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特許異議申立

2022-700099

コンバイン

審判番号
2022-700099
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-054549
登録番号
6921887
請求日
2022年02月04日
審決日
2023年03月29日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社クボタ
  • 【権利者代理人】弁理士法人R&C
  • 【異議申立人】伊藤 学
審判長/審判官
  • 審判長 山本 信平
  • 審判官 鈴木 充
  • 審判官 木村 麻乃
分類
P1651.121-YAA(A01D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第6項、特許法第126条第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6921887号発明「コンバイン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6921887号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし12〕について訂正することを認める。 特許第6921887号の請求項1ないし12に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6921887号の請求項1ないし12に係る特許についての出願は、平成27年3月13日の出願である特願2015-51203号の一部を、平成31年3月22日に新たな特許出願としたものであって、令和3年7月30日にその特許権の設定登録がされ、令和3年8月18日に特許掲載公報が発行され、令和4年2月4日に特許異議申立人伊藤学(以下「特許異議申立人」という。)より請求項1ないし12に係る特許に対して特許異議の申立てがされた。その後の手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年4月27日付け(発送日:同年5月9日) 取消理由の通知 令和4年7月8日 特許権者より意見書及び訂正請求書の提出 令和4年8月10日 特許異議申立人より意見書の提出 令和4年10月4日付け(発送日:同年10月7日) 取消理由(決定の予告)の通知 令和4年12月5日 特許権者より意見書及び訂正請求書の提出 令和5年1月16日 特許異議申立人より意見書の提出 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 特許権者が令和4年12月5日の訂正請求書(以下「訂正請求書」という。)によりした訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)は、特許第6921887号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし12について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。」と記載されているのを、 「エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、 前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2ないし12も同様に訂正する。)。 なお、下線は訂正箇所を示すために、当審が付与した。訂正事項2も同様。 (2)訂正事項2 明細書の段落【0007】に、 「本発明に係るコンバインの特徴構成は、エンジンを備えた原動部と、脱穀処理を行う脱穀装置と、前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、前記第2前記排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている点にある。」と記載されているのを、 「本発明に係るコンバインの特徴構成は、エンジンを備えた原動部と、脱穀処理を行う脱穀装置と、前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている点にある。」に訂正する。 (3)一群の請求項について 訂正前の請求項1ないし12について、請求項2ないし12は、請求項1を直接又は間接的に引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1ないし12に対応する訂正後の請求項1ないし12は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、「前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置」について、「接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、」という事項を付加して限定するともに、「第1排ガス処理装置」と「第2排ガス処理装置」の関係について、「前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、」という事項を付加して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、かつ、当該訂正により、訂正前の請求項1に記載された発明の対象、目的を変更するものとはならない。 したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 ウ 新規事項の有無について 訂正事項1のうち、「接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0075】の「第1排ガス処理装置46の排ガス出口部51と、第2排ガス処理装置47の排ガス供給部54とが接続部材としての連通接続管65を介して連通接続されている。」との記載に基づくものである。 訂正事項1のうち、「前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、」との事項は、願書に添付した図3及び6の図示内容に基づくものである。 よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、訂正前の請求項1に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、上記(1)ウで述べたのと同様に、願書に添付した明細書の段落【0075】並びに願書に添付した図3及び6の図示内容に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 明細書の訂正と関係する請求項について 訂正事項2は、訂正後の請求項1ないし12の記載に対応させるものであり、一群の請求項1ないし12に関係する訂正である。 したがって、訂正事項2は、明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全てについて行うものであるから特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合する。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法126条第4項ないし第6項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし12〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2で述べたとおり、本件訂正請求による訂正が認められるので、本件の請求項1ないし12に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明12」という。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、 前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。 【請求項2】 前記穀粒タンクは、 正面視で下窄まり状に形成されるとともに、その下窄まり状の傾斜面部分にタンク内方に向けて凹入する凹入部が形成され、 前記第2排ガス処理装置が、前記凹入部に入り込む状態で配備されている請求項1に記載のコンバイン。 【請求項3】 前記第2排ガス処理装置が、側面視で前記穀粒タンクと重複している請求項1又は2に記載のコンバイン。 【請求項4】 前記第2排ガス処理装置が、平面視において、一部の領域が上方に開放されている請求項3に記載のコンバイン。 【請求項5】 前記穀粒タンクは、機体内方側に引退する通常作業位置と、機体外方側に移動して張り出すメンテナンス位置とにわたって位置変更可能に構成され、 前記第2排ガス処理装置は、前記穀粒タンクが前記メンテナンス位置に移動させた状態で、機体横側外方からアクセス可能である請求項3又は4に記載のコンバイン。 【請求項6】 前記第2排ガス処理装置は、前記原動部の近傍に配備されている請求項5に記載のコンバイン。 【請求項7】 前記穀粒タンクが前記メンテナンス位置に位置変更されると、前記第2排ガス処理装置は、平面視において全ての領域が上方に開放される請求項5又は6に記載のコンバイン。 【請求項8】 前記穀粒タンクは、後部の縦軸芯周りで回動することにより、前記通常作業位置と前記メンテナンス位置とにわたり位置変更可能である請求項5から7のいずれか一項に記載のコンバイン。 【請求項9】 前記原動部の上方を覆う状態で運転部が備えられ、 前記運転部は、前記原動部の上方を覆うように機体内方側に位置する通常姿勢と、前記原動部の上方を開放するように機体外方側に張り出すメンテナンス姿勢とに切り換え可能に構成されている請求項1から8のいずれか一項に記載のコンバイン。 【請求項10】 前記第2排ガス処理装置は、前記運転部が前記メンテナンス姿勢に切り換わっても位置変更することなく元の位置に保持される請求項9に記載のコンバイン。 【請求項11】 前記第2排ガス処理装置は、前記運転部の姿勢変更の際に前記運転部に干渉しない請求項10に記載のコンバイン。 【請求項12】 前記第2排ガス処理装置は、長手方向が機体上下方向に沿う縦向き姿勢又は横向き姿勢にて配備されている請求項1から11のいずれか一項に記載のコンバイン。」 第4 取消理由の概要 当審が令和4年10月4日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)(以下「決定の予告」という。)の要旨は、次のとおりである。 (進歩性)請求項1ないし12に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 ●引用文献1に記載された発明を主発明とする場合 ・請求項1及び3ないし8に対して:引用文献等1及び4 ・請求項9ないし12に対して:引用文献等1、4及び6ないし8 ●引用文献2に記載された発明を主発明とする場合 ・請求項1ないし4に対して:引用文献等2及び4 ・請求項5ないし8に対して:引用文献等1、2、4及び7 ・請求項9ないし12に対して:引用文献等1、2、4及び6ないし8 <引用文献等一覧> 1.特開2014-124160号公報(甲第2号証) 2.特開2013-70650号公報(甲第3号証) 4.特開2012-237232号公報(周知技術を示す文献) 6.特開2011-152099号公報(甲第4号証;周知技術を示す文献) 7.特開2010-42031号公報(甲第5号証;周知技術を示す文献) 8.特開2002-68025号公報(甲第6号証;周知技術を示す文献) 第5 引用発明、引用文献に記載の事項等 1 引用文献1 決定の予告において引用された引用文献1(特開2014-124160号公報;甲第2号証)には、「コンバイン」に関して、以下の記載がある。(下線は当審が付与した。以下同様。) (1)「【0015】 以下に、本発明を具体化した第1実施形態を図1~図12に基づいて説明する。図1~図3を参照して、ディーゼルエンジンが搭載された第1実施形態のコンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1~図3に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の左側に、穀物タンク7が走行機体1の右側に配置される。 【0016】 また、走行機体1の後部に縦取出しコンベヤ8aを介して旋回可能な穀物排出コンベヤ8が設けられ、穀物タンク7の内部の穀粒が、穀物排出コンベヤ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成している。刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。運転キャビン10の前面下部にキャビン回動支点軸10aを設け、キャビン回動支点軸10aを介して走行機体1に運転キャビン10の前面下部を回動可能に軸支し、機外前側方に向けて運転キャビン10を移動可能に設置し、キャビン回動支点軸10a回りに運転キャビン10を前方側に回動させるように構成している。 【0017】 運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー15と、副変速レバー16と、脱穀クラッチを入り切り操作する脱穀クラッチレバー17と、刈取クラッチを入り切り操作する刈取クラッチレバー18とを配置している。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラムと、前記各レバー15,16,17,18を設けたレバーコラム等が配置されている。」 (2)「【0024】 次に、図4~図12を参照して、連続再生式の排気ガス浄化装置74(ディーゼルパティキュレートフィルタ)としての排気ガス浄化ケース75並びにその取付け構造について説明する。図4~図8に示す如く、排気ガス浄化装置74は、ディーゼルエンジン14の排気ガスを導入する連続再生式の排気ガス浄化ケース75を備えている。排気ガス浄化ケース75は、入口側ケース76と、出口側ケース77を有する。入口側ケース76と出口側ケース77の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒79(ガス浄化体)と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ80(ガス浄化体)とを、排気ガスの移動方向(図7の下側から上側)に直列に並べている。入口側ケース76と出口側ケース77内のディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80によって、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。 【0025】 また、図4~図8に示す如く、入口側ケース76に排気ガス入口管としての浄化入口管81を溶接固定すると共に、出口側ケース77に排気ガス出口管としての浄化出口管82の一端側をボルト締結する。浄化出口管82の他端側に排気管としてのテールパイプ83の一端側を遊嵌状に被嵌させ、浄化出口管82他端側とテールパイプ83一端側の遊嵌状隙間から外気が吸い込まれるように、浄化出口管82にテールパイプ83を接続している。ディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化入口管81から排気ガス浄化ケース75内に導入され、排気ガス浄化ケース75内の排気ガスが、浄化出口管82からテールパイプ83に排出され、テールパイプ83内でガス温度が低下したのち、機外に放出されるように構成している。なお、入口側ケース76と出口側ケース77は、複数組の厚板状中間フランジ体84と複数本のボルト85にて着脱可能に締結されている。 【0026】 上記の構成により、ディーゼル酸化触媒79の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ80内に一側端面(取入れ側端面)から供給される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ80に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。 【0027】 次いで、図4~図11に示す如く、走行機体1上にエンジンルームフレーム91を立設し、走行機体1上面側に載置したディーゼルエンジン14の後面側をエンジンルームフレーム91にて囲む。エンジンルームフレーム91は、左の角パイプ状支柱体92と、右の角パイプ状支柱体93と、左右の支柱体92,93に両端側を一体的に溶接固着する角パイプ状横フレーム94を有する。また、運転キャビン10の底面後部にゴム製の圧接脚体95を設け、横フレーム94の左右の受け台96上面に上方側から運転キャビン10底部の圧接脚体95を当接し、横フレーム94の各受け台96に運転キャビン10の後部を上下方向に接離可能に支持している。運転キャビン10底面側とエンジンルームフレーム91にて形成されるエンジンルーム97の内部にディーゼルエンジン14を設置している。」 (3)「【0033】 また、図4に示す如く、脱穀装置5の右側方において、穀物タンク7の前面とキャビン10の後面との間に形成されるスペースに、上下方向に長い円筒形状(縦置き姿勢)の排気ガス浄化ケース75を配置し、排気マニホールド117、過給機118、排気連結管119を介して、エンジン14の排気ガスを排気ガス浄化ケース75に導入するように構成している。また、脱穀装置5と穀物タンク7間の上面側で後側方に向けてテールパイプ83から排気ガスを排出させるように構成している。」 (4)「【0042】 一方、図1、図7、図9~図11に示す如く、排出オーガ8を支持する縦取出しコンベヤ8aに穀物タンク7の後部を支持し、取出しコンベヤ8a回りに穀物タンク7の前側を水平回動させ、機外側方に向けて穀物タンク7を移動可能に設けている。また、穀物タンク7に対向する排気ガス浄化ケース75の後面側に複数のカバー支持台136を溶接固定し、各カバー支持台136に後面カバー体137を着脱可能にボルト138締結している。即ち、エンジンルーム97(エンジンルームフレーム91)と穀物タンク7の間に排気ガス浄化ケース75を配置し、穀物タンク7と排気ガス浄化ケース75の間に後面カバー体137を配置している。機外側方に向けて穀物タンク7を移動させて、エンジンルーム97後方側を開放してメンテナンス作業などを行うときに、作業者が排気ガス浄化ケース75に接触するのを、後面カバー体137にて防止するように構成している。」 (5)図2及び5から、脱穀装置5の横側で且つエンジンルーム97の後方側に脱穀後の穀粒を貯留する穀物タンク7が位置していることが把握できる。 (6)図2、3、5、9、11及び14から、排気ガス浄化装置74が、平面視、かつ、正面視で、穀物タンク7と重複する状態で配備されていることが把握できる。 上記記載事項、認定事項及び図面(特に、図2、3、5、6、9、10、11及び14ないし16を参照。)の図示内容からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 〔引用発明1〕 「ディーゼルエンジン14が設置されたエンジンルーム97と、 脱穀処理を行う脱穀装置5と、 前記脱穀装置5の横側で且つ前記エンジンルーム97の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀物タンク7と、 前記ディーゼルエンジン14の排気ガスを処理する排気ガス浄化装置74と、が備えられ、 前記排気ガス浄化装置74として、ディーゼル酸化触媒79と、スートフィルタ80と、が備えられ、 ディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80とは、縦置き姿勢の排気ガス浄化ケース75内に直列に並べられ、 前記排気ガス浄化装置74が、平面視、かつ、正面視で、前記穀物タンク7と重複する状態で配備されているコンバイン。」 2 引用文献2 決定の予告において引用された引用文献2(特開2013-70650号公報;甲第3号証)には、「コンバイン」に関して、以下の記載がある。 (1)「【請求項5】 前記傾斜壁(21D)の上部に上向きにへこんだ凹部(22)を形成し、前記DPFユニット(40)の上部を該凹部(22)に臨ませた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンバイン。」 (2)「【0021】 コンバイン1は、図1~図3に示すように、圃場を走向する左右一対のクローラからなる走行装置3と、機体の前端位置で圃場から穀桿を刈取る刈取装置4と、その後方で穀桿の脱穀・選別を行なう脱穀装置5と、脱穀装置5の右側に並設され脱穀・選別された穀粒を貯留するグレンタンク6とを備え、グレンタンク6の前側で刈取装置5の背面に臨む部位に、操作者が搭乗する操縦部7を備えている。 【0022】 また、グレンタンク6の後側には貯留された穀粒を機外に排出する排出オーガ8を備え、操縦部7の下方後側のエンジンルームEにはディーゼルエンジン(エンジン)9が搭載されている。 (脱穀装置) 刈取装置4によって刈取られた穀稈は、脱穀装置5に揚上搬送され、脱穀装置5によって脱穀・選別される。脱穀装置5は、上部に穀稈の脱穀を行う扱室と、下部に穀稈の選別を行なう選別室を備えている。扱室には、図4、図12等に示すように、複数の扱歯を有する扱胴10が前後方向に延伸する扱胴軸10Aに軸支され、選別室には、揺動選別装置に空気を送風する唐箕11と、揺動選別装置から漏下する穀粒を回収する一番受樋12と、揺動選別装置から漏下する枝梗等が付着した穀粒(二番物)を回収する二番受樋13とが前側から順に設置されている。」 (3)「【0027】 グレンタンク6内の点検・保守作業を容易にする為に、タンク部20は、右側壁20Aと、左側壁20B(側壁)とをボルト等の締結部材によって接合した接合構造とされている。右側壁20Aは、前壁と、後壁と、右壁と、天井壁とをプレス加工によって一体的に形成し、右側壁20Aの周辺部の内側には、左側壁20Bを介して挿入されるボルト等を固定する為のナット等の止着部が設けられている。また、左側壁20Bの周辺部にはボルトが挿通する取付孔が形成されている。 【0028】 漏斗部21は、前壁21Aと、後壁21Bと、右壁21Cと、左壁(傾斜壁)21Dで構成され、上側が開放された略三角柱形状に形成されている。漏斗部21の下部には、グレンタンク6に貯留された穀粒を排出オーガ8に搬送する排出螺旋が、漏斗部21の右側に偏位して設置されている。また、左壁21Dは、グレンタンク6に貯留された穀粒を能率良く排出する為に、左壁21Dの上端部から下端部に向かって左側から右側に傾斜する安息角度が設けられている。 【0029】 漏斗部21の左壁21Dの上部には、後述するディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPFユニット)40の右側上端部を配置する為に、漏斗部21の前端部から前後方向の中間部に至る凹部22を形成することができる。この場合、グレンタンク6に貯留された穀粒を能率良く排出する為に、凹部22の底面片(底面部)22Aには、左壁21Dと同じく底面片22Aの上端部から下端部に向かって左側から右側に傾斜する安息角度を設けるのが好適であり、凹部22Aは、漏斗部21の前端部からグレンタンク6の投入口の下方位置までの間に配置するのがより好適である。 (エンジン) 操縦部7の下方に配置されたエンジン9は、本発明の弾性部材としてのエンジンマウント(防振マウント)を介して機台41に取付けられている。エンジン9の上面9Aには、図6、図7等に示すように、エンジン9に空気を過給する吸気タービン30Aとエンジン9からの排気ガスを排出する排気タービン(排気マニホールド)30Bを有する過給器30と、エンジン9に排気ガスの一部を混入させる排気再循環装置(EGR)31を後側から順に並設している。 【0030】 また、グレンタンク6を開放しエンジン9の保守・点検を容易にする為に、エンジン9の後面9Bには、図10等に示すように、後面9Bの上部中央部に過給器30を配置し、後面9Bの右側に発電機32と、オイルを循環させるギヤポンプ33と、排出オーガ8を駆動するオーガ伝動部34を右側中央部から右側下部に向かって順に並設し、後面9Bの左側中央部にエンジン9を起動するスタータ35を配置している。 (DPFユニット) エンジン9から排出される排気ガスに含まれる不純物を除去する為に、エンジン9の排気マニホールド30Bからの接続管50には、図4~図12に示すように、DPFユニット40が接続されている。DPFユニット40の内部には、上流側(吸気口側)の酸化触媒(DOC)40Aと、下流側(排気口側)のパティキュレートフィルタ(DPF)40Bが設けられており、排気ガスに含有されている未燃燃料はDOC40Aによって酸化され、排気ガスに含有されている粒状化物質はDPF40Bによって除去される。 【0031】 DPFユニット40は、図4、図5等に示すように、機台41に設けられた鋼材からなるフレーム42によって支持されている。フレーム42は、前側フレーム43と、後側フレーム44と、上部連結フレーム45と、下部連結フレーム46と、カバー47と、DPFユニット40を下側から支持する支持部材48によって構成されている。」 (4)「【0044】 そしてエンジン9は、始動時や脱穀装置5等の負荷発生時に、機台41に対して大きく振動するが、この場合、エンジン9とDPFユニット40の固有振動数の違いから配管やDPFユニット40の破損を招く虞がある。エンジン9とDPFユニット40が、可撓性を有するフレキシブルチューブ(接続管)52を介して接続されているため、エンジン9とDPFユニット40の振動状態が異なったとしても、この振動の差を接続管52の撓みによって吸収し、第1接続管51及び第2接続管53の破損やDPFユニット40の破損、そして、DPFユニット40が振動することによるDPF40Bの粒子状物質の捕集効率低下を防止することができる。 (DPFユニットの配置位置) フレーム42に支持されたDPFユニット40は、図4、図5等に示すように、前後方向では、エンジン9の後面9Bと第1揚穀装置14の第1揚穀筒14Aの間に配置され、上下方向では、エンジン9の右側(外側)に設けられた冷却ファン28の中心よりも低く、ピッチングシリンダ57よりも高い位置に配置されている。また、DPFユニット40の下端部は、唐箕11のファン11Aの中心よりも高い位置に配置されている。 【0045】 DPFユニット40は、図6、図7等に示すように、前後方向では、エンジン9の後面9Bと第1揚穀装置14の第1揚穀筒14Aの間に配置され、より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の前端部は、グレンタンク6の漏斗部21の前壁21Aと略同一位置に配置されている。 【0046】 また、DPFユニット40は、左右方向では、脱穀装置3とグレンタンク6の間に配置され、より詳細には、脱穀装置3の扱胴10に回転を伝動するベルト17A、18A及び脱穀装置3の二番処理胴16Aに回転を伝動するベルト17A、18Bの高温による耐久性の劣化を防止する為に、DPFユニット40は、プーリ18C、ベルト17A、18A、18Bよりも右側後方に配置し、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の右側上部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dに形成された凹部22に臨んでいる。 【0047】 DPFユニット40は、図8、図9等に示すように、左右方向では、脱穀装置3とグレンタンク6の間に配置され、より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている。」 (5)「【0073】 また、DPFユニット40は、上下方向では、脱穀装置3の二番処理胴16Aとピッチングシリンダ57との間に配置され、より詳細には、圃場の穀桿への引火を防止する為に、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部に隣接して配置され、DPFユニット40の右側上部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dに形成された凹部22に臨んでいる。すなわち、DPFユニット40は、一部または全部がグレンタンク6の左壁21Dの下側に入りこんでいる。」 上記記載事項及び図面(特に、図3ないし9、13、及び15を参照。)の図示内容からみて、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 〔引用発明2〕 「ディーゼルエンジン9が搭載されたエンジンルームEと、 脱穀・選別を行う脱穀装置5と、 前記脱穀装置5の横側で且つ前記エンジンルームEの後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク6と、 前記ディーゼルエンジン9の排気ガスを処理するDPFユニット40と、が備えられ、 前記DPFユニット40の内部には、酸化触媒40Aと、パティキュレートフィルタ40Bと、が備えられ、 DPFユニット40は、左右方向では、前記脱穀装置3と前記グレンタンク6の間に配置され、 前記DPFユニット40の右側上端部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21D上部の前端部から前後方向の中間部に至る部分に形成された凹部22に臨んでおり、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されているコンバイン。」 3 引用文献4 決定の予告において引用された引用文献4(特開2012-237232号公報)には、「建設機械」に関して、以下の記載がある。 (1)「【0031】 ここで、ディーゼルエンジン8は、高効率で耐久性に優れているが、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質が排気ガスと一緒に排気管9から排出されてしまう。そこで、排気管9に取付けられる後述の排気ガス後処理装置21は、粒子状物質を除去するPM捕集装置22と、窒素酸化物(NOx)を除去するNOx浄化装置23とを備えている。」 (2)「【0039】 次に、粒子状物質を除去するPM捕集装置22と窒素酸化物(NOx)を除去するNOx浄化装置23とを備えた排気ガス後処理装置21の構成について、図2、図3を参照しつつ述べる。 【0040】 21はエンジン8の排気管9に接続して設けられた排気ガス後処理装置である。この排気ガス後処理装置21は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去するPM捕集装置22と、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元剤となる尿素水(尿素水溶液)を用いて浄化する後述のNOx浄化装置23とを備えるものである。そして、排気ガス後処理装置21は、PM捕集装置22とNOx浄化装置23とにより大略構成されている。 【0041】 22はエンジン8の排気管9の出口側に接続して設けられたPM捕集装置(粒子状物質除去装置)である。このPM捕集装置22は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集して除去するものである。PM捕集装置22は、円筒状容器として形成された筒状ケース22Aと、該筒状ケース22A内に収容されたPM捕集フィルタ22Bとにより大略構成されている。このPM捕集フィルタ22Bは、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去するものである。 【0042】 23はPM捕集装置22の下流側に接続して設けられたNOx浄化装置である。このNOx浄化装置23は、尿素水を利用して排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するものである。NOx浄化装置23は、筒状容器として形成された筒状ケース23Aと、該筒状ケース23Aの入口側をPM捕集装置22の出口側に接続する中間配管23Bと、前記筒状ケース23Aの出口側から上側に延びた尾管23Cと、前記筒状ケース23A内に収容された尿素選択還元触媒23Dと、該尿素選択還元触媒23Dの下流側に設けられた酸化触媒23Eとにより大略構成されている。 【0043】 ここで、NOx浄化装置23は、中間配管23Bに設けられた後述の尿素水噴射弁24により排気ガス中に尿素水を噴射し、尿素選択還元触媒23Dにより尿素水から生成されたアンモニアを用いて排気ガス中のNOxを還元反応させ、水と窒素に分解し、さらに、酸化触媒23Eでは、NOxを還元した後に残った残留アンモニアを酸化することにより、水と窒素に分離することができる。」 上記記載事項及び図面(特に、図2及び3を参照。)の図示内容から、引用文献4には、次の事項(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。 〔引用文献4記載事項〕 「排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するPM捕集装置22と、中間配管23Bを介して前記PM捕集装置22と接続され、排ガス中の窒素酸化物を(NOx)を除去するNOx浄化装置23と、を備えたディーゼルエンジン8の排気ガス後処理装置21。」 第6 当審の判断 1 引用発明1を主発明とした場合 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1における「ディーゼルエンジン14」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明1の「エンジン」に相当し、以下同様に、「設置された」は「備えた」に、「エンジンルーム97」は「原動部」に、「脱穀装置5」は「脱穀装置」に、「穀物タンク7」は「穀粒タンク」に、「排気ガス」は「排ガス」に、「排気ガス浄化装置74」は「排ガス処理装置」に、それぞれ相当する。 引用発明1における「前記排気ガス浄化装置74として、ディーゼル酸化触媒79と、スートフィルタ80と、が備えられ」と本件発明1における「前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ」とは、「前記排ガス処理装置として、第1排ガス処理装置と第2排ガス処理装置と、が備えられ」という限りにおいて一致しており、引用発明1の「前記排気ガス浄化装置74が、平面視、かつ、正面視で、前記穀物タンク7と重複する状態で配備されている」と本件発明1の「前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」とは、「前記排ガス処理装置の構成要素の少なくとも一部が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」という限りにおいて一致している。 そうすると、本件発明1と引用発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。 〔一致点〕 「エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、第1排ガス処理装置と第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置の構成要素の少なくとも一部が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。」 〔相違点1〕 本件発明1においては、排ガス処理装置として、「エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する」第1排ガス処理装置と、「接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する」第2排ガス処理装置と、が備えられ、「前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれして」いるのに対して、引用発明1においては、排気ガス浄化装置74として、ディーゼル酸化触媒79と、スートフィルタ80と、が備えられ、ディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80とは、縦置き姿勢の排気ガス浄化ケース75内に直列に並べられている点。 〔相違点2〕 本件発明1においては、「第2排ガス処理装置」が、平面視、かつ、正面視で、穀粒タンクと重複する状態で配備されているのに対して、引用発明1においては、排気ガス浄化装置74が、平面視、かつ、正面視で、前記穀物タンク7と重複する状態で配備されている点。 イ 相違点についての検討 上記相違点1について検討する。 引用発明1の排気ガス浄化装置74は、ディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80とが、縦置き姿勢の排気ガス浄化ケース75内に直列に並べられたものであり、また、引用文献1の図8及び10から把握できるように、ディーゼル酸化触媒79における機体左右方向の中心と、スートフィルタ80における機体左右方向の中心とは同じ、すなわち、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 また、引用文献4記載事項のPM捕集装置22とNOx浄化装置23の位置関係も、引用文献4の図2及び4から把握できるように、PM捕集装置22における機体左右方向の中心とNOx浄化装置23における機体左右方向の中心とは、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、引用発明1の排気ガス浄化装置74を、引用文献4記載事項の「排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するPM捕集装置22と、中間配管23Bを介して前記PM捕集装置22と接続され、排ガス中の窒素酸化物を(NOx)を除去するNOx浄化装置23と、を備えたディーゼルエンジン8の排気ガス後処理装置21」に置換したとしても、エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとはならない。 したがって、引用発明1において引用文献4記載事項を参照しても、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることはできない。 ウ 令和4年4月27日付けで通知した取消理由について 当審が令和4年4月27日付けで通知した取消理由において引用された引用文献3(特許第5235564号公報;甲第1号証、以下「引用文献3」という。)及び引用文献5(特開2012-159054号公報、以下「引用文献5」という。)に記載された事項を踏まえて検討する。 引用文献3(特に、段落【0024】ないし【0026】並びに図3、5及び6を参照。)には、「ディーゼルエンジン20の排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するDPF65と、中間排気ガス管67を介して前記DPF65と接続され、前記DPF65にて処理された後の排気ガス中の窒素酸化物を還元して無害化するNOx触媒68と、が備えられ、前記DPF65における機体左右方向の中心と、前記NOx触媒68における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしている排気ガス処理装置。」(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。 引用発明1の排気ガス浄化装置74は、ディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80とが、縦置き姿勢の排気ガス浄化ケース75内に直列に並べられたもの、すなわち、ディーゼル酸化触媒79における機体左右方向の中心とスートフィルタ80の機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、引用文献3記載事項を考慮したとしても、引用発明1において、ディーゼル酸化触媒79を(エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する)第1排ガス処理装置とし、スートフィルタ80を(第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する)第2排ガス処理装置とし、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとするには、排気ガス浄化装置74の構造変更、又は、周辺機器の配置変更を伴うから、引用発明1において、該引用文献3記載事項を参照して、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 引用文献5(特に、段落【0023】及び【0024】並びに図1及び2を参照。)には、「ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)21a、選択還元型触媒(SCR)21b及び第3酸化触媒21cが、同じ容器に配置された排気ガス浄化ユニット21。」(以下「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。 しかしながら、引用文献5には、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)21aと選択還元型触媒(SCR)21bとが、接続部材を介して接続されている点、及び、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)21aにおける機体左右方向の中心と選択還元型触媒(SCR)21bにおける機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしていることまでは記載されていない。 したがって、引用発明1において引用文献5記載事項を参照しても、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることはできない。 エ 特許異議申立人の意見書の主張を踏まえた検討 特許異議申立人は、令和5年1月16日付けで提出した意見書において、今般の訂正請求で追加された「(エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する)第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、(第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する)第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれして」いるという事項は周知の技術(以下「周知技術」という。)である旨主張し、その例として、令和4年4月27日付けの取消理由で引用された引用文献3(特許第5235564号公報;甲第1号証)及び令和4年8月4日付けで提出した意見書に添付した参考資料3(特開2015-7397号公報)を挙げている。 そこで、当該主張を踏まえて、上記相違点1について、さらに検討する。 引用発明1の排気ガス浄化装置74は、ディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80とが、縦置き姿勢の排気ガス浄化ケース75内に直列に並べられたもの、すなわち、ディーゼル酸化触媒79における機体左右方向の中心とスートフィルタ80の機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、周知技術を考慮したとしても、引用発明1において、ディーゼル酸化触媒79を(エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する)第1排ガス処理装置とし、スートフィルタ80を(第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する)第2排ガス処理装置とし、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとするには、排気ガス浄化装置74の構造変更、又は、周辺機器の配置変更を伴うから、引用発明1において、該周知技術を参照して、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 オ まとめ 以上のとおりであるから、引用発明1において、引用文献4記載事項、引用文献3記載事項、引用文献5記載事項及び周知技術を参照しても、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1、引用文献4記載事項、引用文献3記載事項、引用文献5記載事項及び周知技術に基いて、又は、引用発明1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2ないし12について 本件発明2ないし12は、本件発明1の発明特定事項を全て含むから、上記(1)で述べたのと同様の理由により、引用発明1及び引用文献4記載事項に基いて、又は、引用発明1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 引用発明2を主発明とした場合 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と引用発明2とを対比すると、引用発明2における「ディーゼルエンジン9」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明1の「エンジン」に相当し、以下同様に、「が搭載された」は「を備えた」に、「エンジンルームE」は「原動部」に、「脱穀・選別を行う」は「脱穀処理を行う」に、「脱穀装置5」は「脱穀装置」に、「グレンタンク6」は「穀粒タンク」に、「排気ガス」は「排ガス」に、「DPFユニット40」は「排ガス処理装置」に、それぞれ相当する。 引用発明2における「前記DPFユニット40の内部には、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bと、が備えられ」と本件発明1における「前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ」とは、「前記排ガス処理装置として、第1排ガス処理装置と第2排ガス処理装置と、が備えられ」という限りにおいて一致している。 引用発明2の「前記DPFユニット40の右側上端部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21D上部の前端部から前後方向の中間部に至る部分に形成された凹部22に臨んでおり、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている」に関して、「前記DPFユニット40には、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bと、が備えられ」ていること、及び「DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている」こと、並びに図6及び8の記載を合わせ見れば、「パティキュレートフィルタ40Bが、平面視で、グレンタンク6と重複する状態で配備されている」といえる。そうすると、引用発明2における「前記DPFユニット40の右側上端部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21D上部の前端部から前後方向の中間部に至る部分に形成された凹部22に臨んでおり、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている」と本件発明1における「前記第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」とは、「前記第2排ガス処理装置が、平面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」という限りにおいて一致している。 よって、本件発明1と引用発明2とは、次の一致点及び相違点を有する。 〔一致点〕 「エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、第1排ガス処理装置と第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記第2排ガス処理装置が、平面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。」 〔相違点3〕 本件発明1においては、排ガス処理装置として、「エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する」第1排ガス処理装置と、「接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する」第2排ガス処理装置と、が備えられ、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしているのに対して、引用発明2においては、DPFユニット40の内部には、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bと、が備えられ、DPFユニット40は、左右方向では、前記脱穀装置3と前記グレンタンク6の間に配置されている点。 〔相違点4〕 本件発明1においては、第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、「正面視」で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているのに対して、引用発明2においては、前記DPFユニット40の右側上端部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21D上部の前端部から前後方向の中間部に至る部分に形成された凹部22に臨んでおり、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている点。 イ 相違点についての検討 上記相違点3について検討する。 引用発明2は、DPFユニット40の内部に、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bとが備えられたものであって、図6ないし9から把握できるように、DPFユニット40は、機体の前後方向に配置されていることを踏まえれば、酸化触媒40Aにおける機体左右方向の中心と、パティキュレートフィルタ40Bにおける機体左右方向の中心とは同じ、すなわち、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 また、引用文献4記載事項のPM捕集装置22とNOx浄化装置23の位置関係も、引用文献4の図2及び4から把握できるように、PM捕集装置22における機体左右方向の中心とNOx浄化装置23における機体左右方向の中心とは、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、引用発明2のDPFユニット40を、引用文献4記載事項の「排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するPM捕集装置22と、中間配管23Bを介して前記PM捕集装置22と接続され、排ガス中の窒素酸化物を(NOx)を除去するNOx浄化装置23と、を備えたディーゼルエンジン8の排気ガス後処理装置21」に置換したとしても、第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとはならない。 したがって、引用発明2において引用文献4記載事項を参照しても、上記相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とはならない。 ウ 令和4年4月27日付け取消理由通知書に記載した取消理由について 令和4年4月27日付けで当審より通知した取消理由において引用された引用文献3及び引用文献5に記載された事項を踏まえて検討する。 引用文献3記載事項は、上記1(1)ウで述べたとおりである。 引用発明2は、DPFユニット40の内部に、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bとが備えられたものであって、図6ないし9から把握できるように、DPFユニット40は、機体の前後方向に配置されていることを踏まえれば、酸化触媒40Aにおける機体左右方向の中心と、パティキュレートフィルタ40Bにおける機体左右方向の中心とは同じ、すなわち、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、引用文献3記載事項を考慮したとしても、引用発明2において、ディーゼル酸化触媒79を(エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する)第1排ガス処理装置とし、スートフィルタ80を(第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する)第2排ガス処理装置とし、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとするには、DPFユニット40の構造変更、又は、周辺機器の配置変更を伴うから、引用発明2において、該引用文献3記載事項を参照して、上記相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 引用文献5記載事項は、上記1(1)ウのとおりである。 しかしながら、引用文献5には、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)21aと選択還元型触媒(SCR)21bとが、接続部材を介して接続されている点、及び、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)21aにおける機体左右方向の中心と選択還元型触媒(SCR)21bにおける機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしていることまでは記載されていない。 したがって、引用発明2において引用文献5記載事項を参照しても、上記相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とはならない。 エ 特許異議申立人の意見書の主張を踏まえた検討 上記1(1)エの、特許異議申立人の意見書の主張を踏まえ、相違点3について、さらに検討する。 引用発明2は、DPFユニット40の内部に、酸化触媒40Aとパティキュレートフィルタ40Bとが備えられたものであって、図6ないし9から把握できるように、DPFユニット40は、機体の前後方向に配置されていることを踏まえれば、酸化触媒40Aにおける機体左右方向の中心と、パティキュレートフィルタ40Bにおける機体左右方向の中心とは同じ、すなわち、機体左右方向に位置ずれしたものではない。 したがって、周知技術を考慮したとしても、引用発明2において、酸化触媒40Aを(エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する)第1排ガス処理装置とし、パティキュレートフィルタ40Bを(第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する)第2排ガス処理装置とし、前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしたものとするには、DPFユニット40の構造変更、又は、周辺機器の配置変更を伴うから、引用発明2において、該周知技術を参照して、上記相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 オ まとめ 以上のとおりであるから、引用発明2において、引用文献4記載事項、引用文献3記載事項、引用文献5記載事項及び周知技術を参照しても、上記相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。 したがって、上記相違点4について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明2、引用文献4記載事項、引用文献3記載事項、引用文献5記載事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2ないし12について 本件発明2ないし12は、本件発明1の発明特定事項を全て含むから、上記(1)で述べたのと同様の理由により、引用発明2及び引用文献4記載事項又は引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 決定の予告において採用しなかった特許異議申立理由について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明1は、甲第1号証(決定の予告において引用された引用文献3)と甲第2号証(同引用文献1)に基づいて、または、甲第1号証(同引用文献3)と甲第3号証(同引用文献2)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない旨主張しているので(特許異議申立書21ページ)、これについて検討する。 1 引用文献3の記載事項等 引用文献3には、「コンバイン」に関して、以下の記載がある。 (1)「【請求項1】 ディーゼルエンジン(20)を搭載した走行機体(1)と、左右の走行クローラ(2)と、刈取装置(3)と、脱穀装置(5)と、グレンタンク(7)とを備えたコンバインにおいて、 前記ディーゼルエンジン(20)の排気ガス中の粒子状物質等を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(65)と、前記ディーゼルエンジン(20)の排気ガス中の窒素酸化物を還元するNOx触媒(68)とを備え、 前記グレンタンク(7)の下部の前面側に前記ディーゼルパティキュレートフィルタ(65)を近接させて設け、前記グレンタンク(7)の下部の左側面側に前記NOx触媒(68)を近接させて設け、前記ディーゼルパティキュレートフィルタ(65)及び前記NOx触媒(68)のうち少なくとも一方を、前記グレンタンク(7)に平面視で重合する位置に配置し、 前記ディーゼルエンジン(20)と前記グレンタンク(7)の間で、前記ディーゼルエンジン(20)から前記グレンタンク(7)方向に排気管(66)を延長させ、排気ガス排出側が低くなる姿勢に前記排気管(66)を傾斜させ、前記排気管(66)の傾斜下端側に、前記ディーゼルパティキュレートフィルタ(65)と前記NOx触媒(68)とを配置し、前記NOx触媒(68)の排気ガス流入側から前記NOx触媒(68)内に還元剤を噴射するように構成している、 コンバイン。」 (2)「【0001】 本発明は、刈取装置によって圃場の未刈り穀稈を刈取り、刈取った穀稈を脱穀装置によって脱穀するコンバインに係り、より詳しくは、ディーゼルエンジンを搭載したコンバインに関するものである。」 (3)「【0014】 図1~図3に示されるように、本実施形態のコンバインは、左右一対の走行クローラ2(走行部)にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈取る4条刈り用の刈取装置3が配置されている。単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に、走行機体1の前部に刈取装置3が装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7とが横並び状に搭載されている。脱穀装置5が走行機体1の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク7が走行機体1の前進方向に向かって右側に配置されている(図3参照)。グレンタンク7内の穀粒を機体外部に排出する穀粒排出オーガ8が配設されている。 【0015】 走行機体1の右側前部には、運転部10が設けられている。グレンタンク7の前方の運転部10には、オペレータが搭乗するステップ11、運転座席12、操向ハンドル13や各種の操作レバーなどを備えた操作装置を配置している。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン20が配置されている。」 (4)「【0023】 図4乃至図6を参照して、ディーゼルエンジン20の吸気構造と排気構造を説明する。ディーゼルエンジン20は、上面にシリンダヘッド60が締結されたシリンダブロック59を備えている。シリンダヘッド60には、ターボ過給機61が取付けられている。ターボ過給機61は、タービンホィール(図示省略)を内蔵したタービンケース62と、ブロアホィール(図示省略)を内蔵したコンプレッサケース63とを有する。 【0024】 図5に示す如く、シリンダヘッド60の前側面に排気マニホールド64が配置されている。タービンケース62の排気ガス取入れ側に排気マニホールド64が接続されている。タービンケース62の排気ガス排出側には、排気ガス処理装置としてのディーゼルパティキュレートフィルタ65(以下、DPFという)が設けられている。タービンケース62の排気ガス排出側に前部排気管66を介してDPF65の排気ガス取入れ側が接続されている。 【0025】 図4に示す如く、DPF65の排気ガス排出側に中間排気管67を介してNOx触媒68の排気ガス取入れ側が接続されている。NOx触媒68の排気ガス排出側にテールパイプ69が接続されている。即ち、ディーゼルエンジン20の各気筒から排気マニホールド64に排出された排気ガスは、DPF65を経由して浄化処理されたのち、NOx触媒68を経由して浄化処理され、テールパイプ69から外部に放出される。また、DPF65は排気ガス中の粒子状物質(PM)等を捕集するためのものである。図7に示す如く、DPF65は、耐熱金属材料製のDPFケーシング100に内蔵した略筒型のフィルタケース101,102に、例えば白金等のディーゼル酸化触媒103とハニカム構造のフィルタ体であるすすフィルタ104とを直列に並べて収容した構造になっている。DPFケーシング100は、シリンダヘッド60の左側面にボルト等にて着脱可能に締結されている。 【0026】 また、消音機能を有したNOx触媒68は、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元して無害化し、且つ排気音を減衰するためのものである。図8に示す如く、NOx触媒68としては、尿素水を還元剤とした選択接触還元触媒であるNOx除去触媒105を用いている。NOx触媒68は、耐熱金属材料製のNOx触媒ケーシング106に内蔵した略筒型のフィルタケース107,108に、NOx除去触媒105とアンモニア除去触媒109とを直列に並べて収容した構造になっている。また、DPF65とNOx触媒68との間、即ち、NOx触媒68の排気ガス流入側からNOx触媒68内に、尿素供給タンク装置(図示省略)から尿素供給ポンプ(図示省略)等によって尿素水溶液が噴射される。なお、図示しないが、耐熱金属材料製の略筒型の触媒ケーシングにNOx触媒68を内蔵している。また、尿素供給タンク装置は、脱穀装置5の扱口81の下方に形成されたデッドスペース等を活用して、走行機体1に設置される。 【0027】 図5に示す如く、ディーゼルエンジン20の前面に、ターボ過給機61が配置されている。ターボ過給機61からディーゼルエンジン20の左側外方を介して後方側に向けて前部排気管66が延長される。前部排気管66の延長後端側にDPF65の排気ガス取入れ側を連結している。ディーゼルエンジン20に対向したグレンタンク7の前面に、DPF65(前記DPFケーシング)が配置されている。DPF65からグレンタンク7の左側外方に向けて中間排気管67の前端側が延長される。グレンタンク7の左外側面に沿わせて機体後方に向けて中間排気管67の後端側を延長させている。中間排気管67の後端側にNOx触媒68の排気ガス取入れ側を連結している。脱穀装置5とグレンタンク7の間で、NOx触媒68からテールパイプ69を後向きに延長させる。脱穀装置5の上面よりも低い走行機体1の上面側で、テールパイプ69の後端側を後方に向けて開口させている。」 (5)「【0034】 図4及び図6に示す如く、グレンタンク7の左側面壁の外側面にNOx外装ケース96を設ける。NOx外装ケース96にNOx触媒68(前記触媒ケーシング)を内蔵している。また、左のタンク底部流穀板91に換気口97を形成する。換気口97を介してグレンタンク7内にNOx外装ケース96の内部を連通させる。グレンタンク7の左側面に対向した脱穀装置5の右側に向けてNOx外装ケース96を開口させている。脱穀装置5の右側からNOx外装ケース96内に外気が移動して、NOx触媒68によって加温される。NOx触媒68によって加温されたNOx外装ケース96内の暖気が、左のタンク底部流穀板91の上面側に移動して、左のタンク底部流穀板91及びその周辺を加温するように構成している。 【0035】 即ち、グレンタンク7の底部に近接させてDPF65又はNOx触媒68を組付け、DPF65やNOx触媒68の放熱を活用して、グレンタンク7の滑落流穀板90やタンク底部流穀板91を加温できる。その結果、滑落流穀板90やタンク底部流穀板91に付着する塵を低減でき、且つグレンタンク7内の穀粒同士の摩擦又は穀粒と流穀板90,91との摩擦を低減でき、グレンタンク7の底部における穀粒の流動性を良好に維持できる。従来、グレンタンク7の底部に振動機構又は揺動機構等の穀粒排出促進機構を設け、グレンタンク7から穀粒を排出するときに、グレンタンク7の底部に穀粒が停滞するのを防止していたが、従来の穀粒排出促進機構が不要になる。湿材等の刈取作業においても、グレンタンク7からの穀粒排出作業性を向上できる。 【0036】 なお、上記の実施形態において、グレンタンク7の前面にDPF65を配置し、グレンタンク7の左外側面にNOx触媒68を配置したが、グレンタンク7の前面にNOx触媒68を配置し、グレンタンク7の左外側面にDPF65を配置してもよい。前部排気管66の後端側にNOx触媒68の排気ガス取入れ側を連結し、NOx触媒68に中間排気管67を介してDPF65の排気ガス取入れ側を連結することも可能である。」 (6)上記(3)及び図1ないし4の図示内容から、脱穀装置5の横側で且つディーゼルエンジン20の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7があることがわかる。 (7)上記(4)(特に、段落【0027】を参照)及び図3及び5から、DPF65における機体左右方向の中心と、NOx触媒68における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしていることがわかる。 上記記載事項、認定事項及び図面(特に、図1ないし5を参照。)の図示内容から、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。 〔引用発明3〕 「ディーゼルエンジン20と、 脱穀装置5と、 前記脱穀装置5の横側で且つ前記ディーゼルエンジン20の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7と、 前記ディーゼルエンジン20の排ガスを処理する排気ガス処理装置と、が備えられ、 前記排気ガス処理装置として、前記ディーゼルエンジン20の排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するDPF65と、中間排気ガス管67を介して前記DPF65と接続され、前記DPF65にて処理された後の排気ガス中の窒素酸化物を還元して無害化するNOx触媒68と、が備えられ、 前記DPF65における機体左右方向の中心と、前記NOx触媒68における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、 前記NOx触媒68が、平面視で、前記グレンタンク7と重複する状態で配備されているコンバイン。」 2 本件発明1と引用発明3との対比 本件発明1と引用発明3とを対比すると、引用発明3の「ディーゼルエンジン20」は、その機能、構成、又は技術的意義からみて、本件発明1の「エンジンを備えた原動部」及び「エンジン」に相当し、以下同様に、「脱穀装置5」は「脱穀処理を行う脱穀装置」に、「グレンタンク7」は「穀粒タンク」に、「排気ガス処理装置」は「排ガス処理装置」に、「排気ガス」は「排ガス」に、「粒子状物質を捕集する」は「粒子状物質を低減する」に、「中間排気ガス管67」は「接続部材」に、「DPF65」は「第1排ガス処理装置」に、「排気ガス中の窒素酸化物を還元して無害化する」は「排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する」に、「NOx触媒68」は「第2排ガス処理装置」に、それぞれ相当する。 引用発明3の「NOx触媒68が、平面視で、前記グレンタンク7と重複する状態で配備されている」と、本件発明1の「第2排ガス処理装置が、平面視、かつ、正面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」とは、「前記第2排ガス処理装置が、平面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されている」という限りにおいて一致している。 そうすると、本件発明1と引用発明3とは、次の一致点及び相違点を有する。 〔一致点〕 「エンジンを備えた原動部と、 脱穀処理を行う脱穀装置と、 前記脱穀装置の横側で且つ前記原動部の後方側に位置して脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンクと、 前記エンジンの排ガスを処理する排ガス処理装置と、が備えられ、 前記排ガス処理装置として、前記エンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を低減する第1排ガス処理装置と、接続部材を介して前記第1排ガス処理装置と接続され、前記第1排ガス処理装置にて処理された後の排ガス中に含まれる窒素酸化物を低減する第2排ガス処理装置と、が備えられ、 前記第1排ガス処理装置における機体左右方向の中心と、前記第2排ガス処理装置における機体左右方向の中心とが、機体左右方向に位置ずれしており、 前記第2排ガス処理装置が、平面視で、前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているコンバイン。」 〔相違点5〕 本件発明1においては、第2排ガス処理装置が、平面視、「かつ、正面視で、」前記穀粒タンクと重複する状態で配備されているのに対して、引用発明3においては、NOx触媒68が、平面視で、前記グレンタンク7と重複する状態で配備されているが、「正面視で、」グレンタンク7と重複する状態で配備されているものではない点。 3 判断 上記相違点5について検討する。 (1)引用発明3に引用発明1を適用することの検討 引用文献1には、上記第5 1で認定したとおりの引用発明1が記載されている。 引用発明1は、排気ガス浄化装置74は、その排気ガス浄化ケース75が、縦置き姿勢で、平面視、かつ、正面視で、穀物タンク7と重複する状態で配備されているものである。 一方、引用発明3のNOx触媒68は、図1ないし5から把握できるように、横置き姿勢で配備されたものである。 そうすると、引用発明3におけるNOx触媒68の配備について、引用発明1を引用発明1を適用する動機付けは存在しない。 (2)引用発明3に引用発明2を適用することの検討 引用文献2には、上記第5 2で認定したとおりの引用発明2が記載されている。 引用発明2は「DPFユニット40の右側上端部は、グレンタンク6の漏斗部21の左壁21D上部の前端部から前後方向の中間部に至る部分に形成された凹部22に臨んでおり、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の左壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている」ものであるが、これは、引用文献2の段落【0016】に「請求項5記載の発明によれば、請求項1~4のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、DPFユニット(40)の上部をグレンタンク(6)の傾斜壁(21D)に形成した凹部(22)に臨ませているので、DPFユニット(40)の放熱によってグレンタンク(6)に貯留された穀粒の乾燥をより促進することができる。」と記載されていることから、「DPFユニット(40)の放熱によってグレンタンク(6)に貯留された穀粒の乾燥をより促進」するためと理解できる。 一方、引用文献3の段落【0034】には「図4及び図6に示す如く、グレンタンク7の左側面壁の外側面にNOx外装ケース96を設ける。NOx外装ケース96にNOx触媒68(前記触媒ケーシング)を内蔵している。また、左のタンク底部流穀板91に換気口97を形成する。換気口97を介してグレンタンク7内にNOx外装ケース96の内部を連通させる。グレンタンク7の左側面に対向した脱穀装置5の右側に向けてNOx外装ケース96を開口させている。脱穀装置5の右側からNOx外装ケース96内に外気が移動して、NOx触媒68によって加温される。NOx触媒68によって加温されたNOx外装ケース96内の暖気が、左のタンク底部流穀板91の上面側に移動して、左のタンク底部流穀板91及びその周辺を加温するように構成している。」と記載されているように、左のタンク底部流穀板91に換気口97を形成し、換気口97を介してグレンタンク7内にNOx外装ケース96の内部を連通させ、グレンタンク7の左側面に対向した脱穀装置5の右側に向けてNOx外装ケース96を開口させ、脱穀装置5の右側からNOx外装ケース96内に外気が移動して、NOx触媒68によって加温され、NOx触媒68によって加温されたNOx外装ケース96内の暖気が、左のタンク底部流穀板91の上面側に移動して、左のタンク底部流穀板91及びその周辺を加温するように構成しており、グレンタンクに貯留された穀粒の乾燥をより促進する構成を既に採用しているものと理解できる。 また、引用文献3の段落【0027】に記載され、また、図3ないし6からも看取できるように「脱穀装置5とグレンタンク7の間で、NOx触媒68からテールパイプ69を後向きに延長させ」ているから、グレンタンクに貯留された穀粒の乾燥をより促進するために、敢えて、グレンタンクの傾斜壁に形成した凹部を設け、当該凹部にNOx触媒68を臨ませる動機付けは存在しないし、仮に、凹部を設けて、当該凹部にNOx触媒68を臨ませるとしても、NOx触媒68が、「正面視で」グレンタンク7と重複するようにまで、深い凹部を設けて、当該凹部にNOx触媒68を臨ませる動機付けは存在しない。 (3)まとめ そうすると、引用発明3において、引用発明1又は2を参照しても、上記相違点5に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 したがって、本件発明1は、引用発明3及び引用発明1又は2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 よって、特許異議申立人の理由は採用できない。 第9 むすび 以上のとおりであるから、請求項1ないし12に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した理由によっては取り消すことができない。 さらに、他に請求項1ないし12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700099

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