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特許異議申立

2022-700187

包被食品成形方法及び装置

審判番号
2022-700187
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-123342
登録番号
6932891
請求日
2022年03月03日
審決日
2022年09月28日
公報発行日
2022年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社コバード
  • 【権利者代理人】弁理士法人大手門国際特許事務所
  • 【異議申立人】レオン自動機 株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 平城 俊雅
  • 審判官 河内 誠
分類
P1651.121-YAA(A23P) / P1651.841-YAA(A23P) / P1651.851-YAA(A23P) / P1651.854-YAA(A23P)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6932891号発明「包被食品成形方法及び装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6932891号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕、〔5-8〕について訂正することを認める。 特許第6932891号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許6932891号(以下「本件特許」という。)の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和2年7月18日に出願され、令和3年8月23日にその特許権の設定登録がされ、令和3年9月8日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 3月 3日 :特許異議申立人レオン自動機株式会社(以下「異議申立人」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て 令和4年 5月25日付け:取消理由通知書 令和4年 7月22日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 令和4年 9月 2日 :異議申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 令和4年7月22日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである(下線は訂正箇所を示すため当審で付したものである。)。 1 訂正の内容 (1)訂正事項1 本件特許の特許請求の範囲の請求項1に記載された 「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」を、 「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」 と訂正する。 (2)訂正事項2 本件特許の特許請求の範囲の請求項5に記載された 「前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する」を、 「前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する」 と訂正する。 2 訂正の適否について (1)訂正事項1 ア 訂正の目的 訂正事項1は、請求項1における「配置工程」について、第二シャッタの動作による外皮材の形状を「前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された」と具体的に特定して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0036】の「図7は、吐出部4及び押え部6が下降して押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接した状態を示している。吐出部4が下降する際に、第二シャッタ81をさらに閉じる方向に動作させることで、開口領域に落ち込んで湾曲形成された外皮材Fの中央部分に対して開口領域に対応する上部開口を吐出管40の先端のノズルに近いサイズに絞り込むようにする。」との記載に基づくものである。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)の記載に基づくものであり、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的 訂正事項2は、請求項5における「制御部」の第二シャッタに対する動作制御による外皮材の形状を「前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された」と具体的に特定して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正である。 イ 新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について 訂正事項2は、上記(1)と同様に、本件特許明細書の段落【0036】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書等の記載に基づくものであり、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 そして、訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (3)一群の請求項についての説明 訂正前の請求項1~4については、請求項2~4は、それぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。また、訂正前の請求項5~8については、請求項6~8は、それぞれ請求項5を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~4に対応する訂正後の請求項1~4、及び訂正前の請求項5~8に対応する訂正後の請求項5~8は、それぞれ、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 小活 したがって、本件訂正の訂正事項1、2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するから、訂正後の請求項〔1-4〕、〔5-8〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正により訂正された請求項1~8に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明8」ということがある。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む包被食品成形方法。 【請求項2】 前記載置工程では、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタの間に取り付けられたシート状の受け部材の開口内で第二シャッタを閉じた状態として前記外皮材を載置する請求項1に記載の包被食品成形方法。 【請求項3】 前記載置工程では、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて載置された前記外皮材の周縁部を位置調整する請求項1又は2に記載の包被食品成形方法。 【請求項4】 前記湾曲工程では、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材の周縁部を中央部分に向かって寄せるように移動させる請求項1から3のいずれかに記載の包被食品成形方法。 【請求項5】 複数のシャッタ片からなる第一シャッタと、前記第一シャッタの下方に取り付けられるとともに複数のシャッタ片からなる第二シャッタと、シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部と、前記内材送給部を動作させて前記外皮材に前記内材を配置するとともに前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材に配置された前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する制御部とを備える包被食品成形装置であって、 前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する包被食品成形装置。 【請求項6】 前記制御部は、前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの前記シャッタ片上に載置されたシート状の外皮材の周縁部を位置調整する請求項5に記載の包被食品成形装置。 【請求項7】 前記内材送給部は、前記内材を吐出する吐出管を備えており、前記制御部は、前記吐出管を前記外皮材の中央部分に当接させた状態で前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて位置調整を行う請求項6に記載の包被食品成形装置。 【請求項8】 前記第一シャッタ及び前記第二シャッタの間に取り付けられるとともに開口が形成されたシート状の受け部材を備えている請求項5から7のいずれかに記載の包被食品成形装置。」 第4 取消理由の概要 訂正前の請求項1~6、8に係る特許に対して、当審が令和4年5月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (進歩性)本件特許の請求項1~6、8に係る発明(以下「本件発明1」などという。)は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~6、8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 甲第1号証:特開2004-313072号公報 甲第2号証:韓国登録特許第10-2071877号公報 甲第3号証:特許第4316662号公報 (以下、甲第1号証~甲第3号証をそれぞれ「甲1」~「甲3」という。) A 甲1を主引例とする場合 (1)請求項1について 本件発明1は、甲1及び甲2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)請求項2~4について 本件発明2~4は、甲1~甲3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)請求項5について 本件発明5は、甲1及び甲2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)請求項6、8について 本件発明6、8は、甲1~甲3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 B 甲3を主引例とする場合 (1)請求項1について 本件発明1は、甲3及び甲2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)請求項2~4について 本件発明2~4は、甲1~甲3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)請求項5について 本件発明5は、甲3及び甲2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)請求項6、8について 本件発明6、8は、甲1~甲3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 甲各号証の記載 甲1 甲1(特開2004-313072号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0007】 本発明は、従来の食品成形装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、外皮材に与えるダメージを抑えて確実に封着動作を行うことができる食品成形装置を提供するものである。 ・・・ 【0014】 図1は、本発明に係る実施形態の部分断面正面図である。図1おいて、符号1で指示するものは、図2の平面図に示した計4枚のシャッタ片10・10…が組み合って開閉可能に構成された第一シャッタである。なお、図2は、図1の面Sにおける平面図である。第一シャッタ1は、図1及び図2に示すように、駆動中空軸11・11…に各々固定された各シャッタ片10がこの駆動中空軸11を中心に往復揺動して各シャッタ片10の先端が隣りのシャッタ片10の側辺を摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片10・10…の側辺で囲んだ領域を開閉させる。 ・・・ 【0016】 図1において符号3で指示するものは、図2の平面図で示した計4枚のシャッタ片30・30…が組み合って開閉可能に構成され、上述した第一シャッタ1の上方に配設された第二シャッタである。第二シャッタ3の各シャッタ片30は、その下面が第一シャッタ1のシャッタ片10の上面と隙間の無いように配設される。第一シャッタ1の駆動中空軸11と同心状に設けられた駆動軸31・31…に各シャッタ片30は固定されており、駆動軸31を中心に往復揺動して各シャッタ片30の先端が隣りのシャッタ片30の側辺を摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片30・30…の側辺で囲んだ領域を開閉させる。 ・・・ 【0019】 また、本実施形態では、外皮材を椀状に形成すると共に椀状形成した外皮材の底部に内材を供給する内材供給手段を備えている。即ち、押込み部材40は、下端に内材を吐出するための吐出孔を備えた筒体により構成されており、この吐出孔を開閉するための弁50が内装されている。そして、ホッパ55内へ投入した内材を、従来公知のポンプ54により供給パイプ53を通じて押込み部材40の筒内へ圧送し、前記ステー41に固定されたエアシリンダ52の駆動によりロッド51を介して弁50を上下動させることで、吐出孔を適宜開閉して椀状形成した外皮材の底部に所要量の内材を供給する。」 イ 「【0023】 まず、図6(a)に示すように、第一シャッタ1を閉鎖させ、第二シャッタ3を開口させた状態におき、図6(b)のように押込み部材40を上昇させた状態で第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを戴置する。本実施形態では、外皮材Fをシャッタ片10上に安定的に戴置するため、第一シャッタ1を全閉させた状態で外皮材Fを載置しているが、この第一シャッタ1を外皮材Fが落下しない程度に開口させた状態で外皮材Fを載置するようにしても良い。また、シャッタ片10上に外皮材Fを戴置した後、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて開口面積が縮小した状態にすれば、縮小された開口状態に合わせて外皮材Fをセットでき、外皮材Fが所定位置に収まるように外皮材Fの位置調整を行なうことができる。 【0024】 次に、図7(a)に示すように、押込み部材40が通過できる程度に第一シャッタ1を開口させる。その際に、図7(b)に示すように、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、第一シャッタ1の開口部へ外皮材Fの中心部を凹ませた状態とする。この場合、外皮材Fの周縁部が押え部材60の押圧位置に来る程度までになり、外皮材Fの周縁部を正確に位置決めできる。そして、図8(a)に示すように、第二シャッタ3は、開く方向に動作させて、押え部材60の押圧動作に邪魔にならないようにシャッタ片30を退避させる。 【0025】 次に、図9(b)のように、押込み部材40を下降させると、押込み部材40に装着された押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接する。引き続き、押込み部材40を下降させると、押え部材60は、支持ロッド61に固定されているため、押込み部材40に固定されたステー62との間隔が狭まる。間隔が狭まることでコイルばね63の付勢力が働き、押え部材60は外皮材Fの周縁部に押し付けられて外皮材Fが第一シャッタ1のシャッタ片10上に保持される。このように外皮材Fの周縁部を保持した状態で、押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて外皮材Fの底部に配置されるとともに内材Gの吐出力により外皮材Fは椀状形成される。所定量の内材Gが吐出された時点で弁40を下降させ吐出孔を閉じる。そして、図10(b)に示すように、押込み部材40を上昇させて、押え部材50を外皮材Fの周縁部から離す。以上の一連の工程が外皮材Fに内材Gを配置する配置工程である。図10において、押込み部材40の上昇動作ととも第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動する。この押動動作により、押え部材60の押圧動作で外皮材Fの周縁部が第一シャッタ1のシャッタ片10に付着したとしてもすべて剥がされる。また、下方から支持部材70が上昇し、外皮材Fを支持する位置にセットされる。」 ウ 「図6 [図:0001392053000001.jpg] 」 エ 「図7 [図:0001392053000002.jpg] 」 オ 「図9 [図:0001392053000003.jpg] 」 カ 「図13 [図:0001392053000004.jpg] 」 キ 上記オの図9(b)において、外皮材Fは第一シャッタ1の開口領域に落ち込んで椀状形成されていることが看取できる。 以上の事項を総合すると、甲1には以下の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。 「計4枚のシャッタ片30からなる第二シャッタ3を開口させ、第二シャッタ3の下方に配設された計4枚のシャッタ片10からなる第一シャッタ1を封鎖させた状態で、第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを載置し、 第一シャッタ1を開口させ、その際に、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、第一シャッタ1の開口部へ外皮材Fの中心部を凹ませた状態とし、 押込み部材40を下降させると、押込み部材40に装着された押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接し、押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて外皮材Fの底部に配置されるとともに内材Gの吐出力により外皮材Fは第一シャッタ1の開口領域に落ち込んで椀状形成され、 第二シャッタ3を閉じる方向に動作させながら、第一シャッタ1を閉じる方向に動作させることで、外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着する食品成形方法。」 また、甲1には以下の発明(以下「甲1発明2」という。)も記載されていると認められる。 「計4枚のシャッタ片30からなる第二シャッタ3と、第二シャッタ3の下方に配設された計4枚のシャッタ片10からなる第一シャッタ1と、外皮材Fの底部に内材Gを供給する内材供給手段とを備える食品成形装置であって、 第二シャッタ3を開口させ、第一シャッタ1を封鎖させた状態で、第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを載置し、 第一シャッタ1を開口させ、その際に、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、第一シャッタ1の開口部へ外皮材Fの中心部を凹ませた状態とし、 押込み部材40を下降させると、押込み部材40に装着された押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接し、押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて外皮材Fの底部に配置されるとともに内材Gの吐出力により外皮材Fは第一シャッタ1の開口領域に落ち込んで椀状形成され、 第二シャッタ3を閉じる方向に動作させながら、第一シャッタ1を閉じる方向に動作させることで、外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着する食品成形装置。」 甲2 甲2(韓国登録特許第10-2071877号公報)には、以下の事項が記載されている。(当審の訳文を()内に示す。) ア 「 [図:0001392053000005.jpg] 」 ([0026]本発明の包皮食品の伸び止め装置付きシャッター装置、は包皮食品製造機(10)に設置された具材詰め込み装置(20)下側に設置され、多様な形状に形成される外皮供給装置(図示せず)から円板状の外皮(2)を供給された後、同様な様々な形状に形成される具材詰め込み装置(20)を用いて具材(1)を詰め込んだ後、シャッター(130)に具備されたシャッター刃(131)を用いて円形状の外皮(2)の周縁部を突起状の封着部が形成されるように封着し、シャッター装置(100)の下側に一体型に配備される包皮食品の伸び止め装置(200)が、具材の詰め込みの際に包被食品の外皮(2)が外方に所定の幅Dに見合う分しか伸びないように拘束することで、外皮の伸びすぎに起因する様々な問題を完璧に防ぐ。) イ 「 [図:0001392053000006.jpg] 」 ([0060]リンクバー(220)が前進するにつれて、シャッター作動リング(231)が回転し、このシャッター作動リング(230)に後端がヒンジ(243)で結合されたシャッター(240)の先端部(241)がヒンジ(242)を中心として一度に内側で回転しながら幅調節手段(300)により調整された幅(D)に見合う分だけ縮まるとともに、外皮(2)内に具材(1)が詰め込まれる。) ウ 「 [図:0001392053000007.jpg] 」 ([0065]内部に具材(1)が詰め込まれた外皮(2)は、シャッター装置(100)に多数配備されたシャッター(130)のシャッター刃(131)が内側に同時に移動されながら外皮(2)の上部を寄せ集め、この寄せ集め部を突起状の封着部が形成されるように封着する(図13参照)。) エ 「図12 [図:0001392053000008.jpg] 」 オ 「図13 [図:0001392053000009.jpg] 」 以上の事項を総合すると、甲2には、次の事項が記載(以下「甲2記載事項」という。)されていると認められる。 「シャッタ装置(100)の下側に配備される包皮食品の伸び止め装置(200)において、具材を詰め込むときに、外皮の伸び止め用シャッタ(240)の先端部(241)が所定の幅(D)まで縮まって外皮(2)が伸びないように拘束する包皮食品製造機(10)、及び該包皮食品製造機(10)における具材詰め込み方法。」 甲3 甲3(特許第4316662号公報)には、以下の事項が記載されていると認められる。 ア 「【0040】 また、本実施形態では、外皮材を椀状に形成すると共に椀状形成した外皮材の底部に内材を供給する内材供給手段を備えている。押込み部材30は、下端に内材を吐出するための吐出孔を備えた筒体により構成されており、この吐出孔を開閉するための弁40が内装されている。そして、ホッパ45内へ投入した内材を、公知のポンプ44により供給パイプ43を通じて押込み部材30の筒内へ圧送し、ステー31に固定されたエアシリンダ42の駆動によりロッド41を介して弁40を上下動させることで、吐出孔を適宜開閉して椀状形成した外皮材の底部に所要量の内材を供給する。 ・・・ 【0044】 図11~図17は、第一シャッタ1及び第二シャッタ2において6枚のシャッタ片を備えたシャッタ構造を用いた場合の食品成形工程に関する動作説明図である。図11(a)~図17(a)及び図11(b)~図17(b)は、それぞれ図11(c)~図17(c)に示す各工程での第一及び第二シャッタの平面図を示している。なお、本実施形態では、外皮材Fとしてパン生地を使用し、内材Gとして餡を使用した例で説明する。 【0045】 まず、図11(a)に示すように、第一シャッタ1を受け部材70の開口部71よりも広く開口し、図11(b)に示すように第二シャッタ2を閉鎖させた状態に設定する。図11(c)に示すように、押込み部材30を上昇させた状態で受け部材70上に開口部71を覆うようにシート状の外皮材Fを戴置する。 ・・・ 【0047】 次に、図12(b)に示すように、押込み部材30が通過できる程度に第二シャッタ2を開口させる。そして、図12(c)に示すように、押込み部材30を下降させて、押込み部材30に装着された押え部材50を外皮材Fの周縁部に当接させる。引き続き、押込み部材30を下降させると、押え部材50は、支持ロッド51に固定されているため、押込み部材30に固定されたステー52との間隔が狭まる。間隔が狭まることでコイルばね53の付勢力が働き、押え部材50は外皮材Fの周縁部に押し付けられて外皮材Fが受け部材70上に保持される。このように外皮材Fの周縁部を保持した状態で、図13(b)に示すように、押込み部材30を第二シャッタ2の開口部にさらに進入させて外皮材Fの中央部を窪ませることにより外皮材Fを椀状に形成する。このとき、外皮材Fを支持部材60で支持するようにすれば、外皮材が必要以上に下方へ伸びてしまうことを防ぐことができ、外皮材を確実に椀状形成することができる。」 イ 「【0049】 そして、押込み部材30内の弁40を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて椀状形成された外皮材Fの底部に配置される。所定量の内材Gが吐出された時点で弁40を下降させ吐出孔を閉じる。このように本実施形態では、押込み部材30を通して内材Gを供給しているので、押込み部材30の上昇に伴ってパン生地から成る外皮材Fが収縮してしまうのを防ぐことができるとともに、外皮材の形状形成と内材の供給を効率よく行うことができる。また、このとき、外皮材Fを支持部材60で支持しているので、内材Gの吐出による外皮材の必要以上の伸びを防ぐことができ、内材Gを確実に配置することができる。 ・・・ 【0053】 そして、図17(b)に示すように、第一シャッタ1で外皮材Fの周縁部を集めて第二シャッタ2を動作させることにより、集めた外皮材Fの周縁部を確実に封着して外皮材Fで内材Gを包み込んだ成形品Hを得る(図17(c)参照)。この際にも、第二シャッタ2は完全に閉じることなく、外皮材Fの封着が十分行われたところで閉じる動作を停止する。したがって、外皮材Fは、分割又は切断されることがないため、滓等は発生することがないだけでなく、外皮材Fのダメージも軽減される。その後、成形品Hを支える支持部材60が下降してベルト上に成形品Hが載置された状態となり、ベルトコンベア63を駆動して成形品Hをベルト搬送する。 ウ 「図11(c) [図:0001392053000010.jpg] 」 エ 「図13(c) [図:0001392053000011.jpg] 」 オ 「図17(c) [図:0001392053000012.jpg] 」 カ 上記ウの図11(c)において、第一シャッタ1の下方に第二シャッタ2が取り付けられていることが示されている。また、上記エの図13(c)において、外皮材Fは第二シャッタ2の開口領域に落ち込んで椀状形成されていることが示されている。 以上の事項を総合すると、甲3には以下の発明(以下「甲3発明1」という。)が記載されていると認められる。 「6枚のシャッタ片を備えた第一シャッタ1を開口し、第一シャッタ1の下方に取り付けられた6枚のシャッタ片を備えた第二シャッタ2を閉鎖させた状態で受け部材70及び第二シャッタ2上に外皮材Fを載置し、 押込み部材30が通過できる程度に第二シャッタ2を開口させ、押込み部材30を下降させて、押込み部材30に装着された押え部材50を外皮材Fの周縁部に当接させ、引き続き、押込み部材30を下降させ外皮材Fの中央部を窪ませることにより、外皮材Fは第二シャッタ2の開口領域に落ち込んで椀状形成され、 押込み部材30内の弁40を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて椀状形成された外皮材Fの底部に配置され、 第一シャッタ1で外皮材Fの周縁部を集めて第二シャッタ2を動作させることにより、集めた外皮材Fの周縁部を確実に封着する食品加工方法。」 また、甲3には、以下の発明(以下「甲3発明2」という。)も記載されていると認められる。 「6枚のシャッタ片を備えた第一シャッタ1と、第一シャッタ1の下方に取り付けられた6枚のシャッタ片を備えた第二シャッタ2と、外皮材Fの底部に内材Gを供給する内材供給手段とを備え、 第一シャッタ1を開口し、第二シャッタ2を閉鎖させた状態で受け部材70及び第二シャッタ2上に外皮材Fを載置し、 押込み部材30が通過できる程度に第二シャッタ2を開口させ、押込み部材30を下降させて、押込み部材30に装着された押え部材50を外皮材Fの周縁部に当接させ、引き続き、押込み部材30を下降させ外皮材Fの中央部を窪ませることにより、外皮材Fは第二シャッタ2の開口領域に落ち込んで椀状形成され、 押込み部材30内の弁40を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて椀状形成された外皮材Fの底部に配置され、 第一シャッタ1で外皮材Fの周縁部を集めて第二シャッタ2を動作させることにより、集めた外皮材Fの周縁部を確実に封着する食品加工装置。」 甲4 甲4(特開2002-335933号公報)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0035】まず、図18に示すように、第一シャッタ1及び第二シャッタ2を開口させた状態で、第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを戴置する。この外皮材上には予め内材Gが供給されている。なお、ここでは、第一シャッタ1を外皮材Fが落下しない程度に開口させた状態で外皮材Fを供給しているが、第一シャッタ1を閉じた状態で外皮材Fを供給するようにしても良く、また、第一シャッタ1及び第二シャッタ2を開口させた状態で、次述する外皮材形成手段3の形成部材31を予め上昇させておいてから、第一シャッタ1のシャッタ片10及びこの形成部材31上に外皮材Fを戴置するようにしても良い。これらのことによってより安定的に外皮材Fを載置することができる。」 イ 「図18 [図:0001392053000013.jpg] 」 第6 当審の判断 1 取消理由通知に記載した取消理由について A 甲1を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲1発明1とを対比する。 ア 甲1発明1の「計4枚のシャッタ片30からなる第二シャッタ3」、「計4枚のシャッタ片10からなる第一シャッタ1」、「外皮材F」は、それぞれ、本件発明1の「複数のシャッタ片からなる第一シャッタ」、「複数のシャッタ片からなる第二シャッタ」、「外皮材」に相当する。 よって、甲1発明1の「計4枚のシャッタ片30からなる第二シャッタ3を開口させ、第二シャッタ3の下方に配設された計4枚のシャッタ片10からなる第一シャッタ1を封鎖させた状態で、第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを載置」する点は、本件発明1の「複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程」に相当する。 イ 甲1発明1の「第一シャッタ1を開口させ」る点は、本件発明1の「第二シャッタを開く方向に動作させ」る点に相当し、甲1発明1の「外皮材Fの中心部を凹ませた状態」とする点は、本件発明1の「載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる」点に相当する。 よって、甲1発明1の「第一シャッタ1を開口させ、その際に、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、第一シャッタ1の開口部へ外皮材Fの中心部を凹ませた状態」とする点は、本件発明1の「前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程」に相当する。 ウ 甲1発明1の「内材G」は、本件発明1の「内材」に相当する。 また、甲1発明1の外皮材Fが「第一シャッタ1の開口領域に落ち込んで椀状形成され」る点は、本件発明1の外皮材が「第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成され」る点に相当するといえる。 よって、甲1発明1の「押込み部材40を下降させると、押込み部材40に装着された押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接し、押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて外皮材Fの底部に配置されるとともに内材Gの吐出力により外皮材Fは第一シャッタ1の開口領域に落ち込んで椀状形成され」る点と、 本件発明1の「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」とは、 「前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」という限りにおいて一致する。 エ 甲1発明1において「外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着する」際には、外皮材Fが内材Gを包み込むように封着することは、明らかである。 よって、甲1発明1の「第二シャッタ3を閉じる方向に動作させながら、第一シャッタ1を閉じる方向に動作させることで、外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着する」点は、本件発明1の「前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程」に相当する。 オ 甲1発明1の「食品成形方法」は、本件発明1の「包被食品成形方法」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明1とは、 「複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む包被食品成形方法。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 配置工程において、外皮材が第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成される点に関して、本件発明1では、「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させ」て湾曲形成するのに対して、甲1発明1では、「内材Gの吐出力により」湾曲形成する点。 上記相違点1について検討する。 甲2記載事項における「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」は、所定の幅(D)まで縮まって外皮(2)が伸びないように拘束するものであり、その後は、外皮(2)を封着する際に開口したままとなり、封着動作に寄与するものではない(上記「第5(2)ウ、オ」参照)。 これに対して、甲1発明1の「第一シャッタ1」は、「第二シャッタ3」とともに閉じる方向に動作させることで、外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着するものである。 したがって、甲1発明1の「第一シャッタ1」と、甲2記載事項の「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」とは、封着動作に寄与するか否かの点で、その機能が異なるから、甲1発明1の「第一シャッタ1」に、甲2記載事項の「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」の動作を適用する動機付けがない。 そして、仮に、甲1発明1に、甲2記載事項の「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」を適用したとしても、「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」は封着動作に寄与しないため、甲1発明1の「第一シャッタ1」の下側に配置されることになり、上記相違点1に係る本件発明1の構成とは異なるものとなる。 さらに、本件発明1の「第二シャッタ」は、閉じるように動作することで、「湾曲形成部分が自重で垂れ下がるように形成され、外部からの力で引き伸ばされることなく自然な形状に湾曲形成される」(本件特許明細書の段落【0036】)のに対し、甲2記載事項の「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」は、縮まることで、「外皮(2)が伸びないように拘束する」ものであるから、甲1発明1に甲2記載事項の「外皮の伸び止め用シャッタ(240)」を適用したものは、作用効果においても、本件発明1とは異なるものである。 したがって、甲1発明1に甲2記載事項を適用し、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 よって、本件発明1は、甲1発明1及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1を引用するものであるから、上記「第6 1A(1)」で検討したとおり、甲1発明1及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明5について 本件発明5と甲1発明2とを対比する。 甲1発明2の「外皮材Fの底部に内材Gを供給する内材供給手段」、「食品成形装置」は、それぞれ、本件発明5の「シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部」、「包被食品成形装置」に相当する。 また、甲1発明2の食品成形装置において、第一シャッタ1及び第二シャッタ3等を制御する制御部を備えることは、自明な事項である。 そして、上記「第6 1A(1)」における検討を踏まえれば、本件発明5と甲1発明2とは、 「複数のシャッタ片からなる第一シャッタと、前記第一シャッタの下方に取り付けられるとともに複数のシャッタ片からなる第二シャッタと、シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部と、前記内材送給部を動作させて前記外皮材に前記内材を配置するとともに前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材に配置された前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する制御部とを備える包被食品成形装置であって、 前記制御部は、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させるとともに前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する包被食品成形装置。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点2] 制御部の動作制御において、外皮材が第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成される点に関して、本件発明5では、「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させ」て湾曲形成するのに対して、甲1発明2では、「内材Gの吐出力により」湾曲形成する点。 上記相違点2について検討する。 上記相違点2は、上記相違点1と同様のものであるから、上記「第6 1A(1)」で検討したとおり、甲1発明2に甲2記載事項を適用し、上記相違点2に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 よって、本件発明5は、甲1発明2及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明6、8について 本件発明6、8は、本件発明5を引用するものであるから、上記「第6 1A(3)」で検討したとおり、甲1発明2及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 B 甲3を主引例とする場合 (1)本件発明1について 本件発明1と甲3発明1とを対比する。 ア 甲3発明1の「6枚のシャッタ片を備えた第一シャッタ1」、「6枚のシャッタ片を備えた第二シャッタ2」及び「外皮材F」は、それぞれ、本件発明1の「複数のシャッタ片からなる第一シャッタ」、「複数のシャッタ片からなる第二シャッタ」及び「外皮材」に相当する。 よって、甲3発明1の「6枚のシャッタ片を備えた第一シャッタ1を開口し、第一シャッタ1の下方に取り付けられた6枚のシャッタ片を備えた第二シャッタ2を閉鎖させた状態で受け部材70及び第二シャッタ2上に外皮材Fを載置」する点は、本件発明1の「複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程」に相当する。 イ 甲3発明1の「内材G」は、本件発明1の「内材」に相当する。 甲3発明1の外皮材Fが「第二シャッタ2の開口領域に落ち込んで椀状形成され」る点は、本件発明1の外皮材が「第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成され」る点に相当するといえる。 よって、甲3発明1の「押込み部材30が通過できる程度に第二シャッタ2を開口させ、押込み部材30を下降させて、押込み部材30に装着された押え部材50を外皮材Fの周縁部に当接させ、引き続き、押込み部材30を下降させ外皮材Fの中央部を窪ませることにより、外皮材Fは第二シャッタ2の開口領域に落ち込んで椀状形成され、 押込み部材30内の弁40を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて椀状形成された外皮材Fの底部に配置され」る点と、 本件発明1の「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」とは、 「前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程」という限りにおいて一致する。 ウ 甲3発明1において「外皮材Fの周縁部を集めて」「封着する」際には、外皮材Fが内材Gを包み込むように封着することは、明らかである。 よって、甲3発明1の「第一シャッタ1で外皮材Fの周縁部を集めて第二シャッタ2を動作させることにより、集めた外皮材Fの周縁部を確実に封着する」点は、本件発明1の「前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程」に相当する。 エ 甲3発明1の「食品加工方法」は、本件発明1の「包被食品成形方法」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲3発明1とは、 「複数のシャッタ片からなる第一シャッタを開いた状態とするとともに第一シャッタの下方に取り付けられた複数のシャッタ片からなる第二シャッタを閉じた状態として第二シャッタのシャッタ片上にシート状の外皮材を載置する載置工程と、前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程と、前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置する配置工程と、前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着工程とを含む包被食品成形方法。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点3] 本件発明1は、「前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる湾曲工程」を含むのに対し、甲3発明1は、そのように特定されていない点。 [相違点4] 配置工程において、外皮材が第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成される点に関して、本件発明1では、「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させ」て湾曲形成するのに対して、甲3発明1では、「押込み部材30を下降させ外皮材Fの中央部を窪ませることにより」湾曲形成する点。 事案に鑑み、まず相違点4について検討する。 上記相違点4は、上記相違点1と同様のものであるから、上記「第6 1A(1)」での検討と同様に、甲3発明1に甲2記載事項を適用し、上記相違点4に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 よって、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明1及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1を引用するものであるから、上記「第6 1B(1)」で検討したとおり、甲3発明1及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3) 本件発明5について 本件発明5と甲3発明2とを対比する。 甲3発明2の「外皮材Fの底部に内材Gを供給する内材供給手段」、「食品加工装置」は、それぞれ、本件発明1の「シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部」、「包被食品成形装置」に相当する。 また、甲3発明2の食品加工装置において、第一シャッタ1及び第二シャッタ2等を制御する制御部を備えることは、自明な事項である。 そして、上記「第6 3B(1)」における検討を踏まえれば、本件発明5と甲3発明2とは、 「複数のシャッタ片からなる第一シャッタと、前記第一シャッタの下方に取り付けられるとともに複数のシャッタ片からなる第二シャッタと、シート状の外皮材に内材を配置する内材送給部と、前記内材送給部を動作させて前記外皮材に前記内材を配置するとともに前記第一シャッタ及び前記第二シャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮材に配置された前記内材を包み込むように前記外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する制御部とを備える包被食品成形装置であって、 前記制御部は、前記第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成された前記外皮材の中央部分に内材を配置するように動作制御する包被食品成形装置。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点5] 本件発明5は、制御部が「前記第二シャッタを開く方向に動作させて載置された前記外皮材の中央部分を下方に湾曲させる」のに対し、甲3発明2は、そのように特定されていない点。 [相違点6] 制御部の動作制御において、外皮材が第二シャッタの開口領域に落ち込んで湾曲形成される点に関して、本件発明5では、「湾曲させた前記外皮材に対して前記第二シャッタを閉じる方向に動作させ」て湾曲形成するのに対して、甲3発明2では、「押込み部材30を下降させ外皮材Fの中央部を窪ませることにより」湾曲形成する点。 事案に鑑み、まず相違点6について検討する。 上記相違点6は、上記相違点1と同様のものであるから、上記「第6 1A(1)」での検討と同様に、甲3発明2に甲2記載事項を適用し、上記相違点6に係る本件発明5の構成とすることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 よって、相違点5について検討するまでもなく、本件発明5は、甲3発明2及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件発明6、8について 本件発明6、8は、本件発明5を引用するものであるから、上記「第6 1B(3)」で検討したとおり、甲3発明2及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明7は、甲1、甲2及び甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。 しかしながら、本件発明7は、請求項6を引用するものであるから、上記「第6 1A(4)」で検討したとおり、甲1発明2及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 さらに、甲4には、本件発明7で特定される「前記内材送給部は、前記内材を吐出する吐出管を備えており、前記制御部は、前記吐出管を前記外皮材の中央部分に当接させた状態で前記第一シャッタを閉じる方向に動作させて位置調整を行う」点は、記載されていない。 よって、本件発明7は、甲1、甲2及び甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700187

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