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特許異議申立

2022-700787

医療デバイス

審判番号
2022-700787
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-527703
登録番号
7021211
請求日
2022年08月09日
審決日
2023年07月05日
公報発行日
2023年10月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】テルモ株式会社
  • 【権利者代理人】IBC一番町弁理士法人
  • 【異議申立人】遠藤 楓実
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 正章
  • 審判官 栗山 卓也
  • 審判官 内藤 真徳
分類
P1651.113-YAA(A61B) / P1651.121-YAA(A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項、特許法第113条第2号、特許法第120条の8
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7021211号発明「医療デバイス」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7021211号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9〕について訂正することを認める。 特許第7021211号の請求項1~3、5~9に係る特許を維持する。 特許第7021211号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許第7021211号(以下「本件特許」という。)の請求項1~9に係る特許についての出願は、令和 4年 2月 7日にその特許権の設定登録がされ、同年 2月16日に特許掲載公報が発行された。 これに対し、同年 8月 9日に特許異議申立人遠藤 楓実(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがされたところ、その後の経緯は以下のとおりである。 令和 4年12月15日付け 取消理由通知 令和 5年 2月15日 訂正請求書及び意見書の提出 同年 2月28日付け 訂正請求があった旨の通知 第2 訂正の請求 1 訂正の内容 令和 5年 2月15日付け訂正請求書による訂正の請求は、「特許第7021211号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~9について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、本件特許に係る特許請求の範囲を、次のように訂正するものである(下線は、訂正箇所を示す)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記維持処置要素は、前記凹部に配置され、患者の心房中隔に形成された貫通孔に前記凹部が配置された状態において生体組織に対してエネルギーを付与するエネルギー伝達要素を有する、」と記載されているのを、 「前記維持処置要素は、前記凹部に配置され、患者の心房中隔に形成された貫通孔に前記凹部が配置された状態において生体組織に対してエネルギーを付与するエネルギー伝達要素を有し、前記拡張体は、拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材または板状の部材で構成されている、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5に「請求項4に記載の医療デバイス。」と記載されているものを、「請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項8に「請求項1~7のいずれか1項に記載の医療デバイス。」と記載されているものを、「請求項1~3、5~7のいずれか1項に記載の医療デバイス。」に訂正する。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「拡張体」について、当該「拡張体」が「拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材または板状の部材で構成されている」と限定するものである。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、訂正前の請求項1の発明特定事項である「拡張体」について、その構成をより具体的に「拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材または板状の部材で構成されている」と特定するものであって、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1の「拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材または板状の部材で構成されている」のうち、「拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材」「で構成されている」については、訂正前の請求項4に基づくものである。また、「または板状の部材」については、明細書段落【0154】「図33に示す拡張体600は、板状(例えば、平板状)の部材で構成された本体部610と、本体部610に形成された隙間からなる流通部608と、を有している。」との記載及び図33に基づくものである。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、訂正前の請求項4を削除するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、訂正前の請求項4の記載を削除するものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項5が請求項4を引用していたところ、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項5が引用する請求項を、訂正前の請求項4が引用していた請求項1~3のいずれか1項として、引用関係を整理するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項3は、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項5を請求項1~3のいずれか1項を引用するものとして引用関係を整理するものであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 よって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アの理由から明らかなように、訂正事項3は、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項5を請求項1~3のいずれか1項を引用するものとして引用関係を整理するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項8が請求項1~7のいずれか1項を引用していたところ、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項8が引用する請求項を請求項1~3、5~7のいずれか1項と改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項4は、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項8が引用する請求項を請求項1~3、5~7のいずれか1項と改めるものであるから、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 よって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アの理由から明らかなように、訂正事項4は、上記訂正事項2により訂正前の請求項4が削除されることに応じて、請求項8が引用する請求項を請求項1~3、5~7のいずれか1項と改めるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (5)一群の請求項について 訂正前の請求項1~9について、請求項2~9はそれぞれ請求項1を直接又は間接に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 まとめ したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし、同条第4項並びに同条第9項の規定によって準用する第126条第5項及び第6項に適合するので、訂正後の請求項〔1~9〕について訂正を認める。 第3 本件特許発明 上記のとおり本件訂正が認められるから、本件特許の請求項1~9に係る発明(以下「本件発明1~9」という。これらをまとめて「本件発明」ということもある。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 【請求項1】 シャフト部と、 前記シャフト部の先端側に設けられた拡張および収縮可能な拡張体と、 前記拡張体に配置されて、生体組織に対して所定の維持処置を行う維持処置要素と、を有し、 前記拡張体は、前記シャフト部の軸方向と交差する方向に窪んだ凹部を有し、 前記維持処置要素は、前記凹部に配置され、患者の心房中隔に形成された貫通孔に前記凹部が配置された状態において生体組織に対してエネルギーを付与するエネルギー伝達要素を有し、 前記拡張体は、拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた線状部材または板状の部材で構成されている、医療デバイス。 【請求項2】 前記拡張体は、患者の心房中隔に形成された貫通孔に前記凹部が配置され、かつ、前記エネルギー伝達要素が前記貫通孔の縁部に接触した状態において前記貫通孔を介した血液の流れを許容する流通部を有する、請求項1に記載の医療デバイス。 【請求項3】 前記拡張体は、当該拡張体の周方向の異なる複数の位置に前記凹部を有し、 前記維持処置要素は、複数の前記凹部の各々に配置される、請求項1または請求項2に記載の医療デバイス。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記拡張体の前記凹部は、 底部と、 前記底部よりも前記軸方向の先端側に形成され、前記底部から前記軸方向と交差する方向に立ち上がる先端側起立部と、 前記底部よりも前記軸方向の基端側に形成され、前記底部から前記軸方向と交差する方向に立ち上がる基端側起立部と、を有し、 前記維持処置要素は、前記底部および前記先端側起立部の少なくとも一方に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。 【請求項6】 前記先端側起立部と前記基端側起立部は、前記軸方向と交差する方向の高さ寸法が略同一に形成されており、 前記維持処置要素は、前記底部に配置されている、請求項5に記載の医療デバイス。 【請求項7】 前記先端側起立部は、前記軸方向と交差する方向の高さ寸法が前記基端側起立部よりも大きく形成されており、 前記維持処置要素は、前記先端側起立部に配置されている、請求項5に記載の医療デバイス。 【請求項8】 前記拡張体は、拡張および収縮可能な複数の拡張部を有し、 複数の前記拡張部の各々は、前記シャフト部の中心軸を基準にして、周方向の対向する位置には配置されていない、請求項1~3、5~7のいずれか1項に記載の医療デバイス。 【請求項9】 前記拡張体は、拡張および収縮可能な複数の拡張部を有し、 前記複数の拡張部はそれぞれ、前記凹部を含み、 前記先端側起立部の最も立ち上がった部分と前記基端側起立部の最も立ち上がった部分とを結ぶ直線の線分の長さである前記凹部の幅寸法が、1mm~8mmである請求項5に記載の医療デバイス。」 第4 取消理由の概要 当審が取消理由通知に記載した取消理由の概要は以下のとおりである。 本件特許の請求項1~3、8に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2017-60825号公報(甲第1号証) 2.特表2012-505050号公報(甲第6号証) 3.特開2013-176504号公報(甲第7号証) 4.国際公開第2017/099950号(甲第8号証) 第5 取消理由についての判断 1 本件発明1 (1)引用発明1 引用文献1(特に0023、0038、0039、0041、0051、図3を参照。)の「拡張カテーテル」は、当然に拡張バルーンを先端側に設けているシャフト部を有しているから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。 「シャフト部と、 前記シャフト部の先端側に設けられ、心房中隔に進められ膨張させられた拡張バルーンと、 前記拡張バルーンに組み込まれ、心房内圧軽減開口を囲む組織を熱する電極のネットワークと、を有し、 前記拡張バルーンは、バルーンの中心にある直径が両端の直径より小さい砂時計のような形で形作られている、 心房中隔に心房内圧軽減開口を形成する装置。」 (2)当審の判断 本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「拡張バルーン」と本件発明1の「拡張体」とは「拡張要素」の限りで一致し、以下同様に、「組み込まれ」は「配置され」に、「心房内圧軽減開口」は「患者の心房中隔に形成された貫通孔」に、「心房内圧軽減開口を囲む組織」は「生体組織」に、「心房内圧軽減開口を囲む組織を熱する」は「生体組織に対して所定の維持処置を行う」及び「生体組織に対してエネルギーを付与する」に、「電極のネットワーク」は「維持処置要素」及び「エネルギー伝達要素」に、「心房中隔に心房内圧軽減開口を形成する装置」は「医療デバイス」に、それぞれ相当する。 また、引用発明1の「拡張バルーン」は「バルーンの中心にある直径が両端の直径より小さい砂時計のような形で形作られている」ことから、その「バルーンの中心にある直径が両端の直径より小さい」部分は、本件発明1の「シャフト部の軸方向と交差する方向に窪んだ凹部」に相当するとともに、「拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた」「部材で構成され」たものといえる。 そうすると、本件発明1と引用発明1との一致点及び相違点は以下のとおりである。 (一致点) 「シャフト部と、 前記シャフト部の先端側に設けられた拡張および収縮可能な拡張要素と、 前記拡張要素に配置されて、生体組織に対して所定の維持処置を行う維持処置要素と、を有し、 前記拡張要素は、前記シャフト部の軸方向と交差する方向に窪んだ凹部を有し、 前記維持処置要素は、生体組織に対してエネルギーを付与するエネルギー伝達要素を有し、 前記拡張要素は、拡張変形した際に前記凹部を形成するように予め形状付けがなされた部材で構成されている、医療デバイス。」 (相違点1) 維持処置要素に関し、本件発明1では、拡張体の凹部に配置され、患者の心房中隔に形成された貫通孔に前記凹部が配置された状態においてエネルギーを付与するものであるのに対し、引用発明1では、そのように構成されているか明らかでない点。 (相違点2) 拡張要素に関し、本件発明1では、線状部材または板状の部材で構成された拡張体であるのに対し、引用発明1では、拡張バルーンである点。 事案に鑑み、まず相違点2について検討すると、引用発明1の拡張バルーンを、線状部材または板状の部材で構成された拡張体に変更して、相違点2に係る本件発明1のように構成することが、当業者が容易になし得る事項であるという証拠は見いだせない。 よって、本件発明1は、相違点1について検討するまでもなく、引用発明1に基いて、当業者が容易に想到することができたものとはいえない。 2 本件発明2、3、5~7 本件発明2、3、5~7は、本件発明1に新たな発明特定事項を付加することにより限定したものであるところ、本件発明1が上記1のように、引用発明1に基いて、当業者が容易に想到することができたものとはいえないものであるから、本件発明2、3、5~7も同様に、引用発明1に基いて、当業者が容易に想到することができたものとはいえない。 3 まとめ 以上のとおり、本件訂正が認められたことにより、取消理由は解消された。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由に対する当審の判断 特許法第29条第1項第3号及び第2項違反(特許異議申立書10~72頁) 1 刊行物に記載された発明 ア 甲第1号証(特開2017-60825号公報) 甲第1号証には、上記第5 1(1)で認定した引用発明1が記載されている。 イ 甲第2号証(特開2015-100706号公報) 甲第2号証には、「バルーン電極アセンブリ25において、心臓のチューブ状領域を焼灼するための電極26を、外側バルーン部材23の外表面に、生体組織に接触するように配置すること。」(特に【0015】、【0016】、【0027】、【0036】、【図4】を参照。)が記載されている。 ウ 甲第3号証(特表2000-504242号公報) 甲第3号証には、「体の組織を電気的に分析し加熱するための多機能電極構造体において、電極セグメント44を、膨張―収縮可能本体22の全体あるいは一部の上に、心房と心室の心内膜表面に対し完全に接触させることができるように配置すること」(特に17頁20行~18頁17行、図4を参照。)が記載されている。 エ 甲第4号証(特表2016-531699号公報) 甲第4号証には、「バルーン・カテーテルにおいて、アブレーション用の導電体16及びエネルギー輸送領域38を、バルーン26の外面32に配置すること」(特に【0021】、【0027】、【0029】、【図3】を参照。)が記載されている。 オ 甲第5号証(特開2000-51361号公報) 甲第5号証には、「生体管腔の狭窄部もしくは閉塞部を拡張する拡張バルーンカテーテルにおいて、膨張時のバルーンが、拡張部の少なくとも一方の端部が最大外径を有するとともに、拡張部の端部の間に1つの最小外径部を有することから、拡張しようとする部位を、バルーン膨張時に、確実に拡張部の最小外径部に位置させることが可能であること」(特に段落【0009】、【図2】を参照。)が記載されている。 カ 甲第6号証(特表2012-505050号公報) 甲第6号証には、「弁形成術用カテーテルにおいて、大動脈弁120内のバルーン102の所望の位置を達成するのを支援するために、バルーン102を、犬用の骨または砂時計形状に膨張させること」(特に【0039】、【図1】~【図4】を参照。)、「弁形成術用カテーテルにおいて、手技の際、血液の灌流を可能にするように、バルーン内に潅流チャネルが含まれるようにすること、及び、その具体例としての、血液が流動する中心流動面積266の周囲に5つのバルーン262AーEを配置した潅流バルーンデバイス260」(特に【0124】~【0126】、【図21】、【図22】を参照。)が記載されている。 キ 甲第7号証(特開2013-176504号公報) 甲第7号証には、「血管に挿入されるガイドカテーテルにおいて、バルーン220の膨張によって血管内を流れる血液が遮断されてしまうことを防止するために、バルーン220の外周に、血管200の内壁に当接する部分250a,250b,250c,250dと、血管200の内壁に当接しない部分255a,255b,255c,25 5dとが存在するようにすること」(特に【0018】、【0019】、【図2】を参照。)が記載されている。 ク 甲第8号証(国際公開第2017/099950号) 甲第8号証には、「血管の周りに全周性病変を生成する際に使用するための医療デバイスにおいて、バルーン28が拡張した場合であっても血管の潅流を可能にするために,バルーン28の外面と血管32の内壁との間に隙間34を保持すること」(特に[0042]、[0043]、FIG.5を参照。)が記載されている。 ケ 甲第9号証(特表2012-525210号公報) 甲第9号証には、「望ましい形状へと予め曲げられたワイヤを用いて形成されたメッシュよりなり,コアセグメント106とフランジ102及び103とを含む本体要素101を備える心房間圧力抜き装置」(特に【0132】、【0133】、【0145】、【0146】、【図1】~【図4】を参照。)が記載されている。 2 本件発明1についての当審の判断 (1)特許法第29条第1項第3号違反 本件発明1と引用発明1とを対比すると、両者は上記第5 1(2)のとおり相違点1及び2で相違し、その余の点で一致する。 よって、本件発明1は引用発明1ではない。 また、申立人は異議申立書48~50頁において、本件発明1は、そもそも周知技術にすぎないから新規性を有しない旨主張するが、上記相違点1及び2をはじめ、本件発明1が周知技術であることを認めるに足る証拠はない。 (2)特許法第29条第2項違反 本件発明1と引用発明1とを対比すると、両者は上記第5 1(2)で認定した相違点1及び2で相違する。 そして、申立人が異議申立書45~48頁で主張するように、「拡張バルーンに生体組織を熱する電極のネットワークを組み込むこと」が周知技術であったとしても、甲第2~9号証を見ても上記相違点1及び2に係る本件発明1の構成を開示する証拠はない。 そうすると、本件発明1は、引用発明1及び甲2~9号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明2、3、5~9についての当審の判断 特許法第29条第2項違反 本件発明2、3、5~9は、本件発明1の発明特定事項をすべて含むものであるところ、上記2のとおり、本件発明1は引用発明1及び甲2~9号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2、3、5~9も引用発明1及び甲2~9号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 まとめ 以上のとおり、本件発明1~3、5~9は、引用発明1及び甲2~9号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることはできない。 したがって、本件発明1~3、5~9に係る特許は、特許法第113条第2号に該当せず、取り消されるべきものとすることはできない。 第7 むすび 以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1~3、5~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1~3、5~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、上記第2のとおり、本件訂正が認められることにより、請求項4は削除され、本件特許の請求項4についての本件特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。 よって、本件特許の請求項4についての本件特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであることから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700787

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  • 2025-700883異議申立 / 2025-12-17 / 維持胃腸の状態を評価する評価装置、評価システム、評価方法および評価プログラム
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B

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