2022-390139
改良された補体結合を有する高次多量体化免疫グロブリンFC組成物を作製するためのヒトタンパク質断片の融合タンパク質
- 審判番号
- 2022-390139
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-501267外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6937737
- 請求日
- 2022年07月28日
- 審決日
- 2022年09月28日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】グリックニック インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】大貫 敏史
- 【請求人代理人】江口 昭彦
- 【請求人代理人】内藤 和彦
- 分類
- P141 .852-Y (C07K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第184条の19、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第6937737号についての出願は、平成28年7月22日(パリ条約による優先権主張 2015年7月24日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2018-501267号として特許出願されたものであって、その請求項1-23に係る発明について、令和3年9月2日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和4年7月28日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6937737号の明細書及び図面を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるというものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項1-2のとおりである。
1 訂正事項1
願書に添付した明細書の段落【0053】に記載された図36A及び図36Bの記載を以下のとおり訂正する。
訂正前:
「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」
訂正後:
「【図36A】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。【図36B】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」
2 訂正事項2
願書に添付した図面の図36Aにおける「配列番号28」を「配列番号3」に、図36Bにおける「配列番号29」を「配列番号2」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の明細書段落【0053】には「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」と記載されているが、段落【0111】には、「Fcγ受容体結合能を有する代表的なFcドメインとしては、ヒトIgG1に由来するFcドメイン(配列番号2または3)が挙げられる。これらの未変性配列は、機能的な配列の部位特異的変異誘発のマッピングを含む、広範な構造-機能分析に供されている。」と、配列番号2や配列番号3がヒトIgG1に由来するFcドメインのアミノ酸配列であることが記載されている。
また、本件訂正前の明細書段落【0083】には「本明細書を通して、IgG重鎖中の残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)にあるようなEUインデックスのものであり、これは、参照により本明細書に明確に組み込まれる。「KabatにあるようなEUインデックス」とは、ヒトIgG1のEU抗体の番号付けを指す。図36A及び36Bを参照されたい。」、段落【0084】には「DEL多形及びEEM多形と呼ばれる、2つのIgG1のヒト多形が存在する。DEL多形は、356位にD及び358位にLを有し、EEM多形は、356位にE及び358位にMを有する(Kabat番号付け、図36A及び36Bを参照されたい)。」と、明細書のIgG重鎖中の残基はKabatにあるようなEUインデックスにより番号付けがなされていることが記載されているところ、本件訂正前の図36A及び図36Bに示されるアミノ酸配列は、「216」より番号が始まっている。そうすると、図36A及び図36Bに示されるアミノ酸配列は、ヒトIgG1全長ではなく、ヒトIgG1のFcドメインであることは当業者に明らかである。
以上によれば、段落【0053】の「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」は誤りであり、正しい記載が「【図36A】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」であることは自明である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
国際出願日における国際出願の明細書段落[00174]には、「Fcγ受容体結合能を有する代表的なFcドメインとしては、ヒトIgG1に由来するFcドメイン(配列番号2または3)が挙げられる。これらの未変性配列は、機能的な配列の部位特異的変異誘発のマッピングを含む、広範な構造-機能分析に供されている。」と、配列番号2や配列番号3がヒトIgG1に由来するFcドメインのアミノ酸配列であることが記載されている。
また、国際出願日における国際出願の明細書段落[00146]には「本明細書を通して、IgG重鎖中の残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)にあるようなEUインデックスのものであり、これは、参照により本明細書に明確に組み込まれる。「KabatにあるようなEUインデックス」とは、ヒトIgG1のEU抗体の番号付けを指す。図36A及び36Bを参照されたい。」、段落[00147]には「DEL多形及びEEM多形と呼ばれる、2つのIgG1のヒト多形が存在する。DEL多形は、356位にD及び358位にLを有し、EEM多形は、356位にE及び358位にMを有する(Kabat番号付け、図36A及び36Bを参照されたい)。」と、明細書のIgG重鎖中の残基はKabatにあるようなEUインデックスにより番号付けがなされていることが記載されているところ、本件訂正前の図36A及び図36Bに示されるアミノ酸配列は、「216」より番号が始まっている。そうすると、図36A及び図36Bに示されるアミノ酸配列は、ヒトIgG1全長ではなく、ヒトIgG1のFcドメインであることは当業者に明らかである。そうすると、訂正事項1は、誤りである「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」を、正しい記載である「【図36A】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1 Fcドメイン、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」に訂正するものであり、本件国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項1は、特許法第184条の19の規定によって読み替えて適用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項1-23に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないとする理由は発見できないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
本件訂正前の図面の図36Aには「配列番号28」、図36Bには「配列番号29」と記載されているが、本件訂正前の明細書段落【0053】には「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」と記載されている。
そして、本件訂正前の図面の図36Aに示されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸数、アミノ酸配列を示す一方で、本件訂正前明細書段落【0143】の【表1-6】や、配列表の配列番号28で示されるアミノ酸配列とは、アミノ酸数、アミノ酸配列が異なるものである。また、本件訂正前の図面の図36Bに示されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸数、アミノ酸配列を示す一方で、本件訂正前明細書段落【0143】の【表1-6】や、配列表の配列番号29で示されるアミノ酸配列とは、アミノ酸数、アミノ酸配列が異なるものである。
そうすると、本件訂正前の図面の図36Aに記載された「配列番号28」及び図36Bに記載された「配列番号29」は誤りであり、図36Aの正しい記載は「配列番号3」であって、図36Bの正しい記載は「配列番号2」であることは自明である。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
国際出願日における国際出願の明細書段落[0088]には「【図36A】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。 【図36B】ヒトIgG1、DEL(図36A、配列番号3)、及びEEM(図36B、配列番号2)多形の配列を提供する。」と記載されている。
そして、国際出願日における国際出願の図面の図36Aに示されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸数、アミノ酸配列を示す一方で、国際出願日における国際出願の明細書段落[00206]の表1や、配列表の配列番号28で示されるアミノ酸配列とは、アミノ酸数、アミノ酸配列が異なるものである。また、国際出願日における国際出願の図面の図36Bに示されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸数、アミノ酸配列を示す一方で、国際出願日における国際出願の明細書段落[00206]の表1や、配列表の配列番号29で示されるアミノ酸配列とは、アミノ酸数、アミノ酸配列が異なるものである。
そうすると、本件訂正前の図面の図36Aに示される「配列番号28」、図36Bに示される「配列番号29」は誤りであり、図36Aの正しい記載は「配列番号3」であって、図36Bの正しい記載は「配列番号2」であることは当業者に明らかであるから、訂正事項2は、誤りである「配列番号28」を正しい記載である「配列番号3」に、また、誤りである「配列番号29」を正しい記載である「配列番号2」に訂正するものであり、本件国際出願日における国際出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項2は、特許法第184条の19の規定によって読み替えて適用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)で述べたとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項1-23に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないとする理由は発見できないから、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおりに審決する。
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