特許異議申立
2022-700580
放射冷却構造体及びシステム
- 審判番号
- 2022-700580
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-546015
- 登録番号
- 6988033
- 請求日
- 2022年07月04日
- 審決日
- 2023年03月17日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ コロラド,ア ボディ コーポレイト
- 【権利者代理人】池田 成人
- 【権利者代理人】吉住 和之
- 【権利者代理人】酒巻 順一郎
- 【権利者】ユニバーシティ オブ ワイオミング
- 【権利者代理人】池田 成人
- 【権利者代理人】吉住 和之
- 【権利者代理人】酒巻 順一郎
- 【異議申立人】西内 大生
- 審判長/審判官
- 審判長 加藤 友也
- 審判官 大島 祥吾
- 審判官 ▲吉▼澤 英一
- 分類
- P1651.121-YAA(C08J) / P1651.16 -YAA(C08J) / P1651.537-YAA(C08J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6988033号発明「放射冷却構造体及びシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6988033号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める。
特許第6988033号の請求項1、3ないし12に係る特許を維持する。
特許第6988033号の請求項2に係る特許に対する特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6988033号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし12に係る特許についての出願は、2017年(平成29年)2月27日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2016年2月29日、2017年2月8日、いずれもアメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2018-546015号に係るものであって、令和3年12月6日にその特許権の設定登録(請求項の数12)がされ、令和4年1月5日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年7月4日に特許異議申立人 西内 大生(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされ、同年12月8日付けで取消理由が通知され、同年12月19日に訂正請求書及び意見書が提出されたものである。
そして、下記第2 1のとおり、令和4年12月9日にされた訂正請求は、請求項2の削除のみの訂正であるので、特許法第120条の5第5項に定める特別な事情があるときに該当し、特許異議申立人に意見書の提出の機会は与えない。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2で示したとおり、本件訂正は認められたため、本件特許の請求項1ないし12に係る発明(以下、順に「本件発明1」のようにいい、これらを総称して「本件発明」という場合がある。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
ポリマーと、前記ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含み、選択的放出層における前記誘電体粒子の体積パーセントが1%~25%の範囲にあり、前記粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径を特徴とする、選択的放出層、
金属フィルム又は金属基材を含む反射層、及び
前記選択的放出層と前記反射層との間に設けられ、5nm~100nmの厚さを有する、太陽光に対して透明なバリア層、を備える選択的放射冷却構造体であって、
7μm~14μmの波長範囲で0.5~1.0の範囲にある平均放出率を特徴とする、選択的放射冷却構造体。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
-100℃~500℃の範囲にある操作温度で50W/m2~150W/m2の放射熱流束をもたらす、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項4】
誘電体粒子が3μm~15μmの範囲にある平均径を特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項5】
前記誘電体粒子が、二酸化ケイ素(SiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)及びアルミナ(Al2O3)から成る群より選択される、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項6】
前記ポリマーが、4-メチル-1-ペンテンポリマー、4-メチル-1-ペンテンコポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリエチレンテレフタレート及びTPX(商標)から成る群より選択される、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項7】
前記選択的放出層が、10μm~3mmの平均厚さを特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項8】
太陽光に対して透明であり耐候性を示す保護フィルムをさらに備える、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項9】
0.3μm~3μmの波長範囲で0~0.2である太陽光吸収率を特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項10】
前記選択的放出層が、7μm~14μmの波長範囲で0.5~1.0の範囲にある放出率を特徴とし、前記選択的放射冷却構造体が、0.3μm~3μmの波長範囲で0.8~1の範囲にある太陽光反射率を特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項11】
前記金属フィルムが、20ナノメートル~1000ナノメートルの平均厚さを特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。
【請求項12】
前記粒子が、3μm~30μmの範囲から選択される平均有効径を特徴とする、請求項1に記載の選択的放射冷却構造体。」
第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
令和4年7月4日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
1 申立理由1(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1ないし12に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし12に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 申立理由2(甲第10号証に基づく拡大先願)
本件特許の請求項1ないし5、7ないし12に係る発明は、本件特許の優先日前を優先日とする国際出願であって、本件特許の優先日後に国際公開がされた国際出願(PCT/US2016/038190、国際公開第2016/205717号(甲第10号証)、特表2018-526599号公報参照)の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許の出願の発明者が上記日本語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許の出願の時において、本件特許の出願人が上記国際出願の出願人と同一でもないので、同法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13)ものであるから、本件特許の請求項1ないし5、7ないし12に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
3 申立理由3(サポート要件)
本件特許の請求項1ないし12に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・本件発明の課題は「日中、夜間又はその双方で、室温での放射冷却力が50~150W/m2程度である放射冷却構造体を提供すること」であり、透過率、ポリマーの種類及び厚さ並びに誘電体粒子の種類が限定されていないクレームは、発明の詳細な説明に記載された発明でない。
4 申立理由4(明確性)
本件特許の請求項1ないし12に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・請求項1の「太陽光に対して透明」であることの定義や判断基準が明らかでないから、不明確である。
・請求項2の「太陽光に対して実質的に透明」であることの定義や判断基準が明らかでないから、不明確である。
・請求項3の「-100℃~500℃の範囲にある操作温度で50W/m2~150W/m2の放射熱流束をもたらす」との特定は、願望にすぎず、不明確である。
・請求項7において、「選択的放出層が、10μm~3mmの平均厚さ」を特定しているが、選択的放出層の厚さが10μmでは平均径が30μmの誘電体粒子を選択的放出層に分散することができず、技術的欠陥が生じることは明らかで、不明確である。
5 証拠方法
甲第1号証:実願昭61-58069号(実開昭62-169190号)のマイクロフィルム
甲第2号証:特開平4-230703号公報
甲第3号証:特開2014-199363号公報
甲第4号証:特開2010-237415号公報
甲第5号証:特開2011-203553号公報
甲第6号証:特表2004-532919号公報
甲第7号証:特開2014-113138号公報
甲第8号証:特開昭58-83168号公報
甲第9号証:特開昭60-152750号公報
甲第10号証:国際公開第2016/205717号(PCT/US2016/038190)
甲第11号証:PCT/US2016/038190の優先権書類
なお、証拠の表記は、おおむね特許異議申立書の記載に従った。
以下、順に「甲1」のようにいう。
第5 令和4年12月8日付け取消理由通知書で通知した取消理由の概要
当審が通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。
本件特許の請求項2に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。(申立理由4の請求項2に対する理由と同旨である。)
第6 取消理由についての当審の判断
上記第2で述べたとおり、訂正により特許請求の範囲の請求項2は削除された。そうすると、請求項2については取消理由の対象が存在しない。
第7 取消理由で採用しなかった申立ての理由についての判断
取消理由で採用しなかった特許異議申立人の申立理由は、申立理由1ないし申立理由3と申立理由4の一部であるので、以下順に検討する。
1 申立理由1(甲1に基づく進歩性)について
(1) 甲1に記載された事項等
ア 甲1に記載された事項
甲1には、「日射遮蔽材」に関して、おおむね次の事項が記載されている。下線については、当審において付与した。以下、同じ。
・「2.実用新案登録請求の範囲
(1)ガラス等の透明基盤に、アルミ蒸着による反射層とフッ素樹脂による選択放射層とを形成したことを特徴とする日射遮蔽材。」
・「〔産業上の利用分野〕
本考案は、建物の窓等に配設する日射遮蔽材に関する。」(1頁12行~13行)
・「なお、フッ素樹脂層3による選択放射層やアルミ蒸着層2による反射層や選択透過膜4の被膜厚を極薄に形成しておけば、反射率、放射率特性を確保しつつ可視光線を透過できるから、ガラス1やアクリル、ポリカーボネイトなどの透明基盤上に前記選択放射層、反射層及び選択透過膜4を施しても室内側から室外側を見ることができ、視界がさえぎられることがない。」(6頁14行~7頁1行)
・「ところで、フッ素樹脂層3は、その特性は第5図に示すように層3の表面から大気の透過率が比較的大きい約8~13μmの波長領域の長波放射6が選択的に強く天空に向けて放射され、その結果ガラス1や層3を形成する被膜自体の温度が下降され、また室内側へ向けての長波放射も減じることかできる。なお、第5図の波線は通常ガラスの場合を示す。
このとき、前記約8~13μm以外の放射熱は層3を透過してしまうため、この透過放射をアルミ蒸着層2により反射させて外部にもどし室内に透過する成分及びガラス1に吸収される成分を減少させる。該層2の特性は第6図に示す通りであり、図中波線は通常のガラスの場合を示す。」(7頁11行~8頁4行)
・「
[図:0001398267000001.jpg]
[図:0001398267000002.jpg]
」
イ 甲1に記載された発明
甲1には、上記アから、以下の発明が記載されているといえる。
<甲1発明>
「ガラス等の透明基盤に、アルミ蒸着による反射層とフッ素樹脂による選択放射層とを形成した日射遮蔽材。」
(2) 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「アルミ蒸着による反射層」は、本件発明1の「金属フィルム又は金属基材を含む反射層」に相当する。
甲1発明の「日射反射材」は、本件発明1の「選択的放射冷却構造体」に相当する。
甲1発明の「フッ素樹脂による選択的放射層」は、本件発明1の「ポリマー」「を含」む「選択的放出層」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「ポリマーを含む選択的放出層、金属フィルム又は金属基材を含む反射層、
を備える選択的放射冷却構造体。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1-1>
「ポリマーを含む選択的放出層」に関し、本件発明1は、「前記ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含み、選択的放出層における前記誘電体粒子の体積パーセントが1%~25%の範囲にあり、前記粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径を特徴とする」と特定するのに対し、甲1発明は、このような特定がない点
<相違点1-2>
本件発明1は、「前記選択的放出層と前記反射層との間に設けられ、5nm~100nmの厚さを有する、太陽光に対して透明なバリア層、を備える」と特定するのに対し、甲1発明は、このような特定がない点
<相違点1-3>
本件発明1は、「7μm~14μmの波長範囲で0.5~1.0の範囲にある平均放出率を特徴とする」と特定するのに対し、甲1発明は、このような特定がない点
相違点1-1について検討する。
甲1には、フッ素樹脂による選択的放出層中に粒子等を配合することに関する記載はなく、フッ素樹脂単独で選択的放出層の役割を果たしているものである。また、特許異議申立人の提示するいずれの証拠にも、甲1発明において、相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項に関する構成を採用すること、すなわち、それ自身で選択的放出層の役割をはたすフッ素樹脂等の中に3μm~30μmの平均径を有する誘電体粒子を1%~25%の体積%で含有する構成を採用することについて記載されたものはない。
なお、甲2には、塗布液中に選択的放射材料としての金属酸化物(誘電体粒子)である10ないし100ミクロンの粒子を分散しているものが開示されているが、甲2の塗布液は塗料であって、塗料は選択的放出材料ではなく、金属酸化物(誘電体粒子)が選択的放出材料として分散されているものである(10欄第4の実施例参照)である。
そうすると、甲1発明において、フッ素樹脂自体が選択的放出層として機能しているフッ素樹脂層に、甲2に記載の導電体粒子を配合する動機はない。
よって、甲1発明において、相違点1-1に係る発明特定事項とすることが当業者において想到容易であったということはできない。
以上のことから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、すなわち、甲1に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3) 本件発明3ないし12について
本件発明3ないし12は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、請求項1に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明1と同様に、甲1発明及びその他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。
(4) まとめ
よって、申立理由1には理由がない。
2 申立理由2(甲10に基づく拡大先願)について
(1) 甲10に記載された事項等
ア 甲10の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)に記載された事項
先願明細書等には、「放射冷却および加熱用のシステムならびに方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。なお、甲10は外国文であるので翻訳文のみを記載する。
・「【特許請求の範囲】
1.放射冷却用のシステムであって、
1または2以上のポリマーを有する上部層であって、熱スペクトルの少なくとも一部において、高い放射率を有し、電磁減衰係数が近似的にゼロであり、吸収率が近似的にゼロであり、太陽スペクトルの少なくとも一部において高い透過率を有する、上部層と、
前記上部層の下側に配置された反射層であって、1または2以上の金属を有し、前記太陽スペクトルの少なくとも一部において、高い反射率を有する、反射層と、
を有する、システム。
・・・
12.さらに、前記反射層の上に配置された保護層を有し、
該保護層は、約10mm未満の厚さを有し、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素の1または2以上を含む、請求項9乃至11のいずれか一つに記載のシステム。
・・・
15.前記上部層は、さらに、1または2以上の種類のナノ粒子を有し、
各種類のナノ粒子は、前記熱スペクトルの少なくとも一部において、存在する場合、他の種類のナノ粒子、および1または2以上の前記ポリマーよりも高い放射率を有し、
前記ナノ粒子は、前記太陽スペクトルにおいて、電磁減衰係数が近似的にゼロであり、吸収率が近似的にゼロである、請求項1乃至14のいずれか一つに記載のシステム。
・・・
18.前記ナノ粒子は、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、および窒化ケイ素の1または2以上を有する、請求項15乃至17のいずれか一つに記載のシステム。
・・・
34.さらに、カバー層を有する、請求項1乃至33のいずれか一つに記載のシステム。」
・「本発明は、放射冷却及び加熱用のシステムならびに方法に関する。」(1頁16行~17行)
・「ある実施形態では、当該システムの前記1または2以上のポリマーは、機械的に強く、化学結合もしくは密着特性を有し、水に対して不浸透性であり、および/または耐食性を有しても良い。当該システムは、さらに、前記上部層に隣接してカバー層を有しても良い。」(6頁13行~16行)
・「「熱スペクトル」と言う用語は、中間赤外スペクトルを網羅する電磁放射線波長の範囲を表す。地上表面温度に対して数百℃またはそれ以下の対象物は、熱スペクトルにおける放射線を放射する。従って、熱スペクトルは、約2.5μmから約30μmまでの波長を有する電磁放射線を含む。 「熱放射線」という用語は、「熱スペクトル」と相互互換可能に使用され得る。」(13頁14行~19行)
・「熱放射線のキルヒホッフの法則により、吸収率は、放射率と等しい。また、任意の材料または構造において、放射率(ε)、透過率(τ)、および反射率(R)は、ε+τ+R=1の式で相関する。従って、材料が十分に不透明な場合、光は、無視できる量しかそこを透過せず(すなわちτは近似的にゼロ)、式は、ε+R=1と簡略化できる。」(15頁12行~16行)
・「本願の一実施形態では、受動放射冷却用のシステムは、太陽スペクトルにおいて低い吸収率を有し、熱スペクトルにおいて高い放射率を有する。例えば、システムは、大気の赤外透過窓の少なくとも一部において高い放射率を有し、外側空間は、放射される放射線の熱シンクとして機能できる。これにより、地球の比較的温かい大気がバイパスできる。一例として、図1には、そのようなシステムの吸収スペクトルの例を示す。図1に示すように、システムは、太陽スペクトル、すなわち約350nmから約2.5μmにおいて、低い吸収を示す。」(16頁20行~17頁2行)
・「ある実施形態では、反射層は、約50nmから約800nmの全体厚さを有し得る。反射層は、別個に形成され基板に層状化されても、基板上に直接コーティングされても良い。例えば、反射層は、電気めっき法、熱気相成膜法、電子ビーム成膜法、スパッタリング法、または従来の他の好適な技術により形成され得る。反射層を交互に形成して、自立式の反射器として使用できることは、当業者には明らかである。」(20頁16行~22行)
・「ある実施形態では、システム300は、任意で、さらに保護層を有しても良い。存在する場合、保護層は、反射層20と上部層40との間に設置され得る。保護層は、例えば、システムの製作の間、および/または上部層40がない場合、反射層20を保護することができる。ある実施形態では、保護層30は、約10mm未満の厚さを有しても良い。保護層は、反射層の反射率をあまり低下させない材料で形成され得る。例えば、これに限られるものではないが、そのような材料は、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を含む。例えば、保護層は、第1および/または第2の波長範囲において、透明であっても良い。」(20頁23行~21頁6行)
・「ある実施形態では、上部層40は、保護層と隣接して設置され、あるいは図3に示すように、反射層20に隣接して設置される。上部層40は、熱スペクトルにおいて、高い放射率を有することができる。これに加えてまたはこれとは別に、上部層40は、太陽スペクトルにおいて、高い透過率を有し、吸収が無視できる。上部層40は、約5μmから約500μmの厚さを有し得る。」(21頁7行~11行)
・「当業者には、各ポリマーが、構成原子間で各種化学結合を有することは明らかである。これらの各々は、電磁放射線、例えば熱スペクトルにおけるある波長を吸収し、放射する。各ポリマーは、その化学組成および原子配列に基づいて、異なる数、配置および体積密度の結合を有し、その結果、熱スペクトルにおいて特徴的な放射を示す。これらの化学結合の多くは、太陽スペクトルにおける波長を吸収せず、これに限られるものではないが、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(メチルメタクリレート)を含むあるポリマーは、熱スペクトルにおいて大きな放射を示し、太陽スペクトルにおいて吸収が実質的にゼロとなる。従って、ポリマーは、所望の放射線特性に対して好適な化学的および物理的構造に、特定したり、これをカスタムで合成したりすることができる。あるいは、ある実施形態では、上部層は、2または3以上のポリマーの組み合わせを含む。あるポリマーの構成は、熱スペクトルにおいて、それらの特徴的な放射の組み合わせを示すが、残りは、太陽スペクトルの波長で、実質的に非吸収性および透過性である。例えば、これに限られるものではないが、図5には、この原理が示されている。図には、アルミニウム箔上の、ポリマー構成(「混合物」)、およびその成分のポリマーであるポリ(フッ化ビニリデン)およびポリ(酢酸ビニル)の放射率が示されている。混合物は、放射ピークを示し、その成分の1つまたは両方が同様のピークを示す。例えば、図5において、混合物は、約7.8μmで放射ピークを示すが、ポリ(酢酸ビニル)は約11.5μmにピークを示し、ポリ(フッ化ビニリデン)は、約7μmでピークを示し、両方が、一つのピークを有する。」(21頁18行~22頁14行)
・「上部層40は、さらに、追加特徴物を有しても良い。図7に示すような実施形態では、上部層40は、任意で、ナノ粒子60を含んでも良い。「ナノ粒子」および「ナノ構造」という用語は、本願において相互互換可能に使用される。例えば、ナノ粒子60は、窒化ケイ素(SiNx)(例えばSi3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、および/またはこれらの組み合わせを含んでも良い。ナノ粒子の使用により、熱放射線の範囲において放射率を高めることができる。この場合、ナノ粒子の使用により、熱スペクトルにおける上部層の放射率が高められ、ナノ粒子を使用しない形態に比べて、同様の特性を維持したまま、上部層を薄くすることができる。例えば、ナノ粒子を含む上部層は、約5μmから約10μmの厚さを有しても良い。」(26頁16行~27頁2行)
・「限定のためではなく、一例として、図8には、ポリ(ジメチルシロキサン)と、体積比で、0.8612:0.01735:0.01735:0.0694:0.0347のCaCO3、SiO2、およびAl2O3のナノ粒子とを含む、5μmの厚さの上部層のシミュレーションされた反射率が示されている。図8に示すように、ナノ粒子60および反射層20を有するシステムは、太陽スペクトルにおいて比較的高い反射率を示し、熱スペクトル、特に、昼間受動放射冷却に適する大気透過窓において、比較的低い反射率(すなわち比較的高い放射率)を示す。」(27頁2行~10行)
・「図6に示すように、システムは、さらに、カバー層50を有しても良い。カバー層50は、上部層40の上に設置されても良い。従って、カバー層50は、上部層50を保護することができる。特に、前述のように、上部層がパターン化される際に保護することができる。ナノ粒子および/またはコーティングが存在する場合、カバー層50は、上部層40に安定性および保護性を提供し、ナノ粒子および/またはコーティングを所望の位置に確実に留めることができる。カバー層50は、いかなる好適な材料で構成されても良く、例えばこれに限られるものではないが、ポリ(ジメチルシロキサン)、および/またはポリ(メチルメタクリレート)で構成されても良い。ある実施形態では、カバー層50は、上部層40と同様の放射線特性を有する。ある実施形態では、カバー層50は、上部層40とは異なる、1または2以上のポリマーで構成されても良い。図6に示すように、カバー層50の形状は、上部層40の形状と同等であり、これは、上部層により形成された任意の谷および/または溝に適合する。カバー層50は、その最大位置で、約2μmから約15μmの厚さを有し、あるいは約4μmから約8μmの厚さを有する。」(31頁4行~17行)
・「【図1】
[図:0001398267000003.jpg]
」
・「【図5】
[図:0001398267000004.jpg]
」
・「【図6】
[図:0001398267000005.jpg]
」
・「【図8】
[図:0001398267000006.jpg]
」
イ 先願発明
先願明細書等には、上記アから、以下の発明が記載されているといえる。
<先願発明>
「放射冷却用のシステムであって、
1または2以上のポリマーを有する上部層であって、熱スペクトルの少なくとも一部において、高い放射率を有し、電磁減衰係数が近似的にゼロであり、吸収率が近似的にゼロであり、太陽スペクトルの少なくとも一部において高い透過率を有する、上部層と、
前記上部層の下側に配置された反射層であって、1または2以上の金属を有し、前記太陽スペクトルの少なくとも一部において、高い反射率を有する、反射層と、
さらに、前記反射層の上に配置された保護層を有し、
該保護層は、約10mm未満の厚さを有し、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素の1または2以上を含み、
前記上部層は、5μmの厚さを有し、さらに、1または2以上の種類のナノ粒子を有し、
前記上部層のポリマーがポリ(ジメチルシロキサン)と、体積比で、0.8612:0.01735:0.01735:0.0694:0.0347のCaCO3、SiO2、およびAl2O3のナノ粒子とを含み、
前記保護層が、10nm未満の厚さで、上部層と反射層の間に設置され、第1および第2の波長範囲において透明な酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を含む材料で形成される保護層であり、
さらに、カバー層を有する、放射冷却用システム。」
(2) 本件発明1について
本件発明1と先願発明とを対比する。
先願発明の「1または2以上の金属を有し、前記太陽スペクトルの少なくとも一部において、高い反射率を有する、反射層」は、本件発明1の「金属フィルム又は金属基材を含む反射層」に相当する。
先願発明の「放射冷却用システム」は、本件発明1の「選択的放射冷却構造体」に相当する。
先願発明の「ポリマーがポリ(ジメチルシロキサン)と、体積比で、0.8612:0.01735:0.01735:0.0694:0.0347のCaCO3、SiO2、およびAl2O3のナノ粒子とを含み、5μmの厚さの上部層」は、本件発明1の「ポリマーと、前記ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含み、選択的放出層における前記誘電体粒子の体積パーセントが1%~25%の範囲にあ」る「選択的放出層」に相当する。
先願発明の「10nm未満の厚さで、上部層と反射層の間に設置され、」「1および第2の波長範囲において透明な酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を含む材料で形成される保護層」は、本件発明1の「前記選択的放出層と前記反射層との間に設けられ」ている「5nm~100nmの厚さを有する、太陽光に対して透明なバリア層」に相当する。
そうすると、本件発明1と先願発明とは、
「ポリマーと、前記ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含み、選択的放出層における前記誘電体粒子の体積パーセントが1%~25%の範囲にあり、前選択的放出層、
金属フィルム又は金属基材を含む反射層、及び
前記選択的放出層と前記反射層との間に設けられ、5nm~100nmの厚さを有する、太陽光に対して透明なバリア層、を備える選択的放射冷却構造体である、
選択的放射冷却構造体。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点10-1>
「誘電体粒子」に関し、本件発明1は、「前記粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径を特徴とする」と特定するのに対し、先願発明は、ナノ粒子である点
<相違点10-2>
「選択的放射冷却構造体」に関し、本件発明1は、「7μm~14μmの波長範囲で0.5~1.0の範囲にある平均放出率を特徴とする」と特定するのに対し、先願発明は、このような特定がない点
以下、相違点10-1について検討する。
先願発明の「ナノ粒子」は、先願明細書等の詳細な発明において「この場合、ナノ粒子の使用により、熱スペクトルにおける上部層の放射率が高められ、ナノ粒子を使用しない形態に比べて、同様の特性を維持したまま、上部層を薄くすることができる。例えば、ナノ粒子を含む上部層は、約5μmから約10μmの厚さを有しても良い。」(26頁21行~27頁2行)と記載されていて、先願発明の上部層の厚みは5μmであることから、先願発明においては、ナノ粒子である必要があるものといえる。
そうすると、相違点10-1に係る本件発明1の発明特定事項は、課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえない。
よって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は先願発明と同一であるとはいえない。
(3) 本件発明3ないし5、7ないし12について
本件発明3ないし5、7ないし12は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、請求項1に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明1と同様に、先願発明と同一であるとはいえない。
(4) まとめ
よって、申立理由2には理由がない。
3 申立理由3(サポート要件)について
(1) 判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
そこで、検討する。
(2) サポート要件の判断
本件特許の発明の詳細な説明の【0002】ないし【0004】によると、本件発明1及び3ないし12が解決しようとする課題は、「選択された電磁スペクトル波長範囲において、熱放射を優先的に放出することができる」選択的放射冷却構造体を提供することと認められる。
他方、本件特許の発明の詳細な説明の【0005】、【0008】、【0009】、【0010】、【0011】、【0013】及び【0018】には、「本開示は、ポリマー又はポリマーマトリックス複合材料の波長選択的放出層を含む、ポリマーベースの選択的放射冷却構造体に関する。」、「本開示の一態様において、波長選択的放射冷却構造体は、太陽放射を透過(又は反射)し、大気透過窓を通して赤外放射を放出し、且つ選択的放出層を備える。」、「幾つかの実施形態において、波長選択的放射冷却構造体は、1つ又は複数の大気透過窓で0.5~1の範囲にある平均放出率を特徴とする。」、「実施形態において、選択的放出層は、太陽放射を透過して赤外放射を放出するポリマー層又はポリマー複合層を含む。」、「さらなる実施形態において、選択的放出層は、ポリマーマトリックスと、マトリックス中に分布した複数のフィラー領域(例えば、粒子)とを含む複合材料層を含む。実施形態において、ポリマーは、太陽放射を透過して赤外放射を放出する。例示的なポリマーは、先に記載されている。実施形態において、ポリマーは、大気透過窓において1つ又は複数の吸収帯を有し、0.3~3μmの太陽光スペクトルにおいて著しい吸収は示さない。」、「一実施形態において、本開示により、ポリマーと、ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含む選択的放出層を備えており、誘電体粒子の体積パーセントが2%~25%の範囲にあり、粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径を特徴とする、波長選択的放射冷却構造体であって、ポリマー、複数の誘電体粒子又はその組合せが、大気透明窓において1つ又は複数の吸収帯を有すること、及び0.3~3μmの太陽放射に対しては透明であることを特徴とする、波長選択的放射冷却構造体が提供される。一例として、波長選択的放射冷却構造体は、大気透明窓に対して、0~0.1の太陽光吸収率、及び0.6~1.0の範囲にある平均放出率を特徴とする。」との記載がある。
そして、本件特許の発明の詳細な説明の【0069】ないし【0082】において、ポリマーと、ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含む選択的放出層であって、誘電体粒子の体積パーセントが2%~25%の範囲にあり、粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径である波長選択的放出層を備えた選択的放射冷却構造体の所定のスペクトル波長範囲における平均放出率が確認されている。
そうすると、当業者は、「ポリマーと、ポリマー中に分散した複数の誘電体粒子とを含む選択的放出層」であって、「誘電体粒子の体積パーセントが2%~25%の範囲にあり、粒子が3μm~30μmの範囲にある平均径」である「波長選択的表出層を含む選択的放射冷却構造体」であれば発明の課題を解決できると認識できる。
そして、本件発明1は、前記条件を満足し、さらに、反射層とバリア層を有し、さら特定の7μm~14μmの範囲での平均放出率が0.5~1.0の範囲であると特定されている選択的放射冷却構造体であるから、発明の課題を解決するものである。
したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。
また、本件発明3ないし12ついても、本件発明1と同様に判断される。
(3) 特許異議申立人の主張の検討
特許異議申立人の主張は、発明の詳細な説明の段落【0003】ないし【0005】の記載からみれば、上記(2)の検討のとおり、特許異議申立人が主張するような本件発明の課題を認定できないし、透過率、ポリマーの種類及び厚さ並びに誘電体粒子の種類は、上記(2)の検討のとおり課題解決手段とは関係がないから、失当であって、採用できない。
(4) まとめ
よって、申立理由3は理由がない。
4 申立理由4(明確性要件)について
(1) 判断基準
特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
(2) 判断
本件特許の請求項1、3ないし13の記載それ自体に不明確な記載はなく、また、本件特許の請求項1、3ないし13の記載は、明細書の記載とも整合する。
したがって、請求項1、3ないし13に関して、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時の技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。
(3) 特許異議申立人の主張の検討
特許異議申立書において特許異議申立人は、本件発明1の「太陽光に対して透明」であることの定義や判断基準について本件明細書において何ら記載されていないから明確でない旨主張するが、当該記載は、バリア層において、「太陽光に対して透明」と特定されているから、当業者であれば、バリア層としての機能を阻害しない範囲で太陽光に対して透明であると明確に理解でき、特許異議申立人の主張は採用できない。
また、特許異議申立人の本件発明3及び本件発明7に関する主張は、明確性の判断とは関係がなく、採用できない。
(3) まとめ
よって、申立理由4のうち、取消理由で通知しなかった申立理由4には理由がない。
第8 むすび
上記第5ないし7のとおり、本件特許の請求項1、3ないし12に係る特許は、取消理由及び特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1、3ないし12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件特許の請求項2に係る特許は、訂正により削除されたため、特許異議申立人による請求項2に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-700580