商標取消審判
2022-301056
メリッサ
- 審判番号
- 2022-301056
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-062054
- 登録番号
- 5175790
- 請求日
- 2022年12月06日
- 審決日
- 2023年09月04日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】メリッサ キキザス エス.アー.
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 【被請求人】株式会社 ロイヤルホテル
- 【被請求人代理人】弁理士法人清原国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T132 .1 -Y (X3035)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5175790号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5175790号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、上段に「Melissa」の欧文字及びその下段に小さく「メリッサ」の片仮名を上下二段に書してなるものであり、平成19年6月18日に登録出願、第29類、第30類、第32類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年10月24日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件の審判請求の登録日は、令和4年12月21日である。
なお、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)12月21日から令和4年(2022年)12月20日(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定役務中、第30類「穀物の加工品」及び第35類「穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定商品及び指定役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが前記指定役務についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
1 被請求人による商品の販売形態・商標の使用態様について
被請求人は、自身が運営する「リーガロイヤルホテル(大阪府大阪市北区中之島5丁目3番68号)」の1階に「Gourmet Boutique Melissa\グルメブティックメリッサ」と称する食料品販売店(以下「ホテル内店舗」という。)を1979年7月に開業してから現在に至るまで、ホテルのお総菜をはじめ、パンやケーキなどの販売を行っている(乙1)。また、ホテル内店舗で取り扱われている商品はオンライン上でも販売されており、被請求人直営のオンラインショップ(店名「リーガロイヤルホテルオンラインショップ」)(乙2)や、楽天市場(店名「リーガロイヤルホテルメリッサ」)(乙3)及びYahoo!ショッピング(店名「リーガロイヤルホテルグルメストア」)(乙4)内のオンラインショッピングモール内で販売されている。
乙第1号証のホームページに掲載されている店舗正面の写真から判別できるように、店舗正面の上方にある看板(以下「店舗看板」という。)には欧文字で「Melissa」との表記があり、実際に店舗にて本商標権に係る商標を使用していることが確認できる。
乙第5号証は、ホテル内店舗で商品を購入した商品の持ち帰り用の手提げ袋であり、この手提げ袋にも店舗看板に使用されているのと同じ態様で「Melissa」の欧文字が表記されている。この手提げ袋は被請求人の取引業者である手提げ袋メーカー「イーダ株式会社」が作製したものであり、納品伝票から確認できる(乙6)。本納品伝票では、「イーダ株式会社(大阪営業所)」への手提げ袋の発注日が2021年10月2日、納品日が2021年10月5日となっており、いずれも要証期間内の日付であることから、この手提げ袋は被請求人により要証期間内に店舗にて提供されていた事実が確認できる。
本件商標は、「Melissa」の欧文字が大きく書かれ、その下に「メリッサ」の片仮名が比較的小さく書かれた態様であるところ、使用商標の欧文字部分は本件商標の欧文字部分のつづりと書体が同一であること、本件商標構成中の片仮名は比較的小さく書されており、要部となるのは欧文字部分にあること、加えて欧文字部分と片仮名では共通して「メリッサ」の称呼が生じることから、上述の使用商標は本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。
2 取消対象の指定商品及び役務に対する商標使用事実の立証
(1)「第30類 穀物の加工品」についての使用実績
ア 被請求人は要証期間内の2020年1月10日~4月15日に、ホテル内店舗内で期間限定の販促用イベント「グルメブティックメリッサの苺フェア」(乙7)を開催しており、当時販売された商品の一つに「苺チョコグラノーラ」がある。
イ 乙第8号証の商品拡大写真から確認できるように、「苺チョコグラノーラ」は、円筒状の透明ケースに入れて、ケース上にラベルを付した状態で販売されたものである。ケース正面に付されたラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる欧文字「Melissa」の表記があり、「苺チョコグラノーラ」に対して本件商標が使用された事実が確認できる。
ウ 「苺チョコグラノーラ」は要証期間内の2020年2月1日~2月29日の間に合計102点が販売された実績(乙9)が存在することからも、当該商品に対する本件商標の使用は要証期間内のものである。
エ 商品「苺チョコグラノーラ」は、商品規格書(乙10)にあるように「オーツ麦」「ライ麦粉」といった穀物を主原料とする商品であり、また、本件商品「苺チョコグラノーラ」に該当する商品名「グラノーラ」は、「穀物の加工品」と同じ類似群コード(32F03)が適用されていることから、「苺チョコグラノーラ」は「第30類 穀物の加工品」に該当する商品である。
(2)「第35類 穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用実績
ア ホテル内店舗内で販売されたスパゲッティの麺は、株式会社nakatoが取り扱う「ラセルバ オーガニック スパゲティ」(乙12)であり、実際に要証期間内の2021年9月30日と同年10月18日付で株式会社nakatoから「リーガロイヤルホテル大阪 グルメブティックメリッサ」宛に納品されている(乙13、乙14)。
イ 上記アのスパゲッティの麺は、要証期間内の2021年10月1日~10月31日の間にホテル内店舗内で合計10点が販売された実績(乙15)も存在することから、ホテル内店舗で本件商品が要証期間内に販売されていたことが確認できる。
ウ 以上より、被請求人は要証期間内に「第35類 穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る業務において本件商標を使用していたといえる。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 被請求人は、自身が運営する「リーガロイヤルホテル」の1階にある食料品販売店である「Gourmet Boutique Melissa\グルメブティックメリッサ」と称するホテル内店舗を1979年7月に開業してから現在に至るまで、ホテルのお総菜をはじめ、パンやケーキなどの販売を行っている(主張)。
イ 当該店舗入口付近の店舗看板には、上段に小さく「Gourmet Boutique」の文字(以下「使用商標1」という。)が表記され、その下段に目立つように大きく「Melissa」の文字が表記されている(乙1)。
ウ 乙第7号証は、「グルメブティック メリッサの苺フェア」と題するウェブサイトの写しであり、そこには、「開催期間2020年1月10日(金)~4月15日(水)」及び「苺を使用した華やかなスイーツやパンを多数取り揃えました。」等の記載があり、お菓子等が並べられた写真右横の10の位置には、「苺チョコグラノーラ」の記載がある。また、同号証には、ウェブサイトの写しの下に、円筒状の透明ケースに包装された商品の拡大写真が示されている。
エ 乙第8号証は、乙第7号証のお菓子等が並べられた写真の拡大写真である。そこには、「10」の位置に、「苺チョコグラノーラ」が写されていて、円筒状の透明ケースに貼付された商品ラベルには、目立つように大きく「Melissa」の文字(以下「使用商標2」という。)が表記されている。
オ 乙第9号証は、「2023年3月13日(月)」付けの「商品別売上月計表」とされ、そこには、「【年月指定:2020年 2月度】【日付期間:2020年2月1日~2020年2月29日】」の記載及びその明細の商品名の欄には、「苺チョコグラノーラ」の記載、合計数量の欄には、「102」等の記載がある。
カ 「苺チョコグラノーラ」に係る作業依頼書(乙11)の食品表示作成担当者欄には、「1・内製品 2・外部委託業者(社名)」の区分があり、「1・内製品」に丸印がされている。
キ 乙第12号証は、「株式会社nakato」(以下「nakato」という。)のホームページの写しであり、そこには、「LaSelva」と表示されたスパゲッティの麺の拡大写真及び「オーガニック スパゲッティ」等の記載がある。
ク 乙第12号証に掲載の商品に係る「納品書」の写し(乙13、乙14)には、「年月日」の欄に「2021/10/02」の記載、納入先には、「リーガロイヤルホテル大阪 グルメブティックメリッサ 様」、品名の欄に「オーガニック スパゲッティ」の記載、数量及び単位の欄に「2CS」(審決注:合議体は、「CS」を「ケース」の略号と認定する。以下同じ。)等の記載がある。同様に乙第14号証の「年月日」の欄に「2021/10/20」の記載、納入先には、「リーガロイヤルホテル大阪 グルメブティックメリッサ 様」、品名の欄に「オーガニック スパゲッティ」の記載、数量及び単位の欄に「1CS」等の記載がある。
ケ 乙第15号証は、「2023年03月13日(月)」付けの「商品別売上月計表」とされ、そこには、「【年月指定:2021年 10月度】【日付期間:2021年10月1日~2021年10月31日】」の記載及びその明細の「商品名」の欄には、「オーガニック スパゲッティ」等の記載があり、当該スパゲッティの「合計数量」の欄には、「10」の記載がある。
(2)上記(1)からすれば、以下の事実が認められる。
ア 被請求人は、自身が運営する「リーガロイヤルホテル」の1階の「Gourmet Boutique MeLissa\グルメブティックメリッサ」と称するホテル内店舗において、主にホテルのお総菜をはじめ、パンやケーキなどの販売を行っている。
イ 上記アの店舗看板には、使用商標1が表記されている。
ウ ホテル内店舗では、2020年1月10日(金)~同年4月15日(水)の期間で販促用イベント「グルメブティックメリッサの苺フェア」を開催し、苺チョコグラノーラを販売し、要証期間内の2020年2月1日~同年2月29日の間に数量にして102個の売り上げがあった。当該商品を包装した商品ラベルには、使用商標2が表示されている。
エ 苺チョコグラノーラは、被請求人の内製品である。また、当該商品は、穀物を主原料とするものであり、「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品である。
オ 被請求人は、nakatoより、「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品である「スパゲッティの麺」を2021年10月2日及び同年10月20日にホテル内店舗において3CS仕入れ、要証期間内である2021年10月1日~同年10月31日の間に10点売り上げた。
2 判断
(1)使用者について
被請求人自身が運営するホテル内店舗は、1979年7月より開業しており、提出された各証拠からは、被請求人が実質的に経営をしている事実がうかがえるから、本件商標の使用者は、商標権者である。
(2)使用商標について
本件商標は、別掲のとおり、上段に「Melissa」の欧文字及びその下段に小さく「メリッサ」の片仮名を上下二段に書してなるものであり、下段の文字は、上段の文字の読みを特定したものといえるものであるから、本件商標は、構成全体としての使用に加え、「Melissa」の欧文字、又は「メリッサ」の片仮名のみの使用も容認される。
一方、使用商標1は、上段に小さく「Gourmet Boutique」の文字及びその下段に大きく「Melissa」の文字よりなるものであるところ、その構成中「Gourmet Boutique」の文字は、「Gourmet」の文字が、「グルメ、食通、美食家」等の意味を有し、また、「Boutique」の文字が、「(ギフト用品などの)小規模専門店」等を意味(いずれも、英和・和英対訳データベース「英辞郎」を用いた職権調査結果)する、いずれも親しまれた外国語であるから、本件の指定商品及び指定役務との関係においては、「グルメ食材を揃えた小規模専門店」程の意味合いをもって、商品の販売場所、役務の提供場所等を表示するものであり、自他商品(役務)の識別標識としての機能を有しないか、有するとしてもその機能は極めて弱いものである。
そうすると、使用商標1は、その構成中「Melissa」の文字部分が要部といえるものである。
また、使用商標2は、「Melissa」の文字を書してなるものである。
したがって、使用商標1は、その構成中「Melissa」の文字部分が要部といえるものであり、また、使用商標2は、「Melissa」の文字を書してなるものであるから、使用商標1及び2と本件商標とでは、「Melissa」の欧文字部分とそのつづりを共通にし、書体のみに変更を加えたものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品及び使用役務について
ア 使用商品について
被請求人は、自身の内製品である「苺チョコグラノーラ」(以下「使用商品」という。)の包装に使用商標2を付してホテル内店舗で販売した。
また、使用商品は、穀物を主原料とするものであり、「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品である。
よって、使用商品は、請求に係る指定商品であるといえる。
イ 使用役務について
被請求人は、「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品である「スパゲッティの麺」を、ホテル内店舗において、取引先より仕入れて販売したことから、「穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という。)を行っていたと認められる。
よって、使用役務は、請求に係る指定役務であるといえる。
(4)使用時期及び使用場所について
ア 被請求人は、「穀物の加工品」の範ちゅうの商品である使用商品の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを要証期間内の2020年2月1日~同年2月29日において販売した事実がうかがえるものである。
イ 被請求人の運営するホテル内店舗においては、要証期間内の2021年10月1日~同年10月31日に使用役務が提供されていたと認められるものである。また、ホテル内店舗の店舗看板には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているものであるところ、ホテル内店舗は、1979年7月に開業し、現在も継続して営業しており、要証期間内に商品の売上実績があることから、ホームページ上に掲載されている店舗看板は、要証期間においても使用されていたと推認し得るものである。
そして、店舗看板は、販売場所の案内板の役割を果たし、小売等役務における「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物」といい得るものである。
そうすると、被請求人は、要証期間内の2021年10月1日~同年10月31日に役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物である店舗看板に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して提供したといえるものである。
なお、上記ア及びイにおけるいずれの使用も、日本国内であると認められる。
(5)小括
以上よりすれば、被請求人は、日本国内において、要証期間内に、本件審判の請求に係る指定商品「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品の包装に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡し、また、同指定役務「穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る役務の提供の用に供する物に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付する行為を行ったと認められるものであり、これらの行為は、それぞれ商標法第2条第3項第2号及び同項第3号に該当する商標の使用ということができる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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