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特許異議申立

2022-700416

高度不飽和脂肪酸のエステルを含む組成物

審判番号
2022-700416
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-248498
登録番号
6967334
請求日
2022年05月13日
審決日
2022年08月29日
公報発行日
2022年09月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】備前化成株式会社
  • 【権利者代理人】山本 秀策
  • 【権利者代理人】森下 夏樹
  • 【異議申立人】松田 晴行
審判長/審判官
  • 審判長 大島 祥吾
  • 審判官 平塚 政宏
  • 審判官 ▲吉▼澤 英一
分類
P1651.121-Y (A61K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6967334号発明「高度不飽和脂肪酸のエステルを含む組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6967334号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6967334号(以下「本件特許」という。)の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成27年(2015年)12月21日に出願され、令和 3年10月27日にその特許権の設定の登録がされ、同年11月17日に特許掲載公報が発行された。 その後、令和 4年 5月13日に,特許異議申立人 松田 晴行(以下「申立人」という。)により、本件特許の請求項1~8に係る特許に対して特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~8に係る発明は、その特許請求の範囲に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを10wt%以上含む組成物であって、 ここで、該高度不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)、エイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)、アラキドン酸(C20:4、AA)、ドコサペンタエン酸(C22:5、DPA)、ステアリドン酸(C18:4、SDA)、α-リノレン酸(C18:3、ALA)、および、リノール酸(C18:2)からなる群から選択され、 該組成物は、溶存酸素量が1mg/L以下であり、過酸化物価が3以下であり、酸価が1以下であり、かつ、アニシジン価が5以下である、組成物。 【請求項2】 さらに、抗酸化剤を含む、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 さらに、乳化剤を含む、請求項1または2に記載の組成物。 【請求項4】 前記抗酸化剤が、大豆リン脂質、ビタミンE、およびアスコルビン酸パルミテートからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。 【請求項5】 前記乳化剤が、卵黄および卵白からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。 【請求項6】 水分含量が5wt%以下の噴霧乾燥物である、請求項1に記載の組成物。 【請求項7】 α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される高度不飽和脂肪酸のエステルを40wt%~99wt%含有する、請求項1に記載の組成物。 【請求項8】 前記組成物中の高度不飽和脂肪酸のエステルの総含有量が20wt%~60wt%である、請求項1に記載の組成物。」 第3 特許異議の申立ての理由の概要 申立人は、本件特許に対する申立理由として下記1及び2を主張し、証拠方法として下記3の甲第1~14号証を提示した。 1 申立理由1(甲1に基づく進歩性) 本件特許の請求項1~8に係る発明は、下記の甲第1、3~14号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許の請求項1~8に係る特許は、同法第113条第2号に該当する。 2 申立理由2(甲2に基づく進歩性) 本件特許の請求項1~8に係る発明は、下記の甲第1~14号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許の請求項1~8に係る特許は、同法第113条第2号に該当する。 3 証拠方法 甲第1号証 国際公開第2015/129190号(以下「甲1」という。) 甲第2号証 特開平7-188692号公報(以下「甲2」という。) 甲第3号証 戸谷 洋一郎「入門講座 油脂成分の試験・分析法」、オレオサイエンス、第1巻第6号(2001)、第657~665頁(以下「甲3」という。) 甲第4号証 高岡 京、外山 修之「数種の植物油および脂肪酸メチル中の溶存酸素」、工業化学雑誌、第73巻第2号(1970)、第331~335頁(以下「甲4」という。) 甲第5号証 市川 和昭 外2名「ノート 脱酸素剤による食用油の保存性向上(第2報)」、日本油化学会誌、第45巻第9号(1996)、第875~877頁(以下「甲5」という。) 甲第6号証 市川 和昭 外1名「食品包装の研究(第2報)-脱酸素剤による食用油保存性の向上-」、名古屋文理短期大学紀要、第19号(1994)、第77~82頁(以下「甲6」という。) 甲第7号証 特表2007-520213号公報(以下「甲7」という。) 甲第8号証 特開2011-205997号公報(以下「甲8」という。) 甲第9号証 「規格書(OMGPS-1) オメガ-3」、株式会社ミックファーム、2012年02月(以下「甲9」という。) 甲第10号証 特開平6-172782号公報(以下「甲10」という。) 甲第11号証 特開平5-287294号公報(以下「甲11」という。) 甲第12号証 特開平3-297364号公報(以下「甲12」という。) 甲第13号証 特表2007-516711号公報(以下「甲13」という。) 甲第14号証 特開昭63-44844号公報(以下「甲14」という。) 第4 当審の判断 当審は、上記第3の申立理由1及び2によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできないと判断する。 1 申立理由1(甲1に基づく進歩性)について (1)甲1に記載された発明 甲1の記載(特に、[0039]~[0046](実施例1~4)及び[0049]表2の記載)よりみて、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 「アンチョビ油エチルエステルに対して50wt%硝酸銀水溶液(w/w)を加えて20℃で攪拌することによって錯体を形成し、分液ロートで静置した後、下層の錯体画分を回収し、その画分にヘキサンを加えて60℃で撹拌することにより錯体を解離させてヘキサンにエチルエステルを溶解させ、そのエチルエステルを含むヘキサンをロータリーエバポレーターによって濃縮し、 続いて薄膜式真空精密蒸留、擬似移動床式クロマトグラフィー法又は尿素付加による精製を行い、 得られたエチルエステルに活性白土を5wt%添加して35℃で30分攪拌後、ろ過を行う方法によって得られた、 酸価0.02~0.10mg KOH/g、 過酸化物価0.9~1.9meq/kg、 アニシジン価2.8~3.6、 官能評価的に殆ど無臭で色が3(ガードナー)である SDA含有率80.2~83.2wt%のエチルエステル。」(以下「甲1発明」という。) (2)検討 ア 請求項1に係る発明について (ア)甲1発明の「エチルエステル」はアンチョビ油から得られたものであり、油脂としてステアリドン酸(SDA)を80.2~83.2wt%で含むことから、請求項1に係る発明の「高度不飽和脂肪酸のエステルを10wt%以上含む組成物」であって、該不飽和脂肪酸が「ステアリドン酸(C18:4、SDA)」であるものに相当する。 (イ)甲1発明の「酸価0.02~0.10mg KOH/g」、「過酸化物価0.9~1.9meq/kg」及び「アニシジン価2.8~3.6」は、請求項1に係る発明の「酸価が1以下」、「過酸化物価が3以下」及び「アニシジン価が5以下」を満たす。 なお、請求項1に係る発明では、「酸価」及び「過酸化物価」に単位がないが、甲3、甲1段落[0027]及び本件特許明細書の段落【0030】、【0031】及び【0039】の記載よりみて、請求項1に係る発明における「酸価」及び「過酸化物価」が、甲1発明における「酸価」及び「過酸化物価」と同一の単位によるものであることは明らかである。 (ウ)よって、請求項1に係る発明と、甲1発明とは、 「高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを10wt%以上含む組成物であって、 ここで、該高度不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)、エイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)、アラキドン酸(C20:4、AA)、ドコサペンタエン酸(C22:5、DPA)、ステアリドン酸(C18:4、SDA)、α-リノレン酸(C18:3、ALA)、および、リノール酸(C18:2)からなる群から選択され、 該組成物は、過酸化物価が3以下であり、酸価が1以下であり、かつ、アニシジン価が5以下である、組成物。」 である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点1)組成物の「溶存酸素量」について、請求項1に係る発明は、「溶存酸素量が1mg/L以下」であるのに対し、甲1発明は、「溶存酸素量」が明らかでない点。 (エ)上記相違点1について検討する。 a 甲1は、SDAエチルエステルのような脂肪酸エチルエステルの高度精製に際しては、従来、一般に長時間の蒸留などの高温処理を伴うため、臭い、色などの官能評価上の問題点を有していたところ、エチルエステル化反応および/または硝酸銀処理などを低温にて行うことにより、臭いや色などの官能評価上の問題を生じることなく、SDAエチルエステル含有率80wt%以上の高品質のエチルエステルを取得することを可能とする(甲1段落[0011])という、SDAエチルエステルの精製方法に係るものであるところ、甲1発明は、その実施例1~4として記載されているSDAエチルエステルを含む組成物であって、溶存酸素量の抑制については、何ら示されていない。 b(a)甲4~甲6は、一般に不飽和結合を有する油脂類が酸化によって劣化しやすいこと、その主たる原因が空気中の酸素が油脂に溶解した溶解酸素によって引き起こされる自動酸化であること、及び、自動酸化を防止するために窒素などの不活性ガスを吹き込むことや、脱酸素剤を添加することなどによって、溶存酸素を減らすことが行われる旨を示すに止まるものであり、精製方法に関するものではないし、また、SDAエチルエステルのような不飽和脂肪酸エチルエステルに対するものでもない。 (b)むしろ、「…不飽和脂肪酸メチルが自動酸化してPOV(当審注:過酸化物価)が大きくなると酸素吸収量が大きくなるため、大気中から試料中に溶解、拡散した酸素は自動酸化に消費されることが大きくなり、その結果溶存酸素圧の最高値は小さくなり、POVがある程度大きくなると拡散による酸素の補給量よりも自動酸化による消費量の方が大きくなって溶存酸素圧は減少する。この傾向は試料温度が高いほど、また不飽和度およびPOVの大きいものほど顕著…」(甲4第334頁右欄下から5行~第335頁左欄2行)との記載によれば、溶存酸素量が少ないことが直ちに過酸化物価も少ないことを示すものではなく、酸価、過酸化物価及びアニシジン価を低下させることと、溶存酸素量の抑制とは無関係であるといえる。 c(a)甲7には、油の脱気により、結果として生じる油は酸化されにくく、より低い過酸化物価(POV)および/またはアニシジン価(AnV)を有する旨(段落【0006】)が記載され、溶存酸素量として請求項1に係る発明と重複する数値も示されているが(段落【0105】表1)、当該記載はエチルエステルに係るものではない。 (b)甲8には、油脂分及び乳蛋白質を含む原料混合物の溶存酸素量を、予備乳化工程途中以前に3.5ppm以下に低下せしめること(請求項4)が記載されているが、当該記載もエチルエステルに係る具体的開示ではない。 d その余の各甲号証(甲3、甲9~甲14)の記載をみても、エチルエステルに係る溶存酸素量を抑制することについては何ら示されていない。 そうすると、精製により高品質のエチルエステルをすでに得ている甲1発明において、さらに相違点1に係る発明特定事項とする動機付けがあるものということはできない。 e 上記各甲号証の記載に対し、本件特許の請求項1に係る発明は、高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを含む組成物において、製品化の過程および製品の保存期間中における酸化の進行を妨げるおよび/または遅らせることを課題として、上記b(b)にかかわらず、「溶存酸素量が1mg/L以下であって、過酸化物価3以下かつ酸価1以下かつアニシジン価5以下である高度不飽和脂肪酸エステル」を提供することによって、上記課題を解決したものであり(本件特許明細書の段落【0022】~【0025】)、そうすることにより、実施例1で得られた製品は溶存酸素量濃度0.3mg/L、過酸化物価(POV)0.1、AV0.1及びアニシジン価1.0であって(同段落【0092】)、この実施例1の組成物に抗酸化剤及び卵黄を混合した組成物を用いた賦形剤(実施例3)、うどん(実施例4)及びインスタント味噌汁(実施例5)はいずれも、官能検査の結果、魚油に特有の生臭い異臭は感知せず良好と評価した(同【0104】、【0109】、【0112】)という格別な効果を奏するものであって、これは、甲各号証のいずれにも記載も示唆もされていないものである。 (オ)以上のとおり、請求項1に係る発明は、甲1発明及び甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 イ 請求項2~8に係る発明について 請求項2~8に係る発明は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定したものである。よって、甲1発明は、少なくとも上記ア(ウ)の相違点1において、請求項2~8に係る発明と相違する。 そして、相違点1についての判断は上記ア(エ)のとおりであるから、同様の理由により、請求項2~8に係る発明は、甲1発明及び甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 (3)申立理由1(甲1に基づく進歩性)についての小括 以上のとおり、請求項1~8に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 2 申立理由2(甲2に基づく進歩性)について (1)甲2に記載された発明 甲2の記載(特に、段落【0023】~【0025】実施例3の記載)よりみて、甲2には、次の発明が記載されていると認められる。 「エチルエステル化処理されたイワシ油をバッチ法にて真空水蒸気蒸留処理し、すなわち、試料を窒素ガス気流下、165℃にて水蒸気蒸留処理し、終了後直ちに、窒素ガス気流下、酸性白土を加え、常温で1時間撹拌した後、酸性白土を吸引濾過により除く方法によって得られた、 EPA:42.1重量%、 DHA:21.7重量%、 過酸化物価(POV):1.5、 酸価(AV):0.2、 色調:淡黄色、 異臭(魚臭):極微弱 である脂肪酸エチルエステル製品。」(以下「甲2発明」という。) (2)検討 ア 請求項1に係る発明について (ア)甲2発明の「脂肪酸エチルエステル製品」はイワシ油から得られたものであり、脂肪酸としてEPA(エイコサペンタエン酸)を42.4%、DHA(ドコサヘキサエン酸)を21.1%含むことから、請求項1に係る発明の「高度不飽和脂肪酸のエステルを10wt%以上含む組成物」であって、該不飽和脂肪酸が「エイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)」及び「ドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)」であるものに相当する。 (イ)甲2発明の「過酸化物価(POV):1.5」及び「酸価(AV):0.2」は、請求項1に係る発明の「過酸化物価が3以下」及び「酸価が1以下」を満たす。 (ウ)よって、請求項1に係る発明と、甲1発明とは, 「高度不飽和脂肪酸のエチルエステルを10wt%以上含む組成物であって、 ここで、該高度不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)、エイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)、アラキドン酸(C20:4、AA)、ドコサペンタエン酸(C22:5、DPA)、ステアリドン酸(C18:4、SDA)、α-リノレン酸(C18:3、ALA)、および、リノール酸(C18:2)からなる群から選択され、 該組成物は、過酸化物価が3以下であり、酸価が1以下である、組成物」 である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点2)組成物の「溶存酸素量」について、請求項1に係る発明は、「溶存酸素量が1mg/L以下」であるのに対し、甲2発明は、「溶存酸素量」が明らかでない点。 (相違点3)組成物の「アニシジン価」について、請求項1に係る発明は、「アニシジン価が5以下」であるのに対し,甲2発明は、「アニシジン価」が明らかでない点。 (エ)事案に鑑み、上記相違点2について検討する。 a 甲2は、高度不飽和脂肪酸類を含有する組成物から実際的かつ工業的規模で過酸化物を除き、脱臭・脱色を行う為の新規手段を提供することを課題として、従来の脱臭・脱色工程で一般によく用いられている真空水蒸気蒸留法を改良して用いることにより、上記組成物から過酸化物を効率よく除去し、かつ脱臭・脱色する方法を見いだした(甲2段落【0007】、【0008】)ものであるところ、甲2発明は、その実施例3として記載されている脂肪酸エチルエステルを含む組成物であって、溶存酸素量の抑制については、何ら示されていない。 b また、相違点2は、上記1(2)ア(ウ)の相違点1と同様であるから、甲1、甲3~甲14についての検討も同様である。 c そうすると、相違点1について判断した上記1(2)ア(エ)と同様の理由により、高品質の脂肪酸エチルエステルをすでに得ている甲2発明において、さらに相違点2に係る発明特定事項とする動機付けがあるものということはできない。 (オ)よって、相違点3について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲2発明及び甲1、甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 イ 請求項2~8に係る発明について 請求項2~8に係る発明は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定したものである。よって、甲2発明は、少なくとも上記ア(ウ)の相違点2において、請求項2~8に係る発明と相違する。 そして、相違点2についての判断は上記ア(エ)のとおりであるから、同様の理由により、請求項2~8に係る発明は、甲2発明及び甲1、甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、特許権者が甲2の再現実験と称する実験の結果について、甲2の方法ではアニシジン価が原料の38.7から処理後の製品では105.1と大幅に上昇することに基づく特許権者の主張に対して、採用できるものではない旨を反論している(特許異議申立書第30~31頁)。 上記再現実験は甲2実施例1に基づくものであるところ、甲2実施例1は「トリグリセリド」に係るものであって「エチルエステル」に係るものではなく、当審としては、そもそも、特許権者の上記主張は採用できないと判断する。なお、特許権者の上記主張を採用しないとしても、請求項1~8に係る発明が甲2発明に対して進歩性を有することは上記ア、イで検討したとおりであり、その判断に影響を与えるものではない。 (3)申立理由2(甲2に基づく進歩性)についての小括 以上のとおり、請求項1~8に係る発明は、甲2に記載された発明及び甲1、甲3~甲14の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 3 むすび 上記1、2のとおり、本件特許の請求項1~8に係る特許は、特許法29条第2項の規定に違反してされたものでないから、同法第113条第2号に該当するということはできず、この理由によって本件特許を取り消すことはできない。 また、ほかに、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、上記のとおり決定する。

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2022-700416

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