表された線、八つの六角形図形及び簡略化された火とおぼしき図形を、いずれも白抜きで配置し(以下、背景図の内部に表された線及び図形をまとめて「図形部分」という。)、当該図形部分の下に、横書きで表された「OMNI―HEAT」の欧文字と、「HELIX」の欧文字とを、文字の大きさを変えて上下二段に白抜きで配してなるものである。
そして、本願商標の構成中の背景図は、その態様及び配置から、内部の図形部分及び各文字を強調するための装飾的な背景図形として認識されるものというのが相当であり、自他商品の出所識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分であるといえる。
また、本願商標の構成中の図形部分は、直ちに特定の事物を想起させないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じないものである。
さらに、本願商標の構成中の各文字部分についてみるに、「OMNI―HEAT」の文字は、「すべて」を意味する英語「OMNI」と、「熱、熱さ」等を意味する英語「HEAT」を、「―」(ハイフン)で結合したと理解され、「HELIX」の文字は「らせん(形のもの)」等の意味を有する英語であるものの(いずれも、「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)、このうち、「OMNI」及び「HELIX」の文字は、我が国で一般に親しまれた語ではなく、かつ、「OMNI―HEAT」の文字は辞書等に載録がないことに加え、いずれも本願の指定商品との関係において直ちに何らかの意味合いを理解させるものでもないことから、「OMNI―HEAT」及び「HELIX」の両文字部分よりは、特定の意味合いが生じないものといえる。そして、このように特定の意味合いを有しない欧文字については、我が国で親しまれた英語又はローマ字の発音方法に倣って称呼するのが自然といえるから、両文字部分からは、構成文字に相応して、それぞれ「オムニヒート」及び「ヘリックス」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 本願商標は、上記アのとおり、図形部分と各文字部分とは、視覚上明確に分離されており、構成上からは、図形部分と各文字部分とが、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせない。また、図形部分と各文字部分は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念的にも密接な関連を見いだすことはできない。
さらに、各文字部分は、それぞれ一定の間隔をもって重なることなく配置されていることから、それぞれが視覚上分離して看取、把握され得るものであり、また、各文字部分の間には観念的なつながりもなく、全体として特定の観念を生じるものでもない。
そうすると、本願商標は、その構成中の図形部分と各文字部分とが、それぞれ独立して需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
以上から、本願商標の構成中、顕著に表された「HELIX」の文字部分を要部(以下「本願要部」という。)として抽出し、これを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。
ウ したがって、本願商標からは、本願要部に相応して、「ヘリックス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)引用商標について
引用商標1及び引用商標2は、別掲2及び別掲3のとおり、若干のデザイン化がされているものの、普通に用いられる方法の範囲を脱しない態様で、「HELIX」の文字を表してなるところ、両引用商標よりは、この文字に相応して「ヘリックス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(4)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較すると、外観について、全体の構成との比較においては相違するものの、本願要部である「HELIX」の文字部分と、引用商標の「HELIX」の文字との比較においては、文字の書体や太さ等の相違があるとしても、それぞれの構成中の欧文字5文字全てが、同じ綴りからなるものであり、両者は外観上、近似した印象を与えるというのが相当である。
そして、称呼については、「ヘリックス」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、いずれも特定の観念が生じないから比較することができない。
したがって、本願要部と引用商標とは、観念において比較できないとしても、「ヘリックス」の称呼を共通にし、外観上近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、本願商標と引用商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(5)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似の商品である。
(6)小括
以上から、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中、「OMNI-HEAT」の文字は、請求人が独自に開発した保温テクノロジーの名称であり、請求人がその製造に係る商品に使用する登録商標であることから、当該文字を捨象し、「HELIX」の文字のみに着目し、取引に当たるとはいい難い旨主張するとともに、甲第5号証ないし甲第9号証を提出している。
しかしながら、請求人の主張及び提出された前記証拠で挙げられている使用例は、本願商標とは異なる態様であるばかりでなく、「OMNI-HEAT」の文字が本願の指定商品の需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる事情も見いだせない。そして、本願商標は、その構成中の「HELIX」の文字部分を抽出し、これを引用商標と比較して商標の類否を判断することが許されることは、上記5(2)で述べたとおりである。
(2)請求人は、他の審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標であると判断されるべき旨を主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標については、上記5においてした判断のとおりであるから、当該審決例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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